JP2985002B1 - 自動車用スリップ発生装置 - Google Patents

自動車用スリップ発生装置

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JP2985002B1 JP31436698A JP31436698A JP2985002B1 JP 2985002 B1 JP2985002 B1 JP 2985002B1 JP 31436698 A JP31436698 A JP 31436698A JP 31436698 A JP31436698 A JP 31436698A JP 2985002 B1 JP2985002 B1 JP 2985002B1
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Abstract

【要約】 【課題】 自動車へ容易に取付けることができるように
するとともに、一度取付けても、必要時にのみ、スリッ
プ現象を生じさせることができるようにして操作性の向
上を図る。 【解決手段】 自動車Cの車体5に設けられ強制的にス
リップ状態を作り出す装置であって、接地可能な車輪1
0と、車輪10を回転可能に軸支するブラケット13
と、ブラケット13に設けられ回動可能に軸支されて該
回動により車輪10を揺動させる回動軸17と、回動軸
17を軸支する軸受部20とからなるユニットUを一対
設け、これらのユニットUを連結部材で連結し、車体5
に付設したベース部材35にユニットUを回動可能に支
持して、車輪10を接地させて後輪WRを持ち上げる接
地位置A及び車輪10の接地を解除する接地解除位置B
に該車輪10が位置するようにし、駆動機構40によっ
てユニットUを進退移動させ車輪10を接地位置A及び
接地解除位置Bに位置決めするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車運転教習所
の教習車等に取付けられて用いられ、強制的にスリップ
状態を発生させて自動車のスリップ状態を体験させるこ
とのできる自動車用スリップ発生装置に関する。
【従来の技術】
【0002】従来、この種の自動車用スリップ発生装置
としては、例えば、特開平6−122301号公報に掲
載されているものが知られている。これは、図10に示
すように、自動車Cの前輪WF及び後輪WRの左右に取
付けられるスキッド装置1を備えている。このスキッド
装置1は、前輪WF及び後輪WRと略同程度の外径の円
盤2の外周に地面を転動自在な球状コロ3を装填して構
成され、ホイールボルトアダプタとホイールナットで前
輪WF及び後輪WRの左右に取付けられている。そし
て、自動車Cの発進時や旋回走行時に前輪WFや後輪W
Rにかかる荷重をスキッド装置1の球状コロ3に分散さ
せ、前輪WFや後輪WRを遠心方向に移動させてスリッ
プ状態を起こさせるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
の自動車用スリップ発生装置においては、スキッド装置
1をホイールボルトアダプタとホイールナットで前輪W
F及び後輪WRの4箇所に取付けているので、取付け,
取外しが煩雑になっており、またこのことから、自動車
Cの走行中に、スキッド装置1に荷重が分散されると、
ほとんど必ずスリップ現象が生じてしまい、スリップを
生じさせたいときのみ生じさせることができないという
問題があった。特に、自動車運転教習所の教習車にあっ
ては、教官が運転技術の未熟な受講者を教える関係上、
受講者の運転技術の程度や、自動車のスピード,周囲の
状況などを考慮し、できるだけ安全を図りながら指導し
なければならないことから、通常運転させている最中に
おいて、状況が許すときのみスリップ状態を体験させて
ハンドル操作を教えたいという要請があり、従来の装置
ではこの要請に応えることができない。本発明は、上記
の問題点に鑑みてなされたもので、自動車へ容易に取付
けることができるようにするとともに、一度取付けて
も、必要時にのみ、スリップ現象を生じさせることがで
きるようにして操作性の向上を図った自動車用スリップ
