JP2988987B2 - ワイヤカット放電加工機の自動結線装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工機の自動結線装置

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JP2988987B2 JP2230183A JP23018390A JP2988987B2 JP 2988987 B2 JP2988987 B2 JP 2988987B2 JP 2230183 A JP2230183 A JP 2230183A JP 23018390 A JP23018390 A JP 23018390A JP 2988987 B2 JP2988987 B2 JP 2988987B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、ワイヤカット放電加工器の自動結線装置
(以下、必要に応じAWT−Automatic Wire Threading−
装置と略記する。)に係り、特に作業開始時又は断線後
の作業再開時にガイドパイプを用いて加工開始孔(init
ial hole)にワイヤを挿通するためにガイドパイプが被
加工物方向に往動した際に、被加工物とガイドパイプ先
端とが衝突するのを防止するガイドパイプ保護機構と多
少の開始孔との位置ずれがあった場合でも適正かつ確実
にガイドパイプを開始孔に挿入することを許容するガイ
ドパイプ適正挿入許容手段を備えたAWT装置に関する。
(従来の技術) 近年、ワイヤカット放電加工作業の迅速化及び無人化
を図るためAWT装置が広く利用されるようになってきて
いる。このAWT装置については、特許庁の藤本信男氏に
より雑誌『応用機械工学』の1986年7月号のPP186−189
に『特許ハイライト−放電加工機のワイヤ自動供給』と
題して詳細な考察が為されている。この明細書に記載さ
れた技術は、この記事においては、ガイドパイプによる
ワイヤの挿入を実現する技術(以下、パイプガイド方式
とする)として紹介されており、例えば特開昭55−1644
38号(特公昭62−11970号)が例示されている。このパ
イプガイド方式のAWT装置の他の先行例としては、特開
昭56−89436号(特公昭63−31333号)及び特開平2−16
0422号がある。
第12図は,従来のワイヤカット放電加工機の一例を示
す斜視図であり、同図において、AWT装置1は、ワイヤ
2を被加工物3(以下、ワークとする)方向に供給する
ための1対のローラ4a及び4bと上部案内コマ4cよりなる
ワイヤ送り機構4と、ワイヤ2をその中に挿通させてワ
ーク3の図示されない開始孔に案内するガイドパイプ5
と、このパイプ5の上端が固定されてパイプ5を昇降さ
せる昇降機構6と、昇降機構6を上下に駆動するための
駆動機構7と、ワイヤ2を案内すると共に必要に応じて
ワイヤ2の切断を行う切断機構8と、ワイヤ2を案内す
るワイヤガイド及び放電加工時に電極としてのワイヤ2
に放電パルス電流を供給する給電コマが内部に設けられ
たワイヤ案内・給電機構9とより概略構成されている。
昇降機構6は、送り機構4と切断機構8との間に固定
された固定レール6aと、この固定レール6aの案内溝に案
内部が係合した溝方向に往復動する可動部材6bとより構
成されている。
駆動機構7としては種々のものが考えられるが、ここ
ではベルト及びプーリが用いられている。即ち、その両
端が可動部材6bの上端及び下端に夫々固定された動力伝
達用のベルト7aと、このベルト7aを夫々案内する上プー
リ7b及び下プーリ7cと、可動部材6bを固定レール6aの溝
に沿わせてなるべくぶれることの無いように滑動させる
ために固定レールの上下端に回転自在に固定された上下
の案内ロール7d及び7eとより構成されている。
また、案内・給電機構9は前記ワイヤガイド及びコマ
状の給電体を収容し下端部にノズル部が形成された筒体
9aと、この筒体9aを固定するための支持枠9bとにより構
成されている。
上記構成を有する従来のAWT装置1は、ワイヤ2の開
始又は切断先端を上部案内コマ4cの案内孔に挿通した
後、図示されないモータを回転駆動させて送りローラ4a
