JP2990271B1 - 固定化蛋白質、固定化蛋白質を生成させる方法及び固定化蛋白質の変性処理方法 - Google Patents

固定化蛋白質、固定化蛋白質を生成させる方法及び固定化蛋白質の変性処理方法

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Abstract

【要約】 【課題】 蛋白質配列のカルボキシ末端を特異的に固定
化担体に結合することにより蛋白質を固定化する新規な
方法、及び該方法により作製されたカルボキシ末端だけ
が固定化された固定化蛋白質を提供する。 【解決手段】一般式(2)NH2-R1-COOHで表され
る蛋白質に、一般式(3)NH2-R2-CO-NH-CH
(CH2-SH)-CO-Xで表されるペプチドを結合させ
て、一般式(4)NH2-R1-CONH-R2-CO-NH-
CH(CH2-SH)-CO-Xで表される融合蛋白質を作
製し、この融合蛋白質のSH基をシアノ化し、得られた
一般式(5)NH2-R1-CONH-R2-CO-NH-CH
(CH2-SCN)-CO-Xで表されるシアノ基を有する
蛋白質を、一般式(6)NH2-Yで表される固定化担体
に作用させて、一般式(1)NH2-R1-CO-NH-R2-
CO-NH-Yで表される固定化蛋白質を生成させる。
〔上記各式中、R1及びR2は任意のアミノ酸配列を表
し、XはOH又は任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列
を表し、Yは任意の固定化担体を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定化蛋白質の分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】蛋白質の広範囲な利用法特に繰り返して
利用することを目的として、可溶性の蛋白質を、例えば
アガロースゲルなどの不溶性の担体と結合させ、固定化
蛋白質とする利用が試みられている。例えば、レセプタ
ー蛋白質を固定化し、レセプターが認識するリガンドの
検出を表面プラズモン共鳴現象で検出する装置(商品
名:ビアコア)とか、酵素蛋白質を不溶性担体に結合し
た固定化酵素の開発及びそれを利用した酵素反応器の作
製などが行われている。
【0003】酵素の固定化には、蛋白質を構成するアミ
ノ酸の側鎖の反応性を利用して、不溶性担体と化学的に
結合することが主に行われている。例えば、システイン
残基には、官能基としてSH基がある。SH基の反応と
して、ジスルヒド化、アルキル化、アシル化などが知ら
れており、この反応性を利用することにより、システイ
ン残基の側鎖を介して蛋白質の固定化を行うことができ
る。また、リジン残基は、アミノ基を側鎖に有する。こ
のアミノ基は、カルボジイミドを用いカルボキシル基と
アミド結合を形成できる。同様に、アスパラギン酸及び
グルタミン酸はカルボキシル基を有することから、カル
ボジイミドを用い一級アミンとアミド結合を形成するこ
とができる。しかしながら、このような側鎖の官能基を
利用する固定化反応は、蛋白質のアミノ酸配列に依存す
ること、また、蛋白質中には同種のアミノ酸が複数含ま
れることから固定化部位を特定できない、複数の箇所で
固定化される可能性を排除できないなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蛋白質のカ
ルボキシ末端のカルボキシル基を介して固定化する反応
を開発することにより、蛋白質をカルボキシ末端の一箇
所で且つ主鎖を介して結合する手段を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既にシア
ノシステイン残基を介したアミド結合形成反応を見いだ
し、それを利用したペプチド鎖合成反応を発明している
(特開平10−45798)。
【0006】シアノシステイン残基を介したアミド結合
形成反応は、反応式 (i) NH2-R-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-X + NH2-B → NH2-R-CO-NH-B [式中、Rは任意のアミノ酸配列、Xは、OHもしくは
任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列、Bは任意の化合
物を表す]で表される。本発明者らは、この反応におい
て、Bは任意の化合物であることから、一級アミンを官
能基として有する固定化担体を利用することにより、蛋
白質をカルボキシ末端で固定化できるとの着想を得た。
【0007】しかしながら、蛋白質は、一般に式 NH2-R-CO-NH-CH(CH2-SH)-COOH なる配列を持たないことから、上記反応はすぐ蛋白質に
応用できないことが問題として挙げられた。
【0008】蛋白質は、一般式(2) NH2-R1-COOH (2) [式中、R1は任意のアミノ酸配列を表す]で表すこと
ができる。そこで、本発明者らは、固定化の対象となる
