JP2888822B1 - 洗浄物の洗浄乾燥方法及びその装置 - Google Patents

洗浄物の洗浄乾燥方法及びその装置

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Abstract

【要約】 【課題】 小型で、有機溶剤ミストによる常温乾燥が行
え、かつこの乾燥の直前に洗浄も行うことのできる洗浄
物の洗浄乾燥方法及びその装置の提供にある。 【解決手段】 音波振動子を接着した振動板14を槽底
面に組み込んだ洗浄乾燥槽12に、常温の有機溶剤16
を入れ、超音波で振動板14を励振させて常温の有機溶
剤ミスト18を層状に発生させるように構成した。この
有機溶剤ミスト18内に、濡れている洗浄物20を投入
して乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄物の洗浄乾燥
方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機溶剤ミストを用いた洗浄物
(洗浄の対象物)の乾燥方法は、有機溶剤をヒータによ
り沸点まで加熱上昇させて上部にミストを作り、そのミ
スト中に例えば水等で洗浄すすぎを行った洗浄物を投入
すると、洗浄物の表面で溶剤の凝固が起こり、洗浄物の
表面に付着していた水分はより蒸発しやすい有機溶剤で
置換されて乾燥する。ミスト中の洗浄物は次第にミスト
温度(沸点)に達し、ミスト雰囲気外に取り出すことに
より、付着した溶剤成分はその低い蒸発潜熱のため急速
に蒸発して乾燥が終了する。
【0003】この方法では、有機溶剤をミスト化する加
熱手段と、蒸発したミストを最凝縮させて回収する冷却
手段が必要で、消費電力も大きくまた高価でもあった。
また、昨今、地球環境に優しいことも求められており、
省薬液、省エネルギーの観点から常温洗浄乾燥化が追求
されている。
【0004】常温洗浄乾燥化を行う場合、常温で有機溶
剤のミストを作る必要がある。常温で有機溶剤にミスト
を作る方法として、例えば常温の有機溶剤をキャリアガ
スでバブリングする方法が既に開示されており、これを
実用化した洗浄乾燥方法やその装置が特開平2−291
128号で提案されている。
【0005】また、超音波加湿器のような手法で常温の
有機溶剤ミストを作る方法もある。この方法は、円盤形
PZT振動子で、5mm径程度の極一部分に超音波が集
中するように振動子と水面位置の距離を常に一定にして
パワーを一点に集中させ、その霧を洗浄物上に誘導して
乾燥を行わせるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法の
場合、超音波が一点集中型であるため霧密度的に広い範
囲で一様にはならず洗浄ムラが発生したり、あるいは洗
浄時間がかかりすぎるという問題がある。また、洗浄物
を有機溶剤中に入れると、その水位が上昇変動して、超
音波のパワーに変動が生じ、ミストの発生にも変動が生
じるという問題がある。
【0007】本発明は、小型で、有機溶剤ミストによる
常温乾燥が行え、かつこの乾燥の直前に洗浄も行うこと
のできる洗浄物の洗浄乾燥方法及びその装置の提供を目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述課題を解決するため
に、本発明は、次のような手段を採用した。請求項1に
記載の洗浄物の洗浄乾燥方法は、超音波振動子を接着し
た振動板を槽底面に組み込んだ洗浄乾燥槽に、常温の有
機溶剤を入れ、超音波で振動板を励振させて常温の有機
溶剤ミストを層状に発生させ、水等で洗浄した後の洗浄
物をその層状ミスト中に投入して乾燥させ、さらにそこ
から取り出して乾燥終了させるようにしたことを特徴と
している。
【0009】請求項2に記載の洗浄物の洗浄乾燥方法
は、内槽と外槽の2重構造に形成され、外槽の槽底面に
超音波振動子を接着した振動板が組み込まれ、かつ内槽
の槽底厚さを超音波エネルギーを通過させるに適した厚
さとして形成された洗浄乾燥槽の内槽に、常温の有機溶
剤を入れ、超音波で振動板を励振させて常温の有機溶剤
ミストを層状に発生させると共に、内槽と外槽との間に
循環冷却水を流し、水等で洗浄した後の洗浄物をその層