及び4bを送り方向に回転させてワーク3方向に供給す
る。このとき、昇降機構6は可動部材6bが最上部に位置
するように上昇させられている。送りローラ4a及び4bが
回転してワイヤ2の先端がワーク3側に送られてきたと
きに、この可動部材6aの上端よりその上端が多少突出し
ているパイプ5の上端が、ワイヤ2の先端を捕捉してパ
イプ5内にワイヤ2が挿通される。
その後、ワイヤ2はローラ4a及び4bの回転に伴いパイ
プ5の下端開口部より突出する少し手前まで送り込まれ
る。これと同時に昇降機構6は駆動機構7の駆動に基づ
き下降し始めることにより、パイプ5は切断機構8の案
内孔から案内・給電機構9の案内孔を介しワーク3の開
始孔3a内に挿通される。さらにワイヤ2は、継続的にロ
ーラ4a及び4bの回転により送り込まれ、ワーク3の下側
に設けられた図示されないワイヤ引出し用の下部ローラ
の間に挾まれるようにして引き出される。
その後、ワイヤ供給方向変更用の図示されないプーリ
を介してやはり図示されない巻取リールによりワイヤ2
の先端が巻き取られた後、駆動機構7により昇降機構6
が再度上昇させられてパイプ5の下端が図示のように切
断機構8の案内孔よりも上方まで引上げられたところで
停止し、ワイヤ2の張設が完了する。ワーク3は図示さ
れないXYテーブルにより所望の加工形状をトレースする
ように移動させられると共に案内・給電機構9を介して
放電パルス電流が供給されることにより、ワイヤカット
放電加工が行われる。
(発明が解決しようとする課題) 上記構成により上述のように動作する従来のワイヤカ
ット放電加工機におけるAWT装置は、以下のような問題
点を有していた。
まず、ガイドパイプ5内にワイヤ2が挿入されて、昇
降機構6の可動部材6bが下降して、パイプ5の下端面が
ワーク3の上面にまで到達した時点で、先端5bと加工開
始孔3aと位置が何らかの理由で完全に食い違ってしまっ
た場合、そのまま可動部材6bが下降を続けると、パイプ
5が途中で屈曲したりパイプ先端5bが破壊されたりして
損傷してしまうという問題点があった。
このため、パイプ先端5bに必要以上の力が加わったと
きに、可動機構6bの下降を停止させるフェイルセイフ機
構を取付ける対応策が考えられるが、ただ単にパイプ5
の下降を停止させてしまうだけであれば、パイプ5の反
り又は撓み等で位置ずれを修正してワイヤ2の張設が可
能な場合にも、一方的にパイプ5の下降を停止させてし
まうこととなり、作動の迅速性を損なうという問題もあ
った。
また、夜間に連続的に多数の加工を行なう際に、結線
を失敗すると本機の運転が停止されてしまい、ワイヤカ
ット放電加工機の稼働率を著しく低下させるという問題
もあった。
この発明は、ガイドパイプの先端とワークとの当接又
は衝突した際にパイプを保護すると共に、ガイドパイプ
と開始孔の多少の位置ずれや開始孔に残されたバリ等に
影響されずにガイドパイプを挿通することによりワイヤ
の結線作業の迅速化及び確実化を図ることのできるワイ
ヤカット放電加工機の自動結線装置を提供することを目
的としている。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明に係るワイヤカット
放電加工機の結線装置は、放電加工時にワイヤ電極とな
るワイヤを被加工物方向に順次供給するワイヤ送り機構
と、この送り機構の出口側に設けられて往復運動により
前記ワイヤの先端を前記被加工物の加工開始孔に案内す
るガイドパイプと、より構成されるものにおいて、前記
ガイドパイプは少なくともその先端が可撓性の材料によ
り形成されると共に、前記ガイドパイプを前記開始孔に
挿入する際に前記ガイドパイプ先端が前記被加工物に衝
突したときに、パイプ先端に破壊の虞れがない場合にそ
のまま移動を続けて該開始孔へのパイプの適正な挿入を
許容するためパイプ先端に向かい先細りとなった案内部
を設け、前記ガイドパイプが前記開始孔に挿入される際
に前記ガイドパイプを回転させるパイプ回転機構を設け
たものである。
また、好ましくは、前記ガイドパイプを前記開始孔に
挿入する際に該ガイドパイプ先端が前記被加工物に衝突
したことを検知する衝突検知器と、該衝突検知器がガイ
ドパイプ先端の衝突を検知したときに該ガイドパイプが
