JP2986774B2 - 乾物の製造方法およびそれに使用する制御装置 - Google Patents
乾物の製造方法およびそれに使用する制御装置Info
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- JP2986774B2 JP2986774B2 JP10150540A JP15054098A JP2986774B2 JP 2986774 B2 JP2986774 B2 JP 2986774B2 JP 10150540 A JP10150540 A JP 10150540A JP 15054098 A JP15054098 A JP 15054098A JP 2986774 B2 JP2986774 B2 JP 2986774B2
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Description
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類や素麺など
の乾物原料を同時に大量に収納して仕上がり良く効率的
に乾燥させる大型の乾燥装置の技術分野に属する。
の乾物原料を同時に大量に収納して仕上がり良く効率的
に乾燥させる大型の乾燥装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】乾物製品を製造する場合、通常、常温よ
り低い温度の乾燥空気を送風し被乾燥物と冷風との水蒸
気張力の差を設けて、水分の蒸発を促進して乾燥させる
冷風乾燥方法や、温風によって被乾燥物中の水分を加熱
して表面まで蒸発させ、この蒸発した水分を送風によっ
て除去する温風乾燥方法が知られている。ところで、従
来の古い乾燥方法は天日乾燥が主流であったが、この方
法では経費が掛からぬ割りに仕上がりが良いという利点
が有り、これ以外の方法で乾燥したものの仕上がり品質
の基準とされることがある。しかしながらこの天日乾燥
方法では、天候に左右され、また乾燥場所なども広い面
積が必要となることが多いことから、いりこなどの乾物
を製造するような場合、現在では上記二方法が採用され
ている。
り低い温度の乾燥空気を送風し被乾燥物と冷風との水蒸
気張力の差を設けて、水分の蒸発を促進して乾燥させる
冷風乾燥方法や、温風によって被乾燥物中の水分を加熱
して表面まで蒸発させ、この蒸発した水分を送風によっ
て除去する温風乾燥方法が知られている。ところで、従
来の古い乾燥方法は天日乾燥が主流であったが、この方
法では経費が掛からぬ割りに仕上がりが良いという利点
が有り、これ以外の方法で乾燥したものの仕上がり品質
の基準とされることがある。しかしながらこの天日乾燥
方法では、天候に左右され、また乾燥場所なども広い面
積が必要となることが多いことから、いりこなどの乾物
を製造するような場合、現在では上記二方法が採用され
ている。
【0003】ここで、いりこ製造などの乾燥過程におけ
る原料水分と時間及び原料表面温度との関係を考える場
合、乾燥初期では、原料に付着している煮熟後の水が蒸
発する過程が有り、次に重さが直線的に低下し乾燥速度
が一定となる恒率乾燥期がある。そして、特に温風乾燥
室使用の場合、この恒率乾燥期を過ぎると、内部水分の
表面への拡散量が表面蒸発量に追尾できなくなる減率乾
燥期に入る。前記減率乾燥期では、いりこ原料の表面温
度は湿球温度より順次高くなり、乾燥対象への伝熱量は
減少してゆき、最終的に表面温度は乾燥空気乾球温度に
等しくなって乾燥は停止する。即ち、この時点でのいり
こ原料の表面の平衡相対湿度は乾燥空気の相対湿度と等
しいといわれている。
る原料水分と時間及び原料表面温度との関係を考える場
合、乾燥初期では、原料に付着している煮熟後の水が蒸
発する過程が有り、次に重さが直線的に低下し乾燥速度
が一定となる恒率乾燥期がある。そして、特に温風乾燥
室使用の場合、この恒率乾燥期を過ぎると、内部水分の
表面への拡散量が表面蒸発量に追尾できなくなる減率乾
燥期に入る。前記減率乾燥期では、いりこ原料の表面温
度は湿球温度より順次高くなり、乾燥対象への伝熱量は
減少してゆき、最終的に表面温度は乾燥空気乾球温度に
等しくなって乾燥は停止する。即ち、この時点でのいり
こ原料の表面の平衡相対湿度は乾燥空気の相対湿度と等
しいといわれている。
【0004】そして、前記冷風乾燥方法と温風乾燥方法
に戻って説明すると、前記冷風乾燥方法では冷凍機を必
要とし、前記温風乾燥方法に比べ設備費やランニングコ
ストなどが大幅に高くなることから、被乾燥物として海
産物、例えばイワシを安価に大量に乾燥していりこを製
造する方法などでは、前記温風乾燥方法が経済的である
として採用されている。この従来の温風を利用していり
こを製造方法では、イワシを収容したせいろを乾燥室内
に積層し、この乾燥室の一端側から温風を供給し、他端
側から排気を行なって乾燥させている。この場合、温風
の温度が低くて乾燥速度が小さいと乾燥中に原料の鮮度
が低下し、温風温度を高くして乾燥速度を大きくすれば
脂質の酸化、色調の劣化などが起こり、いずれも商品価
値が低下するから、風量一定の条件で温度管理をしなが
ら乾燥させている。また、一端側から温風を供給するよ
うにした乾燥室において、せいろを積層した台車を乾燥
室の上流側(温風供給側)から順次挿入し、これを乾燥
しながら下流側に移動させ、最下流側となった台車から
順次乾燥室外に押し出し、これを乾燥室外で上流側に移
動させて再度乾燥室に押し込み再び温風乾燥させる方法
もあり、この方法では、台車を一旦乾燥室外に押し出し
た時、せいろを外気に晒すことによっていりこ原料の罨
上(罨蒸)を行なわせるようにしたものである。
に戻って説明すると、前記冷風乾燥方法では冷凍機を必
要とし、前記温風乾燥方法に比べ設備費やランニングコ
ストなどが大幅に高くなることから、被乾燥物として海
産物、例えばイワシを安価に大量に乾燥していりこを製
造する方法などでは、前記温風乾燥方法が経済的である
として採用されている。この従来の温風を利用していり
こを製造方法では、イワシを収容したせいろを乾燥室内
に積層し、この乾燥室の一端側から温風を供給し、他端
側から排気を行なって乾燥させている。この場合、温風
の温度が低くて乾燥速度が小さいと乾燥中に原料の鮮度
が低下し、温風温度を高くして乾燥速度を大きくすれば
脂質の酸化、色調の劣化などが起こり、いずれも商品価
値が低下するから、風量一定の条件で温度管理をしなが
ら乾燥させている。また、一端側から温風を供給するよ