発生装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の技術的手段は、前輪及び後輪を有した
自動車の車体に設けられ強制的にスリップ状態を作り出
す自動車用スリップ発生装置において、接地可能な車輪
と、該車輪を回転可能に軸支するブラケットと、該ブラ
ケットに設けられ回動可能に軸支されて該回動により上
記ブラケットを介して上記車輪を揺動させる回動軸と、
該回動軸を軸支する軸受部と、上記車体に付設されると
ともに上記車輪を接地させて上記前輪もしくは後輪を持
ち上げる接地位置及び上記車輪の接地を解除する接地解
除位置に該車輪が位置するように上記軸受部を進退移動
可能に支持するベース部材と、上記軸受部を駆動して進
退移動させ上記車輪を接地位置及び接地解除位置に位置
決めする駆動機構とを備えて構成したものである。
【0005】この構成によれば、自動車用スリップ発生
装置を自動車に取付けるときは、ベース部材を、車体の
適所に付設する。この場合、自動車に付設するだけで良
いので、特別な改造をしなくても良く、容易に取付けを
行なうことができる。そのため、種々の自動車に取付け
ることができ、汎用性が極めて良いものになる。次に、
自動車用スリップ発生装置を取付けた自動車において、
通常走行を行なうときは、駆動機構により車輪を接地解
除位置に位置させて行なう。この状態では、前輪及び後
輪が接地しているので、通常走行が行なわれる。この通
常走行において、例えばカーブにさしかかった自動車に
強制的にスリップ状態を作り出すときは、駆動機構によ
り車輪を接地位置に位置させる。これにより、接地位置
においては、前輪または後輪が持ち上げられ、車輪が接
地することになる。この場合、カーブ等では遠心力が作
用することから、車輪を支持している回動軸が回動し、
車輪が揺動する。そのため、前輪または後輪が横にスリ
ップしたように自動車が横に振れて移動する。このた
め、運転者は、雨やアイスバーン等の路面で生じるスリ
ップ現象を容易に体験することができる。この場合、車
輪を接地位置に位置決めするだけで良いので、極めて容
易にスリップ状態を実現できる。
【0006】そして、必要に応じ、上記車輪,ブラケッ
ト,回動軸及び軸受部のユニットを一対設け、該一対の
ユニットの軸受部を所定間隔で連結する連結部材を設
け、該連結部材を上記車輪が上記接地位置及び接地解除
位置に進退移動可能になるように上記ベース部材に回動
可能に支持した構成としている。車輪が一対なので、1
つの車輪で行なう場合に比較して安定が良くなるととも
に、所定間隔を適宜に定めることで、実際の車輪のスリ
ップ状態に近い状態を作り出すことができる。そしてま
た、必要に応じ、上記駆動機構を、シリンダ及び該シリ
ンダに対して伸縮可能なピストンを有し、該シリンダ及
びピストンのいずれか一方側が上記ベース部材に回動可
能に設けられ、上記シリンダ及びピストンのいずれか他
方側が上記連結部材に回動可能に設けられる油圧シリン
ダ装置と、該油圧シリンダ装置を作動させる油圧ポンプ
とを備えて構成し、上記油圧シリンダ装置のピストンの
伸長時に上記車輪を接地位置に位置決めする構成として
いる。簡易な機構で、駆動機構を構成できるとともに、
接地位置への位置決めを確実に行なうことができる。
【0007】また、必要に応じ、上記油圧シリンダ装置
の油圧回路を、上記ピストンの伸長時に油圧を付加し、
縮小時に油圧を解除する回路で構成し、油圧シリンダ装
置の油圧解除時に該油圧シリンダ装置のピストンを縮小
方向に付勢するコイルスプリングを設けた構成としてい
る。油圧シリンダ装置の縮小の際にコイルスプリングの
付勢力が作用するので、接地解除位置へ車輪を移動する
応答が良く、そのため、安全が確保される。更に、上記
油圧シリンダ装置のピストンの伸長終端位置を調整可能
に構成している。これにより、車輪の設置高さが調整さ
れ、後輪または前輪が持ち上がり過ぎないで適正位置に
持ち上がるように調整することができ、安全を図ること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態に係る自動車用スリップ発生装置につい
