JP2989739B2 - 近赤外線吸収ガラス、このガラスを用いた固体撮像素子保護用フィルター及びこのフィルターを用いた固体撮像素子 - Google Patents

近赤外線吸収ガラス、このガラスを用いた固体撮像素子保護用フィルター及びこのフィルターを用いた固体撮像素子

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JP2989739B2 JP6073498A JP7349894A JP2989739B2 JP 2989739 B2 JP2989739 B2 JP 2989739B2 JP 6073498 A JP6073498 A JP 6073498A JP 7349894 A JP7349894 A JP 7349894A JP 2989739 B2 JP2989739 B2 JP 2989739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラ等に使用
される固体撮像素子の保護用光透過性材料として有用な
近赤外吸収ガラスに関し、特に、固体撮像素子のソフト
エラーを低減せしめるのに有効な近赤外吸収ガラスに関
する。さらに本発明は、この近赤外吸収ガラスを用いた
固体撮像素子の保護用フィルター及び保護用ローパスフ
ィルター、並びにこれらのフィルターを用いた固体撮像
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーVTRカメラの光学系は、図1に
示すように、映像を結像させるレンズ系1、ローパスフ
ィルターとして作用する水晶板2、3と感度補正作用を
有する近赤外吸収フィルター4を貼り合わせた素子5及
び固体撮像素子6で構成される。固体撮像素子6はその
受光面に三色モザイクフィルターを形成したCCDチッ
プ7をアルミナセラミックパッケージ8の中にセット
し、その上に保護用光透過部材であるカバーガラス9を
エポキシ樹脂等で接着した構造になっている。CCDの
感度領域は可視光域から近赤外域にわたっている。その
ため、近赤外吸収フィルターを用いて入射光の近赤外部
分をカットし、総合して得られる感度を視感度に近似さ
せ、色再現性を改善することが必要である。そこで、近
赤外吸収フィルターには、可視光の透過性及び近赤外光
のカット性が良いことが要求される。
【0003】さらに、製品の小型軽量化とコスト低減と
いう観点から、画素密度アップによる固体撮像素子の小
型化、それに伴う光学系の小型化、更には非球面レンズ
採用によるレンズ枚数の低減などの努力が絶えず行われ
ている。その1つに、上記カバーガラスに近赤外吸収ガ
ラスを用いて感度補正機能を付与することで、近赤外吸
収フィルターは不要となること、更に感度補正機能を付
与したカバーガラスの表面に回析格子を形成してローパ
スフィルター機能を付与することで、水晶板も不要にな
ることが提案されている〔特開平4−110903
号〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に固体撮像素子保護用のカバーガラスとして近赤外吸収
ガラスを使用すると、固体撮像素子のソフトエラーの発
生が増加するという問題が生じた。また、近年、固体撮
像素子の高度化に伴って、α線によるノイズやソフトエ
ラーが画質向上の大きな障害になっており、その低減が
強く望まれているところでもある。そこで、本発明者
が、市販の近赤外吸収フィルターのα線放出量を測定し
た結果、0.01〜0.05c/sec・cm2 にも達
し、そうした目的に使用できないことが判明した。1/
2インチで50万画素を超えるような高密度固体撮像素
子のソフトエラーを抑制するには、カバーガラスのα線
放出量は通常0.001c/sec・cm2 以下である
ことが必要である。そこで本発明の第一の目的は、固体
撮像素子保護用のカバーガラスとして用いても、固体撮
像素子のソフトエラーの発生を抑制でき、画質の向上に
寄与でき、かつ感度補正機能を付与することもできる近
赤外吸収ガラスを提供することにある。
【0005】また、固体撮像素子保護用のカバーガラス
は、アルミナセラミックパッケージに封着される。その
ため、アルミナセラミックパッケージを構成するアルミ
ナセラミックの熱膨張係数(60〜75×10-7-1
と大きく異なると、封着に支障が生じるという問題もあ
