JP2992727B2 - 機械の異常音診断装置 - Google Patents

機械の異常音診断装置

Info

Publication number
JP2992727B2
JP2992727B2 JP5089857A JP8985793A JP2992727B2 JP 2992727 B2 JP2992727 B2 JP 2992727B2 JP 5089857 A JP5089857 A JP 5089857A JP 8985793 A JP8985793 A JP 8985793A JP 2992727 B2 JP2992727 B2 JP 2992727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
signal
machine
output
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5089857A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06300619A (ja
Inventor
隆雄 米山
弌也 佐藤
雄一 八巻
和雄 菊池
善之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Engineering and Services Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Priority to JP5089857A priority Critical patent/JP2992727B2/ja
Publication of JPH06300619A publication Critical patent/JPH06300619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2992727B2 publication Critical patent/JP2992727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータやクラッチなど
の機械から発生する異常音(人間にとって耳ざわりな
音)を洩らすことなく、高精度で検出することが可能な
機械の異常音診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、家電品や自動車に設けられてい
るモータやクラッチなどを構成する部品の一部に欠陥
(ギヤの欠けや傷、あるいは回転部品の静止体と回転体
との異常接触)があると、通常は発生し得ない異常音が
発生するようになる。従って、モータやクラッチなどの
製作メーカでは製品出荷段階で聴覚による検査を実施し
ている。機械の異常音を検出することを目的としたもの
ではないが、以降述べる本発明に近い装置構成の発明例
として特開平1−158345号公報記載のものが挙げ
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平1−158
345号公報記載のものは機械の異常音検出を目的とした
ものではなく、ガス絶縁開閉器内の微小異物を検出する
こを目的としている。装置構成としては、弾性波の高周
波成分と低周波成分との比から、微小異物衝突時に発生
する弾性波と水滴等のノイズを分離し、高精度でガス絶
縁開閉器内の微小異物衝突を検出しようとするものであ
る。
【0004】我々の実験によれば、例えば、洗濯機用ク
ラッチや自動車用ギヤモータから異常音が発生するとき
は同時に低周波と高周波のAE信号が発生することが確
認された。しかも、異常音の発生原因となる部位によっ
ては、低周波AE信号のみが発生する場合、あるいは高
周波AE信号のみが発生する場合があることが確認され
た。すなわち、低周波と高周波のAE信号を検出し、そ
れぞれ別々に評価しなければ全ての異常音発生品を漏れ
なく検出することができない。従って、特開平1−15
8345号公報に示された高周波と低周波の比を取る方
法では、異常音発生品を漏れなく検出することは困難で
ある。
【0005】また、特開昭55−65052号公報に
は、切削加工によって生ずるAE信号を1個のセンサで
検出し、検出した信号を高周波成分と低周波成分とに分
け、前記特開平1−158345号公報記載のものと同
様に、高周波成分と低周波成分の比を求め、この比の値
を基準値と比較することによって工具の損傷を検出する
装置が記載されている。この場合も、異常音発生品を漏
れなく検出することは先に述べた理由で困難である。
【0006】さらに、特開昭62−116221号公報
には、回転体を収納するケーシングの外表面に設置され
た音響センサもしくは加速度センサが出力する信号を増
幅し、増幅された信号から高周波成分の包絡線信号及び
低周波成分信号を出力し、出力された高周波成分の包絡
線信号と低周波成分信号の相関を解析して前記回転体の
振れ回り振動を検出する装置が開示されている。この装
置においても、高周波成分の包絡線信号と低周波成分信
号の相関関係の存在が前提であり、高周波成分の包絡線
