JP2991450B2 - 有機膜発光素子 - Google Patents

有機膜発光素子

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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、有機膜を用いた発光素子に係り、特に2層
以上の有機膜の組み合わせにより一画素多色発光を可能
とした有機膜発光素子に関する。
(従来の技術) 近年、表示素子や照明素子等として用いられる有機膜
発光素子の研究開発が盛んに行われている。例えば、九
州大学の斎藤省吾は、1986年に金属電極/芳香族色素/
ポリチオフェン/透明電極を用いた有機2層構造素子を
報告している(J.J.Appl.Phys.25,L773,1986)。ここで
は、有機膜の膜厚が1μm以上あり、印加電圧も100Vと
大きい。これに対して、コダック社のC.W.Tang等は、Mg
・Ag/Alq3/ジアミン/ITOという有機2層構造で、有機膜
の膜厚を1000Å以下にすることによって、印加電圧10V
以下で駆動して実用上十分な輝度を示す素子が得られた
ことを報告している(APL.51,913,1987)。これらの発
光素子は、電子注入性的な色素と正孔注入性的な色素と
を組合わせて有機2層構造とすることを基本とし、有機
膜をできるだけ薄くすること、電子注入側の金属電極に
仕事関数の小さいものを選ぶこと、真空蒸着法或いは昇
華法によって有機膜を形成する際に電気的欠陥が発生し
ないような材料を選択すること、等を主要な特徴として
いる。九州大学の斎藤省吾は更に1988年には、電子注入
層/発光層/正孔注入層という有機3層構造素子を提案
し、発光層に高いフォトルミネセンスを示す色素を選ぶ
ことによって高輝度発光が得られることを示した(J.J.
Appl.Phys.,27,L269,1988)。
その他これまでに、各種の有機膜の組合わせによる発
光素子構造、単層の有機膜であっても、発光剤と正孔注
入剤を混合することによってある程度の発光が認められ
ること、発光体であるAiq3の特性劣化に関する研究等が
次々に報告されており、また同様の特許出願が多くなさ
れている。
(発明が解決しようとする課題) 有機膜発光素子は、発光輝度についてはほぼ実用段階
まできているが、発光効率や素子寿命,素子作成プロセ
ス等はまだまだ技術的に未解決の問題が多い。発光効率
は現状では良くて1%,通常0.1%程度である。発光効
率が低いことは発光に寄与しない電流が電極間に流れる
ことを意味し、この電流はジュール熱を発生するから素
子寿命を低下させる大きな原因となっている。したがっ
て有機膜発光素子を実用化するためには、発光効率を少
なくとも数%から10%以上まで高めることが望まれる。
発光効率を高めるためには、素子構造の最適化と、用
いる材料の電気的性質の最適化が必要である。これまで
のところ、有機材料の性質に関しては、電子(正孔)輸
送性,電子(正孔)注入性,発光性といった定性的な定
義しかなされておらず、これでは素子条件が十分規定さ
れているとはいえない。
本発明は、複数の有機膜の積層構造と金属電極の組合
わせにおいて、それらの各材料の電気的性質を厳密に定
義した上で、一画素多色の発光を可能とした有機膜発光
素子を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 有機膜は一種の半導体とみなせるので、有機膜を積層
した素子においては各層の接合面における電気的特性が
素子特性を支配する。すなわち金属電極の仕事関数と、
有機膜の伝導帯レベル,フェルミレベルおよび価電子帯
レベルを考えたときに、各接合面でそれぞれのエネルギ
ーレベルがどの様な関係にあるかが重要になる。本発明
はこの様な観点から、半導体モデルを用いて一画素多色
の発光素子構造を提案する。
すなわち本発明に係る発光素子は、電子および正孔に
対して障壁接合を構成する第1の有機膜と第2の有機膜
の積層構造と、この積層構造を挟んで第1の有機膜側に
設けられた電子注入用の第1の電極および第2の有機膜
側に設けられた正孔注入用の第2の電極と有することを
基本とする。
そして本発明の第1の発光素子は、上述の基本構造に
おいて、第1,第2の電極間に第2の電極側に正のバイア
スを与えたときに、第1の電極から第1の有機膜に注入
された電子と第2の電極から第2の有機膜に注入された
正孔とが障壁接合の界面に蓄積され、これらの蓄積され
た電子,正孔のうち電子が第2の有機膜にトンネル注入
されて第2の有機膜内で発光再結合し、正孔が第1の有
機膜にトンネル注入されて第1の有機膜内で発光再結合
することを利用する。
具体的には、第1,第2の電極の仕事関数をそれぞれE
M1,EM2とし、第1の有機膜の伝導帯下端の真空準位から
のエネルギー差(以下これを単に伝導帯レベルと呼
ぶ),フェルミレベルの真空準位からのエネルギー差
