JP2984141B2 - 基体の洗浄方法 - Google Patents
基体の洗浄方法Info
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- JP2984141B2 JP2984141B2 JP4104774A JP10477492A JP2984141B2 JP 2984141 B2 JP2984141 B2 JP 2984141B2 JP 4104774 A JP4104774 A JP 4104774A JP 10477492 A JP10477492 A JP 10477492A JP 2984141 B2 JP2984141 B2 JP 2984141B2
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- solvent
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に薄膜形成技術に
より、薄い膜が被着される基体の洗浄方法に関する。
より、薄い膜が被着される基体の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、複写機やプリンタ等に使用される電
子写真感光体は円筒状を成すアルミニウム製基体の表面
に例えばプラズマCVD法等の薄膜形成技術を採用し、
光導電層としてのアモルファスシリコン膜(以下、a−
Si膜と略記する)を被着することによって製作されて
いる。
子写真感光体は円筒状を成すアルミニウム製基体の表面
に例えばプラズマCVD法等の薄膜形成技術を採用し、
光導電層としてのアモルファスシリコン膜(以下、a−
Si膜と略記する)を被着することによって製作されて
いる。
【0003】かかる電子写真感光体は基体表面に被着さ
れるa−Si膜の膜厚が極めて薄く、該a−Si膜の基
体表面に対する密着性、電気的特性等は基体の表面状態
に大きく左右されるため、通常、基体の外周面には鏡面
研摩等の平滑化処理を施した後、基体表面に付着してい
る油や加工屑等の汚れを有機溶剤等を用いて完全に洗浄
除去していた。
れるa−Si膜の膜厚が極めて薄く、該a−Si膜の基
体表面に対する密着性、電気的特性等は基体の表面状態
に大きく左右されるため、通常、基体の外周面には鏡面
研摩等の平滑化処理を施した後、基体表面に付着してい
る油や加工屑等の汚れを有機溶剤等を用いて完全に洗浄
除去していた。
【0004】尚、前記基体の洗浄は、まず洗浄槽内にC
H2 Cl2 等の有機溶剤を注入するとともに該有機溶剤
中に基体を浸漬して基体表面に付着している加工屑や油
等の汚れを有機溶剤中に洗い出し、しかる後、前記基体
を有機溶剤から引き上げながら基体表面に付着している
有機溶剤を揮散させることにより行われている。
H2 Cl2 等の有機溶剤を注入するとともに該有機溶剤
中に基体を浸漬して基体表面に付着している加工屑や油
等の汚れを有機溶剤中に洗い出し、しかる後、前記基体
を有機溶剤から引き上げながら基体表面に付着している
有機溶剤を揮散させることにより行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の基体の洗浄方法によれば、基体を有機溶剤から引き
上げる際、基体の表面に油等を含んだ有機溶剤が付着
し、これが乾燥しみとなって基体表面に残り、基体表面
にa−Si膜等の薄膜をプラズマCVD法等の薄膜形成
技術によって被着させた場合、a−Si膜に前記乾燥し
みに起因して成膜欠陥が発生したり、a−Si膜の電気
的特性が全体として不均一なものとなったりするという
欠点を有していた。
来の基体の洗浄方法によれば、基体を有機溶剤から引き
上げる際、基体の表面に油等を含んだ有機溶剤が付着
し、これが乾燥しみとなって基体表面に残り、基体表面
にa−Si膜等の薄膜をプラズマCVD法等の薄膜形成
技術によって被着させた場合、a−Si膜に前記乾燥し
みに起因して成膜欠陥が発生したり、a−Si膜の電気
的特性が全体として不均一なものとなったりするという
欠点を有していた。
【0006】そこで上記欠点を解消するために、洗浄槽
内の有機溶剤上にフリーボード(蒸気発生器等により形