信号と低周波成分信号が独立に存在することは考えられ
ていない。
【0007】本発明の目的は、機械の異常音発生品を洩
れなく検出できる機械の異常音診断装置を提供すること
にある。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するための第1の装置として、機械から発するAE信号
を検出するための第1のAEセンサと、該第1のAEセ
ンサとはAE信号の検出周波数の異なる第2のAEセン
サと、該第1、第2のAEセンサ出力を周波数分析する
シグナルプロセッサと、あらかじめ設定された機械の駆
動周波数及びその高調波成分と一致する周波数成分の振
幅値を周波数分析結果から抽出するスペクトル成分抽出
部と、前記スペクトル成分抽出部にて抽出された振幅値
と前記駆動周波数及びその高調波成分にそれぞれ対応し
て設定された基準値を比較し、1個でも基準値を超えて
いる場合、異常音発生品と判定するスペクトル成分判定
部と、判定結果を表示する表示器とを含んでなる機械の
異常音診断装置において、前記第1、第2のAEセンサ
の後段に設けられてそれぞれのAEセンサの出力の振幅
とあらかじめ設定された基準振幅値を比較して基準振幅
値が大きいときに信号を出力する各1個の比較回路と、
該比較回路の出力を入力とするアンド回路及びオア回路
と、該アンド回路の出力がないとき表示器に正常品であ
る旨の出力信号を入力し、該オア回路の出力があるとき
に第1、第2のAEセンサの出力をシグナルプロセッサ
に入力させる制御回路とを設けたことを特徴とする
【0013】前記目的を達成するための本発明の第2の
装置は、前記第1の装置に加え、第1、第2のAEセン
サ出力を検波処理する検波回路を備え、該検波回路の出
力を前記比較回路の入力とするとともに、シグナルプロ
セッサの入力も前記検波回路の出力を用いる構成とした
ものである。
【0014】本発明はまた、前記目的を達成するため、
機械の製造ラインと、該機械の製造ラインに近接して配
置され該機械の製造ラインで製造された機械を作動させ
る運転機構と、該運転機構で作動される機械の音をAE
センサを介して取り込んで処理する請求項5乃至8のい
ずれかに記載の機械の異常音診断装置と、前記異常音診
断装置の診断結果に基づき、作動された前記機械を正常
品と異常品発生品を区分けする製品搬出機構とを含んで
機械の製造設備を構成したものである。
【0015】
【作用】機械の動作は周期的であり、シャフト回転時の
ボスとシャフトの接触、歯車の歯の噛み合いが異常な場
合の異常音の周期等は、軸の回転数(駆動周波数)やそ
の高調波成分の周波数として表れる。正常状態における
これら周波数での振幅をあらかじめ確認し、これによっ
て周波数ごとに基準値を設定しておけば、抽出された振
幅が、周波数に対応してあらかじめ定められた前記基準
値を超えたときに、異常であると判定できる。
【0016】発明者らの知見によれば、高周波用AEセ
ンサ(ここでは、仮りに、30kHz以上の周波数の弾性波
を検出できるセンサとする)にて検出できるAE信号(以
下、高周波AE信号と呼ぶ)を評価することにより検出
できる異常音発生品もある反面、高周波AE信号の評価
だけでは検出できない異常音発生品もあることが分かっ
た。
【0017】これらの異常音発生品については、仮り
に、30kHz以下の周波数のAE信号(以下、低周波AE
信号と呼ぶ)を検出できるAEセンサを用いて評価すれ
ば異常音発生品が検出できることが明らかになった。
【0018】高周波AE信号にて、全ての異常現象が検
出できない要因として次の二つが考えられる。
【0019】異常発生部位から高周波AE信号が発生
しても、高周波ゆえに高周波用AEセンサ装着位置まで
伝搬せず、減衰してしまうため検出できない。
【0020】さらには、異常発生部位の材質がプラッ
チックスなどヤング率が低い材料の場合、高周波AE信
号は発生しにくく、低周波AE信号の方が発生しやす
い。
【0021】従って、数Hz〜数MHzに亘って発生するA
E信号を検出し、評価することが機械の異常音発生品を
検出するうえで重要である。
【0022】さらには、異常音検出対象が機械部品であ
るため、回転摺動音(駆動周波数)と高周波AE信号の
発生周波数やギヤ音(ギヤの噛み合い周波数)と低周波
AE信号の最大振幅を示した周波数が一致するため、機
械の駆動周波数に一致するスペクトル成分を調べれば、
正常品と異常音発生品の識別が可能である。
【0023】高周波AE信号と低周波AE信号の両信号
を評価しないと機械の異常現象を漏れなく検出するのが
困難である理由は次の通りである。図5は高周波及び低
周波AEで検出できる材料についてまとめたものであ
る。すなわち、プラスチックス材からは低周波AE信号
が発生し、金属材からは高周波AE信号が発生すること
が分かる。高周波、低周波の発生要因は同図に記載した
材料のヤング率に起因すると考えられる。
【0024】さらには、高周波、低周波の発生は、AE
信号の発生する場所にも起因する。我々の実験の結果、
機械の異常発生部位からは、数Hz〜数MHzのAE信号が