て説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付
して説明する。図1に示すように、実施の形態に係る自
動車用スリップ発生装置Sは、前輪WF及び後輪WRを
有した自動車Cの車体5に取付けられる。自動車Cとし
ては、例えば、前輪駆動タイプの乗用車であり、左右の
後輪WRは、独立懸架式になっていて、車体5の車幅方
向に架設される車軸支持体6の左右に転動可能に支持さ
れている。そして、実施の形態に係る自動車用スリップ
発生装置Sは、左右の後輪WR間であって、車軸支持体
6の中央後側に取付けられる。
【0009】実施の形態に係る自動車用スリップ発生装
置Sは、図1乃至図6に示すように、接地可能な車輪1
0と、車輪10を回転可能に軸支する金属製のブラケッ
ト13と、ブラケット13に設けられ回動可能に軸支さ
れて該回動によりブラケット13を介して車輪10を揺
動させる金属製の回動軸17と、回動軸17を軸支する
軸受部20とを備えている。この車輪10,ブラケット
13,回動軸17及び軸受部20は、ユニットUになっ
ており、左右に一対設けられている。詳しくは、車輪1
0は、前輪WF及び後輪WRと同様にホイル11とホイ
ル11に設けられたゴム製のタイヤ12とを備えてい
る。車輪10の直径dは、前輪WF及び後輪WRの直径
をDとすると、0.2D≦d≦0.6Dの大きさが望ま
しい。0.2Dよりも小さいと、支持が不安定になり、
0.6Dより大きいと大き過ぎて装着が難しくなる。実
施の形態では、d≒0.4Dに設定している。また、車
輪10の幅tは、前輪WF及び後輪WRの幅をTとする
と、0.5T≦t≦0.8Tの大きさが望ましい。0.
5Tよりも小さいと、支持が不安定になり、0.8Tよ
り大きいと車輪10の揺動の応答が悪くなる。
【0010】また、ブラケット13は、略コ字状に形成
され、車輪10の両側に延びる支持板14と、回動軸1
7が溶接固定される固定板15とを備えて構成されてい
る。16は支持板14間に架設され車輪10が回転可能
に軸支される支持軸である。回動軸17と支持軸16と
はこれらの軸線同士が互いに直角方向を向くように結合
されている。軸受部20は、図7に示すように、金属製
の外筒21と、外筒21に内嵌し回動軸17が摺接する
平軸受22とを備えている。回動軸17の中間には鍔部
18が設けられ、この鍔部18と軸受部20との間には
回動軸17に嵌着されるスラストベアリング23が設け
られている。24は回動軸17の上端にボルト25で固
定され軸受部20の上端20aに摩擦的に当接するキャ
ップであり、ボルト25の締め付け程度によって軸受部
20に対する摩擦抵抗が調整される。
【0011】このように構成された一対のユニットU同
士は、その軸受部20が所定間隔L(図6)に設定され
て連結部材30で連結されている。連結部材30は、軸
受部20の外筒21間に架設された断面L字の金属製ア
ングル31と、軸受部20の外筒21間に架設され略U
状に折曲された金属製パイプ32と、アングル31及び
パイプ32間に溶接固定された金属製台板33とを備え
て構成されている。上記の一対の軸受部20同士の所定
間隔Lは、大きいほど、後輪WRが実際にスリップした
感覚に近くなるが、収納スペース等を考慮して適宜に定
めて良い。この連結部材30は、金属製のベース部材3
5に回動可能に支持されている。ベース部材35は、車
体5の車軸支持体6の中央に溶接固定されて付設されて
いる。これにより、このベース部材35は、図1,図3
及び図4に示すように、車輪10を接地させて後輪WR
を持ち上げる接地位置A及び車輪10の接地を解除する
接地解除位置Bに該車輪10が位置するように、上記各
ユニットUの各軸受部20を進退移動可能に支持してい
る。36は連結部材30のアングル31下端に取付部材
37を介して溶接された回動ロッド、38はベース部材
35に設けられ回動ロッド36が回動可能に挿通される
軸受管であり、連結部材30は軸受管38に対する回動
ロッド36の回動により、ベース部材35に対して回動
可能に支持されている。
