JP2989735B2 - 印刷された熱可塑性樹脂製品及び熱可塑性樹脂製品の印刷方法 - Google Patents

印刷された熱可塑性樹脂製品及び熱可塑性樹脂製品の印刷方法

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JP2989735B2
JP2989735B2 JP25090293A JP25090293A JP2989735B2 JP 2989735 B2 JP2989735 B2 JP 2989735B2 JP 25090293 A JP25090293 A JP 25090293A JP 25090293 A JP25090293 A JP 25090293A JP 2989735 B2 JP2989735 B2 JP 2989735B2
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博紀 仁井
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隆 宮
秀一 古塩
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Yoshino Kogyosho Co Ltd
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Yoshino Kogyosho Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願発明は、熱可塑性樹脂製
品、とくにポリエチレンテレフタレート製品に特定の放
射線硬化型インキにより、商品名、デザイン、説明書、
バーコードなどを表示、加飾するに際し、直接印刷し、
高速ライン下に放射線で速乾燥させ、また、乾燥した被
膜は、流通段階においては要求される性能を維持し、回
収後には、アルカリ水溶液で容易に溶解又は膜状脱離
し、基材を清浄な状態で回収することを可能にする放射
線硬化型印刷インキによるプラスチック製品の印刷方法
及び放射線硬化型インキの脱離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂製品とくにポリエチレンテ
レフタレート製品は、無毒性であること、ガスバリヤー
性や水分不透過性が他の合成樹脂による成形品より優れ
ていること、外観がガラス状を呈すること等により、と
くに化粧料用容器、液状調味料用容器、ビールやコーラ
等の飲料品用容器、医薬品用容器等として利用されてお
り、容器胴部の表面には、商品説明や商品名等が紫外線
硬化性の樹脂をビヒクルとする印刷インキで形成される
ことが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、プラスチック製
品に対するゴミ焼却の問題、公害の問題が大きく取りあ
げられており、プラスチック製品の回収、再生について
の関心が高まってきている。しかし、回収したプラスチ
ック製品は、いろいろな点で再生が困難となっており、
回収されたプラスチック製品の大半は、単に溶解して再
生され、限られた用途にしか使われていないのが現状で
ある。その大きな理由は、回収された製品には、装飾そ
の他のために印刷が施されており、印刷用のインキが、
回収されたプラスチックを原料として再生するプラスチ
ック製品の性質に悪影響を与えるためである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願発明は、回収さ
れたプラスチック製品を再生し易くするために、特殊な
インキによってプラスチック製品に印刷を施し、回収後
には容易にインキを脱離することにより、ゴミ焼却、あ
るいは、公害問題を解決すると共に、回収されたプラス
チックを幅広い用途において利用するためのインキによ
って印刷された熱可塑性樹脂製品に関するものである。
この出願発明により、製品にデザインやマークを入れ加
飾印刷された表示部分が、その流通過程において脱離あ
るいは汚染されて商品イメージを損なうことはなく、一
方、回収後にはアルカリ水溶液で処理し膜状に脱離する
ことにより、回収基材を印刷されていない清浄な状態に
することが可能である。そして、アルカリ性廃水の中に
含まれる脱離膜は濾過により除去され、また、時間とと
もに溶解し、あるいは、サイクロン等による風選によっ
て基材とは完全に分離された形で捕捉されるので、環境
中に流出あるいは飛散することが少なく、処理が容易に
なる。
【0005】
【作用】この出願発明の印刷方法においては、印刷に先
立って熱可塑性樹脂製品の表面を処理することなく印刷
してもよいが、熱可塑性樹脂製品の表面を処理した後
に、印刷してもよい。表面処理としては、フレーム、コ
ロナ放電、紫外線照射、電子線照射、プラズマ等による
処理、吹き付け、金型の粗面化、薬品処理等による熱可
塑性樹脂製品の表面の粗面化処理、あるいはアンカーコ
ート処理をしてもよい。この出願発明で使用される放射
線硬化型インキ組成物は、主成分となる不飽和二重結合
を有するポリエステルオリゴマー及び/又はポリマーの
基本構造に基づく密着性及び低収縮性による応力剥離防
止機能によって、きわめてよく基材に密着する。この出
願発明の組成物の硬化物が無処理でもプラスチック基材
に密着することは、印刷の作業上、工程短縮などのメリ
ットが大きい。また、熱可塑性樹脂製品の表面を処理す
ることにより、例えば、印刷面の押圧が繰り返されるよ
うな、過酷な条件においても、印刷面が剥離することが
ない。
【0006】
【構成】熱可塑性樹脂製品は、ポリエステル樹脂製品、
ポリオレフィン樹脂製品など多くの樹脂製品が使用でき
るが、中でもポリエチレンテレフタレート製品がとくに
好適である。この出願発明でいうポリエチレンテレフタ
レートとは、エチレンテレフタレートを繰り返し単位と
するポリエステルで、酸成分がテレフタル酸であり、グ
リコール成分がエチレングリコールてあるが、共重合成
分として、酸成分として、イソフタル酸、ジフェニルエ
ーテル4,4′−ジカルボン酸、ナフタレン1,4−ま
たは2,6−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
デカン1,10−ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸、グリコール成分として、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパン、p−オキシ安息香酸
等をそれぞれ50%を越えない範囲で含有してもよい。
なお、この出願発明におけるポリエチレンテレフタレー
トは、必要に応じて、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤などの添加剤を適宜の割合で含有することができる。
【0007】この出願発明のプラスチック製品への印刷
方法は、下記(A)〜(F)のビヒクルよりなる放射線
硬化型インキ組成物をベースとする印刷インキによる印
刷を施し、しかる後に前記印刷面に放射線を照射して印
刷インキ中の放射線硬化性の成分を硬化させるものであ
る。(A)骨格が重合性二重結合を有さず、実質的に酸性基
を有しない線状ポリエステルであって、1〜10個の不
飽和二重結合を側鎖に有するオリゴマー及び/又はポリ
マー (B)分子内に少くとも1個の酸性基を有し、不飽和二
重結合を1個有するカルボン酸及び/又はカルボン酸エ
ステル及び/又はカルボン酸アミド (C)分子内に酸性基を2〜10個有し、且つ不飽和二
重結合を2個以上有するポリカルボン酸エステル (D)フッ素を有する不飽和二重結合含有カルボン酸エ
ステル及び/又はフッ化アルキル基を有する重合体セグ
メントと(メタ)アクリル系重合体セグメントとのブロ
ック共重合体及び/又はシロキサン基を有する重合体セ
グメントと(メタ)アクリル系重合体セグメントとのブ
ロック共重合体 (E)不飽和二重結合を2個以上有し、酸性基を有さ
ず、且つ、(A)成分に含まれないカルボン酸エステル (F)不飽和二重結合を1個有し、酸性基を有しないカ
ルボン酸エステル及び/又はカルボン変アミド及び/又
はカルボン酸イミド上記(A)〜(F)を含む混合物を
ビヒクル成分とする 放射線硬化型インキ組成物をベース
とする印刷インキを使用するものである。
【0008】この出願発明のポリエチレンテレフタレー
ト製品、例えば、ポリエチレンテレフタレートに代表さ
れる飽和ポリエステルを原料として成形されている容器
の胴部表面への印刷方法において使用される容器は、中
空成形、二軸延伸ブロー成形インジェクション成形等に
よって得られたポリエステル製容器である。
【0009】また、この出願発明のアルカリ脱離性放射
線硬化型インキ組成物は、フッ素系不飽和二重結合含有
カルボン酸エステル及び/又はフッ素系ブロック共重合
体及び/又はシリコン系ブロック共重合体を配合し、印
刷、硬化後、表面に配向したフッ素及び/又はシリコン
に富む成分が表面に配向し、耐薬品性、撥水性、防汚
性、耐摩擦性を与え、印刷物の流通及び使用段階におけ
る安定性を著しく高める。アルカリによってインキ組成
物が脱離する条件は、(B)、(C)、(D)の量比に
より変化するものであるが、例えば、アルカリ濃度が5
%以上、温度は70℃以上、時間は5分以上が好まし
い。しかし、アルカリ浸漬時間を長くしたり、印刷面を
ブラッシングしながら浸漬したり、(B)、(C)、
(D)の量比を調整したり、さらに印刷及び硬化などの
条件が加わることにより、アルカリ濃度を1%、温度を
50℃にするなど変更が可能である。実際の商業ベース
でアルカリ脱離処理をする際は、それらの条件を適当に
選択することにより、行うことができる。
【0010】さらに、この出願発明のアルカリ脱離性放
射線硬化型インキ組成物は、アルカリ金属と水溶性もし
くは水膨潤性を付与する塩を形成しやすい酸性基を有す
る硬 化物となる不飽和二重結合含有(ポリ)カルボン酸
