JP2986641B2 - 磁気テープ装置の駆動機構 - Google Patents

磁気テープ装置の駆動機構

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JP2986641B2
JP2986641B2 JP5066900A JP6690093A JP2986641B2 JP 2986641 B2 JP2986641 B2 JP 2986641B2 JP 5066900 A JP5066900 A JP 5066900A JP 6690093 A JP6690093 A JP 6690093A JP 2986641 B2 JP2986641 B2 JP 2986641B2
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広伸 下村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カセットテープレコー
ダー等のオートストップ機構を備える磁気テープ装置の
駆動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば図9に示す磁気テープ
装置の駆動機構が知られており、上記駆動機構では、モ
ータ等の駆動力が伝達されて、その回転駆動力を平滑化
するためのフライホイール101がメインシャーシ10
2に設けられた軸受けに回転自在に取り付けられ、その
フライホイール101の同軸上にギヤ101aが設けら
れている。そのギヤ101aは後述するギヤ107aと
常時歯合している。
【0003】また、上記フライホイール101からの回
転駆動力を、後述する巻取りリール台108に伝達する
アイドラーカムギヤ103が設けられている。そのアイ
ドラーギヤ103には、後述するセンサレバーB117
の回動端である突出部117cと接触して、上記突出部
117cを揺動可能な内周面を有するカム105が設け
られている。
【0004】また、そのアイドラーカムギヤ103に
は、同軸に、前記ギヤ107aとギヤ107とが形成さ
れている。よって、ギヤ107aとギヤ101aとが常
時歯合しているため、上記アイドラーカムギヤ103
は、フライホイール101の回転力が直接伝達されてい
る。また、上記ギヤ107は、移動して後述する巻取り
リール台108のリール台ギヤ108aと歯合可能とな
っている。
【0005】上記アイドラーギヤ103は、支軸110
を中心に回転可能となっていて、その支軸110を備え
るアイドラーレバー109が、フライホイール101と
同軸な軸受け外周を回転軸とし、時計・反時計方向の双
方に回転可能に取り付けられている。
【0006】上記支軸110は、上記アイドラーレバー
109の回動端部に取り付けられており、そのアイドラ
ーレバー109が回動することにより、アイドラーカム
ギヤ103の回転を維持しながら、フライホイール10
1の回転軸を中心として、上記アイドラーカムギヤ10
3を回転移動できるようになっている。
【0007】また、上記アイドラーレバー109には、
ほぼ背向する径方向に延び、一体的に回動する解除レバ
ー109aが設けられ、その解除レバー109aは、後
述するサブシャーシ144の垂設ピン111と接触可能
な当接側部109bと、後述するメインロック板122
の立設片122gとに接触可能な当接側部109cとを
有している。なお、上記アイドラーレバー109は、図
示しないが、スプリングにより反時計方向に付勢されて
いる。
【0008】カセットテープ等の磁気テープを駆動する
ための巻取りリール台108が、メインシャーシ102
に回転自在に取り付けられ、その巻取りリール台108
には、同軸上に前記のリール台ギヤ108a、リールキ
ャップ115、後述するセンサレバーA116が設けら
れている。上記巻取りリール台108には同軸にギヤ1
08bが形成されていて、そのギヤ108bに後述する
中間ギヤ124が常時歯合している。また、上記巻取り
リール台108と対となる供給リール台123がメイン
シャーシ102に回転自在に取り付けられている。
【0009】なお、この駆動機構では、上記巻取りリー
ル台108と供給リール台123の回転軸を結んだ仮想
線に対して平行な方向を左右方向と呼び、上記仮想線に
対して垂直な方向に上下方向と呼び、巻取りリール台1
08側を右側とし、供給リール台123を左側とする一
方、移動方向を示す際に上記フライホイール101に対
して上記仮想線を上方向という。
【0010】また、前記リール台ギヤ108aと、その
回転力が伝達される巻取りリール台108との間には、
所定の負荷が巻取りリール台108にかかると、上記巻
取りリール台108は停止するが、上記リール台ギヤ1
08aの回転は維持できる圧縮スプリングによるスリッ
プ機構が設けられている。
【0011】前記センサレバーA116は、略ヘの字状
に形成されて、腕116aと腕116bとを有してお
り、後述するセンサレバーB117の腕118の斜面1
18a・118bと接触可能に取り付けられている。ま
た、センサレバーA116は、巻取りリール台108に
軽圧入されていて、これによりスリップ力が発生、すな
わち、上記センサレバーA116に、巻取りリール台1
08の回転力により、その回転方向への付勢力が発生す
る。
【0012】前記センサレバーB117は、そのほぼ中
央部で、メインシャーシ102に設けられた支軸102
aに回転自在に取り付けられ、その回動端部に3つの腕
117a・117b・118を有している。その腕11
7aの先端に前述した突出片117cが設けられ、その
突出片117cは、カム105の内周面と、オートスト
ップ検出用ピン106との何方か一方に当接可能となっ
ている。
【0013】一方の回動端である腕117bには、後述
するセンサスプリング119の支持点120が設けられ
ている。また、上記センサレバーB117は、図示しな
いが、メインシャーシ102に設けられた規制片により
紙面に垂直方向への脱離が防止されている。
【0014】上記センサスプリング119は、メインシ
ャーシ102上の支点102bを有するねじりスプリン
グであって、その一端部を前記支持点120と当接させ
る一方、その他端部を、後述するスイッチ板121の立
設片129と、メインロック板122の立設片128と
の何れか一方に当接させることにより、センサレバーB
117に時計方向の付勢力を発生させるようになってい
る。
【0015】前記スイッチ板121は、メインシャーシ
102上で左右に移動可能に取り付けられ、また、図示
しないスプリングにより左方向に付勢されている。スイ
ッチ板121には、図10にも示すように、斜面121
a〜cおよび斜面121d〜fがそれぞれ設けられてい
る。
【0016】上記各斜面121a〜cおよび斜面121
d〜fは、後述する操作レバー112〜114のロック
部112a・113a・114aとそれぞれ接触可能と
なっていて、上記斜面121a〜cは、各操作レバー1
12〜114の上方向への移動に伴って上記スイッチ板
121を右方向に移動させ、上記斜面121d〜fは、
さらに上記各操作レバー112〜114が上方向に移動
すると、上記スイッチ板121をその付勢力により復帰
させるようになっている。
【0017】前記メインロック板122は、メインシャ
ーシ102上で左右に移動可能に取り付けられ、また、
図示しないスプリングにより右方向に付勢されている。
上記メインロック板122は、各斜面122a〜cを備
えており、これら斜面122a〜cは、前記各ロック部
112a・113a・114aとそれぞれ接触可能とな
っていて、上記各操作レバー112〜114が上方向に
移動すると、上記メインロック板122が左方向に移動
するようになっている。
【0018】また、メインロック板122の立設片12
2gは、アイドラーレバー109の解除レバー109a
の当接側部109cと当接可能となっている。また、メ
インロック板122には、上方向に移動した各ロック部
112a・113a・114aを係止するため、凹部形
状の係止部122d・122e・122fが形成されて
いる。
【0019】上記操作レバー112〜114は、メイン
シャーシ102上で上下方向に移動可能にそれぞれ取り
付けられ、図示しない弾性復帰力に抗して、手動で押し
込み動作を行うことにより、再生モード、早巻戻しモー
ド、早送りモードの各モードを実行させるものである。
【0020】上記操作レバー112は再生操作部材であ
って、上方向の押し込み動作の際に後述するサブシャー
シ144を同方向に連動させるようになっている。前記
操作レバー113は早巻戻し用操作部材であって、後述
するF/Rローラレバー125の突出部125dと接触
可能な図12に示す斜面142および斜面143を有し
ている。前記操作レバー114は早送り用操作部材であ
って、上記突出部125dと接触可能な図11に示す当
接端部114bを有している。
【0021】前記の供給リール台123は、図9に示す
ように、同軸上にギヤ123aを備えており、そのギヤ
123aは、後述するF/Rローラギヤ127と歯合可
能となっていて、フライホイール101からの回転力が
伝達される後述するF/Rローラプーリー126を通し
てF/Rローラギヤ127により回転して供給リール台
123を時計方向に駆動するようになっている。
【0022】前記中間ギヤ124は、メインシャーシ1
02に回転自在に取り付けられ、移動した上記F/Rロ
ーラギヤ127と歯合可能となっていて、フライホイー
ル101からの回転力が伝達される後述するF/Rロー
ラプーリー126を通して巻取りリール台108を早送
りで回転できるようになっている。
【0023】前記F/Rローラレバー125は、メイン
シャーシ102上に設けられた支軸102cにより回転
自在になっていて、また、上下方向に、図12に示すよ
うに、回動端である腕125a・125bをそれぞれ有
している。
【0024】その腕125aの先端部には、操作レバー
113の上方向端部に設けられた図12に示す斜面14
2・143と、操作レバー114の上方向端部である当
接端部114bと当接可能な突出部125dが設けられ
ている。また、上記腕125bには、図11に示すよう
に、後述するF/Rローラプーリー126とF/Rロー
ラギヤ127の支軸125cが設けられている。
【0025】前記F/Rローラプーリー126は、支軸
125cを回転中心として上記F/Rローラギヤ127
と同軸に、F/Rローラレバー125上に形成され、さ
らに、フライホイール101とベルト128にて連動し
ているため、そのフライホイール101の回転力を直接
伝達されて回転する。
【0026】その上、F/Rローラレバー125の回転
軸である支軸102cが、フライホイール191とF/
Rローラプーリー126の支軸125cを結ぶ仮想線よ
り左方向に寄った位置に設定されているため、上記F/
Rローラレバー125は、反時計方向に回転するフライ
ホイール101の回転中、上記ベルト128の張力によ
り、上記支軸102cを中心として時計方向に付勢され
ている。
【0027】前記F/Rローラギヤ127は、F/Rロ
ーラプーリー126と同軸上に取り付けられ、一体的に
回転可能となっている。また、上記F/Rローラプーリ
ー126には、前記の巻取りリール台8または供給リー
ル台123に所定の負荷がかかると、前記F/Rローラ
