JP2994039B2 - 柔軟化性の改良された安定な洗濯用水性洗浄剤組成物 - Google Patents

柔軟化性の改良された安定な洗濯用水性洗浄剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、優れた洗浄ならびに布地（fabric）軟化お
よび帯電防止特性を有する安定した水性ヘビーデューテ
ィー液体洗濯洗剤組成物に関する。本発明の洗剤組成物
は、本質的に透明で、等方性であり、陰イオン系界面活
性剤成分および等４級アンモニウム布地軟化剤を含んで
なる。陰イオン系界面活性剤成分は、アルキルポリエト
キシレート硫酸塩および少量のアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩を含んでなる。
発明の背景 通常の洗濯洗剤に加えて、濯ぎの際に加える布地軟化
剤を別に使用する必要性を避けるために、良好な洗濯特
性と共に布地軟化特性を有する洗濯洗剤組成物を処方す
るための多くの試みがなされている。本来、洗浄とは布
地表面から物質を除去することであり、布地軟化とは、
通常、同じ表面上に物質を付着させることであるので、
これらの試みは、一般的に組成物における洗浄および軟
化性能の妥協を必要とする。
第４級アンモニウム界面活性剤を含む陽イオン系界面
活性剤は、洗濯洗剤組成物において、洗濯した布地に静
電気抑制効果（例えば、両方ともここに参考として含め
る米国特許第3,951,879号明細書、Wixon、1976年４月20
日発行、および米国特許第3,959,157号、Inamorato、19
76年５月25日発行、参照）、布地軟化効果（例えばすべ
てここに参考として含める米国特許第3,607,763号、Sal
menら、1971年９月21日発行、米国特許第3,644,203号、
Lambertiら、1972年２月22日発行、および米国特許第3,
537,993号、Cowardら、1970年11月３日発行、参照）、
または衛生効果（例えば、すべてここに参考として含め
る米国特許第2,742,434明細書、Kopp、1956年４月17日
発行、米国特許第3,539,520号明細書、Cantorら、1970
年11月10日発行、および米国特許第3,965,026号明細
書、Lancz、1976年６月22日発行、参照）を与えるのに
有用な添加剤として以前から知られている。
陰イオン系界面活性剤およびラウリルトリメチルアン
モニウムクロライドの様な第４級アンモニウム布地軟化
剤を含み、洗濯を通じて軟化および静電気抑制効果を与
える水性ヘビーデューティー液体洗濯洗剤組成物を処方
する試みは、相分離を含む製品の物理特性低下または布
地洗浄性能低下を引き起こしている。
ここで、ある種の陰イオン系界面活性剤および第４級
アンモニウム布地軟化剤を含むヘビーデューティー液体
洗剤組成物が、洗濯を通じて軟化および静電気抑制効
果、優れた洗浄性能、および好ましい製品特性を与え
る、すなわち実質的に透明で、等方性で、相が安定して
いることが、分かった。アルキルポリエトキシレート硫
酸塩を含む水性洗剤組成物中のアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩の量を制限することにより、洗剤製品中における
見苦しい沈殿物の形成が防止ないし抑制され、優れた性
能（洗浄、洗濯を通じて軟化および帯電防止効果に関し
て）が強化されることが分かった。
そこで、本発明の目的は、洗濯を通じて優れた洗浄お
よび軟化性および帯電防止効果を与える、本質的に透明
で、等方性の水性ヘビーデューティー液体洗濯洗剤組成
物を提供することである。
発明の概要 本発明は、本質的に透明で、水性の等方性ヘビーデュ
ーティー液体洗濯洗剤組成物であって、組成物の重量基
準で ａ）約10％〜約40％の、組成物の重量基準で （ｉ）約５％〜40％の、アルキル基が10〜22個の炭素原
子を含み、ポリエトキシレート鎖が１〜15個のエチレン
オキシド部分を含むアルキルポリエトキシレート硫酸
塩、および （ii）約５％を超えないアルキルベンゼンスルホン酸塩 を含んでなる陰イオン系界面活性剤成分、および ｂ）約１％〜約10％の、式 ［式中、R1およびR2は個別にC1〜C4アルキル、C1〜C4ヒ
ドロキシアルキル、ベンジル、および−（C2H4O）xH
（ｘは２〜５の値を有する）からなる群から選択され、