エステルが配合されている。従って、使用後に回収され
る印刷物からアルカリ水溶液で処理することによりイン
キの硬化膜は容易に膜状脱離し、清浄な状態で再生可能
なプラスチック製品基材の樹脂を回収することができ
る。
【0011】インキ硬化膜の膜状脱離は、フッ素系不飽
和二重結合含有カルボン酸エステル及び/又はフッ素系
ブロック共重合体及び/又はシリコン系ブロック共重合
体の表面配向による撥水性により、表面からのアルカリ
水溶液の侵触を防止し、基材とインキ膜との界面からの
アルカリ水溶液の浸透により行われる。これにより脱離
されたインキ膜は、濾過などの簡単な工程にて捕集され
廃水中に溶出しないため水汚染の心配がない。一方、フ
ッ素系不飽和二重結合含有カルボン酸エステル及び/又
はフッ素系ブロック共重合体及び/又はシリコン系ブロ
ック共重合体量の減少により、親水性を高めることがで
きる。また、前述の(B)、(C)成分のうちの(B)
成分を増量することにより、インキ硬化被膜全体をアル
カリ水溶液に溶解して、プラスチックの表面から脱離さ
せることできるので、その応用範囲はさらに広まる。
【0012】(A)骨格が、重合性二重結合を有さず、
実質的に酸性基を有しない線状ポリエステルであって、
1〜10個の不飽和二重結合を側鎖に有するオリゴマー
及び/又はポリマーとは、分子中に1〜10個の放射線
重合性不飽和二重結合を有し、単独でも放射線重合性を
示すのみならず他の放射線重合性二重結合含有化合物と
の間で共重合可能なオリゴマー及び/又はポリマーであ
る。
【0013】前記オリゴマー及び/又はポリマーの側鎖
不飽和二重結合には、ビニル基、アリル基、(メタ)
アクリロイル基、クロトニル基等があるが、放射線によ
る重合性の高い(メタ)アクリロイル基が好適である。
また、前記オリゴマー及び/又はポリマーにおける(メ
タ)アクリロイル基を有するオリゴマー及び/又はポリ
マーとしては、基材との密着性あるいは基材の膨張収縮
に追従しうる構造としてウレタン(メタ)アクリレート
が特に使用される。さらに好ましくは、ポリエステルポ
リオールを更にウレタン結合で鎖伸長した分子量の大き
いポリオールを原料としたポリウレタン(メタ)アクリ
レートが使用される。
【0014】共重合ポリエステルポリオールは、合成例
1に示したように、主にジカルボン酸成分とグリコール
成分から合成される。ジカルボン酸成分は、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカル
ボン酸を主体として、少くとも全ジカルボン酸の60m
ol%以上使用し、柔軟性の付与などのために、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テト
ラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸なども40
mol%以下を使用する。グリコール成分には、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−
プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、1、4−シク
ロヘキサンジメタノール、スピログリコール、1、4−
フェニレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、な
どがある。必要によりトリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトールなどのトリオールやテトラ
オールを少量含んでいても差支えない。このようなジカ
ルボン酸成分と、グリコール成分とにより共重合ポリエ
ステルポリオールを得るためには、ジカルボン酸原料に
対してグリコール成分を過剰に用いて合成する。このと
きカルボキシル基末端が、共重合ポリエステル中に50
eq/10g未満の実質的に酸性基を有さなくなるよ
に合成するのが好適である。50eq/10g以上
になると、更に鎖伸長させてウレタン系ポリマーを合成
する際、ジイソシアネート化合物との反応時に不活性末
端が多くなりすぎ、目的とするポリウレタン(メタ)
クリレートが得られない。
【0015】このようにして得られた共重合ポリエステ
ルポリオールから不飽和二重結合を側鎖に有するウレタ
(メタ)アクリレートを得るには、上記の共重合ポリ
エステルポリオール、ポリイソシアネート化合物及び
分子内に(メタ)アクリロイル基と活性水素基を有する
化合物を反応させればよい。ポリイソシアネート化合物
としては、例えば2、4−トリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、1、3−ジイソシ
アネートメチルシクロヘキサン、1、4−ジイソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、4、4′−ジイソシアネー
トジシクロヘキサン、4、4′−ジイソシアネートジシ
クロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネートなど
があり、その他多くの市販のジイソシアネートが使用で
きる。また、より多官能の(メタ)アクリレートを必要
とするときは、トリイソシアネート以上のポリイソシア
ネートを単独もしくは上記ジイソシアネート中に混合し
て用いても良い。
【0016】分子内に(メタ)アクリロイル基と活性水
素基を有する化合物としては、1分子中に不飽和二重結
合とヒドロキシル基とを少くとも各々1個有する化合物
である。この出願発明において適用可能な不飽和二重結
合には、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル
基、クロトニル基などがあるが、放射線に対して高感度
の(メタ)アクリロイル基が好適である。例えば、エチ
レングコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモ
ノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレートなどの2価アルコールのモノ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタンモノ(メタ)
アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリン
ジ(メタ)アクリレートなどの3価アルコールのモノ及
びジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)
アクリレートなどの4価以上の多価アルコールのアクリ
レートでヒドロキシル基を含有するもの、これらアルコ
ール類のカプロラクトン付加物を(メタ)アクリレート
化したものでヒドロキシル基を含有するもの、モノグリ
シジルエーテル類やエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどの2価ア
ルコールのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグ
リシジルエーテル、ビスフエノールAのジグリシジルエ
ーテルなどのフェノール性ヒドロキシル基を有する化合
物のグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物に(メ
タ)アクリル酸を開環付加させて得られるエポキシ(メ
タ)アクリレート類がある。
【0017】これらは、1種類のみを使用してもよい
し、2種類以上を併用してもよい。上記の原料を反応さ
せて得られる不飽和二重結合を有するポリエステルオリ
ゴマー及び/又はポリマーは、分子中に少くとも1個の
不飽和二重結合があればよく、1個以上10個までが適
用される。実用的な硬化速度で硬化膜表面タックをなく
し、基材への密着性や柔軟性を維持するためには、不飽
和二重結合は1分子中に3〜7個が好適である。
【0018】酸性基を分子内に少なくとも1個有し、且
不飽和二重結合を1個有するカルボン酸及び/又はカ
ルボン酸エステル及び/又はカルボン酸アミド(B)と
は、一般には「酸性モノマー」として扱われ、そのホモ
ポリマー及びこれを高濃度に含有するコポリマーはアル
カリにより塩を形成し易水溶性となるものである。不飽
和二重結合としてビニル基、アリル基、(メタ)アクリ
ロイル基、クロトニル基等があるが、ここでは放射線重
合性の高い(メタ)アクリロイル基が望ましい。水溶性
アルカリ金属塩を形成しうる酸性基としては、カルボキ
シル基、スルホニル基、ホスホリル基等があるが、通常
はカルボキシル基の分子内導入で目的を達することがで
きる。カルボキシル基の数は、1分子中に1〜2個必要
である。カルボキシル基含有の酸性モノマーのもっとも
簡単な構造は(メタ)アクリル酸そのものであるが、臭
いが強く、安全の面からもインキ原料としてはあまり好
ましくない。従って酸性モノマーは、分子内に不飽和二
重結合とヒドロキシル基とを有する化合物と、そのヒ
ドロキシル当量に相当する環状の酸無水物とを反応させ
て合成される。例えば(メタ)アクリル酸のアルキレン
オキサイド付加体と酸無水物とのカルボキシレート化
物、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加体と酸無
水物とのカルボキシレート化物、(メタ)アクリル酸の
モノグリシジルエーテルの付加体と酸無水物とのカルボ
キシレート化物、メチロール(メタ)アクリルアミドと
酸無水物とのカルボキシレート化物が挙げられる。酸無
水物としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水ドデシニルコハク酸、無水フタル酸、無水
テトラヒドロフタル酸等がある。
【0019】カルボキシル基は、前述の分子内に不飽和
二重結合とヒドロキシル基とを併有する化合物に、その