ギヤ127の回転は停止するが、フライホイール101
の回転を阻害しないようにF/Rローラプーリー126
自身は回転するスリップ機構(図示せず)が、F/Rロ
ーラギヤ127との間に設置されている。
【0028】次に、ストップ状態から再生状態に移行す
る際の各動作について説明すると、まず、操作レバー1
12を、図示しないスプリングの下方向への付勢力に抗
して押し込むと、図10に示すように、前記ロック部1
12aと斜面122aおよび斜面121a・121dと
の当接により、スイッチ板121は一旦右方向に移動し
て、ほぼ元の位置に復帰する一方、メインロック板12
2は左方向に移動し、上記ロック部112aと係止部1
22dとにより所定位置で固定される。
【0029】このとき、上記移行時において、センサス
プリング119によるセンサレバーB117への時計方
向への付勢力を発生させてオートストップを回避するた
めに、上記メインロック板122が左方向に移動して、
メインロック板122の立設片128と、センサスプリ
ング119との当接が解除されるとき、右方向に移動す
るスイッチ板121の立設片129と上記センサスプリ
ング119とが当接して、センサレバーB117への付
勢力の発生を維持できるようになっている。
【0030】なお、上記のような移行後は、直ちに、後
述するようにセンサレバーA116によりセンサレバー
B117に対して時計方向への付勢力が発生するように
なっていて、移行後におけるオートトスップが回避され
る。
【0031】また、サブシャーシ144が上方向に移動
するため、そのサブシャーシ144の垂設ピン111も
移動して、反時計方向に付勢されているアイドラーレバ
ー109が反時計方向に移動する。これにより、アイド
ラーカムギヤ103のギヤ107と、巻取りリール台1
08のリール台ギヤ108aとが歯合して、フライホイ
ール101からの回転駆動力により上記巻取りリール台
108が反時計方向に回転駆動され、リールキャップ1
15が回転する。
【0032】このとき、上記巻取りリール台108に軽
圧入されているセンサレバーA116に、巻取りリール
台108と同方向に回転付勢力が発生して、上記センサ
レバーA116が反時計方向に回転し、その腕116a
が、センサレバーB117の腕118bを押圧する。こ
のことにより、センサレバーB117は時計方向に付勢
される。このとき、メインロック板122およびスイッ
チ板121はそれぞれ移動しており、メインロック板1
22の立設片128と、スイッチ板121の立設片12
9とによる押圧に起因するセンサスプリング119の付
勢力は解除されている。
【0033】したがって、センサレバーB117の回動
端に設けられた突出部117cは、カム105と当接し
て摺動するから、オートストップ検出用ピン106との
係合が回避される。したがって、巻取りリール台108
はオートストップが回避されて再生状態が維持される。
【0034】次に、早送り状態への移行する際の各動作
について説明する。まず、図11に示すように、操作レ
バー114を押し込むと、再生状態と同様に、前記ロッ
ク部114aと斜面122cおよび斜面121c・12
1fとの当接により、スイッチ板121は一旦右方向に
移動した後ほぼ元の位置復帰し、一方、ロック板122
は左方向に、図示しない双方の付勢力に抗して移動し、
上記ロック部114aと係止部122fとにより所定位
置で固定される。
【0035】このとき、待機位置での操作レバー114
では、その当接端部114bが、前記突出部125dと
当接しているが、上記操作レバー114が上方向に移動
すると、その当接端部114bに隣接して設けられてい
る左方向に凹んだ凹部当接部114cと上記突出部12
5dとが当接して、前述したように時計方向に付勢され
ているF/Rローラレバー125が時計方向に回転す
る。
【0036】これにより、F/Rローラプーリー126
およびF/Rローラギヤ127が時計方向に回転移動し
て、上記F/Rローラギヤ127が中間ギヤ124と歯
合する。よって、フライホイール101からの回転駆動
力が巻取りリール台108のギヤ108bに伝達される
から、上記巻取りリール台108が反時計方向に回転し
て早送り状態となる。
【0037】このとき、再生状態と同様に、センサレバ
ーA116に回転付勢力が発生し、そのセンサレバーA
116の腕116bが、センサレバーB117における
腕118bを下方向に押圧する。このことにより、セン
サレバーB117が時計方向に付勢されるから、前述し
た再生状態と同様に、突出部117cがカム105と当
接して、オートストップ検出用ピン106との係合が回
避され、よって、上記構成は、早送り状態が維持され
る。
【0038】次に、早巻戻し状態に移行する際の各動作
について説明すると、まず、図12に示すように、操作
レバー113を押し込むと、再生状態と同様に、前記ロ
ック部113aと斜面122bおよび斜面121b・1
21eとの当接により、スイッチ板121は一旦右方向
に移動した後ほぼ元の位置復帰し、一方、ロック板12
2は左方向に、図示しない双方の付勢力に抗して移動
し、上記ロック部113aと係止部122eとにより所
定位置で固定される。
【0039】このとき、上記操作レバー113は、その
ロック部113aがメインロック板122の係止部12
2eまで移動するので、操作レバー113の斜面142
と時計方向に付勢されているF/Rローラレバー125
の突出部125dとが当接し、上記突出部125dを、
付勢力に抗して上記斜面142に沿って押圧して前記支
軸102cを中心として反時計方向に移動させる。
【0040】このように操作レバー113を押し込んで
移動させて、上記突出部125dが、上記斜面142の
中間部に達すると、F/Rローラレバー125の腕12
5bに回転軸を有するF/Rローラプーリー126およ
びF/Rローラギヤ127が反時計方向に移動して、上
記F/Rローラギヤ127が供給リール台123のギヤ
123aと歯合し始め、さらに、操作レバー113を押
し込んで移動させて、上記突出部125dが、上記斜面
142の下端部に達すると、上記F/Rローラギヤ12
7とギヤ123aとの歯合が完了する。
【0041】これにより、フライホイール101からの
回転駆動力により、供給リール台123は時計方向に回
転する早巻戻し状態となる。このとき、上記供給リール
台123に連動して巻取りリール台108も時計方向に
回転するから、その回転力によりセンサレバーA116
に時計方向への回転付勢力が発生し、そのセンサレバー
A116の腕116bが、センサレバーB117におけ
る腕118aを下方向に押圧する。
【0042】このことにより、センサレバーB117が
時計方向に付勢されるから、前述した再生状態と同様
に、突出部117cがカム105と当接して、オートス
トップ検出用ピン106との係合が回避され、よって、
供給リール台123の早巻戻し状態が維持される。
【0043】次に、再生状態からオートストップ時の各
動作について説明する。まず、図10に示すように、前
述した再生状態において磁気テープがテープエンドに達
すると、巻取りリール台108は回転を規制され、リー
ルキャップ115は停止する。しかし、アイドラーカム
ギヤ103には回転駆動力が伝達されているので、巻取
りリール台108のスリップ機構によりリール台ギヤ1
08aのみ回転する。
【0044】これにより、センサレバーA116は、上
記巻取りリール台108による回転付勢力が解除され、
センサレバーB117に対する付勢が解除されるので、
上記センサレバーB117の突出部117cは、アイド
ラーカムギヤ103のカム105の内周面に沿って移動
し、そのカム105における最も支軸110に近い内周
面位置に達すると、その位置で停止する。続いて、さら
に、アイドラーカムギヤ103が回転すると、図13に
示すように、上記突出部117cは前記オートストップ
検出用ピン106と当接する。
【0045】また、上記センサレバーB117は、前記
センサスプリング119と支持点120とによって、反
時計方向の回転が規制されるから、突出部117cは前
記オートストップ検出用ピン106と当接とにより、回
転駆動されているアイドラーカムギヤ103の回転が規
制される。
【0046】このとき、さらに、アイドラーカムギヤ1
03が回転すると、アイドラーレバー109が時計方向
に移動して、アイドラーカムギヤ103のギヤ107と
リール台ギヤ108aとの歯合が解除される。
【0047】一方、時計方向に回転するアイドラーレバ
ー109の解除レバー109aの当接側部部109c
も、メインロック板122の立設片122gと当接して
上記立設片122gを左方向に押圧するから、上記メイ
ンロック板122を左方向に移動させる。これにより、
操作レバー112のロック部112aと係止部122d
との係合状態が解除され、メインロック板122および
操作レバー112が、図示しない付勢力により待機位置
に復帰する。
【0048】次に、早送り状態からのオートストップ時
の各動作について説明する。図11に示す早送り状態か
らの各動作は、再生状態からのオートストップ時とほぼ
同様であるが、異なる点についてのみ説明すると、操作
レバー114が待機状態に復帰した際に、F/Rローラ
レバー125を反時計方向に回転させるから、F/Rロ
ーラギヤ127と中間ギヤ124との歯合が解除される
ことである。
【0049】次に、早巻戻し状態からのオートストップ
時の各動作について説明する。図12に示す早巻戻し状
態からの各動作は、再生状態からのオートストップ時と
ほぼ同様であるが、異なる点についてのみ説明すると、
操作レバー113が待機状態に復帰した際に、F/Rロ
ーラレバー125が時計方向に回転するから、F/Rロ
ーラギヤ127と、供給リール台123のギヤ123a
との歯合が解除されることである。
【0050】このように上記従来の構成では、各操作レ
バー112〜114を押し込んで、各モードに設定し、
巻取りリール台108が回転しているときは、その回転
力によるセンサレバーA116に対する回転付勢力によ
って、上記センサレバーA116の先端に設けられた突
出部117cとオートストップ検出用ピン106との係
合が防止されて、オートストップが回避されている。
【0051】また、上記各モードで磁気テープがテープ
エンドに達して上記巻取りリール台108が停止する
と、上記回転付勢力が解除されて、上記センサレバーA
116の先端に設けられた突出部117cとオートスト
ップ検出用ピン106とが当接してアイドラーカムギヤ
103の回転を規制して、その回転力を用いることによ
り、オートストップが可能となっている。
【0052】一方、上記構成では、待機状態においても
オートストップを防止するために、センサレバーB11
7に対して時計方向の付勢力を発生する必要があり、そ
のため、待機状態でのメインロック板122はセンサス
プリング119の一端部を右方向に押圧して、そのセン
サスプリング119がセンサレバーB117に回転付勢
力を発生している。
【0053】また、待機状態から各モードに移行する際
に、各操作レバー112〜114を上方向に押し込み、
その位置でロックするために、メインロック板122が
用いられている。
【0054】したがって、上記構成は、待機状態から各
モードに移行する際に、スイッチ板121およびメイン