Χは陰イオンであり、（１）R3およびR4はそれぞれC8〜
C14アルキルであるか、または（２）R3はC8〜C22アルキ
ルであり、R4はC1〜C10アルキル、C1〜C10ヒドロキシア
ルキル、ベンジル、および−（C2H4O）xH（ｘは２〜５
の値を有する）からなる群から選択される］を有する第
４級アンモニウム布地軟化剤 を含んでなる組成物に関する。
発明の詳細な説明 本発明により、驚くべきことに、ある種の陰イオン系
界面活性剤および第４級アンモニウム布地軟化剤を以下
に規定する相対比率で組み合わせることによって、安定
した水性ヘビーデューティー液体洗剤組成物が形成され
ることが分かった。この組成物は実質的に透明で等方性
であって、洗濯による利益を通じて傑出した洗浄および
軟化特性を与える。ここで使用する用語「等方性」は、
単一の連続相、例えば液体、を意味する。浮遊する結
晶、沈殿物または１超過の液体または液晶相を有するス
ラリーまたは液体はこの範囲に入らない。ここで使用す
る用語「実質的に透明な」は、美観的に澄んだ、透明
な、または半透明な、を意味する。
本発明のヘビーデューティー液体洗濯洗剤組成物は、
必須成分として、陰イオン系界面活性剤および第４級ア
ンモニウム布地軟化剤を含む。
陰イオン系界面活性剤成分 本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物の約10重量％〜約
40重量％の、好ましくは約15重量％〜約25重量％の、陰
イオン系界面活性剤成分を含んでなる。陰イオン系界面
活性剤成分は、アルキルポリエトキシレート硫酸塩を含
み、他の非セッケン系陰イオン系界面活性剤、またはそ
れらの混合物を含むことができる。陰イオン系界面活性
剤成分は、約５％を超えるアルキルベンゼンスルホン酸
塩を含んでいてはならない。
一般的に、ここで有用な陰イオン系界面活性剤は、両
方ともここに参考として組込られた米国特許第4,285,84
1号明細書、Barratら、1981年８月25日発行、および米
国特許第3,919,678号明細書、Laughlinら、1975年12月3
0日発行に記載されている。
有用な陰イオン系界面活性剤には、約10〜約20個の炭
素原子を含むアルキル基およびスルホン酸または硫酸エ
ステル基を分子構造中に有する有機硫酸反応生成物の水
溶性塩、特にアルカリ金属、アンモニウムおよびアルキ
ロールアンモニウム（例えばモノエタノールアンモニウ
ムまたはトリエタノールアンモニウム）塩がある（用語
「アルキル」には、アリール基のアルキル部分も含
む）。この群の合成界面活性剤の例は、アルキル硫酸
塩、特にタロウまたはココナッツ油のグリセリドを還元
して得られる様な高級アルコール（C8〜C18炭素原子）
の硫酸化により得られる物質である。
他の陰イオン系界面活性剤は、約８〜約24（好ましく
は約12〜18）個の炭素原子を含むパラフィンスルホン酸
塩、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、特にC8
〜C18アルコール（例えばタロウまたはココナッツ油に
由来するもの）のエーテル、分子１個あたり約１〜約４
単位のエチレンオキシドとアルキル基中に約８〜約12個
の炭素原子を含むアルキルフェノールエチレンオキシド
エーテルスルホン酸塩、および分子１個あたり約１〜約
４単位のエチレンオキシドとアルキル基中に約10〜約20
個の炭素原子を含むアルキルエチレンオキシドエーテル
スルホン酸塩、の水溶性塩である。
ここで有用な他の陰イオン系界面活性剤には、脂肪酸
基中に約６〜20個の炭素原子およびエステル基中に約１
〜10個の炭素原子を含むα−スルホン化脂肪酸のエステ
ルの水溶性塩、アシル基中に約２〜９個の炭素原子およ
びアルカン部分中に約９〜約23個の炭素原子を含む２−
アシルオキシ−アルカン−１−スルホン酸の水溶性塩、
約12〜24個の炭素原子を含むオレフィンスルホネートの
水溶性塩、およびアルキル基中に約１〜３個の炭素原子
およびアルカン部分中に約８〜20個の炭素原子を含むβ
−アルキルオキシアルカンスルホン酸塩が含まれる。
ここで特に好ましい陰イオン系界面活性剤は、式 RO（C2H4O）xSO3 -M+ （式中、Ｒは約10〜約22個の炭素原子を有する飽和また
は不飽和のアルキル鎖であり、アルキル鎖の最も長い直
鎖部分は平均で15またはそれ未満の炭素原子を有し、Ｍ
は化合物に水溶性を付与する陽イオン、特にアルカリ金