破損する虞れのある場合にはガイドパイプの移動を停止
させるパイプ保護手段とを備える。
また、放電加工時にワイヤ電極となるワイヤを被加工
物方向に順次供給するワイヤ送り機構と、この送り機構
の出口側に設けられて往復運動により前記ワイヤの先端
を前記被加工物の加工開始孔に案内するガイドパイプ
と、より構成されるものにおいて、前記ガイドパイプの
少なくともその先端に設けられ該ガイドパイプを開始孔
に挿入する際に該ガイドパイプ先端が前記被加工物に衝
突したときにパイプ先端に破壊の虞れがない場合にその
まま移動を続けて該開始孔へのパイプの適正な挿入を許
容するためパイプ先端に向かい先細りとなると共に可撓
性の材料により形成された案内部と、前記被加工物を回
動させる二次元位置調整機構と、前記ガイドパイプを開
始孔に挿入する際に該ガイドパイプ先端が前記被加工物
に衝突したことを検知する衝突検知器と、該衝突検知器
の検知したガイドパイプ先端の加工開始孔周辺への衝突
に基づいてガイドパイプの昇降手段と前記二次元位置調
整機構との駆動を制御する駆動制御装置と、を設けても
良い。
(作 用) この発明は以上のように構成したので、放電加工開始
前に供給リールから送り機構により供給されるワイヤの
先端を、ガイドパイプのワイヤ挿入口に挿通させた後、
ガイドパイプが下降してパイプ先端が被加工物に穿設さ
れた加工開始孔に位置決めされる際に、パイプが被加工
物の上面に当接ないしは衝突しようとすると、前記衝突
検知器がこれを検知すると共に、パイプに破壊や損傷の
発生する虞れがある場合には、パイプの下降が停止され
る。
また、たとえパイプ先端と前記開始孔の縁とが当接な
いしは接触する虞れがある場合であっても、両者の位置
ずれの度合い又は量が大きくなくパイプの反り又は撓み
を利用してパイプの破損を回避可能のようならば、ガイ
ドパイプはそのまま下降させられる。これにより、可撓
性の材料により形成されると共に先端に向かって先細り
の案内部を有するパイプ先端は一応開始孔内に導かれ、
パイプの反りや撓みを利用してそのまま被加工物の下側
にまで突き抜けることになる。
このとき、パイプ適正挿入許容手段をパイプを回転駆
動するパイプ回転機構により構成すると共にパイプ先端
に案内手段をも形成しておけば、先端と開始孔内周壁と
が多少接触したとしても、より完全にパイプ先端の接触
ないし当接の回避を行うことが可能となる。
(実施例) 以下、添付図面に基づいてこの発明に係るワイヤカッ
ト放電加工機の自動結線装置の幾つかの好適な実施例を
詳細に説明する。
第1図ないし第5図は、この発明の第1実施例による
自動結線(AWT)装置を示しており、各図において第12
図と同一符号を付した構成部材は従来のAWT装置の構成
要素と同一又は相当するものを示している。
第1図において、第1実施例によるAWT装置は、図示
されないワイヤ送り機構と、ガイドパイプ5と、パイプ
昇降機構10とを有している。
昇降機構10は、略々垂直方向に延長して敷設された案
内レール11と、例えばベルト7a及びプーリ7b及び7c等を
備えた駆動機構7により昇降駆動される可動部材12と、
ガイドパイプ5と前記可動部材12とを固定する固定部材
13とより概略構成されている。この可動部材12は昇降駆
動されると共にパイプ5の回転機構のケーシングとして
も機能している。
即ち、可動部材12は、第2図に示すように、パイプ回
転機構15をその内部に有しており、この回転機構15は、
昇降する可動部材12内に回転自在に支持されるパイプ保
持体16と、この保持体16にガイドパイプ5を締付け固定
するための前記固定部材13と、可動部材12の内部に収納
された保持体16をケーシングである前記可動部材12に対
して回転自在に支持するベアリング17と、可動部材12の
内部にやはり収納されたプーリ機構18と、回転駆動用の
モータ19とより構成されている。
前記ベアリング17は、パイプを回転させながら昇降す
る可動部材12の内壁に固定されるアウターレース17a
と、保持体16の外周に固定されるインナーレース17b
と、両レース17a及び17bの間で回転する転動球17cとよ
り構成されている。
前記プーリ機構18は、前記保持体16の下部側に固定さ
