JP2985579B2 - 超音波探傷装置の信号処理装置 - Google Patents

超音波探傷装置の信号処理装置

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JP2985579B2
JP2985579B2 JP5135562A JP13556293A JP2985579B2 JP 2985579 B2 JP2985579 B2 JP 2985579B2 JP 5135562 A JP5135562 A JP 5135562A JP 13556293 A JP13556293 A JP 13556293A JP 2985579 B2 JP2985579 B2 JP 2985579B2
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ultrasonic
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幸理 飯塚
秀和 堀籠
章 村山
晋 中沢
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体に超音波パルス
を送波し、被検体からの反射波を検出し、電気信号に変
換されたエコー信号に基づいて被検体に存在する欠陥を
検出する超音波探検出装置に係わり、特に、検出された
高周波のエコー信号を一旦デジタル信号に変換した後、
このデジタル信号に対して雑音を低減させるための各種
信号処理を施して最終的な欠陥判定を行う超音波探傷装
置の信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波探傷装置は例えば図25に示すよ
うに構成されている。超音波送受信部1から一定周期T
0 でもって鉄鋼材料等の被検体2に直接または水等の遅
延材を介して取付けられた探触子3へパルス信号を送出
する。探触子3は受信したパルス信号を、図26に示す
ように、超音波パルスaに変換して被検体2へ印加す
る。被検体2内へ印加された超音波パルスaは被検体2
の底面2aで反射して再度探触子3で受波される。探触
子3は反射波を電気信号に変換して超音波送受信部1へ
送信する。超音波送受信部1はその電気信号を増幅して
エコー信号bとして信号処理装置4へ送出する。
【0003】したがって、エコー信号bには、主に、底
面2aの反射波に対応する底面(B)エコー5aと欠陥
に起因する欠陥(F)エコー5bとが含まれる。また、
超音波パルスaの周波数fは探触子3内に組込まれてい
る超音波振動子の厚さ等によって定まるが、探傷に使用
される周波数fは数MHz〜十数MHZである。したがっ
て、エコー信号bに含まれる底面エコー5aや欠陥エコ
ー5bの信号波形の周波数範囲は0HZ〜十数MHZの広い
範囲である。
【0004】信号処理装置4は、超音波送受信部1から
受信したエコー信号bに対して種々の信号処理を実施
し、信号処理結果および欠陥の有無を表示部6に表示す
る。この場合、エコー信号に対する信号処理を実施し、
エコー信号を表示するために、信号処理装置4には、超
音波送受信部1から前記パルス信号に同期するトリガ信
号cが供給される。
【0005】このような構成の欠陥探傷装置において、
超音波送受信部1から出力されるエコー信号bには、前
記底面エコー5aおよび欠陥エコー5bの他に多くの雑
音が含まれる。このエコー信号aに含まれる雑音が大き
いと、探傷結果の信頼性が大きく損なわれる。この雑音
は大きく分けて電気性雑音と材料性雑音の2種類があ
る。
【0006】電気性雑音は、探触子3や超音波送受信部
1および接続ケーブルなどに電磁波が混入することに起
因する外部雑音や、超音波送受信部1内に組込まれた増
幅器等が発生する内部雑音等で構成される。
【0007】一方、材料性雑音は、被検体2の材料の結
晶粒界で超音波が散乱し、欠陥以外からも反射波が探触
子3へ戻って来きて、散乱エコーとして前記エコー信号
bに含まれる雑音である。
【0008】エコー信号bに含まれるこれらの雑音を低
減することは超音波探傷を高精度で実施する上で極めて
重要である。従来、このエコー信号bに含まれる雑音成
分を低減するためにアナログフィルタを用いていた。例
えば、広い周波数成分を持った電気性雑音に対しては超
音波エコーの周波数成分を通過させるBPF(バンドパ
ス・フィルタ)を用いる。また、材料性雑音に対して
は、欠陥エコー5bの周波数分布が散乱エコーのそれと
比べて低くなることを利用して、LPF(ローパス・フ
ィルタ)またはBPFを用いる。このように、アナログ
フィルタを用いることによって、エコー信号bに含まれ
る雑音成分を一定レベル以下に低減できる。
【0009】一般に、欠陥エコーの周波数分布は被検体
2の超音波減衰特性によって変化することが知られてい
る。したがって、散乱エコー等で代表される材料性雑音
に対してBPFを用いる場合、被検体2に応じて最適な
特性のフィルタを用いることが望ましい。しかし、アナ
ログフィルタの通過周波数特性は簡単に変更できないの
で、被検体2の材質毎にその材質の超音波減衰特性に対
応した通過周波数特性を有した多数のフィルタを準備し
ておく必要がある。このように、被検体2の材料特性に
応じてフィルタを使い分けることは、操作性や経済性を
考慮すると、実際問題として困難である。
【0010】このような不都合を解消するためにデジタ
ル信号処理手法が提唱されている。すなわち、超音波送
受信部1から出力されるエコー信号bをA/D変換す
る。そして、デジタル信号に変換されたエコー信号に対
してデジタルフィルタを用いて、雑音成分を除去する。
【0011】この場合、前述したアナログフィルタの場
合は様々な通過特性を有した多数のフィルタを用意しな
ければならないが、例えばFIR(有限インパルス応
答)デジタルフィルタは通過特性を自由に変更できるの
で、被検体2の材質に応じた通過周波数特性を設定する
ことによって、エコー信号bに対して最適な雑音低減処
理を施すことが可能である。
【0012】また、送信波と受信波との相互相関を演算
することもできるので、パルス圧縮信号処理を行って、
雑音を低減すると共に時間軸分解能まで改善することが
できる。
【0013】さらに、デジタル信号処理過程において
は、一定周期T0 で繰返し送波される複数回の超音波パ
ルスaに対応した複数のエコー信号bの加算平均を演算
する同期加算平均フィルタを使用することが容易に可能
となる。したがって、エコー信号bに含まれる雑音を加
算回数の平方根に比例して低減させることができる。な
お、この同期加算平均フィルタ手法はアナログ信号処理
過程においては非常に困難な手法である。
【0014】上述した超音波探傷手法にデジタル信号処
理手法を導入することによる効果は良く知られており、
例えば非破壊検査第29巻第10号に記載されている。
エコー信号に対してデジタル信号処理を行う従来技術と
しては、エコー信号の高周波波形の一部をA/D変換し
てコンピュータに送り、コンピュータのメモリに記憶し
てから信号処理演算を行う方法が知られており、例え
ば、日本非破壊検査協会第2分科資料21297(19
90.5.24)に記載されている。
【0015】この方法を用いた場合の信号処理演算速度
について試算する。例えば128次のFIRデジタルフ
ィルタ処理を1024点のデータについて行うために
は、128×1024回の積和演算が必要である。1回
の積和演算を5回の命令ステップで行うとすると、(1
28×1024×5)回の命令ステップが必要である。
したがって、例えば40MIPS程度の一般的なコンピ
ュータを用いるとすると、上記演算処理に対して128
×1024×5/(40×106 )=約16msの時間
が必要である。実際には、この時間にメモリとCPU間
のデータ転送の時間が加わるので、さらに余分に時間が
必要である。
【0016】また、信号処理演算の方法は、A/D変換
したエコー信号bのサンプリングされた例えば100個
のデータをコンピュータのメモリに記憶し、メモリに記
憶された各データに対して上述したFIRデジタルフィ
ルタ処理演算や同期加算平均フィルタ処理演算を実行す
る。例えば、同期加算平均を計算するには、数回の超音
波パルスaの送波で得た複数のエコー信号bの波形を全
てメモリに記憶し終わった後、それらを読出して加算平
均を計算する。
【0017】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上述し
たエコー信号に対するデジタル信号処理手法を採用した
信号処理装置においても、まだ解消すべき次のような課
題があった。すなわち、製鉄所等では、例えば鋼板等の
移動している被検体2に対して探傷するオンライン探傷
が行われている。この場合、被検体2における探傷され
る部位は超音波パルスaの入射した部位であるから、超
音波パルスaの繰り返し周期T0 が長いと被検体2の全
面を探傷できないことになる。このため、超音波パルス
aの繰り返し周期T0 は一般的に1ms以内である。そ
こで、エコー信号bに対して前述したデジタル信号処理
を行うためには、超音波パルスaの繰り返し周期T0
ある1ms以内に信号処理演算を終了させる必要があ
る。
【0018】次に、エコー信号aが前述した数MHz〜十
数MHZの高周波の階段でデジタル信号処理するために
は、この高周波のエコー信号bを直接A/D変換する必
要がある。エコー信号bは0Hz〜十数MHZの広い周波数
分布を有しているので、サンプリング定理から少なくと