ヒドロキシル当量に相当する環状の酸無水物を加え、一
定時間加温することにより得られる。酸無水物としては
無水コハク酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の無水物、無
水マイレン酸、無水イタコン酸等の脂肪族不飽和ジカル
ボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸の無水物、フタル
酸、ナフテン酸などの芳香族ジカルボン酸の無水物、ト
リメリット酸などのトリカルボン酸の無水物がカルボキ
シル基を導入されるために使用される。また、アクリル
酸モノマー合成時に副生するアクリル酸ダイマー、アク
リル酸トリマーなどはそのまま、カルボキシル基含有の
モノマーとして使用可能である。カルボキシル基以外の
水溶性アルカリ金属塩を形成しうる酸性基を有し、不飽
和二重結合をあわせもつカルボン酸エステルとしては、
モノ(メタ)アクリロキシエチルホスフェート、(メ
タ)アクリロキシエチルホスホリルフェニル、ジ(メ
タ)アクリロキシエチルホスフェート等のリン酸モノあ
るいはジエステル類、(メタ)アクリロキシエチルスル
ホネート、ジ(メタ)アクリロキシエチルサクシニルス
ルホネート等のスルホン酸エステルがある。上記の酸性
基を有する不飽和二重結合含有カルボン酸及び/又はカ
ルボン酸エステル及び/又はカルボン酸アミドは、1種
類のみ、あるいは2種類以上を混合使用してもよく、最
終的な硬化膜の物性によって使用量とともに決定され
る。
【0020】酸性基を分子内に2〜10個有し、且つ、
不飽和二重結合を2個以上有するポリカルボン酸エステ
ル(C)とは、「酸性オリゴマー」として扱われ、その
ホモポリマー及び/又はこれを高濃度に含有するコポリ
マーは高架橋密度であって、アルカリ金属塩は水に膨潤
する性質を有するものである。この場合も上記酸性モノ
マーの場合と同じく、不飽和二重結合は放射線重合性の
高い(メタ)アクリロイル基が望ましい。またアルカリ
金属塩を形成しうる酸性基も同様で、カルボキシル基、
スルホニル基、ホスホリル基等があり、カルボキシル基
が一般的である。酸性基の数は、1分子中〜10個が
この出願発明においては使用されるが、個数は酸性オリ
ゴマーの分子量によって決定せねばならず、原料面から
経済的に合成される酸性オリゴマーとしては2〜6個が
実用的である。1分子中の不飽和二重結合の数(官能基
数)は2個以上のいわゆる多官能で、2〜6官能のもの
を使用することが多い。酸性オリゴマーは、ポリエポキ
シ化合物と(メタ)アクリル酸の開環エステル化によっ
て得られるエポキシ(メタ)アクリレートが原料とな
り、これに環状酸無水物を反応させてカルボキシル基を
導入して合成される。エポキシ(メタ)アクリレートと
しては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
と(メタ)アクリル酸との反応物、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との
反応物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルと(メタ)アクリル酸との反応物等の脂肪族エポキシ
アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
と(メタ)アクリル酸との反応物、エポキシフェノール
ノボラックと(メタ)アクリル酸との反応物、フタル酸
グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸との反応物等
の芳香族エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記のエポキシ(メタ)アクリレートにカルボキシル基
を導入するための環状酸無水物には、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水ドデシニルコハク酸、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水テトラヒドロフタル酸、
無水ヘキサヒドロフタル酸等があり、これらの反応生成
物はエポキシ(メタ)アクリレートのヒドロキシル基が
酸無水物によってハーフエステル化してペンダントされ
たものである。上記の酸性オリゴマーは、1種類あるい
は2種類以上を配合して使用することができる。またそ
の使用量は、最終的な硬化膜物性の要求性能にもとずい
て決められるが、この出願発明の特許請求の範囲に記載
のアルカリ水溶液による剥離を容易にするため、前記の
酸性モノマーとの配合比を加味しつつ適量が検討されね
ばならない。これを酸価として示すならば、ビヒクル全
体の酸価が5以上100以下、望ましくは20〜50の
範囲であるように配合比及び配合量が決定される。
【0021】(D)フッ素を含有し、その(共)重合体
が表面にフッ素成分を配向して撥水性を有する不飽和二
重結合含有カルボン酸エステルとしては、トリフロロエ
チル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メ
タ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アク
リレート、ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレー
ト等のエステルのアルコール残基がフッ素化されている
もの、更にはフロオル基が主鎖に在り、アクリロイル基
が側鎖にペンダントされたフッ素系マクロマー(例えば
新中村化学工業製ユニレジンシリーズ)が適用される。
【0022】これらフッ素系不飽和二重結合含有カルボ
ン酸エステルは、フロオル基が表面に配向して造膜し、
膜に撥水性、耐薬品性、防汚性を付与する性質をもつ反
面、極性基を基材側に押しやるため、インキ硬化膜と基
材の界面に対しアルカリ水溶液が浸透しやすくなるよう
な効果を発揮するものである。
【0023】フッ素系不飽和二重結合含有カルボン酸エ
ステルはビヒクル100部中に1〜20部が配合される
が、3〜10部程度が好適である。フッ素系不飽和二重
結合含有カルボン酸エステルの量が少ないと、インキ表
面の耐薬品性、撥水性、防汚性が劣り、印刷物の流通段
階における価値を維持することができない。また多すぎ
る場合は、インキのリコート性が低下して多色印刷が困
難となり、アルカリ水溶液による脱離に際してもその撥
水作用が過剰となりアルカリ水溶液の浸透を著しく阻害
し、作業性が低下する。
【0024】フッ化アルキル基含有重合体セグメントと
アクリル系重合体セグメントとのブロック共重合体(フ
ッ素系ブロック共重合体)は、分子中のフロオル基の強
い表面配向性によって、逆に(メタ)アクリル系重合体
セグメントを放射線硬化性ビヒクル中に相溶させ、硬化
後は硬化物中に強固に捕捉される。したがって硬化膜は
持続性に富む撥水性、耐薬品性、防汚性、耐摩擦性が付
与されると同時に、ビヒクル中の極性基を基材側に濃縮
させるため、硬化膜と基材の界面にはアルカリ水溶液が
浸透しやすくする効果を発揮する。フッ素系ブロック共
重合体中のアクリル系重合体セグメントには、アクリル
モノマーの選択によりアミノ基、アルキルアミノ基、エ
ポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基などの諸種
の官能基を導入することができ、これら官能基を含有す
るフッ素系ブロック共重合体は、要求される膜物性に応
じて任意に選択使用できる。カルボキシル基のようなア
ルカリ金属塩を形成しうる酸性基を含む場合は、ビヒク
ルの酸価に影響するので、請求項1に記載の酸価の範囲
内にとどまる量が使用される。このフッ素系ブロックポ
リマーとしては、たとえば、日本油脂製モディパーFシ
リーズがある。フッ素系ブロックポリマーの使用量は、
ビヒクル100部中に1〜10部を配合できるが、3〜
7部程度が好適である。フッ素系ブロックポリマーは、
あらかじめビヒクル成分として使用する前述の(F)
分中に所定量を溶解しておき、ビヒクル中に加えられ
る。
【0025】シロキサン基含有重合体セグメントと(メ
タ)アクリル系重合体セグメントとのブロック共重合体
(シリコン系ブロック共重合体)も、良好な表面配向性
を示すので、使用が可能である。このシリコン系ブロッ
ク共重合体は、フッ素系ブロック共重合体と同じく良好
な表面配向性を示すので、そのため撥水性のみならず、
離型性、耐摩擦性を付与することができる。シリコン系
ブロック共重合体の撥水性はフッ素系ブロック共重合体
ほど強力ではないが、耐摩擦性は優れており、これを使
用したインキの硬化膜は、印刷製品の流通過程における
擦傷を防止する特徴があり、そのうえこの出願発明の目
的とするアルカリ水溶液による硬化膜の容易なる脱離も
有効になる。シリコン系ブロック共重合体においても、
(メタ)アクリル系重合体セグメント中にはアクリル系
モノマーの選択により、前述の種々の極性基を導入する
ことが可能である。これらは最終的に要求される膜物性
に応じて、任意に選択使用することができる。シリコン
系ブロック共重合体としては、たとえば、日本油脂製モ
ディパーFSシリーズがある。使用量はビヒクル100
部中に0.5〜10部であるが、通常1〜5部が好適で
ある。上記のごとくフッ素系ブロック共重合体に比べ若
干撥水性は劣るが、実用的にはそれを補うために増量す
る必要はなく、むしろ、増量に伴うリコート性低下を避
ける方が望ましい。このシリコン系ブロック共重合体
も、あらかじめビヒクル成分として使用する前述の
(F)成分中に所定量を溶解しておき、ビヒクル中に加
えられる。フッ素系ブロック共重合体及び/又はシリコ
ン系ブロック共重合体は、フッ素系不飽和二重結合含有
カルボン酸エステルと二者及び/又は三者を併用するこ
とができる。その場合、フッ素系化合物のもつ優れた撥