うにした乾燥室において、せいろを積層した台車を乾燥
室の上流側(温風供給側)から順次挿入し、これを乾燥
しながら下流側に移動させ、最下流側となった台車から
順次乾燥室外に押し出し、これを乾燥室外で上流側に移
動させて再度乾燥室に押し込み再び温風乾燥させる方法
もあり、この方法では、台車を一旦乾燥室外に押し出し
た時、せいろを外気に晒すことによっていりこ原料の罨
上(罨蒸)を行なわせるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法にあっては、下記に列挙するような問題があっ
た。 (1) 従来の乾燥室では、放熱器を温度センサのみで制御
して、風量に関しては、常に一定量を送風して乾燥させ
るため、いりこ原料などの表面部からの乾燥で恒率乾燥
後は減率乾燥状態、つまり、うわ乾きの状態となるが、
この時もいりこ原料の表面からの水分蒸発量にマッチし
た熱量より多い無駄な熱量を加えており、結果的に乾燥
速度が遅くなり、また、このため不必要な電力や燃料を
使用しているという問題があった。 (2) 減率乾燥状態に入ったいりこ原料に余分な熱量を加
えるため、製品表面の仕上がりが悪く商品価値が低くな
るという問題があった。 (3) 乾燥の途中でせいろを乾燥室外に出し、外気に晒し
て罨上を行なう方法では、せいろの出し入れ毎に室内温
風が外部に漏洩して大変不経済であるし、室内乾燥工程
にある台車と外部で罨上工程にある台車とは同期して移
動するから、季節や天候次第ではいずれかの方のいりこ
原料が満足の行く処理がなされない場合があるなどの問
題があった。
来の方法にあっては、下記に列挙するような問題があっ
た。 (1) 従来の乾燥室では、放熱器を温度センサのみで制御
して、風量に関しては、常に一定量を送風して乾燥させ
るため、いりこ原料などの表面部からの乾燥で恒率乾燥
後は減率乾燥状態、つまり、うわ乾きの状態となるが、
この時もいりこ原料の表面からの水分蒸発量にマッチし
た熱量より多い無駄な熱量を加えており、結果的に乾燥
速度が遅くなり、また、このため不必要な電力や燃料を
使用しているという問題があった。 (2) 減率乾燥状態に入ったいりこ原料に余分な熱量を加
えるため、製品表面の仕上がりが悪く商品価値が低くな
るという問題があった。 (3) 乾燥の途中でせいろを乾燥室外に出し、外気に晒し
て罨上を行なう方法では、せいろの出し入れ毎に室内温
風が外部に漏洩して大変不経済であるし、室内乾燥工程
にある台車と外部で罨上工程にある台車とは同期して移
動するから、季節や天候次第ではいずれかの方のいりこ
原料が満足の行く処理がなされない場合があるなどの問
題があった。
【0006】本発明上記問題点を解決するためになされ
たものであって、その目的とするとろは、余分な電力や
燃料を節約することができ、また、常に品質が均一で製
品の仕上がりを良好とすることができるようにした乾物
の製造方法を提供することにある。
たものであって、その目的とするとろは、余分な電力や
燃料を節約することができ、また、常に品質が均一で製
品の仕上がりを良好とすることができるようにした乾物
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】(解決手段1) 上記課題を達成するため本発明請求項1記載の発明で
は、乾物原料を収容した乾燥室内に温風を供給して前記
乾物原料を温風乾燥し、かつ前記温風乾燥途中に放熱器
の作動を停止して外気温度の空気を供給する送風機のみ
の作動による罨上時間を複数回間隔を開けて設けること
により、乾物原料を乾燥する乾物の製造方法において、
前記罨上時間中の送風量を温風供給時の送風量より減少
制御することを特徴とする。
は、乾物原料を収容した乾燥室内に温風を供給して前記
乾物原料を温風乾燥し、かつ前記温風乾燥途中に放熱器
の作動を停止して外気温度の空気を供給する送風機のみ
の作動による罨上時間を複数回間隔を開けて設けること
により、乾物原料を乾燥する乾物の製造方法において、
前記罨上時間中の送風量を温風供給時の送風量より減少
制御することを特徴とする。
【0008】(解決手段2) 請求項2記載の発明では、乾物原料を収容した乾燥室内
に温風を供給して前記乾物原料を温風乾燥し、かつ前記
温風乾燥途中に放熱器の作動を停止して外気温度の空気
を供給する送風機のみの作動による罨上時間を複数回間
隔を開けて設けることにより、乾物原料を乾燥する乾物
の製造方法において、前記罨上は乾物原料の表面温度が
乾燥室内に供給している温風の湿球温度と略同等となっ
た時点で 開始することを特徴とする。
に温風を供給して前記乾物原料を温風乾燥し、かつ前記
温風乾燥途中に放熱器の作動を停止して外気温度の空気
を供給する送風機のみの作動による罨上時間を複数回間
隔を開けて設けることにより、乾物原料を乾燥する乾物
の製造方法において、前記罨上は乾物原料の表面温度が
乾燥室内に供給している温風の湿球温度と略同等となっ
た時点で 開始することを特徴とする。
【0009】(解決手段3) 請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2に記
載の乾物の製造方法において、前記乾燥終了までに複数
回行なう罨上のうち乾物原料の乾燥度が水分量40%な
いし15%となった状態で行なう罨上においては乾物原
料の表面湿球温度より1℃ないし2℃低い湿球温度を有
する温風を供給することを特徴とする。
載の乾物の製造方法において、前記乾燥終了までに複数
回行なう罨上のうち乾物原料の乾燥度が水分量40%な
いし15%となった状態で行なう罨上においては乾物原
料の表面湿球温度より1℃ないし2℃低い湿球温度を有
する温風を供給することを特徴とする。
【0010】(解決手段4) 請求項4記載の発明では、請求項1または請求項2に記
載の乾物の製造方法に使用する制御装置において、乾物
原料を収容した乾燥室内に配置する温度センサと、前記
温度センサの測定により乾燥用設定温度を維持するよう
に一定時間放熱器および送風機を作動させる制御部と、
かつ前記乾燥用設定温度で一定時間経過後一定時間だけ
送風機のみを作動させる制御部と、を備えていることを
特徴とする。
載の乾物の製造方法に使用する制御装置において、乾物
原料を収容した乾燥室内に配置する温度センサと、前記
温度センサの測定により乾燥用設定温度を維持するよう
に一定時間放熱器および送風機を作動させる制御部と、
かつ前記乾燥用設定温度で一定時間経過後一定時間だけ
送風機のみを作動させる制御部と、を備えていることを
特徴とする。
