JPH0755978A - 原子炉格納容器冷却系の注水装置 - Google Patents

原子炉格納容器冷却系の注水装置

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JPH0755978A
JPH0755978A JP5205276A JP20527693A JPH0755978A JP H0755978 A JPH0755978 A JP H0755978A JP 5205276 A JP5205276 A JP 5205276A JP 20527693 A JP20527693 A JP 20527693A JP H0755978 A JPH0755978 A JP H0755978A
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cooling water
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Kazuyoshi Kataoka
岡 一 芳 片
Sunao Narabayashi
直 奈良林
Wataru Mizumachi
町 渉 水
Taku Sakuma
卓 佐久間
Akio Shioiri
入 章 夫 塩
Hiroaki Tabata
畑 広 明 田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉建屋上部の冷却水プール容積を大幅に
減らす。 【構成】 原子炉建屋上部に、静的格納容器冷却系の冷
却水プール7を設ける。原子炉格納容器1の外部に、水
源18を設ける。冷却水プール7で発生した蒸気を、蒸
気供給管13を通して蒸気インジェクタ11に送る。す
ると、水源8の水が、注水管24を通して冷却水プール
7に送られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉格納容器冷却系
の注水装置に係わり、特に静的格納容器冷却系の冷却水
プールで発生した蒸気を駆動源とする蒸気インジェクタ
を用いた注水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静的格納容器冷却系を用いた原子力プラ
ントの原子炉格納容器は、例えば図14に示されるよう
な構成のものが知られている。すなわち、図中、符号1
は原子炉格納容器であり、この原子炉格納容器1の内部
には、原子炉燃料である燃料集合体からなる炉心2を含
む原子炉圧力容器3、サプレッションチェンバ4、およ
び重力落下式の炉心注水系プール5等が設置され、上部
には、図15ないし図17に示すように、静的格納容器
冷却系の熱交換器6が浸されている冷却水プール7や使
用済み燃料プール8が設置されている。
【0003】前記冷却水プール7は、図17に斜線で示
すように、互いに連通している多数の水槽からなり、そ
のうちのいくつかには、熱交換器6や隔離時復水器9が
設置されている。
【0004】静的格納容器冷却系は、冷却材喪失事故等
が発生した場合、プラント運転員の操作やディーゼル発
電機等の動的機器なしで原子炉格納容器1を冷却する安
全系で、従来の設計では、事故発生後3日間は原子炉格
納容器1の冷却を維持することができるようになってい
る。なお、その期間は、原子炉運転員の操作を全く必要
としないウォークアウェイ期間あるいはグレースペリオ
ドと呼ばれている。
【0005】静的格納容器冷却系は、図14に示すよう
に、冷却材喪失事故等により原子炉圧力容器3から原子
炉格納容器1内に放出された蒸気を、冷却水プール7に
浸されている熱交換器6で凝縮させ、凝縮水は、重力に
より炉心注水系プール5等に流れ込むように構成されて
いる。したがって、冷却水プール7および熱交換器6
は、炉心注水系プール5よりりも上方に設置されてい
る。また、冷却水プール水は、熱交換器6で凝縮される
蒸気との熱交換によりやがて蒸発し、蒸気排出管10を
通して大気に放出され、冷却水プールの水位が次第に減
少していくことになる。このため、冷却水プール容積
は、設定されたウォークアウェイ期間中、充分な熱交換
が行われるように決定される。したがって、冷却水プー
ル容積は、例えば、100万kW級の沸騰水型原子力プ
ラントの場合、図17に斜線を施して示す部分の総面積
は約800m2 で、図18に示すように水深7.0mと