ロック板122の双方を、それらの付勢力に抗してそれ
ぞれ移動させることにより、メインロック板122にお
けるセンサスプリング119への押圧が解除されると、
上記スイッチ板121が上記センサスプリング119を
押圧するというように、上記センサスプリング119を
順次押圧してセンサレバーB117に時計方向の付勢力
を発生させて、オートストップを回避できるようになっ
ている。
【0055】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、待機状態から各モードへの移行するとき、オ
ートストップを防止するために、スイッチ板121およ
びメインロック板122の双方を、それらの付勢力に抗
してそれぞれ移動させることにより、メインロック板1
22におけるセンサスプリング119への押圧が解除さ
れると、上記スイッチ板121が上記センサスプリング
119を押圧するというように、上記センサスプリング
119を順次押圧してセンサレバーB117に時計方向
の付勢力を発生させる必要がある。
【0056】このため、上記構成は、上記メインロック
板122またはスイッチ板121が、センサスプリング
119を押圧するタイミングの調整が難しく、上記メイ
ンロック板122およびスイッチ板121の取り付けが
煩雑なものとなるという問題を生じている。
【0057】そこで、本発明の目的は、構造を簡素化し
て、コストダウンおよび長期間の使用の際の動作の安定
化を図ることのできる磁気テープ装置の駆動機構を提供
することである。
【0058】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
磁気テープ装置の駆動機構は、以上の課題を解決するた
めに、磁気テープを回転駆動するための巻取りリール台
が、その回転軸に駆動力が伝達されて回転中に所定の負
荷が巻取りリール台に印加されると、上記巻取りリール
台の回転を停止する一方上記巻取りリール台の回転軸の
回転を維持するように設けられ、駆動手段からの駆動力
により回転する回転体が、駆動手段の回転軸を中心とし
て回転移動して巻取りリール台への駆動力の伝達を断接
するように設けられ、巻取りリール台の回転軸を回動中
心として回動可能な停止用レバーが、巻取りリール台の
回転力により上記巻取りリール台の各回転方向に応じて
回転付勢力をそれぞれ生じるように設けられ、回転体と
一体的に回転し、上記各回転付勢力に抗して上記停止用
レバーの回動端を揺動する第1カムおよび第2カムがそ
れぞれ設けられ、巻取りリール台が停止した際、回転体
と一体的に回転する当接部が、第1カムおよび第2カム
から離間した上記回動端と当接して上記回転体の回転を
規制することにより巻取りリール台への駆動力の伝達を
遮断するように設けられていることを特徴としている。
【0059】本発明の請求項2記載の磁気テープ装置の
駆動機構は、請求項1記載の磁気テープ装置の駆動機構
において、回動端は、その先端が凹部形状であることを
特徴としている。
【0060】本発明の請求項3記載の磁気テープ装置の
駆動機構は、請求項1記載の磁気テープ装置の駆動機構
において、巻取りリール台が回転しているときの停止用
レバーへの回転付勢力は、上記停止用レバーと巻取りリ
ール台との間に圧縮して挟装されたスプリングを設ける
ことによるものであり、さらに、巻取りリール台への駆
動力の伝達が遮断されているときに回動端と当接部との
当接を回避するように停止用レバーに回転付勢力を付与
する停止回避用レバーが上記スプリングの一端部を押圧
し得るように設けられていることを特徴としている。
【0061】本発明の請求項4記載の磁気テープ装置の
駆動機構は、請求項3記載の磁気テープ装置の駆動機構
において、さらに、停止回避用レバーは移動可能に設け
られ、磁気テープを早巻戻しするための巻戻し用操作レ
バーが往復移動可能に、かつ、停止回避用レバーを移動
するように設けられ、巻戻し用操作レバーと連動する巻
戻し操作部材が、往動作のときに駆動手段の回転駆動力
を、磁気テープを巻戻すための供給リール台に伝達する
ように設けられ、巻戻し用操作レバーに、上記往動作に
より巻戻し操作部材の接触部を押圧して移動させるため
の当接斜面が設けられ、巻戻し用操作レバーに、上記当
接斜面に連なり、かつ、上記当接斜面より往動作方向に
対する角度が小さく設定された当接面が、その当接面に
前記接触部が当接して上記巻戻し用操作レバーがさらに
往動作すると、前記停止回避用レバーを移動させてスプ
リングによる停止用レバーに対する回転付勢力を解除す
るように設定されていることを特徴としている。
【0062】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、回転体を、
駆動手段からの回転駆動力を巻取りリール台に伝達する
ように回転移動させることにより、上記巻取りリール台
を、例えば再生モードにおける反時計方向に回転駆動し
て、磁気テープを駆動することができる。
【0063】このとき、上記のように巻取りリール台が
回転駆動されると、その回転力により停止用レバーに、
反時計方向に回転付勢力が発生し、その回転付勢力によ
り停止用レバーの回動端を第1カムと当接した状態に維
持できる。これにより、回転体と一体的に回転し、上記
第1カムから離間して設けられた当接部と、上記回動端
との当接を回避でき、巻取りリール台における再生モー
ドでの回転駆動を維持できる。
【0064】一方、例えば、早巻戻しモードでは、巻取
りリール台は時計方向に回転するから、その回転力によ
り停止用レバーに時計方向に回転付勢力が発生し、その
回転付勢力により停止用レバーの回動端を第2カムと当
接した状態に維持できる。これにより、回転体と一体的
に回転し、上記第2カムから離間して設けられた当接部
と、上記回動端との当接を回避でき、巻取りリール台に
おける早巻戻しモードでの回転駆動を維持できる。
【0065】このように巻取りリール台が回転されて、
駆動される磁気テープが、そのテープエンドに達する
と、そのテープテンションにより巻取りリール台の回転
が規制される。このとき、上記テープテンションによる
負荷により、巻取りリール台は停止するが、上記巻取り
リール台の回転軸の回転は維持できるから、上記回転軸
に駆動力を伝達している回転体および駆動手段の回転も
維持できる。
【0066】これにより、巻取りリール台の回転力によ
り生じていた停止用レバーへの回転付勢力が解除される
から、上記停止用レバーの回動端は、回転体と一体的に
回転する上記第1カムおよび第2カムから離間し、その
位置を維持する。
【0067】このとき、上記回転体と一体的に回転する
当接部が、上記第1カムおよび第2カムから離間した回
動端と当接するように設けられているので、上記回動端
と当接部とが当接して、駆動手段により駆動される回転
体の回転を規制する。
【0068】これにより、上記回転体の回転軸が、上記
駆動手段の回転軸を中心として回転移動して、回転体
は、駆動手段から巻取りリール台への駆動力の伝達を遮
断するように回転移動することができる。したがって、
上記構成は、巻取りリール台により回転駆動される磁気
テープが、そのテープエンドに達すると、巻取りリール
台を自動停止させることができる。
【0069】ところで、従来では、巻取りリール台の回
転力により各回転方向への付勢力を利用して、自動停止
を回避するために、巻取りリール台による各回転方向へ
の付勢力を、一方向に回転付勢力に変換する必要があ
り、その変換のためのセンサレバーB等の変換部材を必
要としていた。
【0070】しかしながら、上記構成では、第1カムお
よび第2カムを設けたことにより、上記変換部材を省く
ことができ、簡素化できるものとなっている。
【0071】上記請求項2記載の構成によれば、さら
に、回動端の先端を凹部形状にしたから、上記回動端と
当接部との係合を確実化することができ、自動停止をよ
り確実なものとすることができる。
【0072】上記請求項3記載の構成によれば、さら
に、スプリングは、巻取りリール台の回転しているとき
に停止用レバーに回転付勢力を発生することができる。
その上、巻取りリール台を待機状態から駆動状態に移行
する場合、回転体は回転しているが上記巻取りリール台
が停止しているときに、上記停止用レバーに、例えば反
時計方向への回転付勢力を発生することができる。これ
により、上記スプリングは、自動停止動作の誤動作を回
避するための停止用レバーへの各回転付勢力をそれぞれ
発生できるから、各回転付勢力の発生させるための部材
として兼用が可能となる。このことから、上記構成は従
来より部品点数を低減できる。
【0073】上記請求項4記載の構成によれば、巻戻し
用操作レバーを押し込んで往動作させると、それと連動
する当接斜面と接触部とにより、巻戻し操作部材を移動
させて、駆動手段からの回転駆動力が供給リール台に供
給され、上記供給リール台を時計方向に回転させて磁気
テープを早巻戻しできる。
【0074】さらに、上記接触部と当接面とが当接する
まで、上記巻戻し用操作レバーを押し込んで往動作させ
ると、上記巻戻し用操作レバーが前記停止回避用レバー
を移動させてスプリングによる停止用レバーに対する、
例えば反時計方向への回転付勢力を解除する一方、上記
供給リール台が時計方向に回転しているから、前記巻取
りリール台も回転し、巻取りリール台の回転力により停
止用レバーに時計方向への回転付勢力が発生する。
【0075】これにより、上記停止用レバーの回動端
を、第1カムから第2カムに移動させて、上記第2カム
に当接させることができて、その当接状態を維持でき
る。したがって、回転体と一体的に回転し、上記第2カ
ムから離間して設けられた当接部と、上記回動端との当
接を回避でき、供給リール台の回転駆動を維持できる。
【0076】このとき、上記当接面は、当接斜面より往
動作方向に対する角度を小さくなるよう設定されている
から、巻戻し用操作レバーを押し込む操作力がほぼ同一
であるので、前記接触部が当接斜面から当接面に達する
と、上記巻戻し用操作レバーの往動作方向への移動速度
を早めることができる。
【0077】これにより、供給リール台への駆動力の伝
達後における、前記停止回避用レバーの移動を迅速化で
きるので、上記停止回避用レバーとスプリングとの押圧
による停止用レバーへの回転付勢力の解除を迅速化でき
る。
【0078】ところで、上記停止回避用レバーをゆっく
りと移動させると、上記スプリングによる停止用レバー
に対する回転付勢力と、供給リール台により回転駆動さ
れる巻取りリール台による回転付勢力とが拮抗する期間
が長くなるので、停止用レバーの回動端が第1カムから
第2カムへゆっくりと移動し、上記回動端と、前記当接
部とが係合して、誤って自動停止する誤動作が、早巻戻
しに移行する際に生じることがある。
【0079】しかしながら、上記構成は、当接斜面と当
接面の往動作方向に対する角度を変えることにより、上
記回動端の移動速度を迅速化できるから、上記のような
誤動作を回避できる。
【0080】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図8に
基づいて説明すれば、以下の通りである。磁気テープ装
置の駆動機構では、図1に示すように、図示しないモー
タから回転駆動力が伝達され、回転駆動力の回転ムラを
