JP2984933B2 - 湿式排煙脱硫制御方法及び装置 - Google Patents

湿式排煙脱硫制御方法及び装置

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JP2984933B2 JP2064938A JP6493890A JP2984933B2 JP 2984933 B2 JP2984933 B2 JP 2984933B2 JP 2064938 A JP2064938 A JP 2064938A JP 6493890 A JP6493890 A JP 6493890A JP 2984933 B2 JP2984933 B2 JP 2984933B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は湿式排煙脱硫装置に係り、特にボイラ等の燃
焼装置及び脱硫装置を含めた装置の最適運転用管理に好
適な湿式排煙脱硫制御方法及び装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の湿式排煙脱硫制御装置は、例えば第3図に示さ
れるように、制御用計算機49により、運転条件に対応し
た最適なPH設定値信号51と、吸収塔循環ポンプ台数信号
50とを内蔵されたシミュレーションモデルによって演算
し、吸収剤スラリ流量調整弁7をPH設定値に基づくフィ
ードバック信号により開閉して吸収剤スラリ流量を調整
し、吸収塔循環ポンプ8の台数制御によりスラリ循環流
量を調整し、脱硫率を規定値以内にすることを制御目標
としていた。
脱硫装置に対する制御上の要求は、あらゆる運転状態
において、装置出口SO2濃度を規定値以下に保持すると
ともに、トータルユーティリティ、すなわち、吸収剤消
費量と吸収塔循環ポンプ動力コスト等を最小にすること
にある。
しかし、前記従来の制御方式では、排ガス入口側の条
件、すなわち、ボイラの燃焼性状(例えば、石炭焚きの
場合は、炭種により、脱硫性能に大きな影響をおよぼす
F,Cl等の含有量にに差がある。)や負荷変化に伴う排ガ
ス流量の変化に対する応答遅れ、吸収塔を脱硫性能状態
量に対する制御上の配慮がなされていなかった。
従って、出口SO2濃度の公害規制値に対しても充分に
低い余裕のある脱硫率を目標値として運用されていたた
め不必要に吸収剤が消費され、吸収塔循環ポンプ動力が
浪費されていた。
すなわち、ボイラ及び脱硫装置を含めた総合的最適運
用管理については配慮されていなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来技術においては、脱硫装置単独での制御が行
われており、燃焼装置の燃料種類による影響、負荷変化
に伴う排ガス流量の変化に対する応答遅れについては配
慮されておらず、ボイラ及び脱硫装置を含めたトータル
システムで考えた場合には、必ずしも最適な制御方式と
は、なっていなかった。
本発明の課題は、燃焼装置側の運転条件の変化、例え
ば燃料の切替、負荷変化に追随して脱硫装置の要求性能
を維持し、かつ、ユーティリティを低減するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は、燃焼装置で生成される燃焼ガスと吸収
液を気液接触させて脱硫を行う吸収塔と該吸収塔に吸収
液を循環させる吸収塔循環ポンプとを備えた脱硫装置を
制御する湿式排煙脱硫制御装置に、前記燃焼装置及び脱
硫装置の運転データの計測手段に接続され、内蔵する前
記脱硫装置の運転モデルに基づいて脱硫装置の脱硫性能
を同定し、前記運転データと燃焼装置の負荷要求信号か
ら将来の運転データ、将来の脱硫装置出口SO2濃度予測
値を求め、該脱硫装置出口SO2濃度予測値に基づいて吸
収液循環量を制御する手段を設けることによって達成さ
れる。
上記の課題は、また、燃焼装置と、該燃焼装置で生成
される燃焼ガスと吸収液を気液接触させて脱硫を行う吸
収塔と、該吸収塔に吸収液を循環させる吸収塔循環ポン
プと、該吸収塔循環ポンプにより循環される吸収液の量
を制御する湿式排煙脱硫制御装置と、を備えてなる湿式
