JP2987645B2 - 板状硫酸バリウム - Google Patents
板状硫酸バリウムInfo
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Description
散乱性と透明性を有し、色むらを抑制する効果に優れた
板状硫酸バリウムに関する。
リウムは人体に無害で、隠蔽力が強いため、X線の造影
剤、γ線吸収材、白色顔料等として工業的に広く使用さ
れている。しかしながら、化粧品用としての利用、その
中でも特にファンデーション等に使用する場合には、従
来の硫酸バリウムでは、伸び、付きが悪く使用感に欠け
ていたり、また、透明感に欠け、化粧後、素肌感覚が劣
るという欠点があった。そこで、これらの欠点を解決す
る手段として、従来、粒径の大きい硫酸バリウム(特開
昭58−41718号)、板状及び針状結晶の硫酸バリ
ウム(特開昭62−174238号)が提案されてい
る。しかしながら、これらの硫酸バリウムを製造するに
は、硫酸バリウムを合成した後に、熱処理、鉱酸処理を
必要とするため製造工程が複雑で、工業生産上好ましく
ないと共に、斯かる合成後の処理を行っても、合成され
た硫酸バリウムの形骸を完全に取り除くことが困難であ
って、板状構造の発達度合も不充分であり、上記目的を
完全に満足する硫酸バリウムは存在しなかった。
発明者は上記課題を解決せんと鋭意研究を行った結果、
よく発達した板状構造を有する硫酸バリウムが、伸び付
き等の使用感に優れ、かつ高い光散乱性と透明性を有
し、上記条件を具備することを見出し、本発明を完成し
た。
おいて、結晶の(020)と(200)面の回折ピーク
強度比が1.5〜100であることを特徴とする板状硫
酸バリウムを提供するものである。
ては、硫酸バリウム試料1gをエタノール50ml中に
分散させ、ガラス板上に厚さ約15μmの薄膜を形成さ
せ、乾燥したものが使用される。X線回折は、理学電機
製(形式:RAD−200)でCuKα線、40kV、
80mVで行われ、当該結晶の(020)と(200)
面の回折ピーク強度を測定し、この強度比〔(020)
/(200)〕を算出する。この強度比が1.5未満の
場合には、粉体の滑り性が乏しく、例えば化粧料に配合
した場合、使用感が悪く、また100を超えると、厚み
方向の構造が未発達で、機械的強度が不足し、例えば化
粧料、塗料等への配合時あるいは使用時、板状構造が崩
れるという欠点がある。
20重量%、厚さ15μmの薄膜を形成したときの散乱
強度が55%以上で、かつ全透過率が70%以上である
のが好ましい。ここにおいて、散乱強度及び全透過率は
次のようにして測定されたものを意味する。すなわち、
分散媒としてシリコン油を使用し、これに硫酸バリウム
試料を20重量%加えて均一に混練し、アプリケータに
より、15μmの薄膜をガラス板上に形成させ、これを
ヘイズメーター〔村上色彩技術研究所製(形式:HR−
100)〕により、平行光線透過率(Tp)と散乱光透過
率(Td)を測定し、Tp+Tdを全透過率〔Td/(Tp+T
d)〕×100を散乱強度とした。
ウムは、例えば、所定濃度のバリウム塩溶液と硫酸又は
硫酸塩溶液を5〜100℃、好ましくは15〜95℃の
温度で混合反応せしめることにより製造される。バリウ
ム塩は、塩化バリウム、硝酸バリウム、酢酸バリウム等
の水、アルコール等の溶媒に可溶のものであればよく、
純度は本発明の特徴である透明性を阻害させないため
に、バリウム以外の金属イオンが1000ppm 以下であ
ることが望ましい。硫酸又は硫酸塩溶液は硫酸、硫酸ナ
トリウム等の水、アルコール等の溶媒に可溶で、バリウ
ム塩の場合と同様に透明性の観点から金属イオンを含有
しないものが好ましい。バリウム塩溶液及び、硫酸又は
硫酸塩溶液の濃度は0.001〜0.5Mであることが
望ましい。この範囲外では(020)面の発達が阻害さ
れて、微粉状になり易い。
のに比較し、X線回折による(020)面がよく発達し
ていて隠蔽力に優れ、粉体の摩擦係数は格段に低く、伸
び付き等の使用感がよく、高い光散乱性及び透明性を有
するので、化粧品顔料、塗料用顔料、樹脂充填剤、γ線
吸収剤等の広い分野に使用することができる。
をイオン交換水1000gにそれぞれ溶解し、0.00
8Mのバリウム溶液、0.005Mの硫酸溶液とした。
次に各溶液を70℃に加温し、U字型撹拌バネを用い、
回転数1000rpm で撹拌した硫酸溶液にバリウム溶液
を10分間で滴下し、その後3分間撹拌を続け反応を終
了させた。次に、常温まで冷却した後、5Cの濾紙で濾
過し、粉末1.12gを得た。得られた粉末は、平均径
が5.3μmで、X線回折において、硫酸バリウム結晶
の(020)と(200)面の回折ピーク強度比(ピー
ク面積比)が15.3で、よく発達した板状構造を呈
し、滑り易い粉体であった。そのX線回折パターンを図
1に示す。また粉体濃度20%で、厚さ15μmの薄膜
を形成したときの散乱強度及び全透過率は、それぞれ7
3%、93%で、透明性、光散乱性に優れていた。これ
を化粧料のファンデーションに配合したところ、従来の
マイカ、タルク等の体質顔料を配合したものに較べて、
使用感が良く、化粧膜の透明性は高く色むらを抑制する
効果があった。
0gに溶解し、0.2Mのバリウム溶液と特級硫酸ナト
リウム29.26gをイオン交換水2000gに溶解
し、0.2Mの硫酸溶液とし、85℃に加温した後、実
施例1と同様の条件で硫酸バリウムを合成した。得られ