れた第1のプーリ18aと、前記モータ19の出力軸19aに固
定された第2のプーリ18bと、両プーリ18a及び18bの間
に懸架されたベルト18cとより構成されている。
なお、固定部材13は、内周面に雌ねじ部がねじ切りさ
れたカップラ13aと、保持体72の下端に開口するテーパ
孔に合致する截頭円錐形状の周面を有する締付けパイプ
13bとより構成されており、この締付けパイプ13bには軸
方向のスリ割り溝(図示されず)が形成されている。
前記ガイドパイプ5の上端のワイヤ挿入口5aは、可動
部材12のパイプ挿通口12aに緩みをもって挿通されてお
り、パイプ5が回転してもケーシングとしての可動部材
12により干渉されることはない。このパイプ挿入口5a内
には、固定パイプ20がパイプ5をスライド自在とするよ
うに固定されている。この固定パイプ20は、パイプ保持
用の円筒体21a及び21bよりなるパイプ保持体21により一
定の位置に固定されている。
なお、詳細な説明は控えるが、第12図に示されるAWT
装置における送り機構4のローラ4a及び4bの出口側とこ
の固定パイプ20の保持体21の上端との間の間隙が大きく
てワイヤの座屈を招く虞れがある場合には、座屈防止機
構22を設けるようにしてもよい。座屈防止機構22は、図
示されない偏心回転体がその内部に収納されたケーシン
グ23と、このケーシング23に固定されて該回転体を回転
駆動するモータ24とを備えている。偏心回転体の回転機
構の構成としては、パイプ用の回転機構15のそれと略々
同一の構成によればよい。
ガイドパイプ5の先端5aの構造については、第1図及
び第5図に示すように、パイプ先端5bの外周側にテーパ
状案内部5cが形成されている。このテーパ部5cは、パイ
プ5が下降してワーク3の開始孔3に挿入される際、先
端5bが加工開始孔3aの縁に当接しても傾斜周面がこの縁
部分を滑って開始孔内にパイプ全体を案内するので、パ
イプ挿入案内部として機能する。
次に、この発明の第1実施例に係るAWT装置の動作に
ついて、説明する。
まず、前記昇降機構10の可動部材12により支承される
パイプ回転機構15が回転を続けながら下降することによ
り、ワイヤ2はワーク3の加工開始孔3aにセットされ
る。このワイヤ2のセット時の状態が、第3図及び第4
図に示されている。
なお、この第1実施例の場合、上述したガイドパイプ
5の先端5bのテーパ状案内部5cと上記回転機構15とによ
り、パイプ適正挿入許容手段或いは先端保護手段が構成
されている。
上記構成により、第3図及び第4図に示すように、ワ
イヤ2をワーク3の加工開始孔3a内にセットする際に、
ガイドパイプ5の先端5bが開始孔3aよりも多少外れてい
てもパイプ5の回転と先端のテーパ状案内部5cとによ
り、先端5bが孔3a内に案内される。昇降機構10としての
可動部材12が下降し、この下降に伴って回転機構15が回
転することにより、第4図に示すように、パイプ5の先
端5bが開始孔3aの縁部分に多少接触したとしても、パイ
プ5は若干の撓みを以て孔3a内に案内される。このた
め、第3図及び第4図に示される程度のワーク3の上面
とパイプ5との位置ずれに対しては、この回転機構及び
先端のテーパ状案内部により充分対応できる。
また、第4図に示されるような状態で、ガイドパイプ
5がワーク3の開始孔3aを通過した場合においては、ガ
イドパイプ5の中心と図示されない下側ワイヤガイド孔
とは一致していないが、ワイヤガイド孔上部に逆円錐形
状のガイドパイプ誘導部が設けられており、パイプ5の
先端5bはこの誘導部に沿ってワイヤガイドのガイド孔の
中心方向に導かれる。
さらに、ガイドパイプ先端5bがワーク3の上面に衝突
すると、後述する衝突検知器が作動してガイドパイプが
再下限位置に到達する前であってもパイプ5の下降が停
止される。上記検知器からの検知信号は図示されないNC
装置に供給され、NC装置は予め設定されている加工開始
孔の径情報に基づいて開始孔3aの半径程度の回動指令を
図示されないXYテーブルに出力する。このテーブルの回
動によりガイドパイプ5とワーク3との接触が回避さ
れ、衝突検知機構内に設けられたスプリングの付勢力に