る。そこで本発明の第二の目的は、アルミナセラミック
パッケージと良好な封着ができ、かつ固体撮像素子保護
用のカバーガラスとして用いても、固体撮像素子のソフ
トエラーの発生を抑制でき、画質の向上に寄与でき、さ
らに感度補正機能を付与することもできる近赤外吸収ガ
ラスを提供することにある。
【0006】さらに本発明の第三の目的は、上記のよう
な近赤外吸収ガラスを用いて、固体撮像素子のソフトエ
ラーの発生を抑制し、画質の向上に寄与でき、かつ感度
補正機能も有する固体撮像素子保護用フィルターを提供
することにある。
【0007】さらに本発明の第四の目的は、上記のよう
な近赤外吸収ガラスを用いて、固体撮像素子のソフトエ
ラーの発生を抑制し、画質の向上に寄与でき、かつ感度
補正機能及びローパスフィルタリング機能を有する固体
撮像素子保護用ローパスフィルターを提供することにあ
る。
【0008】また、本発明の第五の目的は、小型軽量化
及びコストダウンが可能であり、かつソフトエラーの発
生を抑制できて、画質の向上が可能な保護用光透過部材
を備えた固体撮像素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、P2 5 を主
成分とし、かつCuOを含有する近赤外線吸収ガラスで
あって、U及びThの含有量がそれぞれ5ppb以下及
び20ppb以下であることを特徴とする近赤外線吸収
ガラスに関する。
【0010】さらに本発明の近赤外線吸収ガラスの好ま
しい態様は、上記近赤外線吸収ガラスであって、重量%
で表示してP2 5 を50〜85%及びAl2 3 を4
〜20%含有し、両者の合量が63%以上であり、Cu
Oを0.1〜10%含有し、かつ熱膨張係数が45〜7
5×10-7-1である近赤外線吸収ガラスに関する。
【0011】また本発明は、上記本発明の近赤外線吸収
ガラスからなることを特徴とする固体撮像素子保護用フ
ィルターに関する。さらに本発明は、基板の少なくとも
一方の表面に回析格子を形成してなり、前記基板が上記
本発明の近赤外線吸収ガラスからなることを特徴とする
固体撮像素子保護用ローパスフィルターに関する。
【0012】加えて、本発明は、保護用光透過部材を備
えた固体撮像素子であって、前記保護用光透過部材が、
上記本発明の保護用フィルター又は上記本発明の保護用
ローパスフィルターであることを特徴とする固体撮像素
子に関する。以下本発明についてさらに説明する。
【0013】本発明の近赤外線吸収ガラスは、P2 5
を主成分とし、かつCuOを含有するガラスである。近
赤外線吸収成分としてCuOを添加した場合、P2 5
を主成分とするガラスは、可視光の透過率が高く、近赤
外光のカット性が良い感度補正用として好適なガラスで
ある。さらに本発明のガラスは、U及びThの含有量が
それぞれ5ppb以下及び20ppb以下である。好ま
しくは、Uの含有量は3ppb以下であり、Thの含有
量は10ppb以下である。α線源となるU及びThの
含有量をそれぞれ5ppb及び20ppb以下にするこ
とで、固体撮像素子のソフトエラーの発生を有効に抑制
でき、画質の向上が可能となる。U及びThの含有量が
少ない高純度の原料を用い、かつガラス製造工程でのこ
れらの元素の混入を防止することで、ガラス中のU及び
Thの含有量を低減することができる。特に、ZrO2
やTiO2 などの放射性元素の分離精製が困難な成分を
大量には含有させないことが望ましい。
【0014】さらに、本発明の近赤外線吸収ガラスは、
重量%で表示してP2 5 を50〜85%及びAl2
3 を4〜20%含有し、両者の合量が63%以上である
ことが好ましい。P2 5 は、前記のように可視光の透
過率が高く、近赤外光のカット性が良い感度補正用とし
て好適なガラスが得られることから、必須成分である。
しかし、85%を超えるとガラスの粘性が高くなりすぎ
る傾向があるとともに、揮発も激しくなるり、熔融が困
難になるので、上限は85%、好ましくは80%であ
る。一方、P2 5 が50%未満では熱膨張係数が大き
くなり過ぎる傾向があるので、下限は50%、好ましく
は55%である。Al2 3 は、化学的耐久性を改善す
るのに特に効果的な成分である。しかし、4%未満では
その効果が充分でなく、20%を超えると耐失透性が悪
化する傾向がある。そこで、下限は4%、好ましくは7
%であり、上限は20%、好ましくは15%である。