【0011】(解決手段5) 請求項5記載の発明では、請求項1ないし請求項3のう
ちいずれかの項に記載の乾物の製造方法に使用する制御
装置において、乾物原料を収容した乾燥室内に配置する
温度センサと、前記温度センサの測定により乾燥用設定
温度を維持するように一定時間放熱器および送風機を作
動させる制御部と、かつ前記乾燥用設定温度で一定時間
経過後一定時間だけ送風機のみを作動させる制御部と、
乾物原料の表面温度の測定センサと温風の湿球温度を測
定するセンサにより乾物原料の表面温度が温風の湿球温
度と略同等となった時点で送風のみまたは乾物原料の表
面湿球温度より1℃ないし2℃低い湿球温度を有する温
風を供給させる制御部を備えていることを特徴とする。
ちいずれかの項に記載の乾物の製造方法に使用する制御
装置において、乾物原料を収容した乾燥室内に配置する
温度センサと、前記温度センサの測定により乾燥用設定
温度を維持するように一定時間放熱器および送風機を作
動させる制御部と、かつ前記乾燥用設定温度で一定時間
経過後一定時間だけ送風機のみを作動させる制御部と、
乾物原料の表面温度の測定センサと温風の湿球温度を測
定するセンサにより乾物原料の表面温度が温風の湿球温
度と略同等となった時点で送風のみまたは乾物原料の表
面湿球温度より1℃ないし2℃低い湿球温度を有する温
風を供給させる制御部を備えていることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、罨上中の乾物原料を
罨上の進行状態に合わせて最適状態で処理することがで
き、このため、特に色調の優れた乾物を製造することが
できる。
罨上の進行状態に合わせて最適状態で処理することがで
き、このため、特に色調の優れた乾物を製造することが
できる。
【0013】請求項2記載の発明では、乾物原料の乾燥
において、乾燥初期では内部の水分量を直線的に減じる
ような蒸発を行ない、その間の乾物原料の表面温度は一
定となっているが(恒率乾燥期)、この乾物原料の表面
温度が温風の湿球温度より高くなると蒸発が抑制され、
このため乾燥速度が遅々と遅くなる(減率乾燥期)。図
6参照:図中tW・B は湿球温度、tWDは乾球温度であ
り、恒率乾燥期を過ぎると乾物原料の表面温度の上昇が
確認できる(出典:恒星社厚生閣出版 宝谷幸雄著 水
産加工機械)。従って、この乾物原料の表面温度が温風
の湿球温度より高くなる時点を把握して、その乾物原料
の表面温度を下げてやる(罨上)ことで乾物原料の表面
を余分に加熱せず、更に表面温度が十分に下がった時、
再度温風乾燥を行なうという工程を繰り返すことで初期
の恒率乾燥期の状態に戻し効率的な乾燥を行なうことが
できる。そして前記罨上は、せいろを直接乾燥室内に入
れたまま行なうから、罨上の回数が多いほど時間の無駄
を無くし、乾燥効率をよくすると共に人手を不要とする
ことができる。また、熟練者でなくとも製品の仕上がり
をよくし、加熱時間を短縮し、加熱に要する燃料の費用
を軽減することができる。
において、乾燥初期では内部の水分量を直線的に減じる
ような蒸発を行ない、その間の乾物原料の表面温度は一
定となっているが(恒率乾燥期)、この乾物原料の表面
温度が温風の湿球温度より高くなると蒸発が抑制され、
このため乾燥速度が遅々と遅くなる(減率乾燥期)。図
6参照:図中tW・B は湿球温度、tWDは乾球温度であ
り、恒率乾燥期を過ぎると乾物原料の表面温度の上昇が
確認できる(出典:恒星社厚生閣出版 宝谷幸雄著 水
産加工機械)。従って、この乾物原料の表面温度が温風
の湿球温度より高くなる時点を把握して、その乾物原料
の表面温度を下げてやる(罨上)ことで乾物原料の表面
を余分に加熱せず、更に表面温度が十分に下がった時、
再度温風乾燥を行なうという工程を繰り返すことで初期
の恒率乾燥期の状態に戻し効率的な乾燥を行なうことが
できる。そして前記罨上は、せいろを直接乾燥室内に入
れたまま行なうから、罨上の回数が多いほど時間の無駄
を無くし、乾燥効率をよくすると共に人手を不要とする
ことができる。また、熟練者でなくとも製品の仕上がり
をよくし、加熱時間を短縮し、加熱に要する燃料の費用
を軽減することができる。
【0014】請求項3記載の発明では、乾物原料の乾燥
度が高くなると、罨上の時点で乾物原料が逆に乾燥室内
の水分を吸収する事態となって乾燥度の目標値になかな
か到達できないことになるが、この時点の罨上中に乾物
原料の表面湿球温度より1℃ないし2℃低い湿球温度を
有する空気を供給することで、乾物原料の外部からの水
分吸収を不可能とすると共に体内の水分を表面側に拡散
させ、その後の乾燥を促進させることができるようにな
る。前記罨上中に供給する空気の湿球温度を外気の湿球
温度に対し1℃ないし2℃の範囲としたのは、それより
低くした場合は測定誤差等で確実に温度調節ができなか
ったり、それより高めだと罨上の効果を良好に得にくい
からである。
度が高くなると、罨上の時点で乾物原料が逆に乾燥室内
の水分を吸収する事態となって乾燥度の目標値になかな
か到達できないことになるが、この時点の罨上中に乾物
原料の表面湿球温度より1℃ないし2℃低い湿球温度を
有する空気を供給することで、乾物原料の外部からの水
分吸収を不可能とすると共に体内の水分を表面側に拡散
させ、その後の乾燥を促進させることができるようにな
る。前記罨上中に供給する空気の湿球温度を外気の湿球
温度に対し1℃ないし2℃の範囲としたのは、それより
低くした場合は測定誤差等で確実に温度調節ができなか
ったり、それより高めだと罨上の効果を良好に得にくい
からである。
【0015】請求項4記載の乾物の製造方法に使用する
制御装置では、放熱器と送風機を作動させる制御部に、
予め乾物原料の種類によって乾燥用温度を設定し、温風
乾燥中は温度センサの測定により乾燥室内を前記設定温
度に一定時間維持させ、乾物原料の水分を除去させる。
更に一定時間経過後、送風機のみを作動させる制御部に
よって放熱器の余熱温度、あるいは外気温度の送風をさ
せる。この時乾物原料は体内の水分を表面側に蒸発(拡
散)させるから乾物原料は罨上の状態となる。この後、
再度の温風乾燥と罨上を繰り返し行うことによって乾物
原料の体内水分を可能な限り除去して最適に乾燥し、色
調が良く、仕上がりの良い乾物製品を製造することがで
きる。また、乾物原料を罨上するため乾燥室外に搬出し
なくても良いから、効率よく品質の一定した製品を安価
に製造することができる。
制御装置では、放熱器と送風機を作動させる制御部に、
予め乾物原料の種類によって乾燥用温度を設定し、温風