すると約5600m3 と極めて大きく、図16および図
17に示すように、原子炉建屋上部の原子炉圧力容器3
周りの空間の大部分を占めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な静的格納容器冷却系を用いている従来の原子力プラン
トの原子炉建屋においては、冷却水プール容積が大きい
ため、原子炉建屋上部の重量が重く、コスト上および耐
震設計上極めて不利となる。また、原子力プラントで
は、法律で定められている定期検査があり、プラントの
運転を停止した状態で、原子炉圧力容器3内から原子燃
料を取出して新しいものと交換するとともに、取出した
原子燃料は、原子炉格納容器1から出して使用済み燃料
プール8に移動させなければならない。ところが従来の
原子炉建屋においては、冷却水プール7が原子炉圧力容
器3を囲むように配置されているため、使用済み燃料プ
ール8を、原子炉圧力容器3上部から遠く離れた位置に
設置せざるを得ず、原子燃料の交換作業に多くの人手と
時間とを要し、定期検査日数が先行プラントの約1.5
倍にも長くなり、結果として、原子力プラントを停止さ
せる時間が長くなり、原子力プラントの保守性および稼
動率の点で不利となる。
【0007】また、従来の冷却水プール7の水は、冷却
材喪失事故時等に、熱交換器6によって加熱されて沸騰
蒸発し、蒸発した蒸気は蒸気排出管10を通して大気放
出されるため、図19に示すように、事故後3日ないし
4日で冷却水プール7の水位が下限水位である3.3m
まで到達してしまう。この下限水位以下では、図18に
示すように、熱交換器6の伝熱管が露出してしまうた
め、格納容器冷却能力が低下する。
【0008】ところで、熱交換器6の伝熱管は、原子炉
格納容器1の圧力バウンダリおよび放射能バウンダリを
構成しており、高い信頼性が要求される。そして、万一
伝熱管に亀裂が生じた場合には、複数基の熱交換器6の
うちの当該基を、隔離弁で隔離する等の操作が必要とな
る。この操作をグレースペリオド中に運転員に要求する
ことは、静的格納容器冷却系の設計思想である「グレー
スペリオド中に運転員に一切の操作を要求せず人に優し
いプラント」に反し、伝熱管のリーク対策も必要とな
る。
【0009】本発明は、このような点を考慮してなされ
たもので、冷却水プールの水位を長期に亘って一定以上
に維持してグレースペリオドを延ばすことができ、また
原子炉建屋上部に冷却水プールを設置するタイプの静的
格納容器冷却系においては、冷却水プールの容積を縮小
して耐震性を向上させることができるとともに、使用済
み燃料プールを原子炉圧力容器上部の近くに設置してプ
ラントの停止期間を短くすることができる原子炉格納容
器冷却系の注水装置を提供するにある。
【0010】本発明の他の目的は、熱交換器の伝熱管に
リークが発生した場合であっても、隔離弁の操作等を行
うことなく放射能放散を防止することができる原子炉格
納容器冷却系の注水装置を提供するにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、装置設置位置
の余裕を大きくすることができる原子炉格納容器冷却系
の注水装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る発明は、静的格納容器冷却
系を用いる原子炉格納容器冷却系において、蒸気源とし
て用いられる冷却水プールと、この蒸気源からの蒸気が
供給される蒸気インジェクタと、原子炉格納容器外に設
置され初期水位が蒸気インジェクタよりも上方に設定さ
れている水源と、前記蒸気インジェクタの吐出側に接続
され蒸気インジェクタにより吸引された水源からの冷却
水を冷却プールに注入する注入ラインとをそれぞれ設け
るようにしたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項2に係る発明は、静
的格納容器冷却系を用いる原子炉格納容器冷却系におい
て、蒸気源として用いられる密閉型の冷却水プールと、
この蒸気源からの蒸気が供給される蒸気インジェクタ
と、海水、河川水または湖水等により冷却される熱交換
器と、前記蒸気インジェクタの吐出側および水吸引側と
熱交換器とを接続する循環ラインと、この循環ラインに
逆止弁を介して接続され熱交換器から蒸気インジェクタ