【0015】CuOの含有量は0.1〜10%、好まし
くは0.1〜6%である。CuOは、近赤外光カットに
有効であるが、0.1%未満ではその効果が少なく、1
0%を超えると耐失透性と共に可視光の透過率が悪化す
る傾向がある。さらに本発明のガラスは、熱膨張係数が
45〜75×10-7-1、好ましくは45〜70×10
-7-1の範囲であることが適当である。アルミナセラミ
ックの熱膨張係数が60〜75×10-7-1であること
から、この熱膨張係数と同等か、若干小さい上記範囲の
熱膨張係数を持つことが、アルミナセラミックパッケー
ジと良好に封着できるという観点から好ましい。
【0016】さらに本発明の近赤外線吸収ガラスの好ま
しい態様は、重量%で表示して、B2 3 の含有量が0
〜15%であり、SiO2 の含有量が0〜25%であ
り、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからな
る群の1種又は2種以上の含有量が0〜25%であり、
2 3 、SiO2 、MgO、CaO、SrO、BaO
及びZnOからなる群の1種又は2種以上の含有量が5
〜37%であり、かつP2 5 、Al2 3 、B
2 3 、SiO2 、MgO、CaO、SrO、BaO及
びZnOからなる群の含有量の合計が85%以上である
ガラスである。
【0017】SiO2 及びB2 3 は耐失透性の改善や
熱膨張係数を低下させるのに有効である。しかし、Si
2 は25%を超える難溶性となり、B2 3 は15%
を超えると耐失透性を悪化させる傾向がある。MgO、
CaO、SrO、BaO及びZnOは熔融性の改善や耐
失透性の改善に有効である。しかし、合量で25%を超
えると熱膨張係数が大きくなり過ぎ、所望の熱膨張係数
を得るのが困難になる。さらに、B2 3 、SiO2
MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからなる群
の成分の合量は、溶融性、耐失透性、熱膨張係数、透過
特性という観点から、5〜37%、好ましくは6〜30
%の範囲とすることが適当である。また、P2 5 、A
2 3 、B2 3 、SiO2 、MgO、CaO、Sr
O、BaO及びZnOからなる群の含有量の合計は、同
様の理由から85%以上、好ましくは90%以上である
ことが適当である。
【0018】上記の成分以外に耐候性、溶融性、耐失透
性等の改善や熱膨張係数の調整等を目的として、本発明
のガラスは、15%以内、好ましくは10%以内の範囲
で、Sb2 3 、Nb2 5 、PbO、La2 3 、ア
ルカリ金属酸化物等を含有することも可能である。
【0019】以上の組成を有するガラスを形成する為の
原料は、水溶液、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、酸化物等
いずれの形態でも良い。但し、不純物として混入するU
及びThの含有量の極力少ない原料を選択する。最終的
にUの含有量が5ppb以下であり、Thの含有量が2
0ppb以下の近赤外吸収ガラスを得るには、Uの含有
量が3ppb以下、Thの含有量が15ppb以下の原
料を用いることが好ましい。
【0020】次に本発明の固体撮像素子保護用フィルタ
ー、固体撮像素子保護用ローパスフィルター、さらにこ
れらのフィルターを用いた本発明の固体撮像素子につい
て説明する。本発明の固体撮像素子保護用フィルター
は、上記本発明の近赤外吸収ガラスからなるものであ
り、形状や大きさには特に限定はない。保護する対象で
ある固体撮像素子に応じて、形状や大きさは適宜決定で
きる。さらに、フィルターの厚みも、ガラスの吸収特性
を考慮して所望の光学特性に応じて、適宜決定できる。
本発明の保護用フィルターは、常法により、本発明の近
赤外線吸収ガラスを所定の形状に研磨加工することで得
ることができる。さらに本発明の固体撮像素子10は、
図2に示すように、CCDチップ7を内蔵したアルミナ
パッケージ8に保護用光透過部材を封着したものであ
り、前記保護用光透過部材が上記の本発明の保護用フィ
ルター11である。図1の従来の光学系と比較して、本
発明の保護用フィルターを用いた光学系では、保護用フ
ィルターがカバーガラスと近赤外線吸収フィルターの機
能を有するため、システムを小型軽量化することが可能
である。
