JP2992547B2 - 超広角レンズ - Google Patents

超広角レンズ

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JP2992547B2
JP2992547B2 JP2181182A JP18118290A JP2992547B2 JP 2992547 B2 JP2992547 B2 JP 2992547B2 JP 2181182 A JP2181182 A JP 2181182A JP 18118290 A JP18118290 A JP 18118290A JP 2992547 B2 JP2992547 B2 JP 2992547B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、監視用などに用いられる超広角レンズに係
わり、特に、逆望遠型のものに関する。
(従来の技術) 近年、監視用、車載用等のカメラレンズに対しては、
その使用目的による超広角化と、使用上の制約によるコ
ンパクト化とが望まれている。
従来、監視用、車載用等に用いられているカメラレン
ズとしては、例えば、特開昭59−127012号公報あるいは
特開平1−113714号公報に記載されているものが知られ
ている。
特開昭59−127012号公報記載のものは、6群7枚とい
う非常に少ないレンズ構成で、F/1.6と明るく、諸収差
も良好に補正されているが、画角が110゜と狭く、監視
用カメラレンズとしては十分でなかった。
また、特開平1−113714号公報記載のものは、8群9
枚構成で、さらに非球面レンズを用いることにより、F/
1.4という大きな口径比を実現し、諸収差も良好に補正
され、画角も125゜程度を得ているものの、構成枚数が
多いため、コンパクト性の点で問題を有しており、さら
に、構成枚数が多いことに加えて、非球面が設けられて
いるため、コストの点でも問題を有していた。
また、画角が180゜に及び魚眼レンズでは、特公昭49
−20535号公報あるいは特開昭63−17421号公報が開示さ
れているが、ともにF/2.8程度と暗く、さらに構成枚数
も8〜10枚と多く、監視用には不適であった。
(発明が解決しようとする課題) 監視用、車載用などのカメラレンズとして、前述した
超広角レンズでは、画角、コンパクト性、コストの点で
問題が多く、構成枚数を削減し、さらに超広角化、コン
パクト化および低コスト化を図ることが望まれる。
ところで、この種のカメラレンズは、その使用目的か
ら歪曲収差が良好でないレンズを採用することができ
る。すなわち、広角化に伴い発生する負の歪曲収差を十
分に補正する必要がなく、逆に、負の歪曲収差を利用し
て広角化を実現することができるためレンズの設計上好
都合である。
本発明は、このことを利用し、上述の課題を解決しよ
うとするもので、例えば、焦点距離に比べ、バックフォ
ーカスが約2.5倍以上で、画角が130゜〜180゜に及ぶに
もかかわらず、構成枚数がきわめて少なく、コンパクト
で、低コストな、明るく高性能な超広角レンズを提供す
ることを目的とするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明の超広角レンズは、前述した目的を達成するた
めに、物体側から順に、前群と、後群とに分けられ、さ
らに、前記前群は、物体側から順に、物体側に凸面を向
けた負のメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負
のメニスカスレンズと、正レンズとの3枚のレンズから
なり、また、前記後群は、物体側から順に、接合された
両凹レンズおよび両凸レンズと、正レンズとの3枚のレ
ンズからなり、かつ、次の(イ)、(ロ)、(ハ)、
(ニ)の条件を満たすものである。
(イ)−1.75<f12/f<−1.55 (ロ)0.04<f・(n4−n5)/R4′<0.065 (ハ)−0.55<R6/R6′<−0.25 (ニ)ν<30 ただし、ここで、 f12は、物体側から1番目および2番目のレンズの合
成焦点距離、 fは、全系の焦点距離、 ni(i=4,5)は、物体側からi番目のレンズの屈折
率、 Ri′(i=4,6)は、物体側からi番目のレンズの像
側の面の曲率半径、 R6は、物体側から6番目のレンズの物体側の面の曲率
半径、 νは、物体側から3番目のレンズのアッベ数 である。
(作用) 本発明の超広角レンズは、前述した構成により、明る
さと高性能を保持しながら、構成枚数を削減して、コン
パクト化および低コスト化を図ったものである。ここ
で、前述した各条件(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)に
ついて説明する。
条件(イ)は、レンズ系全体の小型化と収差補正、お
よび広画角の確保に関連する条件である。すなわち、条
件(イ)の下限を越えると、入射瞳は後方へ遠ざかり、
