JP2984740B2 - 船舶推進機の操縦装置 - Google Patents

船舶推進機の操縦装置

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JP2984740B2 JP2227473A JP22747390A JP2984740B2 JP 2984740 B2 JP2984740 B2 JP 2984740B2 JP 2227473 A JP2227473 A JP 2227473A JP 22747390 A JP22747390 A JP 22747390A JP 2984740 B2 JP2984740 B2 JP 2984740B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は船舶推進機の操縦装置に関し、特に、互い
に離間した位置で同一の船舶推進機を制御する場合に使
用されるものである。
〔従来の技術〕
従来において、一つの制御対象である船舶推進機を、
互いに離間したキャビンおよびブリッジの2個所から制
御する場合、切り換え装置を介して各々の操作部と船舶
推進機の間とをワイヤーケーブルで連結した、所謂、機
械式遠隔制御装置が使用されている(実公昭61−29068
号)。
ところが、かかる従来の機械式遠隔制御装置にあって
は、 (1).複数の操作部と切り換え装置との間、切り換え
装置と船舶推進機との間の両方にワイヤーロープが配置
されていたため、 操作荷重が重くなるとともに、ケーブルの屈曲、又
は、ケーブル長の影響により、誤動作するおそれがあ
る。特に、従来の制御装置にあっては、切り換え装置の
前後にケーブルを有しているため、前記影響が大きく、
この結果、誤動作しやすいものである。
又, (2).一方の操作状態を他方で引き継いで操縦するに
際して、相手側の操作状態を知り得ないので、スムーズ
な移行ができないものである。他方、単に、連動する場
合には操作荷重が大きくなるという問題も発生する。
これらの欠点を解消するために、出願人は、船舶推進
機の操作を電動制御と手動操作とを切換式にした船舶推
進機の操縦装置を案出し、既に出願済である(特願平2
−50492号)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、かかる出願中の船舶推進機の操縦装置
にあっては、前記したように推進機の操作を電動制御と
手動操作との切換式にしたため、推進機の操作以外に切
換操作もしなければならず、この結果、推進機の操作に
手間がかかるという不都合を有した。
本願発明の課題は、かかる不都合を解消することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を達成するために、この発明に係る船舶推進
機の操縦装置においては、 船舶推進機の被駆動部と、この被駆動部を作動させる
アクチュエータと、前記アクチュエータを電気信号によ
って制御する少なくとも一つの電動用操作子と、前記ア
クチュエータを手動によって制御する少なくとも一つの
手動用操作子とを備え、 前記電動用操作子と前記手動用操作子とのうち一方を
操作することによって、前記アクチュエータを作動せし
めるようにしたため、 前記電動用操作子と前記手動用操作子との何れの操作
子によっても船舶推進機を操作することができる。
又、切り換え手段を設け、前記切り換え手段を操作す
ることにより前記手動用操作子によって機械的に前記船
舶推進機の被駆動部を操作可能とした船舶推進機の操縦
装置において、前記切り換え手段を、前記アクチュエー
タのフレームに回動可能に設けられた軸体と、この軸体
に嵌着され前記被駆動部を操作する作動レバーと、前記
軸体に回転可能に嵌められ前記手動操作子によって揺動
する受動レバーと、この受動レバーに形成された係止溝
と、前記軸体に回転可能に嵌られ前記手動操作子によっ
て前記電気信号によって回動し前記作動レバーを揺動さ
せる従動歯車と、この従動歯車に形成された係止溝と、
前記軸体の先端面に形成された軸孔と、前記フレームを
貫通しこの軸孔に進退可能に嵌挿されたピンホルダと、
前記軸体の側面に形成された窓部と、この窓部に貫通さ
れ前記ピンホルダの先端面が当接しているとともにその
両端部が前記従動歯車の係止溝に嵌挿している係止ピン
と、この係止ピンを前記作動レバーの係止溝方向に付勢
している圧縮コイルばねと、前記ピンホルダにおける前
記フレームから突出した部分に着脱可能に嵌着し、前記
圧縮コイルばねの弾性力に抗して前記係止ピンにおける
前記従動歯車の係止溝に嵌挿した状態を維持している係
止板とから構成すれば、前記係止板を前記軸体から外す