【0021】本発明の固体撮像素子保護用ローパスフィ
ルターは、基板の少なくとも一方の表面に回析格子を形
成してなり、前記基板が前記本発明の近赤外線吸収ガラ
スからなるものである。回析格子の形状等は、所望の特
性により適宜決定できる。尚、回析格子は、基板の一方
の表面に設ければローパスフィルタリング機能を得るこ
とはできるが、縦横の凹凸を両面に振り分けることによ
り、モールド成形が容易になるという利点もある。本発
明のローパスフィルターは、常法により、本発明の近赤
外線吸収ガラスの塊を軟化させ、回折格子の表面形状を
有する鋳型によりプレスすることにより作成することが
できる。即ち、所定の形状に研磨加工したガラス板の片
面又は両面にモールド成形技術によって回析格子をプレ
ス成形する。又、ホトリソグラフィー技術を用いて回析
格子を形成することによっても、本発明の保護用ローパ
スフィルターを得ることができる。さらに本発明の固体
撮像素子12は、図3に示すように、CCDチップ7を
内蔵したアルミナパッケージ8に保護用光透過部材を封
着したものであり、前記保護用光透過部材が上記の本発
明の保護用ローパスフィルター13である。保護用ロー
パスフィルター13の表面には、回折格子14が形成さ
れている。図1の従来の光学系と比較して、本発明の保
護用フィルターを用いた光学系では、保護用フィルター
が、カバーガラスと近赤外線吸収フィルターとローパス
フィルターの機能を有するため、システムを小型軽量化
することが可能である。図4に、ローパスフィルターの
回折格子の一例を示す。但し、この形状に限定されるも
のではなく、ローパスフィルターの所望の特性により適
宜決定できる。
【0022】本発明の固体撮像素子は、上記本発明のフ
ィルターをエポキシ樹脂等の接着剤によりCCDチップ
を内蔵したアルミナセラミックパッケージに封着するこ
とにより作製することができる。本発明の固体撮像素子
においては、CCDチップ、接着剤、及びアルミナセラ
ミックパッケージ等については特に制限はない。
【0023】なお、本発明の近赤外吸収ガラスは、上記
のような固体撮像素子の保護用フィルターとしての用途
以外に、例えば通常のカバーガラスに積層し、封着して
近赤外吸収能を通常のカバーガラスに付与することがで
きる。例えば、図5に示すように、カバーガラス9の内
側に本発明の近赤外吸収ガラスからなるローパスフィル
ター16(17は回折格子である)を設けて固体撮像素
子15を提供することができる。尚、図5では、ローパ
スフィルターの例を示したが、回折格子を有さない近赤
外吸収フィルターであっても良い。また、図6に示すよ
うにCCDチップ7の前面に、本発明の近赤外吸収ガラ
スからなるローパスフィルター16(17は回折格子で
ある)を設けて固体撮像素子18を提供することもでき
る。尚、図6では、ローパスフィルターの例を示した
が、回折格子を有さない近赤外吸収フィルターであって
も良い。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 表1中のNo.1の組成になるように各種高純度原料を
使用して原料バッチを作製した。尚、表1のガラス組成
は重量パーセント表示である。この原料バッチ12kg
を5リットル容量の白金製坩堝を用い、1330℃の電
気炉中で溶融精製した。次いで、鉄製金枠に鋳込み、所
定のアニールをしてガラスブロックを得た。このガラス
の2mm厚における透過率を図7に示す。また、表1に
得られたガラスのTMA分析装置による測定値である熱
膨張係数を示す。このガラスの熱膨張係数は67×10
-7-1であり、アルミナセラミックとの封着に適合した
熱膨張係数を有していることが分かる。又、住化分析セ
ンター社製α線測定装置LACSで測定したα線放出量
及び横河電機製ICP−MASSで測定したU及びTh
含有量を表2に示す。
【0025】次に、得られたガラスを用いて、所定形状
(15.5×17.7×2.0 mm)のカバーガラス兼用のフィル
ターを作製した。このフィルターを、エポキシ樹脂を用
いて有効画素数58万画素のCCDチップを内蔵したア
ルミナセラミックパッケージに封着して図2に示す本発
明の固体撮像素子を作製し、得られた固体撮像素子のソ
フトエラーの有無を調査した。比較の為、市販の近赤外
吸収フィルター、ガラス(A)及び(B)を用い、同様
の実験を行った。。ガラス(A)は弗燐酸塩ガラスであ
