JP2991308B2 - 受動安全注入装置及び予備凝縮多孔分散装置 - Google Patents

受動安全注入装置及び予備凝縮多孔分散装置

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JP2991308B2
JP2991308B2 JP3068350A JP6835091A JP2991308B2 JP 2991308 B2 JP2991308 B2 JP 2991308B2 JP 3068350 A JP3068350 A JP 3068350A JP 6835091 A JP6835091 A JP 6835091A JP 2991308 B2 JP2991308 B2 JP 2991308B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
【発明の分野】本発明は、原子力発電プラントに関し、
特に、この種の原子力発電プラントにおいて用いられる
多孔分散装置に関するものである。
【0002】
【従来技術の説明】商業用原子力発電プラントは、典型
的に水冷却型原子炉を使用している。この水冷却型原子
炉は、一般に2つの範疇、即ち(1)沸騰水型原子炉
(BWR)か、(2)加圧水型原子炉(PWR)の一つ
に分類することができる。沸騰水型原子炉プラントに
は、主系統の圧力を制御するために安全/逃し弁が設け
られている。小さい圧力変動は、プラントの出力レベル
及び/又はその負荷を変えることにより容易に制御でき
る。しかし、タービントリップのような急速に生ずるプ
ラント過渡状態は、上述した手段によっては成功裡に処
理することはできない。従って、このような場合には、
主系統の圧力は、沸騰水型原子炉プラントの主蒸気管路
に設置されている複数個の安全/逃し弁によって制御さ
れており、これ等の各安全/逃し弁は、それぞれ予め設
定された圧力レベルで自動的に或は外部信号により作動
され開弁されるようになっている。
【0003】各安全/逃し弁(SRVと呼ぶこともあ
る)は、圧力抑制プールで終端している放出管に接続さ
れる。安全/逃し弁の作動で、部分的に浸漬されている
関連の放出管内の空気は、主系統からの高圧蒸気によっ
て圧縮され、それにより、放出管内の水は圧力抑制プー
ル内へと加速される。その結果、水のジェット流が形成
され、圧力抑制プール内に圧力/速度過渡状態が発生
し、圧力抑制プール内に浸漬されている構造物に抗力も
しくは抵抗荷重及びジェット衝撃荷重が生ずる。
【0004】放出管内の高圧蒸気のサージにより水が除
去されると、該高圧蒸気により圧縮された空気も圧力抑
制プール内へと加速されて、高圧の気泡を形成する。こ
の気泡は、圧力抑制プールの水面に上昇する前に多数回
の振動性の膨張及び収縮を受け、それに伴う圧力/速度
過渡状態で、浸漬されている構造物に抗力もしくは抵抗
荷重が生ずると共に、圧力抑制プールの浸漬境界に圧力
荷重が生ずる[これはSRV空気除去荷重(SRV air cle
aring loads)として知られている]。
【0005】しかる後、本質的に純粋な蒸気が圧力抑制
プール内に注入される。この蒸気の凝縮は、顕著な負荷
もしくは荷重を伴うことなく安定な仕方で進行する。と
言うのは、SRV放出管の端部に形成される蒸気ジェッ
ト−水界面は、圧力抑制プールの局部的温度が低い限り
において比較的に変動しない静止した状態に留どまるか
らである。しかし、主系統から連続して蒸気がブローダ
ウンされると、この局部的温度が増加する。従って、究
極的には、蒸気ジェット−水界面における蒸気の凝縮速
度が蒸気が迅速に凝縮する閾値より低くなって、それ以
後の凝縮は不安定になる。その結果、蒸気泡が形成され
SRV放出管の出口から放出される。しかる後、これ等
の蒸気泡は振動して崩壊し、それにより圧力抑制プール
の境界部には由々しい圧力振動が加わる。
【0006】圧力抑制プールに対する他の類似の荷重
は、冷却材喪失事故即ちLOCAの略称で知られている
主系統圧力の大部分の解放から生ずる。実際、沸騰水型
原子炉プラントにおける圧力抑制プールの主たる機能
は、想定されるLOCA中に放出されるエネルギー及び
放射能を閉じ込めることにある。LOCAの抑制に関す
る基本的な解決策は、数年来、格納容器系で行われてい
る変更にも拘わらず、どの沸騰水型原子炉設計について
