JP2984128B2 - 異方性の小さい耐時効性極軟質容器用鋼板の製造方法 - Google Patents

異方性の小さい耐時効性極軟質容器用鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異方性が小さく耐ストレ
ッチャーストレイン性に優れた極軟質ブリキ原板あるい
はティンフリースチールなどの軟質容器用鋼板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、調質度T−3以下の軟質容器用鋼
板を連続焼鈍で製造する方法が研究されている。たとえ
ば特公昭63−10213号公報には、特定成分の低炭
素アルミキルド鋼から過時効処理つきの連続焼鈍を用い
て軟質容器用鋼板を製造する方法が開示されている。こ
の公報の主旨はNをAlでAlNの形で固定し、Cは過
時効処理でセメンタイトの形で固定することにより耐時
効性を与えたもので、スキンパス圧延も比較的軽度で済
むことが特徴であるが、調質度T−1,2を達成するの
は難しい。そのためT−1,2の製造は箱焼鈍が必須に
なっている。軟質容器材を製造する方法として、鋼を高
純化することが考えられるが、鋼の高純化に伴い熱延板
の粗粒化が起こることが知られており、この場合リジン
グが生じる可能性がある。熱延をAr3変態点以上で終
了すると高純鋼の場合成品板の異方性が大きくなる傾向
があり、成形時に容器に耳と言われる無駄な部分が生じ
歩留りが低下する。また、高純鋼はAr3変態点が高い
ため仕上温度をAr3以上で終らせようとすると加熱温
度を高くする必要があり、加熱中にAlNを生成させる
ことが難しくなり耐時効性に不利となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は鋼を高純化し
た時に生じる上記の成形性、時効性及びリジングの問題
点を解決し、異方性が小さく耳の発生を極力抑えた耐リ
ジング性、耐時効性に優れた極軟質容器用鋼板を製造す
る方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために成分および熱延条件を詳細に検討した
結果、耐時効性の観点よりC量を限定し、固溶N量をA
1Nの析出により制御することが重要であることを明ら
かにし、耐リジング性については熱延板を細粒にするこ
とが必要であり、その方法はγ→α変態の時の冷却速度
(以下、冷速と略記する)を制御し、フェライト域で圧
延した材料を再結晶させることが効果的であることを明
らかにした。また、成品板の異方性を小さくする方法と
してフェライト域熱延で集合組織を制御することにより
成品板の異方性が小さくなることを見出した。本発明は
これらの知見に基づいて構成されたもので、その要旨
は、重量比で、 C:0.0015%以下 N:0.005%以下 A1:0.3%以下、 かつ巻取温度CT(℃)、窒素含有量N(%)との関
係が(1)式を満足するように含有し、 A1(%)>−[{0.05−(23/14)N}/150×CT+0.2 5−4×23/14N …… (1) Mn/Sが5以上になるようにMnを添加し、さらに、
Mn,Si,Ni,Cu,Cr,Pの1種あるいは2種
以上の総和が0.1%以上、1.0%以下を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をAr〜Ar
+100℃の温度域で合計圧下率が50%以上の圧延
を行い、その後γ→α変態時の冷却を平均冷却速度10
℃/sec以上で行い、Ar 未満の温度域で35%以
上の圧延を行い、750℃以下、600℃以上で巻取
り、次いで酸洗、冷延、連続焼鈍を行うことを特徴とす
る異方性の小さい耐時効性極軟質容器用鋼板の製造方
法。
【0005】以下、本発明の限定条件を詳細に説明す
る。まず、成分の限定条件について述べる。Cは鋼を硬
化するだけでなく、時効性を劣化させることが知られて
いる。通常耐時効性を確保するためにはC量を0.01
%以上添加し、過時効処理でセメンタイトを生成させ、
固溶Cを減少させる方法がとられており、この方法だと
C量が0.01%以下になるとセメンタイトの析出が遅
れ、過時効処理により固定されるC量が減り、逆に残存
する固溶Cが多くなり耐時効性が劣化する。本発明者ら
はC量を極力低くすることにより過時効処理の有無にか
かわらず優れた耐時効性が得られることを明らかにし
た。その上限C量が0.0015%である。
【0006】Nも鋼を著しく硬化する元素であり、0.