状ミスト中に投入して乾燥させ、さらにそこから取り出
して乾燥終了させるようにしたことを特徴としている。
【0010】請求項3に記載の洗浄物の洗浄乾燥方法
は、請求項1又は2に記載の発明において、先ず有機溶
剤中に浸し表面に付着した表面付着物を超音波作用によ
り剥離除去した上で層状ミスト部に移して乾燥させるよ
うにしたことを特徴としている。
【0011】請求項4に記載の洗浄物の洗浄乾燥方法
は、有機溶剤ミストの粒径は30μm以下であることを
特徴としている。
【0012】請求項5に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、超音波振動子を接着した振動板を槽底面に組み込ん
だ洗浄乾燥槽に、常温の有機溶剤を入れ、超音波で振動
板を励振させて常温の有機溶剤ミストを層状に発生させ
るように構成したことを特徴とする洗浄物の洗浄乾燥装
置。
【0013】請求項6に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、請求項5に記載の発明において、洗浄乾燥槽を内槽
と外槽の2重構造にすると共に、外槽の槽底面に超音波
振動子を接着した振動板を組み込み、内槽の槽底厚さを
超音波エネルギーを通過させるに適した厚さとして、さ
らに内槽と外槽との間に循環冷却水を流せるように構成
したことを特徴としている。
【0014】請求項7に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、請求項5又は6に記載の発明において、洗浄乾燥槽
の上部を可変密閉できるようにしたことを特徴としてい
る。
【0015】請求項8に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、請求項5、6、7のいずれかに記載の発明におい
て、有機溶剤ミスト層の部分に相当する洗浄乾燥槽の側
壁に洗浄物の搬入、搬出用の開口部を設けたことを特徴
としている。
【0016】請求項9に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、請求項8に記載の発明において、洗浄乾燥槽の隣り
に前記開口部と連通する乾燥空間室を設けたことを特徴
としている。
【0017】請求項10に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、請求項5又は8のいずれかに記載の発明において、
有機溶剤ミストの粒径は30μm以下であることを特徴
としている。
【0018】請求項11に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、請求項5から10のいずれかに記載の発明におい
て、洗浄乾燥槽内で乾燥させる洗浄物のエッジ部に残る
液溜まりに、先端部が離接自在で、かつ加熱可能なエッ
ジナイフを備えたことを特徴としている。
【0019】請求項12に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置
は、請求項11に記載の発明において、エッジナイフは
親水性の材料または表面を親水性に加工した材料で構成
されていることを特徴としている。
【0020】
【作用】本発明は、上述のように構成されているので、
洗浄乾燥槽に有機溶剤を所定量入れ、メガヘルツクラス
の超音波で超音波振動子を励振させると、有機溶剤の上
に粒径30μm以下の常温の有機溶剤ミストが層状にな
って形成される。水等で洗浄した洗浄物をこの大きさの
ミスト中に投入すると、洗浄物表面に一様にミストが凝
集して水分が有機溶剤に置換され排除されて乾燥が行わ
れる。続いて、洗浄物をミストの雰囲気外に取り出すこ
とにより、付着した溶剤成分はその低い蒸発潜熱のため
蒸発して急速に乾燥が終了する。
【0021】洗浄乾燥槽内に、常温の有機溶剤を洗浄物
が浸る以上に投入した場合、先ず洗浄物を有機溶剤中に
浸し表面に付着した表面付着物を超音波作用により剥離
除去した上で層状ミスト部に移して乾燥させることがで
き、洗浄と乾燥が同一槽内で可能となる。
【0022】洗浄乾燥槽が、内槽と外槽とで形成されて
いて、内槽と外槽との間に循環冷却水を流すようにした