も20MHZ以上のサンプリング周波数fS でA/D変換
する必要がある。さらに、この高いサンプリング周波数
S で順次作成される各サンプリングデータに対して演
算処理を行う必要がある。
【0019】以上説明したデジタル信号処理に関する2
つの条件を満たすためには、1000MIPS程度の演算速
度を持つ高速なコンピュータが必要である。そのような
システムは非常に高額であるので、実際の超音波探傷装
置に組込むことは実際的でない。
【0020】そこで、デジタル信号をコンピュータのメ
モリに記憶せず、デジタル信号を連続的に処理演算でき
る演算素子の利用が容易に考えられる。この場合、演算
素子のサンプリング周波数の周期に等しいタイミングで
デジタル信号が入出力され、連続的に信号処理演算が行
われるので、超音波パルスaの繰り返し周期T0 より演
算時間が長くなることはない。
【0021】しかしながら、サンプリング周波数fS
20MHz以上の速度で動作するデジタルフィルタ演算素
子は、現状では実現されていない。このため、超音波パ
ルスaの繰り返し周期T0 が1ms以下の条件で動作さ
せる必要のあるオンライン超音波探装置においては、エ
コー信号に対してデジタル信号処理を行うことは困難で
あった。
【0022】また、一般に、超音波探傷においては、前
述した被検体材料の結晶粒界からの反射に起因する林状
エコーが発生する。さらに、図19に示すように、被検
体の表面で反射する表面エコー(Sエコー)のパルス幅
が広くなる。このような林状エコーや表面エコーの近傍
に生じるエコーは欠陥に起因するエコーではなく、疑似
エコーと呼ばれる。
【0023】この疑似エコーを低減する対策として、広
帯域幅を有した超音波パルスを被検体に入射して得られ
たエコー信号から周波数フィルタを用いて疑似エコーを
除去することが提唱されている(特開平2−18626
1号公報)。これは、林状エコーの周波数に比較して欠
陥エコーの周波数が低くなっていることを利用してい
る。
【0024】しかし、被検体材料によっては、林状エコ
ーの周波数と欠陥エコーの周波数との間に顕著な差がな
く、上述したデジタルフィルを含む周波数弁別手法では
対処しきれない場合がある。また、表面エコーの近傍の
疑似エコーに関しては、この疑似エコーの周波数と欠陥
エコーの周波数は基本的に等しいので、林状エコーの場
合と同様に周波数フィルタでは除去できない。すなわ
ち、この疑似エコーを効果的に除去する手法がなかっ
た。
【0025】本発明はこのような事情に鑑みてなされて
ものであり、超音波パルスの繰り返し周期内における一
定の測定期間のみエコー信号をA/D変換して、この測
定期間内のデータに対してのみデジタル信号処理を施す
ことによって、短い繰返し周期を維持したままで、エコ
ー信号に対するデジタル信号処理を行って雑音を低減す
ることができ、さらに、効果的に疑似エコーを除去で
き、高い欠陥検出精度を有したオンライン超音波探傷を
実現できる超音波探傷装置の信号処理装置を提供するこ
とにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明は、被検体に一定周期で超音波パルスを送波し
反射波を受波する超音波送受信部から出力される高周波
のエコー信号に基づいて被検体に存在する欠陥を検出す
る超音波探傷装置の信号処理装置において、エコー信号
を所定のサンプリング周波数でもってデジタル信号に変
換するA/D変換手段と、一定周期内におけるエコー信
号の測定期間を指定する測定期間指定手段と、測定期間
指定手段によって指定された測定期間内において、A/
D変換手段から出力されるエコー信号の各サンプリング
データをサンプリング周波数と同一周波数の書込周波数
でもって順次記憶し、記憶した各サンプリングデータを
前記書込周波数より低い読出周波数でもって順次出力す
るFIFO型レジスタと、FIFO型レジスタから順次
出力されるエコー信号に対して所定の周波数弁別処理を
実行するデジタルフィルタと、デジタルフィルタから出
力されるエコー信号に基づいて欠陥の有無を判定する欠
陥判定手段とを備えたものである。
【0027】請求項2の発明においては、上記発明にお
けるデジタルフィルタと欠陥判定手段との間に、デジタ
ルフィルタから一定周期経過する毎に出力されるエコー
信号を複数周期に亘って平均化する同期加算平均フィル
タを介挿している。
【0028】また、請求項3の発明においては、欠陥判
定手段を、同期加算平均フィルタから出力された平均化
エコー信号をアナログ信号に変換するD/A変換手段
と、このD/A変換手段から出力される平均化エコー信
号の最大信号レベルが所定の閥値を越えたとき欠陥信号
を出力する比較手段とで構成している。
【0029】さらに、請求項4の発明においては、2台
のFIFO型レジスタが組込まれている。すなわち、上
述した発明のA/D変換手段と測定期間指定手段に加え
て、測定期間指定手段によって指定された測定期間内に
おいて、A/D変換手段から出力されるエコー信号の各
サンプリングデータをサンプリング周波数と同一周波数
の書込周波数でもって順次記憶し、この記憶した各サン
プリングデータを書込周波数より低い読出周波数でもっ
て順次出力する第1のFIFO型レジスタと、第1のF
IFO型レジスタから順次出力されるエコー信号に対し
て所定の周波数弁別処理を実行するデジタルフィルタ
と、デジタルフィルタから出力されるエコー信号の各デ
ータを順次記憶し、記憶された各データをサンプリング
周波数と同一周波数の読出周波数でもって順次出力する
第2のFIFO型レジスタと、第2のFIFO型レジス
タから順次出力されるエコー信号をアナログ信号に変換
するD/A変換手段とで構成している。
【0030】請求項5の発明は請求項1の発明における
デジタルフィルタを同期加算平均回路に置き換えたもの
である。さらに、請求項6の発明においては、請求項5
の発明における同期加算平均回路を、FIFO型レジス
タから順次出力されるエコー信号を常に最新の所定個数
記憶する第1の信号メモリと、加算された1個の加算エ
コー信号を記憶する第2の信号メモリと、第1の信号メ
モリにおける最新のエコー信号から規定個数先に書込ま
れれたエコー信号を読出す信号読出手段と、FIFO型
レジスタから順次出力されるエコー信号と第2の信号メ
モリから読出された加算エコー信号とを加算する加算部
と、加算部から出力された加算エコー信号から信号読出
手段にて読出された1個のエコー信号を減算する減算部
と、減算部から出力された加算エコー信号を第2の信号
メモリへ新たな加算エコー信号として書込む加算エコー
信号更新手段と、減算部から出力された加算エコー信号
を除算して平均化されたエコー信号を得る除算部とで構
成している。
【0031】請求項7の発明においては、上記請求項5
の発明において、被検体に対する超音波パルスの入射位
置を相対移動させるようにしている。さらに、請求項8
の発明においては、上記請求項5の発明において、A/
D変換手段のサンプリングタイミングに同期し、かつサ
ンプリング周期より長い周期のトリガ信号を超音波送受
信部に印加するトリガ信号を発生するようにしている。
【0032】
【作用】このように構成された超音波探傷装置の信号処
理装置の動作原理を説明する。前述したようにオンライ
ン探傷を実行するためには超音波パルスaの繰返し周期
0 は数ms以下である。そして、超音波送受信部から
出力される高周波のエコー信号bのうち、実際に欠陥の
判定に必要な測定期間TM は、超音波パルスa送波時刻
から底エコーが入射されるまでの時間であり、高々数1
0μsであり、前記超音波パルスaの繰り返し周期T0
比べて格段に短い(TM 《T0 )。
【0033】そこで、この測定期間TM 内のエコー信号
bを高いサンプリング周波数fS でA/D変換してデジ
タル信号にする。このデジタルに変換されたエコー信号
の各サンプリングデータのうち前記測定期間TM 内に入
る各サンプリングデータを前記サンプリング周波数fS
と同一の書込周波数fW を用いてFIFO(先入れ先出
し)型レジスタへ記憶していく。そして、このFIFO
レジスタに記憶された各サンプリングデータを書込周波
数fW より低い、すなわち次のデジタルフィルタが十分
対応できる読出周波数fR でもって順次読出す。
【0034】読出されたデジタルのエコー信号は次のデ
ジタルフィルタにおいて雑音を最も効果的に減衰させる
周波数特性でもって周波数弁別処理が実施される。よっ
て、このデジタルフィルタを通過したデジタルのエコー
信号に含まれる雑音成分は大幅に低減される。そして、
欠陥判定手段は、雑音成分が低減されたエコー信号に基
づいて欠陥の有無を判定する。
【0035】この場合、FIFO型レジスタに記憶され
るエコー信号のサンプリングデータ数NM は測定期間T
M 内に存在するデータ数であるので、FIFO型レジス
タに記憶されたNM 個のサンプリングデータ全部を読出
すために必要な時間TR は(1) 式となる。
【0036】 TR =TM (fS /fR ) …(1) そして、この読出時間TR と前記測定期間TM とを加算
した時間が前記超音波パルスの繰り返し周期T0 より短
ければ、次の周期T0 が開始された時点で、FIFO型
レジスタに前回のサンプリングデータが残ることはな
い。
【0037】よって、デジタルフィルタは、先のサンプ
リング周波数fS より遅い読出周波数fR で順次出力さ
れてくるデジタルデータに対する処理を実施すればよ
い。また、一つの超音波パルスaの繰り返し周期T0
に演算処理する必要のあるデジタルデータ数NM は、エ