005%を越えて添加されるとT−1,2の調質度を得
るのが難しい。また、NはCと同様、耐時効性に大きな
影響を与えるが、Nの場合はA1の添加によりA1Nを
形成し、時効の原因となる固溶N量を制御することがで
きる。 A1(%)>−[{0.05−(23/14)N}/150×CT+0.2 5−4×23/14N …… (1) の条件式はN時効を抑えるのに必要なA1の量を限定し
ている。ここで、この量が巻取温度の関数となっている
のは巻取温度によりA1Nの析出挙動が異なるためであ
る。A1添加量の上限を0.3%としたのは添加合金と
してのアルミニウムのコストが過大となるためである。
【0007】Mn量をSとの関係でMn/S≧5と限定
したのは不可避的に存在するSによる、熱間脆性を防止
するためにMnSを析出させるために必要な量である。
Mn,Si,Ni,Cu,Cr,Pの1種あるいは2種
以上の総和の下限を0.1%としたのは、これ未満の添
加量では粗粒化が著しく、熱延板が粗粒になりリジング
が生じる可能性が高いためである。一方、これらの元素
の総和が1%を超すと硬化が大きくなり、T−1,2の
調質度を達成することができないためである。
【0008】次に、熱延工程の限定条件について説明す
る。Ar〜Ar+100℃の温度域で合計圧下率の
下限を50%としたのは、これ未満の圧下率ではγ→α
変態時の冷速を10℃/s以上としても変態後のフェラ
イト組織が粗大となり、成品板でリジングが生じるため
である。同様に上記の合計圧下率を50%以上として
も、γ→α変態時の平均冷速が10℃/s未満であると
熱延板が粗粒化し、成品板でリジングが生じる。そのた
め、γ→α変態時の平均冷速の下限を10℃/sとし
た。Ar変態点未満の温度域での熱延圧下率を35%
以上としたのは、これ未満の圧下率では冷却中あるいは
巻取時に生成した再結晶粒が粗大化し、成品板にリジン
グが生じるためである。また、これ以下の圧下率では熱
延板で形成される集合組織が弱く、成品板の集合組織を
制御するのに不十分で、異方性を小さくすることができ
ず、大きな耳が発生するためである。熱延での集合組織
制御が成品板の耳の発生を抑制する機構は、Ar変態
未満の熱延により、熱延板で逆V型の強い値の異方
性を形成させ、冷延、焼鈍により一般に形成されるV型
値の異方性を打ち消し合うように作用させ、異方性
を小さくしているものと考えられる。この集合組織制御
にAr変態点未満の圧延を有効に利用するには合計圧
下率を少なくとも35%以上、できれば50%以上にす
ることが好ましい。
【0009】捲取温度の上限を750℃としたのはこれ
を超える捲取温度では、熱延板が粒成長により粗粒化す
ると共に容器用鋼板として耐食性が劣化するためであ
る。また、下限を600℃としたのはこれ未満の捲取温
度では再結晶が起こらず、熱延板が加工組織を呈し、成
品板でリジングが生じるためである。酸洗、冷延、焼鈍
条件に関しては特に規定するものではないが、本発明の
特徴は、従来箱焼鈍によってしか製造出来なかったT−
1,2の軟質容器用鋼板を連続焼鈍によって製造可能と
したことである。
【0010】
【実施例】表1に示す鋼を用い、熱延条件を種々変化さ
せたときの冷延鋼板の△r値、硬さおよびリジング、ス
トレッチャーストレインの発生の有無を表2に示す。こ
こで、冷延率は90%、焼鈍は連続焼鈍で板温730℃
で、60秒の再結晶焼鈍を行い、板厚は0.3mmであ
る。スキンパスは1%で、リジングの発生の有無は21
0℃、30分の時効処理後190mm径の液体バルジ試
験で10mmのバルジ高さを与えて目視により判定し
た。本発明の範囲内の実験No.1,2,5,9,15
△rが低く、耳の発生がほどんどみられないだけでな
く、硬さも調質度T−1,T−2を満し、リジングおよ
びストレッチャーストレインの発生もない。一方、Ar
〜Ar+100℃の圧下率が40%と小さい実験N
o.3では熱延板が粗粒になったのが原因と思われるリ
ジングが生成した。Ar変態点未満の圧下率が30%
と低かった実験No.6では△rが大きく、リジングが
生成した。捲取温度が785℃と高い実験No.7では
熱延板が粗粒になったことが原因と思われるリジングが
認められた。捲取温度が本発明の限定条件より低い実験
No.8では熱延板が加工組織となったためにリジング
が生じただけでなく△rも大きく、固溶Nも残存したた
めストレッチャーストレインも観察された。
【0011】式1の条件を満たさなかった実験No.1
0,11および炭素量が本発明の範囲を越えて添加され
た実験No.13は固溶Nあるいは固溶Cが残存したた
めストレッチャーストレインが発生した。熱延をγ域で
終了した実験No.12は熱延での集合組織制御が十分
にできなかったため△rが大きくなり耳が発生した。添
加元素を極力下げたため本発明の範囲を満足しなかった
鋼Dを用いた実験No.14は熱延板が粗粒になったた
めと思われるリジングが生成した。一方、添加元素を本
発明の範囲を越えて添加した鋼Fを用いた実験No.1
6では硬化が著しく、調質度T−1,T−2を満たすこ
とができない。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、スラブ加熱温度を低く
でき、連続焼鈍によりT−1,2が製造でき、省エネル
ギー、製造日数短縮、労働生産性などが向上する。ま
た、異方性の改善により耳の発生を極力抑制でき、成品
歩留りが向上し、工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46,8/02 C22C 38/00 - 38/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C:0.0015%以下 N:0.005%以下 A1:0.3%以下、 かつ巻取温度CT(℃)、窒素含有量N(%)との関
    係が(1)式を満足するように含有し、 A1(%)>−[{0.05−(23/14)N}/150×CT+0.2 5−4×23/14N …… (1) Mn/Sが5以上になるようにMnを添加し、さらに、
    Mn,Si,Ni,Cu,Cr,Pの1種あるいは2種
    以上の総和が0.1%以上、1.0%以下を含有し、残
    部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をAr〜Ar
    +100℃の温度域で合計圧下率が50%以上の圧延
    を行い、その後γ→α変態時の冷却を平均冷却速度10
    ℃/sec以上で行い、Ar 未満の温度域で35%以
    上の圧延を行い、750℃以下、600℃以上で巻取
    り、次いで酸洗、冷延、連続焼鈍を行うことを特徴とす
    る異方性の小さい耐時効性極軟質容器用鋼板の製造方
    法。
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KR101143098B1 (ko) * 2004-12-06 2012-05-08 주식회사 포스코 가공성이 우수한 고강도 내시효 냉연강판과 그 제조방법
KR100957946B1 (ko) * 2007-12-28 2010-05-13 주식회사 포스코 표면품질이 우수한 소부경화형 고강도 냉연강판 및 그제조방법

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