成される溶剤蒸気の層)を設けるとともに、該フリーボ
ード内において基体表面に付着している油等を含んだ有
機溶剤を揮散させ、これによって基体表面に乾燥しみが
発生するのを有効に防止した方法が知られている。
内の有機溶剤上にフリーボード(蒸気発生器等により形
成される溶剤蒸気の層)を設けるとともに、該フリーボ
ード内において基体表面に付着している油等を含んだ有
機溶剤を揮散させ、これによって基体表面に乾燥しみが
発生するのを有効に防止した方法が知られている。
【0007】しかしながら上記洗浄方法においては、フ
リーボードを設けるために洗浄装置に別途、蒸気発生器
を組み込まなければならず、洗浄装置を高価とするとと
もに全体構造を複雑なものとしてしまい、同時に蒸気発
生器の使用に伴って極めて多量の有機溶剤を必要とする
欠点を有していた。
リーボードを設けるために洗浄装置に別途、蒸気発生器
を組み込まなければならず、洗浄装置を高価とするとと
もに全体構造を複雑なものとしてしまい、同時に蒸気発
生器の使用に伴って極めて多量の有機溶剤を必要とする
欠点を有していた。
【0008】
【発明の目的】本発明は上記欠点に鑑みて案出されたも
のであり、その目的は、低コストで、かつ基体表面に乾
燥しみを発生させることのない基体の洗浄方法を提供す
ることにある。
のであり、その目的は、低コストで、かつ基体表面に乾
燥しみを発生させることのない基体の洗浄方法を提供す
ることにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明の基体の洗浄方
法は、基体表面に付着している汚れを下記(1)乃至
(3)の工程により洗浄することを特徴とする。
法は、基体表面に付着している汚れを下記(1)乃至
(3)の工程により洗浄することを特徴とする。
【0010】(1)有機溶剤中に汚れの付着している基
体を浸漬し、有機溶剤によって汚れを基体より洗い流す
工程。
体を浸漬し、有機溶剤によって汚れを基体より洗い流す
工程。
【0011】(2)有機溶剤を沸点より1.5〜10℃
低い温度に加熱して、有機溶剤上に溶剤蒸気層を形成す
る工程。
低い温度に加熱して、有機溶剤上に溶剤蒸気層を形成す
る工程。
【0012】(3)有機溶剤中に浸漬した基体を8.4
乃至15.0mm/secの速さで有機溶剤より引き上
げ基体表面に付着する有機溶剤を溶剤蒸気層内で揮散さ
せる工程。
乃至15.0mm/secの速さで有機溶剤より引き上
げ基体表面に付着する有機溶剤を溶剤蒸気層内で揮散さ
せる工程。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を、電子写真感光体に
使用される円筒状基体を洗浄する場合を例にとって説明
する。
使用される円筒状基体を洗浄する場合を例にとって説明
する。
【0014】図1は本発明の洗浄方法を実施するのに使
用される洗浄装置の概略図であり、1は洗浄槽、2は有
機溶剤、3は溶剤蒸気層、4は円筒状基体、5は超音波
振動子、6はヒータ、7は凝縮管である。
用される洗浄装置の概略図であり、1は洗浄槽、2は有
機溶剤、3は溶剤蒸気層、4は円筒状基体、5は超音波
振動子、6はヒータ、7は凝縮管である。
【0015】前記洗浄槽1はステンレス等から成ってお
り、その内部にはジクロロメタン(CH2 Cl2 )やト
リクロロエタン(CCl3 CH3 )等の有機溶剤2が注
入される。
り、その内部にはジクロロメタン(CH2 Cl2 )やト
リクロロエタン(CCl3 CH3 )等の有機溶剤2が注
入される。
【0016】前記有機溶剤2は円筒状基体4表面に付着
される油や加工屑等の汚れを洗い出し、円筒状基体4表
面を、a−Si膜等が被着されるのに適した状態とする
作用を為す。
される油や加工屑等の汚れを洗い出し、円筒状基体4表
面を、a−Si膜等が被着されるのに適した状態とする
作用を為す。
【0017】また前記有機溶剤2が注入される洗浄槽1
の内壁面には超音波振動子5が、また底面にはヒータ6
がそれぞれ不図示の駆動回路に接続されて埋め込まれて
いる。
の内壁面には超音波振動子5が、また底面にはヒータ6
がそれぞれ不図示の駆動回路に接続されて埋め込まれて