コー信号bにおける繰り返し周期T0 全期間に存在する
デジタルデータ数に比較して格段に少ないので、前記繰
り返し周期T0 内で十分処理可能である。
【0038】すなわち、デジタルフィルタとして特に高
速処理を実行可能な高性能のデジタルフィルタを用いる
必要はない。また、他の発明においては、同期加算平均
フィルタを用いることによって、各超音波パルスaの繰
り返し周期T0 毎にエコー信号を平均化でき、雑音低減
化効率をさらに上昇できる。この場合も、デジタルフィ
ルタと同様に特に高速処理を実行可能な高性能のフィル
タを用いる必要がない。
【0039】さらに、別の発明においては、欠陥判定手
段を、D/A変換手段と比較手段とで構成することによ
って、操作者にとって欠陥の有無を把握しやすくなる。
さらに別の発明においては、2台のFIFO型レジスタ
を用いている。すなわち、第1のFIFO型レジスタ
は、デジタル信号に変換されたエコー信号の各サンプリ
ングデータを、速いサンプリング周波数fS で書込ん
で、遅い読出周波数fR で読出して、デジタルフィルタ
へ印加する。
【0040】第2のFIFO型レジスタは、デジタルフ
ィルタから出力されたデジタルのエコー信号の各データ
を記憶して、元の速いサンプリング周波数fS で読出
す。読出されたデジタルのエコー信号はD/A変換手段
で元の時間軸に戻されたアナログのエコー信号に変換さ
れる。
【0041】このD/A変換手段から出力された雑音成
分が除去されたエコー信号は超音波受信部から出力され
るエコー信号と同等であるので、通常の超音波探傷器へ
入力することによってそのまま被検体に対する探傷が実
施できる。
【0042】さらに、前述したデジタルフィルタの代り
に、デジタル信号処理を行う同期加算平均回路を用いて
もよい。この同期加算平均回路は前述した同期加算平均
フィルタと同様に、各測定期間TM 内のデジタル化され
たエコー信号を平均化する機能を有している。各エコー
信号に含まれる雑音成分はそれぞれ位相がランダムであ
るので、多数のエコー信号を加算平均することによっ
て、各雑音成分が相殺されて、全体としての雑音成分は
低下し、エコー信号に含まれる欠陥エコーのS/Nが上
昇する。
【0043】また、同期加算平均回を請求項6に記載し
た構成とすることによって、エコー信号の両側波形のデ
ータに対する同期平均とすることができるので、エコー
信号を包絡線検波した後の片側信号波形を同期平均する
手法に比較して、雑音低減効果を大きくできる。
【0044】さらに、第1の信号メモリにおける書込ア
ドレスと読出アドレスとの相対関係を変更することによ
って、エコー信号の平均回数Naを任意に設定できる。
また、請求項7においては、被検体に対する超音波パル
スの入射位置を相対移動させるようにしている。すなわ
ち、超音波探傷においてエコー信号に混入する疑似エコ
ーの波形は、前述したように、被検体材料の結晶粒界や
表面構造からの多数の反射波が干渉し合っているので、
たとえ1mmだけ被検体に対する超音波パルスの入射位置
が変化すると、位相を含めて大きく変化する。
【0045】このため、入射位置が微小位置づづ異なる
多数の超音波パルスを入射することによって得られる各
エコー信号を加算平均することによって、これらの疑似
エコーを大幅に抑制できる。なお、欠陥エコーは超音波
パルスの入射位置が変化したとしてもその波形はほとん
ど変化しない。その結果、欠陥エコーが残り、疑似エコ
ーが小さくなり、欠陥エコーのS/Nが上昇する。
【0046】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。第1図は実施例の信号処理装置が組込まれた超音波
探傷装置全体を示すブロック図である。図25に示す従
来の超音波探傷装置と同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されて
いる。
【0047】クロック信号発生回路10は、例えば、周
波数fS =25MHZのクロック信号dを出力する。クロ
ック信号発生回路10から出力されたクロック信号dは
超音波送受信部1へ印加される。また、このクロック信
号dは、A/D変換器11,FIFO型レジスタ12,
遅延回路13,書込時間カウンタ14,読出時間カウン
タ15,分周器16へも送出される。
【0048】超音波送受信部1は入力されたクロック信
号dを分周して一定周期T0 毎にパルス信号を、被検体
2に直接または水等の遅延材を介して取付けられた探触
子3へ送出する。探触子3は受信したパルス信号を超音
波パルスaに変換して被検体2へ印加する。被検体2内
へ印加された超音波パルスaは被検体2の底面2aで反
射して再度探触子3で受波される。探触子3は反射波を
電気信号に変換して超音波送受信部1へ送出する。超音
波送受信部1は受信した電気信号を増幅してエコー信号
bとしてA/D変換器11へ送出する。
【0049】A/D変換器11はクロック信号dの周波
数をサンプリング周波数fS として用いて、入力された
エコー信号bを例えばnビットのデジタル信号に変換す
る。デジタル信号に変換されたエコー信号b1 は次のF
IFO型レジスタ12のデータ入力端子D1 へ印加され
る。
【0050】一方、超音波送受信部1はパルス信号を探
触子3へ送出するタイミングに同期してトリガ信号cを
遅延回路13へ送出する。遅延回路13は、一種のカウ
ンタで構成されており、トリガ信号cが入力するとクロ
ック信号dを用いて予め設定された遅延時間TD の計時
を開始し、遅延時間TD の計時が終了すると起動信号e
を書込時間カウンタ14へ送出する。
【0051】なお、この遅延時間TD は、探触子3と被
検体2との間に水やその他の遅延材が介挿された場合
に、エコー信号bの測定開始時間を遅らせるために設け
ている。実施例装置においては、探触子3と被検体2と
の距離を水中100mmとしており、被検体2からの反
射波を捉えるため TD =2×100mm/1480m/s=135μs に設定している。なお、音波の水中速度を1480m/
sとしている。
【0052】書込時間カウンタ14は起動信号eが入力
されると、図3に示すように、FIFO型レジスタ12
の書込制御端子へ書込許可信号gを送出する。そして、
予め定められた測定期間TM が終了すると、前記書込許
可信号gを解除する。なお、書込許可信号gは次の読出
時間カウンタ15へも送出される。
【0053】読出時間カウンタ15は、前記書込許可信
号gの立下りタイミングに同期して、FIFO型レジス
タ12の読出制御端子へ読出許可信号hを送出する。そ
して、予め定められた読出期間TR が終了すると、前記
読出許可信号hを解除する。なお、読出許可信号hは同
期加算平均フィルタ17へも送出される。なお、この実
施例においては、読出期間TR は測定期間TM の5倍の
値に設定されている。そして、前記測定期間TM 内には
M (=1024)個のサンプリングデータが含まれ
る。
【0054】一方、分周器16は入力したクロック信号
dの周波数fS (=25MHz)を1/5(N=5)に分
周して分周クロック信号d1 (周波数fR =5MHz) と
して、FIFO型レジスタ12およびデジタルフィルタ
18,同期加算平均フィルタ17へ印加する。
【0055】FIFO型レジスタ12は、書込許可信号
gがHレベル期間(測定期間TM )にデータ入力端子D
1 へ入力されてくるnビットの各サンプリングデータを
クロック信号dの周波数(サンプリング周波数)に等し
い書込周波数fW でもって順次記憶していく。この実施
例においては、合計1024個のサンプリングデータが
書込まれる。そして、読出許可信号hがHレベル期間
(読出期間TR )に記憶されている各サンプリングデー
タを分周クロック信号d1 の周波数に等しい読出周波数
R でもってデータ出力端子D2 から順次出力する。読
出周波数fR でもって順次読出されたデジタルのエコー
信号b2 は次のデジタルフィルタ18へ入力される。
【0056】デジタルフィルタ18は、例えば図2に示
すような、分周クロック信号d1 の周波数(fR =5M
Hz)で動作する128次のFIRデジタルフィルタで構
成されている。すなわち、このFIRデジタルフィルタ
は、128個の乗算器18aと,128個の加算器18
bと、128個の遅延器18cとで構成されている。な
お、C1 〜C128 は係数である。また、各遅延器18c
は、分周クロック信号d1 の周期T1 に相当する200
nsの遅延を行う。そして、このFIRデジタルフィル
タは順次入力される合計1024個の入力データx(k
1 )に対して(2) 式で示される積和演算を実施して、
出力データy(kT1 )を得る。
【0057】
【数1】 なお、この(2) 式に示される周波数弁別処理演算は当然
前記周期T1 (=200ns)内に行われる。
【0058】デジタルフィルタ18でもって(2) 式に示
される周波数弁別処理演算が実施されたデジタルのエコ
ー信号b3 は次の同期加算平均フィルタ17へ入力され
る。同期加算平均フィルタ17は、デジタルフィルタ1
8から順次出力される(2)式で示されるエコー信号b3
を構成する1024個の各データに対して、超音波パル
スaの繰り返し周期T0 毎の平均を算出する。具体的に
は、読出時間カウンタ15からの読出許可信号hの立上
がりに同期して、次の周期にデジタルフィルタ18から
出力される同一タイミング位置の過去予め定められた規
定回数分の各データの加算平均を算出して新たな平均化