軽減するためのフライホイール(駆動手段)1が、メイ
ンシャーシ2に回転自在に取り付けられていて、そのフ
ライホイール1の同軸円周上にギヤ1aが設けられてい
る。そのギヤ1aは、後述するアイドラー大径ギヤ7a
と常時歯合している。なお、上記磁気テープ装置として
はカセットテープレコーダー等が挙げられる。
【0081】上記ギヤ1aから回転力が上記アイドラー
大径ギヤ7aを介して伝達されるアイドラーギヤ(回転
体)3が設けられていて、上記アイドラーギヤ3には、
後述するセンサレバー(停止用レバー)16の回動端に
垂設された突出回動端部(回動端)17と摺接可能な内
カム(第1カム)4と外カム(第2カム)5とが、一体
的に回転するように設けられている。
【0082】上記内カム4は、円柱状に形成されて、上
記アイドラーギヤ3の回転軸である支軸10に対して偏
心して取り付けられ、内カム4の外周面に上記突出回動
端部17の側部が当接可能となっている一方、上記外カ
ム5は、円筒状に形成されて、上記支軸10に対して偏
心して取り付けられ、外カム5の内周面が上記突出回動
端部17の側部に当接可能、かつ、上記内カム4の外周
面に対面するようになっている。
【0083】上記内カム4と外カム5との位置関係は、
支軸10から最も遠い内カム4の外周部位である最遠外
周部と支軸10とを結ぶ第1仮想線に対して、外カム5
における支軸10から最も遠い内周部位である最遠内周
部と支軸10とを結ぶ第2仮想線が、時計方向に約 120
度の位置となるように設定されている。
【0084】さらに、上記内カム4および外カム5は、
上記最遠外周部と支軸10との距離が、外カム5におけ
る支軸10から最も近い内周部位である最近内周部と支
軸10との距離が、ほぼ同一となるように設定されてい
る。
【0085】また、上記内カム4と外カム5との間に
は、前記突出回動端部17と係合することにより、駆動
力の伝達をオートストップさせるためのオートストップ
検出用ピン(当接部)6が立設されている。上記のオー
トストップとは、後述するように再生モード等の各モー
ドで磁気テープが駆動されているときに、上記磁気テー
プがテープエンドに達すると、駆動されている巻取りリ
ール台8および供給リール台38への駆動力の伝達を自
動停止する機能である。
【0086】このために、上記オートストップ検出用ピ
ン6は、支軸10からの距離が、前記最遠外周部と支軸
10との距離とほぼ同一となるように設定され、その
上、ほぼ前記第2仮想線上となるように設けられてい
る。
【0087】これにより、後述するセンサレバー16
が、巻取りリール台8の回転方向に付勢、あるいはセン
サスプリング19により反時計方向に付勢されて、前記
突出回動端部17が、内カム4または外カム5に当接し
ている状態では、上記オートストップ検出用ピン6と突
出回動端部17との当接が回避されている。
【0088】さらに、アイドラーギヤ3には、前記アイ
ドラー大径ギヤ7aと、それより小径なアイドラー小径
ギヤ7とが同軸上に取り付けられている。なお、上記ア
イドラー小径ギヤ7は、後述するように、上記アイドラ
ーギヤ3がギヤ1aの回転軸を中心として回転移動する
ことにより、後述するリール台ギヤ8aと歯合可能とな
っている。
【0089】また、前記ギヤ1aには、径方向に扇形に
延びるアイドラーレバー9が回動可能に取り付けられて
いる。そのアイドラーレバー9の回動端上に、上記アイ
ドラーギヤ3を回転自在に支持する前記支軸10が設け
られている。さらに、上記アイドラーレバー9と一体的
に回動する解除レバー9aが、上記アイドラーレバー9
とほぼ背向する径方向に延びるように設けられている。
また、上記アイドラーレバー9および解除レバー9a
は、図示しないスプリングにより反時計方向に付勢され
ている。
【0090】上記解除レバー9aは、上記スプリングの
付勢力に抗して解除レバー9aの位置を規制する垂設ピ
ン11と、時計方向に回転した解除レバー9aにより押
圧される突設片26との間に位置するように設けられて
いる。上記垂設ピン11は後述するサブシャーシ24の
右端部に設けられ、上記突設片26は後述するメインロ
ック板23の右端部に設けられている。
【0091】よって、上記解除レバー9aは、上記垂設
ピン11と当接可能に対面する第一側端部9bと、上記
突設片26と当接可能に対面する第二側端部9cとを備
えている。上記第一側端部9bは、その基部側から先端
部に向かって右側、つまり反時計方向に膨らむように形
成されている。
【0092】これにより、メインロック板23が下方向
の待機位置のとき、解除レバー9aの膨らんだ先端部側
と垂設ピン11とが当接してアイドラーレバー9を時計
方向に回転移動した位置に規制して、前記アイドラーギ
ヤ3を、そのアイドラー小径ギヤ7とリール台ギヤ8a
とを離間した状態に維持できる。
【0093】一方、メインロック板23が上方向の再生
モード位置のとき、解除レバー9aの凹んだ基部側と垂
設ピン11とが当接してアイドラーレバー9を反時計方
向に回転移動した位置に規制して、前記アイドラーギヤ
3を、そのアイドラー小径ギヤ7とリール台ギヤ8aと
を結合した状態に維持できる。
【0094】前記メインシャーシ2には、カセットテー
プ等を駆動するための巻取りリール台8が回転自在に取
り付けられていて、その回転軸と同軸に、前記リール台
ギヤ8a、メインシャーシ2上に露出してカセットテー
プ等のリール孔に嵌合して磁気テープを駆動するリール
キャップ15、後述するセンサレバー16およびセンサ
スプリング19が取り付けられている。
【0095】上記巻取りリール台8には、さらに、リー
ル台ギヤ8aより小径な早送り用ギヤ8bが同軸に設け
られていて、その早送り用ギヤ8bは、後述する中間ギ
ヤ33と常時歯合している。また、上記リール台ギヤ8
aには、その回転軸との間で、圧縮スプリング(図示せ
ず)を用いて、過負荷によりスリップし、回転力の伝達
を停止するスリップ機構(図示せず)が設けられてい
る。
【0096】このようなスリップ機構により、通常の磁
気テープの走行しているときのように上記リールキャッ
プ15に対して所定値以下の負荷の状態では、上記リー
ルキャップ15および巻取りリール台8と、上記両者を
駆動するリール台ギヤ8aとが一体的に回転し、一方、
磁気テープがテープエンドに達した場合のように、上記
リールキャップ15の回転に抗する方向に所定値を越え
る負荷がかかった状態では、リールキャップ15および
巻取りリール台8は停止するが、リール台ギヤ8aの回
転は維持できることになる。
【0097】前述したセンサレバー16は、巻取りリー
ル台8の回転中心を支点とし、リールキャップ15と巻
取りリール台8との間に回転可能に取り付けられ、径方
向にほぼ背向する2方向に延びる2本のオートストップ
用アーム16aと、規制用アーム16bとを備えてい
る。
【0098】上記オートストップ用アーム16aは、磁
気テープの終了点、つまりテープエンドでオートストッ
プを実行するためのものであり、このために、上記オー
トストップ用アーム16aの先端部である回動端には、
前述したようにアイドラーギヤ3の内カム4と外カム5
との間に位置し、両カム4・5およびオートストップ検
出用ピン6に接触可能な突出回動端部17が、その先端
を凹部形状に形成されて設けられている。
【0099】上記規制用アーム16bは、センサレバー
16の回転角度を所定範囲内に規制するためのものであ
り、このため、規制用アーム16bの回動端は、それが
反時計方向に回転した位置に、メインシャーシ2に垂設
された規制片20と接触可能となっている。このように
センサレバー16の回動範囲が規制されているので、前
記突出回動端部17は、内カム4の右側に移行すること
が防止されるから、常に、オートストップ検出用ピン6
と当接可能な状態となっている。
【0100】また、センサレバー16の回転軸の周囲か
ら径方向外向きに延びるフランジ部16c上に各ボス2
1・22が円周方向に並んで立設されており、それら両
ボス21・22は、後述するセンサスプリング19の両
端部19a・19bと常時接している。
【0101】上記センサスプリング19は、圧縮スプリ
ングとねじりスプリングの機能を合わせ備えているコイ
ルスプリングであって、その両端部をそれぞれ延ばして
前述したボス21・22の双方に押圧して当接させるこ
とにより、センサレバー16上に固定されている。
【0102】上記スプリング端部19bは、さらにボス
22から延びていて、その先端部が、後述するキラーレ
バー(停止回避用レバー)18の回動端に立設された突
出片18aの下方向端部と当接可能となっている。ま
た、上記センサスプリング19は、センサレバー16と
リールキャップ15または巻取りリール台8との間に圧
縮して同軸に挟装されており、その軸方向への圧縮性に
より、前記センサレバー16に対するトルク、すなわち
回転付勢力を発生している。よって、前記リールキャッ
プ15および巻取りリール台8が回転すると、その回転
方向にセンサレバー16が付勢される。
【0103】前記キラーレバー18は、サブシャーシ2
4の上方に、メインシャーシ2上の支軸2aを中心とし
て回転可能に設けられ、その回動端に前記突出片18a
と、その中央部の上方向端に後述する立設片18bと、
その中央部の下方向端に後述する立上片18cとを備え
ている。
【0104】前記のメインロック板23は、メインシャ
ーシ2に設けられたガイド(図示せず)により、左右方
向に対して往復移動可能に取り付けられ、後述するスプ
リング41により、常時、右方向に付勢されている。な
お、本明細書では、前述した巻取りリール台8と後述す
る供給リール台38の各回転軸を結ぶ第3仮想線に平行
な方向を左右方向と呼び、垂直な方向を上下方向と呼
ぶ。また、上方向は、フライホイール1の回転軸から上
記第3仮想線に近づく方向であり、巻取りリール台8を
右側とし、供給リール台38を左側とする。
【0105】上記メインロック板23には、図2および
図3にも示すように、その右方向端部に前記の突設片2
6が設けられ、また、上記各操作レバー12・13・1
4が上方向に移動した際に、3個の後述する操作レバー
12・13・14の各ロック部12a・13a・14a
を係止する係止部27・28・29が形成され、さら
に、上記各操作レバー12・13・14が上方向に移動
した際に、上記各ロック部12a・13a・14aとそ
れぞれ当接して上記メインロック板23を左方向に移動
させる斜面30・31・32が形成されている。
【0106】操作レバー12・13・14は、上下方向
に往復移動可能に取り付けられ、図示しない弾性復帰
力、つまりスプリングにより下方向にそれぞれ付勢され
ている。なお、ここでは各操作レバー12・13・14
を上方向に押し込む動作を往動作ともいう。
【0107】また、上記各操作レバー12・13・14
は、下方向への弾性復帰力に抗して上方向に手動にて押
し込むことにより、再生モード、早巻戻しモード、早送
りモードの各モードを指示するためのものであり、操作
レバー12は再生用、操作レバー13は早巻戻し用、操
作レバー14は早送り用である。
【0108】その上、各操作レバー12・13・14で
は、係止部27・28・29とそれらに対応する各斜面
30・31・32との間に、バラツキ吸収用の斜面30
a・31a・32aがそれぞれ形成されている。上記斜