排煙脱硫装置において、前記湿式排煙脱硫制御装置を、
請求項1に記載の湿式排煙脱硫制御装置とすることによ
っても達成される。
上記の課題は、さらに、燃焼装置で生成される燃焼ガ
スと吸収液を気液接触させて脱硫を行う吸収塔と該吸収
塔に吸収液を循環させる吸収塔循環ポンプとを備えた脱
硫装置を制御する湿式排煙脱硫制御方法に、前記燃焼装
置及び脱硫装置の運転データと、内蔵する前記脱硫装置
の運転モデルに基づいて脱硫装置の脱硫性能を同定し、
前記運転データと燃焼装置の負荷要求信号から将来の運
転データ、将来の脱硫装置出口SO2濃度予測値を求め、
該脱硫装置出口SO2濃度予測値に基づいて吸収液循環量
を制御する手順を備えることによっても達成される。
〔作用〕
予測演算手段は、燃焼装置と脱硫装置の運転データ、
負荷要求信号(MWD)、及び内蔵する脱硫装置の運転モ
デルに基づいて、脱硫装置出口での処理ガス中のSO2
来濃度予測、排ガス中のF,Cl等の濃度の予測、亜流酸塩
の酸化率予測等を行う。脱硫反応は、制御に対して、遅
れを伴うが上記将来予測に基づいて吸収塔循環量が制御
されるので、ボイラの負荷変化、燃料の種類の変化が生
じても、先行制御が行われる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。第
2図は、本発明に係る湿式排煙脱硫制御装置を備えた湿
式排煙脱硫装置を示し、燃焼装置であるボイラ1と、該
ボイラ1の燃焼ガス出口に接続された電気集塵器2と、
該電気集塵器2の出口に接続された脱硝装置3と、該脱
硝装置3の出口に接続された空気加熱器4と、該空気加
熱器4の出口に接続され燃焼排ガスを脱硫したのち処理
ガス6として排出する吸収塔である脱硫装置5と、該脱
硫装置5内の吸収液溜5Aと同じく脱硫装置内の吸収液散
布管5Bとを連通する吸収液循環路5Cに介装された吸収塔
循環ポンプ8と、前記吸収液溜5Aに接続されて吸収剤ス
ラリを供給する管路に介装された吸収剤スラリ流量調整
弁7と、前記吸収液循環ポンプ8の出口側の前記吸収液
循環路5Cに分岐して設けられた石こう回収装置11と、前
記脱硫装置5に接続され吸収液溜5Aにアルカリ剤を供給
するアルカリ剤管路に介装されたアルカリ剤流量調整弁
10と、前記吸収液溜5Aに接続された酸化空気管路に介装
され該吸収液溜5Aに酸化空気を送給する酸化空気ブロア
9と、前記吸収剤スラリ流量調整弁7、吸収塔循環ポン
プ8、酸化空気ブロア9、アルカリ剤流量調整弁10のそ
れぞれに信号伝達手段で接続された脱硫制御装置16と、
該脱硫制御装置16に接続されたオンラインデータ収録器
14と、を含んでいる。
ボイラ1で発生した燃焼ガスは、電気集塵器2で煤塵
の一部が除去され、脱硝装置3で窒素酸化物が除去さ
れ、空気予熱器4で冷却された後、脱硫装置5に燃焼排
ガスとして導入される。脱硫装置5においては、燃焼排
ガス中のSO2は、吸収塔循環ポンプ8により、吸収液散
布管5Bを経て脱硫装置5内に供給される吸収剤を含んだ
吸収液と気液接触して吸収除去され、燃焼排ガス(以
下、排ガスという)は処理ガス6となって脱硫装置5か
ら排出される。
吸収剤は、脱硫制御装置16の出力信号である吸収剤ス
ラリ流量調整弁制御信号20により開閉される吸収剤スラ
リ流量調整弁7により流量調整されて脱硫装置5に供給
される。さらに排ガス中のF,Cl、Al等が吸収液中に混入
しくるが、これらの成分は脱硫性能を阻害するので、吸
収液溜5AにNaOH等のアルカリ剤が供給され、上記成分は
固形物化されて吸収液中から除去される。アルカリ剤の
供給量は、脱硫制御装置16の出力信号であるアルカリ剤
流量調整弁制御信号17に基づいて開閉されるアルカリ剤
流量調整弁10により、制御される。排ガス中のSO2と気
液接触する吸収液の流量は、脱硫制御装置16の出力信号
である吸収塔循環ポンプ台数制御信号19により制御され
る吸収塔循環ポンプ8により調整される。
酸化空気ブロア9の運転台数は、脱硫制御装置16の出
力信号である酸化空気ブロア台数制御信号18により決定
される。吸収塔循環ポンプ8が吐出する吸収液スラリの