(以下これを単にフェルミレベルと呼ぶ)および価電子
帯の上端の真空準位からのエネルギー差(以下これを単
に価電子帯レベルと呼ぶ)をそれぞれEC1,E1およびEV1
とし、第2の有機膜の伝導帯レベル,フェルミレベルお
よび価電子帯レベルをそれぞれEC2,E2およびEV2とした
とき、 EM1<E1 …(1) E2 <EM2 …(2) EC1>EC2 …(3) EV1>EV2 …(4) を満たすように材料が選択される。より具体的には、
(1)式および(2)式は、EM1−EC1およびEV2−EM2
1eV以下、好ましくは0.5〜0.3eV以下になることを意味
し、また(3)式および(4)式は、EC1−EC2およびE
V1−EV2が好ましくは0.5eV以上、例えば1eV以上とす
る。
そしてバイアス電圧によって発光色制御が可能となる
ためには、 EC1−EC1<EV1−EV2 …(5) または、 EC1−EC1>EV1−EV2 …(6) なる条件を満たす材料が選択される。
また本発明の第2の発光素子は、上述した基本構造に
さらに、第2の有機膜と第2の電極との間に第3の有機
膜を介在させる。そして第1,第2の電極間に第2の電極
側に正のバイアスを与えたときに、第1の電極から第1
の有機膜に注入された電子と第2の電極から前記第3の
有機膜を介して第2の有機膜に注入された正孔とが前記
障壁接合の界面に蓄積され、これらの蓄積された電子,
正孔のうち電子が第1のしきい値で第2の有機膜にトン
ネル注入されて第2の有機膜内で発光再結合し、さらに
第2のしきい値で第3の有機膜に注入されて第3の有機
膜内で発光再結合する。
この様な多色発光が可能となるためには具体的には、
第1の発光素子での各材料の電気的特性の関係に加え
て、第3の有機膜の伝導帯レベル,フェルミレベルおよ
び価電子帯レベルをそれぞれEC3,E3およびEV3としたと
き、 EC1−EC2<EV1−EV2 …(7) EC2<EC3 …(8) EV2〜EV3 …(9) EM2<E3 …(10) を満たすように材料が選択される。
さらに本発明の第3の発光素子は、上述した基本構造
において、第1の電極と第1の有機膜の間に第3の有機
膜を介在させる。そして第1,第2の電極間に第2の電極
側に正のバイアスを与えたときに、第1の電極から第3
の有機膜を介して第1の有機膜に注入された電子と第2
の電極から第2の有機膜に注入された正孔とが障壁接合
の界面に蓄積され、これらの蓄積された電子,正孔のう
ち正孔が第1のしきい値で第1の有機膜にトンネル注入
されて第1の有機膜内で発光再結合し、さらに第2のし
きい値で第3の有機膜に注入されて第3の有機膜内で発
光再結合する。
この様な多色発光が可能となるためには具体的には、
第1の発光素子での各材料の電気的特性の関係に加え
て、第3の有機膜の伝導帯レベル,フェルミレベルおよ
び価電子帯レベルをそれぞれEC3,E3およびEV3としたと
き、 EC1−EC2>EV1−EV2 …(11) EC3〜EC1 …(12) EV3<EV1 …(13) EM1<E3 …(14) を満たすように材料が選択される。
(作用) 本発明による有機膜発光素子の基本構造においては、
第1,第2の有機膜の接合界面に電子に対する障壁および
正孔に対する障壁が形成される(条件式(3),
(4))。また、第2の電極が正になるバイアスを与え
ると、第1の電極から第1の有機膜に電子が注入され
(条件式(1))、第2の電極から第2の有機膜に正孔
が注入される(条件式(2))。この結果、第1,第2の
有機膜の間の障壁接合界面には、電気二重層が形成され
る。
したがって第1の発光素子においては、バイアス電圧
があるしきい値を越えると、第1の有機膜の電子は第2
の有機膜にトンネル注入され、第2の有機膜内で発光再
結合する。またバイアスがあるしきい値を越えると、第
2の有機膜の正孔は第1の有機膜にトンネル注入され、
第1の有機膜内で発光再結合する。こうして、第1の有
機膜で決まる波長の発光と第2の有機膜で決まる波長の
発光が得られる。条件式(5)を満たすときには、第1
の有機膜から第2の有機膜への電子のトンネル注入が支
配的になり、したがってバイアス電圧を変えたときに、
第1のしきい値で第2の有機膜での発光再結合による発
光が認められ、第2のしきい値で第1および第2の有機
膜での発光が同時に認められる。条件式(6)を満すと
きにはこの関係は逆になる。
第2の発光素子においては、第1,第2の有機膜間の障
壁接合について、電子に対する障壁が正孔に対する障壁
より低く設定され(条件式(7),(8))、また第2
の電極から第3の有機膜に注入された正孔はほとんど障
害なく第2の有機膜まで流れるように材料が選択される
(条件式(9),(10))。これによって、バイアスを
与えたときに第1,第2の有機膜間の障壁接合に蓄積され
て電気二重層を形成するキャリアのうち電子が第2の有