乾燥中は温度センサの測定により乾燥室内を前記設定温
度に一定時間維持させ、乾物原料の水分を除去させる。
更に一定時間経過後、送風機のみを作動させる制御部に
よって放熱器の余熱温度、あるいは外気温度の送風をさ
せる。この時乾物原料は体内の水分を表面側に蒸発(拡
散)させるから乾物原料は罨上の状態となる。この後、
再度の温風乾燥と罨上を繰り返し行うことによって乾物
原料の体内水分を可能な限り除去して最適に乾燥し、色
調が良く、仕上がりの良い乾物製品を製造することがで
きる。また、乾物原料を罨上するため乾燥室外に搬出し
なくても良いから、効率よく品質の一定した製品を安価
に製造することができる。
【0016】請求項5記載の乾物の製造方法に使用する
制御装置では、乾物原料の乾燥度が高くなると、罨上の
時点で乾物原料が逆に乾燥室内の水分を吸収する事態と
なって乾燥度の目標値になかなか到達できないことにな
るが、この時点の罨上中に乾物原料の表面湿球温度より
1℃ないし2℃低い湿球温度を有する空気を供給するこ
とで、加熱用燃料の費用を最少限に抑えながら、乾物原
料の外部からの水分吸収を不可能とすると共に体内の水
分を表面側に拡散させ、その後の乾燥を促進させ、仕上
がりのよい乾物製品を経済的に製造することができるよ
うになる。
制御装置では、乾物原料の乾燥度が高くなると、罨上の
時点で乾物原料が逆に乾燥室内の水分を吸収する事態と
なって乾燥度の目標値になかなか到達できないことにな
るが、この時点の罨上中に乾物原料の表面湿球温度より
1℃ないし2℃低い湿球温度を有する空気を供給するこ
とで、加熱用燃料の費用を最少限に抑えながら、乾物原
料の外部からの水分吸収を不可能とすると共に体内の水
分を表面側に拡散させ、その後の乾燥を促進させ、仕上
がりのよい乾物製品を経済的に製造することができるよ
うになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。尚、本実施の形態では、イ
ワシを原料とするいりこの製造にかかる乾燥装置を例に
取って説明する。まず、乾燥装置の構造を説明する。図
1(イ),(ロ)は実施の形態の乾燥装置Aの作動状態
を示す横断面図、図2は同上の縦断面図であり、図中1
は第1乾燥室、2は第2乾燥室である。
に基づいて詳細に説明する。尚、本実施の形態では、イ
ワシを原料とするいりこの製造にかかる乾燥装置を例に
取って説明する。まず、乾燥装置の構造を説明する。図
1(イ),(ロ)は実施の形態の乾燥装置Aの作動状態
を示す横断面図、図2は同上の縦断面図であり、図中1
は第1乾燥室、2は第2乾燥室である。
【0018】前記第1乾燥室1,第2乾燥室2は、長さ
15m幅8m高さ2m程度の枠組みに木質の外板を張設
して外殻部3を形成し、この外殻部3の内部中央長手方
向に間仕切り4を設けることによってこの外殻部3内に
形成されており、2列の隣接したトンネル状となってい
る。5aは第1乾燥室の一端側通風口、5bはその他端
側通風口、6aは第2乾燥室の一端側通風口、6bはそ
の他端側通風口であり、この一端側通風口5a,6a同
士が、また他端側通風口5b,6b同士がそれぞれ同一
場所で横並び状に配置されている。7aは前記各一端側
通風口5a,6aと他端側通風口5b,6bに対向する
外殻部3の壁面に開設された開口部、7は開口部7aの
開閉用扉であり、上縁側を軸支して上下方向に開閉させ
る構造である。また、8aは外殻部3の一側面左右に設
けた搬入搬出口、8bは間仕切り4に設けた搬入搬出口
であり、それぞれ密閉用扉8を備えている。
15m幅8m高さ2m程度の枠組みに木質の外板を張設
して外殻部3を形成し、この外殻部3の内部中央長手方
向に間仕切り4を設けることによってこの外殻部3内に
形成されており、2列の隣接したトンネル状となってい
る。5aは第1乾燥室の一端側通風口、5bはその他端
側通風口、6aは第2乾燥室の一端側通風口、6bはそ
の他端側通風口であり、この一端側通風口5a,6a同
士が、また他端側通風口5b,6b同士がそれぞれ同一
場所で横並び状に配置されている。7aは前記各一端側
通風口5a,6aと他端側通風口5b,6bに対向する
外殻部3の壁面に開設された開口部、7は開口部7aの
開閉用扉であり、上縁側を軸支して上下方向に開閉させ
る構造である。また、8aは外殻部3の一側面左右に設
けた搬入搬出口、8bは間仕切り4に設けた搬入搬出口
であり、それぞれ密閉用扉8を備えている。
【0019】次に、9は第1乾燥用空気吹き込み装置、
10は第2乾燥用空気吹き込み装置であり、それぞれ前
記第1乾燥室1の一端側通風口5a,第2乾燥室2の他
端側通風口6bに対向して配置されている。前記第1,
第2乾燥用空気吹き込み装置9,10は、ボイラ(図示
せず)を熱源とする放熱器11と、プロペラ型送風機1
2を多数列設してそれぞれ通風口5a,6bを覆う大き
さに構成し台車13,13上に固定することにより、設
けられている。14は台車13が両通風口間を移動可能
に延設されたレール、15は台車の移動に伴ってボイラ
や配電盤側から給湯用ホースや配線類を支持しながら台
車側に連結移動させる移動枠である。
10は第2乾燥用空気吹き込み装置であり、それぞれ前
記第1乾燥室1の一端側通風口5a,第2乾燥室2の他
端側通風口6bに対向して配置されている。前記第1,
第2乾燥用空気吹き込み装置9,10は、ボイラ(図示
せず)を熱源とする放熱器11と、プロペラ型送風機1
2を多数列設してそれぞれ通風口5a,6bを覆う大き
さに構成し台車13,13上に固定することにより、設
けられている。14は台車13が両通風口間を移動可能
に延設されたレール、15は台車の移動に伴ってボイラ
や配電盤側から給湯用ホースや配線類を支持しながら台
車側に連結移動させる移動枠である。
【0020】16は第1,第2乾燥室1,2を横断する
ように、外殻部3の両側に配置されたスプロケット17
で前記レール14と平行となるように張設されたチェー
ンであり、その始端側と終端側は前記台車13に固定さ
れている。18は前記スプロケットを駆動する電動機で
ある。尚、19は乾燥室の中間部分に固定された補助用
の放熱器である。また、20は原料のイワシを敷き詰め
るせいろ、21はこのせいろ20を約20段に積層する
移動可能なラックであり、前記第1乾燥室1,第2乾燥
室2は、このラック21をそれぞれ12行2列収納可能
となっている。
ように、外殻部3の両側に配置されたスプロケット17
で前記レール14と平行となるように張設されたチェー
ンであり、その始端側と終端側は前記台車13に固定さ
れている。18は前記スプロケットを駆動する電動機で