面30a・31a・32aは、例えば再生モードから早
送りモードに移行するために、操作レバー12が上方向
に移動した状態で、操作レバー14を上方向に移動させ
た際に、上記操作レバー12の復帰を確実化するための
ものである。
【0109】すなわち、例えば、斜面30の左端と係止
部27の右端との距離は、斜面31と係止部28や斜面
32と係止部29のそれらと同一に設定されていて、ど
の操作レバー12・13・14が上方向に移動していて
も、他の操作レバー12・13・14を上方向に移動さ
せると、上方向に移動していた操作レバー12・13・
14が解除されることになるが、製造上のバラツキによ
り、上記のような解除が不能となる不都合を生じること
がある。そこで、前記のような各斜面30a・31a・
32aを設けることにより、そのような製造上のバラツ
キによる不都合を回避できるようになっている。
【0110】前記サブシャーシ24は、図1および図4
に示すように、操作レバー12の突出部12bと連結さ
れた連結部24aを有していて、上記操作レバー12の
上下方向への移動に連動するようになっており、さら
に、キラーレバー18の立設片18bと接触可能な垂設
ピン25を上方向中央部に有し、一方、解除レバー9a
の第一側端部9bと接触可能な垂設ピン11を右方向端
部に備えている。また、上記サブシャーシ24には、再
生、および消去用の各磁気ヘッド46・47が搭載され
ている。
【0111】前記中間ギヤ33は、図1に示すように、
メインシャーシ2上に回転中心があり早送り用ギヤ8b
と常時歯合している。後述するF/Rローラーギヤ34
は、移動することにより、上記中間ギヤ33または後述
する供給リール台38のギヤ38aと歯合可能となって
いる。
【0112】F/Rローラーレバー36が、その中央部
にメインシャーシ2上の支軸2bに回転自在に取り付け
られ、その一方の回動端36aには、前記操作レバー1
3の当接端部39・40、および操作レバー14の当接
端部14c・45と当接可能な突出ピン(接触部)37
が設けられ、他方の回動端36bには、前記F/Rロー
ラーギヤ34と後述するF/Rプーリー35の回転軸3
6dが設けられている。この回転軸36dにより、上記
F/Rローラーギヤ34およびF/Rプーリー35が回
転自在となっている。
【0113】また、前述したスプリング41は、F/R
ローラーレバー36の回動端36aの先端に設けられた
フック36cと、前記メインロック板23の上方向側部
の中央部に設けられたフック23aとに張設されてい
て、上記メインロック板23を右方向に付勢し、一方、
各F/Rローラーギヤ34、F/Rプーリー35、およ
びF/Rローラーレバー36を支軸2bを中心として時
計方向に付勢している。
【0114】しかしながら、待機状態であるストップ状
態では、メインロック板23の移動が、解除レバー9a
の第一側端部9bと垂設ピン11との当接により規制さ
れ、かつ、前記突出ピン37が操作レバー14の当接端
部14cに当接しているから、F/Rローラーレバー3
6の時計方向への回転が規制されている。
【0115】F/Rプーリー35は、前記回転軸36d
を中心として回転可能で、フライホイール1との間がベ
ルト1bにより連結されており、そのフライホイール1
の反時計方向への回転により、同方向である反時計方向
に回転する。
【0116】また、上記F/Rプーリー35には、過負
荷により、回転するF/Rプーリー35とF/Rローラ
ーギヤ34との間でスリップするスリップ機構(図示せ
ず)が設けられている。一方、F/Rローラーギヤ34
は、支軸2bを中心として回動して揺動可能となってい
て、前記供給リール台38のギヤ38aと中間ギヤ33
とに歯合可能となっている。
【0117】これにより、巻取りリール台8または供給
リール台38の一方が駆動されて、磁気テープが駆動さ
れている場合に、上記磁気テープがテープエンドに達し
たとき、そのテープテンションにより巻取りリール台8
または供給リール台38は停止するが、上記スリップ機
構により、F/Rプーリー35の回転は維持されて、フ
ライホイール1の回転を阻害することがない。
【0118】このようなF/Rローラーギヤ34、F/
Rプーリー35、F/Rローラーレバー36は、巻戻し
操作部材としての機能を有している。
【0119】前記操作レバー13の上方向端部の右方向
側部には、前記突出ピン37と当接する斜面39・40
が連続して形成されていて、これらにより、F/Rロー
ラーギヤ34と供給リール台38のギヤ38aとの歯合
のタイミング、および、キラーレバー18の突出片18
aとスプリング端部19bとの押圧解除のタイミングを
はかっている。
【0120】すなわち、上記操作レバー13を上方向に
移動させると、まず、上記斜面39と突出ピン37とが
当接し、その斜面39の上方向への移動に伴って突出ピ
ン37が右方向に移動し、よって、F/Rローラーレバ
ー36が反時計方向に回転し、さらに、操作レバー13
を上方向に移動させて上記突出ピン37が斜面39の下
端部に達すると、F/Rローラーギヤ34と供給リール
台38のギヤ38aとが歯合し始める。これにより、供
給リール台38はフライホイール1からの回転力が伝達
されて時計方向に回転して、早巻戻し状態となる。
【0121】続いて、上記操作レバー13をさらに上方
向に移動すると、突出ピン37は、斜面40と当接し
て、その斜面40の下端部に達するとF/Rローラーギ
ヤ34と供給リール台38のギヤ38aとの歯合が完了
する。
【0122】一方、上記操作レバー13の上方向端であ
る当接端部13bがキラーレバー18の立上片18cと
当接して上記キラーレバー18を反時計方向に回転させ
ることにより、上記キラーレバー18の回動端に設けら
れた突出片18aとセンサスプリング19のスプリング
端部19bとが離間するから、上記センサスプリング1
9によるセンサレバー16への反時計方向への回転付勢
力が解除される。
【0123】このように回転付勢力が解除されたとき、
供給リール台38は時計方向に回転して磁気テープ(図
示せず)を早巻戻しの状態となっている。よって、上記
磁気テープのテープテンションにより、リールキャップ
15および巻取りリール台8も時計方向に回転するか
ら、センサスプリング19によってセンサレバー16に
時計方向への回転付勢力が発生する。したがって、上記
センサレバー16が時計方向に回転して、その先端部で
ある突出回動端部17が内カム4から外カム5に移動す
る。
【0124】このように突出ピン37が、最初に当接す
る斜面39により右方向に移動して、供給リール台38
を早巻戻し状態に移行させ、続いて、斜面40に当接す
るまで、操作レバー13が移動することにより、キラー
レバー18を当接によって移動させる。このとき、キラ
ーレバー18とセンサスプリング19とによるセンサレ
バー16への付勢力の解除を迅速化するために、上記斜
面39は、上下方向に対する傾斜角度が、斜面40の上
下方向に対する傾斜角度より大きく設定されている。
【0125】次に、上記実施例の構成におけるストップ
状態、つまり待機状態の各動作について説明する。ま
ず、図示しないモーターが回転すると、そのモーターの
回転がベルトによりフライホイール1に伝達され、その
フライホイール1がメインシャーシ2の軸受上で反時計
方向に回転する。
【0126】これにより、フライホイール1と同軸上に
設けられ一体的に回転するギヤ1aと、常時、歯合して
いるアイドラーギヤ3が時計方向に回転する。このと
き、アイドラーギヤ3の支軸10を有するアイドラーレ
バー9は、サブシャーシ24の垂設ピン11により反時
計方向への移動が係止されて、アイドラー小径ギヤ7が
リール台ギヤ8aと離間した状態となっているから、巻
取りリール台8は回転しない。
【0127】一方、センサレバー16のオートストップ
用アーム16aの突出回動端部17は、内カム4と外カ
ム5との間に位置しており、各操作レバー12・13・
14と連動しているキラーレバー18は、上記各操作レ
バー12・13・14が待機状態、つまり上方向に移動
していない状態であるので、反時計方向への移動はして
おらず、そのキラーレバー18の突出片18aはスプリ
ング端部19bを下方向に押圧している。
【0128】このために、センサスプリング19と常時
当接しているボス22も反時計方向に付勢されるので、
センサレバー16も反時計方向に付勢され、その先端部
である突出回動端部17は内カム4に当接し、その内カ
ム4に追従して揺動する。これにより、アイドラーギヤ
3と共に回転するオートストップ検出用ピン6と上記突
出回動端部17との当接が回避されるから、上記アイド
ラーギヤ3の回転の阻害が防止され、待機状態が維持さ
れる。
【0129】次に、再生状態での各動作について説明す
ると、まず、上記のような待機状態から、操作レバー1
2を、図5に示すように、図示しない弾性復帰力である
スプリングの付勢力に抗して上方向に押し込むことによ
り、メインロック板23の斜面30が、操作レバー12
のロック部12aにより押され、上記メインロック板2
3は、スプリング41の付勢力に抗して左方向に移動す
る。
【0130】さらに、上記操作レバー12を押し込むこ
とにより、上記ロック部12aが斜面30上を当接しな
がら移動し、メインロック板23の係止部27に達する
と、その係止部27が左方向に凹部形状となっていて、
かつ、上記メインロック板23がスプリング41により
右方向に付勢されているから、メインロック板23が右
方向に移動する。
【0131】このとき、操作レバー12の押し込み動作
を停止すると、上記操作レバー12は下方向への付勢力
により、上記ロック部12aと係止部27とが当接し
て、操作レバー12の下方向への移動が係止され、か
つ、メインロック板23の右方向への移動も係止され、
上記操作レバー12とメインロック板23はその位置で
固定される。
【0132】また、上記操作レバー12に連動してサブ
シャーシ24が上方向に移動して、解除レバー9aの第
一側端部9bを係止しているサブシャーシ24の垂設ピ
ン11も上方向に移動するから、上記垂設ピン11の上
方向への移動に伴って、図示しないスプリングにより反
時計方向に付勢されているアイドラーレバー9が反時計
方向に回転する。
【0133】これにより、アイドラーレバー9上に支軸
10を有するアイドラーギヤ3も反時計方向に移動し
て、アイドラー小径ギヤ7とリール台ギヤ8aとが歯合
するから、巻取りリール台8が回転し、リールキャップ
15が磁気テープを駆動して、再生可能となる。
【0134】上記アイドラー小径ギヤ7がリール台ギヤ
8aと歯合するまで、前記サブシャーシ24が上方向に
移動すると、そのサブシャーシ24の垂設ピン25がキ
ラーレバー18の立設片18bと当接して、その立設片
18bを上方向に押し上げる。これにより、キラーレバ
ー18は、支軸2aを中心に反時計方向に回転する。
【0135】そのキラーレバー18の回転により、その
キラーレバー18の回動端の突出片18aとセンサスプ
リング19のスプリング端部19bとが離間して、上記
突出片18aによる上記スプリング端部19bへの押圧
が解除されるから、センサスプリング19によるセンサ
レバー16への反時計方向の付勢力が解除される。
【0136】このとき、巻取りリール台8は、リール台
ギヤ8aとアイドラーギヤ3のアイドラー小径ギヤ7と