に戻される水の一部を冷却水プールに注入する注入ライ
ンとをそれぞれ設けるようにしたことを特徴とする。
【0014】さらに、本発明の請求項3に係る発明は、
冷却水プールを加圧型として発生蒸気圧を上昇させるこ
とができるようにしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の請求項1に係る発明においては、冷却
水プールの補給水源が原子炉格納容器外に設置され、こ
の水源からの冷却水の補給は、冷却水プールで発生した
蒸気を駆動源とする蒸気インジェクタによってなされ
る。このため、運転員の操作や動的機器を要することな
く冷却水を安定補給でき、グレースペリオドを延ばすこ
とが可能となる。また、冷却水プールを原子炉建屋上部
に設置するタイプの静的格納容器冷却系においては、原
子炉建屋上部の重量が軽くなって耐震性を向上させるこ
とが可能となり、また冷却水プールの縮小化により使用
済み燃料プールを原子炉圧力容器上部の近くに設置で
き、プラントの停止期間を短くすることが可能となる。
【0016】また、本発明の請求項2に係る発明におい
ては、蒸気インジェクタと熱交換器とが循環ラインで接
続されるとともに、冷却水プールが密閉型となっている
ため、装置全体が閉ループとなっている。このため、万
一熱交換器の伝熱管にリークが発生した場合であって
も、隔離弁の操作等を要することなく、大気への放射能
の放散を防止することが可能となる。
【0017】さらに、本発明の請求項3に係る発明にお
いては、冷却水プールが加圧型となっている。このた
め、冷却水プールで発生する蒸気圧および蒸気インジェ
クタの吐出圧が高まって装置の揚程が上昇し、レイアウ
ト設計上の自由度を向上させることが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面を参照して説明する。な
お、前記従来の技術と同一構成部分については同一符号
を付し、重複を避けるためその詳細な説明は省略する。
【0019】図1は、本発明の第1実施例に係る原子炉
格納容器冷却系の注水装置を示すもので、図中、符号1
1は冷却水プールを蒸気源とする蒸気インジェクタであ
り、冷却水プール7で発生した蒸気は、ミストセパレー
タ12および蒸気供給管13を介して蒸気インジェクタ
11の蒸気供給口に導かれるようになっている。
【0020】蒸気供給管13には、蒸気供給弁14が設
けられており、この蒸気供給弁14の入側には、冷却水
プール7からの蒸気を導くベント管15、空気の逆流を
防止するベント逆止弁16および温度検出器17がそれ
ぞれ接続されている。そして、前記ベント管15により
蒸気供給管13内の空気がベントされて蒸気が流入し、
その温度上昇を温度検出器17が探知することにより、
温度検出器17から蒸気インジェクタ11の起動信号が
出力されて、後述する水供給弁21が開となるようにな
っている。
【0021】原子炉格納容器1の外部には、冷却水プー
ル7に注水するための水源18が設置されており、この
水源18は、ストレーナ19および水供給管20を介し
て蒸気インジェクタ11の水供給口に接続され、水供給
管20には、水供給弁21および圧力検知器22が設け
られている。そして、圧力検知器22からの圧力高信号
により、前記蒸気供給弁14が開となるようになってい
る。なお、前記水源18の初期水位は、蒸気インジェク
タ11よりも上方に設定され、この水源18としては、
原子力プラントに既設の純水タンクや複水貯蔵タンク等
を共用することもできる。また、30℃以下の冷水が得
られれば、海水、河川水、湖沼等水等の使用も可能であ
る。
【0022】蒸気インジェクタ11にはまた、吐出逆止
弁23を有する注水管24が、冷却水プール7との間に
接続されており、また蒸気インジェクタ11に接続され
た起動用ドレン管25は、起動用ドレン逆止弁26を介
して起動用ドレン槽27に接続されている。
【0023】なお、蒸気インジェクタ11の水平方向の
位置が地上にある場合には、図2に示すように、起動用
ドレン槽27を設けず、この起動用ドレン槽27に代え
て排水溝28にドレンするようにしてもよく、これによ
り起動用ドレン槽27を省略することができる。
【0024】ところで、蒸気インジェクタ11の作動原
理および原子力プラントへの適用例については、例えば