り、ガラス(B)は燐酸塩ガラスであった。これらのガ
ラスの熱膨張係数はそれぞれ表1に示した。ガラス
(A)は熱膨張係数が158×10-7-1と大きく、ア
ルミナセラミックパッケージとの封着の際、割れが発生
し固体撮像素子を得ることができなかった。一方、ガラ
ス(B)は割れを発生することなくアルミナセラミック
パッケージと封着することができた。そこで、得られた
固体撮像素子について、上記と同様にソフトエラーの有
無を調査した。結果は表2に示す。表2の結果から、実
施例1のガラスを使用した固体撮像素子はソフトエラー
が少なく、それに対して、比較ガラス(B)を使用した
固体撮像素子は著しくソフトエラーが多いものであっ
た。なお、比較の為、比較ガラス(B)のα線放出量及
びU、Th含有量も表2に示す。
【0026】実施例2 表1中のNo.2の組成になるように各種高純度原料を
使用して原料バッチを作製した。この原料バッチ16k
gを7リットル容量のSiO2 坩堝で粗熔解し、カレッ
トを作製した後、そのカレット12kgを用いて5リッ
トル容量の白金製坩堝で、1230℃の電気炉中で溶融
精製した。次いで、鉄製金枠に鋳込み、所定のアニール
をしてガラスブロックを得た。2mm厚のこのガラスの
透過率を図7に示す。また、TMA分析装置による測定
値である熱膨張係数を表1に示す。このガラスは、アル
ミナセラミックとの封着に適合した熱膨張係数を有して
いることが分かる。又、α線放出量及びU、Th分析値
を表2に示す。
【0027】このガラスブロックから良品部分を選塊
し、所望の形状(15.5×17.7×2.0 mm)に研磨加工さ
れたプリフォームを作製した。次いで、所定の格子形状
とスパッタされたカーボン膜を有する石英ガラス製の型
を使用して常法のモールド成形技術により、上記プリフ
ォームの片面に井形形状の回析格子を形成した。回析格
子を有する13.5×14.5mm幅、厚み2.0mm
の近赤外吸収フィルターを得た。この回析格子は、図4
に示すような台形の断面形状を有し、台形の高さ0.5
μm、ピッチ間隔5.2μmであった。次に、この回析
格子面が内側になるようにして、上記近赤外吸収フィル
ターを、有効画素数58万画素のCCDチップを内蔵し
たアルミナセラミックパッケージに封着して図3に示す
本発明の固体撮像素子を作製した。得られた固体撮像素
子について、ソフトエラーの有無を調査した。結果を表
2に示す。この固体撮像素子は、実施例1の固体撮像素
子と同様にソフトエラーの少ないものであった。
【0028】一方、上記回析格子がローパスフィルター
の機能を有するかどうかを評価する為に、従来の水晶板
と近赤外吸収フィルターの貼り合わせ素子と固体撮像素
子を組み合わせた場合と、上記の回析格子を有する近赤
外吸収フィルターをカバーガラスとして封着した固体撮
像素子を用いた場合のビデオ映像の画質比較を行った。
その結果、両者共にほぼ同等の画質であり、本実施例の
フィルターがローパスフィルターとしての機能と感度補
正機能を有していることが確認された。
【0029】実施例3 表1中のNo.3〜7の組成のガラスについても、実施
例1と同様にして、高純度原料を使用して、U及びTh
の含有量がそれぞれ5ppb以下及び20ppb以下の
近赤外吸収ガラスを調製した。得られたガラスの熱膨張
係数を表1に示す。さらに、得られたガラスを用いて、
実施例1及び2と同様にして近赤外吸収フィルター及び
回折格子を有するローパスフィルターを作製し、さらに
これらの近赤外吸収フィルター及びローパスフィルター
を用いて固体撮像素子を作製した。得られた固体撮像素
子についてソフトエラーの有無を調査した結果、いずれ
の固体撮像素子についてもソフトエラーは少なかった。
また、回折格子を有するローパスフィルターは、ローパ
スフィルターとしての機能を有することも確認できた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明の近赤外吸収ガラ
スはU及びThの含有量が著しく低いので、CCDチッ
プの近傍に配置してもソフトエラーの原因となることが
少なく、カバーガラスと近赤外吸収フィルター、さらに
はローパスフィルターの機能を複合化した、保護用フィ
ルター及び保護用ローパスフィルターを提供することが
できる。さらに、これらのフィルターを用いた固体撮像