一部は石こう回収装置11に導入され、吸収液スラリ中の
石こう12が回収されるとともに、残りの排水13は排出さ
れる。なお、オンラインデータ収録器14は、ボイラ1及
び脱硫装置5のオンラインデータ信号15を脱硫制御装置
16に送信する。
第1図は、脱硫制御装置16の構成を示し、排ガス流量
計21、入口SO2濃度計22、出口SO2濃度計24、PH計28、吸
収剤スラリ流量計29、吸収塔スラリ循環流量計31、出口
SO2濃度設定器23と、これら計器、設定器の出力側に接
続された予測演算手段である脱硫予測演算器38と、該脱
硫予測演算器38の出力側に接続された関数発生器35A
と、該関数発生器35Aの出力側に並列に接続されたポン
プ台数制御装置44及びPH設定値演算器40と、該PH設定値
演算器40の出力側に接続された加算器36Bと、該加算器3
6Bの出力側に接続された減算器32Cと、該減算器32Cの出
力側に並列に接続された関数発生器35B及び調節計43B
と、前記関数発生器35Bの出力側に接続された加算器36C
と、該加算器36Cの出力側に接続された掛算器33Bと、該
掛算器33Bの出力側に接続された減算器32Dと、該減算器
32Dの出力側に接続された調節計43Aと、前記調節計43B
の出力側に接続された加算器36Dと、該加算器36Dの出力
側に接続された減算器32Eと、該減算器32Eの出力側に接
続された調節計43Cと、前記排ガス流量計21と入口SO2
度計22に入力側を接続された掛算器33Aと、該掛算器33A
の出力側に接続された関数発生器35C及び掛算器33Dと、
該掛算器33Dの出力側に接続された減算器32Fと、該減算
器32Fの出力側に接続された関数発生器35Eと、該関数発
生器35Eの出力側に接続された酸化空気ブロア台数制御
装置46と、前記入口SO2濃度計22及び出口SO2濃度計24に
入力側を接続された減算器32Aと、該減算器32Aの出力側
に接続された割算器34と、前記PH計28に入力側が接続さ
れた関数発生器35Dと、該関数発生器35Dの出力側および
前記吸収塔スラリ循環流量計31に入力側を接続された掛
算器33Eと、前記排ガス流量計21に入力側を接続された
掛算器33Cと、該掛算器33Cの出力側に接続された係数器
45と、減算器32Dの入力側に接続された吸収剤スラリ流
量計29と、加算器36Bの入力側にその出力側を接続され
たPH設定値補正演算器42と、該PH設定値補正演算器42の
入力側及び前記掛算器33Cの入力側にその出力側を接続
された排ガス中F,Cl濃度予測演算器41と、該排ガス中F,
Cl濃度予測演算器41の入力側にそれぞれ接続された燃料
流量計25、空気流量計26、燃料性状データ27と、を含ん
でいる。また、排ガス流量計21、出口SO2濃度設定器2
3、及び入口SO2濃度計22の出力側は前記PH設定値演算器
40の入力側にも接続され、入口SO2濃度計22は割算器34
の入力側に、掛算器33Aの出力側は、さらに掛算器33Bの
入力側にも接続される。さらにPH計28は減算器32Cの入
力側に、アルカリ剤流量計30は、減算器32Eの入力側に
それぞれ接続されている。割算器34の出力側は掛算器33
Dの入力側に接続され、掛算器33Eの出力側は減算器32F
の入力側にそれぞれ接続されている。また、関数発生器
35Cの出力側は加算器36Cの入力側に、係数器45の出力側
は加算器36Dの入力側に、それぞれ接続されている。
ポンプ台数制御装置44の出力側は吸収塔循環ポンプ8
に、調節計43Aの出力側は吸収剤スラリ流量調整弁7
に、調節計43Cの出力側はアルカリ剤流量調整弁10に、
酸化空気ブロア台数制御装置46の出力側は酸化空気ブロ
ア9に、それぞれ接続されている。
脱硫予測演算器38は、前述の各種計器、設定器に接続
され、脱硫装置の運転モデルを内蔵して、時々刻々の脱
硫性能を該モデルに基づいて同定するブロック60と、該
ブロック60に接続され、同定された脱硫性能に基づい
て、必要なベース吸収塔循環量(吸収剤循環量ともい
う)を算出するブロック61と、前記ブロック60に接続さ
れ、負荷要求信号(MWD)68を入力されて、将来の出口S
