JP2984355B2 - ポリマー組成物の製造方法 - Google Patents

ポリマー組成物の製造方法

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JP2984355B2 JP2304730A JP30473090A JP2984355B2 JP 2984355 B2 JP2984355 B2 JP 2984355B2 JP 2304730 A JP2304730 A JP 2304730A JP 30473090 A JP30473090 A JP 30473090A JP 2984355 B2 JP2984355 B2 JP 2984355B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、2種以上のポリマーからなる組成物に関
し、さらに詳しくは各原料ポリマーよりも物理的性質が
改良されたポリマー組成物を製造し得るポリマー組成物
の製造方法に関する。
発明の技術的背景 近年、2種以上の重合体を混合して、それらの重合体
が本来有する長所を兼ね備えた組成物を製造する試みが
広く行われている。
しかしながら、2種以上の重合体を単に混合すること
によって得られる組成物では、重合体同士が充分に混合
されず、相溶していない場合が多く、このような組成物
では、バランスの良い組成物は得られない傾向にある。
本願出願人は、先に、特願平2−56006号において、
特定の環状オレフィン共重合体と、二重結合を有するゴ
ム状物質との均一溶液中に、カチオン重合開始剤を添加
して反応させることによって、剛性と耐衝撃性とのバラ
ンスに優れ、かつ均一に混合された組成物が得られるこ
とを開示した。そして、本発明者はこの知見を基に、さ
らに各種の異なるポリマーを組み合わせて得られる組成
物を研究した結果、以下のような知見を得た。すなわ
ち、一方のポリマーとして結晶性ポリマーなどを用いる
場合には、該ポリマーが溶媒に溶解するような高温下に
おいては、反応が十分に進行せず、所望するバランスの
良い物性を有する組成物が必ずしも得られるとは限らな
い。
本発明者は、上記のような知見を基にさらに鋭意研究
の結果、高温下においても、物性のバランスに優れたポ
リマー組成物を製造し得る方法を見出したので、以下に
詳細に説明する。
発明の目的 本発明に係るポリマー組成物の製造方法は、2種以上
の重合体から物理的特性の優れたポリマー組成物を製造
し得る方法を提供することを目的としており、より特定
的には、物性のバランスに優れたポリマー組成物を、高
温下でも製造することを可能にするポリマー組成物の製
造方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るポリマー組成物の製造方法は、 [A](i)非共役ジエンまたは(ii)芳香族ビニル化
合物と (iii)α−オレフィンとの共重合体と、 [B]ポリオレフィンとを、 カチオン重合開始剤の存在下に接触させてポリマー組
成物を製造する方法であり、 該カチオン重合開始剤が、 (a) ハロゲン含有金属化合物と、 (b) 2個以上の塩素を含有する炭化水素化合物と
からなり、該接触を、100℃以上の温度で行うことを特
徴としている。
発明の具体的説明 以下に、本発明に係るポリマー組成物の製造方法につ
いて説明する。
本発明に係るポリマー組成物の製造方法では、 [A](i)非共役ジエンまたは(ii)芳香族ビニル化
合物と、(iii)α−オレフィンとの共重合体と、 [B]ポリオレフィンとを、特定のカチオン重合開始剤
の存在下に接触させてポリマー組成物を製造する。
まず、このようなポリマー[A]について、 [A1](i)非共役ジエンから誘導される構成単位を含
有するポリマー、 [A2](ii)芳香族ビニル化合物から誘導される構成単
位を含有するポリマー として以下に説明する。
このようなポリマー[A1]において用いられる(i)
非共役ジエンとしては、以下のような化合物を挙げるこ
とができる。
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、4−メチル
−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、5−エチル−1,4
−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、4
−メチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘキ
サジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、6−メチ
ル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエ
ン、6−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5
−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5
−エチル−1,5−ヘプタジエン、6−エチル−1,5−ヘプ
タジエン、6−メチル−1,4−オクタジエン、7−メチ
ル−1,4−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエ
ン、7−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6
−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6
−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オク
タジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル
−1,4−ノナジエン、7−エチル−1,4−ノナジエン、8
−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジ
エン、6−メチル−1,5−ノナジエン、7−エチル−1,5
−ノナジエン、8−エチル−1,5−ノナジエン、6−メ
チル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエ
ン、7−エチル−1,6−ノナジエン、8−エチル−1,6−
ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチ
ル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、
8−エチル−1,7−ノナジエン、4−メチル−1,4−デカ
ジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、8−エチル−
1,4−デカジエン、8−エチル−1,4−デカジエン、5−
メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエ
ン、8−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−
デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、8−エチ
ル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、
8−メチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカ
ジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−
1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−
エチル−1,8−デカジエン、などの鎖状非共役ジエン シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチル
テトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン
−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノル
ボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2
−ノルボルネン、4.9,5.8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,
9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデンなどの環状非
共役ジエン、 2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−
エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネ
ン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエンなどを例
示することができる。
これらのうち、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエ
ン、7−メチル−1,6−オクタジエンおよび環状非共役
ジエン、とりわけジシクロペンタジエン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネンが好ましく用いら
れる。
本発明で用いられるポリマー[A1]は、上記のような
(i)非共役ジエンと、以下のような(iii)α−オレ
フィンとの共重合体である。
このような(iii)オレフィンとしては、炭素数2〜2
0のα−オレフィンあるいは環状オレフィンを挙げるこ
とができる。
炭素数2〜20のα−オレフィンとしては、具体的に
は、 エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウン
デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサ
デセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシ
クロヘキセン、あるいはこれらの混合物を挙げることが
できる。
ポリマー[A1]は、上記のような(i)非共役ジエン
とα−オレフィンとを、従来公知の重合方法によって共
重合体させることによって得られる。
このようなポリマー[A1]について、以下に例示す
る。
1種のα−オレフィンから誘導される構成単位を含有
するポリマー[A1]としては、 エチレン・ジエン共重合体、プロピレン・ジエン共重
合体、1−ブテン・ジエン共重合体、1−ペンテン・ジ
エン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・ジエン共重
合体、1−ヘキサン・ジエン共重合体、1−オクテン・
ジエン共重合体、1−デセン・ジエン共重合体、1−ド
デセン・ジエン共重合体、1−エイコセン・ジエン共重
合体などを挙げることができる。
2種のα−オレフィンから誘導される構成単位を含有
するポリマー[A1]としては、 エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・
1−ブテン・ジエン共重合体、エチレン・1−ペンテン
・ジエン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテ
ン・ジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・ジエン
共重合体、エチレン・1−デセン・ジエン共重合体、エ
チレン・1−エイコセン・ジエン共重合体、プロピレン
・1−ブテン・ジエン共重合体、プロピレン・1−ペン
テン・ジエン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−
ペンテン・ジエン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン
・ジエン共重合体、プロピレン・1−デセン・ジエン共
重合体、プロピレン・3−メチル−1−ブテン・ジエン