が歯合しているから、反時計方向に回転しており、ま
た、センサレバー16はセンサスプリング19を圧縮さ
せるように位置しているため、上記センサスプリング1
9は、上記センサレバー16とリールキャップ15とを
連動させるように両者を回転軸方向に押圧するトルク、
つまり回転付勢力を発生する。
【0137】これにより、センサレバー16には、リー
ルキャップ15と同方向である反時計方向に回転付勢力
が発生し、その付勢力によりセンサレバー16は、その
オートストップ用アーム16aの先端の突出回動端部1
7をアイドラーギヤ3の内カム4に当接して追従させる
ことになる。
【0138】このようにして操作レバー12の上方向に
押し込む動作により、サブシャーシ24を上方向に移動
させて、そのサブシャーシ24上に設置された各磁気ヘ
ッド46・47と、駆動された磁気テープとの摺接を可
能にして、上記磁気テープの再生を開始でき、かつ、そ
の再生状態を維持できるようになっている。なお、上記
磁気テープの記録状態でも同様である。
【0139】次に、上記のような再生状態からのオート
ストップ時の各動作について説明する。まず、再生状態
においてテープエンド状態となると、リールキャップ1
5の回転は停止して、巻取りリール台8の回転が規制さ
れる。しかし、アイドラーギヤ3のアイドラー小径ギヤ
7には、フライホイール1から駆動力が伝達されてい
る。
【0140】これにより、リールキャップ15が、所定
値を越えた負荷となる過負荷状態となるから、巻取りリ
ール台8とリール台ギヤ8aとの間に設けられたスリッ
プ機構により、リールキャップ15および巻取りリール
台8が停止してリール台ギヤ8aのみが回転する。これ
により、リールキャップ15とセンサレバー16との間
に挟装されたセンサスプリング19の押圧によるセンサ
レバー16への回転付勢力が解除される。
【0141】このとき、センサレバー16の突出回動端
部17は、内カム4に当接した状態であり、その内カム
4の回転に伴って、その内カム4の外周に沿って追従し
て移動するが、その内カム4の支軸10から最も距離の
ある最遠部に達した後、さらに、アイドラーギヤ3が回
転すると、上記突出回動端部17は内カム4から離間
し、その位置で停止する。
【0142】この際、内カム4と外カム5との間に設け
られたオートストップ検出用ピン6は、その支軸10か
ら距離を上記最遠部の支軸10からの距離と同距離に設
定されているから、図6に示すように、上記突出回動端
部17と回転するオートストップ検出用ピン6とが当接
し、その上、上記突出回動端部17の先端が凹部形状と
なっているから、より確実にオートストップ検出用ピン
6が係合され、よって、アイドラーギヤ3の回転が規制
される。
【0143】このとき、上記アイドラーギヤ3には、フ
ライホイール1からの回転駆動力が伝達されているの
で、その回転駆動力によりアイドラーレバー9に時計方
向の押力が生じ、よって、アイドラーレバー9の支軸1
0が時計方向に回転移動して、アイドラー小径ギヤ7と
リール台ギヤ8aとの歯合が解除され、リール台ギヤ8
aへの回転駆動力の伝達が遮断される。
【0144】一方、このようにアイドラーレバー9の支
軸10が時計方向に回転移動すると、アイドラーレバー
9と一体的に回転する解除レバー9aの第二側端部9c
が、左方向に移動してメインロック板23の突設片26
に当接し、さらに、アイドラーギヤ3に回転駆動力が伝
達されると、解除レバー9aは、常に右方向に付勢され
ているメインロック板23を、スプリング41の付勢力
に抗して左方向に移動させる。
【0145】これにより、操作レバー12のロック部1
2aと係止部27との当接が解除されるから、常に下方
向に付勢されている操作レバー12は下方向に移動し、
ストップ状態である待機位置に復帰すると共に、上記操
作レバー12と連動するサブシャーシ24も下方向に移
動して待機位置に復帰し、そのサブシャーシ24上の各
磁気ヘッド46・47と磁気テープとの摺接状態が解除
される。
【0146】このように上記構成では、突出回動端部1
7の先端形状を凹部形状としたから、オートストップ時
の突出回動端部17とオートストップ検出用ピン6と係
合をより確実化できて、オートストップの動作を正確に
きるものとなっている。
【0147】また、回転するオートストップ検出用ピン
6と係合した突出回動端部17を有するセンサレバー1
6も反時計方向に回転し、そのセンサレバー16の反時
計方向への回転範囲は、前記の規制片20により規制さ
れていて、上記センサレバー16の規制用アーム16b
が規制片20と当接した後、さらに、アイドラーギヤ3
に回転駆動力が伝達されると、前記突出回動端部17と
オートストップ検出用ピン6との当接が解除される。
【0148】その上、サブシャーシ24の待機位置への
移動により、時計方向に付勢されているキラーレバー1
8の突出片18aがセンサスプリング19のスプリング
端部19bを当接して押圧するから、センサレバー16
に反時計方向への回転付勢力が発生する。
【0149】これにより、前記突出回動端部17とオー
トストップ検出用ピン6との当接が解除されると、上記
突出回動端部17は内カム4と当接状態となり、その内
カム4と摺接して揺動状態となる待機状態となる。
【0150】また、前記サブシャーシ24の垂設ピン1
1も下方向の待機位置に移動していて、その垂設ピン1
1は、第一側端部9bと当接するから、反時計方向に付
勢されているアイドラーレバー9を待機位置で保持す
る。このようにして再生状態からオートストップにより
待機状態に移行できるようになっている。
【0151】次に、早送り状態の各動作について説明す
ると、まず、図7に示すように、操作レバー14を、そ
の弾性復帰力であるスプリング(図示せず)の付勢力に
抗して上方向に押し込むことにより、メインロック板2
3の斜面32が、操作レバー14のロック部14aに押
されるから、メインロック板23はスプリング41の付
勢力に抗して左方向へ移動する。
【0152】さらに、操作レバー14を押し込むことに
より、ロック部14aが、上記斜面32に隣接する係止
部29に達すると、メインロック板23はスプリング4
1の付勢力により右方向に移動し、上記係止部29に隣
接する係止側部44と上記ロック部14aとが当接す
る。
【0153】このとき、操作レバー14の押し込み動作
を停止すると、その操作レバー14は、下方向の弾性復
帰力により、上記ロック部14aは、係止部29とも当
接して、上記操作レバー14およびメインロック板23
は、その位置にて保持され固定される。
【0154】一方、操作レバー14が上方向に移動する
と、スプリング41により左方向に付勢されている前記
突出ピン37と当接している操作レバー14の当接部1
4cが上方向に移動して、その当接部14cに隣接する
左方向に凹む斜面45と突出ピン37とが当接して、上
記突出ピン37が左方向に移動し、よって、F/Rロー
ラーレバー36が時計方向に回転する。
【0155】これにより、突出ピン37の移動と共に、
支軸2bを中心としてF/Rプーリー35およびF/R
ローラーギヤ34が、支軸2bを中心として時計方向に
回転して右方に移動し、上記F/Rローラーギヤ34が
中間ギヤ33と歯合する。
【0156】したがって、上記中間ギヤ33は巻取りリ
ール台8の早送り用ギヤ8bと常時歯合しているから、
フライホイール1からの回転駆動力が、ベルト1b、F
/Rプーリー35、F/Rローラーギヤ34および中間
ギヤ33を介して巻取りリール台8に伝達され、上記中
間ギヤ33が、前記ギヤ1aより大径であるから、上記
回転駆動力の減速比を小さくでき、よって、上記巻取り
リール台8は早送り状態となる。
【0157】このとき、操作レバー14が上方向へ移動
する際に、操作レバー14の上方向端部である当接端部
14bが、キラーレバー18の立上片18cと当接し、
その上方向への移動と共にキラーレバー18を反時計方
向に回転させる。
【0158】これにより、キラーレバー18の突出片1
8aとセンサスプリング19のスプリング端部19bと
が離間して、前記再生状態と同様に、センサスプリング
19によるセンサレバー16の反時計方向への付勢力が
解除される。
【0159】しかしながら、上記のような離間が生じる
直前に、F/Rローラーギヤ34が中間ギヤ33を介し
て巻取りリール台8を駆動するために、巻取りリール台
8が回転し始めており、その巻取りリール台8の反時計
方向の回転力によって、上記センサレバー16は、セン
サスプリング19により反時計方向に付勢される。
【0160】したがって、そのセンサレバー16の先端
である突出回動端部17は、アイドラーギヤ3の内カム
4に当接した状態でその外周面に追従することとなり、
突出回動端部17とオートストップ検出用ピン6との係
合が防止されるので、上記実施例の構成は、早送り状態
を維持できるようになっている。
【0161】次に、上記のような早送り状態からのオー
トストップ時の各動作について説明する。まず、早送り
状態における各動作は前述した通りである。上記早送り
状態において、テープエンド状態となると、リールキャ
ップ15は、その回転が規制されて停止する。
【0162】一方、リールキャップ15とリール台ギヤ
8aとの間には前述したスリップ機構が設けられている
から、フライホイール1からの回転駆動力が伝達されて
いるリール台ギヤ8aは回転を維持できるから、フライ
ホイール1は回転可能となっている。
【0163】これにより、フライホイール1と歯合して
いるアイドラーギヤ3も回転を続けることができる。一
方、リールキャップ15の回転が停止すると、巻取りリ
ール台8の回転中心と同軸なセンサレバー16に対する
反時計方向への回転付勢力が解除される。
【0164】これにより、上記回転付勢力により、アイ
ドラーギヤ3の内カム4に追従していたセンサレバー1
6の突出回動端部17は、回転するアイドラーギヤ3と
共に回転する内カム4と当接した状態を維持するが、上
記突出回動端部17が内カム4の最遠外周部に達する
と、内カム4と離間し、その位置を維持する。
【0165】さらに、アイドラーギヤ3が回転すると、
図6に示すように、内カム4と外カム5との間に設けら
れた前記オートストップ検出用ピン6と突出回動端部1
7とが当接し、上記オートストップ検出用ピン6が突出
回動端部17により係合される。
【0166】続いて、さらに、アイドラーギヤ3に回転
駆動力が伝達されると、上記アイドラーギヤ3は、フラ
イホイール1と同軸状のギヤ1aの回転軸を中心として
回動可能なアイドラーレバー9上に取り付けられている
ので、上記オートストップ検出用ピン6と突出回動端部
17とよるアイドラーギヤ3の回転規制と、上記回転駆
動力とによって、アイドラーギヤ3およびアイドラーレ
バー9は時計方向に回転移動する。
【0167】したがって、アイドラーレバー9と一体的
に回転する解除レバー9aの第二側端部9cが、メイン
ロック板23の突設片26と当接し、さらに、解除レバ
ー9aが時計方向に回転すると、スプリング41により
右方向に付勢されているメインロック板23を左方向に
移動させる。上記メインロック板23の移動により、図
1に示すように、操作レバー14のロック部14aと係
止部29との係止が解除される。
【0168】これにより、常に下方向に付勢されている