水性とシリコン系ブロック共重合体の優れた耐摩擦性の
相乗的な効果が得られるが、併用の場合はフッ素系化合
物量がシリコン系ブロック共重合体の2〜4倍の量とな
るようにするのがもっとも目的に合致する。併用の場合
の使用総量はビヒクル100部中1〜10部で、最も好
ましくは3〜7部である。
【0026】不飽和二重結合を2個以上有し、酸性基を
有さず、且つ前記(A)成分に含まれないカルボン酸エ
ステル(E)は、一般に多官能モノマー及び多官能オリ
ゴマーと称されて市販されているものである。その中の
代表的なものを挙げると、多官能モノマーとしては、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオ
キサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等の2
価アルコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリメ
チロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリント
リ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキ
シエチル〕イソシアヌレート等の3価アルコールのトリ
(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等の4価以上のアルコール
の(メタ)アクリル酸エステルがある。また、3価以上
のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル化は、ヒド
ロキシル基がすべてエステル化されずに一部残存してい
ても差し支えなく、また、エポキシ基を(メタ)アクリ
ル酸で開環エステル化するに際して生成するヒドロキシ
ル基が存在していてもよい。多官能オリゴマーとして
は、この出願発明における特許請求の範囲(A)の線状
ポリエステルを骨格とする不飽和二重結合を有するオリ
ゴマー及び/又はポリマーに該当しないオリゴマーで、
分子構造的にエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジ
エン(メタ)アクリレート等に分けられる。
【0027】エポキシアクリレートでもっとも一般的な
ものは、式(1)
【化1】
【0028】(式中、nは1〜4であり、RはH又はC
を示す。)のビスフェノール型であり、ビスフェノ
ール骨格をビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールS等にかえたものがある。
【0029】また、式(2)
【化2】
【0030】(式中、nは0ないし3であり、RはH又
はCHを示す。)に示すようなフェノールノボラック
型のエポキシ(メタ)アクリレートも使用される。
【0031】また、エピクロルヒドリン変性(ポリ)ア
ルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ
化大豆油(メタ)アクリレートなどの脂肪族エポキシ
(メタ)アクリレート及び式(3)
【化3】
【0032】(RはH又はCHであり、Rはジカル
ボン酸の−COOH基を除いた残基を示す。)に示した
ような脂環族エポキシ(メタ)アクリレートも、要求性
能に応じて使用される。
【0033】ウレタン(メタ)アクリレートとしては、
式(4)
【化4】
【0034】(式中、nは1〜4であり、RはH又はC
であり、RはジイソシアネートのNCOを除いた
残基であり、XはポリオールのOHを除いた残基を示
す。)で示される構造の化合物が使用される。
【0035】式(4)において、イソシアネートはトリ
レンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチ
レンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等の脂
環族ジイソシアネート、ポリオールとしてはエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類、ポ
リグリコールエーテル類、エトキシ化ビスフェノールA
等のビスフェノールエーテル類、スピログリコール、カ
プロラクトン変性ジオール、カーボネートジオール等で
あり、これらジイソシアネートとポリオールの組合せで
合成されるウレタンの末端を(メタ)アクリル化した市
販のものの中から要求性能に合致したものを選択使用す
る。
【0036】またエステル(メタ)アクリレートは、
(5)
【化5】
【0037】(式中、nは1〜5であり、RはH又はC
であり、RはH又はCH=C(R)COO−で
あり、XはポリオールのOH基を除いた残基であり、Y
はジカルボン酸のCOOH基を除いた残基を示す。)に
示す一般的な構造のものであり、これも多くのものが市
販に供されており、その中から要求性能に応じて選択使
用する。
【0038】ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、
ヒドロキシル基末端を1分子中に2個以上有する液状ポ
リブタジエンを直接(メタ)アクリル酸エステル化した
ものの他に、そのヒドロキシル基をジイソシアネートを
介してヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テルと結合させた化合物が用いられる。これらは市販の
もの、例えばQuinbeam−101(日本ゼオ
ン)、TE樹脂(日本曹達)、ミケロンNU−A(早川
ゴム)等がある。多官能モノマー及び/又はオリゴマー
使用の目的は、放射線重合に際し3次元架橋を生ぜし
め、膜の硬度、光沢、耐水性、耐薬品性、耐摩擦性を付
与するためである。
【0039】上記の多官能モノマー及び/又はオリゴマ
ーは、使用に際して1種のみを使用しても差し支えない
が、多くの場合は2種以上の混合物がビヒクルの成分と
して加えられる。その使用量はビヒクルの他の成分を含
めて、溶解性、粘度などの物性のほか、硬化時の架橋密
度が要求を満たすものかどうかによって決定される。ま
た、この出願発明の主題となるアルカリ脱離性を実現す
るための、ビヒクルの酸価を目的と合致させることも、
使用量を決定する際の制約条件となる。通常の場合はビ
ヒクル100部中5〜20部であるが、余り多く用いる
と硬化時の架橋収縮による応力剥離を生じ、基材への密
着性が低下するおそれがある。
【0040】不飽和二重結合を1個有し、酸性基を有し
ないカルボン酸エステル及び/又はアミド及び/又はカ
ルボン酸イミドは、放射線硬化型樹脂組成物では一般に
モノマーといわれるものの中、1分子中に放射線重合性
不飽和二重結合が1個の「単官能モノマー」で、主とし
て組成物粘度を調整する希釈剤として使用されるもので
ある。単官能モノマーは数多く知られているが、その中
から代表的なものを挙げると、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)ア
クリレート、トルイルオキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカル
ビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等がある。また、単官能
モノマーは、分子内にヒドロキシル基、エポキシ基、リ
ン酸エステル基などの極性基を含む場合、密着性が著し
く向上するが、これらは、この出願発明においても耐水
性を低下させない程度に使用することができる。たとえ
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ブトキ
シ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カ
プロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
エチレンオキサイド変性ブトキシ化リン酸(メタ)アク
リレート等がある。これら単官能モノマーは単独もしく
は2種以上を混合して使用されるが、インキビヒクル1
00部中、5〜40部が用いられ、粘度調整は通常10
〜30部の範囲で行われる。
【0041】上記のビヒクル成分は、実験によって求め
られた望ましい比率により混合されてインキビヒクルが
製造されるが、この出願発明の主要目的であるアルカリ
水溶液によるインキ硬化物の脱離を実現するためには、
その酸価が5以上100以下となるように組成を決定す
る。こうして得られたビヒクルを用いて放射線硬化型イ
ンキとするには、光重合開始剤、光増感剤、有機及び/
又は無機顔料、その他の添加剤等を加えて目的が達成さ
れるが、EB(電子線)硬化を行う場合は、光重合開始
剤及び光増感剤は必要ではない。
【0042】紫外線重合の場合に用いられる光重合開始
剤としては多くのものが知られるが、公知のものの中か
ら代表的なものを挙げると、ベンゾフェノン、ジエトキ
シアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)
−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ベンゾインア
ルキルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケター
ル、カンファーキノン、2−エチルアンスラキノン、ベ
ンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノ
ン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、チオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソ
ン、メチルフェニルグリオキシレート、ベンゾイルホス