発生する場合もあることが明らかになった。高周波用A
Eセンサの装着位置に近い個所で異常が発生した場合、
高周波用AEセンサにて高周波成分のAE信号を検出す
ることは可能であるが、センサ装着位置からAE信号の
発生位置が離れた場合、AE信号に含まれる高周波成分
は減衰してしまうため検出できなくなる。反面、低周波
成分のAE信号は減衰しにくいため、低周波用AEセン
サを装着しておけば低周波成分のAE信号の検出が可能
となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。診断対象機械として、ここでは、家庭用の洗濯機を
例に挙げて説明する。図2は洗濯機用クラッチの構造を
示したものである。図示の洗濯機用クラッチは、ベルト
にて回転されるプーリ18と、該プーリ18とともに回転す
るGシャフト19と、該Gシャフト19に固設されたGギヤ
12と、該Gギヤ12に噛み合う樹脂ギヤ13と、該樹脂ギヤ
13に噛み合うPギヤ15と、該Pギヤ15に固定されてPギ
ヤ15とともに回転するPシャフト14とを含んで構成され
ている。Gギヤ12とPギヤ15は金属性である。
【0026】このクラッチは、プーリ18の回転を減速し
てPシャフト14に伝達し、Pシャフト14の上部に設けら
れた洗濯槽の撹拌棒を回転させて洗濯を行うものであ
る。たとえば、前記樹脂ギヤ13に欠損が発生した場合、
あるいは樹脂ギヤ13とGギヤ12との噛み合い状態が悪い
場合、ギヤ同志の衝突によりAE信号が発生すると同時
に異常音が発生する。また、コイルカラー16の取付けが
不良の場合、コイルカラー16は振動し、Gシャフト19と
衝突するためAE信号が発生することになる。同時に異
常音も発生する。さらには、ボス17に異物が混入し、ボ
ス17に傷が付いた場合、Gシャフト19とボス17との異常
摺動部からAE信号と異常音が発生する。すなわち、A
E信号を検出すれば異常音の検出が可能となる。また、
上述した異常音の発生現象は部品破損の要因ともなる。
【0027】従って、工場の出荷ラインにて製品を試運
転し、試運転中の製品が発生するAE信号を検出し、評
価すれば異常音の発生するクラッチや破損に至る恐れの
あるクラッチを検出でき、異常品が商品として出荷され
るのを防止できる。
【0028】図1は本発明による異常音発生品検出の診
断アルゴリズムであり、図3は本発明を実施するための
装置構成例である。
【0029】図3に示す異常診断装置は、診断対象の機
械に装着される高周波用AEセンサ2及びこの高周波用
AEセンサ2とはAE信号の検出周波数の異なる低周波
用AEセンサ3と、高周波用AEセンサ2に接続されたA
E計測用アンプ4と、低周波用AEセンサ3に接続され
た低周波用アンプ5と、AE計測用アンプ4と低周波用
アンプ5にそれぞれ接続された検波回路6,7と、該検
波回路6,7の出力側に接続されたA/Dコンバータ8
と、該A/Dコンバータ8の出力側に接続されたシグナ
ルプロセッサ9と、該シグナルプロセッサ9の出力側に
接続された異常判定処理部10と、該異常判定処理部1
0の出力側に接続された表示器11と、を含んで構成さ
れている。
【0030】ここで、低周波用アンプ5が必要な理由は
次の通りである。AEセンサの静電容量は500pF程度で
あるため、たとえば10HzのAE信号であれば、センサの
出力インピーダンスは32MΩになる。従って、アンプの
入力インピーダンスは100MΩ程度必要になる。通常AE
計測用アンプの入力インピーダンスは10kΩ程度である
ため低い周波数のAE信号を増幅することは困難であ
る。そのため、ここではチャージアンプ方式の増幅器、
あるいは、入力段にFETを用いた高入力インピーダンス
の増幅器を用いる。
【0031】まず、検査の対象となる洗濯機用クラッチ
1に、高周波用AEセンサ2と、低周波用AEセンサ3と
がそれぞれ異なる位置に装着される。次に、洗濯機用ク
ラッチ1が運転され(プーリ18が回転され、Gギヤ1
2、樹脂ギヤ13、Pギヤ15を介してPシャフト14が回転
され)、前記高周波用AEセンサ2の出力がAE計測用
アンプ4に、低周波用AEセンサ3の出力が低周波用アン
プ5に、それぞれ入力される。AE計測用アンプ4及び低
周波用アンプ5で増幅された信号は検波回路6,7にて検波
処理され、検波処理された信号は、A/Dコンバータ8
でディジタル信号に変換される。
【0032】A/Dコンバータ8にてディジタル信号に
変換された高周波、低周波のAE検波信号はシグナルプ
ロセッサ9に入力され、周波数分析処理が実施される。
この周波数分析により、各周波数の振動が抽出され、異
常判定処理部10に出力される。異常判定処理部10では駆
動周波数及びその高調波での振幅が抽出され、駆動周波
数及びその高調波に対応して設定され異常判定処理部10
に格納されている異常音発生品を検出するための振幅の
基準値と比較される。
【0033】駆動周波数とは、検査対象機械が回転機械
であれば回転数、歯車であれば歯数×回転数、往復動機
械であれば往復数等の、機械の部品間の基本的な繰返し
動作の運動周波数をいう。また、たとえば回転軸の周囲
