JP2995175B2 - マグネットポンプ - Google Patents

マグネットポンプ

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JP2995175B2
JP2995175B2 JP10131633A JP13163398A JP2995175B2 JP 2995175 B2 JP2995175 B2 JP 2995175B2 JP 10131633 A JP10131633 A JP 10131633A JP 13163398 A JP13163398 A JP 13163398A JP 2995175 B2 JP2995175 B2 JP 2995175B2
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喜之 佐野
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Seikow Chemical Engr and Machinery Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネットポンプ
に関するものであり、さらに詳しくは、腐食性流体を扱
うのに好適するマグネットカップリングを適用したマグ
ネットポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】横軸型のマグネットポンプとして、図4
に示すように、ブラケット1の前部にフロントケーシン
グ2を取着してポンプ室3を形成し、ブラケット1に取
着した椀状の隔壁4内に設けた主軸5に、すべり軸受け
6を介して回転部7を回転支持し、この回転部7は、ポ
ンプ室3内にあってその前部にインペラー8を装着し、
隔壁4内にあって後部にインナーマグネット9を装着し
てなり、このインナーマグネット9に対応して隔壁4外
にアウターマグネット10を配装して磁気的に結合して
同期回動するマグネットカップリングを構成し、アウタ
ーマグネット10をモータ等の回動駆動源11に連結し
た構成のものが提案されている。
【0003】このように、マグネットカップリングを適
用したマグネットポンプは、インペラー8を駆動する従
動側のインナーマグネット9が、ポンプ室3外の駆動側
のアウターマグネット10と隔壁4を隔てて磁気的に回
転駆動され、主軸5は隔壁4を貫通しない構造にできる
ため、軸が隔壁4を貫通する部分をシールするような軸
封装置が不要であることから、マグネットポンプは液漏
洩のないノーメンテナンスポンプとして、腐食性の強い
薬液の移送等に多用されている。
【0004】そして、このような構成のマグネットポン
プによる薬液の移送では、薬液は、吸込み口12からイ
ンペラー8中心部に向け吸入され、インペラー8で径方
向に加圧してインペラー8外周に対応してケーシングに
設けた吐出口13から吐出される。このため、インペラ
ー8を含む回転部7には吸込み口12方向(前向け)に
推力が発生し、この推力はインペラー背面側で主軸5に
設けたスラストベアリング14にすべり軸受け6の前端
面を当接させて受けられ、また、回転部7の荷重は、す
べり軸受け6を介して主軸5で受けられるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記する従来のマグネ
ットポンプのように、ストレート径をなす主軸に、すべ
り軸受けを介して回転部を支持させ、これにポンプ運転
時に発生する推力を受けるスラストベアリングを組み合
わせた構造からすると、ポンプの空運転時や空気を吸い
込むような時、または、キャビテーションの発生により
逆方向の推力を発生するような時も、すべり軸受けと主
軸の摺接関係は変化がなく、推力が変化する度にすべり
軸受けが主軸上を前後方向(軸方向)に摺動して回転部
のがたつきの原因になる。また、すべり軸受けが主軸上
を摺動してすべり軸受け端部がスラストベアリングに当
接する時の衝突はスラストベアリングの寿命に影響す
る。
【0006】そこで、本発明の課題は、ポンプの通常運
転時には、すべり軸受けと主軸の両方のテーパ摺動面を
摺接回転させて軸方向荷重と径方向荷重を共通のテーパ
摺動面で受けさせることにより、回転部のがたつきをな
くするとともに、スラストベアリングの寿命を改善した
マグネットポンプを提供することを目的としたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、前部にインペ
ラーを装着し、後部にインナーマグネットを装着し、中