機膜にトンネル注入されて、第2の有機膜で発光再結合
する。第2の有機膜の膜厚がキャリアの平均自由行程よ
り薄ければ、さらにバイアスが上昇すると多くの電子は
第3の有機膜まで流れて第3の有機膜内で発光再結合す
る。これにより、バイアスにより発光色が制御される多
色発光素子が得られる。
第3の発光素子においては、第1,第2の有機膜間の障
壁接合について、正孔に対する障壁が電子に対する障壁
より低く設定され(条件式(11),(12))、また第1
の電極から第3の有機膜に注入された電子はほとんど障
害なく第2の有機膜まで流れるように材料が選択される
(条件式(13),(14))。これによって、バイアスを
与えたときに第1,第2の有機膜間の障壁接合に蓄積され
て電気二重層を形成するキャリアのうち正孔が第1の有
機膜にトンネル注入されて、第1の有機膜で発光再結合
し、さらにバイアスが上昇すると多くの正孔は第3の有
機膜まで流れて第3の有機膜内で発光再結合する。これ
により、バイアスにより発光色が制御される多色発光素
子が得られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は一実施例の発光素子断面構造を示す。この素
子は、上から見て第1の電極(M1)5,第1の有機膜
(O1)4,第2の有機膜(O2)3および第2の電極(M2
2により構成されている。第2の電極2はこの実施例で
はガラス基板1に形成されたITO等の透明電極であっ
て、光は基板1側から取出される。透明電極として化合
物半導体を用いてもよい。この素子の製造プロセスは、
後に具体的に説明するが、基板上に真空蒸着法,真空昇
華法等によって順次膜を積層形成する。
第2図は、この発光素子を構成する各層がそれぞれ独
立した状態でのバンド図を示す。第1の有機膜4の伝導
帯レベルをEC1,フェルミレベルをE1,価電子帯レベルをE
V1とし、第2の有機膜3の伝導帯レベルをEC2,フェルミ
レベルをE2,価電子帯レベルをEV2としたとき、図示のよ
うに、EC1>EC2,EV1>EV2なる材料が選ばれている。ま
た第1の電極5は、仕事関数EM1が、EM1<E1であり、第
1の有機膜4に対して電子を注入しやすい関係に選ばれ
ている。第2の電極2は、仕事関数EM2が、EM2>E2であ
り、第2の有機膜3に対して正孔を注入しやすい関係に
選ばれている。
第3図は、これらの各層が接合された発光素子の熱平
衡状態でのバンド図である。熱平衡状態では系のフェル
ミレベルが一致する。したがって第2図に示す電極の仕
事関数および有機膜の各エネルギーレベルの大小関係か
ら、第3図に示すように、第1の電極5と第1の有機膜
4の間は第1の電極5から電子が注入しやすい接合が形
成される。第2の電極2と第2の有機膜3の間は第2の
電極2から正孔が注入しやすい接合が形成される。第1
の有機膜4と第2の有機膜3の間には、伝導帯にΔEC
EC1−EC2なる障壁が形成され、価電子帯にはΔEV=EV1
−EV2なる障壁が形成される。
この実施例の発光素子の動作原理を第4図を用いて説
明する。第4図(a)は、第1の電極5に対して第2の
電極2に正のあるバイアス電圧V1を印加したときの素子
のバンド図である。第1の電極5からは第1の有機膜4
に電子が注入され、第2の電極2からは第2の有機膜3
に正孔が注入されて、これらの電子,正孔は第1,第2の
有機膜3,4の障壁接合界面に蓄積される。この蓄積され
たキャリアは、電気二重層を形成することになる。この
電気二重層の厚みは、色素の分子間距離(約10Å)であ
るから、結果としてここに大きい電界が発生する。そし
て第4図(b)に示すようにバイアス電圧があるしきい
値を越えてV2になると、電気二重層を形成するキャリア
は障壁接合を通して隣接層にトンネル注入される。第2
の有機膜3から第1の有機膜4に注入された正孔は、第
1の有機膜4内で多数キャリアである電子と再結合し、
これにより第1の波長λの発光が得られる。第1の有
機膜4から第2の有機膜3に注入された電子は、第2の
有機膜3内で多数キャリアである正孔と再結合し、これ
により第2の波長λの発光が得られる。
第1の波長の発光と第2の波長の発光のいずれが支配
的になるかは、第1,第2の有機膜4,3の障壁接合の電子
に対する障壁高さΔECと、正孔に対する障壁高さΔEV
関係によって決まる。したがって材料を選択することに
よって、 あるしきい値で第1,第2の波長光が同時に得られる発
光素子、 第1のしきい値では第1の波長の発光のみとし、第2
のしきい値で多重発光を得る多色発光素子、 第1のしきい値では第2の波長の発光のみとし、第2
のしきい値で多重発光を得る多色発光素子、 のいずれも得ることができる。
第5図(a)(b)は、EC1−EC2<EV1−EV2を満すよ
うに材料が選択された多色発光素子の動作を説明するた
めのバンド図である。先の原理説明から明らかなように
バイアス電圧Vによって電子,正孔がそれぞれ注入され