いる。
【0018】前記超音波振動子5は、駆動回路の駆動に
伴って電力が印加されると、洗浄槽1内に注入される有
機溶剤2中で所定振動数の超音波を発しながら振動し、
これにより有機溶剤2の洗浄効果を高いものと成す。
伴って電力が印加されると、洗浄槽1内に注入される有
機溶剤2中で所定振動数の超音波を発しながら振動し、
これにより有機溶剤2の洗浄効果を高いものと成す。
【0019】一方、前記ヒータ6は駆動回路の駆動に伴
って電力が印加されるとジュール発熱を起こして洗浄槽
1内の有機溶剤2を沸点より1.5〜10℃低い温度に
まで加熱し、有機溶剤2の一部を気化させて有機溶剤2
の上部に該有機溶剤2と同一有機物の蒸気から成る厚み
の厚い溶剤蒸気層3を発生させる。
って電力が印加されるとジュール発熱を起こして洗浄槽
1内の有機溶剤2を沸点より1.5〜10℃低い温度に
まで加熱し、有機溶剤2の一部を気化させて有機溶剤2
の上部に該有機溶剤2と同一有機物の蒸気から成る厚み
の厚い溶剤蒸気層3を発生させる。
【0020】前記溶剤蒸気層3は、円筒状基体4を有機
溶剤2より所定速さで引き上げる際、該溶剤蒸気層3を
形成する有機物の蒸気に円筒状基体4を晒しながらその
表面に付着した有機溶剤2をむら無く揮散乾燥させ、こ
れによって円筒状基体4表面に乾燥しみが発生すること
を有効に防止する。
溶剤2より所定速さで引き上げる際、該溶剤蒸気層3を
形成する有機物の蒸気に円筒状基体4を晒しながらその
表面に付着した有機溶剤2をむら無く揮散乾燥させ、こ
れによって円筒状基体4表面に乾燥しみが発生すること
を有効に防止する。
【0021】尚、前記有機溶剤2の液温が前述した加熱
温度の範囲よりも高くなると、有機溶剤2と溶剤蒸気層
3の温度がほぼ等しくなることに起因して蒸気の凝縮が
発生するとともに充分な洗浄効果が得られなくなってし
まい、また前述した加熱温度の範囲よりも低くなると、
有機溶剤2の上部に充分な厚みをもった溶剤蒸気層3を
発生させることができなくなる。従って、有機溶剤2の
液温は沸点より1.5〜10℃低い温度にまで加熱して
おく必要がある。
温度の範囲よりも高くなると、有機溶剤2と溶剤蒸気層
3の温度がほぼ等しくなることに起因して蒸気の凝縮が
発生するとともに充分な洗浄効果が得られなくなってし
まい、また前述した加熱温度の範囲よりも低くなると、
有機溶剤2の上部に充分な厚みをもった溶剤蒸気層3を
発生させることができなくなる。従って、有機溶剤2の
液温は沸点より1.5〜10℃低い温度にまで加熱して
おく必要がある。
【0022】また前記円筒状基体4としては、例えばア
ルミニウムやガラス等から成る円筒体の外周面に対し鏡
面研摩等の平滑化処理を施したものが好適に使用され
る。
ルミニウムやガラス等から成る円筒体の外周面に対し鏡
面研摩等の平滑化処理を施したものが好適に使用され
る。
【0023】更に、前記洗浄槽1の上部内壁には凝縮管
7が配されており、該凝縮管7は前記溶剤蒸気層3を形
成する有機物の蒸気を冷却液化することにより該蒸気が
洗浄槽1外部に漏洩することを防止する作用を為す。
7が配されており、該凝縮管7は前記溶剤蒸気層3を形
成する有機物の蒸気を冷却液化することにより該蒸気が
洗浄槽1外部に漏洩することを防止する作用を為す。
【0024】次に上記洗浄装置を用いた円筒状基体4の
洗浄方法について説明する。
洗浄方法について説明する。
【0025】先ず、前記洗浄槽1内にジクロロメタンや
トリクロロエタン等の有機溶剤2を注入するとともに、
該有機溶剤2中に円筒状基体4を浸漬する。
トリクロロエタン等の有機溶剤2を注入するとともに、
該有機溶剤2中に円筒状基体4を浸漬する。
【0026】次に前記有機溶剤2をヒータ6によって沸
点より1.5〜10℃低い温度に加熱し、有機溶剤2の
液面上部に該有機溶剤2と同一有機物の蒸気から成る厚
みの厚い溶剤蒸気層3を形成させる。
点より1.5〜10℃低い温度に加熱し、有機溶剤2の
液面上部に該有機溶剤2と同一有機物の蒸気から成る厚
みの厚い溶剤蒸気層3を形成させる。
【0027】次に前記洗浄槽1の内壁面に埋め込まれた
超音波振動子5を、例えば28kHzの振動数で約2分