共重合体、プロピレン・ビニルシクロヘキセン・ジエン
共重合体、1−ブテン・1−ペンテン・ジエン共重合
体、1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン・ジエン共
重合体、1−ブテン・1−ヘキセン・ジエン共重合体、
1−ブテン・1−デセン・ジエン共重合体、1−ブテン
・1−エイコセン・ジエン共重合体、4−メチル−1−
ペンテン・1−ペンテン・ジエン共重合体、4−メチル
−1−ペンテン・1−ヘキセン・ジエン共重合体、4−
メチル−1−ペンテン・1−デセン・ジエン共重合体、
4−メチル−1−ペンテン・1−エイコセン・ジエン共
重合体などを挙げることができる。
さらに、エチレン・プロピレン・1−ブテン・ジエン
共重合体、プロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−
ペンテン・ジエン共重合体などの三種以上のα−オレフ
ィンを含有する共重合体を挙げることができる。
(iii)オレフィンが環状オレフィンである場合、下
記一般式[I]または[II]で表される環状オレフィン
を用いることができる。なお、このような環状オレフィ
ンは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
であり、qは0または1であり、 R1〜R18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
れる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
ていてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有し
ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい)。
(式[II]中、rは0または1以上の整数であり、sお
よびtは、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ
独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基、およびアルコキシ基よりなる群から選
ばれる原子もしくは基を表し、R5(またはR6)とR9(ま
たはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結
合していてもよく、また何の基も介さずに直接結合して
いてもよい。) ただし、上記式[I]において、nは0または1であ
り、好ましくは0である。また、mは0または正の整数
であり、好ましくは0〜3である。そして、qは0また
は1である。
また上記式[II]において、rは0または1以上の整
数であり、好ましくは0〜3の整数である。
そして、R1〜R18ならびにRaおよびRb(式[I])、
またはR1〜R15(式[II])は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選
ばれる原子もしくは基を表す。ここで、ハロゲン原子と
しては、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子お
よびヨウ素原子をあげることができる。また、炭化水素
基としては、それぞれ独立に、通常は炭素原子数1〜6
のアルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を
あげることができ、アルキル基の具体的な例としては、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、
アミル基をあげることができ、シクロアルキル基の具体
的な例としては、シクロヘキシル基、シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基をあげることが
できる。
また上記式[II]において、R5(またはR6)とR9(ま
たはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結
合していてもよく、また何の基も介さずに直接結合して
いてもよい。
なお、上記式[I]において、qが0の場合は、qを
用いて表される環は五員環を形成する。
さらに、上記式[I]において、R15〜R18は互いに結
合して(共同して)単環または多環を形成していてもよ
く、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよ
い。このような単環または多環としては、以下に挙げる
単環または多環を例示することができる。さらに、これ
らの環は、メチル基などの置換基を有していてもよい。
なお、上記式において、1および2を付して示した炭
素原子は、式[I]においてR15〜R18で表される基が結
合している脂環構造の炭素原子を表す。
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基
は、通常は炭素原子数2〜4のアルキリデン基をあげる
ことができ、その具体的な例としては、エチリデン基、
プロピリデン基、イソプロピリデン基およびイソブチリ
デン基をあげることができる。
前記式[I]または[II]で表される環状オレフィン
は、シクロペンタジエン類と、相応するオレフィン類あ
るいは環状オレフィン類とをディールス・アルダー反応
により縮合させることにより容易に製造することができ
る。
前記式[I]または[II]で表される環状オレフィン
としては、具体的には、たとえば、 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、 テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘
導体、 ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4
−ヘプタデセン誘導体、 オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.
03,8.012,17]−5−ドコセン誘導体、 ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキ
サデセン誘導体、 ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.
012,16]−5−エイコセン誘導体、 ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.
012,17]−5−ヘンエイコセン誘導体、 トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体、 トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体、 ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、 ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペン
タデセン誘導体、 ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.0
11,16]−4−エイコセン誘導体、 ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.
02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセン誘導体、 ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキ
サデセン誘導体、 ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.0
12,17]−5−ヘンエイコセン誘導体、 ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.0
4,9.013,22.015,20]−5−ヘキサコセン誘導体、 5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、 5−メチル−5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、 5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、 5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、 5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、 5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、 1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、 1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアント
ラセン、 シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、 5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、 5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エンなどを挙げることができる。
以下にこのような化合物のさらに具体的な例を示す。
などのようなビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導
体; などのテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン誘導体; などのヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14
−4−ヘプタデセン誘導体; などのオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,1813,16.
03,8.012,17]−5−ドコセン誘導体; などのペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−
ヘキサデセン誘導体; などのヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体あるいはヘ
プタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体; などのトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体; などのトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導
体; などのペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−
ペンタデセン誘導体; などのジエン化合物; などのペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−
ペンタデセン誘導体; などのヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.
011,16]−4−エイコセン誘導体; などのノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.0
2,10.012,21.14,19]−5−ペンタコセン誘導体; などのペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−
ヘキサデセン誘導体; などのヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]−5−ヘンエイコセン誘導体; などのノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.