の複数個所に異常があった場合には、駆動周波数の高調
波成分の周波数に異常があらわれる。
【0034】比較の結果、基準値を超える計測値があっ
たとき、異常音発生を示す信号が表示器11に出力され
る。表示器11は異常音発生を示す信号が入力されたら、
画面表示あるいは音声表示により、外部に、検査中の機
械、本実施例では洗濯機用クラッチ、が異常であること
を表示する。
【0035】図4は上記洗濯機用クラッチの正常品と異
常現象発生品から検出された高周波と低周波のAE信号
波形例を示したものである。同図から明瞭なように、高
周波及び低周波の両方のAE信号を評価することによっ
てはじめて、機械の異常音発生を漏れなく検出できるよ
うになることが分かる。
【0036】高周波AE信号と低周波AE信号の両信号
を評価しないと機械の異常現象を漏れなく検出するのが
困難である理由は次の通りである。図5は高周波及び低
周波AEで検出できる材料についてまとめたものであ
る。上記樹脂ギヤ13やコイルカラー16はプラスチックス
材であり、Gシャフト19とボス17は金属材である。すな
わち、プラスチックス材からは低周波AE信号が発生
し、金属材からは高周波AE信号が発生することが分か
る。プラスチックス材と金属の接触部では、プラスチッ
クス材側に低周波AE信号が発生する。高周波が発生す
るか、低周波が発生するかの違いは、図5に記載した材
料のヤング率に起因すると考えられる。
【0037】さらには、高周波、低周波の発生は、AE
信号の発生する場所にも起因する。発明者等の実験の結
果、機械の異常発生部位からは、数Hz〜数MHzのAE信
号が発生する場合もあることが明らかになった。高周波
用AEセンサの装着位置に近い個所で異常が発生した場
合、高周波用AEセンサにて高周波成分のAE信号を検
出することは可能であるが、センサ装着位置からAE信
号の発生位置が離れた場合、AE信号に含まれる高周波
成分は減衰してしまうため検出できなくなる。反面、低
周波成分のAE信号は減衰しにくいため、低周波用AE
センサを装着しておけば低周波成分のAE信号の検出が
可能となる。
【0038】次に図3に示した異常判定処理部10の動作
を図1を用いて具体的に説明する。異常判定処理部10
は、スペクトル成分抽出部100と、スペクトル成分判定
部200を含んで構成されている。
【0039】スペクトル成分抽出部100では、低周波
及び高周波AE信号の周波数分析結果から、あらかじめ
入力されている機械の複数の駆動周波数の振幅値F1v〜F
nvが抽出される。図6は洗濯機用クラッチの異常品から
検出した高周波及び低周波AE検波信号の周波数分析結
果における第1ピーク周波数の例を示したものである。
ギヤ異常の場合、ギヤの歯数に起因する機械の異常発生
周波数と同じ周波数成分が第1ピーク周波数として検出
される。また、ボス摺動音とコイルカラー当り音は高周
波と低周波AE信号を調べると前記Gシャフト19の回転
周波数である14.5Hz成分が第1ピーク周波数になる。こ
れは前記Gシャフト19と前記コイルカラー16が1回転に
1回衝突するため、14.5Hz成分が検出されるものであ
り、ボス摺動音は前記ボス17とGシャフト19が1回転に
1回接触するためである。従って、前記スペクトル成分
抽出部100では、上述した各種周波数の振幅値が抽出さ
れ、スペクトル成分判定部200に送られる。
【0040】スペクトル成分判定部200には、前記駆動
周波数及びその高調波の振幅の基準値K1〜Knが格納され
ており、スペクトル成分抽出部100から入力される各ス
ペクトル成分(駆動周波数及びその高調波の振幅)F1v
〜Fnvと、前記基準値K1〜Knが比較され、F1v〜Fnvのう
ちの1個でも基準値を越えていれば異常音発生品と判定
される。基準値を超えた振幅の周波数を含む判定結果
は、表示器11を通して外部に表示される。
【0041】なお、上述した実施例では検波信号を用い
た実施例について述べたが、検波信号ではなく各AEセ
ンサ出力そのものを用いても同様な効果を得られる場合
もある。
【0042】また、検波処理された高周波及び低周波の
AE信号の振幅がある値以下であれば、周波数分析を行
って得られる駆動周波数及びその高調波の振幅F1v〜Fnv
が前記基準値K1〜Knを超えることがないような、検波信
号の振幅の基準値が設定可能である。通常、製品の検査
結果は、異常があると明らかにわかるもの、詳しく調べ
る必要のあるもの、明らかに異常のないものの三つに分
けると、明らかに異常のないものが多数を占めるから、
明らかに異常がないと判定できるものを周波数分析以降
の処理を省略すれば、検査工程の時間を短縮できる。こ
の場合、周波数分析を行う前に、検波処理された高周波
及び低周波のAE信号の振幅をあらかじめ設定されたそ
れぞれの検波信号の振幅の基準値と比較し、いずれかが
基準値を超えた場合に周波数分析以降の処理をおこなっ
て異常の有無を判定し、いずれも基準値を超えない場合
は周波数分析以降の処理を行うことなく異常無しと判定
すればよい。この場合は検波信号の振幅の基準値の設定