エコー信号b4 として次の欠陥判定部19へ送出する。
【0059】欠陥判定部19において、入力された平均
化エコー信号b4 はD/A変換器19aでもってアナロ
グのエコー信号b5 へ変換される。エコー信号b5 は比
較器19bによって、予め定められた閥値VS と比較さ
れ、この閥値VS を越えるエコーが存在すると、欠陥信
号kを次の表示部20へ送出する。また、アナログのエ
コー信号b5 も表示部20へ送出される。表示部20
は、エコー信号b5 および欠陥の有無情報を表示する。
【0060】このように構成された超音波探傷装置の信
号処理装置の動作を図3に示すタイムチャートを用いて
説明する。超音波パルスaの送波に同期して、トリガ信
号cが出力される。そして、エコー信号bが超音波送受
信部1から出力される。エコー信号bはA/D変換器1
1でデジタルのエコー信号b1 へ変換される。トリガ信
号c出力から水等の遅延材に起因する遅延時間TD 経過
後に、書込許可信号gが立上がり、A/D変換器11か
ら出力されたデジタルのエコー信号b1 の1024個の
サンプリングデータがFIFO型レジスタ12へ書込ま
れる。この1024(=NM )個のサンプリングデータ
を書込むために所要時間、すなわち測定期間TM は、A
/D変換器11の25MHzのサンプリング周波数fS
同じ周波数で書込むので、1個のデータに対して40n
sとなり、全部で40.96μsである。
【0061】書込みが終了すると、読出許可信号hが立
上がり、FIFO型レジスタ12に記憶されている10
24個のサンプリングデータが順次読出される。5MHz
の読出周波数fR で読出されるので、読出には書込み所
要時間に対して5倍の時間を要する。したがって、読出
時間TR は40.49 ×5=203 μsである。例えば、図4
(a)に示すエコー信号波形の場合、読出すと、図4
(b)に示すように、時間軸が5倍に拡大される。
【0062】次に、デジタルフィルタ18の演算時間に
ついて考える。分周器16でクロック信号d1 の周波数
R が先のサンプリング周波数fS の1/5の5MHzで
あるので、サンプリングデータの読出間隔が200 nsと
なり、超音波パルスaの1つの繰り返し周期T0 におけ
るエコー信号b2 に対する演算時間は1024×200
ns=204.8μsである。
【0063】次に、同期加算平均フィルタ17の演算時
間について考える。この同期加算平均フィルタ17はデ
ジタルフィルタ18から出力信号として有効なデジタル
信号が出力され始める128×200ns=25.6μ
s後に演算を開始する。そして演算時間はデジタルフィ
ルタ18から出力されるデータの出力間隔が200ns
なので204.8μsとなる。
【0064】なお、欠陥判定部19はアナログ回路で構
成されているので、判定に要する時間はほとんど無視で
きる。このように、一つの超音波パルスaに応じて出力
されるエコー信号bに対するデジタル信号処理を、オン
ライン探傷処理に必要とされる超音波パルスaの繰り返
し周期T0 である0.5ms以内で十分実施できる。よ
って、特に演算処理速度が高い高性能のコンピュータを
使用する必要がないので、デジタル信号処理を採用する
ことによって超音波探傷装置全体の製造費が大幅に上昇
することはない。
【0065】また、電気性雑音や材料性雑音が多く含ま
れる高周波のエコー信号bに対してデジタルフィルタ処
理演算や同期加算平均フィルタ処理演算を容易に実施で
きるので、材料種類や測定条件に最適なフィルタ条件を
設定することによって、エコー信号に含まれる雑音成分
を効果的に除去でき、超音波探傷装置の欠陥検出精度を
大幅に向上できる。
【0066】図5は本発明の他の実施例に係わる超音波
探傷装置の信号処理装置の概略構成を示すブロック図で
ある。図1の実施例と同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されて
いる。
【0067】この実施例においては、読出時間カウンタ
15aのクロック端子に分周器16で1/5に分周され
たクロック信号d1 が入力されている。このような読出
時間カウンタ15aにおいても、図3で示す読出時間T
R を計時するので、図1の実施例とほぼ同様の効果を得
ることが可能である。
【0068】図6は本発明の他の実施例に係わる超音波
探傷装置の信号処理装置の概略構成を示すブロック図で
ある。図1の実施例と同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されて
いる。
【0069】この実施例においては、書込時間カウンタ
14から出力される書込許可信号gはFIFO型レジス
タ12へ送出されるのみで、読出時間カウンタ15cへ
は入力されない。そして、読出時間カウンタ15cに
は、超音波送受信部1から出力されるトリガ信号cが入
力されている。この読出時間カウンタ15cは、トリガ
信号cが入力すると、図3に示す遅延時間TR と測定期
間TM を加算した待ち時間(TR +TM )の計時を開始
し、この待ち時間(TR +TM )の計時が終了した時点
で、読出許可信号hをHレベルに設定する。そして、読
出時間TR の計時が終了すると、このHレベルの読出許
可信号hをLレベルに解除する。
【0070】したがって、読出時間カウンタ15cは図
3で示す読出時間TR を計時するので、図1の実施例と
ほぼ同様の効果を得ることが可能である。図7は本発明
の他の実施例に係わる超音波探傷装置の信号処理装置の
概略構成を示すブロック図である。図1の実施例と同一
部分には同一符号が付してある。したがって、重複する
部分の詳細説明は省略されている。
【0071】この実施例においては、遅延回路13dが
計時する遅延時間TD 、書込時間カウンタ14dが計時
する測定期間TM および読出時間カウンタ15dが計時
する読出時間TR を外部の時間設定部21によって任意
に設定変更可能としている。
【0072】すなわち、超音波探傷装置が探傷する被検
体2の種類は様々である。したがって、被検体2の形状
によっては、特に探傷したい範囲を表面から浅い部分
や、深い部分等のように指定する必要が生じる場合があ
る。また、被検体2の厚みも大きく変化する。このよう
に探傷範囲を変更したり、探傷範囲を拡大・縮小する
と、エコー信号bにおける測定期間TM の位置を移動し
たり、測定期間TM を延長または短縮する必要がある。
このような場合には、時間設定部21によって、遅延時
間TD ,測定期間TM および読出時間TR を最適値に設
定する。したがって、この信号処理装置が組込まれた超
音波探傷装置の適用範囲を大幅に広げることができる。
【0073】図8は本発明のさらに別の実施例に係わる
超音波探傷装置の信号処理装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。図7の実施例と同一部分には同一符号が付
してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略
されている。
【0074】この実施例においては、超音波送受信部1
から出力されるエコー信号bの信号路に沿って、A/変
換器11,第1のFIFO型レジスタ12a,デジタル
フィルタ18,第2のFIFO型レジスタ12b,D/
A変換器22,及び外部の欠陥判定部23が配設されて
いる。
【0075】クロック信号発生回路10から出力される
サンプリング周波数fS を有するクロック信号dは、A
NDゲート14eを介して第1のFIFO型レジスタ1
2aの書込クロック端子へ印加されると共に、ANDゲ
ート24aを介して第2のFIFO型レジスタ12bの
読出クロック端子へ印加される。さらに、クロック信号
dはD/A変換器22のクロック端子へ印加される。
【0076】また、分周器16から出力される周波数f
R (=fS /5)を有する分周クロック信号d1 は、A
NDゲート15bを介して第1のFIFO型レジスタ1
2aの読出クロック端子及び第2のFIFO型レジスタ
12bの書込クロック端子へ印加されると共に、デジタ
ルフィルタ18のクロック端子へ印加される。
【0077】遅延回路13dから出力される起動信号e
は書込時間カウンタ14d及び処理時間カウンタ15a
へ印加される。書込時間カウンタ14dは、図9のタイ
ムチャートに示すように、測定期間(A/D変換時間)
M だけHレベルの書込許可信号gをANDゲート14
eへ印加する。その結果、第1のFIFO型レジスタ1
2aは、測定期間(A/D変換時間)TM だけA/D変
換器11から出力されたデジタルのエコー信号b1 の各
サンプリングデータをサンプリング周波数fSと同一の
書込周波数で順番に取込んで記憶する。
【0078】また、処理時間カウンタ15aは時間設定
部21にて設定された読出時間(信号処理時間)TR
けHレベルの読出許可信号hをANDゲート15bへ印
加する。その結果、第1のFIFO型レジスタ12a
は、読出時間(信号処理時間)TR だけ記憶した各デー
タをサンプリング周波数fS の1/5の読出周波数fR
で順番に読出して、デジタルのエコー信号b2 として、
デシタルフィルタ18へ送出する。
【0079】デジタルフィルタ18は、読出周波数fR
に対応する速度で順次入力されるエコー信号b2 に対し
てリアルタイムで前述した周波数弁別処理を実施して、
雑音成分が除去されたエコー信号b3 を第2のFIFO
型レジスタ12bへ送出する。
【0080】処理時間カウンタ15aから出力された第
1のFIFO型レジスタ12aに対する読出許可信号h