02,11.04,9.013,22.015,20]−5−ヘキサコセン誘導
体; そしてさらには、 を挙げることができる。
このような環状オレフィンと、(i)非共役ジエンと
の共重合体は、従来公知の重合方法によって製造するこ
とができる。この共重合体は、エチレンから誘導される
構成単位を含有していてもよい。
上記のようなポリマー[A1]は、ランダム共重合体で
あってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
本発明で用いられるポリマー[A1]において、少なく
とも1種含有される(i)非共役ジエンから誘導される
構成単位は、0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜7モル
%であることが望ましい。また、該ポリマー[A1]は、
ヨウ素価(g−ヨウ素/100g共重合体)が、0.1〜50、好
ましくは0.5〜40であることであることが望ましい。
次に、[A2](ii)芳香族ビニル化合物から誘導され
る構成単位を含有するポリマーについて説明する。
このような(ii)芳香族ビニル化合物としては、具体
的に、スチレンおよび置換スチレン、ビニルナフタレン
化合物を挙げることができる。
置換スチレンとしては、たとえば、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−ク
ロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレ
ン、o−ブロムスチレン、m−ブロムスチレン、p−ブ
ロムスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレ
ン、p−エチルスチレンなどが挙げられる。
また、ビニルナフタレン化合物としては、たとえば、
1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1−ビ
ニル−4−メチルナフタレンなどが挙げられる。
これらのうち、スチレン、メチルスチレンが好ましく
用いられる。これらの芳香族ビニル化合物は、単独で、
あるいは組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるポリマー[A2]は、上記のような
(ii)芳香族ビニル化合物と、前述した炭素数2〜20の
α−オレフィンとの共重合体である。
このようなポリマー[A2]は、従来公知の重合方法に
よって、(ii)芳香族ビニル化合物と、α−オレフィン
とを共重合させることによって得られる。
このようなポリマー[A2]の具体的な例を以下に示
す。
1種のα−オレフィンから誘導される構成単位を含有
するポリマー[A2]として、 エチレン・芳香族ビニル化合物共重合体、プロピレン
・芳香族ビニル化合物共重合体、1−ブテン・芳香族ビ
ニル化合物共重合体、1−ペンテン・芳香族ビニル化合
物共重合体、4−メチル−1−ペンテン・芳香族ビニル
化合物共重合体、1−エイコセン・芳香族ビニル化合物
共重合体などを挙げることができる。
2種のα−オレフィンから誘導される構成単位を含有
するポリマー[A2]として、 エチレン・プロピレン・芳香族ビニル化合物共重合
体、エチレン・1−ブテン・芳香族ビニル化合物共重合
体、エチレン・1−ペンテン・芳香族ビニル化合物共重
合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン・芳香族ビ
ニル化合物共重合体、・芳香族ビニル化合物共重合体、
エチレン・1−ヘキセン・芳香族ビニル化合物共重合
体、エチレン・1−デセン・芳香族ビニル化合物共重合
体、エチレン・1−エイコセン・芳香族ビニル化合物共
重合体、プロピレン・1−ブテン・芳香族ビニル化合物
共重合体、プロピレン・1−ペンテン・芳香族ビニル化
合物共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン
・芳香族ビニル化合物共重合体、・芳香族ビニル化合物
共重合体、プロピレン・1−ヘキセン・芳香族ビニル化
合物共重合体、プロピレン・1−デセン・芳香族ビニル
化合物共重合体、プロピレン・3−メチル−1−ブテン
・芳香族ビニル化合物共重合体、プロピレン・ビニルシ
クロヘキセン・芳香族ビニル化合物共重合体、1−ブテ
ン・1−ペンテン・芳香族ビニル化合物共重合体、1−
ブテン・4−メチル−1−ペンテン・芳香族ビニル化合
物共重合体、・芳香族ビニル化合物共重合体、1−ブテ
ン・1−ヘキセン・芳香族ビニル化合物共重合体、1−
ブテン・1−デセン・芳香族ビニル化合物共重合体、1
−ブテン・1−エイコセン・芳香族ビニル化合物共重合
体、4−メチル−1−ペンテン・1−ペンテン・芳香族
ビニル化合物共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1
−ヘキセン・芳香族ビニル化合物共重合体、4−メチル
−1−ペンテン・1−デセン・芳香族ビニル化合物共重
合体、4−メチル−1−ペンテン・1−エイコセン・芳
香族ビニル化合物共重合体などを挙げることができる。
3種のα−オレフィンから誘導される構成単位を含有
するポリマー[A2]として、 エチレン・プロピレン・1−ブテン・芳香族ビニル化
合物共重合体、プロピレン・1−ブテン・4−メチル−
1−ペンテン・芳香族ビニル化合物共重合体などを挙げ
ることができる。
これらの共重合体は、ランダム共重合体であってもよ
いし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記に
は3種までのα−オレフィンから誘導される構成単位を
含有するポリマー[A2]について例示したが、このα−
オレフィンは4種以上含有していてもよいことはいうま
でもない。
このようなポリマー[A2]において、少なくとも1種
含有される(ii)芳香族ビニル化合物から誘導される構
成単位は、0.1〜20モル%、好ましくは0.2〜10モル%で
あることが望ましい。
上記のような非共役ジエンから誘導される構成単位を
含有するポリマー[A1]または、芳香族ビニル化合物を
含有する結晶性ポリオレフィン[A2]から選ばれるポリ
マー[A]は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.1〜10d/g、好ましくは1〜7d/gであるこ
とが望ましい。
次に、本発明で用いられるポリオレフィン[B]につ
いて説明する。
このようなポリオレフィン[B]としては、たとえ
ば、前述した炭素数2〜20のα−オレフィン、あるいは
環状オレフィンなどの(iii)オレフィンを、単独でま
たは組み合わせて重合または共重合して得られるポリオ
レフィンであってよい。
たとえば、α−オレフィンから誘導される構成単位を
含有するポリオレフィン[B]を例示する。
α−オレフィン単独重合体として、 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポ
リ1−ペンテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ
1−エイコセンなどを挙げることができる。
α−オレフィン二元系共重合体としては、 エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテ
ン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレ
ン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、共重合体、エ
チレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−デセン
共重合体、エチレン・1−エイコセン共重合体、プロピ
レン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ペンテン
