JP2983597B2 - 生物体の樹脂包埋置物の製造法 - Google Patents

生物体の樹脂包埋置物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、脱水、乾燥して原色を保持した草花類、観
葉植物、魚類などの生物体の全表面にアクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂あるいはエポキシ樹脂で
被覆し、これを容器中において、香料を混和したシリコ
ン樹脂で包埋して、香りを楽しみながら、同時に生物体
を原色のままで鑑賞できるようにした置物を製造する方
法に関するものである。
(従来の技術) 生物体など空気中では変化しやすいものを透明樹脂中
に包埋して、永く保存できるようにすることは、透明樹
脂包埋標本などにおいて通常行われていることである
が、特開昭57−77601号公報、特開昭61−293901号公
報、特開昭63−284101号公報などにも記載されている。
この際、使用する樹脂は、透明で、かつ、できる限り
気体遮断性を有するものが望まれており、通常、アクリ
ル樹脂あるいはポリエステル樹脂が使用されており、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂も使用することができる。シ
リコン樹脂は透明樹脂であるが、気体の透過性が大きい
ので、生物体の包埋には適していない。したがって、シ
リコン樹脂は主として電気機器などの防水包埋に使用さ
れており、装飾品の分野で使用される場合でも、内容物
は金属ガラス製品などの空中に放置しても変化しないも
のに限られている。
上記従来の生物体を透明樹脂包埋したものにおいて
は、生物体を原色のままで鑑賞できるが、同時に香りを
楽しむことができるようにしたものは知られていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、生物体を透明樹脂包埋して、生物体を原色
のままで鑑賞できると同時に、香りを常時発散して香り
も楽しむことができ、置物として好適なものとし、従来
の樹脂包埋標本の用途範囲を拡大することを目的とする
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意研究の結
果、シリコン樹脂がアルコールなどを相当程度含むこと
ができ、かつ、それを徐々に放出させることが容易であ
ることから、シリコン樹脂に香料を混和したところ、香
料は緩やかに発散し、長期に亘って香気を出し続けるこ
とが分かり、このシリコン樹脂と従来の包埋用樹脂とを
併用することによって、上記の目的を達成することがで
きたのである。
すなわち、本発明は、生物体を脱水ないしは固定処理
した後、乾燥し、その全表面にアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ウレタン樹脂あるいはエポキシ樹脂を塗布
し、これを容器に設置すると共に、容器空隙部を香料を
混和したシリコン樹脂で充填することを特徴とする生物
体の樹脂包埋置物の製造法である。
本発明の生物体は、草花類、観葉植物、魚類などで、
これを樹脂包埋するに当たっては、まず、脱水ないしは
固定処理した後、乾燥を行う。生物体の樹脂包埋置物を
作るには、腐敗を防止し、生物体の自己分解酵素の活動
を停止させて変色などを押さえるために、脱水ないしは
固定を施さなければならないのは当然であるが、樹脂包
埋置物とする場合は、そのほかに乾燥が必要であり、少
なくとも表面だけでも乾燥させなければならない。乾燥
はそれだけでも固定効果をもっているが、凍結乾燥以外
は変形変色の防止に有効ではないので、一般には、脱水
ないしは固定処理が必要である。
脱水ないしは固定処理および乾燥について具体的に述
べると、次のとおりである。
(イ)草花類はピリジン、チオウレアまたは塩化亜鉛な
どを加えたブタノールに浸漬して脱水固定を行う。これ
を加熱乾燥する。
(ロ)魚類はアルコールの30%、50%、70%、純アルコ
ールに、順次浸漬して脱水固定を行う。これを加熱して
表面を乾燥する。
(ハ)シャボテン、多肉植物等の緑色植物は、銅塩類溶
液で酵素固定と同時に、クロロフィルとして安定化させ
る。これを水洗した後、温かい乾燥空気の気流中にお
き、表面のみを乾燥する。
以上のほか、固定剤としては、オスミウム酸、ピクリ
ン酸、硝酸、塩化水銀、塩化白金、その他多種多様であ
るが、生物体の種類と目的に応じて適宜選択される。
上記のように脱水ないしは固定処理した後、乾燥した
ものの全表面に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂あるいはエポキシ樹脂を塗布する。これはシ
リコン樹脂が気体の透過性が大きいので、気体遮断性を
もつ上記の樹脂で生物体をあらかじめ被覆するためのも
のであるが、この被覆は適宜の方法で行うことができ
る。
例えば、前記(イ)の草花類の場合は、加熱乾燥した
後、直ちにアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂あるいはエポキシ樹脂のプレポリマーに硬化剤を加