場合、内槽の温度上昇が抑えられ、かつ内槽内の有機溶
剤が空になった状態でも、超音波振動子が空焚きの状態
にはならない。
【0023】また、洗浄乾燥槽の上部を可変密閉できる
ようにしたので、塵芥の混入を排除することができ、か
つ発火源の侵入を防ぐことができるので安全対策上好ま
しい。さらに、有機溶剤ミスト層の部分に相当する洗浄
乾燥槽の側壁に開口部を設けたので、この部分からミス
トが漏れないような方法で、洗浄物の搬入、搬出が行え
る。また、開口部に連通する乾燥空間室を設けたので、
外部に有機溶剤ミストの放散を防ぎ、かつ洗浄物を確実
に乾燥させた上で外部に搬出することが可能となる。
【0024】またさらに、洗浄乾燥槽内で乾燥させる洗
浄物のエッジ部に残る液溜まりは、エッジナイフで容易
に除去することが可能である。なお、エッジナイフは親
水性の材料または表面を親水性に加工した材料で構成さ
れているので、洗浄物のエッジ部の液を積極的に下方に
導くことができ、素早く液溜まりをなくすことができる
ことになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る洗浄物の洗浄乾燥方法及びその装置についの実施の
形態を説明する。図1に、本発明の第1の実施の形態を
示す。洗浄乾燥装置10は、図に示すように、洗浄乾燥
槽12を有しており、その槽底面には超音波振動子を接
着した振動板14が組み込まれている。この洗浄乾燥槽
12内には、常温の有機溶剤16を入れ、超音波で振動
板14を励振させて常温の有機溶剤ミスト18を層状に
発生させるようにしている。
【0026】この洗浄乾燥装置10に使用している超音
波振動子は、超音波加湿器に使用されている小丸板型P
ZT振動子ではなく、比較的広い洗浄乾燥槽12内を一
様に超音波音場とするために、広面積の矩形PZT振動
子を1枚から複数枚必要に応じて配列させている。有機
溶剤は、沸点が水のそれよりも低く、比重も水より軽
く、蒸気圧が低く容易にミストを作り、水に容易に溶け
るアルコール系有機溶剤が適当であるが、既に半導体分
野で使用実績のあるIPA(Iso-propil alcohl)等が最
適である。
【0027】有機溶剤(例えば、IPA)を超音波励振
可能な洗浄乾燥槽の洗浄乾燥槽内に1〜10mm程度の
深さに投入し、超音波を加えると、超音波キャビテーシ
ョン現象により、有機溶剤はその液上に槽内一面100
mmを超える程度の有機溶剤ミスト層が形成できる。そ
れ以上にはミスト層は形成されないので、有機溶剤の消
耗は極めて少なく地球に優しい省薬液型洗浄乾燥の環境
が実現できる。しかも常温環境であるので、省エネルギ
ーでもある。
【0028】実際に長時間運転すると、超音波作用で有
機溶剤の温度が若干上昇してくるので、ミスト層18の
厚さも変化するが、実用に支障のない範囲である。な
お、メガソニックのような超音波で有機溶剤のIPAの
分解が進行することのないことも確認されているので、
新しいIPAを供給し続ける必要もないため、省薬剤化
が図れる。
【0029】洗浄物を実際に乾燥させる方法は、先ず洗
浄乾燥槽12内にIPAを1〜10mm程度の深さに投
入し、1メガヘルツクラスの超音波で超音波振動子を励
振させると、IPA16の上に粒径30μm以下の常温
のIPAミスト18が100mm程度の厚さの層状にな
って形成される。そのIPAミスト層18中に、水等で
洗浄して濡れた洗浄物、例えば図1に示すような洗浄物
(ウエハ)20を投入すると、ウエハ20の表面の水は
IPAに吸収され、表面張力が減少し容易にウエハ20
の表面から離脱させることができる。すなわち、乾燥を
行わせることができる。続いて、洗浄物をミストの雰囲
気外に取り出すことにより、付着したIPA成分はその
低い蒸発潜熱のため蒸発して急速に乾燥が終了する。
【0030】また、洗浄乾燥槽12内に、常温のIPA
16を洗浄物20が浸る以上に投入して、図2に示すよ
うに、先ず洗浄物20をIPA16中に水平にして浸し
表面に付着した表面付着物を超音波作用により剥離除去
した上で引き上げて、層状ミスト部18に移して乾燥さ
せ、さらに層状ミスト部18の上に窒素N2 を配置して
おいて、その中に引き上げて乾燥させるることもでき、