文献「日本機械学会第67期通常総会講演会、講演論文
集」、Vol.B,NO.900-14,1990年、東京や、特開平2-25
3195号公報、特開平2-253196号公報あるいは特開平3-75
593 号公報に示されているので、ここでは詳細な説明は
省略し、以下図3を参照して簡単に説明する。
【0025】図3は、例えば米国特許第4673335 号公報
に示されている米国ヘリオス社製の「Helio PAC 」また
は「Helio JET 」(いずれも商品名)を示すもので、こ
の蒸気インジェクタ11は、水吸引口32が接続された
ケーシング31を備えており、このケーシング31に
は、蒸気供給口33および混合ノズル34が設けられ、
混合ノズル34の出口側には、昇圧用のディフューザ3
5が接続されている。そして水吸引口32から水を供給
した状態で、蒸気供給口33から蒸気が供給されると、
蒸気が凝縮されながら混合ノズル34に流入し、水噴流
を蒸気の超音速流で加速できるようになっている。
【0026】なお、図1および図2において、符号29
は、蒸気排出管10を介しミストセパレータ12に接続
された蒸気排気搭である。
【0027】次に、本実施例の作用について説明する。
【0028】原子力プラントで冷却材喪失事故(LOC
A)等が発生すると、静的格納容器冷却系が自動的に作
動し、その熱交換器6において原子炉格納容器1内の蒸
気が冷却水プール7との熱交換によって凝縮し、原子炉
格納容器1内の圧力や温度の上昇が抑えられる。一方
で、冷却水プール7の水は、熱交換器6との熱交換で温
度上昇し、やがて蒸発する。
【0029】発生した蒸気は、蒸気供給管13を通って
ベント管15から放出されるが、温度検出器17がこの
温度を検知すると、温度検出器17から出力される起動
信号により水供給弁21が開となり、水源18の水が蒸
気インジェクタ11に供給される。
【0030】蒸気インジェクタ11に流入した水は、起
動用ドレン管25、逆止弁26を介して、図1に示す起
動用ドレン槽27あるいは図2に示す排水溝28に放出
される。これにより、蒸気インジェクタ11内の水圧が
上昇するので、この圧力上昇が圧力検知器22で検知さ
れ、圧力検知器22から出力される圧力高信号により、
蒸気供給弁14が開となって蒸気インジェクタ11が起
動される。また排水溝28の方が起動用ドレン槽27に
比べ設置スペースが少なくてすむという利点がある。
【0031】蒸気インジェクタ11が起動すると、その
吐出圧の上昇による吐出逆止弁23が開となり、水源1
8からの水が注水管24を介して冷却水プール7に注水
される。蒸気インジェクタ11の起動後は、蒸気インジ
ェクタ11内部で発生する負圧のため、起動用ドレン逆
止弁26が閉となる。
【0032】なお、前記実施例においては、温度検出器
17および圧力検知器22による温度および圧力の検出
により蒸気インジェクタ11を起動する場合について説
明したが、冷却水プール7の水が沸騰・蒸発すれば、冷
却水プール7の水位が低下し始めるので、この水位低信
号を用いて蒸気インジェクタ11を起動するようにして
もよい。
【0033】図4は、静的格納容器冷却系を援用した1
00万KW級原子力プラントにおいて、冷却水プール7
から発生する蒸気流量と冷却材喪失事故後の経過回数と
の関係を示したものである。
【0034】図4からも明らかなように、冷却材喪失事
故後、日数が経過するにつれて蒸気流量は次第に減少
し、やがては初日の1/3〜1/4まで低下する。この
ため、原子炉格納容器冷却系の注水装置による注水流量
は、この蒸気流量の減少に合わせて次第に減少させる必
要がある。
【0035】図5は、このような点を考慮してなされた
本発明の第2実施例を示すもので、複数台の蒸気インジ
ェクタ11を並列に接続し、その作動台数を、冷却水プ
ール7の水位に応じて切換えるようにしたものである。
【0036】すなわち、この方式は、図6に示すよう
に、冷却水プール7の水位が上限に近付いたら蒸気イン
ジェクタ11の作動台数を1台ずつ減少させ、逆に下限
に近付いたら蒸気インジェクタ11の作動台数を1台ず
つ増加させるようにするものである。
【0037】例えは、蒸気インジェクタ11が1号機か
らN号機まである場合、1号機は水位L1 で起動、水位
H1 で停止となり、また2号機は水位L2 で起動、水位