レンズ全系の全長、前玉径の増大を招き、コンパクト化
が困難になると同時に、像面彎曲が悪化し、好ましくな
く、また、歪曲収差の発生が押さえられ、130゜〜180゜
という広画角の確保が困難になる。逆に、条件(イ)の
上限を越えると、球面収差が補正過剰となり、さらにコ
マ収差が増大し、補正が困難となり、好ましくない。
条件(ロ)は、条件(イ)に関連して、主に球面収差
を補正するための条件である。すなわち、条件(ロ)の
下限を越えると、球面収差が補正不足となり、好ましく
ない。逆に、条件(ロ)の上限を越えると、高次の球面
収差が発生し、補正が困難となり、好ましくない。
条件(ハ)は、条件(イ)および条件(ロ)に関連し
て、球面収差、非点収差および像面彎曲をバランス良く
補正するための条件である。すなわち、条件(ハ)の下
限を越えると、球面収差が補正不足となると同時に、非
点隔差が増大し、好ましくない。逆に、条件(ハ)の上
限を越えると、球面収差が補正過剰となると同時に、像
面彎曲が増大し、好ましくない。
条件(ニ)は、倍率の色収差の補正に関するものであ
る。すなわち、条件(ニ)の上限を越えると、前群発散
系で発生する倍率の色収差の補正が困難となり、好まし
くない。
(実施例) つぎに、本発明の超広角レンズの実施例について、図
面を参照しながら説明する。
以下に、4つの数値実施例を示すが、これら数値実施
例の超広角レンズは、第1図、第3図、第5図および第
7図のレンズ構成図に示すように、物体側すなわち前側
(図示左側)から順に、前群Aと、後群Bとに分けられ
る。さらに、前記前群Aは、物体側から順に、物体側に
凸面を向けた負のメニスカスレンズA1と、物体側に凸面
を向けた負のメニスカスレンズA2と、両凸の正レンズA3
との3枚のレンズからなっている。また、前記後群B
は、物体側から順に、接合された両凹レンズB1および両
凸レンズB2と、両凸の正レンズB3との3枚のレンズから
なっている。さらに、これら実施例の超広角レンズは、
ビデオカメラ用であるため、最後部に平行平面板Cが設
けられている。なお、絞りは、前記前群Aと後群Bとの
間に設けられる。
そして、いずれの数値実施例の超広角レンズも、次の
(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の条件を満たしてい
る。
(イ)−1.75<f12/f<−1.55 (ロ)0.04<f・(n4−n5)/R4′<0.065 (ハ)−0.55<R6/R6′<−0.25 (ニ)ν<30 ただし、ここで、 f12は、前群Aの物体側から1番目および2番目のレ
ンズの合成焦点距離、 fは、全系の焦点距離、 ni(i=4,5)は、物体側からi番目のレンズの屈折
率、 Ri′(i=4,6)は、物体側からi番目のレンズの像
側の面の曲率半径、 R6は、物体側から6番目のレンズの物体側の面の曲率
半径、 νは、物体側から3番目のレンズのアッベ数 である。
前記条件(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)を設定した
理由は、以下のとおりである。
条件(イ)は、レンズ系全体の小型化と収差補正、お
よび広画角の確保に関連する条件である。すなわち、条
件(イ)の下限を越えると、入射瞳は後方へ遠ざかり、
レンズ全系の全長、前玉径の増大を招き、コンパクト化
が困難になると同時に、像面彎曲が悪化し、好ましくな
く、また、歪曲収差の発生が押さえられ、130゜〜180゜
という広画角の確保が困難になる。逆に、条件(イ)の
上限を越えると、球面収差が補正過剰となり、さらにコ
マ収差が増大し、補正が困難となり、好ましくない。
条件(ロ)は、条件(イ)に関連して、主に球面収差
を補正するための条件である。すなわち、条件(ロ)の
下限を越えると、球面収差が補正不足となり、好ましく
ない。逆に、条件(ロ)の上限を越えると、高次の球面
収差が発生し、補正が困難となり、好ましくない。
条件(ハ)は、条件(イ)および条件(ロ)に関連し
て、球面収差、非点収差および像面彎曲をバランス良く
補正するための条件である。すなわち、条件(ハ)の下
限を越えると、球面収差が補正不足となると同時に、非
点隔差が増大し、好ましくない。逆に、条件(ハ)の上
限を越えると、球面収差が補正過剰となると同時に、像
面彎曲が増大し、好ましくない。
条件(ニ)は、倍率の色収差の補正に関するものであ
る。すなわち、条件(ニ)の上限を越えると、前群発散
系で発生する倍率の色収差の補正が困難となり、好まし
くない。
つぎに、4つの数値実施例を示す。これら数値実施例
において、第1図、第3図、第5図および第7図にも示
すように、ri(i=1,…,13)は、物体側からi番目の
屈折球面(レンズ面)の曲率半径、di(i=1,…,12)
は、物体側からi番目の屈折球面とi+1番目の屈折球
面との間の間隔(レンズ厚または空気間隔)、niおよび
ν(i=1,…,7)は、各々、物体側からi番目のレン