間振動させ、円筒状基体4表面に付着している油等の汚
れを有機溶剤2中に洗い出し洗浄をする。
超音波振動子5を、例えば28kHzの振動数で約2分
間振動させ、円筒状基体4表面に付着している油等の汚
れを有機溶剤2中に洗い出し洗浄をする。
【0028】次に円筒状基体4をその外周面が有機溶剤
2の液面に対し垂直な面を成すようにして有機溶剤2よ
り8.4乃至15.0mm/secの速さで引き上げ
る。
2の液面に対し垂直な面を成すようにして有機溶剤2よ
り8.4乃至15.0mm/secの速さで引き上げ
る。
【0029】この場合、有機溶剤2の液面上部にはヒー
タ6の加熱により有機溶剤2と同一有機物の蒸気から成
る厚みの厚い溶剤蒸気層3が形成されているため、有機
溶剤2より引き上げられた円筒状基体4は溶剤蒸気層3
中に長時間晒されるので円筒状基体4の表面に油等を含
んだ有機溶剤2が付着しているとしても該付着する有機
溶剤2は溶剤蒸気層3内においてむら無く乾燥され、そ
の結果、円筒状基体4の外周面に乾燥しみを発生させる
ことは皆無となる。従って、この円筒状基体4の外周面
にa−Si膜をプラズマCVD法等によって所定厚みに
被着させ電子写真感光体を製作した場合、円筒状基体4
の外周面には乾燥しみが無いことからその表面に成膜欠
陥がほとんど無く、電気的特性も全体がほぼ均一なa−
Si膜を被着させることが可能となる。
タ6の加熱により有機溶剤2と同一有機物の蒸気から成
る厚みの厚い溶剤蒸気層3が形成されているため、有機
溶剤2より引き上げられた円筒状基体4は溶剤蒸気層3
中に長時間晒されるので円筒状基体4の表面に油等を含
んだ有機溶剤2が付着しているとしても該付着する有機
溶剤2は溶剤蒸気層3内においてむら無く乾燥され、そ
の結果、円筒状基体4の外周面に乾燥しみを発生させる
ことは皆無となる。従って、この円筒状基体4の外周面
にa−Si膜をプラズマCVD法等によって所定厚みに
被着させ電子写真感光体を製作した場合、円筒状基体4
の外周面には乾燥しみが無いことからその表面に成膜欠
陥がほとんど無く、電気的特性も全体がほぼ均一なa−
Si膜を被着させることが可能となる。
【0030】また前記溶剤蒸気層3は有機溶剤2をヒー
タ6等によって沸点より1.5〜10℃低い温度にまで
加熱し、有機溶剤2の一部を気化させることによって容
易に発生させることができることから、洗浄装置に高価
な蒸気発生器等を別途、組み込む必要は一切無く、洗浄
装置を全体構造が簡素で、安価なものとなすことがで
き、その結果、かかる洗浄装置を用いて行なう円筒状基
体の洗浄も安価で作業性の良いものとなすことができ
る。また同時に本発明の基体の洗浄方法においては有機
溶剤の使用量を極小となすことができ、これによって洗
浄のコストをより低く抑えることができる。
タ6等によって沸点より1.5〜10℃低い温度にまで
加熱し、有機溶剤2の一部を気化させることによって容
易に発生させることができることから、洗浄装置に高価
な蒸気発生器等を別途、組み込む必要は一切無く、洗浄
装置を全体構造が簡素で、安価なものとなすことがで
き、その結果、かかる洗浄装置を用いて行なう円筒状基
体の洗浄も安価で作業性の良いものとなすことができ
る。また同時に本発明の基体の洗浄方法においては有機
溶剤の使用量を極小となすことができ、これによって洗
浄のコストをより低く抑えることができる。
【0031】尚、前記円筒状基体4は有機溶剤2より
8.4mm/sec以下の速さで引き上げた場合、円筒
状基体4の洗浄の作業効率が大きく低下し、大量作業に
は適さないものとなり、また15.0mm/sec以上
の速さで引き上げた場合、円筒状基体4を溶剤蒸気層3
中に十分な時間晒すことができず、円筒状基体4の表面
に乾燥しみが発生してしまう。従って、円筒状基体4は
有機溶剤2より8.4乃至15.0mm/secの範囲
の速さで引き上げなければならない。
8.4mm/sec以下の速さで引き上げた場合、円筒
状基体4の洗浄の作業効率が大きく低下し、大量作業に
は適さないものとなり、また15.0mm/sec以上
の速さで引き上げた場合、円筒状基体4を溶剤蒸気層3
中に十分な時間晒すことができず、円筒状基体4の表面
に乾燥しみが発生してしまう。従って、円筒状基体4は