属、アンモニウムまたは置換されたアンモニウム陽イオ
ン、であり、ｘは１〜約15である）のアルキルポリエト
キシレート硫酸塩である。本発明の組成物の陰イオン系
界面活性剤成分は、洗剤組成物の約５〜約40重量％、好
ましくは約７〜約36重量％、最も好ましくは約10〜約25
重量％、の上記のアルキルポリエトキシレート硫酸塩を
含んでなる。
他の好ましい陰イオン系界面活性剤は、非エトキシル
化C12-15第１級および第２級アルキル硫酸塩である。冷
水洗濯条件下、すなわち約65゜F（18.3℃）未満では、
その様なエトキシル化および非エトキシル化アルキル硫
酸塩の混合物が存在するのが好ましい。
アルキル硫酸塩と上記のパラフィンスルホン酸塩、ア
ルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩およびα−スル
ホン化脂肪酸のエステルの混合物もまた好ましい。
ここでの陰イオン系界面活性剤成分は、約５％を超え
ない、好ましくは約３％未満、より好ましくは約１％未
満、のアルキルベンゼンスルホン酸塩を含む。最も好ま
しくは、本発明の洗剤組成物はアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩を含まない。これらの物質には、アルキル基が約
９〜約15個の炭素原子を含む、直鎖または枝別れ構造の
アルキルベンゼンスルホン酸塩、例えば米国特許第2,22
0,099号および第2,477,383号に記載されている種類の物
質、が含まれる。特に問題が多いのは、アルキル基中の
炭素原子の平均数が約11〜14である直鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩である。
理論に制約されないが、第４級アンモニウム剤（陽イ
オン系界面活性剤）および陰イオン系界面活性剤は一般
的に水溶液中でイオン対錯体を形成すると考えられる。
上記の陽イオン系界面活性剤とアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩との間に形成されたイオン対は溶解性が低く、別
の固体塩の様に沈殿する。これは、それらの洗浄性能に
好ましくない影響を及ぼすだけでなく、等方性の液体洗
剤における使用を妨害する。他方、上記の陽イオン系界
面活性剤とアルキルポリエトキシレート硫酸塩により形
成されたイオン対は、本発明の液体洗剤組成物における
溶解性がはるかに高い。これによって、陽イオン系薬剤
が軟化、帯電防止および洗浄性能を与え、アルキルポリ
エトキシレートの洗浄性能が損なわれない、等方性の液
体洗剤組成物を形成させることができる。
第４級アンモニウム布地軟化剤 本発明の組成物は、約１〜約10重量％、好ましくは約
２〜約７重量％、より好ましくは約３〜約５重量％の、
式 ［式中、R1およびR2は個別にC1〜C4アルキル、C1〜C4ヒ
ドロキシアルキル、ベンジル、および−（C2H4O）xH
（ｘは２〜５の値を有する）からなる群から選択され、
Χは陰イオンであり、（１）R3およびR4はそれぞれC8〜
C14アルキルであるか、または（２）R4はC8〜C22アルキ
ルであり、R3はC1〜C10アルキル、C1〜C10ヒドロキシア
ルキル、ベンジル、および−（C2H4O）xH（ｘは２〜５
の値を有する）からなる群から選択される］の第４級ア
ンモニウム布地軟化剤をも含む。
これらの化合物の中で、上記のR1、R2、およびR3がそ
れぞれメチルであり、R4がC8〜C18アルキルであるモノ
−長鎖アルキル第４級アンモニウム界面活性剤が好まし
い。
最も好ましい第４級アンモニウム界面活性剤は、C
8-16アルキルトリメチルアンモニウム塩およびC8-16ア
ルキルジ（ヒドロキシエチル）−メチルアンモニウム塩
の塩化物、臭化物およびメチル硫酸塩である。上記の中
で、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリ
スチルトリメチルアンモニウムクロライドおよびココナ
ッツトリメチルアンモニウムの塩化物およびメチル硫酸
塩が特に好ましい。Witcoから市販のラウリルトリメチ
ルアンモニウムクロライドADOGEN 412TMがここで好まし
い軟化剤である。
別の種類の好ましい第４級アンモニウム界面活性剤
は、ジ−C8〜C14アルキルジメチルアンモニウムの塩化