はANDゲート15bの他に第2のFIFO型レジスタ
12bの読出時間カウンタ24へ印加される。読出時間
カウンタ24はこの第1のFIFO型レジスタ12aに
対する読出許可信号hがHレベルからLレベルへの立下
り時刻から時間設定部21にて設定された読出時間(計
測時間)TM だけHレベルとなる読出許可信号mをAN
Dゲート24aへ印加する。
【0081】したがって、第2のFIFO型レジスタ1
2bは、図9に示すように、第1のFIFOレジスタ1
2aのエコー信号b2 の読出開始時刻に同期して、デジ
タルフィルタ18から出力されるエコー信号b3 の各デ
ータを、第1のFIFOレジスタ12aの読出周波数f
R に等しい書込周波数で順番に取込んで記憶する。そし
て、信号処理時間(読出時間)TR が終了してエコー信
号b3 の全部のデータが格納されると、第2のFIFO
型レジスタ12bは、この記憶された各データを元のサ
ンプリング周波数fS に等しい5倍の読出周波数でもっ
て読出して、エコー信号b6 として次のD/A変換器2
2へ印加する。
【0082】D/A変換器22は、サンプリング周波数
S でエコー信号b6 の各データを取込んでアナログの
エコー信号b7 へ変換して、外部の欠陥判定部23へ送
出する。
【0083】図9は、図8に示した実施例装置の動作を
示すタイムチャートである。図示するように、トリガ信
号cに同期して遅延回路13dが遅延時間TD を計時
し、その後、書込時間(測定期間)TM 及び信号処理時
間(読出時間)TR の計時が開始される。信号処理時間
(読出時間)TR が終了すると第2のFIFO型レジス
タ12bに対する読出時間TM が開始する。
【0084】このように構成された超音波探傷装置の信
号処理装置であれば、デジタルフィルタ18において入
力エコー信号に対する周波数弁別処理を実施している期
間のみ、エコー信号の時間軸を25MHzから5MHzの5
倍に拡大している。そして、デジタルフィルタ18にお
ける周波数弁別処理が終了すると元の時間軸に戻して、
アナログのエコー信号b7 に変換している。
【0085】アナログのエコー信号b7 に対する欠陥判
定処理は、エコー信号における欠陥事象がたとえ25M
Hz程度の高い周波数であっても十分対処できる。したが
って、このアナログのエコー信号b7 を一般の超音波探
傷器に印加することによって簡単に被検体2に対する探
傷を実施できる。
【0086】この場合、エコー信号b7 の雑音成分はデ
ジタルフィルタ18で大幅に抑制されているので、一般
の超音波探傷器においても欠陥を精度よく検出できる。
図10は本発明のさらに別の実施例に係わる超音波探傷
装置の信号処理装置の概略構成を示すブロック図であ
る。図8の実施例と同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されて
いる。
【0087】この実施例においては、デジタルフィルタ
18aとして、第1のFIFO型レジスタ12aから出
力されるエコー信号b2 の全部のデータを一旦内部に格
納した後、この全部のデータを用いて周波数弁別処理を
行い、処理終了後にその処理結果をデシタルのエコー信
号b6 として出力するフィルタを用いている。
【0088】したがって、時間設定部21aは、遅延時
間TD ,書込時間(測定期間)TM,読出時間TR の他
に、デジタルフィルタ18aにおける周波数弁別処理に
必要なデータ処理時間TP を設定する。
【0089】第1のFIFO型レジスタ12aに対する
読出時間カウンタ15aの読出許可信号hはANDゲー
ト15bへ印加されると共に、データ処理時間カウンタ
26へ印加される。データ処理時間カウンタ26は、図
11のタイムチャートに示すように、読出許可信号hの
立下りに同期して、時間設定部21aにて設定されたデ
ータ処理時間TP の計時を開始し、Hレベルのデータ処
理時間信号oを出力する。
【0090】データ処理時間TP が終了すると、データ
処理時間信号oがLレベルへ立下り、次の書込時間カウ
ンタ26bが前記読出時間TR に相当する時間だけHレ
ベルが継続する書込許可信号nをANDゲート26bへ
印加すると共に、第2ののFIFO型レジスタ12bの
読出時間カウンタ24へ印加する。
【0091】したがって、第2のFIFO型レジスタ1
2bは図11のタイムチャートに示すように、デジタル
フィルタ18aにおけるデータ処理時間TP が終了した
時点で、このデジタルフィルタ18aから出力されるエ
コー信号b3 の各データをサンプリング周波数fS の1
/5の周波数fR で書込んでいく。そして、全部のデー
タの書込処理が終了した時点で、元の速いサンプリング
周波数fS でデータを順次読出して、エコー信号b6
して次のD/A変換器22へ印加する。
【0092】このように構成された超音波探傷装置の信
号処理装置においても、デジタルフィルタ18aにおい
て周波数弁別処理されたエコー信号b3 を第2のFIF
O型レジスタ12bを用いることによって、元の時間軸
を有したエコー信号b6 に戻すことができるので、図8
に示した実施例とほぼ同じ効果を得ることができる。
【0093】さらに、この実施例においては、時間設定
部21aのデータ処理時間TR を変更することによっ
て、デジタルフィルタ18aにおける周波数弁別処理内
容を任意に変更できる。
【0094】図12は本発明のさらに別の実施例に係わ
る超音波探傷装置の信号処理装置の概略構成を示すブロ
ック図である。図8の実施例と同一部分には同一符号が
付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省
略されている。
【0095】この実施例においては、図8に示す超音波
送受信部1から出力されるエコー信号の信号路に挿入さ
れたA/D変換器11,第1のFIF0型レジスタ12
a,デジタルフィルタ18,第2のFIFO型レジスタ
12b,D/A変換器22のうち、第1のFIF0型レ
ジスタ12a,デジタルフィルタ18,第2のFIFO
型レジスタ12bからなる信号記憶処理回路に対して、
第3のFIF0型レジスタ12aa,デジタルフィルタ
18b,第4のFIFO型レジスタ12bbからなる別
の信号記憶処理回路が並列接続されている。
【0096】そして、時間設定部21bにおいて、上段
の信号記憶処理回路の第1,第2のFIFO型レジスタ
12a,12bに対する遅延時間TD ,書込時間(計測
時間)TM ,読出(処理時間)TR に対して、下段の信
号記憶処理回路の第1,第2のFIFO型レジスタ12
aa,12bbに対する遅延時間TDD,書込時間(計測
時間)TMM,読出(処理時間)TRRが個別に設定可能で
ある。
【0097】したがって、図13のタイムチャートに示
すように、下段の信号記憶処理回路の遅延時間TDDを、
上段の信号記憶処理回路の遅延時間TD に書込時間(計
測時間)TM を加算した時間(TD +TM )以上に設定
することによって、エコー信号b上における互いに異な
る時間位置における複数の欠陥エコー5a,5bをそれ
ぞれ個別に抽出して、デジタルフィルタ18,18bを
用いた周波数弁別処理が実施可能である。そして、デジ
タル信号処理された各エコー信号b6 ,b66を合成して
D/A変換器22で元の一つのアナログのエコー信号b
7 を得ることができる。
【0098】このように構成することによって、図8の
実施例とほぼ同様の効果が得られるのみならず、A/D
変換器11及びD/A変換器22がそれぞれ1台で、複
数の欠陥エコー5a,5bを解析できる。
【0099】また、エコー信号b上の各欠陥エコー5
a,5bに対する計測時間(書込時間)TM ,TMMをそ
れぞれ欠陥の規模,種類の応じて最適時間幅に設定でき
る。図14は、本発明のさらに別の実施例に係わる超音
波探傷装置の信号処理装置の概略構成を示すブロック図
である。図8の実施例と同一部分には同一符号が付して
ある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略され
ている。
【0100】この実施例においては、図8に示す実施例
装置におけるデジタルフィルタ18が同期加算平均回路
27に置き換えられている。この同期加算平均回路27
は第1のFIFO型レジスタ12aから超音波パルスa
の出力周期T0 経過する毎に出力されるデジタルのエコ
ー信号b2 を複数周期(Na回)に亘って平均化する機
能を有する。そして、Na個のエコー信号b2 の平均化
された、デジタルのエコー信号b8 が次の第2のFIF
O型レジスタ12bへ入力される。
【0101】同期加算平均回路27は分周器16から出
力された周波数fR の分周クロック信号d1 にてエコー
信号b2 の加算平均処理を実行する。図15は同期加算
平均回路27の概略構成を示すブロック図である。第1
のFIFO型レジスタ12aから分周クロック信号d1
の周波数fR と同一の読出周波数fR で順次読出される
エコー信号b2 を構成するNM (=1024)個の8ビ
ット(n=8)構成の各データは第1の信号メモリ28
へ書込まれると共に、デジタル加算処理を行う加算器2
9に入力される。
【0102】第1の信号メモリ28は、図示するよう
に、エコー信号b2 を記憶する256個の領域28aが
形成されている。したがって、各領域28aはNM (=
1024)個のアドレスを有し、各アドレスには8ビッ
トの各データが記憶可能である。この第1の信号メモリ
28に対する前記エコー信号b2 を構成する各データの