た粉末は65.3gで、平均径が7.2μmで、X線回
折において、硫酸バリウム結晶の(020)と(20
0)面の回折ピーク強度比が5.3で、(020)面の
よく発達したものであった。また、粉体濃度20%で、
厚さ15μmの薄膜を形成したときの散乱強度、全透過
率はそれぞれ、62%、91%で、透明性、光散乱性に
優れていた。化粧料のファンデーションに配合したとこ
ろ、使用感が良く、化粧膜の透明性は高く色むらを抑制
する効果があった。
0gをイオン交換水1000gにそれぞれ溶解し、0.
1Mのバリウム溶液、0.1Mの硫酸溶液とした。次に
各溶液を30℃で、実施例1と同様の方法で粉末を合成
した。得られた粉末は195gで、平均径が0.3μm
で、X線回折において、硫酸バリウム結晶の(020)
と(200)面の回折ピーク強度比が1.0で、板状構
造の発達は悪く、滑り難い粉末であった。そのX線回折
パターンを図2に示す。また粉体濃度20%で、厚さ1
5μmの薄膜を形成したときの散乱強度、全透過率は、
それぞれ39%、61%で、透明性、光散乱性に劣って
いた。
合比(バリウム溶液/硫酸溶液)及び反応温度で実施例
1と同様にして反応させ、表1に示す摩擦係数、全透過
率、X線ピーク強度比(%)〔(020)/(20
0)〕及び結晶形の硫酸バリウムを得た。
を人工皮を張り付けた直径50mmφ、厚み10mmの2枚
の円盤の間に保持し、50gfの垂直荷重を印加したまま
片方の円盤を300rpm で回転させ、もう一方の円盤で
トルク(F)を検出し、粉体の摩擦係数(=F/50)
を算出した。
回折パターンである。
ンである。
Claims (3)
- 【請求項1】 バリウム以外の金属イオンが1000pp
m以下のバリウム塩を用いて得られ;配向試料のX線回
折において、結晶の(020)と(200)面の回折ピ
ーク強度比が1.5〜100であり;濃度20重量%、
厚さ15μmの薄膜を形成したときの散乱強度が55%
以上で、かつ全透過率が70%以上であることを特徴と
する板状硫酸バリウム(ただし、そのアスペクト比が5
〜100であり、かつその板状面の周囲長の2乗と板状
面の正射影面の面積との比が20:1〜150:1であ
るものを除く)。 - 【請求項2】 バリウム塩溶液と硫酸又硫酸塩溶液を6
0〜95℃で混合反応させて得られる請求項1記載の板
状硫酸バリウム。 - 【請求項3】 バリウム塩溶液及び、硫酸又は硫酸塩溶
液の濃度が0.05Mを超え0.5M以下である請求項
2記載の板状硫酸バリウム。
Priority Applications (6)
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---|---|---|---|
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DE69111852T DE69111852D1 (de) | 1990-03-07 | 1991-03-06 | Plättchenförmiges Bariumsulfat und kosmetische Zusammensetzung. |
EP91103430A EP0445785B1 (en) | 1990-03-07 | 1991-03-06 | Plate-like barium sulfate and cosmetic composition |
US07/936,202 US5262148A (en) | 1990-03-07 | 1992-08-27 | Process for preparing barium sulfate |
US08/098,819 US5340582A (en) | 1990-03-07 | 1993-07-29 | Barium sulfate cosmetic composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2414786A JP2987645B2 (ja) | 1990-12-27 | 1990-12-27 | 板状硫酸バリウム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04231324A JPH04231324A (ja) | 1992-08-20 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2414786A Expired - Lifetime JP2987645B2 (ja) | 1990-03-07 | 1990-12-27 | 板状硫酸バリウム |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
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JP5438307B2 (ja) * | 2008-12-08 | 2014-03-12 | アルファ工業株式会社 | 充填材の充填確認方法 |
-
1990
- 1990-12-27 JP JP2414786A patent/JP2987645B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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---|---|
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