O2濃度を予測するブロック63と、該ブロック63及び前記
ブロック61に接続され、予測された将来の出口SO2濃度
に基づいて、ブロック61から出力されるベース吸収塔循
環量を補正するブロック62と、を含んでいる。
脱硫予測演算器38においては、下記の方式により、吸
収塔循環流量デマンド71が演算される。この手順をブロ
ック毎に説明する。
ブロック60:吸収塔における脱硫は吸収液散布管(以
下スプレノズルという)より噴霧された液滴が形成する
気液接触面を介して、SO2ガスが、ガス側から液側に物
質移動することにより行なわれ、その脱硫性能は、脱硫
性能評価単位数(BTU)及び影響因子単位数(RTU)によ
り表わされる。すなわち、前記BTUに影響を及ぼす操作
条件が変化(運転条件が変化)したときの脱硫性能変化
を予想するためのものがRTUである。基本的には、入口S
O2、液ガス比、PHがキーパラメータであり、これらのパ
ラメータが単独に変化(他のパラメータは不変)したと
きに脱硫性能がいくら変化するかを把握するための修正
量を示すものがRTUである。さらに〔RTU〕PH(PH値に基
づくRTU)などは吸収塔循環液の液組成(状態量)によ
り〔RTU〕PHが一定でもPHが大巾に変わる液相等が有
り、その場合〔RTU〕PHが、長時間、停滞することがあ
る。従って現在の脱硫装置の運転状態のプロセスデータ
(排ガス流量、入口SO2濃度、出口SO2濃度設定値、出口
SO2濃度、燃料性状データ、PH、吸収剤スラリ流量な
ど)を入力し内蔵する脱硫装置の運転モデルのBTU、RTU
を現在の値に修正し、現在の脱硫性能(BTU)を同定す
る。現実の脱硫反応は約3〜5分の応答遅れがあり、遅
れなく現在の脱硫性能を把握して制御を行うには、モデ
ルによる脱硫性能の同定が効果的である。脱硫率ηとBT
U,RTUの関係は次式で表わされる。
η=1−exp(−BTU〔RTU〕SO2・〔RTU〕L/G・〔RT
U〕PH) ……(1) BTU=−ln(1−η) ……(2) η :脱硫率 ηo:基準脱硫率 ブロック61:次に同定されたBTU,RTUより、目標脱硫率
(出口SO2濃度)になる〔RTU〕L/Gが算出され、試運転
にて確認された液ガス比L/G(吸収塔循環液量/排ガス
流量)対〔RTU〕L/G特性より、ベース吸収塔循環量が求
められる。これにより、目標出口SO2濃度に見合った吸
収塔循環流量が過不足なく設定されるため、無駄なユー
ティリティ(吸収塔循環ポンプ動力コスト)を使用する
ことのない効果がある。
η′ :目標脱硫率 CSO2∞ :目標出口SO2濃度 CSO2i :現在出口SO2濃度 〔RTU〕L1/G:目標液ガス比RTU ブロック63:ブロック60,61では負荷一定時の脱硫性能
維持が目標で、燃料の変化、吸収塔の液組成の変化時の
吸収塔循環量が算出されるが、実運用においては各種の
負荷変化パターンが外乱となってかかわってくる。そこ
で、ブロック63では、負荷要求信号(MWD)68が入力さ
れ、最少2乗法による直線予測により、脱硫反応遅れに
見合ったt分後(3〜5分位)の将来負荷になるまで、
ブロック60で同定された脱硫装置モデルを使って予測演
算が繰り返され、将来出口SO2濃度67が出力される。
ブロック62:次にブロック63から出力される脱硫反応
の反応遅れに見合ったt分後の将来負荷時の将来出口SO
2濃度67と出口SO2濃度設定値との偏差により、将来出口
SO2濃度先行量が演算される。この将来出口SO2濃度先行
量による吸収塔循環流量変化分がベース吸収塔循環流量
66に加算され、循環流量が修正演算されて吸収塔循環流
量デマンド71として出力される。これにより反応遅れが
あっても、将来負荷時の出力SO2濃度が、現在の吸収塔
循環流量の操作により、遅れなく一定値に制御される効
果がある。
出力された吸収塔循環流量デマンド71は関数発生器35
Aに入力され、ポンプ運転台数信号におきかえられて、
ポンプ台数制御装置44に送信される。ポンプ台数制御装
置44の出力信号である吸収塔循環ポンプ台数制御信号19
により吸収塔循環ポンプ8の運転台数が決定される。