書込アドレスWA1 は第1の書込アドレスカウンタ30
aで指定される。また、このこの第1の信号メモリ28
に記憶されているエコー信号b2 を読出す場合の読出ア
ドレスRA1 は第1の読出アドレスカウンタ30bで指
定される。各カウンタ30a,30bは前記分周クロッ
ク信号d1 で駆動される。
【0103】さらに、第1の読出読出アドレスカウンタ
30bの読出アドレスRA1 は第1の書込アドレスカウ
ンタ30aの書込アドレスWA1 に対して領域28aの
平均回数Na倍だけ遅れた(小さい)値になるように初
期設定されている。
【0104】 RA1 =WA1 −NM ・Na =WA1 −1024・Na …(3) すなわち、入力された各エコー信号b2 の各データは分
周クロック信号d1 に同期して増加する書込アドレスW
1 の指定する各アドレスに順番に格納されていく。同
時に、Na回前にこの第1の信号メモリ28に記憶され
たエコー信号b2 の同一波形位置の各データがこの書込
動作に同期して読出される。
【0105】なお、書込アドレスWA1 及び読出アドレ
スRA1 は第1の信号メモリ28の最終アドレスまで達
すると、先頭のアドレスに戻る。この第1の信号メモリ
28から読出されたNa回前のエコー信号b2 の各デー
タは次のデジタル減算処理を行う減算器31に入力され
る。
【0106】また、第2の信号メモリ32は加算された
1個のエコー信号b、すなわち加算エコー信号b88を構
成する記憶するためのNM (=1024)個のアドレス
を有し、各アドレスには16ビットの各テータが記憶可
能である。この第2の信号メモリ32には、前記減算器
31から出力された加算エコー信号の各データが順次書
込まれる。さらに、この第2の信号メモリ32から読出
された加算エコー信号b88は前記加算器29へ入力され
る。
【0107】減算器31からの加算エコー信号の各デー
タの書込アドレスWA2 は第2の書込アドレスカウンタ
33aで指定される。また、加算器29へ送出する加算
エコー信号b88の各データの読出アドレスRA2 は第2
の読出アドレスカウンタ33bで指定される。各カウン
タ30a,30bは前記分周クロック信号d1 で駆動さ
れる。さらに、分周クロック信号d1 に同期して、前記
4個の各アドレスカウンタ30a.30b.33a.3
3bがエコー信号の波形信号上における同一位置、すな
わち各領域28a及び第1の信号メモリ32内の1〜1
024のなかの同一アドレスを指定するように初期設定
されている。
【0108】加算器29は第2の信号メモリ32から読
出された加算エコー信号b88を構成する16ビット構成
の各データと、入力されたエコー信号b2 を構成する8
ビット構成の各データとを加算して、それぞれ16ビッ
ト構成のデータからなる加算エコー信号を減算器31へ
送出する。
【0109】減算器31は、加算器29から入力された
加算エコー信号の16ビット構成の各データから第1の
信号メモリ28から読出されたエコー信号の8ビット構
成の各データを減算する。そして、減算された16ビッ
ト構成のデータからなる加算エコー信号を第2の信号メ
モリ32へ送出すると共に、除算器34へ送出する。
【0110】除算器34は、例えばビットシフターで構
成されており、加算エコー信号を平均回数Naで除算し
て、平均化されたエコー信号d8 として図14の第2の
FIFO型レジスタ12bへ送出する。
【0111】このように構成された同期加算平均回路2
7の動作を説明する。最初、エコー信号b2 が全く入力
していない初期状態においては、第1の信号メモリ28
の各領域28a及び第2の信号メモリ32には全くエコ
ー信号の各データは記憶されていない。
【0112】そして、第1のFIFO型レジスタ12a
から第1回目のエコー信号b2 が入力すると、第1の信
号メモリ28の先頭の領域28aに記憶される。同時
に、第2の信号メモリ32に記憶される。すなわち、最
初は第2の信号メモリ32及び第1の信号メモリ28の
読出アドレスRA1 が指定する領域28aの各アドレス
には何も記憶されていないので、入力したエコー信号b
2 は加算器29及び減算器31を素通りして第2の信号
メモリ32に格納される。
【0113】第2回目のエコー信号b2 が入力すると、
加算器29は今回のエコー信号と前回(1回目)のエコ
ー信号とを加算して、加算エコー信号を作成する。しか
し、平均回数Na>2の場合は、まだ、第1の信号メモ
リ28の読出アドレスRA1が指定する領域28aの各
アドレスに何も記憶されていないので、加算エコー信号
は減算器31を素通りして第2の信号メモリ32に格納
される。
【0114】このように、平均回数Na個のエコー信号
2 が入力されるまでは、第2の信号メモリ32にエコ
ー信号が順次加算されていく。そして、平均回数Na以
上のエコー信号b2 が入力されると、新規に入力したエ
コー信号b2 からNa個前に入力したエコー信号が読出
されて減算器31へ送出される。
【0115】すなわち、第2の信号メモリ32に記憶さ
れている加算エコー信号b88は新規のエコー信号b2
入力されると、この新規のエコー信号b2 が加算され、
Na個前のエコー信号b2 が減算される。したがって、
第2の信号メモリ32は常時最新のNa個のエコー信号
を加算した加算エコー信号b88を記憶する。
【0116】よって、除算器34からは、最新のNa個
のエコー信号を平均化したエコー信号b8 が出力され
る。このように構成された超音波探傷装置の信号処理装
置においては、前述したように、各エコー信号b2 に含
まれる各雑音成分はそれぞれ位相がランダムであるの
で、多数のエコー信号を加算平均することによって、各
雑音成分が相殺されて、全体としての雑音成分は低下
し、エコー信号に含まれる欠陥エコーのS/Nが上昇す
る。
【0117】また、エコー信号の両側波形のデータに対
する同期平均とすることができるので、エコー信号を包
絡線検波した後の片側信号波形を同期平均する手法に比
較して、雑音低減効果を大きくできる。
【0118】さらに、平均回数Naを第1の書込アドレ
スカウンタ30a及び第1の読出アドレスカウンタ30
bのカウント値WA1 ,RA1 の関係を適宜設定するこ
とによって簡単に変更できる。
【0119】また、多数のエコー信号を平均化すること
によって、突発的な大きな雑音を抑制できる。すなわ
ち、超音波パルスaは1秒間に1000回以上入射されてい
るので、目視で観察している限りにおいては、たとえ閥
値を越える突発的な大きな雑音が入力したとしても人間
は識別できない。
【0120】しかし、オンライン探傷装置においては、
各超音波パルスa毎に、エコー信号bの信号レベルと閥
値とを比較して、欠陥の有無を判定している。したがっ
て、たとえ突発的な雑音であっても、欠陥有りと判断さ
れる。
【0121】そこで、エコー信号を平均化することによ
って、上述した通常の雑音の他に、この閥値を越える突
発的な雑音のレベルを1/Naに低減でき、この突発的
な雑音を欠陥と誤判定することを未然に防止できる。よ
って、装置全体の信頼性をさらに向上できる。
【0122】図16は平均回数Naを4に設定した場合
における、同期加算平均回路27へ入力前の各エコー信
号波形と、同期加算平均回路27にて平均化されたエコ
ー信号波形との比較を示す実測図である、図示するよう
に、平均化されたエコー信号における欠陥エコー(Fエ
コー)のS/Nが大幅に向上していることが理解でき
る。
【0123】図17は、平均回数Naとエコー信号にお
ける欠陥エコーのS/Nの向上度(dB)との関係を示
す図である。平均回数Naが増加すると、S/Nが大幅
に向上することが理解できる。
【0124】図18は本発明の他の実施例に係わる超音
波探傷装置の信号処理装置の要部を取出して示す模式図
である。なお、超音波送受信部1以降のエコー信号bに
対する信号処理部は図14に示す実施例と同じてある。
【0125】この実施例においては、被検体2aは例え
ば製造工場における検査ラインを各搬送ローラ35a,
35b,36a,36bでもって一定方向に速度Vで搬
送されている。そして、探触子3は水37が封入された
支持機構38によって、被検体2aに非接触に設けられ
ている。
【0126】そして、この実施例においては、超音波パ
ルスaの被検体2aに対する入射周期T0 と前記被検体
2aの移動速度Vとを調整して、被検体2aの進行方向
に対して、例えば1mm間隔のそれぞれ異なる位置に各超
音波パルスaが入射される。各超音波パルスaにて得ら
れる各エコー信号b2 は同期加算平均化回路27で平均
化される。
【0127】このように構成された超音波探傷装置の信
号処理装置においては、同期加算平均回路27へ順次入
力されるNa個の各エコー信号d2 はそれぞれ1mmずつ
異なる位置のエコー信号となる。各エコー信号bには、
図19に示すように、反射エコー(Sエコー)の広がり
や林状エコーに起因する疑似エコーが多く含まれる。
【0128】この各疑似エコーは超音波パルスaの被検
体2aに対する入射位置を微小位置変化させると位相を
含めて大きく変化する。よって、多数のエコー信号を加
算平均することによって、エコー信号に含まれる疑似エ
コーを低減できる。
【0129】図21は図19に示すエコー信号を入射位
置を微小距離づつ移動させたて得られる各エコー信号を
平均化したエコー信号を示す図である。図示するように
表面エコー(Sエコー)や欠陥エコー(Fエコー)の各
近傍の疑似エコーは大幅に低減されることが理解でき
る。
【0130】図20は、被検体2aの移動速度Vを2.