共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重
合体、共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、
プロピレン・1−デセン共重合体、プロピレン・3−メ
チル−1−ブテン共重合体、プロピレン・ビニルシクロ
ヘキセン共重合体、1−ブテン・1−ペンテン共重合
体、1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、
共重合体、1−ブテン・1−ヘキセン共重合体、1−ブ
テン・1−デセン共重合体、1−ブテン・1−エイコセ
ン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−ペンテン
共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−ヘキセン共
重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合
体、4−メチル−1−ペンテン・1−エイコセン共重合
体などを挙げることができる。
α−オレフィン三元系以上共重合体としては、 エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピ
レン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体
などを挙げることができる。
これらの共重合体は、ランダム共重合体であってもよ
いし、ブロック共重合体であってもよい。
α−オレフィン系ポリオレフィンを製造するに際して
は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記α−オレフ
ィンの外に、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量
体を用いてもよい。任意に共重合されていてもい該不飽
和単量体としては、たとえば前述した非共役ジエン、芳
香族ビニル化合物、環状オレフィンを挙げることができ
る。このような非共役ジエン、芳香族ビニル化合物、環
状オレフィンは単独で、あるいは組み合わせて用いるこ
とができる。
本発明で用いられるポリオレフィン[B]において、
環状オレフィンから誘導される構成単位を含有するポリ
オレフィンは、エチレンと、前述した一般式[I]また
は[II]で示される環状オレフィンを単独で、または組
み合わせて、(共)重合することによって得られる。
環状オレフィン系ポリオレフィンを製造するに際して
は、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレン、環状
オレフィンの外に、必要に応じて他の共重合可能な不飽
和単量体を用いてもよい。任意に共重合されていてもい
該不飽和単量体としては、たとえば前述した炭素数が3
〜20のα−オレフィン、非共役ジエン、芳香族ビニル化
合物を挙げることができる。このようなα−オレフィ
ン、非共役ジエン、芳香族ビニル化合物は単独で、ある
いは組み合わせて用いることができる。
このような任意に用いられる不飽和単量体から誘導さ
れる構成単位は、生成されるポリオレフィン[B]中の
エチレンから構成される単位と等モル未満であることが
好ましい。
環状オレフィン系ポリオレフィンは、たとえば、エチ
レンと環状オレフィンとを、炭化水素媒体中、炭化水素
可溶性バナジウム化合物およびハロゲン含有有機アルミ
ニウム化合物とから形成される触媒の存在下で重合させ
ることにより製造することができる。このような重合方
法自体はすでに公知であり、特開昭60−168708号公報、
特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特
開昭61−115916号公報、特願昭61−95905号公報、特願
昭61−95906号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭6
1−272216号公報などにおいて本出願人が提案した方法
に従い適宜条件を選択することにより、製造することが
できる。
このような環状オレフィン系ポリオレフィン中におい
て、前記式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンから導かれる構成単位は下記式[III]または[IV]
で表される構造の繰り返し単位を形成していると考えら
れる。
(式[III]中、m、n、qおよびR1〜R18ならびに
Ra、Rbは前記式[I]における定義と同様である。) (式[IV]中、r、s、tおよびR1〜R15は前記式[I
I]における定義と同様である。) 本発明で用いられる環状オレフィン系ポリオレフィン
において、エチレンから導かれる構成単位は、通常、40
〜85モル%、好ましくは50〜75モル%であり、また(i
i)環状オレフィンから導かれる構成単位は通常、60〜1
5モル%、好ましくは50〜25モル%であることが望まし
い。
環状オレフィン系ポリオレフィン[B]は、ヨウ素価
(g−ヨウ素/100g共重合体)が0.5〜50、好ましくは1
〜40であることが望ましく、このため、非共役ジエンか
ら誘導される構成単位が含有されていることが好まし
い。
上記のような環状オレフィン系ポリオレフィン[B]
中、任意にされていてもよい構成単位は、非共役ジエン
の場合、0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜7モル%、
芳香族ビニル化合物の場合、0.1〜20モル%、好ましく
は0.2〜10モル%であることが望ましい。
さらに本発明においては、ポリオレフィン[B]とし
て、環状オレフィン系開環重合体を用いることもでき
る。
このような環状オレフィン系開環重合体としては、上
記環状オレフィン系ポリオレフィンにおいても前述した
一般式[I]または[II]で表される同種または異種の
環状オレフィン単量体を開環重合して得られる環状オレ
フィン開環重合体、開環共重合体またはそれらの水素添
加物を用いることができる。このような環状オレフィン
開環重合体、開環共重合体およびこれらの水素添加物に
ついて、前記式[I]で表される環状オレフィンを例に
して説明すると、以下に記載するように反応して開環
(共)重合体およびこれらの水素添加物を構成している
と考えられる。
具体的にはたとえば、テトラシクロオデセンとノルボ
ルネン及びそれらの誘導体との開環共重合体、及びその
水素添加物を挙げることができる。
環状オレフィン系開環重合体を製造させるに際して
は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記のような環
状オレフィン[I]、[II]の外に、必要に応じて他の
共重合可能な不飽和単量体成分を用いてもよい。任意に
共重合されてもよい不飽和単量体としては、たとえば下
記一般式[V]で表される環状オレフィンを挙げること
ができる。
(式中、Rx〜Ryは、水素、炭化水素基またはハロゲンで
あって、それぞれ同一または異なっていてもよい。mは
4以上の整数であって、Rx〜Ryが複数回繰り返される場
合には、これらはそれぞれ同一または異なっていてもよ
い。) 前記一般式[V]で表される環状オレフィンとして
は、たとえば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロ
ヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノ
ネン、シクロデセン、メチルシクロペンテン、メチルシ
クロヘプテン、メチルシクロオクテン、メチルシクロノ
ネン、メチルシクロデセン、エチルシクロペンテン、エ
チルシクロヘプテン、エチルシクロオクテン、3,4−ジ
メチルシクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、2
−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、トリメ
チルシクロデセン、2,3,3a,7a−テトラヒドロ−4,7−メ
タノ−1H−インデン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−
メタノ−1H−インデンなどをあげることができる。この
ような他の環状オレフィンは単独で、あるいは組み合わ
せて使用することができ、通常、0〜50モル%の量で用
いられる。
環状オレフィン系開環重合体を製造するには、前記一
般式[I]または[II]で表される環状オレフィン、さ
らに必要に応じて上記一般式[V]で表される環状オレ
フィンを用いて、通常の開環重合法によって開環重合さ
せることができる。この際、重合用触媒としては、たと
えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金、モリブテン、タングステンなどのハ
ロゲン化物、硝酸塩もしくはアセチルアセトン化合物と
有機スズ化合物、アルコールなどの還元剤からなる系、
またはチタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステ
ン、モリブテンなどのハロゲン化物もしくはアセチルア
セトン化合物と有機アルミニウムとからなる系などを用
いることができる。
生成する開環重合体の分子量は、開環重合時にオレフ
ィンなどを添加して調節することができる。
上記により得られる開環重合体を水素添加する場合、
通常の水素添加法に従って行なうことができる。このよ
うな水素添加触媒としては、通常オレフィン化合物を水
素添加する際に使用されているものを使用することがで
きる。具体的には、不均一系触媒として、ニッケル、パ
ラジウム、白金など、またはこれらの金属をカーボン、
シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタンなどに担持
させた固体状触媒などを挙げることができる。より具体
的には、たとえば、ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイ
ソウ土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、
パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナなどが
挙げられる。
また、均一系触媒としては、周期律表第VIII族の金属
たとえばNi、Co含有化合物と、周期律表第I〜III族の
有機金属化合物とからなるもの、具体的には、ナフテン
酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバ
ルト/n−ブチルリリウム、ニッケルアセチルアセトネー
ト/トリエチルアルミニウムなど、あるいはRh化合物な
どが挙げられる。
開環重合体の水素添加は、触媒の種類に応じて、1〜
150気圧の水素圧下に、0〜180℃、好ましくは20〜100
℃の温度において行われる。水素添加率は、水素圧、反
応温度、反応時間、触媒濃度などにより調節できる。
このようにして得られる環状オレフィン系開環重合体
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通
常、0.05〜10d/g、好ましくは0.08〜5d/gである。
軟化温度(TMA)は、70℃以上好ましくは90〜200℃であ
る。さらにヨウ素価は、0.1〜50、好ましくは0.5〜40で
あることが好ましい。
なお、本発明においては上記のような環状オレフィン
系ポリオレフィンの一部が無水マレイン酸などの不飽和
カルボン酸等で変性されていてもよい。このような変性
物は、上記のような環状オレフィン系ポリオレフィン
と、不飽和カルボン酸、これらの無水物、および不飽和
カルボン酸のアルキルエステル等の誘導体とを反応させ
ることにより製造することができる。なお、この場合の
環状オレフィン系ポリオレフィンの変性物中における変
性剤から導かれる構成単位の含有率は、通常は0.5〜10
モル%である。
このような環状オレフィン系ポリオレフィン変性物
は、所望の変性率になるように環状オレフィン系ポリオ
レフィンに変性剤を配合してグラフト重合させて製造す
ることもできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次
いでこの変性物と未変性の環状オレフィン系ポリオレフ
ィンとを混合することによっても製造することができ
る。
次に、本発明に係るポリマー組成物の製造方法につい
て説明する。
本発明では、上記のような(i)非共役ジエンまたは
芳香族ビニル化合物から誘導される構成単位を少なくと
も1種含有するポリマー[A]と、ポリオレフィン
[B]とを、カチオン重合開始剤の存在下に接触させて
ポリマー組成物を製造する。
このようなカチオン重合開始剤は、 (a) ハロゲン含有金属化合物、 (b) 2個以上の塩素を含有する炭化水素化合物とか
らなる。
このような(a)ハロゲン含有金属化合物としては、
Be、Mg、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、Ti、Zr、Sn、P、S
b、Nb、Bi、Ta、U、Re、Feなどのハロゲン化物が挙げ
られ、これらの中では特にB、Al、Ti、Sn、Feのハロゲ
ン化物が好ましい。
具体的には、三フッ化ホウ素(BF3)、三フッ化ホウ
素・ジエチルエーテル錯体(BF3O(C2H5)、三フッ
化ホウ素・フェノール錯体(BF3O・HOC6H5)、 一般式 RnAlX3-nで表される有機アルミニウム化合物
(Xは塩素、臭素、ヨウ素、フッ素のいずれかであり、
nは0≦n<3を満足する値、Rはアルキル基を示
す)、 四塩化チタン(TiCl4)、四塩化スズ(SnCl4)、三塩
化鉄(FeCl3)などが挙げられる。
上記B、Al、Ti、Sn、Feのハロゲン化物のうちでも、
特にAlのハロゲン含有金属化合物が好ましく、前記式
RnAlX3-nで表される有機アルミニウム化合物が特に好ま
しし。
具体的には、三塩化アルミニウム、エチルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メ
チルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムセス
キクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、プロピ
ルアルミニウムセスキクロリド、イソブチルアルミニウ
ムジクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ヘキシルアルミニウムジクロリド、ヘキシルアルミ
ニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジブロミ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどが挙げられ
る。有機アルミニウム塩化物が好ましく用いられるが、
得られる組成物が、RnAlX3-nで表される限り、他の有機
アルミニウム化合物と混合して用いてもよい。
また、本発明において(b)2個以上の塩素を含有す
る炭化水素化合物としては、以下に例示するような化合
物を挙げることができる。
脂肪族のジクロロ化合物として、1,2−ジクロロプロ
パン、1,3−ジクロロプロパン、2,2−ジクロロプロパ
ン、1,2−ジクロロ−2−メチルプロパン、1,3−ジクロ
ロ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−2,2−ジメチ
ルプロパン、1,3−ジクロロ−2,2−ジメチルプロパン、
1,3−ジクロロプロペン、2,3−ジクロロプロペン、1,3
−ジクロロ−2−メチルプロペン、1,2−ジクロロブタ
ン、1,3−ジクロロブタン、1,4−ジクロロブタン、1,2
−ジクロロ−2−メチルブタン、2,2−ジクロロブタ
ン、2,3−ジクロロブタン、2,3−ジクロロ−2−メチル
ブタン、2,3−ジクロロ−2,3−ジメチルブタン、1,2−
ジクロロブテン、1,3−ジクロロ−2−ブテン、1,4−ジ
クロロ−2−ブテン、1,2−ジクロロペンタン、1,3−ジ
クロロペンタン、1,4−ジクロロペンタン、1,5−ジクロ
ロペンタン、2,2−ジクロロペンタン、2,3−ジクロロペ
ンタン、2,4−ジクロロペンタン、3,3−ジクロロペンタ
ン、2,3−ジクロロ−2−メチルペンタン、2,3−ジクロ
ロ−2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジクロロ−2−メチ
ルペンタン、2,4−ジクロロ−2,4−ジメチルペンタン、
3,3−ジクロロペンタン、1,2−ジクロロヘキサン、1,3
−ジクロロヘキサン、1,4−ジクロロヘキサン、1,5−ジ
クロロヘキサン、2,2−ジクロロヘキサン、2,3−ジクロ
ロヘキサン、2,4−ジクロロヘキサン、2,5−ジクロロヘ
キサン、3,3−ジクロロヘキサン、3,4−ジクロロヘキサ
ン、4,4−ジクロロヘキサン、2,3−ジクロロ−2−メチ
ルヘキサン、2,4−ジクロロ−2−メチルヘキサン、2,5
−ジクロロ−2−メチルヘキサン、3,4−ジクロロ−3
−メチルヘキサン、2,3−ジクロロ−2,3−ジメチルヘキ
サン、2,4−ジクロロ−2,4−ジメチルヘキサン、2,5−
ジクロロ−2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジクロロ−3,
4−ジメチルヘキサン、1,2−ジクロロオクタン、1,3−
ジクロロオクタン、1,4−ジクロロオクタン、1,5−ジク
ロロオクタン、1,6−ジクロロオクタン、1,7−ジクロロ
オクタン、1,8−ジクロロオクタン、1,2−ジクロロ−2
−メチルオクタン、1,3−ジクロロ−3−メチルオクタ
ン、1,4−ジクロロ−4−メチルオクタン、1,5−ジクロ
ロ−5−メチルオクタン、1,6−ジクロロ−6−メチル
オクタン、1,7−ジクロロ−7−メチルオクタン、2,2−
ジクロロオクタン、2,3−ジクロロオクタン、2,4−ジク
ロロオクタン、2,5−ジクロロオクタン、2,6−ジクロロ
オクタン、2,7−ジクロロオクタン、3,3−ジクロロオク
タン、3,4−ジクロロオクタン、3,5−ジクロロオクタ
ン、3,6−ジクロロオクタン、4,4−ジクロロオクタン、
4,5−ジクロロオクタン、2,3−ジクロロ−2−メチルオ
クタン、2,4−ジクロロ−2−メチルオクタン、2,5−ジ
クロロ−2−メチルオクタン、2,6−ジクロロ−2−メ
チルオクタン、2,7−ジクロロ−2−メチルオクタン、
3,4−ジクロロ−3−メチルオクタン、3,5−ジクロロ−
3−メチルオクタン、3,6−ジクロロ−3−メチルオク
タン、4,5−ジクロロ−4−メチルオクタン、2,3−ジク
ロロ−2,3−ジメチルオクタン、2,4−ジクロロ−2,4−
ジメチルオクタン、2,5−ジクロロ−2,5−ジメチルオク
タン、2,6−ジクロロ−2,6−ジメチルオクタン、2,7−
ジクロロ−2,7−ジメチルオクタン、3,4−ジクロロ−3,
4−ジメチルオクタン、3,5−ジクロロ−3,5−ジメチル
オクタン、3,6−ジクロロ−3,6−ジメチルオクタン、4,
5−ジクロロ−4,5−ジメチルオクタン、1,2−ジクロロ
デカン、1,3−ジクロロデカン、1,4−ジクロロデカン、
1,5−ジクロロデカン、1,6−ジクロロデカン、1,7−ジ
クロロデカン、1,8−ジクロロデカン、1,9−ジクロロデ
カン、1,10−ジクロロデカン、2,2−ジクロロデカン、
2,3−ジクロロデカン、2,4−ジクロロデカン、2,5−ジ
クロロデカン、2,6−ジクロロデカン、2,7−ジクロロデ
カン、2,8−ジクロロデカン、2,9−ジクロロデカン、3,
3−ジクロロデカン、3,4−ジクロロデカン、3,5−ジク
ロロデカン、3,6−ジクロロデカン、3,7−ジクロロデカ
ン、3,8−ジクロロデカン、4,4−ジクロロデカン、4,5
−ジクロロデカン、4,6−ジクロロデカン、4,7−ジクロ
ロデカン、5,6−ジクロロデカン、1,2−ジクロロ−2−
メチルデカン、1,3−ジクロロ−3−メチルデカン、1,4
−ジクロロ−4−メチルデカン、1,5−ジクロロ−5−
メチルデカン、1,6−ジクロロ−6−メチルデカン、1,7
−ジクロロ−7−メチルデカン、1,8−ジクロロ−8−
メチルデカン、1,9−ジクロロ−9−メチルデカン、2,3
−ジクロロ−2−メチルデカン、2,4−ジクロロ−2−
メチルデカン、2,5−ジクロロ−2−メチルデカン、2,6
−ジクロロ−2−メチルデカン、2,7−ジクロロ−2−
メチルデカン、2,8−ジクロロ−2−メチルデカン、2,9
−ジクロロ−2−メチルデカン、3,4−ジクロロ−3−
メチルデカン、3,5−ジクロロ−3−メチルデカン、3,6
−ジクロロ−3−メチルデカン、3,7−ジクロロ−3−
メチルデカン、3,8−ジクロロ−3−メチルデカン、4,5
−ジクロロ−4−メチルデカン、4,6−ジクロロ−4−
メチルデカン、4,7−ジクロロ−4−メチルデカン、5,6
−ジクロロ−5−メチルデカン、2,3−ジクロロ−2,3−
ジメチルデカン、2,4−ジクロロ−2,4−ジメチルデカ
ン、2,5−ジクロロ−2,5−ジメチルデカン、2,6−ジク
ロロ−2,6−ジメチルデカン、2,7−ジクロロ−2,7−ジ
メチルデカン、2,8−ジクロロ−2,8−ジメチルデカン、
2,9−ジクロロ−2,9−ジメチルデカン、3,4−ジクロロ
−3,4−ジメチルデカン、3,5−ジクロロ−3,5−ジメチ
ルデカン、3,6−ジクロロ−3,6−ジメチルデカン、3,7
−ジクロロ−3,7−ジメチルデカン、3,8−ジクロロ−3,
8−ジメチルデカン、4,5−ジクロロ−4,5−ジメチルデ
カン、4,6−ジクロロ−4,6−ジメチルデカン、4,7−ジ
クロロ−4,7−ジメチルデカン、5,6−ジクロロ−5,6−
ジメチルデカンなどが挙げられる。
脂肪族の環状ジクロロ化合物としては、1,2−ジクロ
ロシクロペンタン、1,3−ジクロロシクロペンタン、1,2
−ジクロロシクロペンテン、3,5−ジクロロシクロペン
テン、1,2−ジクロロシクロヘキサン、1,3−ジクロロシ
クロヘキサン、1,4−ジクロロシクロヘキサン、1,2−ジ
クロロシクロヘキセン、3,6−ジクロロシクロヘキセ
ン、エチレン・α−オレフィン共重合体の塩素化物、例
えば、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−
ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エ
チレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体などの塩素
化物などが挙げられる。
芳香族のジクロロ化合物としては、1,2−ビス(クロ
ロメチル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチル)ベン
ゼン、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼンなどが挙げ
られる。
これらのうち、2個以上の塩素を含有する脂肪族炭化
水素化合物が好ましく用いられる。
本発明で用いられるカチオン重合開始剤は、上記のよ
うな(a)ハロゲン含有金属化合物と、(b)2個以上
の塩素を含有する炭化水素化合物とからなる。該開始剤
中において、(b)2個以上の塩素を含有する炭化水素
化合物は、該(b)中の塩素換算モル比で、(a)ハロ
ゲン含有金属化合物に対して、0.01〜10、好ましくは0.