フィンオキサイド、1−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド等がある。同じく、公知の光増
感剤の中から代表的なものを挙げると、トリエタノール
アミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノ
ン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチル
アミノ安息香酸−n−ブトキシエチル、4−ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミル等がある。
【0043】上記の光重合開始剤は単独でも使用できる
が、多くの場合は光増感剤と併用して光重合性を向上さ
せる。光重合開始剤及び光増感剤の種類は、使用するイ
ンキヒビクル成分によって、もっとも適したものが選択
される。その基準は、硬化速度、硬化時に発生する着色
の有無、顔料配合の有無、硬化後の臭いの強弱等、目的
に応じて加味検討される。使用量はインキビヒクルに対
し、光重合開始剤及び光増感剤それぞれ1〜20部が可
能であるが、多量使用の場合は硬化は速いが分子量が大
きくならず、硬化膜の強度は低下し、また臭いも強く好
ましくない。もっとも望ましい使用範囲は、両者併用量
として2〜10部である。その場合、光重合開始剤と光
増感剤の使用比率は、ビヒクル成分の種類と成分比によ
って異なり、また後述の着色用顔料を添加したインキで
は、顔料に特異的な紫外線吸収能により両者の使用比を
変化させる必要があり一律とはならない。顔料は化学組
成的に有機顔料と無機顔料に大別されるが、用途面から
は着色顔料と無着色顔料(体質顔料)にも分けられる。
紫外線硬化に関していえば、用途面の分類の方が重用さ
れる。
【0044】着色顔料のうち、無機顔料には鉛白、亜鉛
華、硫化亜鉛、二酸化チタン等の白色顔料、群青、紺
青、コバルトブルー等の青色顔料、酸化クロム、ピリジ
アン、クロムグリーン等の緑色顔料、黄鉛、チタンイエ
ロー、黄色酸化鉄、モリブデートオレンジ、カドミウム
系顔料、弁柄等の黄〜赤色顔料、鉄黒、チタンブラッ
ク、カーボンブラック等の黒色顔料、アルミニウム粉、
ブロンズ等の金属顔料、マイカ等のパール顔料がある。
しかし、無機顔料には安全衛生面から使用を避けなけれ
ばならないものが多々あり、上記の中から無害のものが
選択使用される。有機顔料では、モノアゾ系、ジスアゾ
系、縮合アゾ系、インダントロン系、インジゴ系、チオ
インジゴ系、キナクリドン系、フタロシアニン系、ジオ
キサジン系、イソインドリノン系、ピロロピロール系等
がいずれも使用でき、放射線照射という硬化方法に即し
て、とくに退色の少ない耐光堅牢度の高い顔料を選んで
使用するのが望ましい。
【0045】上記着色顔料の使用量は、目的とする色濃
度によって変わり、大体インキ全量中0.5〜50%、
即ちビヒクル100重量部に対して、1〜100重量部
の範囲である。顔料特性としての着色力によって制約さ
れるが、代表的な白色顔料である酸化チタンの場合は1
5ないし40%、黒色顔料のカーボンブラックでは3〜
6%が通常量である。有機着色顔料では、鮮明な色を得
るには3〜10%で、紫外線による硬化の場合は4〜6
%が望ましい。この出願発明の特許請求の範囲1に記載
のビヒクルは、カルボキシル基のような極性基を多く含
むことから、一般に着色顔料の分散性は良い。しかしさ
らに良好な発色を得るには、ビヒクルに少量の顔料分散
剤を添加したものに多量の顔料を配合して、その吸油量
に起因する粘度向上を利用して物理的に粉砕圧力のかか
りやすい状態を作り出し、色材工業における一般的な媒
体分散機たとえばボールミルやロールミル等にて十分な
混練を行う。こうして得た高濃度の顔料分散体(トナ
ー)を、インキ配合の際、所定の顔料濃度となるように
不足分のビヒクルで補充調整する方法がとられる。
【0046】この出願発明で使用されるアルカリ脱離性
放射線硬化型インキ組成物には、粘度、流動性、チクソ
性等の印刷インキの特性維持、インキ肉盛保持と増量、
硬化時の収縮緩衝、表面つや消し、スリップ性付与、膜
の強度向上等の目的で、種々の無着色顔料(体質顔料)
を使用することができる。よく使用される体質顔料とし
ては、タルク、カオリン、シリカ、沈降性硫酸バリウ
ム、沈降性炭酸カルシウム、アルミナホワイト、ホワイ
トカーボン等無機体質顔料、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス、多フッ化ポリエチレンワックス
等のワックス類、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メ
ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、セルロース、コラ
ーゲン等の人工及び/又は天然高分子の微粉末である。
これらは目的に応じて自由に使用量を決定することがで
きる。この出願発明のアルカリ脱離性放射線硬化型イン
キ組成物には、硬化膜の仕上がり状態を調整するため
に、レベリング剤及び/又は消泡剤を加えることができ
る。これらは、市場で一般に販売されている諸種のレベ
リング剤、消泡剤の中から、ビヒクル成分によく相溶
し、表面平滑性の得られるものを試験によって確認して
使用する。種類や使用量は、この出願発明のインキ組成
物の内容を制約するものではなく、適宜定めればよい
が、通常レベリング剤及び/又は消泡剤の合計量として
全インキ量の0.5〜5重量%が使用される。
【0047】その他必要に応じて紫外線吸収剤、濡れ性
改良剤、酸化防止剤等も使用することができる。このよ
うにして製造されたこの出願発明で使用されるアルカリ
脱離性放射線硬化型インキ組成物を用いたインキは、主
にスクリーン印刷に用いられるが、有機溶剤を用いてよ
り低粘度に調整した場合は、フレキソ印刷及びグラビア
印刷等、他の印刷方法におけるインキとしても十分に使
用できる。
【0048】この出願発明で使用されるアルカリ脱離性
放射線硬化型インキのポリエチレンテレフタレート樹脂
上の硬化後の印刷物は、これを水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどの強アルカリ水溶液に短時間浸漬するこ
とで容易に剥離除去することができ、このときポリエチ
レンテレフタレート樹脂を加水分解するなどの激しい条
件を必要としない。脱離は溶解脱離から膜状脱離までの
諸段階があるが、これらは、(B),(C),(D)の
量比を調整することにより、目的とする性能を得ること
が可能である。いずれにしても脱離性状の選択は除去後
の廃水の処理方法によって定められるが、脱離後のポリ
エチレンテレフタレート樹脂は水洗、乾燥などの簡単な
方法で、容易に再生使用できるだけの清浄な状態で回収
できる。
【0049】前記印刷インキによりプラスチック製品に
文字、模様、図形等の印刷を施す手段としては、一般に
シルクスクリーン印刷が利用され、通常254〜330
メッシュ程度のシルクスクリーン版が使用される。ま
た、前記放射線硬化性樹脂をビヒクルとする印刷インキ
による印刷面に行われる紫外線の照射は、普通200〜
450nm程度の波長を有する高圧水銀ランプやメタル
ハライドランプ等によって施されるもので、紫外線積算
光量としては100〜500mj/cmが好適であ
る。又、通常、電子線照射の場合は10〜100KGy
の照射量で行われ、30〜60KGyが好適である。
【0050】 合成例1 実施例に用いられる側鎖に不飽和二重結合を有する線状
ポリエステルオリゴマー及び/又はポリマー(A)は、
下記の表1における(1)の共重合ポリエステルポリオ
ールを(2)の組成でウレタンアクリレート化して得た
(単位は重量部)。
【0051】
【表1】 (1)共重合ポリエステルポリオール A B (ジカルボン酸成分) テレフタル酸 30 50 イソフタル酸 30 50 オルソフタル酸 40 (グリコール成分) エチレングリコール 55 50 ネオペンチルグリコール 45 50 共重合体の分子量 1900 3000 (2)不飽和二重結合を有するオリゴマー及び/又はポリマー 共重合ポリエステルポリオール成分 A−1 B−1 A 100 B 100 (ポリイソシアネート成分) イソホロンジイソシアネート 28 27 (ヒドロキシル基含有(メタ) アクリル酸エステル) ペンタエリスリトール 40 トリアクリレート 2−ヒドロキシエチル 13 アクリレート 分子量 2500 3600
【0052】 合成例2カルボキシル基を2個以上有し、且つ側鎖に不飽和二重
結合を2個以上有する酸性オリゴマー(C) の合成につ
いて以下に3例を記す。 (a)ビスフェノールAジクリシジルエーテル190.
0g(エポキシ当量190.0)、アクリル酸75.0
g(1.05mol)、ジメチルベンジルアミン2g、
p−メトキシフェノール0.2gを温度計、撹拌器、還
流冷却器を付したフラスコに加え、均一に溶解後80℃
に加熱し、24時間保持し、酸価10.3のエポキシア
クリレートを得た。次いで無水フタル酸140.6g
(0.95mol)を加え、80℃で5時間保持し、酸
価130.7の淡黄色粘稠なビスフェノールAエポキシ
アクリレートのフタル酸エステルを合成した。 (b)エポキシノボラック樹脂190.0g(エポキシ
当量190.0)、アクリル酸75.0g(1.05m
ol)、テトラメチルアンモニウムクロライド2.0
g,p−メトキシフェノール0.2gを、上記(a)と
同様の装置に仕込み、均一に溶解した後80℃に加熱
し、24時間保持して酸価10.5のエポキシアクリレ
ートを得た。次いで無水コハク酸95g(0.95mo
l)を加え、80℃で5時間保持し、酸価145.2を
有する淡黄色粘稠なエポキシノボラックアクリレートの
コハク酸エステルを得た。 (c)グリセリントリグリシジルエーテル150g(エ
ポキシ当量150.0)、アクリル酸75.0g(1.