ことよって前記係止ピンが前記圧縮コイルばねの弾性に
よって前記従動歯車の係止溝から抜け出し前記作動レバ
ーの係止溝に嵌挿する結果、前記電動用操作子に問題が
起きたとき、前記係止板を前記軸体から外すのみですば
やく電動式から機械式に変更することができるものであ
る。
〔実施例の説明〕
この発明の実施例を第1図〜第6図に基づいて説明す
る。
第1図において、Sは船体、Pは船体S後部にに設置
された推進装置、Aは同アクチュエータである。都合上
アクチュエータは一台のみ図示したが、実際には前記推
進装置Pのシフト状態(この発明の「被駆動部」に相当
する)を操作するものと前記推進装置Pのエンジンスロ
ットルの開閉状態(この発明の「被駆動部」に相当す
る)を操作するものとが別々に設置されている。
一方、1はメイン操作部(この発明の「手動用操作
子」に相当する)であり、前記船体Sの船室に設置され
ている。このメイン操作部1は操作ワイヤW1を介して前
記アクチュエータAを制御する。又、2はサブ操作部
(この発明の「電動用操作子」に相当する)であり、前
記船体Sのブリッジ等に設置されている。このサブ操作
子2はその操作状態を電気信号として出力し前記アクチ
ュエータAを制御する。
次に、第2図に基づいてこの操縦装置のシステムを説
明する。なお、このシステムは推進装置Pのシフト状態
を操作する場合と推進装置Pのエンジンスロットルの開
閉状態を操作する場合との両者に適応される。
メイン操作部1において、11は操作レバーである。こ
の操作レバー11を操作して、操作ケーブルW1をプッシュ
・プルする。常態では、プッシュ・プルされる操作ケー
ブルW1はアクチュエータA内で位置検出器12によってそ
の移動量が電気信号にされ制御部3に伝えられる。制御
部3はこの電気信号を受信するとモータ31をコントロー
ルし、ケーブル駆動機構4を作動させ、作動ケーブルW2
をプッシュ・プルして推進機Pのシフト状態またはスロ
ットルの開閉状態を調整する。5はケーブル駆動機構4
の位置検出機であり、作動ケーブルW2の移動量を検出し
て制御部3にフィードバックさせている。
一方、サブ操作部2において、21は操作レバーであ
る。この操作レバー21の操作状態は位置検出器22によっ
て電気信号に変換され、アクチュエータAの制御部3に
出力される。制御部3はこの電気信号を受信すると、前
記メイン操作子1の場合と同様にモータ31をコントロー
ルし、ケーブル駆動機構4を作動させ、作動ケーブルW2
をプッシュ・プルして推進機Pのシフト状態またはスロ
ットルの開閉状態を調整する。
次に、メイン操作子(手動操作)1のみによって推進
機Pを操作する場合、即ち、制御部3を介さない操作ワ
イヤW1および作動ケーブルW2のみによって推進装置Pを
操作する場合(第2図における仮想線のルートを参照の
こと)には、作動ケーブルW1によってケーブル駆動機構
4を作動させ、作動ケーブルW2を介して推進機Pのシフ
ト状態またはスロットルの開閉状態を調整する。
次に、第3図〜第6図に基づいてアクチュエータAの
実施例を説明する。このアクチュエータAは推進機Pの
シフト状態の調整またはスロットルの開閉状態の調整の
いずれにも使用できる。
第3図〜第6図において、61はフレーム、3はフレー
ム61に設置されたは制御部、31は同モータである。この
モータ31は前記制御部3によってコントロールされる。
311は原動歯車であり、前記モータ31によって回動す
る。
次に、611はフレーム61の水平板(この発明の「フレ
ーム」の一部に相当する。)、612は水平板611に形成さ
れた凹部である。この凹部612の中心には穴613が形成さ
れている。この穴613の機能は後記する。41は軸体であ
り、前記凹部612に回動可能に立設され、その上端部は
軸受部材614によって支持されている。この軸受部材614
は前記水平板(フレーム61の)611にボルト止めされて
いる。411は軸孔であり、前記軸体41に形成されてい
る。この軸孔411は下部(第4図図において左側)に開
口している。412,412は窓部であり、前記軸体41の側面
に形成されている。この窓部412,412によって軸孔411と
外部とは連通している。413は嵌挿用孔であり、前記軸
孔411の上端底部に形成されている。この嵌挿用孔413の
機能については後記する。
次に、62は従動歯車であり、前記軸体41に嵌挿されて
いる。この従動歯車62は前記原動歯車311に歯合してい
る。このため、従動歯車62は原動歯車311に従って回動
する。621,621は係止溝であり、前記従動歯車62の軸孔
縁に形成されている。この係止溝621,621には後記係止