蛋白質に、一般式(3) NH2-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-X (3) [式中、R2は任意のアミノ酸配列、Xは、OHもしく
は任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を表す]で表さ
れるペプチドが結合した蛋白質、即ち一般式(4) NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-X (4) [式中、R1及びR2は任意のアミノ酸配列、Xは、OH
もしくは任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を表す]
で表される融合蛋白質を作製し、この融合蛋白質のSH
基をシアノ化することにより、一般式(5) NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-X (5) [式中、R1及びR2は任意のアミノ酸配列、Xは、OH
もしくは任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を表す]
で示されるシアノ基を有する蛋白質に転換し、利用する
ことを考案した。そして、本発明者らは、考案した方法
に従い融合蛋白質の作製、シアノ化および固定化反応が
実際起こることを示し、本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、一般式(2) NH2-R1-COOH (2) [式中、R1は任意のアミノ酸配列を表す]で表すこと
ができる蛋白質の固定化を行うにあたり、一般式(3) NH2-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-X (3) [式中、R2は任意のアミノ酸配列、Xは、OHもしく
は任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を表す]で表さ
れるペプチドが結合した蛋白質、即ち一般式(4) NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-X (4) [式中、R1及びR2は任意のアミノ酸配列、Xは、OH
もしくは任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を表す]
で表される融合蛋白質を作製し、この融合蛋白質のSH
基をシアノ化することにより、一般式(5) NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-X (5) [式中、R1及びR2は任意のアミノ酸配列、Xは、OH
もしくは任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を表す]
で示されるシアノ基を有する蛋白質に転換し、これを一
般式(6) NH2-Y (6) [式中、Yは任意の固定化担体を表す]で示される固定
化担体に作用させることにより、一般式(1) NH2-R1-CO-NH-R2-CO-NH-Y (1) [式中、R1及びR2は任意のアミノ酸配列、Yは任意の
固定化担体を表す]で示される固定化蛋白質を生成させ
る方法及び一般式(1)で示される固定化蛋白質に関す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を実施するにあたり、一般
式(2)「NH2-R1-COOH」で示される蛋白質の固
定化のためには、これを一般式(4)「NH2-R1-CO
-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SH)-CO-X」で
示される融合蛋白質に転換する必要がある。その転換法
は、いわゆる組み替えDNA手法を用いて行うことがで
きる。即ち、一般式(2)で示される蛋白質をコードす
る遺伝子及び一般式(3)「NH2-R2-CO-NH-CH
(CH2-SH)-CO-X」で示されるペプチド配列をコ
ードする遺伝子を結合することにより、一般式(4)で
示される融合蛋白質をコードする遺伝子を作製し、これ
を大腸菌などの宿主生物で発現させ、その後、発現した
蛋白質を分離精製することにより、目的とする融合蛋白
質を作製することができる。このような融合蛋白質は公
知技術を利用することにより、当業者であれば誰でもが
作製できることから、一般式(4)で示される融合蛋白
質の作製方法で本発明が限定されないことは、明白であ
る。
【0011】一般式(4)から、一般式(5)「NH2-
1-CO-NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SCN)-
CO-X」への転換、いわゆるシアノ化反応は、シアノ
化試薬を用いて行うことができる。
【0012】シアノ化試薬としては、通常、2-ニトロ-
5-チオシアノ安息香酸(2-nitro-t-thioc