物またはメチル硫酸塩であり、特に好ましいのはジ−C
12〜C14アルキルジメチルアンモニウムクロライドであ
る。この種の材料は、布地に帯電防止特性を付与するの
に特に好適である。C14より長い２本のアルキル鎖を有
する物質、例えば一般的に濯ぎの際に加える布地軟化剤
に使用されるジ−C16〜C18アルキルジメチルアンモニウ
ムクロライドは、上記の陰イオン系界面活性剤と組み合
わせた時に等方性の液体洗剤が得られないので、本発明
には含まれない。
本発明の好ましい実施態様は、陰イオン系界面活性剤
成分の第４級アンモニウム軟化剤に対する重量比が約3:
1〜約20:1である洗剤組成物を含んでなる。
脂肪酸 本発明の組成物は、所望により、０〜約10重量％、好
ましくは約２〜約７重量％、最も好ましくは約３〜約５
重量％の、約８〜約20個の炭素原子を含む脂肪酸を含む
ことができる。脂肪酸は、炭化水素鎖中に約１〜約10エ
チレンオキシド単位を含むこともできる。
好適な脂肪酸は、飽和および／または不飽和であり、
植物または動物系エステル（例えばパーム核油、パーム
油、ココナッツ油、ババス油、サフラワー油、トール
油、ひまし油、獣脂油および魚油、グリース、およびそ
れらの混合物）から得られるか、または合成（例えば石
油の酸化、またはフィッシャー−トロプシュ法による一
酸化炭素の水素化）することができる。本発明の組成物
に使用するのに好適な飽和脂肪酸の例としては、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキン酸およびベヘン酸が含まれる。好適
な不飽和脂肪酸には、パルミトレイン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸およびリシノール酸がある。好
ましい脂肪酸の例は、飽和C12脂肪酸、飽和C12〜C14脂
肪酸、および飽和または不飽和C12〜C18脂肪酸、および
それらの混合物が含まれる。
脂肪酸成分を含む洗剤組成物では、第４級アンモニウ
ム軟化剤の脂肪酸に対する重量比は、好ましくは約1:3
〜約3:1、より好ましくは約1:1.5〜約1.5:1、最も好ま
しくは約1:1である。
任意成分 本発明の組成物は、好ましくは約30重量％までの、好
ましくは約１〜約20重量％の、より好ましくは約２〜約
10重量％の、エトキシル化非イオン系界面活性剤も含む
ことができる。これらの材料は、ここに参考として含め
る米国特許第4,285,841号明細書、Barratら、1981年８
月25日発行、に記載されている。好ましい物質は、式Ｒ
（OC2H4）nOH（式中、Ｒは、約８〜約15個の炭素原子を
含む脂肪族炭化水素基およびアルキル基が約８〜約12個
の炭素原子を含むアルキルフェニル基からなる群から選
択され、ｎの平均値が約５〜約15である）のエトキシル
化アルコールおよびエトキシル化アルキルフェノールで
ある。これらの界面活性剤は、ここに参考として含める
米国特許第4,284,532号明細書、Leikhimら、1981年８月
18日発行、により詳細に記載されている。特に好ましい
物質は、アルコール中に平均で約10〜約15個の炭素原子
を有し、平均エトキシル化度がアルコール１モルあたり
エチレンオキシド約６〜約12モルであるエトキシル化ア
ルコールである。
エトキシル化非イオン系界面活性剤を本発明の組成物
に加えることにより、洗剤製品を物理的に安定化させ
る、すなわち相の分離や沈殿を防止するのに、効果があ
る。これは、大量の第４級アンモニウム剤および／また
は少量の陰イオン系界面活性剤を含む組成物に特に当て
はまる。したがって、本発明の好ましい実施態様は、洗
剤組成物中に少なくとも約２％の非イオン系界面活性剤
を含んでなる。
本発明の組成物は、また好ましくは約30重量％まで
の、より好ましくは約１〜約20重量％の、最も好ましく
は約１〜約10重量％の、洗剤ビルダー材料も含む。この
分野で公知のすべての洗剤ビルダーを本発明の組成物に
使用できるが、ビルダーの種類および量は、最終組成物
の初期pHが、約20℃の水中で、濃度約１〜約10重量％で
約7.0〜約9.0になる様に選択すべきである。洗剤ビルダ
ーは、ここに参考として含める米国特許第4,321,165号
明細書、Smithら、1982年３月23日発行、に記載されて
いる。ここで、好ましい液体洗剤組成物では、ビルダー
は好ましくは組成物の重量基準で約１〜約20％、より好