て電気二重層が形成されるが、バイアス電圧Vが第1の
しきい値Vth1を越えると、第5図(a)に示すように第
1の有機膜から電子が第2の有機膜にトンネル注入さ
れ、第2の有機膜で発光再結合して波長λ2の発光が生
じる。さらにバイアス電圧Vを上げてこれが第2のしき
い値Vth2を越えると、第5図(b)に示すように第2の
有機膜から第1の有機膜への正孔のトンネル注入も始ま
り、第1の有機膜で発光再結合して波長λ1の発光が重
なる。
第6図(a)(b)は、EC1−EC2>EV1−EV2を満すよ
うに材料が選択された多色発光素子の動作を説明するた
めのバンド図である。この場合は第5図と逆に、第1の
しきい値Vth1で第1の有機膜での発光(波長λ1)が生
じ、第2のしきい値Vth2で第2の有機膜での発光(波長
λ2)が重なる。なお第6図での第1,第2のしきい値Vt
h1,Vth2、波長λ1,λ2は第5図でのそれらとは一般に
は同じではない。
なおこの実施例の発光素子におけるような各接合面で
のエネルギーレベルの大小関係を設定した材料を選択す
るに当たっては、そのエネルギーレベルの大小関係を測
定する方法が必要である。これは、次に説明するような
本発明者等が発見した方法を用いればよい。
第15図に示すように、金属電極11/シリコン12/シリコ
ン酸化膜13/有機膜14/金属電極15からなる素子を形成す
る。この素子に第16図に示すような三角波電圧を印加
し、その時の素子の変位電流を測定する。いま素子の容
量をCとすれば、変位電流は、 I=C・dV/dt で表される。第15図の素子で有機膜14がない場合を考え
ると、素子は通常知られたMOS素子となり、その容量は
シリコン酸化膜13によって決まる。これに対して有機膜
14がある場合には、有機膜14のフェルミレベルと金属電
極15の仕事関数の大小関係によって次のような変位電流
が観測される。
(a)金属電極15の仕事関数と有機膜14のフェルミレベ
ルが略等しい場合 この場合、金属電極15と有機膜14の接合は電子,正孔
いずれに対しても高い障壁を持つ接合となる。したがっ
て有機膜14は絶縁体とみなせるため、素子容量はシリコ
ン酸化膜と有機膜の直列容量となり、MOS素子のそれよ
り小さい一定値を示す。これにより、第16図のように三
角波電圧を素子に印加したときの変位電流は、第17図に
示すような一定の小さい値を示す。
(b)金属電極15の仕事関数が有機膜14のフェルミレベ
ルより小さい場合 この場合、金属電極15と有機膜14の接合は、金属電極
15から有機膜14に対して電子が注入されやすい接合を形
成する。したがって第15図の三角波電圧を素子に印加し
たとき、金属電極15側が負になると金属電極15から有機
膜14に電子が注入され、この電子は有機膜14と酸化膜13
の界面に蓄積される。この状態では素子容量は酸化膜13
で決まる値となり、第18図に示すように変位電流はMOS
素子のレベルまで増加する。印加電圧が金属電極15側が
正になる極性では、有機膜14内の電子は金属電極15に流
れ去り、変位電流は有機膜14が絶縁体であるとした場合
の小さい値まで減少する。
(c)金属電極15の仕事関数が有機膜14のフェルミレベ
ルより大きい場合 この場合、金属電極15と有機膜14の接合は、金属電極
15から有機膜14に対して正孔が注入されやすい接合を形
成する。したがって第15図の三角波電圧を素子に印加し
たとき、金属電極15側が正になると金属電極15から有機
膜14に正孔が注入され、この正孔は有機膜14と酸化膜13
の界面に蓄積される。この状態では素子容量は酸化膜13
で決まる値となり、第19図に示すように変位電流はMOS
素子のレベルまで増加する。印加電圧が金属電極15側が
負になる極性では、有機膜14内の正孔は金属電極15に流
れ去り、変位電流は有機膜14が絶縁体であるとした場合
の小さい値まで減少する。
以上は、金属電極と有機膜の間の関係であるが、次に
第15図の素子構造における有機膜14の部分を第1,第2の
有機膜の積層構造として同様の変位電流測定を行う。こ
れにより、二つの有機膜の伝導帯レベル,フェルミレベ
ル,価電子帯レベルの関係が明らかになる。
例えば、第15図の素子構造に於いて、有機膜14の金属
電極15に接する部分が第1の有機膜141であり、その下
が第2の有機膜142であるとする。そして金属電極15か
ら第1の有機膜141に電子が注入されるとする。これは
先の有機膜が単層の素子で調べられている。もし、変位
電流が金属電極15側が負の状態でMOS素子レベルまで流
れてるとすれば、第1の有機膜141に注入された電子は
さらに第2の有機膜142まで注入されている事になる。
これにより、第2の有機膜142は伝導帯レベルが第1の
有機膜141のそれより低いことが分かる。この様なMOS素
子レベルの変位電流が観測されないならば、第2の有機