yanobennzoic acid (NTCB))
(Y.Degani, A.Ptchornik,
Biochemistry,13,1-11(197
4)に記載)または、1-シアノ-4-ジメチルアミノピ
リジニウムテトラフルオロほう酸(1-cyano-4−
dimethylaminopyridinium t
etrafluoroborate(CDAP))など
を用いる方法が簡便である。NTCBおよびCDAPは
市販のものをそのまま用いることができる。NTCBを
用いたシアノ化は、pH7-9の間で効率よく行うこと
ができ、且つ遊離するチオニトロ安息香酸の412nm
の吸光度の増加(分子吸光係数=13,600 M-1
m-1)で反応効率を調べることができる。また、SH基
のシアノ化は文献(J.Wood & Catsipo
olas, J.Biol.Chem. 233, 2
887(1963))に記載の方法に従っても行うこと
ができる。従って、シアノ化の手法によって、本発明が
制限を受けないことは明白である。
【0013】本発明に用いられる一般式(6)「NH2-
Y」で示される固定化担体としては、一級アミノ基を有
する不溶性担体であれば何でも用いることができ、例え
ばガラスビーズ等の無機質担体、天然又は合成高分子か
らなるラテックスやビーズ、天然又は合成高分子からな
る繊維等の有機質担体等、通常の担体を使用することが
できる。一級アミノ基を有する市販の担体としては、例
えばアミノ-セルロファイン(商品名:生化学工業で販
売)、AF-アミノトヨパール(商品名:TOSOHで
販売)、EAH-セファローズ4B及びリジン-セファロ
ーズ4B(商品名:アマシャムファルマシアで販売)、
ポラス20NH(商品名:ベーリンガーマンハイムで販
売)などが利用可能である。また、シラン化合物で一級
アミノ基を有する化合物(例えば、3-アミノプロピル
メトキシシランなど)を用いてガラスビーズなどに一級
アミノ基を導入し、利用することも可能である。従っ
て、固定化担体の種類で本発明が制限を受けないことは
明白である。
【0014】一般式(5)「NH2-R1-CO-NH-R2-
CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-X」で示される
シアノ化された融合蛋白質と、一般式(6)「NH2-
Y」で示される固定化担体の反応は、弱アルカリ条件下
(pH8〜10)に、室温で行うことができる。この反
応の早さ及び効率は、一般式(5)「NH2-R1-CO-
NH-R2-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-X」
で示される融合蛋白質のXによって左右される。Xとし
ては、OHもしくは任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配
列が適するが、XがOHの場合は、反応が非常に穏やか
に進み終了するまでに数日から約1週間を要する。Xと
してアラニン、グリシン、バリンなどのアミノ酸を用い
た場合は反応が速やかに進行し、数時間から約1日で反
応が完了する。その他のアミノ酸を用いた場合も同様で
あるが、Xとしてシステインを用いることができないこ
とは、シアノ化の制御ができないこと、即ち一般式
(4)から、一般式(5)の反応の制御ができないこと
から明らかである。Xとしてペプチドを用いることも可
能であるが、一般式(4)で示される融合蛋白質の作製
の経済面で不利益である。本発明の実施例では、Xとし
てアラニンを用いているが、Xの種類で本発明は制限さ
れないことは明白である。
【0015】固定化反応を行う溶媒としては、一般式
(5)で示されるシアノ化した融合蛋白質が溶ける溶媒
で、且つpHを調整できる溶媒であれば利用可能であ
る。リン酸緩衝液、ほう酸緩衝液などの種々の緩衝液、
メタノール、エタノールなどのアルコール類の他、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイドなどが利
用可能である。反応温度は、室温で高い反応効率が得ら
れるが、用いる溶媒が凍結もしくは沸騰しない範囲、及
び一般式(5)で示されるシアノ化した融合蛋白質が、
変性の結果凝集しない温度範囲であれば問題なく用いる
ことができる。
【0016】本発明で用いるシアノシステインが関与す
る反応には、副反応として加水分解反応、即ち反応式 (ii)NH2-R-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-X + H2O → NH2-R-COOH + ITC-CO-X [式中、Rは任意のアミノ酸配列、Xは、OHもしくは
任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列、ITCは2-イ
ミノタゾリデン-4-カルボキシル基を表す]及び反応式 (iii)NH2-R-CO-NH-CH(CH2-SCN)-CO-X → NH2-R-CO-NH-CH(=CH2)-CO-X + SCN [式中、Rは任意のアミノ酸配列、Xは、OHもしくは