素子は、ソフトエラーが少なく、かつ小型軽量化が可能
であり、コスト削減も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のVTRカメラの光学系の構成を示す説明
図である。
【図2】本発明の保護用フィルターを用いたVTRカメ
ラの光学系の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の保護用ローパスフィルターを用いたV
TRカメラの光学系の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の保護用ローパスフィルターの面上に形
成される回析格子の一例の局部的な鳥瞰図である。
【図5】カバーガラスに積層した本発明のローパスフィ
ルターを用いた固体撮像素子を示す説明図である。
【図6】本発明のローパスフィルターをCCDチップの
前面に設けた固体撮像素子を示す説明図である。
【図7】本発明の近赤外吸収ガラスの分光透過率曲線を
示す。
【符号の説明】
1 レンズ系 2、3 水晶板 4 近赤外吸収フィルター 6、10、12、15、18 固体撮像素子 7 CCDチップ 8 アルミナセラミックパッケージ 9 カバーガラス 11 保護用フィルター 13 保護用ローパスフィルター 14、17 回折格子 16 ローパスフィルター

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 U及びThの含有量がそれぞれ5ppb
    以下及び20ppb以下であることを特徴とする近赤外
    線吸収ガラス。
  2. 【請求項2】 P2 5 を主成分とし、かつCuOを含
    有する近赤外線吸収ガラスである請求項1記載の近赤外
    線吸収ガラス。
  3. 【請求項3】 重量%で表示してP2 5 を50〜85
    %及びAl2 3 を4〜20%含有し、両者の合量が6
    3%以上であり、CuOを0.1〜10%含有し、かつ
    熱膨張係数が45〜75×10-7-1である請求項1又
    は2記載の近赤外線吸収ガラス。
  4. 【請求項4】 重量%で表示して、B2 3 の含有量が
    0〜15%であり、SiO2 の含有量が0〜25%であ
    り、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからな
    る群の1種又は2種以上の含有量が0〜25%であり、
    2 3 、SiO2 、MgO、CaO、SrO、BaO
    及びZnOからなる群の1種又は2種以上の含有量が5
    〜37%であり、かつP2 5 、Al2 3 、B
    2 3 、SiO2 、MgO、CaO、SrO、BaO及
    びZnOからなる群の含有量の合計が85%以上である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外線吸収ガラ
    ス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の近
    赤外線吸収ガラスからなることを特徴とする固体撮像素
    子保護用フィルター。
  6. 【請求項6】 基板の少なくとも一方の表面に回析格子
    を形成してなり、前記基板が請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の近赤外線吸収ガラスからなることを特徴とす
    る固体撮像素子保護用ローパスフィルター。
  7. 【請求項7】 保護用光透過部材を備えた固体撮像素子
    であって、前記保護用光透過部材が請求項5記載の保護
    用フィルターであることを特徴とする固体撮像素子。
  8. 【請求項8】 保護用光透過部材を備えた固体撮像素子
    であって、前記保護用光透過部材が請求項6記載のロー
    パスフィルターであることを特徴とする固体撮像素子。
JP6073498A 1994-04-12 1994-04-12 近赤外線吸収ガラス、このガラスを用いた固体撮像素子保護用フィルター及びこのフィルターを用いた固体撮像素子 Expired - Lifetime JP2989739B2 (ja)

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