ましくは約３〜約10％を占める。本発明の液体洗剤組成
物用に好ましいビルダーは、ここに参考として含める米
国特許第4,284,532号明細書、Leikhimら、1981年８月18
日発行に記載されている。特に好ましいビルダーはクエ
ン酸である。
酵素は、様々な布地洗濯目的、例えばタンパク質系、
炭水化物系、またはトリグリセリド系の汚れの除去、お
よび布地の回復のために、本発明の洗剤組成物に含まれ
ることができる。配合すべき酵素には、プロテアーゼ、
アミラーゼ、リパーゼ、およびセルラーゼ、ならびにそ
れらの混合物がある。他の種類の酵素も配合することが
できる。これらの酵素は、植物、動物、細菌、菌類、お
よび酵母などの適当な起源に由来するものでよい。しか
し、酵素の選択は、pH活性および／または最適安定性、
熱安定性、活性洗剤に対する安定性、ビルダー、等の幾
つかのファクターにより支配される。これに関して、細
菌性アミラーゼおよびプロテアーゼ、および真菌類性の
セルラーゼの様な細菌または菌類系の酵素が好ましい。
本発明の特に好ましい組成物は、約0.05〜約２重量％
の、洗剤の処方者には良く知られた洗剤用酵素、特にア
ミラーゼ、プロテアーゼ、およびそれらの混合物、を含
む。
酵素は、一般的に組成物１グラムあたり約5mgまで
の、より一般的には約0.01mg〜約3mgの、活性酵素を与
えるのに十分な量で配合される。つまり、本発明の組成
物は典型的には約0.001〜約５重量％、好ましくは0.01
〜１重量％、の市販の酵素製剤を含んでなる。プロテア
ーゼ酵素は、通常、その様な市販の製剤中に、組成物１
グラムあたり0.005〜0.1Anson単位（AU）の活性を与え
るのに十分な量で存在する。
プロテアーゼの好適な例は、B.subtilisおよびB.lich
eniformsの特定の菌株から得られるスブチリジンであ
る。別の好適なプロテアーゼは、Bacillusの菌株から得
られ、pH領域８〜12で最大活性を有するものであり、No
vo Industries A/Sにより開発され、登録商標ESPERASE
で市販されている。この酵素および類似の酵素の製造
は、英国特許第1,243,784号明細書、Novo、に記載され
ている。タンパク質系汚れの除去に好適な、市販のタン
パク質分解酵素には、Novo Industries A/S（デンマー
ク）によりALCALASEおよびSAVINASEの商品名で市販され
ている酵素、およびInternational Bio−Synthetics,In
c.（オランダ）によりMAXATASEの商品名で市販されてい
る酵素がある。他のプロテアーゼには、プロテアーゼＡ
（ヨーロッパ特許出願第130,756号、1985年１月９日公
開、参照）およびプロテアーゼＢ（ヨーロッパ特許出願
第87303761.8号、1987年４月28日出願、およびヨーロッ
パ特許出願第130,756号、Bottら、1985年１月９日公
開、参照）がある。
アミラーゼには、例えば、英国特許第1,296,839号明
細書（Novo）に記載されているα−アミラーゼ、RAPIDA
SE、International Bio−Synthetics,Inc.およびTERMAM
YL、Novo Industriesがある。
本発明で使用できるセルラーゼには、細菌性または真
菌類性セルラーゼがある。好ましくは、これらの酵素の
最適pHは５〜9.5である。好適なセルラーゼは、米国特
許第4,435,307号明細書、Barbesgoardら、1984年３月６
日発行、に記載されているが、そこではHumicola insol
ensおよびHumicola菌株DSM 1800またはAeromonas属の
セルラーゼ212生産性真菌類により生産される菌類系セ
ルラーゼ、および海洋軟体動物（Dolabella Auricula S
olander）の肝膵臓から抽出されるセルラーゼが開示さ
れている。また、GB−Ａ−2.075.028、GB−Ａ−2.095.2
75およびDE−OS−2.247.832にも好適なセルラーゼが開
示されている。CAREZYME（Novo）が特に有用的である。
洗剤用に好適なリパーゼ酵素には、ここに参考として
含める英国特許第1,372,034号明細書に記載されている
様に、Pseudomonas stutzeri ATCC 19.154の様なPseudo
monas群の微生物により生産される酵素が含まれる。特