05mol)、テトラブチルフォスフォニウムブロマイ
ド2g、p−メトキシフェノール0.2gを(a)と同
様の装置に仕込み、均一に溶解した後80℃に加熱し、
酸価9.8のエポキシアクリレートを得た。次いで無水
ヘキサヒドロフタル酸145g(0.95mol)を加
え、80℃で5時間保持し、酸価141.3を有する淡
黄色粘稠なグリセリンエポキシアクリレートのヘキサヒ
ドロフタル酸エステルを得た。
【0053】 製造例1 合成例1 B−1の側鎖に不飽和二重結合を有する線状
ポリエステルオリゴマー24.4g、脂肪族ウレタンヘ
キサアクリレート7.8g、フッ素系マクロモノマー2
5.7g、モノアクリロイルオキシエチルフタレート
6.3g、合成例2(a)のビスフェノールAエポキシ
アクリレートのフタル酸エステル3.2g、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート2.0g、フェノキシエ
チルアクリレート14.2g、アクリロイルモルホリン
16.4gを混合した酸価17.6のビヒクル100部
に対し、ミストロンベーパータルク15部、ベンジルジ
メチルケタール10部、ジメチルアミノ安息香酸エチル
エステル5部、ポリエチレンワックス粉末3部、レベリ
ング剤(ビックケミー社 BYK−306)1部、熱重
合禁止剤フェノチアジン0.1部を混合し、これをロー
ルミルにて分散粒子径5ミクロン以下の無着色インキを
製造した。
【0054】
【実施例】
実施例1 製造例1によって得たインキを300メッシュテトロン
製スクリーン版を用いて無処理ポリエチレンテレフタレ
ート製シート上にスクリーン印刷を施し、120W/c
mメタルハライドランプにより紫外線積算光量200m
j/cmを照射し、硬化膜を得た。この硬化膜はセロ
テープによる剥離試験でまったく剥離はみられず、完全
に密着していた。同条件にて作成した硬化膜を2%水酸
化ナトリウム水溶液中に、70℃で20分間放置したと
ころ、硬化膜は膜状に脱離し、ポリエチレンテレフタレ
ート基材には印刷の痕跡がまったく見られなかった。
【0055】 製造例2 合成例1 B−側鎖に不飽和二重結合を有する線状
ポリエステルオリゴマー177gをフェノキシエチルア
クリレート118gに溶解し、これに顔料分散剤(IC
I社製ソルスパース24000/ソルスパース5000
=4/1)1.5gを混合しておき、これにヘリオゲン
ブルーL−7080(BASF社製)52.3gを加え
て、顔料分散粒子径が5ミクロン以下となるまで、ロー
ルミルで十分に混練した。こうして得られたトナーのう
ちの41.6gにジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート8.4g、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート4.6g、トリメチロールプロパントリエポキシア
クリレート4.6g、モノアクリロイルオキシエチルフ
タレート8.7g、合成例2−(c)のグリセリンエポ
キシアクリレートのヘキサヒドロフタル酸エステル2.
2g、オクタフロロペンチルアクリレート8.8g、ア
クリロイルモルホリン21.0gをよく混合し、着色イ
ンキビヒクルとした。このビヒクルの酸価は21.5で
あった。上の着色インキビヒクル100gに対し光重合
開始剤ジエチルチオキサンソン3.0g、光増感剤ジメ
チルアミノ安息香酸イソアミルエステル3.0g、沈降
性硫酸バリウム35g、フッ化プロピレンワックス3
g、レベリング剤(シャムロック社製バーサフローベー
ス)2g、熱重合禁止剤p−メトキシフェノール0.0
4gを加えてよく撹拌した後、ロールミルでよく混練し
て均質な青色インキを得た。
【0056】 実施例2 製造例2のインキを実施例1と同様に無処理のポリエチ
レンテレフタレート製シート上にスクリーン印刷を施
し、120W/cmメタルハライドランプにより紫外線
積算光量300mj/cmを照射し硬化膜を得た。こ
の硬化膜はセロテープによる剥離試験でまったく剥離は
みられず、良好な密着性を示した。同条件にて作成した
硬化膜を基材とともに2%水酸化ナトリウム水溶液中7
0℃で20分間放置したところ、硬化膜は膜状に脱離
し、ポリエチレンテレフタレート基材には印刷した痕跡
がまったく見られなかった。
【0057】製造例3 合成例1 B−1の側鎖に不飽
和二重結合を有する線状ポリエステルオリゴマー14.
2g、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート4.9g、フ
ッ素系マクロマー5.9g、モノアクリロイルオキシエ
チルサクシネート4.5g、合成例2−(b)のエポキ
シノボラックアクリレートコハク酸エステル2.5g、
トリメチロールプロパントリエポキシアクリレート3.
9g、トルイルオキシエチルアルクリレート3.9g、
フェノキシエチルアクリレート9.4g、アクリロイル
モルホリン9.8gを混合して、酸価25.8のインキ
ビヒクルを得た。さらに顔料分散剤Disperbyk
−110(ビックケミー社製)0.5gを添加して均一
に混和し、これに酸化チタン タイペークCR−580
(石原産業製)を30.0g、光重合開始剤アシルホス
フィンオキサイド6.0g、フッ化ポリオレフィンワッ
クス2.0g、レベリング剤 バーサフローベース(シ
ャムロック社製)1.5g、消泡剤 アクアレンN(共
栄社油脂製)1.0g、熱重合禁止剤p−メトキシフェ
ノール0.04gを加え、しばらく撹拌の後、ロールミ
ルを用いて顔料分散粒子径が5ミクロン以下になるまで
混練した。
【0058】 実施例3 製造例3によって得られた白インキを、実施例1と同様
の方法で無処理ポリエチレンテレフタレート製シート上
にスクリーン印刷を施し、120W/cmメタルハライ
ドランプにより紫外線積算光量300mj/cmを照
射し、硬化膜を得た。この硬化膜はセロテープによる剥
離試験でまったく剥離はみられず、良い密着性を示し
た。同条件にて作成した硬化膜を2%水酸化ナトリウム
水溶液中に70℃で30分間放置したところ、硬化膜は
膜状に脱離して液中に浮遊し、ポリエチレンテレフタレ
ート基材には印刷の痕跡がまったく見られなかった。ま
た、水酸化ナトリウム水溶液層は無色透明であった。
【0059】 実施例4 製造例1と同様にして得られたインキを使用して、アル
カリ溶液内浸漬による脱離試験を行った。なお、生産使
用現行インキとのアルカリ溶液内浸漬における脱離性の
対比もあわせて行った。試験試料として次のものを使用
した。 容器 2.7リットル無処理ポリエチレンテレフタレート製容器 重量 110g、印刷面積 150cm 表面積 900cm 使用インキ 現行インキ(A) 製造例1と同様にして得られたインキ(B) 上記の各々のインキを350メッシュのナイロン製スク
リーン版を用いて無処理ポリエチレンテレフタレート製
容器胴部の表面にスクリーン印刷を施し、120W/c
mメタルハライドランプにより紫外線積算光量150m
j/cmを照射し、各々の硬化膜を得た。この各々の
硬化膜は、セロテープによる剥離試験で全く剥離はみら
れず、よい密着性を示した。同条件にて作成した各々の
硬化膜を下記の方法にてアルカリ溶液内浸漬による脱離
試験を行った。 条件 確認項目は、自然脱離状態及びガーゼ摩擦による脱離状
態である。試験の結果についての脱離状態の評価は、ア
ルカリ溶液内浸漬による印刷部の自然脱離と浸漬後のガ
ーゼ摩擦による脱離の両方を加味し、次のようにした。 評価 ◎ 溶液内で完全に自然脱離し印刷部が残らない ○ 自然脱離・ガーゼ摩擦により印刷部が残らない △ 自然脱離・ガーゼ摩擦により印刷部が半分以上
脱離する △× 部分的に自然脱離するがガーゼ摩擦を行っても
印刷部の脱離が半分以下である × 自然脱離せずガーゼ摩擦を行っても印刷部の脱
離が半分以下である ×× ガーゼ摩擦を行うと色移りはあるが印刷部の脱
離はない ××× ガーゼ摩擦を行っても色移りもなく印刷部の脱
離もない
【0060】
【表2】
【0061】インキ(B)は、80℃水酸化ナトリウム
1%水溶液内浸漬において5分から20分の間に完全自
然脱離し、80℃水酸化ナトリウム5%水溶液内浸漬に
おいては1分から5分の間に完全自然脱離をする。ま
た、インキ(B)は、より高PH値の溶液であれば温度
が若干低くても浸漬時間を長くすることにより印刷部の
脱離が可能になる。
【0062】 実施例5 実施例4と同一の試験試料を用いて同一の方法にて作成
した印刷容器を約1cm角に粉砕し、フレーク状の材料
200kgを用意した。ついで、実際の回収ポリエチレ
ンテレフタレートフレーク精製プロセスでインキの脱離
状態を確認した。主な精製プロセスは次の通りである。 風選: サイクロンによる紙、微粉などの除却 浮沈分離: 水槽中にて比重分離 アルカリ洗浄:80℃ pH11.5〜12の水酸化ナトリウム水溶液槽 (6000リットル)にて10分、20分浸漬 水洗: 水槽にて20分洗う。 乾燥後風選 完成品 結果は次の通りである。
【0063】
【表3】
【0064】 製造例4 合成例1 B−1の側鎖に不飽和二重結合を有する線状
ポリエステルオリゴマー19.6g、フェノキシエチル
アクリレート19.7g、トルイロキシエチルアクリレ
ート6.6g、アクリロイルモルホリン16.1g、ト
リメチロールプロパントリエポキシアクリレート6.6
g、6官能ウレタンアクリレート エベクリル1290
(ダイセルユーシービー製)8.2g、モノアクリロイ
ルオキシエチルフタレート7.2g、合成例2(a)の
ビスフェノールAエポキシアクリレートのフタル酸エス
テル2.0g、及びこれにアクリロイルモルホリン7
1.0%、フッ素系ブロック共重合体モディパーF60
0(日本油脂製)20.5%、シリコン系ブロック共重
合体モディパーFS700(日本油脂製)8.5%を混
合溶解してなるブロック共重合体溶液14.0gを追加
混合撹拌し、酸価17.9の均一なビヒクルを得た。次
いでこのビヒクル92.0gに顔料分散剤アンチテラー
U(ビックケミー社製)0.2gとp−メトキシフェノ
ール0.05gを予め溶解撹拌しておき、これにラーベ
ン450(コロンビアカーボン製)1.5g、ラーベン
1350(コロンビアカーボン製)1.5g、及びチタ
ンブラック10S(三菱マテリアル製)5.0gを分散
し、ロールミルにて分散粒子径が5ミクロン以下となる
まで十分に混練を行い着色ビヒクルを得た。この着色ビ
ヒクル96.5gに対しフッ化プロピレンワックス2.