ある。尚、19は乾燥室の中間部分に固定された補助用
の放熱器である。また、20は原料のイワシを敷き詰め
るせいろ、21はこのせいろ20を約20段に積層する
移動可能なラックであり、前記第1乾燥室1,第2乾燥
室2は、このラック21をそれぞれ12行2列収納可能
となっている。
【0021】次に、図3は制御装置Bを示している。前
記制御装置Bにおいて、35は温風乾燥制御部であっ
て、一定時間タイマ36にて放熱器11と送風機12を
作動させ、タイマ36の作動中、第1乾燥用空気吹き込
み装置側せいろ群の略中央上方側および第2乾燥用空気
吹き込み装置側せいろ群の略中央上方部にそれぞれ配置
した温湿度センサ30a,30bの測定により、供給温
風が原料乾燥に許容される最適な温度(設定温度)とな
るように、放熱器の蒸気バルブ41のON、OFFを行
なって調整する。37は罨上制御部であって、前記温風
乾燥の終了後、タイマ38の設定時間だけ送風機12の
みを作動させるものである。この罨上中はインバータ3
9によって40%の回転数となるように設定されてい
る。また、本実施の形態では、前記罨上において、乾燥
の最終段階、例えば乾物原料の乾燥度が水分量40%程
度となった段階の罨上時に蒸気バルブ41をON,OF
Fさせてイワシ表面の湿球温度に対し1℃程度低い湿球
温度を有する温風を送風させるようにしている。31
a,31bは乾物原料の表面温度を非接触で測定する温
度センサである。40は第1,第2乾燥用空気吹き込み
装置9,10の入れ換え制御部であって、台車13,1
3の駆動用モータ18,18をリミットスイッチ33が
検知するまで作動させて入れ替えを行う。尚、タイマ3
6,38はタイマ設定部32によって適宜変更される。
43は予め乾燥度設定部42によって設定したイワシの
乾燥目標値をもとに乾燥作業を終了させる制御部であっ
て、前記温湿度センサ30a,30bの測定値と温度セ
ンサ31a,31bの測定値をシーケンサによりデータ
処理して前記設定値となる時点を見い出すことにより、
作業停止の制御するものである。例えば、いわしの水分
量15%の乾燥仕上げ設定時は、前記温湿度センサ30
a,30bの測定による相対湿度15%時の乾球温度と
温度センサ31a,31bの測定によるイワシ表面温度
が同じになった時点が停止時点となる。
記制御装置Bにおいて、35は温風乾燥制御部であっ
て、一定時間タイマ36にて放熱器11と送風機12を
作動させ、タイマ36の作動中、第1乾燥用空気吹き込
み装置側せいろ群の略中央上方側および第2乾燥用空気
吹き込み装置側せいろ群の略中央上方部にそれぞれ配置
した温湿度センサ30a,30bの測定により、供給温
風が原料乾燥に許容される最適な温度(設定温度)とな
るように、放熱器の蒸気バルブ41のON、OFFを行
なって調整する。37は罨上制御部であって、前記温風
乾燥の終了後、タイマ38の設定時間だけ送風機12の
みを作動させるものである。この罨上中はインバータ3
9によって40%の回転数となるように設定されてい
る。また、本実施の形態では、前記罨上において、乾燥
の最終段階、例えば乾物原料の乾燥度が水分量40%程
度となった段階の罨上時に蒸気バルブ41をON,OF
Fさせてイワシ表面の湿球温度に対し1℃程度低い湿球
温度を有する温風を送風させるようにしている。31
a,31bは乾物原料の表面温度を非接触で測定する温
度センサである。40は第1,第2乾燥用空気吹き込み
装置9,10の入れ換え制御部であって、台車13,1
3の駆動用モータ18,18をリミットスイッチ33が
検知するまで作動させて入れ替えを行う。尚、タイマ3
6,38はタイマ設定部32によって適宜変更される。
43は予め乾燥度設定部42によって設定したイワシの
乾燥目標値をもとに乾燥作業を終了させる制御部であっ
て、前記温湿度センサ30a,30bの測定値と温度セ
ンサ31a,31bの測定値をシーケンサによりデータ
処理して前記設定値となる時点を見い出すことにより、
作業停止の制御するものである。例えば、いわしの水分
量15%の乾燥仕上げ設定時は、前記温湿度センサ30
a,30bの測定による相対湿度15%時の乾球温度と
温度センサ31a,31bの測定によるイワシ表面温度
が同じになった時点が停止時点となる。
【0022】次に、作用を説明する。第1乾燥室1と第
2乾燥室2は平行となるように配置され、まず、初期の
状態として、第1,第2乾燥室1,2内にはイワシを敷
き詰めたせいろ20を積層したラック21が多数列設さ
れ、また、その横並びした一端側通風口5aには第1乾
燥用空気吹き込み装置9が配置され、また横並びした他
端側通風口6bには第2乾燥用空気吹き込み装置が配置
された状態となっている。そして、第1,第2乾燥用空
気吹き込み装置9,10は、指示によりそれぞれ第1,
第2乾燥室1,2に別方向から対向しないようにしてそ
れぞれに乾燥用空気として温風を吹き込む。この時、温
風は送風されながらせいろ内のイワシに順次接触して乾
燥させ、更に途中の放熱器19によって再加熱されてそ
の後のイワシを更に乾燥しながら移動した後、それぞれ
後部に配置されている開口部7aから、その後方の大気
中に排気されることになる。前記温風乾燥時は、温風乾
燥制御部35が蒸気バルブ41の開閉を制御し、乾燥室
内は常に一定温度となるように管理される。この温風乾
燥の一定時間経過後、前記温風による乾燥が停止され、
外気のみの送風による罨上が行われる。この場合、送風
は40%に低減して行なわれる。前記温風乾燥と罨上を
行った後、前記第1,第2乾燥用空気吹き込み装置9、
10が指示により同期して隣接した通風口に移り、再度
前記温風吹き込みによる乾燥と温風停止後の罨上を行
う。この乾燥工程において、温度センサ31a,31b
はイワシの表面温度を測定し、恒率乾燥期から減率乾燥
期への変更点の検知、つまり罨上開始点や温風温度の調
整、供給時間の調整等に使用する。
2乾燥室2は平行となるように配置され、まず、初期の
状態として、第1,第2乾燥室1,2内にはイワシを敷
き詰めたせいろ20を積層したラック21が多数列設さ
れ、また、その横並びした一端側通風口5aには第1乾
燥用空気吹き込み装置9が配置され、また横並びした他
端側通風口6bには第2乾燥用空気吹き込み装置が配置
された状態となっている。そして、第1,第2乾燥用空
気吹き込み装置9,10は、指示によりそれぞれ第1,
第2乾燥室1,2に別方向から対向しないようにしてそ
れぞれに乾燥用空気として温風を吹き込む。この時、温
風は送風されながらせいろ内のイワシに順次接触して乾