【0012】また、自動車用スリップ発生装置Sは、上
記連結部材30を介してユニットUの軸受部20を駆動
して進退移動させ、車輪10を接地位置A及び接地解除
位置Bに位置決めする駆動機構40を備えている。駆動
機構40は、シリンダ41及びシリンダ41に対して伸
縮可能なピストン42を有し油圧室43(図9)が1室
の油圧シリンダ装置44と、油圧シリンダ装置44を作
動させる油圧ポンプ45とを備えて構成されている。油
圧シリンダ装置44は、シリンダ41及びピストン42
のいずれか一方側(実施の形態ではシリンダ41の中
央)がベース部材35に立設されたスタンド46に回動
可能に設けられ、シリンダ41及びピストン42のいず
れか他方側(実施の形態ではピストン42の先端部)が
連結部材30の台板33に設けた支持部材47に回動可
能に設けられている。油圧シリンダ装置44のシリンダ
41の油圧室43の入口通路43aは、スタンド46に
回動可能に設けられたシリンダ41の軸内に設けられ、
油圧ポンプ45からの配管が接続されている。油圧ポン
プ45は、車体5の適宜の部位に図示外の取付部材を介
して設けられている。そして、油圧シリンダ装置44の
ピストン42の伸長時に車輪10を接地位置Aに位置決
めするようにしている。
【0013】図9には、油圧シリンダ装置44の油圧回
路を示す。48は油圧タンク、50は油圧ポンプ45か
らシリンダ41の油圧室43に至る配管途中に介装され
た電磁弁である。この電磁弁50は、例えば3ポート2
位置切換電磁弁で構成され、非通電時に自己復帰するノ
ーマル位置51で油圧室43が油圧タンク48に連通
し、切換位置52で油圧ポンプ45と油圧室43とを連
通させてオイルを供給可能にする。また、切換位置52
で油圧ポンプ45の停止により、ピストン42をその位
置でロックする。油圧ポンプ45及び電磁弁50は、運
転席内に設けられたコントローラ(図示せず)により制
御される。即ち、油圧シリンダ装置44の油圧回路は、
ピストン42の伸長時に油圧を付加し、縮小時に油圧を
解除する回路で構成されている。55は油圧シリンダ装
置44の油圧解除時に油圧シリンダ装置44のピストン
42を縮小方向に付勢する一対のコイルスプリングであ
る。このコイルスプリング55は、シリンダ41と連結
部材30のパイプ32間に、引っ張り力を調整できるア
ジャスタ56を介して引っ張り状態で架設されている。
【0014】また、自動車用スリップ発生装置Sは、油
圧シリンダ装置44のピストン42の伸長終端位置を調
整可能に構成されている、実施の形態では、図3,図4
及び図8に示すように、ベース部材35のスタンド46
にネジ手段等により位置調整可能で連結部材30のアン
グル31によって押釦される押釦スイッチ60を設け、
この押釦スイッチ60がアングル31によって押釦され
たとき、上記油圧ポンプ45を停止させピストン42を
その位置でロックするようにしている。この押釦スイッ
チ60の位置調整により、押釦スイッチ60が押される
位置、即ち、ユニットUの回動位置を調整可能にしてい
る。これにより、車輪10を接地させて後輪WRを持ち
上げる接地位置Aの高さを調整できるようにし、後輪W
Rが持ち上がり過ぎないで適正位置に持ち上がるように
調整可能にしている。
【0015】従って、この実施の形態に係る自動車用ス
リップ発生装置Sを自動車Cに取付けるときは、ベース
部材35を、車体5の車軸支持体6の中央に溶接固定し
て付設する。また、油圧ポンプ45や油圧タンク48は
適宜の位置に付設する。この場合、自動車Cに付設する
だけで良いので、自動車Cに大幅な特別の改造をしなく
ても良く、容易に取付けを行なうことができる。そのた
め、種々の自動車Cに取付けることができ、汎用性が極
めて良いものになる。次に、この実施の形態に係る自動
車用スリップ発生装置Sを取付けた自動車Cを、例え
ば、自動車運転教習所の教習車として使用し、教官が補
助席に着座して運転席の受講者に運転を教授するとき
は、以下のようにして行なう。教官は運転席内に設けら
れたコントローラにより制御する。通常走行時には、油
圧ポンプ45及び電磁弁50の通電を断にし、電磁弁5
