JP2986628B2 - 電気洗濯機の排水処理装置 - Google Patents

電気洗濯機の排水処理装置

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JP2986628B2 JP4281488A JP28148892A JP2986628B2 JP 2986628 B2 JP2986628 B2 JP 2986628B2 JP 4281488 A JP4281488 A JP 4281488A JP 28148892 A JP28148892 A JP 28148892A JP 2986628 B2 JP2986628 B2 JP 2986628B2
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裕幸 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気洗濯機の排水液中
に含まれる界面活性剤を回収して再利用する電気洗濯機
の排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般家庭において電気洗濯機で衣
類等の洗濯を行う場合には多量の洗濯液を排出してい
る。この排水液中には多くの界面活性剤が含まれてお
り、その中にはまだ活性力を有するものも含まれてい
る。電気洗濯機で排水液を処理するのに適切な方法もな
く、また排水液を処理するための排水処理装置は付加さ
れていないため、排水液は未処理のままで排出されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電気洗濯機では、活性力を有する界面活性剤が含ま
れており、洗浄作用が残存している排水液を排出するの
は洗剤の浪費にもなり、また界面活性剤を含んだ排水液
は河川の汚染要因の一つとなるという問題があった。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、排水液中に含まれる界面活性剤を分離回収して再利
用できる電気洗濯機の排水処理装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、第1の課題解決手段としては、洗濯槽の排
水経路途中に設けた洗剤液を貯留する第1の貯水槽と、
この第1の貯水槽内に設けた曝気手段と、この曝気手段
によって生じる気泡を滞留する気泡滞留槽と、この気泡
滞留槽を上昇してきた気泡を破泡する破泡手段と、この
破泡手段によって生じた液体を貯める第2の貯水槽と、
この第2の貯水槽内の液体を洗濯槽に供給する供給手段
とを備えた構成としており、また第2の課題解決手段と
しては、貯水槽および気泡滞留槽を洗濯槽内に設けたも
のであり、また第3の課題解決手段としては、第1の貯
水槽、曝気手段、気泡滞留槽、破泡手段、第2の貯水
槽、供給手段等の構成部を電気洗濯機の本体内に設けた
ものであり、さらに第4の課題解決手段としては、破泡
手段は、有底円筒状の回転容器と、この回転容器を回転
させる駆動手段とによって構成されたものである。
【0006】
【作用】上記した構成において、第1の課題解決手段の
作用は、第1の貯水槽内に設けた曝気手段によって気泡
を発生させると気泡滞留槽に滞留し、気泡滞留槽を上昇
してきた気泡を破泡手段で破泡して液体として第2の貯
水槽貯め、供給手段によって液体を洗濯槽に供給するの
であり、また第2の課題解決手段の作用は、貯水槽およ
び気泡滞留槽を洗濯槽内に設ているので、製品全体を小
型化できるのであり、また第3の課題解決手段の作用
は、処理装置の構成部品を電気洗濯機の本体内に設ける
ことにより、界面活性剤液の回収を排水行程内で行うこ
とができ、回収のために洗濯行程を長時間中断すること
がなくなるのであり、さらに第4の課題解決手段の作用
は、駆動手段によって容器が高速で回転し、気泡は遠心
力で容器の側面に衝突し、その衝撃によって破泡し液化
する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0008】図1および図2は本発明の第1の実施例を
示したものである。図に示すように、洗濯槽1の底部に
は排水液を排水するための第1の排水弁2を設け、排水
ポンプ3によって第1の貯水槽4に洗剤液を供給し貯留
する。第1の貯水槽4内には曝気手段5を設け、これは