よりガイドパイプ5は下降すると、検知信号が停止す
る。同時にXYテーブルの回動も停止され、昇降機構10が
再び駆動されてガイドパイプ5が更に下降する。なお、
上記テーブルの回動が為されたにも拘らず、検知信号の
送出が停止されない場合には、結線が良好に行われてい
ないことを示すエラー信号が生成されて、AWT装置は結
線動作を中止する。
なお、パイプ5の先端5bの外周形状については、パイ
プ5が回転しながら降下することを考えると第1実施例
のようなテーパ状であることが最も望ましいが、必ずし
もこれに限定されることはない。
例えば、第6図及び第7図に示す第2実施例のよう
に、パイプ先端5bの形状は、パイプ5の下端面を斜めに
切断した傾斜状案内部5dとしてもよい。このようなパイ
プ先端5bの形状であっても、パイプ5の回転を伴う下降
によりワークの開始孔3a内にパイプ5が挿通される際
に、孔内へのパイプの挿入を案内する機能を果たすこと
ができる。
さらに、第8図及び第9図に示す第3実施例のよう
に、先端5bにテーパ状案内部5cと傾斜状案内部5dとの両
方を形成してもよい。
なお、上記回転機構15の具体的な構成として、プーリ
機構18を用いるものとして説明したが、この発明はこれ
に限定されず、パイプ保持体16を回転させるためピニオ
ンギアを備えたラック機構を用いてもよく、さらに他の
機構として歯車機構を用いてもよい。
第10図には、この発明の第4実施例としての衝突検知
機構が示されている。この検知機構30は、図示されない
昇降機構により上下に往復動自在に設けられた略々円筒
状の可動部材32と、この可動部材32内に設けられてセン
サとして機能する導電リング33と、可動部材32の下端部
より突出して第1実施例と同一構成の固定部材31との螺
合によりガイドパイプ5を締め付け固定するためのパイ
プ保持体36と、この保持体36の上端面と上記可動部材32
の内側上底部との間に介装されて常時保持体36を下方に
付勢するスプリング34と、より概略構成されている。前
記導電リング33と保持体36とは電圧検出器35に接続され
ており、リング33と保持体36とが接触することにより、
電圧検出器35より図示されない昇降駆動機構に対して駆
動停止信号が出力されるように構成されている。
なお、上記第1実施例においても、その概略が示され
ていた偏心回転体によるワイヤ座屈防止機構22が、この
第4実施例では詳細に図示されているので、その構成及
び動作について説明する。
前記防止機構22は、箱状のケーシング23と、このケー
シング23内にワイヤ2の正規の通過軌跡を回転中心軸と
して回転自在に支承されると共に前記軌跡から偏心して
穿設された偏心孔25aを有する偏心回転体25と、この回
転体25を回転自在に支承するベアリング26と、回転体25
を回転させる回転機構27と、回転機構27に駆動力を与え
る駆動機構としての前記モータ24とより構成されてい
る。
前記ベアリング26は、前記ケーシング23の内壁に固定
されるアウターレース26aと、前記回転体25の外周に固
定されたインナーレース26bと、両レース26a及び26b間
に転動自在に複数個設けられた転動球26cとより構成さ
れている。
前記回転機構27は、前記偏心回転体25の外周側の下端
よりの部分に固定されたプーリ27aと、前記モータ24の
出力軸24aに取り付けられたプーリ27bと、両プーリ27a
及び27b間に掛けられたベルト27cとより構成されてい
る。
なお、ケーシング23と可動部材32の間には、可動部材
32が最上部位置まで上昇して停止したときの間隙から、
ワイヤ先端が逸れたり座屈を起こしたりするのを防止す
るために、固定パイプ20及びパイプ保持体21が設けられ
ているのは第1実施例と同様である。
上記構成を有する第4実施例の動作について説明す
る。送り機構の2つのローラ4a及び4bがワイヤ2の先端
2aを下方に供給すると、モータ24及び回転機構27により
偏心回転体25が回転し、偏心孔25aの内壁との当接又は
接触により先端の逸れや途中の座屈等を矯正されなが
ら、ワイヤは円筒体21aの漏斗状の受入れ口を介して固
定パイプ20内に挿入される。その後、ガイドパイプ5の
先端5bよりワイヤ先端2aが突出する少し手前の状態で、