洗浄と乾燥が同一槽内で可能となる。これにより、最近
多用されているCD−ROM程度の大きさの洗浄物も水
平に置けば容易にIPA16内に浸漬でき一様な洗浄が
可能となる。
【0031】このように、洗浄物の表面の汚れが少ない
ときは前者の直接ミスト18中に投入して乾燥のみを行
い、汚れが多いときには後者のIPA16中に一旦投入
して洗浄を行いその後に乾燥を行う方法のどちらでも選
択することができる。なお、長時間運転ではIPAの温
度は50℃にも上昇するので、この加熱現象をそのまま
利用するとすると、洗浄乾燥効果が一層改善される。ま
た、簡潔動作使用時には、テフロンコートヒータ等の加
熱装置を用いて補助加熱を行えば洗浄乾燥が促進される
ことになる。
【0032】次に、本発明に係る洗浄乾燥装置の第2の
実施形態について説明する。なお、第1の実施形態にお
ける洗浄乾燥装置と、同一あるいは相当する部分には同
一符号を付す。この装置10は、図3に示すように、洗
浄乾燥槽12が内槽12aと外槽12bの2重構造にな
っており、外槽12bの槽底面に超音波振動子を接着し
た振動板14を組み込み、内槽12aの槽底厚さを超音
波エネルギーを通過させるに適した厚さとして、さらに
内槽12aと外槽12bとの間に循環冷却水22を流せ
るように構成したものである。乾燥あるいは洗浄乾燥は
第1の実施形態の場合と同様にして行われるが、内槽1
2aの温度上昇が循環冷却水によって適当に抑えられ、
かつ内槽12a内のIPAが空になった状態でも、超音
波振動子は内槽12aと外槽12bとの間を循環する水
のため空焚きの状態にはならず、損傷する心配がない。
【0033】また、上記第1,2の実施形態において、
図4に示すように、洗浄乾燥槽12の上部に可変密閉で
きるような蓋24を設けてもよい。このようにすると、
塵芥の混入を防ぐことができ、かつ発火源の侵入を防ぐ
ことができるので安全対策上好ましい。また、洗浄物2
0が、ウエハやCD−ROMのような小型で薄い物の場
合には、図5に示すように、IPAミスト層18の部分
に相当する洗浄乾燥槽12の側壁に搬入用の細長いスリ
ット状の開口部26aを設けてもよい。この開口部26
aから洗浄物20の搬入が行える。さらに、搬入用の開
口部26aに対向させて搬出用の開口部26bを設けて
洗浄物を連続乾燥させることも可能である。また、図6
に示すように、搬出用の開口部26bに連通する乾燥空
間室28を設けてもよい。この乾燥空間室28にも搬出
用の開口部30を設け、かつ内部に加熱装置32を配置
すると共に、窒素N2 を充填しておけば、外部にIPA
ミストの放散を防ぎ、かつ洗浄物20を確実に乾燥させ
た上で外部に搬出することが可能となる。
【0034】また、洗浄乾燥槽12内に、図7に示すよ
うな、先端部34aが鋭角に尖り、かつ先端部34a近
傍に貫通孔34bが設けられたエッジナイフ34を設け
て、図8に示すように、洗浄物20のエッジ部に残る液
溜まり20aに、その先端部34aが離接自在になるよ
うに構成する。そして、前記貫通孔34bには、テフロ
ン被覆のニクロム線を嵌め込んでおき、先端部34aの
みを加熱できるようにしておくとよい。加熱温度は、使
用する有機溶剤によって異なるが、例えばIPAの場
合、その沸点は82℃であるから、その温度になるよう
に加熱する。エッジナイフ34は、耐薬品性、耐熱性等
を考慮すると、石英ガラスが望ましい。
【0035】このエッジナイフ34を、乾燥中における
洗浄物20のエッジ部に残る液溜まり接触させると、液
溜まりは素早く蒸発するので乾燥時間を短縮することが
できる。この場合に、エッジナイフ34を親水性の材料
または表面を親水性に加工した材料で構成すれば、図9
に示すように、洗浄物20のエッジ部に残る液を積極的
に下方に導くことができ、液溜まりを素早くなくすこと
ができることになる。
【0036】このように、本洗浄乾燥装置10は、小型
でかつ単純な装置構成なのに、水等で洗浄すすぎした後
の濡れた洗浄物20が、汚れのない場合、常温有機溶剤
ミスト18中で乾燥のみを行うことができ、汚れがある
場合には、有機溶剤16中における超音波洗浄と、これ
に引き続き有機溶剤ミスト18中への移送により乾燥と