曝気素子5aと曝気ポンプ5bからなり、曝気ポンプ5
bで空気を曝気素子5aに供給して表面から気泡を発生
させるものである。第1の貯水槽4と一体となった気泡
滞留槽6は、曝気手段5によって排水液の水面より上昇
してくる気泡間に存在する排水液を重力によって落下さ
せ、液切りを行い破泡手段7に導くものである。破泡に
よって生じた液体は第2の貯水槽8で貯め、供給手段9
で第2の貯水槽8に貯水された液体を洗濯槽1に再び供
給するものである。第1の貯水槽内4の底部には排水液
を排出するための第2の排水弁10を設けている。
【0009】図2は破泡手段7の構成を示す。すなわ
ち、破泡手段7は、気泡滞留槽6から供給される気泡を
受ける回転容器11、回転容器11を回転させる駆動手
段12、回転容器11の外周部に設けたカバー13によ
って構成されている。
【0010】次にその動作について説明する。洗濯行程
が終了した時点で第1の排水弁2を作動させて洗濯槽1
から排水液を排出する。つぎに排水ポンプ3を作動して
排水液を第1の貯水槽4に供給し、所定量供給した後、
排水弁2および排水ポンプ3を停止する。その後、曝気
手段5を作動させて排水液中に曝気を行う。曝気によっ
て発生した気泡はその表面に排水液中に含まれる界面活
性剤を吸着し排水液の上面へと浮上し、排水液の上面に
浮上してきた気泡と気泡との間には微量の排水液が存在
している。この気泡間に存在する排水液は気泡滞留槽6
を上昇させることにより重力の作用によって落下させて
水切りを行う。これによって上昇する気泡中の界面活性
剤の濃度を高くすることが可能となる。また排水液の上
面の気泡は、曝気を継続することによって気泡滞留槽6
を上昇して破泡手段7へと導かれる。気泡滞留槽6の先
端から回転容器11のほぼ中央に気泡を供給すると同時
に、駆動手段12を作動させて回転容器11を高速で回
転させる。これによって回転容器11に供給された気泡
は、回転によって生じる遠心力で回転容器11の側面に
衝突し、その衝撃によって破泡する。破泡によって生じ
た液体は、回転容器11の側面を上昇して回転容器11
の上端から飛散し、カバー13ヘ供給され、下部に設け
た排水口に集められて第2の貯水槽8に導かれ貯水され
る。第2の貯水槽8内に貯水された回収界面活性剤液は
次回の洗濯時に供給手段9を作動させて洗濯槽1内に供
給する。そして曝気を行っても排水液中から気泡が浮上
しなくなった時点で曝気手段5を停止し、第2の排水弁
10を作動させて第1の貯水槽4内の排水液を排出す
る。その後、洗濯槽1内に排水液が存在していれば、排
水弁3および排水ポンプ4を作動させて排水液を第1の
貯水槽4へ供給し、再び界面活性剤を回収するサイクル
を実行する。第1の貯水槽4の貯水容量が洗濯槽1の最
大洗濯水容量より少ない場合は、上記のサイクルを繰り
返し実行することによって排水液から多くの回収界面活
性剤液を得る。
【0011】このように洗濯槽1内の排水液から界面活
性剤を分離回収し再利用するので、次に洗濯する場合、
新らたに加える洗剤量の削減が可能となり、また排出し
た排水液中には界面活性剤の含有量が少なくなっている
ため河川の汚染も低減できる。
【0012】図3は積算曝気量と界面活性剤の回収率と
の関係を示した図である。図に示すように、曝気を継続
すると界面活性剤の回収率はほぼ比例的に上昇し、所定
の回収率R%に達すると上昇しなくなる。これは排水液
中の界面活性剤濃度が回収によって低下し、気泡が発生
しなくなり回収が行えなくなるためである。第2の貯水
槽8内に貯水された液体には、界面活性剤が排水液の濃
度より濃縮された状態で含まれており、その濃度は排水
液に対して数倍の濃度となっている。
【0013】図4は気泡滞留槽6での滞留時間と回収液
中の界面活性剤濃度との関係を示したものである。図に
示すように、回収された界面活性剤液の排水液に対する
濃度倍率は、曝気手段5での曝気速度が一定であれば気
泡滞留槽6での気泡の滞留時間によって決まる。気泡滞
留槽6に長時間滞留しているほど気泡間の液切りがよく
行われ、回収中の界面活性剤液濃度は高くなっているこ
とがわかる。
【0014】図5は、回収界面活性剤液を使用しない場
合と使用した場合における洗剤濃度との洗浄力との関係
を示したものである。すなわち、曲線aは、回収界面活
性剤液を使用しない場合で濃度が高くなるほど洗浄力が
高く、これに対し曲線bは、未使用の洗剤に回収界面活