燥させ、更に途中の放熱器19によって再加熱されてそ
の後のイワシを更に乾燥しながら移動した後、それぞれ
後部に配置されている開口部7aから、その後方の大気
中に排気されることになる。前記温風乾燥時は、温風乾
燥制御部35が蒸気バルブ41の開閉を制御し、乾燥室
内は常に一定温度となるように管理される。この温風乾
燥の一定時間経過後、前記温風による乾燥が停止され、
外気のみの送風による罨上が行われる。この場合、送風
は40%に低減して行なわれる。前記温風乾燥と罨上を
行った後、前記第1,第2乾燥用空気吹き込み装置9、
10が指示により同期して隣接した通風口に移り、再度
前記温風吹き込みによる乾燥と温風停止後の罨上を行
う。この乾燥工程において、温度センサ31a,31b
はイワシの表面温度を測定し、恒率乾燥期から減率乾燥
期への変更点の検知、つまり罨上開始点や温風温度の調
整、供給時間の調整等に使用する。
【0023】図4は前記罨上工程を取り込んだいりこ製
造のフローチャートである。まず、せいろを乾燥室内に
セット(S1)し、第1,第2乾燥用空気吹き込み装置
9,10は図1の(イ)の配置として放熱器と送風機と
を作動させて温風を一定時間供給する(S2)。この場
合、送風機は全速回転送風され、放熱器は温度センサの
測定により室温一定となるようにON、OFF制御され
る。この時イワシは恒率乾燥が行われ、生乾きの状態と
なる。前記温風の供給終了後、送風機のみをインバータ
にて40%回転送風による外気温度の空気が一定時間供
給され、イワシ表面が強制冷却される(S3)。この時
罨上が行われ、イワシ体内の水分が表面まで蒸発するこ
とになる。尚、この時、送風初期は放熱器の余熱があっ
てある程度外気温度より高い温度の送風がなされるが、
放熱器近傍のイワシにのみ余熱が作用するのを防止する
ため、イワシを痛めず、また余熱を有効利用することが
できる。前記罨上が終了後、乾燥用空気吹き込み装置の
入れ換えが図1(ロ)の配置のように行われる(S
4)。この後、前記ステップ(S2),(S3)同様の
工程が行われ(S5),(S6)、略24時間の設定時
間内(S7)は再度乾燥用空気吹き込み装置の入れ替え
が行なわれ(S8)、以上を1サイクルとしてステップ
(S2)へ戻り、前記同様の作業が繰り返し続行され
る。最終段階の罨上(乾燥工程終了8時間前頃から終了
まで)においては、イワシ表面の湿球温度に対し1℃程
度低い湿球温度を有する温風が供給され(S3),(S
6)、この最終段階の工程中にイワシ表面の湿球温度が
乾球温度と同温度となり、乾燥の目標値が達成される
(S7)と、乾燥作業終了制御部43の制御により、乾
燥作業が終了しいりこ製品が搬出される(S9)。以上
の作業により、品質の一定したいりこ製品を自動的連続
的に製造することができる。
造のフローチャートである。まず、せいろを乾燥室内に
セット(S1)し、第1,第2乾燥用空気吹き込み装置
9,10は図1の(イ)の配置として放熱器と送風機と
を作動させて温風を一定時間供給する(S2)。この場
合、送風機は全速回転送風され、放熱器は温度センサの
測定により室温一定となるようにON、OFF制御され
る。この時イワシは恒率乾燥が行われ、生乾きの状態と
なる。前記温風の供給終了後、送風機のみをインバータ
にて40%回転送風による外気温度の空気が一定時間供
給され、イワシ表面が強制冷却される(S3)。この時
罨上が行われ、イワシ体内の水分が表面まで蒸発するこ
とになる。尚、この時、送風初期は放熱器の余熱があっ
てある程度外気温度より高い温度の送風がなされるが、
放熱器近傍のイワシにのみ余熱が作用するのを防止する
ため、イワシを痛めず、また余熱を有効利用することが
できる。前記罨上が終了後、乾燥用空気吹き込み装置の
入れ換えが図1(ロ)の配置のように行われる(S
4)。この後、前記ステップ(S2),(S3)同様の
工程が行われ(S5),(S6)、略24時間の設定時
間内(S7)は再度乾燥用空気吹き込み装置の入れ替え
が行なわれ(S8)、以上を1サイクルとしてステップ
(S2)へ戻り、前記同様の作業が繰り返し続行され
る。最終段階の罨上(乾燥工程終了8時間前頃から終了
まで)においては、イワシ表面の湿球温度に対し1℃程
度低い湿球温度を有する温風が供給され(S3),(S
6)、この最終段階の工程中にイワシ表面の湿球温度が
乾球温度と同温度となり、乾燥の目標値が達成される
(S7)と、乾燥作業終了制御部43の制御により、乾
燥作業が終了しいりこ製品が搬出される(S9)。以上
の作業により、品質の一定したいりこ製品を自動的連続
的に製造することができる。
【0024】図5は実験装置で前記フローチャートの通
り実施した結果を示す。 実施条件:フアン風量46500m3 /h(定格静圧2
5mmH2 O)、 同上風速7m/sec、放熱器発熱量88760kca
l、イワシ原料1090kg,(S2),(S5)のタ
イマ設定時間=5分間、(S3),(S6)のタイマ設
定時間9分30秒間、乾燥室内設定温度=外気温度+8
℃とした。
り実施した結果を示す。 実施条件:フアン風量46500m3 /h(定格静圧2
5mmH2 O)、 同上風速7m/sec、放熱器発熱量88760kca
l、イワシ原料1090kg,(S2),(S5)のタ
イマ設定時間=5分間、(S3),(S6)のタイマ設
定時間9分30秒間、乾燥室内設定温度=外気温度+8
℃とした。
【0025】以上説明してきたように本実施の形態で
は、温風乾燥の間に罨上時間を取り込んだため、いわし
表面を傷めず、また表面に光沢が有り、中心部から乾燥
した、こし(腰)のある商品価値の高いいりこを得るこ
とができた。せいろを乾燥室内に置いたまま罨上するた
め、せいろの室外取り出しに掛る時間が節約できるし、
全量均等に仕上げることができる。インバータ制御によ
る余熱送風により、余熱を見込んだ分、放熱器の停止を
早め放熱器(熱交換機)に使用する燃料の節約、消費電
力の大幅な節約をすることができた。
は、温風乾燥の間に罨上時間を取り込んだため、いわし
表面を傷めず、また表面に光沢が有り、中心部から乾燥
した、こし(腰)のある商品価値の高いいりこを得るこ
とができた。せいろを乾燥室内に置いたまま罨上するた
め、せいろの室外取り出しに掛る時間が節約できるし、
全量均等に仕上げることができる。インバータ制御によ
る余熱送風により、余熱を見込んだ分、放熱器の停止を
早め放熱器(熱交換機)に使用する燃料の節約、消費電
力の大幅な節約をすることができた。
【0026】以上、実施の形態を説明してきたが、本発