にあたって十分、安全側の数値とするのが望ましい。
【0043】最後に、図7を参照して本発明に係る機械
の製造設備の実施例を説明する。図示の実施例は、洗濯
機用クラッチの製造ライン50と、該製造ライン50で製造
された機械(洗濯機用クラッチ)60を運転するための運
転機構70と、運転機構70で運転されている機械の異常音
を診断する異常音診断装置80と、該異常音診断装置80の
出力を入力の一つとして動作する製品搬出機構90とを含
んで構成されている。運転機構70は図7においては製造
ライン50の横に配置されているが、製造ライン50の中
に、該ラインを中断する形で配置してもよい。また、図
示されてはいないが運転機構70は運転する機械(洗濯機
用クラッチ)を把持固定する手段を備えており、この把
持固定する手段に高周波用AEセンサ及び低周波用AE
センサが組み込まれていて、機械の把持固定と同時に高
周波用AEセンサ及び低周波用AEセンサが機械の所定
の位置に装着されるようになっている。製造ライン50
は、断続的な流れ方式であり、製品搬出機構90は入力し
た判定結果を順次一時メモリに格納し、運転機構70と製
品搬出機構90の間を機械が移動する時間を考慮して判定
結果を読みだすようになっている。異常音診断装置80は
前記図3に記載された構成のものであり、表示器への出
力に加えて製品搬出機構90にも判定結果を出力するよう
にしてある。
【0044】上記構成の設備においては、製造ライン50
で製造された機械60は運転機構70に送りこまれ、把持固
定されて所定の時間、運転される。この運転により機械
が発生する音が高周波用AEセンサ及び低周波用AEセ
ンサを介して異常音診断装置80に取り出され、正常、異
常が判定される。異常音診断装置80の判定結果は製品搬
出機構90に出力される。そして製品搬出機構90は、入力
された判定結果を順次格納するとともに、先に格納され
た判定結果から順次読み出し、該当の機械が製品搬出機
構90に到着したとき、読みだした判定結果に基づいて正
常品と異常品を区分けし、異常品を出荷せず、正常品の
みを出荷する。図8は図7の装置にて実施される一連の動
作フローを示したものである。
【0045】以上述べた製造設備によって機械の製造を
実施すれば、製造ラインにて異常音の発生する機械や欠
陥のある機械などが検出されるため、異常品を出荷せず
にすむことになる。なお、異常と診断された機械は解体
され、異常の原因究明が行われる。異常原因が明確にな
れば再度異常が発生しないように、設計や製造部門にフ
ィードバックが可能となる。従って最終的には極めて信
頼性の高い機械を製造することができるようになる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
異常音を発する機械を洩れなく検出することが可能とな
る。さらに、機械の製造ラインに本発明による診断装置
を具備すれば、異常品の出荷防止も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機械の異常音診断アルゴリズムを示す
フローチャートである。
【図2】機械の一例である洗濯機用クラッチの構造例を
示す斜視図である。
【図3】本発明の機械の異常音診断装置の実施例の要部
構成を示すブロック図である。
【図4】本発明を説明するための具体的データ例であ
る。
【図5】本発明を説明するための具体的データ例であ
る。
【図6】本発明を説明するための具体的データ例であ
る。
【図7】本発明の機械の製造設備の実施例の要部構成を
示す斜視図である。
【図8】図7に示す実施例の動作手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 洗濯機用クラッチ 2 高周波用AEセンサ 3 低周波用AEセンサ 4 AE計測用アンプ 5 低周波用アンプ 6,7 検波回路 8 A/Dコンバータ 9 シグナルプロセッサ 10 異常判定処理部 11 表示器 12 Gギヤ 13 樹脂ギヤ 14 Pシャフト 15 Pギヤ 16 コイルカラー 17 ボス 18 プーリ 19 Gシャフト 50 機械の製造ライン 60 製造された機械 70 運転機構 80 機械の異常音診断装置 90 製品搬出機構 100 スペクトル成分抽出部 200 スペクトル成分判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八巻 雄一 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 リビング機器事 業部内 (72)発明者 菊池 和雄 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 リビング機器事 業部内 (72)発明者 佐藤 善之 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (56)参考文献 特開 昭63−85413(JP,A) 特開 昭59−63530(JP,A) 特開 平5−72026(JP,A) 特開 平1−158345(JP,A) 特開 昭63−173928(JP,A) 特開 平3−257332(JP,A) 特開 昭62−226033(JP,A) 特開 昭60−214228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01H 17/00 G01M 19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械から発するAE信号を検出するため