任意のアミノ酸もしくはアミノ酸配列を表す]が起こり
うるが、可能な副反応から生成する反応物は全て溶媒に
溶けるため、反応後、固定化担体を適当な溶媒で洗うこ
とにより副反応生成物を取り除くことができる。従っ
て、本発明で用いられる固定化反応により、作製される
固定化酵素は、全て一般式(1)「NH2-R1-CO-N
H-R2-CO-NH-Y」[式中、R1及びR2は任意のア
ミノ酸配列、Yは任意の固定化担体を表す]で表され、
目的とする蛋白質のカルボキシ末端がアミノ酸配列R2
を介して、一箇所で固定化担体に結合する。このように
化学的に単一な固定化酵素は、従来の固定化反応では達
成することができず、本発明によりはじめて達成された
ものである。
【0017】このようにして得られた固定化蛋白質の特
徴としては、担体にカルボキシ末端が一箇所だけで結合
していることが挙げられるが、このことにより蛋白質の
機能が良好に発揮される。例えば、固定化蛋白質として
触媒機能を有する酵素蛋白質を用いた場合、温度を上げ
るとか、変性剤を加えることにより一度変性させると触
媒機能を失うが、本発明の固定化によって作製した固定
化酵素は、変性させる条件を取り除くことにより、その
機能を完全に再生することができる。
【0018】蛋白質は、アミノ酸が一次元に繋がって構
成されているが、その機能を発揮するためには3次元的
に正しく折り畳まれなければならない。正しく折り畳ま
れた構造を、蛋白質の高次構造と呼ぶが、蛋白質の高次
構造は、蛋白質を構成するアミノ酸配列によって決めら
れている。従って、本来的に蛋白質は、その溶媒条件
(即ち、温度、pH、塩濃度、変性剤の有無など)を変
え、一度変性させ高次構造を失わせても、再度高次構造
を形成する溶媒条件に戻すと、もとの高次構造を取るべ
きものである。この性質は、蛋白質変性の可逆性と称さ
れるが、実際蛋白質を取り扱ってみると、特別な蛋白質
を除いて、変性の可逆性が観測されることが全くといっ
て良いほどない。この原因は、蛋白質変性の可逆性が、
蛋白質分子間の相互作用を無視できる場合に成り立つこ
とであり、通常溶液中で蛋白質を取り扱う際には、蛋白
質分子間の衝突、即ち、相互作用が無視できないことに
あると考えられる。蛋白質が互いに相互作用する条件下
では、一度変性した蛋白質が再度高次構造を形成する際
に、分子間凝集を起こし、もはや正しい高次構造を取る
ことができなくなるため、変性の可逆性を達成すること
ができない。
【0019】本発明の、蛋白質固定化方法に従うと、蛋
白質のカルボキシ末端だけが担体に固定化されるため、
固定化された蛋白質同士は互いに衝突することができな
くなる。このことは、変性の可逆性にとって障害となる
分子間相互作用の問題を解消していることになる。ま
た、カルボキシ末端で固定化した場合は、それ以外のと
ころで固定化した場合に比べて、固定化の束縛を少なく
することができる。そのため、アミノ酸配列中の結合角
等化学結合の回転などの自由度は、非固定化酵素と同等
であり、高次構造形成それ自体にとってなんら問題は生
じないはずである。このことは、蛋白質の可逆的変性を
保証している。即ち、本発明者らは、本発明の固定化方
法を用いて作製される固定化酵素は、一度溶媒条件を変
えて変性させても、元の溶媒条件にすると、完全にもと
の機能を回復すること、即ち、変性の完全可逆化ができ
るという着想を得た。そして、このことを確かめるた
め、酵素機能の回復を指標とした変性の可逆性を測定
し、変性の完全可逆化が達成されていることを示し、特
許請求の範囲の請求項3及び4に記載の発明の完成を確
認した。
【0020】本発明の蛋白質固定化方法が実際有効であ
ることを示すために、アミノ酸数159個よりなる大腸
菌由来のジヒドロ葉酸還元酵素の変異酵素(AS-DH
FRと略す)を用いて実証した。以下に、本発明の実施
例を示す。
【0021】
【実施例】つぎに、実施例により本発明を説明するが、
これらの具体例は本発明を限定するものではない。 〔実施例1〕固定化用ジヒドロ葉酸還元酵素の作製 本実施例においては、一般式(2)に該当する蛋白質と
して、AS-DHFRを用いる。
【0022】AS-DHFRのアミノ酸配列を配列番
号:1に示す。
【0023】本実施例においては、AS-DHFRを一
般式(4)で表される配列に改変するために、一般式
(3)に該当する配列としてGly-Gly-Gly-G
ly-Cys-Alaを用い、AS-DHFRの159番
目のアルギニンのカルボキシ末端側に付加した固定化用
ジヒドロ葉酸還元酵素(AS-G4CAと略す)を遺伝
子工学的に作製した。
【0024】一般式(4)に該当するAS-G4CAの
アミノ酸配列を配列番号:2に示す。
【0025】AS-G4CAの作製は、AS-DHFRの
遺伝子を用いて遺伝子工学的に行った。すでに、AS-
DHFRの遺伝子が既知である(M. Iwakur
a,B.E. Jones, J. Luo, &