明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあ
っても本発明に含まれる。
明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあ
っても本発明に含まれる。
【0027】送風機の風量や放熱器のON,OFF制
御、サイクルタイムなどは、乾燥状態に応じ、適宜自動
変更することができる。乾燥用空気吹き込み装置の構
造、乾燥室内の構造、せいろの積層状態、せいろ以外の
乾物原料支持体などは任意に設定することができる。乾
燥工程は24時間行うとしたが、作業時間の設定や罨上
回数は乾物原料によって任意に設定することができる。
乾物原料としてイワシ以外の魚介類や素麺などのめん類
などがある。
御、サイクルタイムなどは、乾燥状態に応じ、適宜自動
変更することができる。乾燥用空気吹き込み装置の構
造、乾燥室内の構造、せいろの積層状態、せいろ以外の
乾物原料支持体などは任意に設定することができる。乾
燥工程は24時間行うとしたが、作業時間の設定や罨上
回数は乾物原料によって任意に設定することができる。
乾物原料としてイワシ以外の魚介類や素麺などのめん類
などがある。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
1記載の乾物の製造方法にあっては、前記方法を採用し
たため、罨上中の乾物原料を罨上の進行状態に合わせて
最適状態で処理することができ、このため、特に色調が
優れ、こしが有り、保存性に優れ、商品価値の高い乾物
を製造することができるなどの効果が得られる。
1記載の乾物の製造方法にあっては、前記方法を採用し
たため、罨上中の乾物原料を罨上の進行状態に合わせて
最適状態で処理することができ、このため、特に色調が
優れ、こしが有り、保存性に優れ、商品価値の高い乾物
を製造することができるなどの効果が得られる。
【0029】請求項2記載の乾物の製造方法にあって
は、乾物原料の表面温度が温風の湿球温度より高くなる
時点を把握して、その乾物原料の表面温度を下げてやる
(罨上)ことで乾物原料の表面を余分に加熱せず、更に
表面温度が十分に下がった時、再度温風乾燥を行なうと
いう工程を繰り返すことで初期の恒率乾燥期の状態に戻
し効率的な乾燥を行なうことができる。そして前記罨上
は、せいろを直接乾燥室内に入れたまま行なうから、罨
上の回数が多いほど時間の無駄を無くし、乾燥効率をよ
くすると共に人手を不要とすることができる。また、熟
練者でなくとも製品の仕上がりをよくし、加熱時間を短
縮し、加熱に要する燃料の費用を軽減することができ
る。
は、乾物原料の表面温度が温風の湿球温度より高くなる
時点を把握して、その乾物原料の表面温度を下げてやる
(罨上)ことで乾物原料の表面を余分に加熱せず、更に
表面温度が十分に下がった時、再度温風乾燥を行なうと
いう工程を繰り返すことで初期の恒率乾燥期の状態に戻
し効率的な乾燥を行なうことができる。そして前記罨上
は、せいろを直接乾燥室内に入れたまま行なうから、罨
上の回数が多いほど時間の無駄を無くし、乾燥効率をよ
くすると共に人手を不要とすることができる。また、熟
練者でなくとも製品の仕上がりをよくし、加熱時間を短
縮し、加熱に要する燃料の費用を軽減することができ
る。
【0030】請求項3記載の乾物の製造方法にあって
は、乾物原料の乾燥度が高くなると、罨上の時点で乾物
原料が逆に乾燥室内の水分を吸収する事態となって乾燥
度の目標値になかなか到達できないことになるが、この
時点の罨上中に乾物原料の表面湿球温度に対し1℃ない
し2℃低い湿球温度を有する温風を供給することで、乾
物原料が逆に外部から水分吸収するということを阻止す
ると共に体内の水分を表面側に拡散させ、その後の乾燥
を促進させることができるようになる。
は、乾物原料の乾燥度が高くなると、罨上の時点で乾物
原料が逆に乾燥室内の水分を吸収する事態となって乾燥
度の目標値になかなか到達できないことになるが、この
時点の罨上中に乾物原料の表面湿球温度に対し1℃ない
し2℃低い湿球温度を有する温風を供給することで、乾
物原料が逆に外部から水分吸収するということを阻止す
ると共に体内の水分を表面側に拡散させ、その後の乾燥
を促進させることができるようになる。
【0031】請求項4記載の乾物の製造方法に使用する
制御装置あっては、予め乾物原料の種類によって乾燥用
温度を設定し、温風乾燥中は温度センサの測定により乾
燥室内を前記設定温度に一定時間維持して乾物原料の水
分を除去し、更にその後、送風機のみを作動させること
によって放熱器の余熱温度、あるいは外気温度の送風す
ることにより、乾物原料を乾燥室内で罨上することにな
る。この乾燥と罨上とを乾燥室内で繰り返すことによ
り、乾物原料の体内水分を可能な限り除去して最適に乾
燥し、色調が良く、仕上がりの良い乾物製品を製造する
ことができる。また、乾物原料を罨上するため乾燥室外
に搬出しなくても良いから、効率よく品質の一定した製
品を安価に製造することができるなどの効果が得られ
る。
制御装置あっては、予め乾物原料の種類によって乾燥用
温度を設定し、温風乾燥中は温度センサの測定により乾
燥室内を前記設定温度に一定時間維持して乾物原料の水
分を除去し、更にその後、送風機のみを作動させること
によって放熱器の余熱温度、あるいは外気温度の送風す
ることにより、乾物原料を乾燥室内で罨上することにな
る。この乾燥と罨上とを乾燥室内で繰り返すことによ
り、乾物原料の体内水分を可能な限り除去して最適に乾
燥し、色調が良く、仕上がりの良い乾物製品を製造する
ことができる。また、乾物原料を罨上するため乾燥室外
に搬出しなくても良いから、効率よく品質の一定した製
品を安価に製造することができるなどの効果が得られ
る。
【0032】請求項5記載の乾物の製造方法に使用する
制御装置では、乾物原料の乾燥度が高くなると、罨上の
時点で乾物原料が逆に乾燥室内の水分を吸収する事態と
なって乾燥度の目標値になかなか到達できないことにな
るが、この時点の罨上中に乾物原料の表面湿球温度に対
し1℃ないし2℃低い湿球温度を有する温風を供給する
ことで、加熱用燃料の費用を最少限に抑えながら、乾物
原料の外部からの水分吸収を不可能とすると共に体内の
水分を表面側に拡散させ、その後の乾燥を促進させ、仕
上がりのよい乾物製品を経済的に製造することができる
ようになる。
制御装置では、乾物原料の乾燥度が高くなると、罨上の
時点で乾物原料が逆に乾燥室内の水分を吸収する事態と
なって乾燥度の目標値になかなか到達できないことにな