も実質的に同じである。LOCAが生じた場合には、格
納容器のドライウエル部分内の圧力は、複数個の下降管
を介して圧力抑制プールにブローダウンされ、それによ
り、蒸気は急冷されて、格納容器内の圧力は降下する。
周知のように、ドライウエルとは、圧力抑制形格納容器
系を用いる水冷却型原子炉を囲む第1の格納容器タンク
を表す術語である。これとは対照的に、圧力抑制プール
は、ウエットウエルと称されることが屡々ある。
【0007】このような沸騰水型原子力プラントの圧力
抑制プールにおける上述のような荷重を減少するため
に、従来、種々の対策が試みられていた。例えば、1つ
の試みとして、上述の開端下降管を変形して、ラムヘッ
ド(ramshead)形状の急冷部を設けることが提案されてい
る。しかし、この場合にも、蒸気流量と圧力抑制プール
の局部的温度の或る種の組み合わせ次第では、上述のよ
うな振動という問題は依然として観察される。このよう
な開端下降管及びラムヘッド急冷部を有する下降管で遭
遇している問題を解決するために、多孔分散装置もしく
はスパージャーとして知られている穿孔管式分配装置が
開発されるに至った。このような公知の多孔分散装置の
例としては、マークI及びマークII(Mark I 及びMark I
I)格納容器系で用いられている十字形急冷器及びT字形
急冷器が挙げられる。同様に、マーク III(Mark III)格
納容器系のSRV放出管においても類似の多孔分散装置
が用いられている。いずれの場合にも、現在用いられて
いる多孔分散装置は、その分岐腕の両側に沿い、特定の
パターンの小孔もしくは穿孔を有することを特徴として
いる。米国原子力規制委員会は、このような多孔分散装
置の重要性について認識しており、その刊行物“NUR
EG−0487”において、“孔パターンは円滑な蒸気
凝縮を達成するための主要な設計事項である”と注記し
ている。多孔分散装置その他の形式の蒸気急冷装置及び
圧力抑制プールにおける動的荷重に関する他の文献とし
ては、米国原子力規制委員会の同様の刊行物である“N
UREG−0487”(補足1及び2を含む)、“NUR
EG−0661”(補足1を含む)、“NUREG−07
63”、“NUREG−0783”及び“NUREG−
0802”が挙げられる。尚、これ等の文献の内容は参
考のために本明細書において援用する。
【0008】加圧水型原子炉も、その一次系統もしくは
原子炉冷却材系を減圧するために類似の手段を備えてい
る。即ち、加圧水型原子炉を含む原子力発電プラントに
設けられている加圧器から出る放出管には、通常、圧力
抑制プール内に浸漬されている多孔分散装置が設けられ
ている。このように、多孔分散装置が加圧水型原子炉で
用いられる場合には、圧力抑制プール内の圧力過渡状態
及び/又は動的荷重に関し類似の問題が生ずる。
【0009】
【発明の概要】従って、本発明の一般的な目的は、改良
された原子力発電プラントを提供することにある。本発
明のより特定的な目的は、沸騰水型原子炉或は加圧水型
原子炉のいずれかを含む原子力発電プラントの圧力抑制
プールにおける圧力過渡状態及び/又は動的荷重を緩和
するための装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、この種の原子力発電
プラントのための受動安全注入装置を提供することにあ
る。
【0011】本発明の更に他の目的は、上記のような原
子力発電プラントのための改良された多孔分散装置を提
供することにある。
【0012】概略的に述べると、本発明の上述の目的及
びその他の目的は、沸騰水型原子炉又は加圧水型原子炉
を含む原子力発電プラントにおいて、上記原子炉から蒸
気を排出することにより原子炉を減圧するための減圧手
段と、該蒸気を予備凝縮するための予備凝縮手段とを設
けることにより達成される。上記減圧手段は、典型的に
は、格納容器内で原子炉の下側に設けられる圧力抑制プ
ールと、原子炉からの蒸気を該圧力抑制プールに連絡す
る放出管又は下降管と、上記圧力抑制プール内に浸漬さ
れた下降管又は放出管の末端部に取り付けられた多孔分
散手段とを含んでいる。
【0013】本発明の一実施例によれば、原子炉は、好
適には沸騰水型原子炉からなり、減圧手段は、多孔分散
手段が取り付けられているSRV(安全/逃し弁)放出