C.R. Matthews,J. Biochemi
stry,117,480-488(1995)に記
載)。
【0026】該遺伝子の塩基配列を配列番号:3に示
す。
【0027】AS-DHFRの遺伝子は「pTZDHF
R20」と名付けられたプラスミドに組み込まれている
(M. Iwakura, B.E. Jones,
J.Luo, & C.R. Matthews,
J. Biochemistry,117,480-4
88(1995)に記載)。
【0028】この遺伝子配列を基に、2本のプライマー
DNA、5’−GGGGATCCTC TTGACAA
TTA GTTAACTATT TGTTATAATG
TATTC−3’(配列番号:4)及び 5’−GG
GGATCCCT TATGCACAGC CACCG
CCACC ACGACGCTCG AGGATTTC
G−3’(配列番号:5)を用いることにより、pTZ
DHFR20を鋳型として、PCR法により増幅するこ
とにより、AS-G4CAを発現できる遺伝子配列を作
製した。
【0029】該遺伝子の塩基配列を配列番号:6に示
す。
【0030】増幅して得られたDNAを制限酵素Bam
HIで切断後、BamHIで切断したクローニングベク
ターpUC19と結合し、得られた組み替えプラスミド
を大腸菌に導入することにより、AS-G4CAを大腸
菌菌体中に発現できた。
【0031】この大腸菌を、3リッターの培地(15g
の食塩、15gの酵母エキス、24gのトリプトン、3
0mgのアンピシリンナトリウムを含んでいる)で、3
7度で一晩培養し、湿重量約10gの菌体を得た。この
菌体の無細胞抽出液に、ストレプトマイシン硫酸処理、
硫安分画、メソトレキセートアフィニティクロマトグラ
フィー及びDEAEトヨパールクロマトグラフィーの精
製操作を施すことにより、均一にまで蛋白質を精製し、
約100mgの均一なAS-G4CAが得られた。AS-
G4CAの蛋白質濃度は、AS-DHFRの280nm
の分子吸光係数31100M-1cm-1を用いて、280
nmの吸光度より決定した。
【0032】〔実施例2〕固定化用ジヒドロ葉酸還元酵
素のシステイン残基のシアノ化 AS-G4CAの配列中164番目のアミノ酸であるシ
ステイン残基のシアノ化は、5mMのエチレンジアミン
4酢酸(EDTA)を含む0.1Mトリス塩酸緩衝液、
pH7.4、中で、AS-G4CA(約0.032m
M)の5倍量(0.16mM)の2-ニトロ-5-チオシ
アノ安息香酸(NTCB)を加え、室温で4時間反応さ
せることにより行った。遊離するチオニトロ安息香酸の
412nmの吸光度の増加(分子吸光係数=13,60
0M-1cm-1)から、ほぼ定量的にシステイン残基がシ
アノ化されたことが確かめられた。
【0033】シアノ化反応液からの未反応のNTCB及
びチオニトロ安息香酸の除去は、セファデックスG50
カラム(カラムサイズ:φ25×150mm)を用いた
ゲル濾過により行った。溶離液としては、5mMのエチ
レンジアミン4酢酸(EDTA)を含む10mMトリス
塩酸緩衝液、pH 7.4を用いた。
【0034】〔実施例3〕シアノ化された蛋白質の固定
化 得られたシステインがシアノ化されたAS-G4CA
(AS-G4cyanoCAと称する)15mg(8.
3×10-7moles)用いて、5mlのアミノ-セル
ロファイン(商品名:生化学工業で販売;アミン含有量
約10-5molesNH2/mlゲル)と混合し、室温
で24時間反応させた。溶液中に遊離蛋白質を280n
mの吸光度から算出したところ11.8mgが溶液中に
存在することから、固定化反応に用いたAS-G4cy
anoCAの約20%が固定化されていることが推定さ
れた。
【0035】得られた固定化酵素をカラムに詰め、一度
4Mの塩酸グアニジン溶液を通し洗った後、10mMリ
ン酸緩衝液、pH7.0で平衡化した。これにDHFR
の強力な阻害剤であるメソトレキセート(MTX)
(0.1mM)を通し固定化した蛋白質に結合させた
後、1MのKClを含む10mMリン酸緩衝液、pH
7.0で非特異的に結合したMTXを洗い出し、その
後、4Mの塩酸グアニジン溶液を流すことにより、固定
化蛋白質を変性させ、結合したMTXを溶出させ、溶出
したMTXを回収し、回収MTXの量を測定した(MT
Xの分子吸光係数;22100 M-1cm-1)。その結
果、1.7×10-7molesのDHFRが固定化され
ていることが示された。この量は、反応後の溶液中の蛋
白質の減少から求めた値とほぼ一致した。
【0036】〔実施例4〕固定化酵素の活性測定 添付図1に、固定化酵素活性測定のための装置の概略図
を示す。
【0037】一定量の固定化酵素(約0.2ml)をカ
ラムに充填し、ペリスタポンプでカラムに反応液を一定
速度で注入し、連続的に反応を行わせ、カラムから流出
した反応液を、分光光度系のフローセルに導き、340
nmの吸光度を連続的にモニターすることにより酵素活
性を測定した。この際、カラム全体をウォータバスに入