えたものを塗布し、短時間のうちに硬化被膜を形成させ
る。前記(ロ)の魚の場合は、アルコールで脱水固定し
た後、上記樹脂のモノマーに浸漬してアルコールを樹脂
モノマーと入れ換え、さらに、硬化剤を加えた上記樹脂
のプレポリマーに浸漬した後、取り出して魚の表面部に
染み込んだプレポリマーと、表面に付着したプレポリマ
ーとを一体として加熱重合させ、魚の表層部から全表面
に樹脂の層を形成させる。(ハ)のシャボテン、多肉植
物等の緑色植物の場合は、やはり(イ)と同様に樹脂の
プレポリマーを塗布して、硬化被膜を形成させる。
上記のように、生物体の表面にアクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ウレタン樹脂あるいはエポキシ樹脂を塗布
して被膜を形成させても、この被膜だけでは、通常2〜
3ケ月で褪色してしまう。空気中の酸素や湿気などを完
全に遮断するためには、樹脂層の厚みをミリメートルの
オーダーにする必要があり、樹脂に包埋するのであれば
全く問題はないが、単なる塗布では、それだけの厚みが
得られないためである。しかし、このように被膜を形成
しておけば、気体の透過性が大きいシリコン樹脂を包埋
用樹脂としても、長期に亘ってほぼ完全に生物体の褪色
を防止することができる。
上記のように樹脂の被膜を形成させた生物体を、ガラ
ス製などの内部が透視できる容器、あるいは内部が透視
できない材質のものは上面が広く開口した椀状容器に入
れて適宜に放置する。そして、容器にシリコン樹脂を注
入して、容器の空隙部をシリコン樹脂で充填する。この
際、シリコン樹脂としては、シリコンゲルを用いるのが
好ましい。香料を含むシリコン樹脂から逐次香料が発散
するのであるが、香料が発散して行くにしたがって、シ
リコン樹脂の体積は減少して行くので、シリコンゴムの
場合は、生物体との間に空隙を生じたりして、本来の目
的の気体遮断に悪影響があるだけでなく、見苦しいもの
となることがある。シリコンゲルの場合は、そのような
恐れは全くない。また、香料は嗜好に応じて適宜に選択
使用することができる。
シリコンゴムは粘着性があり、容器開口部を露出して
いると、その表面に塵などが付着するので、これを防止
するためには、露出表面をシリコンゴムの薄膜で被覆す
るのが好ましい。
(発明の効果) 本発明によれば、生物体の表面にアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ウレタン樹脂あるいはエポキシ樹脂の被
膜を形成させることによって、気体の透過性が大きくて
包埋用樹脂としては好ましくないとされていたシリコン
樹脂による生物体の包埋を可能にし、しかも、シリコン
樹脂が含有する香料を緩やかに発散し、長期に亘って香
気を出し続けるので、永く生物体を原色のままで鑑賞で
きると同時に、香りを楽しむことができる。
(実施例) 実施例1 薔薇を、ターシャリーブタノールに固定剤を加えたも
ので脱水し、乾燥した後、表面にウレタン樹脂を塗布し
て乾燥固化させる。その後、さらにアクリル樹脂を塗布
して乾燥させた後、ガラス容器の底部に接着し、硬化剤
を加えたシリコンプレポリマーに薔薇香油の少量を混和
したものを注ぎゲル化させる。ゲル化完了後、表面に薄
くシリコンゴムを流し、硬化させて薄膜をつくり製品と
する。
この場合、ウレタンは花びらに樹脂を密着させるため
であり、アクリルはウレタン中のイソシアネートがシリ
コーンのゲル化を阻害するのを防ぐためである。両者あ
わせて変色防止に役立つ。
実施例2 スズランの花をエチルアルコールで脱水し、温風下で
表面のみを乾燥させ、ただちにエポキシ樹脂のプレポリ
マーに投入し、取り出して透明プラスティックの容器に
入れ、スズラン表面のエポキシ樹脂を硬化させると同時
に、これを容器内に接着する。つぎに、この容器内にア
クリル樹脂を塗布して乾燥させた後、硬化剤を加えたシ
リコンプレポリマーにスズラン香油の少量を混和したも
のを満たしてゲル化させ、小穴の開いた蓋をして製品と
する。
実施例3 菊の花をシリカゲル粉末に埋め完全に乾燥させた後、
アクリル樹脂を塗布してガラス容器の底部に接着する。
以下、実施例2と同様にして製品を得る。
実施例4 凍結真空乾燥をした熱帯魚をポリエステル樹脂でコー
トし、腹部下部に細い糸を結び、その糸の他端を透明容
器の内側の下部に留め、この容器に、硬化剤を加えたシ
リコンプレポリマーに消臭剤および消臭香料の少量を混
和したものを入れてゲル化させ、製品とする。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物体を脱水ないしは固定処理した後、乾
    燥し、その全表面にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
    ウレタン樹脂あるいはエポキシ樹脂を塗布し、これを容
    器に設置すると共に、容器空隙部を香料を混和したシリ
    コン樹脂で充填することを特徴とする生物体の樹脂包埋
    置物の製造法。
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