管を介して圧力抑制プールに蒸気を排出するように結合
されている複数個の安全/逃し弁(SRV)から構成さ
れる。この実施例における予備凝縮手段は、好適には、
各SRV放出管に冷却用散水を圧送するためのポンプ
と、該ポンプを駆動するためのモータと、上記ポンプに
取り付けられたスプレーノズルとから構成される。ポン
プは、好適には、圧力抑制プール内の比較的低温の水を
吸引するように該圧力抑制プール内に浸漬される。同時
に、モータは、SRV放出管を通る流体の運動によって
作動される。従って、蒸気が原子炉を減圧するために該
原子炉から放出されると、上記モータは、ポンプを駆動
し、それにより、圧力抑制プールからスプレーノズルを
介して水をSRV放出管内に圧送して、該SRV放出管
内の蒸気の一部分を、該蒸気が多孔分散手段に達する前
に予備凝縮する。慣用のマークI又はマークII格納容器
を有する形式の原子力発電プラントのように、沸騰水型
原子炉を有する原子力発電プラントに多孔分散手段が用
いられていない場合でも、圧力抑制プール内の圧力過渡
状態及び/又は動的荷重を緩和するために、浸漬されて
いる下降管の上流側で予備凝縮手段を使用することが可
能である。
【0014】本発明の別の実施例によれば、原子炉は、
好適には加圧水型原子炉(PWR)からなり、その場
合、原子力発電プラントは、原子炉冷却材系と関連して
設けられた加圧器を備える。この実施例における減圧手
段は、好適には、末端部に多孔分散手段が取り付けられ
ている放出管を介して、BWRの圧力抑制プールと類似
の仕方で機能する格納容器内の水タンクに接続されてい
る複数個の自動弁を有するシステムから構成される。こ
の圧力抑制プール内に浸漬されるポンプは、格納容器内
の水タンクから水を吸引して、放出管に設けられている
スプレーノズルに送出する。この実施例によるモータ
は、好適には、放出管に設置されて該放出管を通る流体
の運動により作動可能であるターボモータから構成され
る。該ターボモータは、1つの軸により、モータからの
動力を、ポンプに結合されている他の軸に伝達する歯車
箱に結合される。別法として、モータは、空気作動モー
タ或は電動モータから構成することができる。
【0015】本発明の他の目的、利点、新規な特徴及び
用途は、添付図面を参照しての以下の詳細な説明から一
層明確になるであろう。
【0016】
【好適な実施例の詳細な説明】以下、図面を参照し本発
明の実施例に関し説明する。尚、各図面を通し同じ参照
数字は、同じもしくは対応の部分を指すものとする。図
1には、沸騰水型原子炉を用いた慣用の原子力発電プラ
ント10が示してある。この原子力発電プラント10
は、原子炉容器12及び格納容器(格納容器手段)14
を備える。当業者には容易に理解されるように、この格
納容器14は、マーク III格納容器から構成されている
が、本発明の範囲内で、マークI及びマークII式のよう
な他の形態の格納容器も用いることが可能である。
【0017】格納容器14は、典型的には、ドライウエ
ル16と、ウエットウエル18と、該ドライウエル16
をウエットウエル18から分離するドライウエル壁20
とから構成される。格納容器14全体は、遮蔽建屋22
によって囲繞されており、そして、ウエットウエル18
内に水の圧力抑制プール24が維持されている。図2に
更に詳細に示すように、ドライウエル16内には、堰壁
26が設けられていて、複数個の液口30を介して圧力
抑制プール24の水と連絡するベント用環状路28を形
成している。それぞれ管スリーブ34内に設けられた複
数個のSRV(安全/逃し弁)放出管32もドライウエ
ル壁20を貫通している。各SRV放出管32は、圧力
抑制プール24内に浸漬されており、急冷孔40がパタ
ーン化して形成されている複数個の分岐腕38を含む慣
用の多孔分散装置36で終端している。安全/逃し弁
(図示せず)が作動されると、一次系からの高圧蒸気
で、各SRV放出管32内の空気が圧縮される。一方、
この圧縮された空気は、SRV放出管32内の水を圧力
抑制プール24内に向かい加速する。その結果、急冷孔
40を通る水ジェットが形成されて、圧力抑制プール2
4内には圧力/速度過渡状態が生じ、圧力抑制プール2
4内に浸漬されている構造物に抗力もしくは抵抗荷重及
び水ジェット荷重が加わる。
【0018】水が、高圧蒸気のサージにより除去された