開昭53−20487号公報、1978年２月24日公開、における
リパーゼも参照。このリパーゼは、Amano製薬株式会
社、名古屋、日本、からリパーゼＰ“Amano"（以下、
“Amano−P"と呼ぶ）の商品名で市販されている。他の
市販リパーゼには、Amano−CES、Chromobacter viscosu
m、例えばChromobacter viscosum var.lipolyticum NRR
LB 3673から得られる、Toyo Jozo Co.,Tagata,日本から
市販のリパーゼ、および他のU.S.Biochemical Corp.米
国およびDisoynth Co.、オランダから市販のChromobact
er viscosumリパーゼおよびPseudomonas gladioliから
得られるリパーゼがある。Humicola lanuginosaに由来
し、Novo（EPO 341,947も参照）から市販のLIPOLASE酵
素がここで使用するのに好ましいリパーゼである。
広範囲な酵素材料およびそれらを合成洗剤組成物の中
に配合する手段も、米国特許第3,553,139号明細書、McC
artyら、1971年１月５日発行、に記載されている。酵素
はさらに、米国特許第4,101,457号明細書、Placeら、19
78年７月18日発行、および米国特許第4,507,219号明細
書、Hughes、1985年３月26日発行、に記載されている。
液体洗剤組成物に有用な酵素材料、およびそれらの酵素
の、その様な組成物中への配合方法は、米国特許第4,26
1,868号明細書、Horaら、1981年４月14日発行、に記載
されている。洗剤用酵素は、様々な技術により安定化さ
せることができる。酵素安定化技術は、例えば米国特許
第3,600,319号明細書、Gedgeら、1971年８月17日発行、
およびヨーロッパ特許出願第0199405号明細書、出願番
号86200586.5、1986年10月29日公開、Venegas、に記載
されている。酵素安定化系は、米国特許第3,519,570号
明細書にも記載されている。
ここで使用する酵素は、完成した組成物中にカルシウ
ムおよび／またはマグネシウムイオンの水溶性供給源が
存在し、酵素にその様なイオンを供給することにより安
定化される（一般的にカルシウムイオンの方がマグネシ
ウムイオンよりある程度効果的であり、一種類の陽イオ
ンのみを使用する場合に好ましい）。他の様々なこの分
野で開示されている安定剤、特にホウ酸塩種、によって
さらに安定性が付与される。Seversonの米国特許第4,53
7,706号明細書参照。代表的な、特に液体の洗剤は、完
成した組成物１リットルあたり約１〜約30、好ましくは
約２〜約20、より好ましくは約５〜約15、最も好ましく
は約８〜約12ミリモルのカルシウムイオンを含んでな
る。この量は、存在する酵素の量、およびそのカルシウ
ムまたはマグネシウムイオンに対する反応性により変え
ることができる。カルシウムまたはマグネシウムイオン
の量は、組成物中のビルダー，脂肪酸、等と錯体を組成
させた後に、ある最少量が常に酵素に利用できる様に選
択すべきである。すべての水溶性のカルシウムまたはマ
グネシウム塩、例えば塩化カルシウム、硫酸カルシウ
ム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、水酸
化カルシウム、ギ酸カルシウム、および酢酸カルシウ
ム、および対応するマグネシウム塩（ただし、これらに
限定するものではない。）をカルシウムまたはマグネシ
ウムイオンの供給源として使用できるが、酵素スラリー
および処方水中のカルシウム起因して、少量の、一般的
には１リットルあたり約0.05〜約0.4ミリモルのカルシ
ウムイオンが組成物中に存在する。固体洗剤組成物で
は、洗濯液中にその様な量を与えるのに十分な量の水溶
性カルシウムイオン供給源を含むことができる。あるい
は、天然水の硬度で十分な場合もある。
上記のカルシウムおよび／またはマグネシウムイオン
の量は酵素の安定性を与えるのに十分であると理解され
ている。グリース除去性能をさらに加えるには、より多
くのカルシウムおよび／またはマグネシウムイオンを組
成物に加えることができる。したがって、一般的な提案
として、本発明の組成物は約0.05〜約２重量％の、カル
シウムまたはマグネシウムイオン、または両方、の水溶