ズのガラスの屈折率ndおよびアッベ数νである。ま
た、fはレンズ全系の焦点距離、Fは口径比、2ωは所
定の画面に対応する画角である。
なお、前記条件(ロ)、(ハ)におけるR4′,R6,R6
は、各々、R4′=r8、R6=r10、R6′=r11である。
である。
前記数値実施例1のレンズ構成図を第1図に、また、
その数値実施例1の収差曲線図を第2図に示す。なお、
第4図、第6図および第8図も同様であるが、第2図
(a)において、縦軸は入射高で、その上端はf/1.6の
入射高である。そして、横軸は縦の収差であり、実線d
はd線の球面収差、破線gはg線の球面収差を示してい
る。また、第2図(b)において、縦軸は半画角であ
り、その上端は65.5゜の半画角である。そして、横軸は
像面位置であり、実線Sはサジタル像面、点線Mはメリ
ジオナル像面を示している。さらに、第2図(c)にお
いて、縦軸は半画角であり、その上端は65.5゜の半画角
である。そして、横軸は歪曲収差である。
前記数値実施例2のレンズ構成図を第3図に、また、
その数値実施例2の収差曲線図を第4図に示す。なお、
第4図(b),(c)において、縦軸の上端は71゜の半
画角である。
前記数値実施例3のレンズ構成図を第5図に、また、
その数値実施例3の収差曲線図を第6図に示す。なお、
第6図(b),(c)において、縦軸の上端は76.5゜の
半画角である。
前記数値実施例4のレンズ構成図を第7図に、また、
その数値実施例4の収差曲線図を第8図に示す。なお、
第8図(b),(c)において、縦軸の上端は90゜の半
画角である。
なお、前記いずれの数値実施例の超広角レンズも、平
行平面板Cを無視した場合のバックフォーカスが、焦点
距離fの2.4倍以上になっている。
前記実施例の構成によれば、構成枚数がわずか6枚で
あり、焦点距離fに比べバックフォーカスが約2.5倍以
上で、画角が130゜〜180゜に及ぶにもかかわらず、明る
くかつ高性能なものにできる。これとともに、構成枚数
がきわめて少なく、かつ、レンズ全長が短く、コンパク
トで、しかも非球面を設けることもなく、低コストにで
きる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、物体側から順に、物体側に凸面を向
けた2枚の負のメニスカスレンズと、正レンズと、接合
された両凹レンズおよび両凸レンズと、正レンズとによ
り構成された超広角レンズで、前述の条件(イ)、
(ロ)、(ハ)、(ニ)を満足させたことにより、焦点
距離に比べバックフォーカスがきわめて長く、画角がき
わめて大きいにもかかわらず、コンパクトで、低コスト
で、しかも、明るく高性能な超広角レンズを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の超広角レンズの実施例を示すもので、第
1図は数値実施例1のレンズ構成図、第2図は数値実施
例1の収差曲線図、第3図は数値実施例2のレンズ構成
図、第4図は数値実施例2の収差曲線図、第5図は数値
実施例3のレンズ構成図、第6図は数値実施例3の収差
曲線図、第7図は数値実施例4のレンズ構成図、第8図
は数値実施例4の収差曲線図である。 A……前群、B……後群、A1……負のメニスカスレン
ズ、A2……負のメニスカスレンズ、A3……正レンズ、B1
……両凹レンズ、B2……両凸レンズ、B3……正レンズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側から順に、前群と、後群とに分けら
    れ、 前記前群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負
    のメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負のメニ
    スカスレンズと、正レンズとの3枚のレンズからなり、 前記後群は、物体側から順に、接合された両凹レンズお
    よび両凸レンズと、正レンズとの3枚のレンズからな
    り、 かつ、次の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の条件を満
    たすことを特徴とする超広角レンズ。 (イ)−1.75<f12/f<−1.55 (ロ)0.04<f・(n4−n5)/R4′<0.065 (ハ)−0.55<R6/R6′<−0.25 (ニ)ν<30 ただし、ここで、 f12は、物体側から1番目および2番目のレンズの合成
    焦点距離、 fは、全系の焦点距離、 ni(i=4,5)は、物体側からi番目のレンズの屈折
    率、 Ri′(i=4,6)は、物体側からi番目のレンズの像側
    の面の曲率半径、 R6は、物体側から6番目のレンズの物体側の面の曲率半
    径、 νは、物体側から3番目のレンズのアッベ数 である。
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