図示されない昇降機構が駆動されて可動部材32が下降す
る。パイプ5とワーク3の加工開始孔3aとの互いの位置
が一致している場合には、ガイドパイプ5は問題無く開
始孔3a内に挿入されるが、第10図に示すように、パイプ
5と開始孔3aとの位置が大幅にずれている場合には、パ
イプ先端5bがワーク3の上面に当接したときガイドパイ
プの下降は停止し保持体36も停止するが、昇降機構の可
動部材32はスプリング34の付勢力に抗して下降し、前記
導電リング33と保持体36とが接触することにより、電圧
検出器35が可動部材32の昇降駆動機構(図示されず)に
検知信号を送出する。なお、電圧検出器35は、パイプ5
とワーク3の衝突を検知すると同時にガイドパイプの
径,材質等を考慮したガイドパイプの機械的強度からス
プリングの強度を適宜選択することによりガイドパイプ
が破損する限界を検知するものであるから、単なる停止
信号として機能するだけでなく、昇降機構を逆転させる
逆転指令信号として機能するように構成してもよい。
なお、上述した第1及び第4実施例においてはパイプ
適性挿入許容手段ないしはパイプ保護機構としてパイプ
回転機構15又は衝突検知機構30の何れか一方ずつを別々
に設けるものとして説明したが、この発明はこれに限定
されない。例えば、第11図に示される第5実施例は、両
機構15及び30を1本のガイドパイプ5の周囲に併設する
ように構成する。この場合、パイプ回転機構15と衝突検
知機構30とは、昇降に関しては一体的に動作し、パイプ
保持体16より下側の部分は回転機構17により一体に回転
する。従って電圧検出器35を設ける位置及びこれと保持
体36及びリング33との電気的な接続方法については、検
知機構30全体の回転の障害とならないように配慮されて
いる。なお、パイプ5の先端5bには、テーパ状案内部5c
が形成されている。
この第5実施例によれば、ガイドパイプ5は開始孔3a
に対して、全く位置ずれしている場合には、検知機構30
によりその下降を停止され、僅かに位置ずれしている場
合には、パイプ先端の案内部5cとパイプ回転機構15の回
転とにより、確実に開始孔3a内に挿入され、更に検出器
35からの信号に基づいてNC装置がXYテーブルに回動を指
令することにより開始孔との位置ずれが自動的に補正さ
れ、より完全な自動化が図れる。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、この発明に係るワイヤカ
ット放電加工機の結線装置は、放電加工時にワイヤ電極
となるワイヤを被加工物方向に順次供給するワイヤ送り
機構と、この送り機構の出口側に設けられて往復運動に
より前記ワイヤの先端を前記被加工物の加工開始孔に案
内するガイドパイプと、より構成されるものにおいて、
前記ガイドパイプは少なくともその先端が可撓性の材料
により形成されると共に、前記ガイドパイプを前記開始
孔に挿入する際に該ガイドパイプ先端が前記被加工物に
衝突したときに、前記ガイドパイプ先端に破壊の虞れが
ない場合にそのまま移動を続けて該開始孔へのパイプの
適正な挿入を許容するためパイプ先端に向かい先細りと
なった案内部を設け、前記ガイドパイプが前記開始孔に
挿入される際に前記ガイドパイプを回転させるパイプ回
転機構を設けたので、ガイドパイプを被加工物の加工開
始孔に挿入する際に、パイプと開始孔との位置が著しく
ずれている場合にはパイプの下降を停止させ、両者のず
れが僅かな場合にはそのまま先端が可撓性のパイプの反
りやたわみを利用して挿入することができ、パイプ先端
の破損を防止できるという効果がある。
また、単にパイプの挿入を停止させるだけでなく、状
況に応じてパイプを停止させたりそのままパイプの撓み
等を利用して挿入したりしているので、結線作業の迅速
化を図れる。
以上のように本発明によれば、ガイドパイプの先端が
被加工物の上面に当接または衝突してガイドパイプが破
損されることを防止し、かつ、ガイドパイプと加工開始
孔との多少の位置ずれや加工開始孔に残されたバリ等に
影響されずにガイドパイプを挿通することができ、結線
作業をより迅速かつ確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るワイヤカット放電加工機の自動