間部をすべり軸受けを介して主軸に回転支持した回転部
を備えたマグネットポンプにおいて、前記すべり軸受け
と主軸にテーパ摺動面を形成し、また、すべり軸受けに
近接してその前後に補助軸受けを設け、ポンプの通常運
転時に発生する推力の下ですべり軸受けと主軸のテーパ
摺動面を摺接回転させ、無推力又は逆方向の推力発生時
に、回転部の後退移動で両テーパ摺動面を離間させ、
べり軸受けと主軸の軸心が僅かに上下にずれてすべり軸
受けのテーパ摺動面前後で補助軸受けが主軸のストレー
ト径軸部に当接して回転部を支持することを特徴とす
る。
【0008】ここで、主軸がケーシング側に固定される
場合のテーパ摺動面の傾斜方向としては、インペラー側
を径大にする。また、補助軸受けは、すべり軸受け端部
と若干の間隔を採って設けられ、すべり軸受けの前側に
設ける補助軸受けは、主軸のテーパ摺動面の前部に連続
する径大ストレート径軸部に対応させ、すべり軸受けの
後側に設ける補助軸受けは、主軸のテーパ摺動面の後部
に連続する径小ストレート径軸部に対応させる。
【0009】このように構成すると、ポンプの通常運転
時に、インペラーを含む回転部に対して吸込み口方向
(前向け)に発生する推力により、回転部が前進移動し
てすべり軸受けのテーパ摺動面が主軸のテーパ摺動面に
摺接回転する。こうして、軸方向荷重と径方向荷重は共
通のテーパ摺動面で受けられるようになり、回転部は位
置的に安定してがたつきなく回転する。
【0010】ポンプの運転が停止して推力が消失した
り、運転中の空運転、空気の吸い込み、または、キャビ
テーションの発生により逆方向の推力を発生したりする
時は、回転部は後退移動する。ここで、すべり軸受けの
テーパ摺動面は主軸のテーパ摺動面を後方に摺動し、回
転部は補助軸受けで支持される。回転部が後退移動する
と、主軸とは軸心が僅かに上下にずれて補助軸受けが主
のストレート径軸部に当接して支持され、すべり軸受
けのテーパ摺動面は主軸のテーパ摺動面から離れて極小
隙間が形成される。この状態における回転部の回転は、
主軸に対し、補助軸受けを介しての回転となり、テーパ
摺動面には回転負担の掛からない回転になる。なお、回
転部が補助軸受けを介して回転するのは、ポンプの通常
運転時とは異なり、補助軸受けに掛かる負担が軽く、時
間的にも一時的なものである。
【0011】また、すべり軸受け前後に設けた補助軸受
けによる回転部の支持は、ポンプ容量又は回転部の重量
等に関係なく、回転部の支持がバランスよく確実にでき
る。また、回転部の後退移動で、すべり軸受けのテーパ
摺動面が主軸のテーパ摺動面から離れ、両テーパ摺動面
間に極小隙間を形成する位置を回転部の後退移動終点に
設定することにより、回転部の前後移動量を最小にする
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。
【0013】図1は本発明の実施の形態を示すマグネッ
トポンプの断面図である。
【0014】なお、以下の各図において、上述の図4と
共通、若しくは対等部分については、同一符号を付けて
説明する。
【0015】図1において、ブラケット1の前部にフロ
ントケーシング2を取着してポンプ室3を形成し、ブラ
ケット1に取着した椀状の隔壁4内に主軸5を設け、こ
の主軸5に、すべり軸受け6を介して回転部7を回転支
持している。この回転部7は、ポンプ室3内にあってそ
の前部にインペラー8を装着し、隔壁4内にあって後部
にインナーマグネット9を装着したもので、このインナ
ーマグネット9に対応して隔壁4外にアウターマグネッ
ト10を配装し、このアウターマグネット10をモータ
等の回動駆動源11に連結している。なお、このような
マグネットポンプの基本構成は、従来の横軸型のマグネ
ットポンプとして公知のものである。
【0016】本発明の実施の形態においては、前記のす
べり軸受け6と主軸5に、インペラー側(前側)を径大
にしたテーパ摺動面15,16を形成している。
【0017】また、すべり軸受け6の前後両側に、すべ
り軸受け6に近接して若干の間隔を採って回転部7が後
退移動した時に回転部7を支持する補助軸受け17を設
け、その前側の補助軸受け17を、主軸前部でテーパ摺
動面15に連続する径大ストレート径軸部15aに対応
させ、後側の補助軸受け17を、主軸後部でテーパ摺動
面15に連続する径小ストレート径軸部15bに対応さ
せている。
【0018】また、後側の補助軸受け17に対応して主
軸5側に回転部7の後退移動を制限するストッパー18
を設けている。また、すべり軸受け6のテーパ摺動面1