H2で停止となり、また3号機は水位L3 で起動、水位
H3 で停止となり、さらにN号機は水位LN で起動、H
N で停止となる。
【0038】このように、起動・停止の信号を異なる水
位レベルに設定することにより、万一起動しない蒸気イ
ンジェクタ11が存在したとしても、水位がさらに低下
すると、必ず次の水位レベルが他の蒸気インジェクタ1
1が自動起動するので、作動台数を運転員が常に把握す
る必要がなくなる。
【0039】図7は、前記作動台数切換方式を3台の蒸
気インジェクタ11を用いてシステム構成した具体例を
示すもので、図中、符号41は起動信号発生回路であ
り、この起動信号発生回路41は、入力される水位信号
42に基づき、各蒸気インジェクタ11の起動・停止に
対応する起動信号43が出力するようになっている。
【0040】図8は、図7のシステムにおいて、冷却水
プール7容積を従来の約25%に大幅削減した場合の、
冷却材喪失事故後のプール水位変動を解析した結果を示
すものである。
【0041】従来の静的格納容器冷却系では、事故後グ
レースペリオドである3〜4日でプール水位が熱交換器
6の伝熱管の頂部まで低下し、それ以後除熱特性が低下
することになるが、図7のシステムにおいては、図8か
らも明らかなように、事故後15日経過しても未だ充分
な水位が維持されることが判る。熱交換器6の伝熱管が
露出しない水位が維持されれば、熱交換器6は沸騰熱伝
達による充分な伝熱面積が確保されるので、伝熱性能が
維持される。
【0042】すなわち、原子炉建屋上部に設置される冷
却水プール7の容積を従来の25%に減少させても、充
分な水位と格納容器除熱特性を確保することができる。
【0043】次に、前記解析の条件である冷却水プール
7の底面積25%の根拠について説明する。従来の冷却
水プール7は、お互いに連通している複数の水槽に分か
れており、そのうちいくつかに熱交換器6が設置され、
その他には熱交換器6は設置されていない。そして、熱
交換器6の設置に必要な冷却水プール7の底面積は、全
体のわずか25%である。したがって、前記解析では、
この25%を用いているのである。
【0044】図9は、斜線で示す冷却水プール7の底面
積を25%に削減した例を示すもので、この例では、図
17に示す従来のものに比較して600m2 もの床面積
の余裕が生まれ、この余裕により、原子炉圧力容器3に
隣接して使用済み燃料プール8を設置することが可能と
なる。この原子炉建屋の合理化により、原子炉建屋上部
の重量が大幅に削減でき、耐震性を向上させることがで
きるとともに、原子炉建屋の大幅なコストダウンが達成
できる。
【0045】また、原子炉運転後の定期検査において
も、定期検査期間を以下のように大幅に短縮できる。す
なわち、従来の静的格納容器冷却系を用いた原子力プラ
ントにおいては、燃料集合体が1132体あり、炉心2
から全燃料取出しに要する時間は約70日と見積られて
いる。一方で、例えば燃料集合体数756の現行のBW
Rの場合、全燃料取出しに要する時間は約20日間であ
る。したがって、本発明の注水装置を用いた場合は、燃
料集合体数の増加を考慮しても約30日間で全燃料取出
しが可能となり、約40日の工程短縮が可能となる。こ
の結果、原子力プラントの運転を停止して行なう定期検
査等で必要な工期を大幅に短縮でき、原子力プラントの
保守性および稼働率を向上させることができる。
【0046】図10は、本発明の第3実施例を示すもの
で、前記第1実施例における蒸気排出管10に冷却水プ
ール加圧用逃し弁51を設置し、冷却水プール7を加圧
型としたものである。そしてこれにより、冷却水プール
7から発生する蒸気の圧力を約0.5MPa程度上昇さ
せ、蒸気インジェクタ11への供給蒸気圧力を高めるこ
とが可能となり、蒸気インジェクタの吐出圧を水頭換算
で50m以上とすることができる。すなわち、蒸気イン
ジェクタ11は、蒸気インジェクタ11の設置位置から
50m以上上方に位置する冷却水プール7に注水するこ
とが可能となる。このため、電力出力100万KW(1
000MWe)を超える大型プラントに適用する際に有
効である。
【0047】図11は、本発明の第4実施例を示すもの
で、前記第1実施例における水源18に代え、海水61
で冷却される海水冷却器62を用いて蒸気インジェクタ
11を自己再循環型とし、かつ冷却水プール7を密閉型