結線(AWT)装置の第1実施例を示す概略斜視図、第2
図は第1実施例の詳細構成を示す断面図、第3図乃至第
5図は第1実施例によるAWT装置の動作をガイドパイプ
先端と共に示す部分断面図及び断面図、第6図及び第7
図はこの発明の第2実施例によるAWT装置のガイドパイ
プ先端を示す断面図及び斜視図、第8図及び第9図は第
3実施例によるAWT装置のガイドパイプ先端を示す断面
図及び斜視図、第10図はこの発明の第4実施例によるAW
T装置を示す断面図、第11図はこの第5実施例によるAWT
装置を示す断面図、第12図は従来のAWT装置の概略を示
す斜視図である。 2……ワイヤ、3……ワーク(被加工物)、3a……加工
開始孔、5……ガイドパイプ、5b……パイプ先端、5c…
…テーパ案内部、5d……傾斜案内部、7……昇降駆動機
構、12……可動部材(昇降機構)、15……パイプ回転機
構(パイプ先端保護手段)、16……パイプ保持体(パイ
プ支持部材)、18……回転機構(回転駆動部材)、30…
…衝突検知機構(パイプ先端保護手段)、33……導電リ
ング、35……電圧検出部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電加工時にワイヤ電極となるワイヤを被
    加工物方向に順次供給するワイヤ送り機構と、この送り
    機構の出口側に設けられて往復運動により前記ワイヤの
    先端を前記被加工物の加工開始孔に案内するガイドパイ
    プと、より構成されるワイヤカット放電加工機の自動結
    線装置において、 前記ガイドパイプは少なくともその先端が可撓性の材料
    により形成されると共に、前記ガイドパイプを前記開始
    孔に挿入する際に該ガイドパイプ先端が前記被加工物に
    衝突したときに、前記ガイドパイプ先端に破壊の虞れが
    ない場合にそのまま移動を続けて前記開始孔への前記ガ
    イドパイプの適正な挿入を許容するため前記ガイドパイ
    プ先端に向かい先細りとなった案内部を設け、前記ガイ
    ドパイプが前記開始孔に挿入される際に前記ガイドパイ
    プを回転させるパイプ回転機構を設けたことを特徴とす
    るワイヤカット放電加工機の自動結線装置。
  2. 【請求項2】前記ガイドパイプを前記開始孔に挿入する
    際に該ガイドパイプ先端が前記被加工物に衝突したこと
    を検知する衝突検知器と、該衝突検知器がガイドパイプ
    先端の衝突を検知したときに該ガイドパイプが破損する
    虞れのある場合にはガイドパイプの移動を停止させるパ
    イプ保護手段と、を備えることを特徴とする請求項1に
    記載のワイヤカット放電加工機の自動結線装置。
  3. 【請求項3】放電加工時にワイヤ電極となるワイヤを被
    加工物方向に順次供給するワイヤ送り機構と、この送り
    機構の出口側に設けられて往復運動により前記ワイヤの
    先端を前記被加工物の加工開始孔に案内するガイドパイ
    プと、より構成されるワイヤカット放電加工機の自動結
    線装置において、 前記ガイドパイプの少なくともその先端に設けられ、該
    ガイドパイプを前記開始孔に挿入する際に該ガイドパイ
    プ先端が前記被加工物に衝突したときに前記ガイドパイ
    プ先端に破壊の虞れがない場合にそのまま移動を続けて
    該開始孔へのパイプの適正な挿入を許容するため前記ガ
    イドパイプ先端に向かい先細りとなると共に可撓性の材
    料により形成された案内部と、前記被加工物を回動させ
    る二次元位置調整機構と、前記ガイドパイプを前記開始
    孔に挿入する際に該ガイドパイプ先端が前記被加工物に
    衝突したことを検知する衝突検知器と、該衝突検知器の
    検知したガイドパイプ先端の加工開始孔周辺への衝突に
    基づいてガイドパイプの昇降手段と前記二次元位置調整
    機構との駆動を制御する駆動制御装置と、を備えるワイ
    ヤカット放電加工機の自動結線装置。
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