れ、固定化酵素を処理する温度制御を行った。使用した
酵素活性測定用反応液の組成は、次のとおりであった。 10mM リン酸カリウム緩衝液、pH7.0 0.1mM NADPH 0.05mM ジヒドロ葉酸 14mM 2−メルカプトエタノール
【0038】ジヒドロ葉酸還元酵素の反応は、反応式 ジヒドロ葉酸 + NADPH → テトラヒドロ葉酸
+ NADP+ を触媒する。
【0039】この反応に伴う基質の減少は、340nm
の吸光度の減少で追跡することができる(反応前後の分
子吸光係数の差(Δε340=11800M-1cm-1)。
【0040】酵素活性を定量的に表現するために、基質
変換率(%conversion)を以下のように定義
し、測定した。
【0041】%conversion=100x{A
(1)-A(2)}/{A(1)-A(3)} ここで、A(1)は、固定化酵素カラムを取り除き、反応
液だけをフローセルに導き、測定した340nmの吸光
度の値、A(2)は、固定化酵素カラムを繋ぎ、反応液を
連続的に流し、一定に落ちついたときの340nmの吸
光度の値、A(3)は、反応液に大過剰の酵素を添加し
て、酵素反応を終了した反応液を流したときの340n
mの吸光度の値である。
【0042】15度で、一定の固定化酵素(約0.5m
g)の固定化酵素量を用いた時の、%conversi
on値の流速依存性を示している。
【0043】1ml/min 以上の流速で直線的な流
速依存性が認められた。酵素の変性状態を測定するため
に、これ以後の測定は、15度での%conversi
on値が80%を示す流速条件、2ml/minを選ん
だ。
【0044】ウォータバスの温度を変化させ連続的に測
定することにより、添付図2に示す結果が得られた。即
ち、温度を上昇させることにより、約40度までは、%
conversion値の上昇が見られたが、それ以上
に温度を上げると、60度まではそれほど変化が見られ
なかったが、さらに温度を上げると急激に%conve
rsion値の減少が起こり、75度では、完全に酵素
機能が失われた。さらに、温度を85度まで上げて測定
した後、温度を下げていくと、75度から60度の間に
急激な%conversion値の上昇が見られ、その
後30度までは徐々にほぼ同程度の値を示したが、それ
より温度を下げると、徐々に減少し、15度では、測定
開始時(15度)の %conversion値と全く
同じレベルに落ちついた。この結果は、固定化酵素が6
0度から75度の間に熱変性し機能を失うが、温度を元
に戻すと完璧にその環境(温度)条件での活性を示すこ
と、即ち、温度変性に対して完全な可逆性(失活した機
能の回復)を示している。
【0045】〔比較例1〕酵素の熱処理 固定化していないAS-DHFR(15mM)を、1
5、20、25、30、35、40、45、50、5
5、60、65、70、75、80、85度の各温度で
30分間熱処理した後、0度に冷却し、その後酵素活性
を測定し、熱処理しない酵素活性と比較し、残存活性を
調べた。熱処理の緩衝液として、10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)とDHFR酵素活性測定液を用いたとき
の温度と残存活性の関係を添付図3に示している。いづ
れの場合でも、70度以上の熱処理により固定化してい
ないAS-DHFRは、完全にその活性を不可逆的に失
った。
【0046】〔実施例5〕固定化酵素のオートクレーブ
処理 上記実施例3で得られた固定化酵素をカラムに詰めたま
ま、オートクレーブで100、105、110、11
5、及び120度の各温度で5分間処理した後、室温に
戻してから、実施例4の固定化酵素の活性測定方法に従
い残存活性を測定した。この際、熱処理時間は、設定温
度に達してからの時間であり、実際には設定時間に加え
て、温度が上昇する時間とオートクレーブを冷やす間の
時間、固定化酵素は加熱されている。結果として、調べ
たいずれの温度においても、100%の残存活性が示さ
れた。
【0047】
【発明の効果】本発明では、蛋白質をカルボキシ末端の
カルボキシ基を介して担体に固定化することができる。
本発明の固定化方法を用いて作製される固定化酵素は、
一度溶媒条件を変えて変性させても、元の溶媒条件にす
ると、完全にもとの機能を回復すること、即ち、変性の
完全可逆化ができるものであり、実用的価値の高いもの
である。