0g、レベリング剤BYK−306(ビックケミー社
製)0.5g、消泡剤アクアレンN(共栄社油脂工業社
製)1.0gを加えてディゾルバーを用いて十分なる撹
拌を行い、EB硬化用の黒色インキを製造した。
【0065】 実施例6 製造例4によって得られた黒色インキを、330メッシ
ュのスクリーン版を用いて無処理のポリエチレンテレフ
タレート製シート上に印刷し、EB照射装置CB250
/15/180L(岩崎電気社製)を用いて60KGy
(165KV、3.2mA、10m/min)の電子線
量で硬化し、タックフリーの硬化被膜を得た。このイン
キ硬化膜は、セロテープによる剥離試験でも全く剥離せ
ず良好な密着性を示し、かつ5%水酸化ナトリウム水溶
液に80℃で5分間浸漬することによって、膜状となっ
て基材から完全に脱離し、基材表面には印刷の痕跡がま
ったく見られず、アルカリ水溶液による侵蝕の形跡も観
察されなかった。
【0066】 実施例7 製造例1によって得たインキを300メッシュテトロン
製スクリーン版を用いて表面を金型により粗面化したポ
リエチレンテレフタレート製容器の表面にスクリーン印
刷を施し、120W/cmメタルハライドランプにより
紫外線積算光量200mj/cmを照射し、硬化膜を
得た。この硬化膜は容器表面を押圧による屈折を繰り返
す過酷な剥離試験においてもまったく剥離はみられず、
完全に密着していた。この容器を2%水酸化ナトリウム
水溶液中に、70℃で20分間放置したところ、硬化膜
は膜状に脱離し、ポリエチレンテレフタレート基材には
印刷の痕跡がまったく見られなかった。
【0067】 実施例8 製造例2のインキを表面を吹き付けにより粗面化したポ
リエチレンテレフタレート製容器上にスクリーン印刷を
施し、120W/cmメタルハライドランプにより紫外
線積算光量300mj/cmを照射し硬化膜を得た。
この硬化膜は容器表面を押圧による屈折を繰り返す過酷
な剥離試験においてもまったく剥離はみられず、完全に
密着していた。同条件にて作成した硬化膜を基材ととも
に2%水酸化ナトリウム水溶液中70℃で20分間放置
したところ、硬化膜は膜状に脱離し、ポリエチレンテレ
フタレート基材には印刷した痕跡がまったく見られなか
った。
【0068】 実施例9 製造例3によって得られた白インキを、水酸化ナトリウ
ム水溶液で表面を粗面化したポリエチレンテレフタレー
ト製容器上にスクリーン印刷を施し、120W/cmメ
タルハライドランプにより紫外線積算光量300mj/
cmを照射し、硬化膜を得た。この硬化膜は容器表面
を押圧による屈折を繰り返す過酷な剥離試験においても
まったく剥離はみられず、完全に密着していた。同条件
にて作成した硬化膜を2%水酸化ナトリウム水溶液中に
70℃で30分間放置したところ、硬化膜は膜状に脱離
して液中に浮遊し、ポリエチレンテレフタレート基材に
は印刷の痕跡がまったく見られなかった。また、水酸化
ナトリウム水溶液層は無色透明であった。
【0069】 実施例10 製造例1によって得たインキを300メッシュテトロン
製スクリーン版を用いて表面をフレームにより処理した
ポリエチレンテレフタレート製容器の表面にスクリーン
印刷を施し、120W/cmメタルハライドランプによ
り紫外線積算光量200mj/cmを照射し、硬化膜
を得た。この硬化膜は容器表面を押圧による屈折を繰り
返す過酷な剥離試験においてもまったく剥離はみられ
ず、完全に密着していた。この容器を2%水酸化ナトリ
ウム水溶液中に、70℃で20分間放置したところ、硬
化膜は膜状に脱離し、ポリエチレンテレフタレート基材
には印刷の痕跡がまつたく見られなかった。
【0070】 実施例11 製造例1によって得たインキを300メッシュテトロン
製スクリーン版を用いて表面をコロナ放電により処理し
たポリエチレンテレフタレート製容器の表面にスクリー
ン印刷を施し、120W/cmメタルハライドランプに
より紫外線積算光量200mj/cmを照射し、硬化
膜を得た。この硬化膜は容器表面を押圧による屈折を繰
り返す過酷な剥離試験においてもまったく剥離はみられ
ず、完全に密着していた。この容器を2%水酸化ナトリ
ウム水溶液中に、70℃で20分間放置したところ、硬
化膜は膜状に脱離し、ポリエチレンテレフタレート基材
には印刷の痕跡がまったく見られなかった。
【0071】 実施例12 製造例1によって得たインキを300メッシュテトロン
製スクリーン版を用いて表面を紫外線照射により処理し
たポリエチレンテレフタレート製容器の表面にスクリー
ン印刷を施し、120W/cmメタルハライドランプに
より紫外線積算光量200mj/cmを照射し、硬化
膜を得た。この硬化膜は容器表面を押圧による屈折を繰
り返す過酷な剥離試験においてもまったく剥離はみられ
ず、完全に密着していた。この容器を2%水酸化ナトリ
ウム水溶液中に、70℃で20分間放置したところ、硬
化膜は膜状に脱離し、ポリエチレンテレフタレート基材
には印刷の痕跡がまったく見られなかった。
【0072】
【発明の効果】この出願発明により、製品にデザインや
マークを入れ加飾印刷された表示部分が、その流通過程
において脱離あるいは汚染されて商品イメージを損なう
ことはなく、一方、回収後にはアルカリ水溶液で処理し
膜状に脱離することにより、回収基材を印刷されていな
い清浄な状態にすることが可能である。したがって、回
収基材を純粋な状態で再使用することができるので、こ
れまでのように特定された用途のみではなく、本来の材
料の用途に使用することができる。しかも、アルカリ性
廃水の中に含まれる塗装膜は、膜状で脱離するので、脱
離膜を濾過により除去することができ、また、時間とと
もに溶解し、あるいは、サイクロン等による風選によっ
て基材とは完全に分離された形で捕捉されるので、環境
中に流出あるいは飛散することが少なく、処理が容易に
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 串田 秀男 東京都江東区大島3丁目2番6号 株式 会社 吉野工業所内 (72)発明者 宮 隆 東京都江東区大島3丁目2番6号 株式 会社 吉野工業所内 (72)発明者 古塩 秀一 東京都江東区大島3丁目2番6号 株式 会社 吉野工業所内 (72)発明者 早川 忠司 東京都江東区大島3丁目2番6号 株式 会社 吉野工業所内 (56)参考文献 特開 昭62−112665(JP,A) 特開 平4−117469(JP,A) 特開 昭63−317571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 1/30 C08F 2/48 C08F 299/04 C09D 11/10

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)骨格が重合性二重結合を有さず、
    実質的に酸性基を有しない線状ポリエステルであって、
    1〜10個の不飽和二重結合を側鎖に有するオリゴマー
    及び/又はポリマー (B)分子内に少くとも1個の酸性基を有し、不飽和二
    重結合を1個有するカルボン酸及び/又はカルボン酸エ
    ステル及び/又はカルボン酸アミド (C)分子内に酸生基を2〜10個有し、且つ不飽和二
    重結合を2個以上有するポリカルボン酸エステル (D)フッ素を有する不飽和二重結合含有カルボン酸エ
    ステル及び/又はフッ化アルキル基を有する重合体セグ
    メントと(メタ)アクリル系重合体セグメントとのブロ
    ック共重合体及び/又はシロキサン基を有する重合体セ
    グメントと(メタ)アクリル系重合体セグメントとのブ
    ロック共重合体 (E)不飽和二重結合を2個以上有し、酸性基を有さ
    ず、且つ、(A)成分に含まれないカルボン酸エステル (F)不飽和二重結合を1個有し、酸性基を有しないカ
    ルボン酸エステル及び/又はカルボン酸アミド及び/又
    はカルボン酸イミド上記(A)〜(F)を含むビヒクル
    からなる放射線硬化型インキ組成物をベースとしたイン
    キによる印刷を施し、次いで、前記印刷面に放射線照射
    処理を施すことにより、前記印刷インキを硬化させたこ
    とを特徴とする、放射線硬化型インキにより印刷された
    熱可塑性樹脂製品。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、重合性不飽和二重結合を