操作レバー14は下方向の待機位置まで移動することに
より、突出ピン37は、当接端部45に沿って移動して
反時計方向に回転移動し、操作レバー14の当接端部1
4cと当接する。
【0169】したがって、F/Rローラーギヤ34およ
びF/Rプーリー35が支軸2bを中心として反時計方
向に回転移動して、上記F/Rローラーギヤ34と中間
ギヤ33との歯合が解除されるので、フライホイール1
からの回転駆動力の巻取りリール台8への伝達が遮断さ
れる。
【0170】また、前述したように、操作レバー14の
押圧により移動していたキラーレバー18も復帰して、
キラーレバー18の突出片18aは、センサスプリング
19のセンサスプリング端部19bを押圧して、センサ
レバー16を反時計方向に付勢して、オートストップ検
出用ピン6と突出回動端部17との当接が回避されて、
オートストップが防止される。このようにして、テープ
エンド時に、早送り状態からストップ状態である待機状
態に移行し、その待機状態が維持される。
【0171】次に、早巻き戻し状態の各動作について説
明すると、操作レバー13を、図8に示すように、図示
しない弾性復帰力であるスプリングの付勢力に抗して上
方向に押し込むと、メインロック板23の斜面31と、
操作レバー13のロック部13aとが当接しながら、上
記ロック部13aが上方向に移動するから、上記メイン
ロック板23はスプリング41の付勢力に抗して左方向
に移動する。
【0172】上記ロック部13aが、上記斜面31に隣
接する係止部28に達すると、メインロック板23はス
プリング41により右方向に移動し、上記ロック部13
aと、上記係止部28に隣接する係止側部43と当接す
る。
【0173】このとき、操作レバー13の押し込み動作
を停止すると、下方向に付勢されている操作レバー13
は下方向に移動しようとするが、上記ロック部13aと
係止部28と当接するから、その位置で上記操作レバー
13は係止される。
【0174】このような操作レバー13の移動によっ
て、その上方向で右方向端部に形成されている各斜面3
9・40が上方向に移動し、その移動に伴って、まず、
上記斜面39と前記突出ピン37とが当接して、その突
出ピン37を、スプリング41の付勢力に抗して反時計
方向に回転移動させ、続いて、斜面40と突出ピン37
とが当接して、突出ピン37を反時計方向に回転移動さ
せながら操作レバー13が上方向に移動する。
【0175】上記突出ピン37の反時計方向への回転移
動により、F/Rローラーギヤ34は、支軸2bを中心
として反時計方向に回転移動して供給リール台38のギ
ヤ38aと歯合して、フライホイール1からの回転駆動
力を供給リール台38に伝達する。これにより、上記供
給リール台38は時計方向に回転して早巻き戻しを開始
する。
【0176】このようにギヤ38aとF/Rローラーギ
ヤ34とが歯合し始めた後に、操作レバー13の上方向
先端である当接端部13bが、キラーレバー18の立上
片18cと当接して、その立上片18cを押し上げて、
キラーレバー18が支軸2aを中心として反時計方向に
回転し、前述した早送り状態と同様に、センサスプリン
グ19のスプリング端部19bと突出片18aとが離間
する。
【0177】このことから、上記センサスプリング1
9、ボス22および突出片18aによるセンサレバー1
6への反時計方向への回転付勢力が解除される。上記の
ようにセンサレバー16において反時計方向への回転付
勢力が解除されたとき、供給リール台38のギヤ38a
とF/Rローラーギヤ34とが歯合しており、供給リー
ル台38が時計方向に回転しているから、図示しないカ
セットテープ等のテープテンションにより、リールキャ
ップ15が時計方向に既に回転している。
【0178】これにより、リールキャップ15とセンサ
レバー16との間に軸方向に圧縮されて設けられている
センサスプリング19によって、上記センサレバー16
は時計方向に回転付勢されるから、アイドラーギヤ3の
内カム4の外周面に当接していた突出回動端部17は、
アイドラーギヤ3の外カム5の内周面に迅速に移動し、
その外カム5の内周面に追従して揺動する。
【0179】上記センサレバー16の突出回動端部17
が内カム4から外カム5に移動する際に、上記突出回動
端部17とオートストップ検出用ピン6とが当接して、
アイドラーギヤ3の回転が規制されてオートストップ状
態となる不都合を生じる可能性がある。
【0180】しかしながら、上記実施例の構成では、上
記不都合を回避するために、突出ピン37と当接する前
述した操作レバー13の斜面39と斜面40との傾斜角
度を変え、かつ、上記斜面39の長さを、F/Rローラ
ーギヤ34と供給リール台38のギヤ38aとが歯合し
始めるように設定している。これにより、センサレバー
16の時計方向への回転付勢力の発生した後、突出片1
8aとセンサスプリング端部19bとによるによるセン
サレバー16への反時計方向への回転付勢力が迅速に解
除されるようになっている。
【0181】次に、上記のような早巻き戻し状態からの
オートストップ時の各動作について説明すると、上記の
ような早巻き戻し状態において、テープエンド時では、
リールキャップ15および供給リール台38は、その回
転が規制されて停止する。
【0182】しかしながら、供給リール台38のギヤ3
8aと歯合しているF/Rローラーギヤ34と、F/R
プーリー35との間にはスリップ機構が設けられている
から、供給リール台38の回転が規制されてF/Rロー
ラーギヤ34の回転が規制されても、フライホイール1
は回転できるようになっている。
【0183】これにより、フライホイール1と一体的に
回転するギヤ1aと歯合しているアイドラーギヤ3も時
計方向に回転を続けると共に、回転が規制されて停止し
たリールキャップ15では、それと回転中心が同軸なセ
ンサレバー16への回転付勢力が、前述した早送り状態
でのオートストップと同様に解除される。
【0184】これにより、アイドラーギヤ3の外カム5
の内周面に追従していたセンサレバー16の突出回動端
部17は、回転する外カム5から押圧されている間、上
記外カム5の内周面と当接しているが、上記外カム5に
おける支軸10から最も近い内周部位である最近内周部
に達した後、さらに、アイドラーギヤ3が回転すると、
突出回動端部17と外カム5の内周面とが離間して、上
記突出回動端部17はその位置を維持することになる。
【0185】したがって、上記アイドラーギヤ3がさら
に回転すると、図6に示すように、上記突出回動端部1
7とオートストップ検出用ピン6とが当接して、その凹
部形状の突出回動端部17がオートストップ検出用ピン
6を係合し、アイドラーギヤ3の回転が規制される。こ
のとき、フライホイール1からの回転駆動力がさらに伝
達されると、その回転駆動力によって、アイドラーレバ
ー9が前述したように時計方向に回転移動する。
【0186】このようなアイドラーレバー9の回転移動
により、そのアイドラーレバー9と一体的に回転する解
除レバー9aの第二側端部9cが、メインロック板23
の突設片26と当接し、さらに、解除レバー9aが時計
方向に回転すると、上記第二側端部9cによりメインロ
ック板23が左方向に移動する。
【0187】このようなメインロック板23の移動によ
り、図1に示すように、操作レバー13のロック部13
aと係止部28との係止状態が解除されて、上記操作レ
バー13は、その弾性復帰力により下方向に移動し、そ
の操作レバー13の各斜面39・40と突出ピン37と
の当接が解除され、F/Rローラーレバー36が時計方
向にスプリング41の付勢力により回転移動して待機状
態に復帰する。
【0188】これにより、上記F/Rローラーレバー3
6に取り付けられたF/Rローラーギヤ34も時計方向
に回転移動して、そのF/Rローラーギヤ34と供給リ
ール台38のギヤ38aとの歯合が解除され、早巻き戻
し状態が解除され待機状態となる。
【0189】また、操作レバー13の当接端部13bに
より、反時計方向に回転移動していたキラーレバー18
は、上記当接端部13bの下方向への移動に伴い、図示
しないスプリングの付勢力により、時計方向に回転移動
し、そのキラーレバー18の突出片18aは、センサス
プリング19のスプリング端部19bを押圧した状態で
停止して、待機状態となる。
【0190】このようにして早巻き戻し状態からオート
ストップにより、ストップ状態である待機状態となり、
その待機状態を維持できるようになっている。
【0191】ところで、再生モードと早巻戻しモードと
で、巻取りリール台8の回転方向が逆となるので、上記
巻取りリール台8の回転力による回転方向のセンサレバ
ー16への回転付勢力も、それぞれ逆方向となる。この
ため、従来では、上記の2方向への回転付勢力を、1方
向への回転付勢力に変換するために、回転付勢力が発生
するセンサレバーAと、そのセンサレバーAの回転付勢
力を、一方向の付勢力に変換するセンサレバーBとを必
要としていた。
【0192】しかしながら、上記実施例の構成では、突
出回動端部17が摺動する内カム4と外カム5とを設け
たから、巻取りリール台8に生じる2方向の回転付勢力
を変換する必要がなく、従来必要であったセンサレバー
AとセンサレバーBとを一体化できて、部品点数を削減
できる。
【0193】また、上記構成は、回転する巻取りリール
台8によりセンサレバー16に回転付勢力を発生するセ
ンサスプリング19が、そのスプリング端部19bによ
り上記巻取りリール台8の停止しているときに上記セン
サレバー16に回転付勢力を発生させているから、待機
状態から各モードに移行する際、オートストップを回避
するために必要な突出回動端部17と、内カム4との当
接状態の維持を確保できる。
【0194】このことにより、待機状態から各モードに
移行する際オートストップを回避するために従来必要で
あったスイッチ板を省くことができて、部品点数を削減
できる。その上、上記構成は、従来のようなスイッチ板
やメインロック板の複雑な動作や微妙なタイミングの調
整等を省くことができて簡素化できる。
【0195】また、上記構成は、センサスプリング19
が、巻取りリール台8およびリールキャップ15が回転
しているとき、センサレバー16への回転付勢力を発生
し、一方、待機状態でのセンサレバー16への回転付勢
力も発生して、上記各回転付勢力の発生を兼用できるよ
うに設けたから、部品点数を低減できるものとなってい
る。
【0196】その上、上記構成では、操作レバー13の
斜面39により、巻取りリール台8を早巻戻しモードと
する時計方向に回転させ、その上、その斜面39に連設
された操作レバー13の斜面40により前記センサスプ
リング19によるセンサレバー16への反時計方向への
回転付勢力を解除できるように、上記各斜面39・40
を設定し、さらに、上記斜面39の上下方向に対する角
度を、上記斜面40の上下方向に対する角度より大きく
設けている。
【0197】したがって、センサレバー16への時計方
向への回転付勢力によるセンサレバー16の内カム4か
ら外カム5への移行速度を速くできて、センサレバー1
6の突出回動端部17とオートストップ検出用ピン6と
の当接を防止できる。
【0198】また、斜面39が突出ピン37と当接して
上記突出ピン37を移動させるように操作レバー13を
押し込む操作力は、斜面40が突出ピン37と当接して