【0048】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:159 配列の型: アミノ酸 トポロジー: 直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met-Ile-Ser-Leu-Ile-Ala-Ala-Leu-Ala-Val-Asp-Arg-Val-Ile-Gly- 1 5 10 15 Met-Glu-Asn-Ala-Met-Pro-Trp-Asn-Leu-Pro-Ala-Asp-Leu-Ala-Trp- 20 25 30 Phe-Lys-Arg-Asn-Thr-Leu-Asn-Lys-Pro-Val-Ile-Met-Gly-Arg-His- 35 40 45 Thr-Trp-Glu-Ser-Ile-Gly-Arg-Pro-Leu-Pro-Gly-Arg-Lys-Asn-Ile- 50 55 60 Ile-Leu-Ser-Ser-Gln-Pro-Gly-Thr-Asp-Asp-Arg-Val-Thr-Trp-Val- 65 70 75 Lys-Ser-Val-Asp-Glu-Ala-Ile-Ala-Ala-Ala-Gly-Asp-Val-Pro-Glu- 80 85 90 Ile-Met-Val-Ile-Gly-Gly-Gly-Arg-Val-Tyr-Glu-Gln-Phe-Leu-Pro- 95 100 105 Lys-Ala-Gln-Lys-Leu-Tyr-Leu-Thr-His-Ile-Asp-Ala-Glu-Val-Glu- 110 115 120 Gly-Asp-Thr-His-Phe-Pro-Asp-Tyr-Glu-Pro-Asp-Asp-Trp-Glu-Ser- 125 130 135 Val-Phe-Ser-Glu-Phe-His-Asp-Ala-Asp-Ala-Gln-Asn-Ser-His-Ser- 140 145 150 Tyr-Ser-Phe-Glu-Ile-Leu-Glu-Arg-Arg 155 159
【0049】 配列番号:2 配列の長さ:165 配列の型: アミノ酸 トポロジー: 直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met-Ile-Ser-Leu-Ile-Ala-Ala-Leu-Ala-Val-Asp-Arg-Val-Ile-Gly- 1 5 10 15 Met-Glu-Asn-Ala-Met-Pro-Trp-Asn-Leu-Pro-Ala-Asp-Leu-Ala-Trp- 20 25 30 Phe-Lys-Arg-Asn-Thr-Leu-Asn-Lys-Pro-Val-Ile-Met-Gly-Arg-His- 35 40 45 Thr-Trp-Glu-Ser-Ile-Gly-Arg-Pro-Leu-Pro-Gly-Arg-Lys-Asn-Ile- 50 55 60 Ile-Leu-Ser-Ser-Gln-Pro-Gly-Thr-Asp-Asp-Arg-Val-Thr-Trp-Val- 65 70 75 Lys-Ser-Val-Asp-Glu-Ala-Ile-Ala-Ala-Ala-Gly-Asp-Val-Pro-Glu- 80 85 90 Ile-Met-Val-Ile-Gly-Gly-Gly-Arg-Val-Tyr-Glu-Gln-Phe-Leu-Pro- 95 100 105 Lys-Ala-Gln-Lys-Leu-Tyr-Leu-Thr-His-Ile-Asp-Ala-Glu-Val-Glu- 110 115 120 Gly-Asp-Thr-His-Phe-Pro-Asp-Tyr-Glu-Pro-Asp-Asp-Trp-Glu-Ser- 125 130 135 Val-Phe-Ser-Glu-Phe-His-Asp-Ala-Asp-Ala-Gln-Asn-Ser-His-Ser- 140 145 150 Tyr-Ser-Phe-Glu-Ile-Leu-Glu-Arg-Arg-Gly-Gly-Gly-Gly-Cys-Ala 155 160 165
【0050】 配列番号:3 配列の長さ:554 配列の型: 核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 TTGACAATTA GTTAACTATT TGTTATAATG TATTCATGAG CTTAACTAAC TAATCCGGAA 60 AAGGAGGAAC TTCCATGATC AGTCTGATTG CGGCGCTAGC GGTAGATCGC GTTATCGGCA 120 TGGAAAACGC CATGCCATGG AACCTGCCTG CCGATCTCGC CTGGTTTAAA CGCAACACCT 180 TAAATAAACC CGTGATTATG GGGCGCCATA CCTGGGAATC AATCGGTAGG CCTTTGCCCG 240 GCCGCAAAAA TATTATCCTC AGCAGTCAAC CCGGGACCGA TGATCGGGTT ACCTGGGTTA 300 AATCGGTCGA CGAAGCCATC GCGGCCGCAG GTGACGTACC AGAAATCATG GTGATTGGCG 360 GCGGACGCGT TTATGAACAG TTCTTGCCAA AAGCGCAAAA GCTTTATCTG ACGCATATCG 420 ATGCAGAAGT GGAAGGCGAC ACCCATTTTC CGGATTACGA GCCGGATGAC TGGGAATCGG 480 TATTCAGCGA ATTCCACGAT GCTGATGCGC AGAACTCGCA TAGCTATTCG TTCGAAATCC 540 TCGAGCGTCG TTAA 554