膜142は伝導帯レベルが第1の有機膜141のそれより高い
ことが分かる。
価電子帯レベルについても、正孔注入を利用した同様
の変位電流測定によって大小関係が分かる。
第1図の素子構造を用いた有機多色発光素子のより具
体的な実施例を次に説明する。
実施例1 第1図の素子において、 第1の電極5:エルビウム膜 第1の有機膜4: 第2の有機膜3:ビピレニル 第2の電極2:ITO膜 を用いた。
この材料系が第2図の条件を満し、かつEC1−EC2<E
V1−EV2なる条件を満すことは、先に説明した変位電流
測定法によって確認されている。素子作成プロセスは次
の通りである。ITO膜が形成されたガラス基板上にま
ず、真空昇華法(真空度〜10-6Torr)によって第2の有
機膜を1000Å形成し、その上に同様に真空昇華法によっ
て第1の有機膜を1000Å形成し、最後に真空蒸着法によ
ってエルビウム膜を1000Å形成する。
得られた素子にITO電極が正になるバイアスを印加す
ると、3Vで5mAの電流が流れ、輝度500Cd/m2の橙色発光
が見られた。これは、第1の有機膜での発光である。バ
イアス電圧を15Vまで上げると、輝度は200Cd/m2まで上
昇し、発光色は黄緑色に変化した。これは第2の有機膜
による青色発光が混色した結果である。
実施例2 第1図の素子において、 第1の電極5:エルビウム膜 第1の有機膜4: 第2の有機膜3: 第2の電極2:ITO膜 を用いた。
素子作成プロセスおよび各層の膜厚は実施例1と同様
である。
得られた素子にITO電極が正になるバイアス電圧を印
加して、5Vで黄色の発光がみとめられた。これは第1の
有機膜4での発光による。さらにバイアス電圧を15Vま
で上げると発光色は赤橙色に変化した。これは第2の有
機膜3での発光が重なった結果である。
第1図は2層の有機膜を用いた多色発光素子の実施例
であるが、これを基本として更に第3の有機膜を組み合
わせて多色発光素子を作ることができる。その様な実施
例を次に説明する。
第7図はその様な実施例の有機膜多色発光素子の断面
図である。第1図と異なりこの実施例では、第2の有機
膜3と第2の電極2との間に第3の有機膜6が挟まれて
いる。
第8図は、第7図の素子の各層の仕事関数その他の電
気的特性を示す。第1の電極5,第1の有機膜4,第2の有
機膜3,第2の電極2の材料特性相互間の関係は、第1図
の実施例と基本的に同じである。ただし、第1の有機膜
4と第2の有機膜3のエネルギレベルについて、 EC1−EC2<EV1−EV2 なる関係に設定されている。第3の有機膜6について
は、第2の有機膜3および第2の電極2との関係で、伝
導帯レベルEC3,フェルミレベルE3および価電子帯レベル
EV3が次のように設定されている。
EC3>EC2 EV3〜EV2 E3 <EM2 したがってこれらの層が接合された素子の熱平衡状態
でのバンド図は、第9図のようになる。第1,第2の有機
膜4,3間に電子および正孔いずれに対しても障壁が形成
されることは先の実施例と同様である。ただし伝導帯側
の電子に対する障壁ΔECが価電子帯側の正孔に対する障
壁ΔEVより小さくなっている。第2の有機膜3の膜厚は
キャリアの平均自由行程より薄く、第2の有機膜3から
第3の有機膜6への電子の流れに対しては障壁は形成さ
れない。また第2の電極2から第3の有機膜6には正孔
が注入され易く、第3の有機膜6に注入された正孔はほ
とんど障害なく第2の有機膜3まで流れ得るようになっ
ている。
この発光素子での多色発光の動作を第10図を用いて説
明する。先の実施例と同様のバイアスを印加することに
より、第1の電極5から第1の有機膜4に電子が注入さ
れ、第2の電極2から第3の有機膜6を介して第2の有
機膜3に正孔が注入されて、第1,第2の有機膜4,3の間
の障壁接合に電気二重層が形成される。バイアス電圧が
第1のしきい値Vth1を越えると、第10図(a)に示すよ
うに第1の有機膜4から第2の有機膜3に電子がトンネ
ル注入され、第2の有機膜3内で正孔と再結合して発光
する。さらにバイアス電圧を高くしてしきい値Vth2を越
えると、第10図(b)に示すように第1の有機膜4から
第2の有機膜3に注入される電子の多くが再結合されず
に第3の有機膜6まで注入され、第3の有機膜6内で正
孔と再結合して発光する。すなわち低バイアス条件では
バンドギャップの広い第2の有機膜3からの短波長発光
が得られ、高バイアスではこれにバンドギャップの狭い
第3の有機膜6からの長波長発光が混色した発光とな
る。例えば第2の有機膜3を青色発光剤とし、第3の有
機膜6を黄色発光剤とすれば、低印加電圧では青色発光
となり、高印加電圧では白色発光となる。
第11図は、3層有機膜を用いた別の実施例の多色発光
素子である。この実施例では、第1の電極5と第1の有
機膜4の間に第3の有機膜6が設けられている。
第12図は各層の接合前のエネルギーレベルである。第
1の有機膜4と第2の有機膜3のエネルギレベルについ