操作レバー13を押し込む操作力より大きくなる。
【0199】これにより、上記操作レバー13を同じ操
作力で押し込んだ場合、突出ピン37が斜面40に達す
ると、突出ピン37からの反力が小さくなることから、
操作レバー13の移動速度を大幅に高めることができ
る。
【0200】したがって、上記操作レバー13による早
巻戻し操作のときに、供給リール台38を駆動した後、
センサスプリング19によるセンサレバー16への反時
計方向への回転付勢力の解除を迅速化できる。
【0201】ところで、操作レバー13がスロー動作す
ると、センサレバー16に対して、センサスプリング1
9による反時計方向への回転付勢力と、巻取りリール台
8の時計方向への回転による時計方向への回転付勢力と
が競合するから、上記センサレバー16の突出回動端部
17が、内カム4から外カム5に移動する速度が遅くな
って、早巻戻しモードに移行する際に、上記突出回動端
部17とオートストップ検出用ピン6とが係合してオー
トストップする虞があった。
【0202】しかしながら、上記構成は、突出回動端部
17の移動を迅速化できるので、上記の移動の際の突出
回動端部17とオートストップ検出用ピン6との係合を
防止できるから、待機状態から早巻戻しモードに移行す
る際の誤ったオートストップ動作を回避できるものとな
っている。
【0203】また、上記のように各斜面39・40を設
けたことによって、下方向の弾性復帰力により付勢され
ている操作レバー13を押し込む際の、押し込む力を均
等化できるものとなって、操作性を向上させることがで
きる。
【0204】ところで、前述したセンサスプリング19
は、センサレバー16を従来の方式である巻取りリール
台8に軽圧入し、巻取りリール台8の回転時に、軽圧入
による摩擦力により、上記センサレバー16に同方向へ
の回転付勢力を発生させ、一方、センサスプリング19
のスプリング端部19bは、センサレバー16にバネ機
能を有するアーム部を形成することにより、上記センサ
スプリング19を廃止して、部品点数を低減できる。
【0205】しかしながら、上記のような軽圧入では、
長期間、使用したときに、上記のように軽圧入した部分
の磨耗等により、上記軽圧入の圧力が弱まり、センサレ
バー16の回転付勢力の発生が阻害されるという問題を
生じる。このため、上記センサスプリング19を用いた
方が、長期間の安定動作を確保できるものとなってい
る。
【0206】このように上記実施例の構成では、組み立
て工程数や調整工程数の低減や部品点数の削減によりコ
ストダウンを図ることができ、かつ、長期間にわたる安
定動作を確保できるものとなっている。
【0207】なお、上記実施例の構成は、再生モードを
備える磁気テープ装置に適用した例について説明した
が、さらに、記録モードも備えた磁気テープ装置にも適
用可能である。
【0208】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の磁気テープ装置
の駆動機構は、以上のように、過負荷により回転軸の回
転を維持しながら回転を停止する巻取りリール台が設け
られ、駆動手段により駆動される回転体が駆動手段の回
転軸を中心として移動して巻取りリール台への駆動力の
伝達を断接するように設けられ、巻取りリール台の回転
力により各回転方向に付勢される停止用レバーが巻取り
リール台と同軸に回転可能に設けられ、回転体と一体的
に回転する第1カムおよび第2カムが停止用レバーの回
動端と摺接可能に設けられ、回転体と一体的に回転する
当接部が第1カムまたは第2カムと離間した回動端と係
合するように設けられている構成である。
【0209】それゆえ、上記構成は、巻取りリール台に
より回転駆動される磁気テープが、そのテープエンドに
達すると、巻取りリール台への駆動力の伝達を遮断でき
て、自動停止させることができると共に、第1カムおよ
び第2カムを設けたことにより、従来必要であった部品
点数を軽減して、簡素化できて、コストダウンできると
いう効果を奏する。
【0210】本発明の請求項2記載の磁気テープ装置の
駆動機構は、さらに、回動端の先端を凹部形状に設けた
構成である。
【0211】それゆえ、上記構成は、さらに、回動端と
当接部との係合をより確実なものとすることができて、
自動停止動作を確実化できるという効果を奏する。
【0212】本発明の請求項3記載の磁気テープ装置の
駆動機構は、請求項1記載の構成に加えて、巻取りリー
ル台が回転しているときの停止用レバーへの回転付勢力
は、上記停止用レバーと巻取りリール台との間に圧縮し
て挟装されたスプリングを設けることによるものであ
り、さらに、巻取りリール台への駆動力の伝達が遮断さ
れているときに回動端と当接部との当接を回避するよう
に停止用レバーに回転付勢力を付与する停止回避用レバ
ーが上記スプリングの一端部を押圧し得るように設けら
れている構成である。
【0213】それゆえ、上記構成は、上記スプリング
が、自動停止動作の誤動作を回避するための停止用レバ
ーへの各付勢力をそれぞれ発生できるから、各付勢力の
発生させるための部材として兼用でき、従来より部品点
数を低減できるので、コストダウンを図ることができる
という効果を奏する。
【0214】本発明の請求項4記載の磁気テープ装置の
駆動機構は、請求項3記載の構成に加えて、磁気テープ
を早巻戻しするための巻戻し用操作レバーが往復動可能
に設けられ、巻戻し用操作レバーと連動する巻戻し操作
部材が供給リール台に駆動力を伝達するように設けら
れ、巻戻し用操作レバーに、巻戻し操作部材の接触部と
当接して上記巻戻し操作部材を移動させて巻戻しを開始
させる当接斜面が設けられ、かつ、その当接斜面に連な
り、上記当接斜面より往動作方向に対する角度が小さく
設定された当接面が、その当接面に前記接触部が達する
と、スプリングによる停止用レバーに対する回転付勢力
を解除するように設定されている構成である。
【0215】それゆえ、上記構成は、当接斜面と当接面
の往動作方向に対する角度を変えることにより、巻取り
リール台が巻戻し用に、例えば時計方向に回転し始めた
後、スプリングによる停止用レバーに対する反時計方向
の回転付勢力を迅速に解除できて、停止レバー回動端の
第1カムおよび第2カムとの間での移動速度を迅速化で
きる。
【0216】このことから、上記構成は、早巻戻しに移
行する際、上記のような当接斜面と当接面とを設けるこ
とにより、回動端と当接部とが係合して自動停止する虞
を回避できる。よって、従来より部品点数を低減しなが
ら、早巻戻しを可能にできるから、コストダウンを図る
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気テープ装置の駆動機構の待機状態
での要部平面図である。
【図2】上記駆動機構のメインロック板の平面図であ
る。
【図3】上記駆動機構の各操作レバーの平面図である。
【図4】上記駆動機構のサブシャーシの平面図である。
【図5】上記駆動機構の再生状態での要部平面図であ
る。
【図6】上記駆動機構の自動停止状態での要部平面図で
ある。
【図7】上記駆動機構の早送り状態での要部平面図であ
る。
【図8】上記駆動機構の早巻戻し状態での要部平面図で
ある。
【図9】従来の磁気テープ装置の駆動機構の待機状態で
の要部平面図である。
【図10】上記駆動機構の再生状態での要部平面図であ
る。
【図11】上記駆動機構の早送り状態での要部平面図で
ある。
【図12】上記駆動機構の早巻戻し状態での要部平面図
である。
【図13】上記駆動機構の自動停止状態での要部平面図
である。
【符号の説明】
1 フライホイール(駆動手段) 3 アイドラーギヤ(回転体) 4 内カム(第1カム) 5 外カム(第2カム) 6 オートストップ検出用ピン(当接部) 8 巻取りリール台 16 センサレバー(停止用レバー) 17 突出回動端部(回動端)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを回転駆動するための巻取りリ
    ール台が、その回転軸に駆動力が伝達されて回転中に所
    定の負荷が巻取りリール台に印加されると、上記巻取り
    リール台の回転を停止する一方上記巻取りリール台の回
    転軸の回転を維持するように設けられ、 駆動手段からの駆動力により回転する回転体が、駆動手
    段の回転軸を中心として回転移動して、上記回転体を介
    する巻取りリール台への駆動力の伝達を断接するように
    設けられ、 巻取りリール台の回転軸を回動中心として回動可能な停
    止用レバーが、巻取りリール台の回転力により上記巻取
    りリール台の各回転方向に応じて回転付勢力をそれぞれ
    生じるように設けられ、 回転体と一体的に回転し、上記各回転付勢力に抗して上
    記停止用レバーの回動端を揺動する第1カムおよび第2
    カムがそれぞれ設けられ、 巻取りリール台が停止した際、回転体と一体的に回転す
    る当接部が、第1カムおよび第2カムから離間した上記
    回動端と当接して上記回転体の回転を規制することによ
    り巻取りリール台への駆動力の伝達を遮断するように設
    けられていることを特徴とする磁気テープ装置の駆動機
    構。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気テープ装置の駆動機構
    において、 回動端は、その先端が凹部形状であることを特徴とする
    磁気テープ装置の駆動機構。
  3. 【請求項3】請求項1記載の磁気テープ装置の駆動機構
    において、 巻取りリール台が回転しているときの停止用レバーへの
    回転付勢力は、上記停止用レバーと巻取りリール台との
    間に圧縮して挟装されたスプリングを設けることによる
    ものであり、さらに、巻取りリール台への駆動力の伝達
    が遮断されているときに回動端と当接部との当接を回避
    するように停止用レバーに回転付勢力を付与する停止回
    避用レバーが上記スプリングの一端部を押圧し得るよう
    に設けられていることを特徴とする磁気テープ装置の駆
    動機構。
  4. 【請求項4】請求項3記載の磁気テープ装置の駆動機構
    において、 さらに、停止回避用レバーは移動可能に設けられ、 磁気テープを早巻戻しするための巻戻し用操作レバーが
    往復移動可能に、かつ、停止回避用レバーを移動するよ
    うに設けられ、 巻戻し用操作レバーと連動する巻戻し操作部材が、往動
    作のときに駆動手段の回転駆動力を、磁気テープを巻戻
    すための供給リール台に伝達するように設けられ、 巻戻し用操作レバーに、上記往動作により巻戻し操作部
    材の接触部を押圧して移動させるための当接斜面が設け
    られ、 巻戻し用操作レバーに、上記当接斜面に連なり、かつ、
    上記当接斜面より往動作方向に対する角度が小さく設定
    された当接面が、その当接面に前記接触部が当接して上
    記巻戻し用操作レバーがさらに往動作すると、前記停止
    回避用レバーを移動させてスプリングによる停止用レバ
    ーに対する回転付勢力を解除するように設定されている
    ことを特徴とする磁気テープ装置の駆動機構。
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