    の第1のAEセンサと、該第1のAEセンサとはAE信
    号の検出周波数の異なる第2のAEセンサと、第1、第
    2のAEセンサ出力を周波数分析するシグナルプロセッ
    サと、あらかじめ設定された機械の駆動周波数及びその
    高調波と一致する周波数成分の振幅値を周波数分析結果
    から抽出するスペクトル成分抽出部と、前記スペクトル
    成分抽出部にて抽出された振幅値と予め前記駆動周波数
    及びその高調波にそれぞれ対応して設定された基準値と
    を比較し、基準値を超えている振幅値がある場合、異常
    音発生品と判定するスペクトル成分判定部と、判定結果
    を表示する表示器とを含んでなる機械の異常音診断装置
    において、前記第1、第2のAEセンサの後段に設けら
    れてそれぞれのAEセンサの出力の振幅とあらかじめ設
    定された基準振幅値を比較して基準振幅値が大きいとき
    に信号を出力する各1個の比較回路と、該比較回路の出
    力を入力とするアンド回路及びオア回路と、該アンド回
    路の出力がないとき表示器に正常品である旨の出力信号
    を入力し、該オア回路の出力があるときに第1、第2の
    AEセンサの出力をシグナルプロセッサに入力させる制
    御回路とを設けたことを特徴とする機械の異常音診断装
  2. 【請求項2】 請求項1記載の機械の異常音診断装置に
    おいて、前記第1、第2のAEセンサそれぞれの出力を
    検波処理する検波回路を設け、該検波回路の出力を前記
    比較回路の入力とするとともに、該検波回路の出力を前
    記シグナルプロセッサへの入力に用いる構成としたこと
    を特徴とする機械の異常音診断装置
JP5089857A 1993-04-16 1993-04-16 機械の異常音診断装置 Expired - Fee Related JP2992727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5089857A JP2992727B2 (ja) 1993-04-16 1993-04-16 機械の異常音診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5089857A JP2992727B2 (ja) 1993-04-16 1993-04-16 機械の異常音診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06300619A JPH06300619A (ja) 1994-10-28
JP2992727B2 true JP2992727B2 (ja) 1999-12-20

Family

ID=13982464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5089857A Expired - Fee Related JP2992727B2 (ja) 1993-04-16 1993-04-16 機械の異常音診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2992727B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007034867A1 (ja) * 2005-09-21 2007-03-29 Jtekt Corporation アコースティックエミッション測定装置、動力伝達装置および転がり軸受装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006084241A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Japan Atom Energy Res Inst 核破砕中性子源水銀ターゲット容器の診断方法及び装置
CN103264712B (zh) * 2013-06-03 2016-03-30 北京绿创声学工程股份有限公司 一种钢轨波磨检测方法
JP7221829B2 (ja) * 2019-08-21 2023-02-14 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 状態監視システムおよび方法