としたものである。
【0048】すなわち、蒸気インジェクタ11の吐出側
および水吸引口は、循環ライン63を介して海水冷却器
62と接続されており、循環ライン63の海水冷却器6
2出側位置には、吐出水逃し弁64を介し注水管24が
接続されている。そして、海水冷却器62で冷却された
蒸気インジェクタ11の吐出水は、再び蒸気インジェク
タ11の水吸引口に再注入されるとともに、一部は、吐
出水逃し弁64を介して冷却水プール7に注水されるよ
うになっている。
【0049】これは、蒸気インジェクタ11の自己再循
環機能を用いたもので、大気圧近傍の蒸気と水とを供給
して起動し、圧力増幅された吐出水を冷却後、再び蒸気
インジェクタ11の入口に戻すことにより、高い吐出圧
力を得ることができる。冷却水プール7で発生した蒸気
は、蒸気インジェクタ11により全量凝縮され、吐出水
逃し弁64により、増加した凝縮水に相当する水が冷却
水プール7に戻ることになる。
【0050】なお、海水冷却器62の冷却水である海水
61は、貝類や海藻等の海生物の付着を防止するため、
導水弁65により事故時のみ導入され、海水冷却器62
を水没させるようになっている。また、冷却水プール7
で発生した蒸気中に含まれる水滴は、ミストセパレータ
12により除去されて再び冷却水プール7に落下するよ
うになっている。さらに、冷却水プール7内には、水供
給管20の万一の破断に対するためにプール仕切板66
が設置され、このプール仕切板66の堰効果により、冷
却水プール7内の水が不用意に流出するのを防止してい
る。
【0051】このように、冷却水プール7で発生した蒸
気がすべて凝縮されて冷却水プール7に還元されるた
め、静的格納容器冷却系の二次側の系統も大気と完全に
隔離された閉ループとなる。このため、冷却材喪失時に
原子炉圧力容器3から原子炉格納容器1内に放出される
可能性のある放射性物質が、熱交換器6に生じた亀裂等
を通じて万一冷却水プール7にリークしたような場合で
あっても、静的格納容器冷却系の注水装置の循環水内に
トラップされるため、大気に放出される可能性はほとん
どなく、原子力プラントの安全性をより一層向上させる
ことができる。なお、海水冷却器62には、海水61に
代えて河川水や湖沼水等を用いてもよい。
【0052】図12は、本発明の第5実施例を示すもの
で、格納容器外壁を構成する金属製のウォータウォール
71の外表面を、冷却水プール7の水で直接冷却する方
式の静的格納容器冷却系に適用したものであり、この場
合にも、熱交換器6を用いる場合と同様の効果が期待で
きる。
【0053】図13は、本発明の第6実施例を示すもの
で、冷却水プール7からのスプレイ水により格納容器金
属壁外表面を冷却する方式に適用したものであり、この
場合にも、熱交換器6を用いる場合と同様の効果が期待
できる。なお、図13中、符号81は蒸気発生器であ
る。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る発明は、冷却水プールの補給水源を原子炉格納容
器外に設置し、この水源からの冷却水を蒸気インジェク
タを用いて補給するようにしているので、冷却水を安定
して補給でき、グレースペリオドを延ばすことができ
る。また、冷却水プールを原子炉建屋上部に設置するタ
イプの静的格納容器冷却系においては、原子炉建屋上部
の重量が軽くなって耐震性を向上させることができ、ま
た冷却水プールの縮小化により使用済み燃料プールを原
子炉圧力容器上部の近くに設置でき、プラント停止期間
を大幅に短くすることができる。
【0055】また、本発明の請求項2に係る発明は、装
置全体が閉ループとなっているので、万一熱交換器の伝
熱管にリークが発生した場合であっても、隔離弁の操作
等を要することなく、大気への放射能の放散を防止する
ことができる。
【0056】さらに、本発明の請求項3に係る発明は、
冷却水プールが加圧型となっているので、冷却水プール
で発生する蒸気圧力および蒸気インジェクタの吐出圧を
高めて装置の揚程を上昇させ、レイアウト設計上の自由
度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る原子炉格納容器冷却
系の注水装置を示す構成図。
【図2】蒸気インジェクタを地上に配置した場合のシス
テム構成を示す図1相当図。