有機溶剤2より8.4乃至15.0mm/secの範囲
の速さで引き上げなければならない。
【0032】(実験例)次に本発明の作用効果を実験例
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0033】先ず、超音波振動子とヒータとを組み込ん
だ図1に示す洗浄槽(内容積:30リットル)内にジク
ロロメタンを注入するとともに、前記ヒータによりジク
ロロメタン(沸点:39℃)を36℃の温度に加熱し、
該ジクロロメタン中にアルミニウムから成る円筒状基体
(外径:108mm、長さ寸法:358mm、厚み:5
mm)を浸漬する。
だ図1に示す洗浄槽(内容積:30リットル)内にジク
ロロメタンを注入するとともに、前記ヒータによりジク
ロロメタン(沸点:39℃)を36℃の温度に加熱し、
該ジクロロメタン中にアルミニウムから成る円筒状基体
(外径:108mm、長さ寸法:358mm、厚み:5
mm)を浸漬する。
【0034】次に前記超音波振動子をCH2 Cl2 中に
おいて28kHzの振動数で2分間振動させて円筒状基
体表面を洗浄させ、しかる後、円筒状基体を、その外周
面が有機溶剤の液面に対し垂直な面を成すように保ちつ
つ、3〜20mm/secの範囲で有機溶剤より引き上
げるとともに円筒状基体表面に付着した有機溶剤を揮散
させ、円筒状基体の洗浄を完了する。
おいて28kHzの振動数で2分間振動させて円筒状基
体表面を洗浄させ、しかる後、円筒状基体を、その外周
面が有機溶剤の液面に対し垂直な面を成すように保ちつ
つ、3〜20mm/secの範囲で有機溶剤より引き上
げるとともに円筒状基体表面に付着した有機溶剤を揮散
させ、円筒状基体の洗浄を完了する。
【0035】円筒状基体の外周面に発生する乾燥しみに
ついて目視で調べ、乾燥しみの発生状況を確認した。そ
の結果を表1に示す。
ついて目視で調べ、乾燥しみの発生状況を確認した。そ
の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1より明らかな通り、円筒状基体を有機
溶剤から引き上げる際の引き上げ速さを15mm/se
c以下の速さとしておけば、円筒状基体は有機溶剤の液
面上に形成される厚みの厚い溶剤蒸気層中に長時間晒さ
れ、溶剤蒸気層内において上方より順次むら無く乾燥さ
れることとなって円筒状基体の表面に乾燥しみは発生し
ないことが判る。
溶剤から引き上げる際の引き上げ速さを15mm/se
c以下の速さとしておけば、円筒状基体は有機溶剤の液
面上に形成される厚みの厚い溶剤蒸気層中に長時間晒さ
れ、溶剤蒸気層内において上方より順次むら無く乾燥さ
れることとなって円筒状基体の表面に乾燥しみは発生し
ないことが判る。
【0038】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
では無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種
々の変更、改良等が可能である。
では無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種
々の変更、改良等が可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明の基体の洗浄方法によれば、有機
溶剤の上部に有機溶剤と同一有機物の蒸気から成る厚み
の厚い溶剤蒸気層が形成されているため、有機溶剤より
引き上げられた基体は溶剤蒸気層中に長時間晒される基
体の表面に油等を含んだ有機溶剤が付着しているとして
も該付着する有機溶剤は溶剤蒸気層内においてむら無く
乾燥され、その結果、基体の表面に乾燥しみを発生させ
ることは皆無となる。
溶剤の上部に有機溶剤と同一有機物の蒸気から成る厚み
の厚い溶剤蒸気層が形成されているため、有機溶剤より
引き上げられた基体は溶剤蒸気層中に長時間晒される基
体の表面に油等を含んだ有機溶剤が付着しているとして
も該付着する有機溶剤は溶剤蒸気層内においてむら無く
乾燥され、その結果、基体の表面に乾燥しみを発生させ
ることは皆無となる。
【0040】また本発明の基体の洗浄方法によれば、前