ては、第7図のそれと逆に EC1−EC2>EV1−EV2 なる関係に設定されている。また第3の有機膜6につい
ては、第1の有機膜4および第1の電極2との関係で、
伝導帯レベルEC3,フェルミレベルE3および価電子帯レベ
ルEV3が次のように設定されている。
EC3〜EC1 EV3<EV2 E3 >EM1 したがってこれらの層が接合された素子の熱平衡状態
でのバンド図は、第13図のようになる。第1,第2の有機
膜4,3間に電子および正孔いずれに対しても障壁が形成
されることは先の実施例と同様である。ただし伝導帯側
の電子に対する障壁ΔECが価電子帯側の正孔に対する障
壁ΔEVより大きくなっている。第2の有機膜3の膜厚は
キャリアの平均自由行程より薄く、第2の有機膜3から
第3の有機膜6への正孔の流れに対しては障壁は形成さ
れない。また第1の電極5から第3の有機膜6には電子
が注入され易く、第3の有機膜6に注入された電子はほ
とんど障害なく第2の有機膜3まで流れ得るようになっ
ている。
第14図はこの発光素子での多色発光の動作を示すバン
ド図である。バイアス印加により、第1,第2の有機膜4,
3間の障壁接合部に電気二重層が形成されることは先の
実施例と同様である。バイアス電圧が第1のしきい値Vt
h1を越えると、第14図(a)に示すように第2の有機膜
3の正孔が第1の有機膜4にトンネル注入され、第1の
有機膜4内で発光再結合する。さらにバイアスを高くし
てしきい値Vth2を越えると、第14図(b)に示すように
多くの正孔は第3の有機膜6まで注入され、第3の有機
膜6で発光再結合する。したがってこの実施例でも、バ
イアスにより発光色が制御される多色発光が可能とな
る。第7図および第11図の素子構造での具体的な実施例
を次に説明する。
実施例3 第7図の素子において、 第1の有機膜4:ビス(ジシアノ−9−フルオレノニル)
エタン 第2の有機膜3:ビピレニル 第3の有機膜6:ビコロネニル 第1の電極5:エルビウム 第2の電極:ITO を用いた。この材料系が第8図に示した条件を満たすこ
とは変位電流測定法により確認されている。素子作成プ
ロセスは、先の実施例で説明したのと同様である。
得られた素子にバイアスを印加すると、5Vで約5mAの
電流が流れ、輝度1000Cd/m2の青色発光が得られた。こ
の発光は第2の有機膜3によるものである。バイアス電
圧を15Vまで上げると、電流は約20mA流れ、輝度2000Cd/
m2の白黄色発光が得られた。これは、第3の有機膜6の
橙色発光が第2の有機膜3による青色発光と混色したも
のである。
実施例4 第11図の素子において、 第1の有機膜4: 第2の有機膜3: 第3の有機膜6: 第1の電極5:エルビウム 第2の電極:ITO を用いた。この材料系が第12図に示した条件を満たすこ
とは変位電流測定法により確認されている。素子作成プ
ロセスは、先の実施例で説明したのと同様である。
得られた素子にバイアスを印加すると、5Vで約5mAの
電流が流れ、輝度1000Cd/m2の黄色発光が得られた。こ
の発光は第2の有機膜3によるものである。バイアス電
圧を15Vまで上げると、電流は約20mA流れ、輝度2000Cd/
m2の赤橙色発光が得られた。これは、第3の有機膜6の
赤色発光が第2の有機膜3による黄色発光と混色したも
のである。
以上の実施例では、2層の有機膜積層構造においてそ
の2層が共に発光層である場合、および3層の有機膜積
層構造においてそのうち2層が発光層である場合,すな
わち二色発光の場合のみ説明したが、これらの原理を応
用拡大して更に発光層を多くした多色発光素子を得るこ
とができる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、複数の有機膜の組
合わせによって、バイアスにより発光色を制御できる一
画素多色の発光素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の有機膜発光素子を示す断面
図、 第2図はその素子の各層の接合前の電気的特性を示すバ
ンド図、 第3図はその素子の熱平衡状態でのバンド図、 第4図(a)(b)はその素子の動作原理を説明するた
めのバンド図、 第5図(a)(b)は第2の有機膜の発光が支配的であ
る場合の動作を説明するためのバンド図、 第6図(a)(b)は第1の有機膜の発光が支配的であ
る場合の動作を説明するためのバンド図、 第7図は他の実施例の有機膜発光素子を示す断面図、 第8図はその素子の各層の接合前の電気的特性を示すバ
ンド図、 第9図はその素子の熱平衡状態でのバンド図、 第10図(a)(b)はその素子の動作を説明するための
バンド図、 第11図はさらに他の実施例の有機膜発光素子を示す断面
図、 第12図はその素子の各層の接合前の電気的特性を示すバ
ンド図、 第13図はその素子の熱平衡状態でのバンド図、 第14図(a)(b)はその素子の動作を説明するための