6に、ポンピング潤滑溝19を母線方向に設けている。
また、前記するインナーマグネット9と、このインナー
マグネット9に対応するアウターマグネット10の配装
位置関係としては、両者間の磁力が回転部7を後退方向
に恒常的に作用するように配装し、ポンプの通常運転時
には、この磁力によりすべり軸受け6と主軸5のテーパ
摺動面15,16のしまり嵌め傾向を緩和するように作
用させ、無推力又は後ろ向き推力発生時のように、回転
部が後退移動する時は、この磁力により後側の補助軸受
け17をストッパー18を当接させて回転部7を後退位
置に落ち着かせるようにしている。
【0019】上記構成において、ポンプの通常運転時に
は、図2に示すように、インペラー8を含む回転部7に
発生する前向きの推力の下で、すべり軸受け6と主軸5
に形成したテーパ摺動面15,16を摺接回転させる。
ここで、軸方向荷重と径方向荷重は共通のテーパ摺動面
15,16で受けられ、推力の大きな変動がない限りは
回転部7は位置的に安定してがたつきなく回転する。ま
た、摺接回転するすべり軸受け6と主軸5のテーパ摺動
面15,16には、すべり軸受け6のテーパ摺動面16
に設けたポンピング潤滑溝19を介して回転部背部側か
らその前部側へ薬液が流通し、薬液による自給式潤滑が
行われる。
【0020】ポンプの運転が停止して推力が消失(無推
力)したり、キャビテーションの発生により逆方向の推
力を発生したりする時は、図3に示すように、回転部7
が後退移動して後側の補助軸受け17がストッパー18
に当接して回転部7の後退を規制する。この時に回転部
7と主軸5の軸心が僅かに上下にずれ、すべり軸受け6
のテーパ摺動面16が主軸5のテーパ摺動面15から離
れ、両テーパ摺動面間に極小隙間を形成し、補助軸受け
17が主軸5のテーパ摺動面15の前後でストレート径
軸部15a,15bに当接して回転部7は支持される。
なお、この状態での回転部7の回転は、主軸5に対し、
補助軸受け17を介しての回転となり、テーパ摺動面1
5,16には回転負担の掛からない回転になる。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、本発明によれば、ポンプの通常運転時には、す
べり軸受けと主軸に設けたテーパ摺動面を摺接回転さ
せ、軸方向荷重と径方向荷重を共通のテーパ摺動面で受
けさせるから、回転部のがたつきをなくするとともに、
スラストベアリングの寿命も改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すマグネットポンプの
断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における動作態様を説明す
るためのマグネットポンプ要部の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における動作態様を説明す
るためのマグネットポンプ要部の断面図である。
【図4】従来のマグネットポンプの断面図である。
【符号の説明】
1 ブラケット 2 フロントケーシング 3 ポンプ室 4 隔壁 5 主軸 6 すべり軸受け 7 回転部 8 インペラー 9 インナーマグネット 10 アウターマグネット 11 回動駆動源 12 吸込み口 13 吐出口 14 スラストベアリング 15 テーパ摺動面 15a 径大ストレート径軸部 15b 径小ストレート径軸部 16 テーパ摺動面 17 補助軸受け 18 ストッパー 19 ポンピング潤滑溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前部にインペラーを装着し、後部にインナ
    ーマグネットを装着し、中間部をすべり軸受けを介して
    主軸に回転支持した回転部を備えたマグネットポンプに
    おいて、前記すべり軸受けと主軸にテーパ摺動面を形成
    し、また、すべり軸受けに近接してその前後に補助軸受
    けを設け、ポンプの通常運転時に発生する推力の下です
    べり軸受けと主軸のテーパ摺動面を摺接回転させ、無推
    力又は逆方向の推力発生時に、回転部の後退移動で両テ
    ーパ摺動面を離間させ、すべり軸受けと主軸の軸心が僅
    かに上下にずれてすべり軸受けのテーパ摺動面前後で補
    助軸受けが主軸のストレート径軸部に当接して回転部を
    支持することを特徴とするマグネットポンプ。
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