後に、それに続いて圧縮空気も圧力抑制プール24内に
加速して流入し、高圧の気泡を形成し、該気泡は、圧力
抑制プールの水面に上昇する前に多数回の振動性膨張及
び収縮を受ける。この気泡により生ぜしめられる圧力/
速度過渡状態は、圧力抑制プール24の浸漬境界におい
て、一般にSRV空気除去荷重として知られている抗力
もしくは抵抗荷重及び圧力荷重を起こす。
【0019】放出管32から空気が除去された後に、S
RV放出管32及びそれに取り付けられている多孔分散
装置36を介して本質的に純粋な蒸気が圧力抑制プール
24内に注入される。このような蒸気の凝縮は、圧力抑
制プールの局部的温度が低い限り安定な仕方で進行す
る。しかし、一次系からの蒸気の連続したブローダウン
で、圧力抑制プールの局部的温度が上昇する。蒸気−ジ
ェット水界面における蒸気の凝縮速度は、最終的には、
蒸気が迅速に凝縮する閾値以下に減少する。従って、以
降の凝縮は不安定になり、蒸気泡42(図3)が形成さ
れる。このような蒸気泡42は振動し、崩壊して、圧力
抑制プール24の境界に加わる由々しい圧力振動44を
起こす。
【0020】しかし、本発明によると、蒸気泡42に起
因するこのような圧力振動44は、一次系からの高圧蒸
気を先ず予備凝縮することにより実質的に除去すること
ができる。即ち、一次系からの蒸気の排出中、SRV放
出管に冷却スプレーを注入して、かかる排出に通常関連
する圧力振動44を緩和する。
【0021】図4に示すように、本発明の一実施例によ
る予備凝縮多孔分散装置36は、概略的に、軸54を駆
動するためのモータ52と、軸54で駆動されるポンプ
56と、該ポンプ56からSRV放出管(下降管)32
に延びるポンプ吐出管58と、該ポンプ吐出管58に接
続されて、環状路28からの水を、一次系からの排出蒸
気に散水するようになっているスプレーノズル(スプレ
ー手段)60とから構成される散水手段(多孔分散手
段)50を具備する。モータ52としては、放出管32
内に設置されたターボモータを使用するのが好ましい。
と言うのは、該ターボモータを駆動するのに必要な力
は、放出管32を通る水及び/又は蒸気の流体の流れか
ら直接取り出されるからである。環状路28のような比
較的低温の水源から吸水することにより、ポンプ56
は、水を、スプレーノズル60を介してSRV放出管3
2内に送る。その結果、スプレーノズル60による散水
で、高圧の一次系から来る蒸気の一部分は、該蒸気が多
孔分散装置36から出る前に予備凝縮されて、その温度
が降下する。
【0022】また、このような予備凝縮多孔分散装置
は、加圧水型原子炉にも適用可能である。この場合、図
5に示すように、原子力発電プラント110は、概略的
に、原子炉容器112内に保持されている加圧水型原子
炉と、鋼製の格納容器114と、1対の蒸気発生器(主
蒸気手段)116と、各蒸気発生器116からの主蒸気
管(主蒸気手段)118と、複数個の原子炉冷却材ポン
プ120と、遮蔽建屋122と、圧力抑制プールを含む
格納容器内燃料交換用水貯蔵タンク124と、複数個の
ホットレッグ126及びコールドレッグ128を含む一
次ループ配管(原子炉冷却材配管)と、加圧器130
と、1対の炉心補給水タンク133と、1対のアキュム
レータ134とから構成される。
【0023】周知のように、一次冷却材は、制御された
核分裂反応により原子炉容器112内で加熱される。加
熱された一次冷却材は、ホットレッグ126を介して原
子炉容器112から出て蒸気発生器116内に流入し、
そこで、二次冷却材を加熱して蒸気を発生するのに利用
される。このようにして蒸気発生器116内で発生され
た蒸気は、しかる後、主蒸気管118を介して進行方向
に送られる。2つの蒸気発生器116を通る一次冷却材
の循環は、一次冷却系の配管のコールドレッグ128に
接続されている主冷却材ポンプ120によって維持され
る。更に、加圧器130をホットレッグ126に接続す
るためにサージ管(図示せず)が用いられる。
【0024】図5及び図6を参照して、原子力発電プラ
ント110のための受動安全注入系について説明する。
受動安全注入系もしくは装置140は、原子力発電プラ
ント110を原子炉冷却材系の漏洩及び破断に対して保
護する働きをなし、炉心の冷却を維持するために3つの
受動水源即ち注入手段を使用する。
【0025】第1の水源は、あらゆる原子炉冷却材系圧
力において重力作用下で注水を行う炉心補給水タンク
(第1注入手段)133である。2つの最高圧力の補給
水タンク133(図5及び図6には図示を簡略にするた
めに一方のみを示す)は、ホットレッグ126及びコー
ルドレッグ128の直ぐ上方で格納容器114の内部に
配設されている。炉心補給水タンクの圧力は、原子炉冷
却材系圧力と平衡しており、従って、注入流により生ぜ
しめられる小さい圧力損失を克服するのに重力だけで充
分である。炉心補給水タンク133は、通常、ホウ酸含
有水で満配の状態に保持されていて、“事故時開”の空
気作動球形弁142により隔離されている。弁142
は、原子炉冷却材系の圧力及び又は水位が所定レベル以
下の時に開く。炉心補給水タンク133は、小さい漏洩
が生じた場合に、原子炉冷却材系に対して長期間の補給
を行うことができるような大きさに設計されている(例
えば、該タンク133は、毎分10ガロンの漏洩が生じ
た場合に、通常の補給を行うのに充分なように少なくと
も18時間該漏洩に適応できるようにすべきである)。
また、隔離弁142と原子炉冷却材系との間には、図6
に示すように、一対の逆止弁144が設けられている。
【0026】大きい漏洩に対処するために、2つのアキ
ュムレータ(第2注入手段)134(図示を簡略にする
ために図5には一方のみを示す)により付加的な水供給
が行われる。該アキュムレータ134は、圧縮窒素によ
り加圧されている。各アキュムレータ134は、原子炉
冷却材系の圧力が、アキュムレータ134内の正常ガス
圧力(例えば、700 psig )以下に降下した場合に受
動的に動作する。この圧力で、通常、アキュムレータ1
34を原子炉冷却材系から隔離している1対の逆止弁1
46が強制的に開かれる。アキュムレータ134の大き
さは、最も大きな原子炉冷却材系の管の完全破断に応答
して、原子炉容器降水管及び底部プレナム(図示せず)
を水で迅速にリフィル即ち再充填するのに充分なように
設計されている。しかる後、アキュムレータ134から
の水の供給が続けられて、炉心補給水タンク133が迅
速に炉心を再び冠水するのを助成する。
【0027】長期間の注水は、原子炉冷却材配管のホッ
トレッグ126及びコールドレッグ128の直ぐ上方で
格納容器114内に配設されている水貯蔵タンク(第3
注入手段)124から重力の作用下で行われる。水貯蔵
タンク124は、大気圧に維持され、通常は、自己作動
逆止弁148により原子炉冷却材系から隔離されてい
る。従って、水貯蔵タンクからの注入を行うためには、
その前に原子炉冷却材系を減圧しなければならない。原
子炉冷却材系の圧力を約10 psig に減少する目的で自
動減圧系(減圧手段)150が設けられており、原子炉
冷却材系の圧力の減少後、水貯蔵タンク124内の水頭
で、小さい原子炉冷却材系の圧力及びその注入管内の圧
力損失を克服することができる。
【0028】このような減圧は、4段の弁152によっ
て達成される。最初から3段の弁は、加圧器130に接
続されていて、多孔分散装置136を介し水貯蔵タンク
124内に放出する。第4段目の弁は、ホットレッグ1
26に接続されていて、冗長弁を介し直接格納容器内に
放出する。各段の弁は、炉心補給水タンク133内の水
位により自動的に作動され、そして、信頼性を確保し誤
作動を阻止するために2アウト・オブ4の論理が用いら
れる(4段のうち2段に同時に信号が入力した時に作
動)。第1段の弁152は、選択された開弁時間(例え
ば、20秒)に亙り蒸気の流れが次第に始まることがで
きるように、緩速で開弁する直流モータ作動球形弁から
構成するのが好適である。上記のような選択された開弁
時間は、放出管132内の空気が放逐されるに伴い、多
孔分散装置136及び水貯蔵タンク124内のピーク圧
を大きく減少するのに充分な時間とすべきである。他段
の弁は、最大のベント領域を与える標準のゲート弁から
構成するのが好ましく、第2及び第3段の弁はモータ作
動弁とし、第4段の弁は空気圧作動弁とするのが有利で
ある。第4段の弁のための作動空気は、第4段の各弁1
52に隣接して設けられている専用圧縮空気シリンダに
より供給するのが有利である。
【0029】冷却材喪失事故中、水貯蔵タンク124は
少なくとも10時間注水を行うようにするのが適当であ