の両方を常温で連続的に行うことができ、極めて効率の
よいものである。なお、従来の方法でも、ヒータ加熱に
より常温ミストを作ることが可能であるが、事前の洗浄
は困難であり、また超音波加湿器応用では、小丸形PZ
T振動子と水面の距離を常に一定に保つ必要があり、制
御が非常に煩雑になるが、本装置ではこれらの問題が解
消されている。
【0037】上述の実施形態例では、洗浄物として、ウ
エハやCD−ROMを例に挙げたが、液晶ガラスなどの
平板形状物や100mm径以下のハードディスク基板、
レンズ等の小型形状物の洗浄乾燥ができることはいうま
でもないことである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
超音波により常温の有機溶剤ミストを層状に発生させ、
そのミスト中で水等で洗浄した洗浄物を乾燥させるよう
にしたので、省エネルギー化を図れると共に、有機溶剤
ミストが層状になるので有機溶剤の放散が軽減し省薬剤
化が図れる。また、洗浄物に汚れが残っている場合に
は、先ず洗浄物を有機溶剤中に浸して超音波作用により
汚れを除去した上で層状ミスト部に移して乾燥させるこ
とができ、洗浄と乾燥が同一槽内でできるという利点が
ある。
【0039】さらに、洗浄乾燥槽を、内槽と外槽とで形
成し、内槽と外槽との間に循環冷却水を流すようにした
場合、内槽の温度上昇が抑えられ、かつ内槽内の有機溶
剤が空になった状態でも、超音波振動子が空焚きの状態
にはならないという効果がある。
【0040】また、洗浄乾燥槽の上部を可変密閉できる
ようにしたので、塵芥の混入を排除することができ、か
つ発火源の侵入を防ぐことができるので安全が図れる。
さらに、有機溶剤ミスト層の部分に相当する洗浄乾燥槽
の側壁に開口部を設けたので、洗浄物の搬入、搬出がこ
の容易となり、また開口部に連通する乾燥空間室を設け
たので、外部に有機溶剤ミストの放散を防ぎ、かつ洗浄
物を確実に乾燥させた上で外部に搬出することができ
る。
【0041】またさらに、先端部が加熱できるエッジナ
イフを設けたので、洗浄物のエッジ部に残る液溜まり
は、エッジナイフで容易に除去することができ、乾燥時
間の短縮が図れる。さらに、エッジナイフを親水性の材
料または表面を親水性に加工した材料で構成したので、
洗浄物のエッジ部の液を積極的に下方に導くことがで
き、液溜まりを素早くなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗浄乾燥装置の第1の実施形態を
模式的に示す図である。
【図2】利用方法の例を示す図である。
【図3】本発明に係る洗浄乾燥装置の第2の実施形態を
模式的に示す図である。
【図4】図1に示す洗浄乾燥装置に蓋を付加した図であ
る。
【図5】洗浄乾燥槽のミスト層の位置に洗浄物の搬入口
と搬出口とを付加した図である。
【図6】洗浄乾燥槽に隣接して、乾燥空間室が設けられ
ている図である。
【図7】エッジナイフの斜視図である。
【図8】洗浄物のエッジ部の液溜まりにエッジナイフを
接触させた状態を示す図である。
【図9】洗浄物のエッジ部の液溜まりがエッジナイフに
吸引される状態を示す図である。
【符号の説明】
10 洗浄乾燥装置 12 洗浄乾燥槽 12a 内槽 12b 外槽 14 振動板 16 IPA(有機溶剤) 18 IPAミスト層(有機溶剤ミスト層) 20 洗浄物(ウエハ) 20a 液溜まり 22 循環冷却水 24 蓋 26 開口部 26a 搬入用開口部 26b 搬出用開口部 28 乾燥空間室 30 開口部 32 加熱装置 34 エッジナイフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤江 明雄 東京都羽村市栄町3丁目1番地の5 株 式会社カイジョー内 (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米ヶ袋2−1−17− 301 (56)参考文献 特開 平6−216105(JP,A) 特開 平6−120196(JP,A) 特開 平5−291233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B08B 3/12 B26B 5/02 H01L 21/304 304 - 651