るが、この時点の罨上中に乾物原料の表面湿球温度に対
し1℃ないし2℃低い湿球温度を有する温風を供給する
ことで、加熱用燃料の費用を最少限に抑えながら、乾物
原料の外部からの水分吸収を不可能とすると共に体内の
水分を表面側に拡散させ、その後の乾燥を促進させ、仕
上がりのよい乾物製品を経済的に製造することができる
ようになる。
【図1】本発明の実施の形態のいりこの製造装置の作動
状態を(イ),(ロ)の順に示す横断面図である。
状態を(イ),(ロ)の順に示す横断面図である。
【図2】実施の形態のいりこの製造装置を示す縦断面図
である。
である。
【図3】実施の形態の制御装置を示すブロック図であ
る。
る。
【図4】実施の形態の乾物の製造方法を示すフローチャ
ートである。
ートである。
【図5】実施の形態のいりこの製造方法と従来方法のテ
スト結果を示す説明図である。
スト結果を示す説明図である。
【図6】乾燥過程での水分および表面温度変化を示す説
明図である。
明図である。
A いりこの製造装置 1 第1乾燥室 2 第2乾燥室 4 間仕切り 5a 第1乾燥室の一端側通風口 5b 第1乾燥室の他端側通風口 6a 第2乾燥室の一端側通風口 6b 第2乾燥室の他端側通風口 9 第1乾燥用空気吹き込み装置 10 第2乾燥用空気吹き込み装置 11 放熱器 12 プロペラ型送風機 13 台車 30a,30b 温湿度センサ 31a,31b イワシ表面温度測定用センサ 35 温風乾燥制御部 37 罨上制御部 39 インバータ 40 乾燥用空気吹き込み装置の入れ換え制御部 41 放熱器のバルブ
Claims (5)
- 【請求項1】 乾物原料を収容した乾燥室内に温風を供
給して前記乾物原料を温風乾燥し、かつ前記温風乾燥途
中に放熱器の作動を停止して外気温度の空気を供給する
送風機のみの作動による罨上時間を複数回間隔を開けて
設けることにより、乾物原料を乾燥する乾物の製造方法
において、 前記罨上時間中の送風量を温風供給時の送風量より減少
制御する ことを特徴とする乾物の製造方法。 - 【請求項2】 乾物原料を収容した乾燥室内に温風を供
給して前記乾物原料を温風乾燥し、かつ前記温風乾燥途
中に放熱器の作動を停止して外気温度の空気を供給する
送風機のみの作動による罨上時間を複数回間隔を開けて
設けることにより、乾物原料を乾燥する乾物の製造方法
において、 前記罨上は乾物原料の表面温度が乾燥室内に供給してい
る温風の湿球温度と略同等となった時点で開始する こと
を特徴とする乾物の製造方法。 - 【請求項3】 前記乾燥終了までに複数回行なう罨上の
うち乾物原料の乾燥度が水分量40%ないし15%とな
った状態で行なう罨上においては乾物原料の表面湿球温
度より1℃ないし2℃低い湿球温度を有する温風を供給
することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
乾物の製造方法。 - 【請求項4】 乾物原料を収容した乾燥室内に配置する
温度センサと、前記温度センサの測定により乾燥用設定
温度を維持するように一定時間放熱器および送風機を作
動させる制御部と、かつ前記乾燥用設定温度で一定時間
経過後一定時間だけ送風機のみを作動させる制御部と、
を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2
に記載の乾物の製造方法に使用する制御装置。 - 【請求項5】 乾物原料を収容した乾燥室内に配置する
温度センサと、前記温度センサの測定により乾燥用設定
温度を維持するように一定時間放熱器および送風機を作
動させる制御部と、かつ前記乾燥用設定温度で一定時間
経過後一定時間だけ送風機のみを作動させる制御部と、
乾物原料の表面温度の測定センサと温風の湿球温度を測
定するセンサにより乾物原料の表面温度が温風の湿球温
度と略 同等となった時点で送風のみまたは乾物原料の表
面湿球温度より1℃ないし2℃低い湿球温度を有する温
風を供給させる制御部を備えていることを特徴とする請
求項1ないし請求項3のうちいずれかの項に記載の乾物
の製造方法に使用する制御装置。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10150540A JP2986774B2 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 乾物の製造方法およびそれに使用する制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10150540A JP2986774B2 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 乾物の製造方法およびそれに使用する制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11325724A JPH11325724A (ja) | 1999-11-26 |
JP2986774B2 true JP2986774B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=15499109
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10150540A Expired - Fee Related JP2986774B2 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 乾物の製造方法およびそれに使用する制御装置 |
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JP2008008530A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Hokuetsu Denken Kk | 遠赤外線乾燥装置 |
JP5072130B2 (ja) * | 2010-10-19 | 2012-11-14 | 有限会社丸忠設備工業 | 乾燥装置 |
JP7037809B2 (ja) * | 2018-02-26 | 2022-03-17 | 株式会社木原製作所 | 循環式乾燥機とその乾燥方法及びその乾燥制御プログラム |
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1998
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