0をノーマル位置51に位置させ、油圧シリンダ装置4
4のシリンダ41の油圧室43を油圧タンク48に連通
させておく。これにより、図3に示すように、コイルス
プリング55の付勢力により、ピストン42が縮小位置
に引張されて位置し、車輪10は、接地解除位置Bに位
置させられて後退させられている。この状態では、前輪
WF及び後輪WRが接地しているので、通常走行が行な
われる。
【0016】この通常走行において、例えば、カーブに
さしかかった自動車Cに強制的にスリップ状態を作り出
して、運転者にスリップ状態を体験させ、ハンドル操作
を教授するときは、コントローラの操作によって、電磁
弁50を切換位置52に位置させ、油圧ポンプ45と油
圧シリンダ装置44のシリンダ41の油圧室43とを連
通させてオイルを供給可能にするとともに、油圧ポンプ
45を駆動してオイルを供給する。これにより、油圧シ
リンダ装置44のピストン42がコイルスプリング55
の付勢力に抗して伸長する。そして、ベース部材35の
スタンド46に設けた押釦スイッチ60が連結部材30
のアングル31によって押釦されると、油圧ポンプ45
が停止させられてピストン42がロックされ、図1,図
4乃至図6に示すように、車輪10が接地位置Aに位置
決めされる。接地位置Aにおいては、図1,図4及び図
6に示すように、後輪WRが持ち上げられ、一対の車輪
10のみが接地することになる。この場合、カーブ等で
は遠心力が作用することから、図5に示すように、車輪
10を支持している回動軸17が回動し、車輪10が揺
動する。そのため、所謂後輪WR側が横にスリップした
ように移動し、所謂尻振り現象が生じる。そのため、運
転者は、雨やアイスバーン等の路面で生じるスリップ現
象を容易に体験することができる。また、通常走行中に
急にスリップ現象が生じるので、ハンドル操作を行なっ
て、スリップ時の自動車Cの修正技術を身につけること
が可能になる。
【0017】この場合、車輪10を接地位置Aに位置決
めするだけで良いので、極めて容易にスリップ状態を実
現できる。また、この場合、教官は、受講者の運転技術
の程度、自動車Cのスピードや周囲の状況などを考慮
し、できるだけ安全を図りながら、適正と思われる条件
で、必要なときに、スリップ状態を生じさせることがで
きるので、安全が図られ、また、ハンドル操作の教授も
確実に行なうことができるようになる。特に、僅かな遠
心力でも、車輪10が揺動するので、低速においても、
スリップ状態を作り出すことができ、そのため、運転が
未熟な者に対しても、容易にスリップ状態を体験させる
ことができ、また、ハンドル操作の教授が容易になる。
更にまた、押釦スイッチ60の位置調整により、ユニッ
トUの回動位置が調整され、後輪WRが持ち上がり過ぎ
ないで適正位置に持ち上がるように調整されているの
で、この点でも安全が図られる。
【0018】そして、スリップ状態を解除するときに
は、コントローラの操作により、電磁弁50を断にす
る。これにより、電磁弁50はノーマル位置51に自己
復帰し、油圧シリンダ装置44のシリンダ41の油圧室
43を油圧タンク48に連通させる。これにより、図3
に示すように、車体重量及び及びコイルスプリング55
の付勢力により、ピストン42が引張されて縮小させら
れ、車輪10は接地解除位置Bに位置させられて後退さ
せられ、後輪WRが接地して、通常走行が行なわれる。
この場合、コイルスプリング55で車輪10を引張する
ので、接地解除位置Bへ車輪10を移動する応答が良
く、そのため、安全が確保される。特に、スリップ状態
において、運転者が未熟な場合に即座に中止したいとき
に、極めて対応が良くなる。また、電気系が切断する等
の故障があっても、電磁弁50がノーマル位置51に自
己復帰し、コイルスプリング55により接地解除位置B
へ車輪10が移動して通常走行状態になるので、安全が
確保される。
【0019】尚、上記実施の形態では、本装置を後輪W
Rを持ち上げて後輪WR側のスリップを生じさせるよう
に取付けたが、必ずしもこれに限定されるものではな
く、本装置を前輪WFを持ち上げて前輪WF側のスリッ