ピン632が掛け止めされる。63はピンホルダであり、前
記穴(水平板611の凹部612の)613を外側から貫通し、
前記軸体41の軸孔411に回動可能に嵌挿している。631は
透孔であり、前記ピンホルダ63に形成されている。この
透孔631には係止ピン632が嵌挿している。この係止ピン
632の両端部は前記軸体41の窓部412を貫通し、前記した
ように従動歯車62の係止溝621,621に嵌挿している。こ
のため、従動歯車62の回動に従って前記軸体41は回動す
る。また、622は係止板であり、前記ピンホルダ63の突
出部(水平板611からの)に設置されている。このた
め、係止ピン632は前記従動歯車62の係止溝621,621に係
止した状態を維持できる。なお、633は圧縮コイルばね
であり、前記係止ピン632と前記凹部612との間に設置さ
れている。この圧縮コイルばね633は、係止ピン632を常
時係止溝(従動歯車62の)621から解除させる方向に弾
撥している。このため、係止板622を外した際にピンホ
ルダ63が右方向(第4図)に移動し、係止ピン632が係
止溝(従動歯車62の)621から解除され、第6図の状態
となる。
次に、64は受動レバーであり、前記軸体41に回動可能
に嵌挿されている。この受動レバー64は前記従動歯車62
に隣接し、前記メイン操作部1の操作レバー11に操作ケ
ーブルW1を介して連結されている。このため、操作レバ
ー11のプッシュ・プルに従って揺動する。641,641は係
止溝であり、受動レバー64の軸孔縁に形成されている。
この係止溝641,641は前記係止ピン632が従動歯車62の係
止溝621から解除した際に係止するためのものである
(第6図参照)。なお、12は位置検出器であり(第3図
参照)、前記水平板(フレーム61の)611に設置されて
いる。この位置検出器12は前記受動レバー64の揺動量を
検知して前記制御部3に電気信号として送るためのもの
である。
次に、42は作動レバーであり、前記軸体41にねじ414
止めされている。このため作動レバー42は軸体41に従っ
て回動し、作動ケーブルW2をプッシュ・プルして推進機
Pのシフト状態またはスロットルの開閉状態を調整す
る。
なお、5は位置検出器であり、前記軸受部材614に嵌
着され、その先端部を前記軸体41における嵌挿用孔413
に嵌着している。この位置検出器5は軸体41の回動量を
検出し、制御部3にフィードバックさせている。
次に、この実施例の作動を説明する。
第一に通常の状態(第4図の状態、受動レバー64が軸
体41に対して回動可能の状態)における作動を説明す
る。
この状態で、メイン操作部1の操作レバー11を操作す
ると、ケーブルW1の移動量が位置検出器12によって制御
部3に電気信号として伝えられる。
一方、サブ操作部2の操作レバー21を操作すると、そ
の操作状態が位置検出器22によって電気信号に変換され
制御部3に伝えられる。
このように電気信号が制御部3に伝えられるとモータ
31が作動して原動歯車311が回動する。すると従動歯車6
2、ひいては軸体41が回動し、その結果、作動レバー42
が揺動して、作動ケーブルW2をプッシュ・プルすること
により推進機Pのシフト状態またはスロットルの開閉状
態を調整する。
なお、この場合、受動レバー64も操作ケーブルW1のプ
ッシュ・プルに従って揺動するが、受動レバー64が軸体
41に対して回動可能であるため、軸体41は受動レバー64
の移動量とは無関係に回動する。
第二に手動操作による作動を説明する。
この操作を行う場合には、ピンホルダ63の係止板622
を外し、圧縮コイルばね633の弾撥力によって係止ピン6
32を従動歯車62から解除し受動レバー64の係止溝641に
係止する(第6図の状態、従動歯車62が軸体41に対して
回動可能の状態)。
この状態で、メイン操作部1の操作レバー11を操作す
ると、操作ケーブルW1のプッシュ・プルに従って受動レ
バー64が揺動する。
すると軸体41が回動し、その結果、作動レバー42が揺
動して、作動ケーブルW2をプッシュ・プルすることによ
り推進機Pのシフト状態またはスロットルの開閉状態を
調整する。
この場合、従動歯車62は操作ケーブルW1の移動量に従
い制御部3を介して回動するが、従動歯車62が軸体41に
対して回動可能であるため、軸体41は従動歯車62の回動
量とは無関係に回動する。
なお、軸体41、軸孔411、窓部412、作動レバー42,水
平板(フレーム)611、従動歯車62、係止溝(従動歯車6
2の)621、係止板622、ピンホルダ63、係止ピン632、圧
縮コイルばね633、受動レバー64、係止溝(受動レバー6