【0051】 配列番号:4 配列の長さ:45 配列の型: 核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGGGATCCTC TTGACAATTA GTTAACTATT TGTTATAATG TATTC 45
【0052】 配列番号:5 配列の長さ:50 配列の型: 核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGGGATCCCT TATGCACAGC CACCGCCACC ACG
ACGCTCG AGGATTTCG 50
【0053】 配列番号:6 配列の長さ:650 配列の型: 核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GGGGATCCTC TTGACAATTA GTTAACTATT TGTTATAATG TATTCATGAG CTTAACTAAC 60 TAATCCGGAA AAGGAGGAAC TTCCATGATC AGTCTGATTG CGGCGCTAGC GGTAGATCGC 120 GTTATCGGCA TGGAAAACGC CATGCCATGG AACCTGCCTG CCGATCTCGC CTGGTTTAAA 240 CGCAACACCT TAAATAAACC CGTGATTATG GGGCGCCATA CCTGGGAATC AATCGGTAGG 300 CCTTTGCCCG GCCGCAAAAA TATTATCCTC AGCAGTCAAC CCGGGACCGA TGATCGGGTT 360 ACCTGGGTTA AATCGGTCGA CGAAGCCATC GCGGCCGCAG GTGACGTACC AGAAATCATG 420 GTGATTGGCG GCGGACGCGT TTATGAACAG TTCTTGCCAA AAGCGCAAAA GCTTTATCTG 480 ACGCATATCG ATGCAGAAGT GGAAGGCGAC ACCCATTTTC CGGATTACGA GCCGGATGAC 540 TGGGAATCGG TATTCAGCGA ATTCCACGAT GCTGATGCGC AGAACTCGCA TAGCTATTCG 600 TTCGAAATCC TCGAGCGTCG GGTGGCGGTG GCTGTGCATA AGGGATCCCC 650
【図面の簡単な説明】
【図1】固定化酵素活性測定のための装置の概略図であ
る。
【図2】固定化酵素の温度と活性(基質変換率)の関係
を示す図である。
【図3】固定化及び固定化していない酵素の種々の温度
での熱処理と残存活性の関係を示す図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) NH-R-CO-NH-R-CO-NH-Y (1) で表される、蛋白質の主鎖のカルボキシル末端一箇所で
    固定化担体に固定化された固定化蛋白質。〔式中、R
    及びRは任意のアミノ酸配列を表し、Yは任意の固定
    化担体を表す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(2) NH-R-COOH (2) で表される蛋白質に、一般式(3) NH-R-CO-NH-CH(CH-SH)-CO-X (3) で表されるペプチドを結合させて、一般式(4) NH-R-CONH-R-CO-NH-CH(CH-SH)-CO-X (4 ) で表される融合蛋白質を作製し、この融合蛋白質のSH
    基をシアノ化し、得られた一般式(5) NH-R-CONH-R-CO-NH-CH(CH-SCN)-CO-X ( 5) で表されるシアノ基を有する蛋白質を、一般式(6) NH-Y (6) で表される固定化担体に作用させることを特徴とする、
    一般式(1) NH-R-CO-NH-R-CO-NH-Y (1) で表される、蛋白質の主鎖のカルボキシル末端一箇所で
    固定化担体に固定化された固定化蛋白質を生成させる方
    法。〔上記各式中、R及びRは任意のアミノ酸配列
    を表し、XはOH又は任意のアミノ酸もしくはアミノ酸
    配列を表し、Yは任意の固定化担体を表す。〕
  3. 【請求項3】 一般式(7) NH-R-CO-NH-R-CO-NH-Y(7) で表される、蛋白質の主鎖のカルボキシル末端一箇所で
    固定化担体に固定化され 固定化蛋白質を変性処理後、
    変性処理前の条件下に戻すことを特徴とする機能を損な
    わない固定化蛋白質の変性処理方法。〔式中、R及び
    は任意のアミノ酸配列を表し、Yは変性条件下に
    おいて安定な固定化担体を表す。〕
  4. 【請求項4】 変性処理が加熱殺菌処理であることを特
    徴とする請求項3に記載の固定化蛋白質の変性処理方
    法。
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