プを生じさせるように取付けても良く、適宜変更して差
支えない。また、上記実施の形態では、車輪10を一対
並設したが必ずしもこれに限定されるものではなく、1
つの車輪10で行なうようにしても良く、適宜変更して
良い。しかしながら、安定を考慮すれば、一対並設した
方が望ましい。更に、油圧回路も上述したものに限定さ
れるものではなく、適宜変更してよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動車用
スリップ発生装置によれば、ベース部材を車体に付設す
るだけで、自動車に大幅な特別の改造をしなくても容易
に取付けを行なうことができる。そのため、種々の自動
車に取付けることができ、汎用性が極めて良いものにな
る。また、本発明の自動車用スリップ発生装置を取付け
た自動車に強制的にスリップ状態を作り出すときは、駆
動機構を駆動して車輪を接地位置に位置決めするだけで
良く、また、解除するときは、駆動機構を駆動して車輪
を接地解除位置に位置決めするだけで良いので、装置を
一度取付けても、必要時にのみ、スリップ現象を生じさ
せることができるようになり、そのため、従来に比較し
て操作性を大幅に向上させることができる。
【0021】更に、駆動機構を駆動して車輪を接地位置
に位置決めすれば、車輪が接地して前輪もしくは後輪が
持ち上げられるので、僅かな遠心力が作用すると、容易
に回動軸が回動して車輪が揺動することから、容易にス
リップ状態を生じさせることができる。そのため、運転
者は、雨やアイスバーン等の路面で生じるスリップ現象
を容易に体験することができる。また、通常走行中にお
いて、駆動機構を駆動して、急にスリップ現象を生じさ
せることができるので、現実のスリップ時における自動
車の修正技術を身につけることが可能になる。特に、自
動車運転教習所の教習車に取付けた場合には、教官は、
受講者の運転技術の程度、自動車のスピードや周囲の状
況などを考慮し、できるだけ安全を図りながら、適正と
思われる条件で、必要なときに、スリップ状態を生じさ
せることができるので、安全が図られ、また、ハンドル
操作の教授も確実に行なうことができるようになる。特
に、僅かな遠心力でも、車輪が揺動するので、低速にお
いても、スリップ状態を作り出すことができ、そのた
め、運転が未熟な者に対しても、安全にスリップ状態を
体験させることができる。
【0022】また、車輪,ブラケット,回動軸及び軸受
部のユニットを一対設け、該一対のユニットの軸受部を
所定間隔で連結する連結部材を設け、この連結部材をベ
ース部材に回動可能に支持した場合には、1つの車輪で
行なう場合に比較して安定が良くなるとともに、所定間
隔を適宜に定めることで、実際の車輪のスリップ状態に
近い状態を作り出すことができるという効果がある。更
に、駆動機構を、油圧シリンダ装置と油圧ポンプとを備
えて構成し、油圧シリンダ装置のピストンの伸長時に車
輪を接地位置に位置決めする構成にした場合には、簡易
な機構で、駆動機構を構成できるとともに、接地位置へ
の位置決めを確実に行なうことができる。
【0023】更にまた、油圧シリンダ装置の油圧回路
を、ピストンの伸長時に油圧を付加し、縮小時に油圧を
解除する回路で構成し、油圧シリンダ装置の油圧解除時
に該油圧シリンダ装置のピストンを縮小方向に付勢する
コイルスプリングを設けた場合には、接地解除位置へ車
輪を移動する応答が良く、そのため、安全が確保され
る。また、油圧シリンダ装置のピストンの伸長終端位置
を調整可能に構成した場合には、後輪または前輪が持ち
上がり過ぎないで適正位置に持ち上がるように調整する
ことができ、安全を図ることができる。また、各種の車