    含まない線状ポリエステルポリオールと、ポリイソシア
    ネート化合物と、 (メタ)アクリロイル基及び活性水
    素基を有する化合物とから合改されるオリゴマー及び/
    またはポリマーであることを特徴とする請求項1に記載
    の放射線硬化型インキにより印刷された熱可塑性樹脂製
    品。
  3. 【請求項3】 (A)成分の線状ポリエステルポリオー
    ルが、芳香族ジカル ボン酸と及び/または脂肪族ジカル
    ボン酸及び/または脂環式ジカルボン酸と、グリコール
    及び/またはトリオール及び/またはテトラオールから
    合成されることを特徴とする請求項2に記載の放射線硬
    化型インキ組成物により印刷された熱可塑性樹脂製品。
  4. 【請求項4】 (C)成分が、ポリエポキシ化合物と
    (メタ)アクリル酸との反応物である多官能エポキシア
    クリレートへの環状酸無水物の付加化合物であることを
    特徴とする請求頂1〜3のいずれかに記載の放射線硬化
    型インキ組成物により印刷された熱可塑性樹脂製品。
  5. 【請求項5】 (B)成分が(C)成分よりも少ないこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放射線
    硬化型インキ組成物により印刷された熱可塑性樹脂製
    品。
  6. 【請求項6】 ビヒクルの酸価が5以上100以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放
    射線硬化型インキ組成物により印刷された熱可塑性樹脂
    製品。
  7. 【請求項7】 光重合開始剤及び/又は、光増感剤及び
    /又は、有機及び/又は無機顔料を含むことを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の放射線硬化型インキ
    組成物により印刷された熱可塑性樹脂製品。
  8. 【請求項8】 ビヒクル100部に対し、光重合開始剤
    0〜20部、光増感剤0〜20部、有機及び/又は無機
    顔料0〜100部を含むことを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の放射線硬化型インキ組成物により印
    刷された熱可塑性樹脂製品。
  9. 【請求項9】 ビヒクル100部に対して有機及び/又
    は無機顔料が1〜100分であることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載の放射線硬化型加飾インキ組
    成物により印刷された熱可塑性樹脂製品。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂製品がポリエチレンテレ
    フタレート製品であることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の熱可塑性樹脂製品。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂製品に、(A)骨格が重
    合性二重結合を有さず、実質的に酸性基を有しない線状
    ポリエステルであって、1〜10個の不飽和二重結合を
    側鎖に有するオリゴマー及び/又はポリマー (B)分子内に少くとも1個の酸性基を有し、不飽和二
    重結合を1個有するカルボン酸及び/又はカルボン酸エ
    ステル及び/又はカルボン酸アミド (C)分子内に酸性基を2〜10個有し、且つ不飽和二
    重結合を2個以上有するポリカルボン酸エステル (D)フッ素を有する不飽和二重結合含有カルボン酸エ
    ステル及び/又はフッ化アルキル基を有する重合体セグ
    メントと(メタ)アクリル系重合体セグメントとのブロ
    ック共重合体及び/又はシロキサン基を有する重合体セ
    グメントと(メタ)アクリル系重合体セグメントとのブ
    ロック共重合体 (E)不飽和二重結合を2個以上有し、酸性基を有さ
    ず、且つ、(A)成分に含まれないカルボン酸エステル (F)不飽和二重結合を1個有し、酸性基を有しないカ
    ルボン酸エステル及び/又はカルボン酸アミド及び/又
    はカルボン酸イミド上記(A)〜(F)を含むビヒクル
    からなる放射線硬化型インキ組成物をベースとしたイン
    キによる印刷を施し、次いで、前記印刷面に放射線照射
    処理を施すことにより、前記印刷インキを硬化させたこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂製品の印刷方法。
  12. 【請求項12】 (A)成分が、重合性不飽和二重結合
    を含まない線状ポリエステルポリオールと、ポリイソシ
    アネート化合物と、(メタ)アクリロイル基及び活性水
    素基を有する化合物とから合成されるオリゴマー及び/
    またはポリマーであることを特徴とする請求項11に記
    載の熱可塑性樹脂製品の印刷方法。
  13. 【請求項13】 (A)成分の線状ポリエステルポリオ
    ールが、芳香族ジカルボン酸及び/または脂肪族ジカル
    ボン酸及び/または脂環式ジカルボン酸と、グリコール
    及び/またはトリオール及び/またはテトラオールから
    合成されることを特徴とする請求項11に記載の熱可塑
    性樹脂製品の印刷方法。
  14. 【請求項14】 (C)成分が、ポリエポキシ化合物と
    (メタ)アクリル酸との反応物である多官能エポキシア
    クリレートへの環状酸無水物の付加化合物であることを
    特徴とする請求項12〜13のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂製品の印刷方法。
  15. 【請求項15】 (B)成分が(C)成分よりも少ない
    ことを特徴とする請 求項14に記載の熱可塑性樹脂製品
    の印刷方法。
  16. 【請求項16】 ビヒクルの酸価が5以上100以下で
    あることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂製品の印刷方法。
  17. 【請求項17】 光重合開始剤及び/又は、光増感剤及
    び/又は、有機及び/又は無機顔料を含むことを特徴と
    する請求項12〜16のいずれかに記載の熱可塑性樹脂
    製品の印刷方法。
  18. 【請求項18】 熱可塑性樹脂製品の表面を処理した後
    に印刷することを特徴とする請求項12〜17のいずれ
    かに記載の即刷方法。
  19. 【請求項19】 表面処理が、吹き付け、金型の粗面
    化、薬品処理、フレーム処理、コロナ放電処理、紫外線
    照射処理、電子線照射処理、プラズマ処理あるいはアン
    カーコートであることを特徴とする請求項18に記載の
    印刷方法。
  20. 【請求項20】 熱可塑性樹脂製品がポリエチレンテレ
    フタレート製品であることを特徴とする請求項12〜1
    9のいずれかに記載の印刷方法。
  21. 【請求項21】 請求項1〜10のいずれかに記載の印
    刷された放射線硬化型インキ組成物の膜をアルカリ水溶
    液によって、溶解もしくは膨潤剥離することを特徴とす
    る熱可塑性樹脂製品に印刷された放射線硬化型インキの
    脱離方法。
  22. 【請求項22】 熱可塑性樹脂製品がポリエチレンテレ
    フタレート製品であることを特徴とする請求項19に記
    載された脱離方法。
  23. 【請求項23】 請求項12〜20のいずれかに記載の
    印刷方法によって印刷し、印刷された放射線硬化型イン
    キ組成物の膜をアルカリ水溶液によって、溶解もしくは
    膨潤剥離することを特徴とする熱可塑性樹脂製品に印刷
    された放射線硬化型インキの脱離方法。
  24. 【請求項24】 熱可塑性樹脂製品がポリエチレンテレ
    フタレート製品であることを特徴とする請求項23に記
    載された脱離方法。
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