吸収塔循環流量制御は上記説明では、ポンプ台数切替
方式であったが、流体継手による回転数制御にすること
により連続制御となり、きめ細かい最適制御ができる。
また、従来の脱硫率一定制御から出口SO2濃度一定制
御にすることにより、下記の通り、出口SO2濃度を無用
に低下させることがなくなり、無駄なユーティリティ
(吸収塔循環ポンプ動力コスト、吸収剤消費量)を使用
しないですむ。
装置運転条件 CSO2i=300〜400ppm(負荷により変
化) CSO2∞=32ppm以下 従 来 制 御 η=92%一定 CSO20=24ppm〜32ppm 本実施例の制御 CSO20′=32ppm一定 比 較 結 果 CSO20≦CSO20′ pH設定値演算器40は、出口SO2濃度設定器23の出力信
号、排ガス流量計21の出力信号、入口SO2濃度計22の出
力信号、関数発生器35Aの出力信号を用いて、pH設定値
を演算し、加算器36Bに加える。排ガス中F,Cl濃度予測
演算器41は、燃料流量計25、空気流量計26、燃料性状デ
ータ27の出力信号を用いて、排ガス中のF,Clの濃度を予
測し、この予測結果を出力信号としてpH設定値補正演算
器42に入力する。排ガス中のF,Cl濃度は次式で計算され
る。
ここに、Cx:排ガス中のFまたはClの濃度、Ga:空気流
量、Gf:燃料流量、φ:燃焼率、C′x:燃料中のFまた
はClの濃度。
pH設定値補正演算器42は、F及びCl濃度に対するpHの
補正信号を求めておいて、これらを加算する。
ΔpH =ΔpHF+ΔpHCl ……(6) ΔpHF =f(F濃度) ……(7) ΔpHCl=f(Cl濃度) ……(8) ここにΔpH:PH補正信号。
加算器36Bでは、補正されたpHの設定値が求まるの
で、減算器32Cにおいて、pH計28の出力信号とpH設定値
信号(加算器36Bの出力信号)の偏差が求められる。こ
の偏差信号に応じて、関数発生器35Bにおいて、吸収剤
スラリの過剰率補正信号が算出され、加算器36Cに入力
される。加算器36Cにおいては、SO2の絶対量信号(掛算
器33Aの出力信号)に対応して関数発生器35Cで与えられ
る過剰率先行信号と、前記過剰率補正信号とが加え合わ
せられ、全体の吸収剤過剰率信号として出力される。こ
の信号にSO2の絶対量信号が掛算器33Bで掛け合わせられ
て、吸収剤スラリのデマンド信号として出力され、吸収
剤スラリ流量計29の出力信号と該デマンド信号との偏差
が減算器32Dにより求められる。得られた偏差信号が調
節計43Aに入力され、調節計43Aの出力信号である吸収剤
スラリ流量調整弁制御信号20により吸収剤スラリ流量調
整弁7の開度が制御される。
アルカリ剤流量の制御に関しては、まず、排ガス中F,
Cl濃度予測演算器41の出力信号であるF及びClの濃度
に、排ガス流量計21の出力信号が掛算器33Cで掛け合わ
せられ、この掛算器33Cの出力信号に一定の係数が係数
器45で掛けられて先行流量信号として出力される。この
先行流量信号に、pHの偏差信号(減算器32Cの出力信
号)を調節計43Bで処理した信号が加算器36Dで加算さ
れ、この加算結果の出力信号とアルカリ剤流量計30の出
力信号との偏差が減算器32Eで算出される。この偏差信
号が調節計43Cで処理されて、アルカリ剤流量調整弁制
御信号17として出力され、アルカリ剤流量調整弁10の開
度が制御される。
酸化空気ブロアの台数制御に関しては、まず掛算器33
Dにおいて、入力SO2量信号(掛算器33Aの出力信号)と
実測脱硫率信号(割算器34の出力信号)とが掛けあわさ
れて、吸収SO2量信号として減算器32Fに出力される。ま
た、pH計28の出力信号が関数発生器35Dに入力されて、
係数が求められ、この係数に吸収塔スラリ循環流量計31
の出力信号が掛算器33Eで掛けあわされて自然酸化量信
号として減算器32Fに出力される。減算器32Fは、吸収SO
2量信号(掛算器33Dの出力信号)から自然酸化量信号
(掛算器33Eの出力信号)を引算して、必要酸化量信号
(減算器32Fの出力)として出力する。この必要酸化量
信号に対して関数発生器35Eで、必要空気量信号が生成