JP7261325B2 (ja) * 2020-02-05 2023-04-19 Primetals Technologies Japan株式会社 監視装置、異常診断装置、監視方法及び異常診断方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5963530A (ja) * 1982-10-01 1984-04-11 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 回転機械診断装置
US4607529A (en) * 1984-03-21 1986-08-26 John Morey Vibration analysis
JPS62226033A (ja) * 1986-03-28 1987-10-05 Agency Of Ind Science & Technol メカニカルシ−ル摺動状態評価装置
JPS6385413A (ja) * 1986-09-30 1988-04-15 Nec Corp 装置故障診断回路
JPS63173928A (ja) * 1987-01-14 1988-07-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 回転系設備の診断システム
JPH0830697B2 (ja) * 1987-12-16 1996-03-27 株式会社日立製作所 微小異物検出器
JPH0615987B2 (ja) * 1990-03-08 1994-03-02 新日本製鐵株式会社 振動検出機構の診断方法
JPH0572026A (ja) * 1991-09-18 1993-03-23 Hitachi Ltd 回転系設備故障診断装置及び方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007034867A1 (ja) * 2005-09-21 2007-03-29 Jtekt Corporation アコースティックエミッション測定装置、動力伝達装置および転がり軸受装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06300619A (ja) 1994-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3411841B2 (ja) 故障診断方法および故障診断器
JP2001304954A (ja) 故障診断方法及びその装置
WO2016039085A1 (ja) 回転機の異常診断装置、回転機の異常診断方法、及び、回転機
JP2992727B2 (ja) 機械の異常音診断装置
JPH03269221A (ja) 回転機器の異常音診断装置
KR102389553B1 (ko) 복합센서를 이용한 자동차의 고장 진단 장치 및 방법
US6772094B2 (en) Sound-based vessel cleaner inspection
US6625568B2 (en) Sound-based vessel cleaner inspection
JPH09133732A (ja) 電気機器の異常振動監視装置
JP2018080924A (ja) 軸受異常診断方法および診断システム
JPH06323899A (ja) 低速回転機械の異常診断方法
US6062078A (en) Device for detecting an unbalance in a rotor of a centrifuge
Martins et al. Comparison of signal analyses for detecting incipient bearing damage
JP3121488B2 (ja) 軸受診断装置及びエスカレータ
Kim Fault detection for manufacturing home air conditioners using wavelet transform
Rodriguez et al. Comparative study between laser vibrometer and accelerometer measurements for mechanical fault detection of electric motors
RU2090853C1 (ru) Способ виброакустической диагностики машинного оборудования
JP5321646B2 (ja) 異常検査方法及び異常検査装置
JPH05231361A (ja) オイルフリースクリュー圧縮機の診断方法およびその装置
JPS5642137A (en) Ultrasonic device for detecting flaw from inside of pipe
RU2213336C2 (ru) Способ ультразвукового контроля подшипников качения
JPS61164138A (ja) 機械作動部の異常検知方法
JPH0678936B2 (ja) 振動試験装置検査方式
JP2015148516A (ja) 異常検出装置及び方法
JPS6120837A (ja) ラビング検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees