JP2992634B1 - ガラスの製造方法 - Google Patents

ガラスの製造方法

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JP2992634B1 JP31540498A JP31540498A JP2992634B1 JP 2992634 B1 JP2992634 B1 JP 2992634B1 JP 31540498 A JP31540498 A JP 31540498A JP 31540498 A JP31540498 A JP 31540498A JP 2992634 B1 JP2992634 B1 JP 2992634B1
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KAGAKU GIJUTSUCHO MUKIZAISHITSU KENKYUSHOCHO
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/18Stirring devices; Homogenisation

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

【要約】 【課題】 磁場印加により溶融ガラスに対流を効果的に
発生させ、攪拌器を使用せずに溶融ガラスを攪拌する。 【解決手段】 SiO2 、B2 3 、P2 5 、及びG
eO2 からなる群から選択される1種又は2種以上の成
分を単一成分量又は合計成分量で30モル%以下含有す
る組成を有する溶融ガラスに、磁場を印加して対流を発
生させ、溶融ガラスを攪拌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、ガラスの
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出
願の発明は、磁場印加により溶融ガラスに対流を効果的
に発生させ、攪拌器を使用せずに溶融ガラスを攪拌する
ことができ、高品質ガラスの製造に寄与することのでき
るガラスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】光学ガラス、光ファイバー用
ガラス、赤外線透過性ガラス、紫外線透過性ガラス、レ
ーザーガラス等の各種の光機能性ガラスは、高い光透過
性、均質性が要求されるため、一般に、白金るつぼ等の
容器内で溶融し、この溶融ガラスを、回転する白金製の
攪拌翼、攪拌板、又は攪拌棒等を備えた攪拌器で攪拌
し、脈理、筋、泡等を除去している。
【0003】しかしながら、このような白金製の攪拌器
による溶融ガラスの攪拌は、ガラスの均質性や光透過性
に少なからず影響を与えていたのである。すなわち、容
器や攪拌器を形成する白金は、溶融及び攪拌中に蒸発
し、酸化白金となって攪拌器のシャフト等に付着して凝
集する。凝集した酸化白金は、やがて溶融ガラス中に落
下し、還元され、ガラス中への白金インクルージョンが
発生する。また、PbOを多く含有するガラスのよう
な、白金に対して強い侵食性を示すガラスでは、容器又
は攪拌器から溶出する白金イオンによって着色し、光透
過性が低下する。
【0004】このような白金インクルージョン及び白金
イオンによるガラスの着色を防止するためには、溶融ガ
ラスが容器及び攪拌器と接触する面積をできる限り縮小
することが望ましい。そこで、白金製の攪拌器を使用す
ることなく溶融ガラスを攪拌する方法が検討されてお
り、この出願の発明の発明者らにより、融液に縦磁場又
は横磁場を印加して対流を発生させ、融液を攪拌する技
術が提案されている(特開平9−309731号公
報)。磁場印加により溶融ガラスに対流が発生するメカ
ニズムは未だ明らかになってはいないが、ガラスを構成
する元素の内、少なくとも一部が+イオン、−イオンの
いずれかの形で溶融ガラス中に偏在し、これらのイオン
が磁場からローレンツ力を受け、その結果、溶融ガラス
が動き、対流が発生するのではと考えられている。
【0005】しかしながら、上記技術の場合には、常に
対流が発生するとは限らず、溶融ガラスの攪拌を可能と
する対流の生成についてはさらに詳細な検討を加える必
要があった。この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、磁場印加により発生する対流
により溶融ガラスを攪拌させる技術をさらに押し進め、
対流を効果的に発生させ、攪拌器を使用せずに溶融ガラ
スを攪拌することができ、高品質ガラスの製造に寄与す
ることのできるガラスの製造方法を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、SiO2 、B2 3 、P
2 5 、及びGeO2 からなる群から選択される1種又
は2種以上の成分を単一成分量又は合計成分量で30モ
ル%以下含有する組成を有する溶融ガラスに、磁場を印
加して対流を発生させ、溶融ガラスを攪拌することを特
徴とするガラスの製造方法を提供する(請求項1)。
【0007】この出願の発明は、溶融ガラスは、SiO
2 及びGeO2 を含有しないこと(請求項2)、溶融ガ
ラスは、Bi2 3 、PbO、及びGa2 3 からなる
群から選択される1種又は2種以上の成分を含有するこ
と(請求項3)、並びに磁場の強度を0.1 〜8T(テス
ラ)の範囲とすること(請求項4)を好ましい態様とし
て包含している。
【0008】
【発明の実施の形態】この出願の発明において溶融ガラ
スの組成は、上記の通り、SiO2 、B2 3 、P2
5 、及びGeO2 からなる群から選択される1種又は2
種以上の成分を単一成分量又は合計成分量で30モル%
以下含有するものとしている。この組成の場合に、溶融
ガラスには、磁場印加により回転速度の速い、攪拌効果
の高い対流が生成する。溶融ガラスの組成に、上記4成
分の少なくとも1種が単一成分量又は合計成分量で30
モル%を超えて含まれると、強い磁場を印加しても溶融
ガラスには攪拌効果に乏しい弱い対流しか発生しない
か、又は対流が全く発生しなくなる。その理由は、上記
4成分は、溶融ガラス中で強固なネットワーク構造を形
成するからであり、その量が30モル%を超えると、溶
融ガラスが著しく動きにくくなり、対流の発生を阻害す
るためと考えられる。この出願の発明では、溶融ガラス
の組成は、SiO2 及びGeO2 を含まないものが好ま
しい。これは、SiO2 及びGeO2 は、上記4成分の
中でもとりわけ強固なネットワーク構造を溶融ガラス中
に形成するからである。
【0009】以上の条件を満たすガラスとしては、たと
えば、テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、ガリウ
ム酸塩ガラス、チタン酸塩ガラス、ビスマス酸塩ガラ
ス、バナジン酸塩ガラス、アンチモン酸塩ガラス、弗化
物ガラス、ハロゲン化物ガラス、カルコゲン化物ガラ
ス、オキシナイトライドガラス、カルコハライドガラス
等を例示することができる。珪酸ガラス、アルミノ珪酸
塩ガラス、硼酸塩ガラス、アルミノ硼酸塩ガラス、硼珪
酸塩ガラス、アルミノ硼珪酸塩ガラス、燐酸塩ガラス、
ゲルマン酸塩ガラス、弗燐酸塩ガラス、オキシハロゲン
化物ガラス等については、SiO2 、B2 3 、P2
5 、及びGeO2 からなる群から選択される1種又は2
種以上の成分を単一成分量又は合計成分量で30モル%
以下に含有する場合に使用可能である。
【0010】また、この出願の発明では、溶融ガラスの
組成は、Bi2 3 、PbO、及びGa2 3 からなる
群から選択される1種又は2種以上の成分を含有するも
のが好ましくもある。これら3成分の少なくとも1種が
組成に含まれると、磁場印加により溶融ガラスには、回
転速度の速い、攪拌効果の高い対流が生成しやすくな
る。
【0011】溶融ガラスは、容器中に収容されるが、使
用可能な容器としては、たとえば、白金又は白金ロジウ
ムるつぼ、イリジウムるつぼ、金るつぼ、アルミナるつ
ぼ、石英るつぼ、炭素るつぼ、粘土るつぼ、モリブデン
るつぼ、窒化硼素るつぼ等の耐熱性や溶融ガラスに対し
て耐食性を有する種々の材質から形成された容器を例示
することができる。そして、容器は、ガラス組成、溶融
温度、溶融ガラスとの反応性、溶融時の雰囲気、ガラス
に要求される品質等に応じて適当なものを適宜選択して
使用することができる。
【0012】本出願の発明において、溶融ガラスに印加
する磁場の強度については特に制限はない。磁場の強度
が大きいほど溶融ガラスに発生する対流の回転速度は速
くなる。一般には、0.1 T(テスラ)以上であれば十分
な攪拌効果が得られる。一方、磁場の強度が余り大きく
なり過ぎると、磁場発生装置のコストに反映し、また、
強い磁場が周囲の環境に影響を与えることもあるので、
上限は8T程度とすることができる。2T以下でも攪拌
効果は十分である。したがって、磁場の強度は、0.1 〜
8Tの範囲とするのが好ましく、より好ましくは、0.1
〜2Tの範囲である。
【0013】磁場の向きについても特に制限はない。横
磁場の場合には、溶融ガラスには水平方向に回転する渦
巻き状の対流が発生する。縦磁場の場合には溶融ガラス
には、垂直方向に回転する対流が発生する。なお、溶融
ガラスに印加する磁場をパルス状とする時には、溶融ガ
ラスに共振現象を発生させることもでき、対流の回転速
度はさらに速まる。
【0014】以下実施例を示し、この出願の発明のガラ
スの製造方法についてさらに詳しく説明する。
【0015】
【実施例】(実施例1〜16、比較例A〜E)以下の表
1〜5に示した組成となるように酸化物、炭酸塩、硝酸
塩、燐酸塩、弗化物等のガラス原料を、秤量、混合し、
次いで通常のガラス溶融装置を用いて溶融し、鋳型に溶
融ガラスをキャストした後に、急冷してガラスを粉砕
し、カレットを作製した。次に、カレットを白金製のる
つぼに入れ、高周波誘導加熱炉にセットした。そして、
溶融性の難易度に応じて、表1〜5に示した溶融温度で
2〜5時間溶融した後に、一定の温度に保温しながら、
高周波誘導加熱炉の周囲に設置した電磁石から2T(テ
スラ)の強度の縦磁場を2時間溶融ガラスに印加した。
なお、実施例14については、溶融時に白金パイプを溶
融ガラス中に挿入し、これを通じて酸素ガスを供給し、
バブリングしながら溶融した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】るつぼの上方にはCCDカメラを設置し、
磁場を印加している間、溶融ガラスの表面をCCDカメ
ラで観察するとともに、るつぼ底部には熱電対を接続
し、るつぼ底部の温度を測定した。実施例1〜16で
は、溶融ガラスの表面に対流の発生が認められた。ま
た、るつぼ底部の温度が激しく上下した。これは、溶融
ガラスの表面に発生した対流が垂直方向に回転し、るつ
ぼ底部まで達したためと考えられる。
【0022】一方、比較例A〜Eでは、溶融ガラスの表
面に対流の発生は認められず、また、るつぼ底部の温度
もほとんど変化しなかった。そして、2時間後に磁場印
加を止め、溶融ガラスを鋳型にキャストし、徐冷してガ
ラス試料を得た。このガラス試料から板状のサンプルを
切り出し、対向する両面を研磨し、その性状を目視によ
り観察した。
【0023】実施例1〜16では、いずれも白金るつぼ
の使用に基づく着色は確認されず、また、ガラス内部に
白金インクルージョン、脈理、筋、泡等の欠陥も確認さ
れなかった。ガラスは高品質であった。一方、比較例A
〜Eでは、ガラス内部に脈理、筋、及び泡が多数見られ
た。もちろんこの出願の発明は、以上の実施例によって
限定されるものではない。溶融ガラスの組成、原料、溶
融温度、使用する容器の種類等の細部については様々な
態様が可能であることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明によって、磁場印加により溶融ガラスに対流が効果的
に発生し、攪拌が可能となる。白金インクルージョン、
白金イオンによる着色、脈理、筋、泡等のない高品質ガ
ラスの製造が実現される。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 、B2 3 、P2 5 、及びG
    eO2 からなる群から選択される1種又は2種以上の成
    分を単一成分量又は合計成分量で30モル%以下含有す
    る組成を有する溶融ガラスに、磁場を印加して対流を発
    生させ、溶融ガラスを攪拌することを特徴とするガラス
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融ガラスは、SiO2 及びGeO2
    含有しない請求項1記載のガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融ガラスは、Bi2 3 、PbO、及
    びGa2 3 からなる群から選択される1種又は2種以
    上の成分を含有する請求項1又は2記載のガラスの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 磁場の強度を0.1 〜8T(テスラ)の範
    囲とする請求項1乃至3記載のガラスの製造方法。
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