4の)641はこの発明の「切り換え手段」を構成する。
〔発明の効果〕
この発明に係る船舶推進機の操縦装置は上記のように
構成されているため、 前記電動用操作子と前記手動用操作子との何れの操作
子によっても船舶推進機を操作することができる。
よって、この発明の船舶推進機の操縦装置を使用すれ
ば、ワイヤーケーブル(従来用いていたもの)を部分的
に用いるに過ぎないため、操作荷重が軽くなるとともに
従来生じたケーブルの屈曲又はケーブル長の影響による
誤動作の発生も減少するとともに、前記電動用操作子と
前記手動用操作子との何れかを選択することなしに船舶
推進機を操作することができるため、船舶の操縦を簡易
に行うことができる。
又、前記切り換え手段を設け、この切り換え手段を上
記のように構成すれば、前記係止板を前記軸体から外す
ことよって前記係止ピンが前記圧縮コイルばねの弾性に
よって前記従動歯車の係止溝から抜け出し前記作動レバ
ーの係止溝に嵌挿する結果、前記電動用操作子に問題が
起きたとき、前記係止板を前記軸体から外すのみですば
やく電動式から機械式に変更することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の船舶推進機の操縦装置の実施例を示し
たものであり、 第1図は断面図、 第2図は操縦装置のブロック図、 第3図はアクチュエータの正面図、 第4図は第3図におけるIV−IV線拡大断面図、 第5図は第4図におけるV−V線断面図、 第6図は係止板を解除した場合の第4図に相当する図で
ある。 A……アクチュエータ P……推進装置(船舶推進機) 1……メイン操作子(手動用操作子) 2……サブ操作子(電動用操作子) 41……軸体(切り換え手段) 411……軸孔(切り換え手段) 412……窓部(切り換え手段) 42……作動レバー(切り換え手段) 611……水平板(フレーム)(切り換え手段) 62……従動歯車(切り換え手段) 621……係止溝(従動歯車62の)(切り換え手段) 622……係止板(切り換え手段) 63……ピンホルダ(切り換え手段) 632……係止ピン(切り換え手段) 633……圧縮コイルばね(切り換え手段) 64……受動レバー(切り換え手段) 641……係止溝(受動レバー64の)(切り換え手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 21/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船舶推進機の被駆動部と、この被駆動部を
    作動させるアクチュエータと、前記アクチュエータを電
    気信号によって制御する少なくとも一つの電動用操作子
    と、前記アクチュエータを手動によって制御する少なく
    とも一つの手動用操作子とを備え、 前記電動用操作子と前記手動用操作子とのうち一方を操
    作することによって、前記アクチュエータを作動せしめ
    ることを特徴とする船舶推進機の操縦装置。
  2. 【請求項2】切り換え手段を設け、この切り換え手段を
    操作することにより前記手動用操作子によって機械的に
    前記船舶推進機の被駆動部を操作可能とした特許請求の
    範囲第1項記載の船舶推進機の操縦装置において、 前記切り換え手段は、前記アクチュエータのフレームに
    回動可能に設けられた軸体と、この軸体に嵌着され前記
    被駆動部を操作する作動レバーと、前記軸体に回転可能
    に嵌められ前記手動操作子によって揺動する受動レバー
    と、この受動レバーに形成された係止溝と、前記軸体に
    回転可能に嵌られ前記手動操作子によって前記電気信号
    によって回動し前記作動レバーを揺動させる従動歯車
    と、この従動歯車に形成された係止溝と、前記軸体の先
    端面に形成された軸孔と、前記フレームを貫通しこの軸
    孔に進退可能に嵌挿されたピンホルダと、前記軸体の側
    面に形成された窓部と、この窓部に貫通され前記ピンホ
    ルダの先端面が当接しているとともにその両端部が前記
    従動歯車の係止溝に嵌挿している係止ピンと、この係止
    ピンを前記作動レバーの係止溝方向に付勢している圧縮
    コイルばねと、前記ピンホルダにおける前記フレームか
    ら突出した部分に着脱可能に嵌着し、前記圧縮コイルば
    ねの弾性力に抗して前記係止ピンにおける前記従動歯車
    の係止溝に嵌挿した状態を維持している係止板とからな
    ることを特徴とする船舶推進機の操縦装置。
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