され、この信号が酸化空気ブロア台数制御装置46に入力
されて、酸化空気ブロア台数制御信号18が生成され、該
酸化空気ブロア台数制御信号18により、酸化空気ブロア
9の運転台数が決定される。
本実施例によれば、このように、ボイラ及び脱硫装置
は両者を含めて総合的に運用管理され、ボイラ及び脱硫
装置のオンライン測定データを用いて、オンライン測定
が困難な状態量が予測され、予測結果に基づいて、脱硫
装置が制御されるので、脱硫装置の性能を維持し、ユー
ティリティ、すなわち、吸収剤消費量、吸収塔循環ポン
プ動力を低減できる。
また、本実施例によればボイラの燃料切替え、負荷変
化に対しても所定の出口SO2濃度を確保するのが容易で
あり、さらに、出口SO2濃度の予測ができるので、プラ
ント出口SO2濃度異常状態が容易に検出予知される等の
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例である湿式排煙脱硫制御装置
の制御系統図、第2図は第1図に示された湿式排煙脱硫
制御装置を備えた脱硫装置の例を示す系統図、第3図は
従来技術の例を示す系統図である。 1……燃焼装置、5……吸収塔、 8……吸収塔循環ポンプ、 16……湿式排煙脱硫制御装置、 38……予測演算手段。
フロントページの続き (72)発明者 神永 栄一 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 石黒 興和 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社呉研究所内 (72)発明者 曽我 光幸 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 橋本 泰樹 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社呉工場内 (56)参考文献 特開 昭62−250931(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼装置で生成される燃焼ガスと吸収液を
    気液接触させて脱硫を行う吸収塔と該吸収塔に吸収液を
    循環させる吸収塔循環ポンプとを備えた脱硫装置を制御
    する湿式排煙脱硫制御装置において、前記燃焼装置及び
    脱硫装置の運転データの計測手段に接続され、内蔵する
    前記脱硫装置の運転モデルに基づいて脱硫装置の脱硫性
    能を同定し、前記運転データと燃焼装置の負荷要求信号
    から将来の運転データ、将来の脱硫装置出口SO2濃度予
    測値を求め、該脱硫装置出口SO2濃度予測値に基づいて
    吸収液循環量を制御する予測演算手段を設けたことを特
    徴とする湿式排煙脱硫制御装置。
  2. 【請求項2】燃焼装置と、該燃焼装置で生成される燃焼
    ガスと吸収液を気液接触させて脱硫を行う吸収塔と、該
    吸収塔に吸収液を循環させる吸収塔循環ポンプと、該吸
    収塔循環ポンプにより循環される吸収液の量を制御する
    湿式排煙脱硫制御装置と、備えてなる湿式排煙脱硫装置
    において、前記湿式排煙脱硫制御装置が、請求項1に記
    載の湿式排煙脱硫制御装置であることを特徴とする湿式
    排煙脱硫装置。
  3. 【請求項3】燃焼装置で生成される燃焼ガスと吸収液を
    気液接触させて脱硫を行う吸収塔と該吸収塔に吸収液を
    循環させる吸収塔循環ポンプとを備えた脱硫装置を制御
    する湿式排煙脱硫制御方法において、前記燃焼装置及び
    脱硫装置の運転データと、内蔵する前記脱硫装置の運転
    モデルに基づいて脱硫装置の脱硫性能を同定し、前記運
    転データと燃焼装置の負荷要求信号から将来の運転デー
    タ、将来の脱硫装置出口SO2濃度予測値を求め、該脱硫
    装置出口SO2濃度予測値に基づいて吸収液循環量を制御
    することを特徴とする湿式排煙脱硫制御方法。
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