性供給源を含んでなる。無論、この量は、組成物に使用
された酵素の量および種類により変えることができる。
本発明の組成物は、所望により、しかし好ましくは、
様々な追加の安定剤、特にホウ酸塩型の安定剤を含むこ
とができる。典型的には、その様な安定剤は、組成物中
に約0.25〜約10重量％、好ましくは約0.5〜約５重量
％、より好ましくは約0.75〜約４重量％の、ホウ酸また
は組成物中でホウ酸を形成できる他のホウ酸塩化合物を
使用する（ホウ酸を基準として計算）。ホウ酸が好まし
いが、酸化ホウ素、ホウ砂および他のアルカリ金属ホウ
酸塩（例えばオルト−、メタ−およびピロホウ酸ナトリ
ウム、および五ホウ酸ナトリウム）も好適である。置換
されたホウ酸（例えばフェニルボロン酸、ブタンボロン
酸、およびｐ−ブロモフェニルボロン酸）もホウ酸の代
わりに使用できる。
本発明の液体洗剤用に好ましい他の成分は、ここに参
考として含める米国特許第4,285,841号明細書、Barrat
ら、1981年８月25日発行、に記載されている中和剤、緩
衝剤、相調整剤、ヒドロトロピー剤、ポリ酸、発泡調整
剤、乳白化剤、酸化防止剤、殺菌剤、染料、香料、およ
び光沢剤である。ここで使用するのに好ましい中和剤
は、水酸化ナトリウムおよびカリウムの様な無機塩基よ
りも優れた洗剤性能をもたらす有機塩基、特にトリエタ
ノールアミンおよびモノエタノールアミン、である。
下記の諸例は本発明の組成物を説明するものである。
これらの例は本発明を制限するものではない。他に指示
がない限り、百分率、部数および比率はすべて重量基準
である。
自動衣類洗濯機に標準的な装填量で４枚のテリータオ
ル布片（綿86％／ポリエステル14％混紡）を洗濯する。
装填毎に上記の洗剤組成物0.48カップ（123グラム）を
使用し、洗濯水溶液に約1900ppmの洗剤組成物を加え
る。洗濯水は90゜F（35℃）で、水の硬度は６グレン／
ガロン（3:1 Ca++:Mg++）であった。標準的な洗濯サイ
クル（洗濯、濯ぎおよび回転）の後、標準的な電気衣類
乾燥器中で洗濯物を回転乾燥させる。装填毎に、４枚の
テリータオル布片（綿86％／ポリエステル14％混紡）を
使用して柔らかさの等級を評価し、それぞれの組成物毎
に４回装填して洗濯を行ない、柔らかさの等級を平均し
た。布片は３人の専門家が判定する。−４〜＋４パネル
スコアユニット（psu）の等級尺度を使用し、＋4psu
は、柔らかさの利点がはるかに高いことを示し、０は、
差の無いことを示し、−4psuは、柔らかさの利点がはる
かに低いことを示している。各組成物に対する結果を平
均し、組成物Ａを相対値０と査定する。結果は下記の通
りである。 柔らかさ Ｂ対Ａ Ｃ対Ａ Ｄ対Ａ ＋0.8psu ＋0.9psu ＋0.9psu これらの柔らかさの差は、90％信頼性間隔（confiden
ce interval）で統計的に重要である。
この試験は、本発明の組成物Ｂ、ＣおよびＤが、陽イ
オン系軟化剤を含まない先行技術の組成物Ａよりも、生
地の柔らかさを増すことを示している。その上、柔らか
さの利点は、セルラーゼ酵素の存在に関係なく、脂肪酸
が存在しなくても観察される。
組成物Ｂ、ＣおよびＤは、透明で等方性の組成物であ
り、長時間の後でも成分が沈殿せず、良好な帯電防止特
性を与える。組成物Ａの、組成物Ｂ（本発明の組成物）
類似の組成物に対する汚れ除去性能を比較する試験で
は、これらの組成物は平均して、10種類の異なった汚れ
に対して等しいと判定される。ある種のグリース状／油
性汚れ（化粧品や汚いモーター油汚れの様な）では、本
発明の組成物は、比較組成物Ａよりも優れていると判定
される。
ラウリルアルキルトリメチルアンモニウムクロライド
を含み、アルキルベンゼンスルホン酸を含まない本発明
の組成物Ｅは、透明で、室温で数カ月保存した後も安定
している。アルキルベンゼンスルホン酸を含む比較組成
物１および２は、僅か１日後に好ましくない物理特性