5m/sとし、超音波パルスaの入射周期T0 を1ms
(周波数f0 =1kHz)とし、平均回数Naを4に設定
した場合における、同期加算平均化回路27へ入力され
る4つの各位置P1 ,P2 ,P3 ,P4 の各エコー信号
2 と、同期加算平均化回路27から出力された平均化
された1つのエコー信号b8 との関係を示す図である。
欠陥エコーの近傍に存在してたて林状エコー(疑似エコ
ー)のレベルが大幅に低減したことか理解できる。
【0131】図22は本発明の他の実施例に係わる超音
波探傷装置の信号処理装置の要部を取出して示す模式図
である。この実施例においては、7個の探触子3aが一
方方向に例えば1mm間隔等の微小間隔で配列されている
(この状態に配列された複数の探触子を一般にアレイ探
触子と称している)。各探触子3aにはそれぞれ専用の
送信部39からパルス信号が印加される。そして、7個
の各探触子3aから出力される各エコー信号はそれぞれ
専用の受信部40で受信される。
【0132】各送信部39及び各受信部40にはそれぞ
れ4台つづつのマルチプレクサ41,42が接続されて
いる。そして、各マルチプレクサ41,42はトリガ回
路45から例えば1ms周期のトリガ信号c1 が入力さ
れるマルチプレクサ制御部43にて切換制御される。ま
た。各マルチプレクサ42から出力されるエコー信号は
増幅器46で合成されて増幅される。増幅器46で増幅
されたエコー信号bは図14のA/D変換器11へ入力
される。このA/D変換器11以降のエコー信号に対す
る信号処理部は図14に示す信号処理部と同じである。
【0133】マルチプレクサ制御部43は各マルチプレ
クサ41.42を次のように切換制御する。トリガ回路
45から1番目のトリガ信号c1 が出力されると、1番
目のマルチプレクサ41は1番目の送信部39を選択
し、2番目のマルチプレクサ41は2番目の送信部39
を選択し、3.4番目の各マルチプレクサ41はそれぞ
れ3,4番目の各送信部39を選択する。さらに、1〜
4番目の各マルチプレクサ42はそれぞれ1〜4番目の
各受信部40を選択する。
【0134】その結果、1〜4番目の各探触子3aが駆
動され、1〜4番目の各探触子3aから各エコー信号が
1〜4番目の各受信部40を介して1〜4番目の各マル
チプレクサ42へ受信される。1〜4番目の各マルチプ
レクサ42から出力された4つのエコー信号は増幅器4
6で合成,増幅されて新たなエコー信号bとしてA/D
変換器11へ送出される。
【0135】トリガ回路45から2番目のトリガ信号c
1 が出力されると、1〜4番目の各マルチプレクサ41
はそれぞれ2〜5番目の送信部39を選択し、1〜4番
目の各マルチプレクサ42はそれぞれ2〜5番目の受信
部40を選択する。その結果、2番目のトリガ信号c1
に同期して、増幅器46から2〜5番目の各探触子3a
に対するエコー信号bが出力される。
【0136】同様に、トリガ回路45から3番目のトリ
ガ信号c1 が出力されると、1〜4番目の各マルチプレ
クサ41はそれぞれ3〜6番目の送信部39を選択し、
1〜4番目の各マルチプレクサ42はそれぞれ3〜6番
目の受信部40を選択する。その結果、3番目のトリガ
信号c1 に同期して、増幅器46から3〜6番目の各探
触子3aに対するエコー信号bが出力される。
【0137】さらに、トリガ回路45から4番目のトリ
ガ信号c1 が出力されると、増幅器46から4〜7番目
の各探触子3aに対するエコー信号bが出力される。ま
た、トリガ回路45から5番目のトリガ信号c1 が出力
されると、増幅器46から1〜4番目の各探触子3aに
対するエコー信号bが出力される。
【0138】すなわち、トリガ信号c1 が4回出力され
ると、探触子3aの組合わせが順番に変化していく4種
類のエコー信号bが出力される。この4種類のエコー信
号bは、実質的に図18に示す被検体2aを1mmづつ移
動させることと同様に、超音波パルスaの入射位置を移
動させる効果を有する。したがって、同期加算平均化回
路27における平均回数Naを4に設定することによっ
て、被検体2を実際に移動させる事なく、エコー信号に
含まれる疑似エコーを低減できる。
【0139】なお、各トリガ信号c1 毎に選択する探触
子3aの組合わせは、上述した[1〜4][2〜5]
[3〜6][4〜7]の組合わせに限定されるものでは
ない。例えば、探触子3aを9個用いた場合において
は、[1357][2468][3579]のように、
奇数番目また偶数番目のように一つおきに選択してもよ
い。
【0140】図23は本発明のさらに別の実施例に係わ
る超音波探傷装置の信号処理装置の概略構成を示すブロ
ック図である。図14の実施例と同一部分には同一符号
が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は
省略されている。
【0141】この実施例においては、クロック信号発生
回路10から出力されるクロック信号dを分周器47で
1/n1 に分周した後、単安定回路48(1ショットマ
ルチバイブレータMU)でパルス幅を短くしてトリガ信
号cに整形して、遅延回路13d及び超音波送受信部1
へ印加するトリガ発生手段を備えている。
【0142】一般に、被検体2に入射される超音波パル
スaの周波数範囲は10MHz以上と非常に広いので、A
/D変換器11におけるサンプリング定理を満たすため
にはクロック信号dの周波数で示されるサンプリング周
波数fS は25MHz程度必要である、一方、A/D変換
器11の製造費を抑制するためには、少しでも低い周波
数か望ましい。
【0143】しかし、単に25MHzのクロック信号dで
駆動するのみでは、図24に示すように、A/D変換器
11に印加されるクロック信号dと超音波送受信部1か
ら出力されるトリガ信号cとが同期していないので、A
/D変換器11におけるサンプリングタイミングが最大
40nsだけ変動する。この変動量(ジッタ)は、同期
加算平均回路27において、図示するように、各エコー
信号b2 の各データの採取位置(サンプリング位置)に
おいて、最大40nsずれることが生じることを意味す
る。
【0144】例えば、周波数10MHzの超音波パルスa
の場合、1周期が100nsであるので、上述した変動
誤差40nsはこの周期のほぼ半波長に相当する。した
がって、Na個のテータ信号b2 を加算平均した場合
に、雑音成分がうまく相殺されない場合も発生して、最
良のS/Nを確保できない懸念がある。
【0145】そこで、図23に示すように、一つのクロ
ック信号発生回路10からA/D変換器11へサンプリ
ング用のクロック信号dを送出すると共に、同一クロッ
ク信号dを分周して、トリガ信号cとして超音波送受信
部1及び遅延回路13dへ印加している。超音波送受信
部1はこのトリガ信号cに同期して探触子3へパルス信
号を送出する。
【0146】よって、たとえA/D変換器11に対する
サンプリング周波数fR が低くても、ジッタの発生量を
大幅に抑制でき、エコー信号に含まれる雑音成分を確実
に相殺でき、低い製造費用でもってエコー信号のS/N
をより一層向上できる。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように本発明の信号処理装
置によれば、超音波パルスの繰り返し周期内における一
定の測定期間のみ超音波送受信部から出力された高周波
のエコー信号を高いサンプリング周波数でA/D変換し
て、一旦レジスタに記憶した後、先のサンプリング周波
数より低い読出周波数でこのサンプリングデータを読出
して、この測定期間内のデータに対してのみデジタル信
号処理を施している。
【0148】したがって、超音波パルスにおける例えば
数ms等の短い繰返し周期を維持したままで、エコー信
号に対するデジタル信号処理を行って雑音を低減するこ
とができるので、高い欠陥検出精度を有したオンライン
超音波探傷を実現できる。
【0149】また、上述した低い周波数でデジタル処理
されたエコー信号を第2のFIFO型レジスタを用いて
元の高い周波数に対応する時間軸に戻している。したが
って、通常のアナログの超音波探傷器でもって高い欠陥
検出精度を有した探傷作業が可能となる。さらに、同期
加算平均回路を用いることによって、微細な雑音及び突
発的な雑音も確実に低減でき、より欠陥検出精度を向上
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる信号処理装置が組
込まれた超音波探傷装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】 同実施例装置に組込まれたデジタルフィルタ
の概略構成を示す模式図。
【図3】 同実施例装置の動作を示すタイムチャート。
【図4】 同実施例装置の動作を示すエコー信号波形
図。
【図5】 本発明の他の実施例の信号処理装置が組込ま
れた超音波探傷装置の概略構成を示すブロック図。
【図6】 さらに別の実施例の信号処理装置が組込まれ
た超音波探傷装置の概略構成を示すブロック図。
【図7】 さらに別の実施例の信号処理装置が組込まれ
た超音波探傷装置の概略構成を示すブロック図。
【図8】 さらに別の実施例の信号処理装置の概略構成
を示すブロック図。
【図9】 同実施例装置の動作を示すタイムチャート。
【図10】 さらに別の実施例の信号処理装置の概略構
成を示すブロック図。
【図11】 同実施例装置の動作を示すタイムチャー
ト。
【図12】 さらに別の実施例の信号処理装置の概略構
成を示すブロック図。
【図13】 同実施例装置の動作を示すタイムチャー
ト。
【図14】 さらに別の実施例の信号処理装置の概略構