性剤液をそれぞれ一定量添加した場合の洗浄力の変化を
示したものである。T1は、未使用洗剤において通常、
標準濃度とされている濃度で、この濃度での洗浄力はS
1となっており、S1の洗浄力を示す曲線bの洗剤濃度
はT2であって、T1とT2の差が回収界面活性剤液を
使用することによって削減できる未使用洗剤の量を示
す。
【0015】図6は本発明の第2の実施例を示したもの
である。図において、図1と同一番号を付したものは同
一部品である。第1の実施例と相違する点は、洗剤液を
貯留するための貯水槽14および気泡滞留槽15を洗濯
槽16の内部に設けたものである。この構成とすること
により、製品の小型化を実現できる。
【0016】図7は本発明の第3の実施例を示したもの
である。図において、図1と同一番号を付したものは同
一部品である。第1の実施例と相違する点は、排水処理
装置の構成部を電気洗濯機の本体17の内部に設けたも
のである。この構成とすることにより、製品を小型化す
ることができるとともに、曝気による排水液からの界面
活性剤液の回収を排水行程内で行うため、回収のために
洗濯行程を長時間中断することなく、排水終了後はすぐ
に次の行程へと進ませることができ、排水処理を行って
もトータルの洗濯時間が長くなることがない。
【0017】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように本発明の
電気洗濯機の排水処理装置は、洗濯槽の排水経路途中に
設けた洗剤液を貯留する第1の貯水槽と、この第1の貯
水槽内に設けた曝気手段と、この曝気手段によって生じ
る気泡を滞留する気泡滞留槽と、この気泡滞留槽を上昇
してきた気泡を破泡する破泡手段と、この破泡手段によ
って生じた液体を貯める第2の貯水槽と、この第2の貯
水槽内の液体を洗濯槽に供給する供給手段とを設けたも
のであり、この構成とすることにより、洗濯後の排水液
中から界面活性剤を回収して再利用できるので使用する
洗剤量の削減が可能であり、排水液中の界面活性剤量を
少なくできるので河川の汚染を少なくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における電気洗濯機の排
水処理装置を示す縦断面図
【図2】同電気洗濯機の排水処理装置の破泡手段を示す
断面図
【図3】同電気洗濯機の排水処理装置における積算曝気
量と界面活性剤回収率との関係を示す図
【図4】同電気洗濯機の排水処理装置における気泡滞留
槽での滞留時間と回収中の界面活性剤液濃度との関係を
示す図
【図5】同電気洗濯機の排水処理装置における洗剤濃度
と洗浄力との関係を示す図
【図6】本発明の第2の実施例における電気洗濯機の排
水処理装置を示す縦断面図
【図7】本発明の第3の実施例における電気洗濯機の排
水処理装置を示す縦断面図
【符号の説明】
1 洗濯槽 4 第1の貯水槽 5 曝気手段 6 気泡滞留槽 7 破泡手段 8 第2の貯水槽 9 供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06F 39/08 D06F 39/10 C02F 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯槽の排水経路途中に設けた洗剤液を
    貯留する第1の貯水槽と、この第1の貯水槽内に設けた
    曝気手段と、この曝気手段によって生じる気泡を滞留す
    る気泡滞留槽と、この気泡滞留槽を上昇してきた気泡を
    破泡する破泡手段と、この破泡手段によって生じた液体
    を貯める第2の貯水槽と、この第2の貯水槽内の液体を
    洗濯槽に供給する供給手段とを備えた電気洗濯機の排水
    処理装置。
  2. 【請求項2】 貯水槽および気泡滞留槽を洗濯槽内に設
    けた請求項1記載の電気洗濯機の排水処理装置。
  3. 【請求項3】 第1の貯水槽、曝気手段、気泡滞留槽、
    破泡手段、第2の貯水槽、供給手段等の構成部を電気洗
    濯機の本体内に設けた請求項1記載の電気洗濯機の排水
    処理装置。
  4. 【請求項4】 破泡手段は、有底円筒状の回転容器と、
    この回転容器を回転させる駆動手段とによって構成され
    た請求項1、2または3記載の電気洗濯機の排水処理装
    置。
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