1〜3の量で存在することが望ましい。
本発明においては、上記のようなカチオン重合開始剤
の存在下に、ポリマー[A]と、ポリオレフィン[B]
とを接触させる。接触方法としては、押出機、ブラベン
ダー、ニーダーなどを用いて加熱溶融混合状態にした
後、カチオン重合開始剤を添加して接触させる方法、溶
媒を用いてポリマー[A]と、ポリオレフィン[B]と
を溶液状態で混合した後、カチオン重合開始剤を添加し
て接触させる方法があり、後者の方が好ましく用いられ
る。
後者の方法によって接触が行われる場合、溶媒として
は、炭素・炭素二重結合のカチオン重合を阻害しないも
のであれば良い。具体的には、ベンゼン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンおよびニト
ロベンゼンなどの芳香族化合物、 n−ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの炭素数5〜18
の飽和脂肪族炭化水素、 シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシク
ロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシク
ロヘキサンおよびメチルエチルシクロヘキサン、デカリ
ンなどの飽和脂環族炭化水素、 さらにこれらのハロゲン化物である塩化メチレン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロ
エタンなどを挙げることができる。
これらの溶媒は、単独で、もしくは組み合わせて用い
ることができる。また、本発明で使用できる溶媒はこれ
らの溶媒に限定されるものではない。
上記各成分を接触させるに際して、用いられる溶媒の
種類によって得られる組成物の物性が変化することがあ
り、たとえば、ハロゲン化物溶媒などの極性溶媒を使用
すると、架橋反応が比較的速進行する傾向にある。
接触に際して、接触温度は、接触を加熱溶融状態で行
う場合には、150℃以上300℃以下が好ましく、溶液状態
で行う場合には、100℃以上200℃以下が望ましい。
本発明では、100℃以上で接触させても、架橋反応が
十分に進行し、数十℃の温度でしか接触反応ができなか
った従来の方法に比べ、飛躍的に優れている。このた
め、溶融状態での混練接触も可能となり、架橋反応の応
用範囲を大きく広げることができる。
カチオン重合開始剤の使用量は、ポリマー[A]、ポ
リオレフィン[B]中の非共役ジエンあるいは芳香族ビ
ニル化合物から誘導される構成単位の含有量、接触温
度、使用する溶媒、接触時間などによって異なるが、通
常ポリマー[A]およびポリオレフィン[B]の合計量
100gに対して、0.01〜300ミリモル、好ましくは0.1〜20
0ミリモルである。
また、接触処理時の圧力は、適宜選択することがで
き、大気圧〜約10Kg/cm2、好ましくは大気圧〜約5Kg/cm
2の条件で行うのが望ましい。
接触終了後、得られる接触物を、まずアルカリ水、メ
タノールなどで洗浄して使用したカチオン重合開始剤を
除去した後、減圧下で乾燥して第1の環状オレフィン系
重合体組成物を得る。得られる第1の組成物の組成比
は、接触に供した各原料共重合体の仕込み量の比と同じ
である。
上記のような接触は、回分式、半連続式、連続式のい
ずれの方法でも行うことができる。
上記のようにして得られるポリマー組成物は、ポリマ
ー[A]と、ポリオレフィン共重合体[B]との単なる
混合物とは異なり、ポリマー[A]中の二重結合同士が
架橋するとともに、架橋したポリマー[A]にポリオレ
フィン[B]中の分子鎖が複雑に絡みあって、立体構造
を有していると推定される。
このような組成物において、ポリマー[A]またはポ
リオレフィン[B]それぞれの有する諸特性を維持した
ままさらにポリマーアロイとしての特性をも有してい
る。
上記のようなポリマー組成物においては、ポリマー
[A]が100重量部に対して、ポリオレフィン[B]が1
0〜900重量部の量で存在していることが好ましい。
上記のようなポリマー組成物には、耐熱安定剤、耐候
安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワッ
クスなどを配合することができる。配合量は適宜選択す
ることができる。このような安定剤として、たとえば、
テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、β−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミドビス
〔エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止
剤、 ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−ヒ
ドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、 グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレ
ート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトー
ルモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレ
ート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価
アルコール脂肪酸エステルなどを例示することができ
る。
これらは単独で用いることもできるし、組み合わせて
用いることもでき、たとえば、テトラキス〔メチレン−
3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタンと、ステアリン酸亜鉛およびグ
リセリンモノステアレートとの組み合わせなどを例示す
ることができる。
さらに、本発明に係るオレフィン系重合体には、本発
明の目的を損なわない範囲で、シリカ、ケイ藻土、アル
ミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バ
ルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩
基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、
チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、
タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガ
ラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニ
ウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊
維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維などの充填剤を配合してもよ
い。
発明の効果 本発明は、特定のポリマー[A]と、ポリオレフィン
とを、特定のカチオン重合開始剤の存在下に接触させて
物理的特性の優れたポリマー組成物を製造する方法であ
り、特に従来よりも高温において製造し得るという特徴
を有している。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各種物性値の測定方法および評価方法を次に示す。
(1) 溶融流れ指数(MFR);260℃において、ASTM−D
785に準拠して測定した。
(2) 引張破断伸び;温度23℃において、ASTM−D638
に準拠して測定した。
(3) 分散状態評価;走査型電子顕微鏡観察により評
価する。
重合例1 〔環状オレフィン系ランダム共重合体の合成〕 攪拌翼を備えた容積2のガラス製重合器を用いて、
連続的にエチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン(構造式: 以下TCD−3と略記する)との共重合反応を、次の方法
により行った。
重合器上部から、TCD−3モノマーを含むシクロヘキ
サン溶液を、重合器内でのTCD−3濃度が60g/となう
ように、また触媒としてVO(OC2H5)Cl2のシクロヘキサ
ン溶液を、重合器内でのバナジウム濃度が0.6ミリモル
/、エチルアルミニウムセスキクロリド〔Al(C2H5
1.5Cl1.5〕のシクロヘキサン溶液を、重合器内でのアル
ミニウム濃度が4.8ミリモル/となるようにそれぞれ
重合器中に連続的に供給し、一方、重合器下部から、重
合器内の重合液が1で、かつ平均滞留時間が0.5時間
になるように連続的に抜き出した。また、重合器上部か
ら、エチレンを毎時20、水素を毎時0.5、窒素を毎
時10の速度で供給した。
共重合反応は、重合器外部に取り付けられたジャケッ
トに冷媒を循環させることにより10℃で行った。
上記のような反応条件で共重合反応を行って、エチレ
ン・TCD−3ランダム共重合体を含む重合反応混合物を
得た。重合反応は、重合器下部から抜き出した重合液に
イソプロピルアルコールを少量添加して停止させた。次
に重合液に対して約3倍量のアセトンが入った家庭用ミ
キサー中に、ミキサーを回転させながら重合液を投入
し、生成共重合体を析出させた。析出した共重合体はろ
過により採取し、ポリマー濃度が約50g/になるように
アセトン中に分散させ、アセトンの沸点で約2時間共重
合体を処理した。処理後、ろ過により共重合体を採取
し、120℃で24時間減圧乾燥した。
以上のようにして得られたエチレン・TCD−3ランダ
ム共重合体において、13C−NMR分析で測定した共重合体
のエチレン含量は62モル%、135℃デカリン中で測定し
た極限粘度[η]は0.46d/g、軟化温度(TMA)は148
℃であった。
重合例2 エチレンと、TCD−3と、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン(構造式: 以下ENBと略記する)のランダム共重合反応を、重合例
1に示した条件および方法と同様にして、表1に示した
モノマーおよび水素供給量を用いて行った。
重合例1〜2で得られた環状オレフィン系重合体の物
性を表1に示した。
重合例3 (プロピレン・スチレン共重合体(P/St共重合体)の合
成) 攪拌翼を備えた容積1.5のガラス製重合器にn−デ
カンを1、スチレン5mlを加え、窒素置換後トリイソ
ブチルアルミニウム10ミリモル、p−トルイル酸メチル
3.33ミリモルを加え、プロピレンを250/時間、水素
を20/時間で供給し、60℃まで昇温した。
昇温後、特公昭63−54004号公報の実施例1記載の方
法で調製したチタン触媒成分0.2ミリモルを加え、添加
と同時にスチレンの滴下を開始し、8mlを30分かけて滴
下した。
スチレン滴下終了と同時にイソブチルアルコールを加
え、反応を停止した。
窒素雰囲気下で重合液をガラスフィルターに移液し、
ろ別した。ろ別後、5%イソブチルアルコールを含むn
−デカン500mlでポリマーを3回洗浄し減圧下乾燥させ
た。得られたポリマーを重合体3とする。
ポリマー収量は120g、1H−NMRで測定したスチレン含
量は0.5モル%、230℃、2kg荷重で測定したMFRは20g/10
分、X線回折法により測定したプレスシート(230℃で
作成)の結晶化度は50%であった。
重合例4 (プロピレン・4(5)−メチル−1,4−ヘキサジエン
共重合体(P/MHD共重合体)の合成) 攪拌翼を備えた容積1.5のガラス製重合器にn−デ
カンを1、4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5
−メチル−1,4−ヘキサジエンの4/1混合物を100mlを加
え窒素置換後、プロピレンを250/時間、水素を10
/時間で供給し、60℃まで昇温した。
昇温後、トリエチルアルミニウム10ミリモル、シクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン2ミリモル、特開昭58
−83006号公報の実施例1記載の方法で調製したチタン
触媒成分1ミリモルを加え、60分間反応を行なった。
反応をイソブチルアルコールを加え停止した。
窒素雰囲気下で重合液をガラスフィルターに移液し、
ろ別した。ろ別後、5%イソブチルアルコールを含むn
−デカン500mlでポリマーを3回洗浄し減圧下乾燥させ
た。得られたポリマーを重合体4とする。
ポリマー収量は76g、13C−NMRで測定したMHD含量は4.