種に対応が容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置を自動車に取付けた状態で示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置を車輪の接地解除位置の状態で示す側面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置を車輪の接地位置の状態で示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置を車輪の接地位置の状態で示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置を車輪の接地位置の状態で示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置の軸受部を示す要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置の押釦スイッチの取付け状態を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る自動車用スリップ発
生装置の油圧シリンダ装置の油圧回路を示す図である。
【図10】従来の自動車用スリップ発生装置を自動車に
取付けた状態で示す図である。
【符号の説明】
S 自動車用スリップ発生装置 C 自動車 WF 前輪 WR 後輪 5 車体 6 車軸支持体 10 車輪 13 ブラケット 17 回動軸 20 軸受部 U ユニット 30 連結部材 35 ベース部材 36 回動ロッド 38 軸受管 A 接地位置 B 接地解除位置 40 駆動機構 44 油圧シリンダ装置 45 油圧ポンプ 48 油圧タンク 50 電磁弁 55 コイルスプリング 60 押釦スイッチ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪及び後輪を有した自動車の車体に設
    けられ強制的にスリップ状態を作り出す自動車用スリッ
    プ発生装置において、 接地可能な車輪と、該車輪を回転可能に軸支するブラケ
    ットと、該ブラケットに設けられ回動可能に軸支されて
    該回動により上記ブラケットを介して上記車輪を揺動さ
    せる回動軸と、該回動軸を軸支する軸受部と、上記車体
    に付設されるとともに上記車輪を接地させて上記前輪も
    しくは後輪を持ち上げる接地位置及び上記車輪の接地を
    解除する接地解除位置に該車輪が位置するように上記軸
    受部を進退移動可能に支持するベース部材と、上記軸受
    部を駆動して進退移動させ上記車輪を接地位置及び接地
    解除位置に位置決めする駆動機構とを備えて構成したこ
    とを特徴とする自動車用スリップ発生装置。
  2. 【請求項2】 上記車輪,ブラケット,回動軸及び軸受
    部のユニットを一対設け、該一対のユニットの軸受部を
    所定間隔で連結する連結部材を設け、該連結部材を上記
    車輪が上記接地位置及び接地解除位置に進退移動可能に
    なるように上記ベース部材に回動可能に支持したことを
    特徴とする請求項1記載の自動車用スリップ発生装置。
  3. 【請求項3】 上記駆動機構を、シリンダ及び該シリン
    ダに対して伸縮可能なピストンを有し、該シリンダ及び
    ピストンのいずれか一方側が上記ベース部材に回動可能
    に設けられ、上記シリンダ及びピストンのいずれか他方
    側が上記連結部材に回動可能に設けられる油圧シリンダ
    装置と、該油圧シリンダ装置を作動させる油圧ポンプと
    を備えて構成し、上記油圧シリンダ装置のピストンの伸
    長時に上記車輪を接地位置に位置決めすることを特徴と
    する請求項2記載の自動車用スリップ発生装置。
  4. 【請求項4】 上記油圧シリンダ装置の油圧回路を、上
    記ピストンの伸長時に油圧を付加し、縮小時に油圧を解
    除する回路で構成し、油圧シリンダ装置の油圧解除時に
    該油圧シリンダ装置のピストンを縮小方向に付勢するコ
    イルスプリングを設けたことを特徴とする請求項3記載
    の自動車用スリップ発生装置。
  5. 【請求項5】 上記油圧シリンダ装置のピストンの伸長
    終端位置を調整可能に構成したことを特徴とする請求項
    3または4記載の自動車用スリップ発生装置。
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