（相分離または高粘度）を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ１１Ｄ 3/386 Ｃ１１Ｄ 3/386 17/08 17/08 (72)発明者 ツェン，ユキアン アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、 チェスター、フライアー、タック、ドラ イブ、9618 (56)参考文献 特開 昭52−86410（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−159416（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−25894（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−129009（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−156713（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−197598（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−142898（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C11D 3/26,1/22,1/29 C11D 1/62,1/66,3/386 C11D 17/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】実質的に透明で、水性の等方性のヘビーデ
    ューティー液体洗濯洗剤組成物であって、組成物の重量
    基準で ａ）10〜40％、好ましくは15〜25％の、組成物の重量基
    準で （ｉ）５〜40％、好ましくは10〜25％の、アルキル基が
    10〜22個の炭素原子を含み、ポリエトキシレート鎖が１
    〜15個のエチレンオキシド部分を含むアルキルポリエト
    キシレート硫酸塩、および （ii）３％未満の、好ましくは１％未満の、アルキルベ
    ンゼンスルホン酸塩 を含んでなる陰イオン系界面活性剤成分、および ｂ）１〜10％、好ましくは３〜５％の、式 ［式中、R1およびR2は個別にC1〜C4アルキル、C1〜C4ヒ
    ドロキシアルキル、ベンジル、および−（C2H4O）xH
    （ｘは２〜５の値を有する）からなる群から選択され、
    Χは陰イオンであり、（１）R3およびR4はそれぞれC8〜
    C14アルキルであるか、または（２）R3はC8〜C22アルキ
    ルであり、R4はC1〜C10アルキル、C1〜C10ヒドロキシア
    ルキル、ベンジル、および−（C2H4O）xH（ｘは２〜５
    の値を有する）からなる群から選択される］を有する第
    ４級アンモニウム布地軟化剤、 ｃ）組成物１グラムあたり0.01mg〜3mgの活性酵素を与
    えるのに十分な量のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパー
    ゼ、セルラーゼおよびそれらの混合物からなる群から選
    択された酵素、 を含んでなることを特徴とする組成物。
  2. 【請求項２】第４級アンモニウム布地軟化剤が、ラウリ
    ルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリ
    メチルアンモニウムクロライド、ココナッツトリメチル
    アンモニウムクロライド、ココナッツトリメチルアンモ
    ニウムメチルサルフェート、ジ−C12〜C14アルキルジメ
    チルアンモニウムクロライド、およびそれらの混合物か
    らなる群から選択される、請求項１に記載の組成物。
  3. 【請求項３】陰イオン系界面活性剤成分の第４級アンモ
    ニウム布地軟化剤に対する重量比が3:1〜20:1である、
    請求項１または２に記載の組成物。
  4. 【請求項４】１％〜20％、好ましくは２％〜10％、のエ
    トキシル化非イオン系界面活性剤をさらに含んでなる、
    請求項１〜３のいずれか１項に記載の組成物。
  5. 【請求項５】非イオン系界面活性剤がエトキシル化アル
    コール界面活性剤を含んでなる、請求項１〜４のいずれ
    か１項に記載の組成物。
  6. 【請求項６】１％〜20％、好ましくは１％〜10％、の洗
    剤ビルダー材料をさらに含んでなる、請求項１〜５のい
    ずれか１項に記載の組成物。
  7. 【請求項７】ビルダーがクエン酸を含んでなる、請求項
    １〜６のいずれか１項に記載の組成物。
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