3モル%、230℃、2kg荷重で測定したMFRは14.8g/10分、
X線回折法により測定したプレスシート(230℃で作
成)の結晶化度は40%であった。
重合例5 塩素化エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成 攪拌翼を備えた容積8のガラス製反応器に、EPR
(三井石油化学工業(株)製:タフマーP−0680)400g
を採取し、ポリマー濃度が80g/になるように四塩化炭
素5を加え、窒素を吹き込みながら還流下ポリマーを
溶解させた。
ポリマーが完全に溶解したことを確認した後、窒素の
供給を止め塩素ガスを30/時間の速度で供給した。
2時間反応後塩素ガスの供給を止め、溶解している塩
素ガスを窒素置換することにより除去し、冷却後反応液
をメタノール中に析出させ、減圧下乾燥した。得られた
ポリマーを重合体5とする。元素分析により、ポリマー
中の塩素含量は3.2重量%であった。260℃、2kg荷重で
の測定したMFRは0.9g/10分であった。
実施例1 ガラス製1.5セパラブルフラスコに、[A]成分と
して、プロピレン/スチレン共重合体(重合体3)36
g、[B]成分としてEPT(三井石油化学工業(株):EPT
#3070)24g、溶媒としてn−デカン1を加え、窒素
雰囲気下、攪拌しながら150℃で均一に溶解させた。
次に、上記ポリマー溶液を150℃で攪拌しながらエチ
ルアルミニウムセスキクロリド2.5ミリモルを加え、そ
の後1,4−ジクロロシクロヘキサン1.25ミリモルを10秒
で滴下した。滴下後、反応が進むについて溶液粘度が上
昇した。10分反応後、反応物をメタノール5中にかき
混ぜながら添加し、ポリマーを取り出し乾燥させた。
得られたポリマーを、230℃にてプレス成形し、前記
の方法により試験片を作成し物性を評価した。
結果を表2に示す。
比較実施例1 実施例1においてエチルアルミニウムセスキクロリ
ド、1,4−ジクロロシクロヘキサンを使用しない以外は
同様の操作を行なった。
結果を表2に示す。
比較実施例2 実施例1において1,4−ジクロロキシクロヘキサンの
かわりにクロロシクロヘキサンを使用した以外は、同様
な操作を行なった。
結果を表2に示す。
実施例2 実施例1において[B]成分として塩素化EPR(重合
体5)を用い、1,4−ジクロロシクロヘキサンを使用し
ない以外は同様な操作を行った。
結果を表2に示す。
実施例3 実施例1において[A]成分としてプロピレン/MHD共
重合体(重合体4)を用いた以外は、同様の操作を行な
った。
結果を表2に示す。
実施例4 実施例1において[A]成分として重合例2で得られ
た重合体2を用いた以外は、同様の操作を行なった。
結果を表2に示す。
実施例5 SUS製1.5オートクレーブに、[A]成分として、重
合例1で得られた重合体1のペレット30g、[B]成分
としてプロピレン/MHD共重合体(重合体3)30g、溶媒
としてシクロヘキサン1を加え、窒素雰囲気下、攪拌
しながら150℃で均一に溶解させた。
次に、上記ポリマー溶液を150℃で攪拌しながらエチ
ルアルミニウムセスキクロリド1ミリモルを加え、その
後1,4−ジクロロシクロヘキサン0.5ミリモルを10秒で滴
下した。10分反応後、反応物を50℃まで冷却し、メタノ
ール5中にかき混ぜながら添加し、ポリマーを取り出
し乾燥させた。
得られたポリマーを、230℃にてプレス成形し、前記
の方法により試験片を作成し物性を評価した。
結果を表2に示す。
比較実施例3 実施例6においてエチルアルミニウムセスキクロリ
ド、1,4−ジクロロシクロヘキサンを使用しない以外は
同様の操作を行なった。
結果を表2に示す。
フロントページの続き (72)発明者 岡部 雅行 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 万徳 均 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特許2800057(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/02 - 23/24 C08L 25/00 - 25/18 C08L 47/00 C08L 45/00 - 45/02 C08J 3/24 - 3/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A](i)非共役ジエンまたは(ii)芳
    香族ビニル化合物と、 (iii)α−オレフィンと の共重合体と、 [B]ポリオレフィンとを、 カチオン重合開始剤の存在下に接触させてポリマー組成
    物を製造する方法であり、 該カチオン重合開始剤が、 (a)ハロゲン含有金属化合物と、 (b)2個以上の塩素を含有する炭化水素化合物とから
    なり、 該接触を、100℃以上の温度で行うことを特徴とするポ
    リマー組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記(a)ハロゲン含有金属化合物とし
    て、塩素化有機アルミニウムを用いることを特徴とする
    請求項第(1)項記載のポリマー組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】前記(b)2個以上の塩素を含有する炭化
    水素化合物として、2個以上の塩素を含有する脂肪族炭
    化水素化合物を用いることを特徴とする請求項第(1)
    項記載のポリマー組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】前記接触を溶媒中で行うことを特徴とする
    請求項第(1)項記載のポリマー組成物の製造方法。
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