る。水貯蔵タンク124が空レベルに接近するのに伴
い、格納容器内の水位は、原子炉冷却材系ループの水位
を越える。その場合、格納容器内の水位は、スクリーン
154及び逆止弁156、148を介して水を原子炉冷
却材系に戻すのに充分な水位であり、原子炉冷却材系に
戻された水は、炉心の崩壊熱により蒸気に変換される。
この蒸気は、次いで格納容器114内に放出されて、そ
こで凝縮し、下降した後、原子炉冷却材系への注水に再
び利用可能になる。
【0030】受動残留熱除去系の熱交換器158は、原
子力発電プラント110を、正常な蒸気発生器給水及び
蒸気系を擾乱する過渡状態に対して保護する。水貯蔵タ
ンク124は、熱交換器158に対し熱シンクとしての
働きをする。従って、容易に理解されるように、本明細
書に開示したような予備凝縮多孔分散装置は、炉心の冷
却の完全性を維持する上において極めて重要である。ま
た、図5に示すように、遮蔽建屋122の頂部には、受
動格納容器冷却水貯蔵タンク138が配設されている。
【0031】次に、図7及び図8を参照するに、水貯蔵
タンク124内の圧力過渡状態を低減するという同じ目
的から、多孔分散装置136(図6)は、放出管132
に流入する蒸気を予備凝縮するポンプ(予備凝縮手段)
56を備えている。図7に詳細に示すように、矢印の方
向に軸164を駆動する目的で、モータ52(好適に
は、図7にプロペラの形で示すようにターボモータ16
2から構成される)が用いられる。軸164は、その回
転運動を歯車箱166に伝達し、該歯車箱166は別の
軸54に連結されていて、軸受170を介しポンプ56
を駆動する。該ポンプ56は、水貯蔵タンク124から
吸水して、冷却水を、ポンプ吐出管58を介し、スプレ
ーノズル60を経て放出管132内に放出する。
【0032】ポンプ56について、1つの特に適した実
施例が図8に示してある。このポンプ56は、吸込部分
174及びは吐出部分176を有するケーシング168
を備える。歯車箱166に連結された軸54(図7)は
羽根車172を回転し、水貯蔵タンク124内の水を吸
い込んで、この水をポンプ吐出管58を介して放出す
る。この水は次いで、スプレーノズル60を介し、多孔
分散装置136の上流側で放出管132内に送られる。
このようにして、自動減圧系150(図6)から放出管
132内に流入する蒸気の一部分は、スプレーノズル6
0からの比較的低温の水スプレーにより凝縮されて、従
来の多孔分散装置が受けるであろうところの圧力過渡状
態を緩和する。当業者には容易に明らかなように、ポン
プ56は、遠心ポンプから構成されるが、他の浸漬可能
な水中ポンプも使用することができる。
【0033】以上に述べた本発明の全ての教示に徴し、
数多の変形及び変更が可能であることは明らかである。
例えば、本明細書に開示した予備凝縮多孔分散装置は、
沸騰水型原子炉を有する原子力発電プラント及び加圧水
型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて使用する
ことができよう。しかし、当該技術分野において通常の
知識を有する者には容易に明らかなように、典型的な沸
騰水型原子炉(例えば、マーク III格納容器を有する沸
騰水型原子炉)の放出管を経る流体の流量は、短時間
(例えば、約20秒間)非常に高い。他方、本出願人に
より製造されている“AP600”原子力発電プラント
における加圧水型原子炉の放出管を経る平均流体流量は
非常に低く、当該流体の流れは約10〜20分の期間に
亙る。このように延長された時間は、生じ得る予備凝縮
量が増加することから、非常に好適である。更に、ポン
プ56は、放出管32、132内の蒸気によって駆動す
る必要はない。しかし、そのような構成によれば、ポン
プの作動が簡素化されると共に、部分的に浸漬された放
出管32、132内の水の最初の運動に際し該ポンプの
動作可能性が保証される。また、空気作動或は電動ポン
プを含め他の形式のポンプも使用することが可能であ
る。従って、本発明の範囲内で、本明細書に記載した以
外の仕方で本発明を実施可能であるものと理解された
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のマーク III格納容器を一部断面で示す
図。
【図2】図1に示したマーク III格納容器の一部分の拡
大図であって、従来技術による多孔分散装置を示す図。
【図3】図2に示した多孔分散装置の平面図。
【図4】本発明による予備凝縮多孔分散装置の一実施例
を示す図。
【図5】本発明による予備凝縮多孔分散装置を備えた加
圧水型原子力発電プラントの概略図。
【図6】本発明による予備凝縮多孔分散装置を用いる、
図5に示した原子力発電プラントのための受動安全注入
系を図解する図。
【図7】図6に示した予備凝縮多孔分散装置をブロック
図のように示す拡大図。
【図8】本発明の予備凝縮多孔分散装置と共に用いるの
に好適なポンプを一部断面で示す図。
【符号の説明】
10、110 原子力発電プラント 12、112 原子炉容器 14、114 格納容器(格納容器手段) 24 圧力抑制プール 32、132 放出管 36、136 多孔分散装置 50 散水手段(多孔分散手段) 52、162 モータ(ターボモータ) 54、164 軸 56 ポンプ(予備凝縮手段) 58 ポンプ吐出管 60 スプレーノズル(スプレー手段) 116 蒸気発生器(主蒸気手段) 118 主蒸気管(主蒸気手段) 124 水貯蔵タンク(第3注入手段) 126 ホットレッグ(原子炉冷却材配管) 128 コールドレッグ(原子炉冷却材配
管) 133 炉心補給水タンク(第1注入手段) 134 アキュムレータ(第2注入手段) 140 受動安全注入系もしくは装置 150 自動減圧系(原子炉の減圧手段) 152 弁 172 羽根車 174 吸込部分 176 吐出部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−25397(JP,A) 実開 昭56−33592(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 9/004 G21C 15/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉冷却材配管を含む加圧水型原子炉を
    備えた原子力発電プラントのための受動安全注入装置で
    あって、 前記原子炉を冷却するために水を注入する、重力により
    作動可能な第1注入手段と、 前記原子炉を冷却するための水を注入する、加圧ガスに
    より作動可能な第2注入手段と、 前記原子炉を冷却するための水を注入する、大気圧の下
    で重力により作動可能な第3注入手段と、 前記原子炉を減圧するための減圧手段であって、前記原
    子炉及び前記第3注入手段の間に接続された弁と、該弁
    を前記第3注入手段に接続する放出管と、前記第3注入
    手段内で前記放出管の末端部に連結された多孔分散手段
    と、前記放出管を介して排出される蒸気を予備凝縮する
    ための予備凝縮手段とを含む前記減圧手段と、 を含む受動安全注入装置。
  2. 【請求項2】原子炉容器を含む原子力発電プラントの圧
    力抑制プール内における圧力過渡状態を緩和するため
    に、前記原子炉容器に接続された主蒸気手段と、蒸気を
    前記圧力抑制プールに排出して前記原子炉容器を冷却す
    るために前記主蒸気手段から延びる放出管とを含む予備
    凝縮多孔分散装置であって、 前記放出管に設けられて前記主蒸気手段から排出される
    蒸気により駆動されるようになっているターボモータ
    と、 前記圧力抑制プール内に浸漬されて、吸込部分と、吐出
    部分と、羽根車とを備えるポンプと、 前記ターボモータに連結されて前記ポンプの前記羽根車
    を回転し、前記ポンプの前記吸込部分を介し前記圧力抑
    制プールから水を吸い込む軸手段と、 前記ポンプの前記吐出部分に連結されると共に前記放出
    管を貫通するポンプ吐出管と、 前記放出管を前記圧力抑制プール内で終端するように連
    結された多孔分散手段と、 前記放出管内で前記ポンプ吐出管に連結されて、前記放
    出管を介する蒸気の吐き出しに際し前記圧力抑制プール
    から冷却用散水を供給するようになっているスプレーノ
    ズルと、 を含み、前記冷却用散水で、前記多孔分散手段の上流側
    において、前記放出管を経る吐出蒸気の一部を凝縮す
    る、 予備凝縮多孔分散装置。
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