記溶剤蒸気層は有機溶剤をヒータ等により沸点より1.
5〜10℃低い温度にまで加熱し、有機溶剤の一部を気
化させることによって容易に発生させることができるこ
とから、洗浄装置に高価な蒸気発生器等を別途、組み込
む必要は一切無く、洗浄装置を全体構造が簡素で、安価
なものとなすことができ、その結果、かかる洗浄装置を
用いて行なう基体の洗浄も安価で作業性の良いものとな
すことができる。
記溶剤蒸気層は有機溶剤をヒータ等により沸点より1.
5〜10℃低い温度にまで加熱し、有機溶剤の一部を気
化させることによって容易に発生させることができるこ
とから、洗浄装置に高価な蒸気発生器等を別途、組み込
む必要は一切無く、洗浄装置を全体構造が簡素で、安価
なものとなすことができ、その結果、かかる洗浄装置を
用いて行なう基体の洗浄も安価で作業性の良いものとな
すことができる。
【0041】また同時に本発明の基体の洗浄方法におい
ては有機溶剤の使用量を極小となすことができ、これに
よって洗浄のコストをより低く抑えることができる。
ては有機溶剤の使用量を極小となすことができ、これに
よって洗浄のコストをより低く抑えることができる。
【図1】本発明の洗浄方法に使用される洗浄装置の概略
図である。
図である。
1・・・洗浄槽 2・・・有機溶剤 3・・・溶剤蒸気層 4・・・円筒状基体 5・・・超音波振動子 6・・・ヒータ 7・・・凝縮管
Claims (1)
- 【請求項1】基体表面に付着している汚れを下記(1)
乃至(3)の工程により洗浄することを特徴とする基体
の洗浄方法。 (1)有機溶剤中に汚れの付着している基体を浸漬し、
有機溶剤によって汚れを基体より洗い流す工程。 (2)有機溶剤を沸点より1.5〜10℃低い温度に加
熱して、有機溶剤上に溶剤蒸気層を形成する工程。 (3)有機溶剤中に浸漬した基体を8.4乃至15.0
mm/secの速さで有機溶剤より引き上げ基体表面に
付着する有機溶剤を溶剤蒸気層内で揮散させる工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4104774A JP2984141B2 (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 基体の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4104774A JP2984141B2 (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 基体の洗浄方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295577A JPH05295577A (ja) | 1993-11-09 |
JP2984141B2 true JP2984141B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=14389830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4104774A Expired - Fee Related JP2984141B2 (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 基体の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2984141B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6204270B2 (ja) * | 2014-06-03 | 2017-09-27 | 伊藤光学工業株式会社 | 物品の加工方法 |
-
1992
- 1992-04-23 JP JP4104774A patent/JP2984141B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05295577A (ja) | 1993-11-09 |
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