成を示すブロック図。
【図15】 同実施例装置における同期加算平均回路の
概略構成を示すブロック図。
【図16】 同実施例装置の効果を示すエコー信号波形
図。
【図17】 同実施例装置の効果を示す平均回数Naと
S/Nとの関係を示す図。
【図18】 さらに別の実施例の超音波探傷装置の信号
処理装置の要部を取出して示す模式図。
【図19】 一般的な反射エコーと欠陥エコーと疑似エ
コーとを含むエコー信号波形図。
【図20】 同実施例装置の動作を示すエコー信号波形
図。
【図21】 同実施例装置にて疑似エコーが低減された
エコー信号の波形図。
【図22】 さらに別の実施例の信号処理装置の要部を
取出して示すプロック図。
【図23】 さらに別の実施例の信号処理装置の概略構
成を示すブロック図。
【図24】 同実施例装置の効果を説明するためのタイ
ムチャート。
【図25】 一般的な超音波探傷装置の概略構成を示す
模式図。
【図26】 同超音波探傷装置の動作を示すタイムチャ
ート。
【符号の説明】
1…超音波送受信部、2,2a…被検体、3,3a…探
触子、10…クロック信号発生回路、11…A/D変換
器、12…FIFO型レジスタ、12a…第1のFIF
O型レジスタ、12b…第2のFIFO型レジスタ、1
3,13d…遅延回路,14…書込時間カウンタ、15
…読出時間カウンタ、16…分周器、17…同期加算平
均フィルタ、18…デジタルフィルタ、19…欠陥判定
部、19a…D/A変換器、19b…比較器、20…表
示器、21,21a…時間設定部、22…D/A変換
器、23…欠陥判定部、26…データ処理時間カウン
タ、27…同期加算平均回路、28…第1の信号メモ
リ、29…加算器、31…減算器、32…第2の信号メ
モリ、34…除算器、35a,35b,36a,36b
…搬送ローラ、39…送信部、40…受信部、41,4
2…マルチプレクサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中沢 晋 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−128362(JP,A) 特開 昭57−108752(JP,A) 特開 昭62−54160(JP,A) 特開 昭51−32381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に一定周期で超音波パルスを送波
    し反射波を受波する超音波送受信部から出力される高周
    波のエコー信号に基づいて前記被検体に存在する欠陥を
    検出する超音波探傷装置の信号処理装置において、 前記エコー信号を所定のサンプリング周波数でもってデ
    ジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記一定周期
    内における前記エコー信号の測定期間を指定する測定期
    間指定手段と、この測定期間指定手段によって指定され
    た測定期間内において、前記A/D変換手段から出力さ
    れるエコー信号の各サンプリングデータを前記サンプリ
    ング周波数と同一周波数の書込周波数でもって順次記憶
    し、この記憶した各サンプリングデータを前記書込周波
    数より低い読出周波数でもって順次出力するFIFO型
    レジスタと、このFIFO型レジスタから順次出力され
    るエコー信号に対して所定の周波数弁別処理を実行する
    デジタルフィルタと、このデジタルフィルタから出力さ
    れるエコー信号に基づいて欠陥の有無を判定する欠陥判
    定手段とを備えた超音波探傷装置の信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記デジタルフィルタと前記欠陥判定手
    段との間に、前記デジタルフィルタから前記一定周期経
    過する毎に出力されるエコー信号を複数周期に亘って平
    均化する同期加算平均フィルタを設けた請求項1記載の
    超音波探傷装置の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記欠陥判定手段は、前記同期加算平均
    フィルタから出力された平均化エコー信号をアナログ信
    号に変換するD/A変換手段と、このD/A変換手段か
    ら出力される平均化エコー信号の最大信号レベルが所定
    の閥値を越えたとき欠陥信号を出力する比較手段とで構
    成された請求項2記載の超音波探傷装置の信号処理装
    置。
  4. 【請求項4】 被検体に一定周期で超音波パルスを送波
    し反射波を受波する超音波送受信部から出力される高周
    波のエコー信号に基づいて前記被検体に存在する欠陥を
    検出する超音波探傷装置の信号処理装置において、 前記エコー信号を所定のサンプリング周波数でもってデ
    ジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記一定周期
    内における前記エコー信号の測定期間を指定する測定期
    間指定手段と、この測定期間指定手段によって指定され
    た測定期間内において、前記A/D変換手段から出力さ
    れるエコー信号の各サンプリングデータを前記サンプリ
    ング周波数と同一周波数の書込周波数でもって順次記憶
    し、この記憶した各サンプリングデータを前記書込周波
    数より低い読出周波数でもって順次出力する第1のFI
    FO型レジスタと、この第1のFIFO型レジスタから
    順次出力されるエコー信号に対して所定の周波数弁別処
    理を実行するデジタルフィルタと、このデジタルフィル
    タから出力されるエコー信号の各データを順次記憶し、
    この記憶された各データを前記サンプリング周波数と同
    一周波数の読出周波数でもって順次出力する第2のFI
    FO型レジスタと、この第2のFIFO型レジスタから
    順次出力されるエコー信号をアナログ信号に変換するD
    /A変換手段とを備えた超音波探傷装置の信号処理装
    置。
  5. 【請求項5】 被検体に一定周期で超音波パルスを送波
    し反射波を受波する超音波送受信部から出力される高周
    波のエコー信号に基づいて前記被検体に存在する欠陥を
    検出する超音波探傷装置の信号処理装置において、 前記エコー信号を所定のサンプリング周波数でもってデ
    ジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記一定周期
    内における前記エコー信号の測定期間を指定する測定期
    間指定手段と、この測定期間指定手段によって指定され
    た測定期間内において、前記A/D変換手段から出力さ
    れるエコー信号の各サンプリングデータを前記サンプリ
    ング周波数と同一周波数の書込周波数でもって順次記憶
    し、この記憶した各サンプリングデータを前記書込周波
    数より低い読出周波数でもって順次出力するFIFO型
    レジスタと、このFIFO型レジスタから前記一定周期
    経過する毎に出力されるエコー信号を複数周期に亘って
    平均化する同期加算平均回路と、この同期加算平均回路
    から出力されるエコー信号に基づいて欠陥の有無を判定
    する欠陥判定手段とを備えた超音波探傷装置の信号処理
    装置。
  6. 【請求項6】 前記同期加算平均回路は、前記FIFO
    型レジスタから順次出力されるエコー信号を常に最新の
    所定個数記憶する第1の信号メモリと、加算された1個
    の加算エコー信号を記憶する第2の信号メモリと、前記
    第1の信号メモリにおける最新のエコー信号から規定個
    数先に書込まれれたエコー信号を読出す信号読出手段
    と、前記FIFO型レジスタから順次出力されるエコー
    信号と前記第2の信号メモリから読出された加算エコー
    信号とを加算する加算部と、この加算部から出力された
    加算エコー信号から前記信号読出手段にて読出された1
    個のエコー信号を減算する減算部と、この減算部から出
    力された加算エコー信号を前記第2の信号メモリへ新た
    な加算エコー信号として書込む加算エコー信号更新手段
    と、前記減算部から出力された加算エコー信号を除算し
    て平均化されたエコー信号を得る除算部とで構成された
    ことを特徴とする請求項5記載の超音波探傷装置の信号
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記被検体に対する前記超音波パルスの
    入射位置を相対移動させる相対移動手段を備えたことを
    特徴とする請求項5記載の超音波探傷装置の信号処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記A/D変換手段のサンプリングタイ
    ミングに同期し、かつサンプリング周期より長い周期の
    トリガ信号を前記超音波送受信部に印加するトリガ信号
    発生手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の超音
    波探傷装置の信号処理装置。
JP5135562A 1992-06-09 1993-06-07 超音波探傷装置の信号処理装置 Expired - Lifetime JP2985579B2 (ja)

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