【図3】蒸気インジェクタの一例を示す断面図。
【図4】冷却材喪失事故後の冷却水プールからの発生蒸
気流量の経時変化を示すグラフ。
【図5】本発明の第2実施例を示す系統図。
【図6】冷却水プールの水位変化に応じて蒸気インジェ
クタを起動・停止させるための水位信号を示す説明図。
【図7】蒸気インジェクタを3台設置した場合のシステ
ム構成を示す系統図。
【図8】図7の装置の効果を示すグラフ。
【図9】冷却水プールの底面積を25%に削減した場合
の配置を示す原子炉建屋平面図。
【図10】本発明の第3実施例を示す構成図。
【図11】本発明の第4実施例を示す構成図。
【図12】本発明の第5実施例を示す構成図。
【図13】本発明の第6実施例を示す構成図。
【図14】従来の静的格納容器冷却系を示す構成図。
【図15】図14の冷却水プール部分の拡大図。
【図16】従来の静的格納容器冷却系を用いた原子力プ
ラントを示す原子炉建屋断面図。
【図17】図16の平断面図。
【図18】従来の静的格納容器冷却系の総底面積と水位
とから決まる総水量を示す説明図。
【図19】従来の静的格納容器冷却系の冷却材喪失事故
後の冷却水プール水位の経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 原子炉格納容器 3 原子炉圧力容器 6 熱交換器 7 冷却水プール 8 使用済み燃料プール 11 蒸気インジェクタ 13 蒸気供給管 18 水源 23 吐出逆止弁 24 注水管 62 海水冷却器 63 循環ライン 64 吐出水逃し弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水 町 渉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐久間 卓 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 塩 入 章 夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 田 畑 広 明 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 本原子力発電株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静的格納容器冷却系を用いる原子炉格納容
    器冷却系において、蒸気源として用いられる冷却水プー
    ルと、この蒸気源からの蒸気が供給される蒸気インジェ
    クタと、原子炉格納容器外に設置され初期水位が蒸気イ
    ンジェクタよりも上方に設定されている水源と、前記蒸
    気インジェクタの吐出側に接続され蒸気インジェクタに
    より吸引された水源からの冷却水を冷却プールに注入す
    る注入ラインとを具備することを特徴とする原子炉格納
    容器冷却系の注水装置。
  2. 【請求項2】静的格納容器冷却系を用いる原子炉格納容
    器冷却系において、蒸気源として用いられる密閉型の冷
    却水プールと、この蒸気源からの蒸気が供給される蒸気
    インジェクタと、海水、河川水または湖水等により冷却
    される熱交換器と、前記蒸気インジェクタの吐出側およ
    び水吸引側と熱交換器とを接続する循環ラインと、この
    循環ラインに逆止弁を介して接続され熱交換器から蒸気
    インジェクタに戻される水の一部を冷却水プールに注入
    する注入ラインとを具備することを特徴とする原子炉格
    納容器冷却系の注水装置。
  3. 【請求項3】冷却水プールを加圧型として発生蒸気圧を
    上昇させたことを特徴とする請求項1または2記載の原
    子炉格納容器冷却系の注水装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014089139A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 核燃料冷却方法及び核燃料冷却装置
CN113936829A (zh) * 2021-09-14 2022-01-14 长江勘测规划设计研究有限责任公司 地下核电站乏燃料池非能动补水方法

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