バンド図、 第15図は有機膜の材料特性を知るための変位電流測定法
を示す図、 第16図は印加電圧波形を示す図、 第17図は有機膜がない場合の変位電流−電圧特性を示す
図、 第18図は電極−有機膜接合が電子注入性である場合の変
位電流−電圧特性を示す図、 第19図は電極−有機膜接合が正孔注入性である場合の変
位電流−電圧特性を示す図である。 1……ガラス基板、2……第2の電極、3……第2の有
機膜、4……第1の有機膜、5……第1の電極、6……
第3の有機膜。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−109294(JP,A) 特開 昭61−200130(JP,A) 特開 昭63−231897(JP,A) 特開 昭63−231898(JP,A) 特開 昭64−41195(JP,A) 特開 平3−115486(JP,A) 特開 平3−230583(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 33/00 H05B 33/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子および正孔に対して障壁接合を構成す
    る第1の有機膜と第2の有機膜の積層構造と、この積層
    構造を挟んで第1の有機膜側に設けられた電子注入用の
    第1の電極および第2の有機膜側に設けられた正孔注入
    用の第2の電極とを有し、 前記第1,第2の電極間に第2の電極側に正のバイアスを
    与えたときに、前記第1の電極から前記第1の有機膜に
    注入された電子と前記第2の電極から前記第2の有機膜
    に注入された正孔とが前記障壁接合の界面に蓄積され、
    これらの蓄積された電子,正孔のうち電子が前記第2の
    有機膜にトンネル注入されて第2の有機膜内で発光再結
    合し、正孔が前記第1の有機膜にトンネル注入されて第
    1の有機膜内で発光再結合する、 ことを特徴とする有機膜発光素子。
  2. 【請求項2】前記第1,第2の電極の仕事関数をそれぞれ
    EM1,EM2とし、 前記第1の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC1,E1およびEV1とし、 前記第2の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC2,E2およびEV2としたとき、 EM1<E1 E2<EM2 EC1>EC2 EV1>EV2 を満たし、かつ EC1−EC2<EV1−EV2 を満たすように材料が選択されていることを特徴とする
    請求項1記載の有機膜発光素子。
  3. 【請求項3】前記第1,第2の電極の仕事関数をそれぞれ
    EM1,EM2とし、 前記第1の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC1,E1およびEV1とし、 前記第2の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC2,E2およびEV2としたとき、 EM1<E1 E2<EM2 EC1>EC2 EV1>EV2 を満たし、かつ EC1−EC2>EV1−EV2 を満たすように材料が選択されていることを特徴とする
    請求項1記載の有機膜発光素子。
  4. 【請求項4】電子および正孔に対して障壁接合を構成す
    る第1の有機膜と第2の有機膜の積層構造と、この積層
    構造を挟んで第1の有機膜側に設けられた電子注入用の
    第1の電極および第2の有機膜側に第3の有機膜を介し
    て設けられた正孔注入用の第2の電極とを有し、 前記第1,第2の電極間に第2の電極側に正のバイアスを
    与えたときに、前記第1の電極から前記第1の有機膜に
    注入された電子と前記第2の電極から前記第3の有機膜
    を介して前記第2の有機膜に注入された正孔とが前記障
    壁接合の界面に蓄積され、これらの蓄積された電子,正
    孔のうち電子が前記第2の有機膜にトンネル注入されて
    第2の有機膜内で発光再結合し、さらに第3の有機膜に
    注入されて第3の有機膜内で発光再結合する、 ことを特徴とする有機膜発光素子。
  5. 【請求項5】前記第1,第2の電極の仕事関数をそれぞれ
    EM1,EM2とし、 前記第1の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC1,E1およびEV1とし、 前記第2の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC2,E2およびEV2とし、 前記第3の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC3,E3およびEV3としたとき、 EM1<E1 E2<EM2 EC1>EC2 EV1>EV2 を満たし、かつ EC1−EC2<EV1−EV2 EC2<EC3 EV2〜EV3 EM2<E3 を満たすように材料が選択されていることを特徴とする