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子を接着した振動板を槽底面
    に組み込んだ洗浄乾燥槽に、常温の有機溶剤を入れ、超
    音波で振動板を励振させて常温の有機溶剤ミストを層状
    に発生させ、水等で洗浄した後の洗浄物をその層状ミス
    ト中に投入して乾燥させ、さらにそこから取り出して乾
    燥終了させるようにしたことを特徴とする洗浄物の洗浄
    乾燥方法。
  2. 【請求項2】 内槽と外槽の2重構造に形成され、外槽
    の槽底面に超音波振動子を接着した振動板が組み込ま
    れ、かつ内槽の槽底厚さを超音波エネルギーを通過させ
    るに適した厚さとして形成された洗浄乾燥槽の内槽に、
    常温の有機溶剤を入れ、超音波で振動板を励振させて常
    温の有機溶剤ミストを層状に発生させると共に、内槽と
    外槽との間に循環冷却水を流し、水等で洗浄した後の洗
    浄物をその層状ミスト中に投入して乾燥させ、さらにそ
    こから取り出して乾燥終了させるようにしたことを特徴
    とする洗浄物の洗浄乾燥方法。
  3. 【請求項3】 洗浄物を先ず有機溶剤中に浸し表面に付
    着した表面付着物を超音波作用により剥離除去した上で
    層状ミスト部に移して乾燥させるようにしたことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の洗浄物の洗浄乾燥方法。
  4. 【請求項4】 前記有機溶剤ミストの粒径は30μm以
    下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の洗浄物の洗浄乾燥方法。
  5. 【請求項5】 超音波振動子を接着した振動板を槽底面
    に組み込んだ洗浄乾燥槽に、常温の有機溶剤を入れ、超
    音波で振動板を励振させて常温の有機溶剤ミストを層状
    に発生させるように構成したことを特徴とする洗浄物の
    洗浄乾燥装置。
  6. 【請求項6】 前記洗浄乾燥槽を内槽と外槽の2重構造
    にすると共に、外槽の槽底面に超音波振動子を接着した
    振動板を組み込み、内槽の槽底厚さを超音波エネルギー
    を通過させるに適した厚さとして、さらに内槽と外槽と
    の間に循環冷却水を流せるように構成したことを特徴と
    する請求項5に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置。
  7. 【請求項7】 洗浄乾燥槽の上部を可変密閉できるよう
    にしたことを特徴とする請求項5又は6に記載の洗浄物
    の洗浄乾燥装置。
  8. 【請求項8】 有機溶剤ミスト層の部分に相当する洗浄
    乾燥槽の側壁に洗浄物の搬入、搬出用の開口部を設けた
    ことを特徴とする請求項5、6、7のいずれかに記載の
    洗浄物の洗浄乾燥装置。
  9. 【請求項9】 洗浄乾燥槽の隣りに前記開口部と連通す
    る乾燥空間室を設けたことを特徴とする請求項8に記載
    の洗浄物の洗浄乾燥装置。
  10. 【請求項10】 有機溶剤ミストの粒径は30μm以下
    であることを特徴とする請求項5又は8のいずれかに記
    載の洗浄物の洗浄乾燥装置。
  11. 【請求項11】 洗浄乾燥槽内で乾燥させる洗浄物のエ
    ッジ部に残る液溜まりに先端部が離接自在で、かつ加熱
    可能なエッジナイフを備えたことを特徴とする請求項5
    から10のいずれかに記載の洗浄物の洗浄乾燥装置。
  12. 【請求項12】 前記エッジナイフは親水性の材料また
    は表面を親水性に加工した材料で構成されていることを
    特徴とする請求項11に記載の洗浄物の洗浄乾燥装置。
JP10187798A 1998-03-31 1998-03-31 洗浄物の洗浄乾燥方法及びその装置 Expired - Fee Related JP2888822B1 (ja)

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