    請求項4記載の有機膜発光素子。
  6. 【請求項6】電子および正孔に対して障壁接合を構成す
    る第1の有機膜と第2の有機膜の積層構造と、この積層
    構造を挟んで第1の有機膜側に第3の有機膜を介して設
    けられた電子注入用の第1の電極および第2の有機膜側
    に設けられた正孔注入用の第2の電極とを有し、 前記第1,第2の電極間に第2の電極側に正のバイアスを
    与えたときに、前記第1の電極から前記第3の有機膜を
    介して前記第1の有機膜に注入された電子と前記第2の
    電極から前記第2の有機膜に注入された正孔とが前記障
    壁接合の界面に蓄積され、これらの蓄積された電子,正
    孔のうち正孔が前記第1の有機膜にトンネル注入されて
    第1の有機膜内で発光再結合し、さらに第3の有機膜に
    注入されて第3の有機膜内で発光再結合する、 ことを特徴とする有機膜発光素子。
  7. 【請求項7】前記第1,第2の電極の仕事関数をそれぞれ
    EM1,EM2とし、 前記第1の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC1,E1およびEV1とし、 前記第2の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC2,E2およびEV2とし、 前記第3の有機膜の伝導帯の下端,フェルミレベルおよ
    び価電子帯の上端の真空準位からのエネルギー差をそれ
    ぞれEC3,E3およびEV3としたとき、 EM1<E1 E2<EM2 EC1>EC2 EV1>EV2 を満たし、かつ EC1−EC2>EV1−EV2 EC2〜EC3 EV2<EV3 EM2<E3 を満たすように材料が選択されていることを特徴とする
    請求項6記載の有機膜発光素子。
  8. 【請求項8】電子注入用の第1の電極と正孔注入用の第
    2の電極の間に、各層に固有の色で発光する複数層の有
    機膜が挟まれた構造を有し、前記第1,第2の電極間に第
    2の電極側に正のバイアスを与えたときに、バイアス電
    圧に応じて発光する層の数が積層方向に順次増減するよ
    うに前記複数層の有機膜の材料と膜厚が選択されている
    ことを特徴とする有機膜発光素子。
  9. 【請求項9】前記複数の有機膜は、電子および正孔に対
    して障壁接合が形成される第1の有機膜と第2の有機膜
    の積層構造を含み、前記バイアス電圧の印加によって前
    記第1の有機膜と第2の有機膜の界面に電子および正孔
    が蓄積された電気二重層が形成され、あるしきい値で第
    1の有機膜から第2の有機膜への電子注入による発光再
    結合が生じ、他のしきい値で第2の有機膜から第1の有
    機膜への正孔注入による発光再結合が生じる請求項8記
    載の有機膜発光素子。
  10. 【請求項10】前記複数の有機膜は、電子および正孔に
    対して障壁接合が形成される,前記第1の電極側の第1
    の有機膜と前記第2の電極側の第2の有機膜の積層構
    造、およびこの積層構造と前記第2の電極との間に設け
    られた第3の有機膜を有し、前記バイアス電圧の印加に
    よって前記第1の有機膜と第2の有機膜の界面に電子お
    よび正孔が蓄積された電気二重層が形成され、第1のし
    きい値で第1の有機膜から第2の有機膜への電子注入に
    よる第2の有機膜での発光再結合が生じ、第2のしきい
    値で第2の有機膜から第3の有機膜への電子注入による
    第3の有機膜での発光再結合が生じる請求項8記載の有
    機膜発光素子。
  11. 【請求項11】前記複数の有機膜は、電子および正孔に
    対して障壁接合が形成される,前記第1の電極側の第1
    の有機膜と前記第2の電極側の第2の有機膜の積層構
    造、およびこの積層構造と前記第1の電極との間に設け
    られた第3の有機膜を有し、前記バイアス電圧の印加に
    よって前記第1の有機膜と第2の有機膜の界面に電子お
    よび正孔が蓄積された電気二重層が形成され、第1のし
    きい値で第2の有機膜から第1の有機膜への正孔注入に
    よる第1の有機膜での発光再結合が生じ、第2のしきい
    値で第1の有機膜から第3の有機膜への電子注入による
    第3の有機膜での発光再結合が生じる請求項8記載の有
    機膜発光素子。
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