JP2983523B1 - 優れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シート材 - Google Patents

優れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シート材

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Abstract

【要約】 【課題】 包装後の取り出しの際の食品との剥離性に優
れ、かつ抗菌性にも優れた食品包装用シート材を提供す
る。 【解決手段】 紙、フィルム、不織布、アルミ箔などか
らなる基材シート2の少なくとも一方の面の表面に、有
機酸及び有機酸エステルからなる群より選ばれる1種ま
たは2種以上の抗菌剤と、シリコーン樹脂及びフッ素樹
脂からなる群より選ばれる1種または2種以上の剥離剤
とを含有してなるコート層3を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば食品包装
箱、ラップ等の食品包装用シート、食品同士を仕切るた
めの食品用間仕切材、あるいは肉まん等の蒸し食品の底
面シート等として食品に接触する形態で用いられる、優
れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シート材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、食品を包装するために用いられる
ラップ等の食品包装用シートとしては、その包装された
食品に、カビが発生したり、食中毒の原因となる細菌が
増殖したりするのを防止すべく、抗菌性能を付与せしめ
たものが用いられるようになってきている。
【0003】例えば、特開平9−235490号公報に
は、サイクロデキストリン類とヒバ油との混合物からな
る抗菌剤、バインダー樹脂及び溶媒を含有する抗菌性コ
ーティング剤を紙、フィルム、不織布等のシートにコー
ティングして得られるコーティング製品が記載されてい
る。これによれば、シート表面に抗菌剤を含む被膜がコ
ーティングされているので、包装された食品に対して優
れた抗菌性能が発揮され得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記例
示のコーティング製品をはじめとして従来の抗菌性の食
品包装用シートは、食品包装後の食品取り出しの際に該
シートに食品が貼り付いて取り出しが困難となったり、
あるいは食品の一部がシートに付着して残ってしまう
等、包装後の取り出しの際の食品との剥離性が十分に得
られないという問題があった。
【0005】また、例えばおにぎりやサンドイッチ等の
食品を包装すると、食品表面が水分等でべとつき、包装
された食品の見栄え、食感、風味、品質等が損なわれや
すいという問題があった。
【0006】更に、肉、魚、蒸し食品等を包装して冷凍
保存した後、冷凍庫より取り出した直後に食品包装用シ
ートを剥がすと、その一部が食品に付着残存してしまう
という問題もあった。
【0007】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、包装後の取り出しの際の食品との
剥離性に優れ、かつ抗菌性にも優れた食品包装用シート
材を提供することを第1の目的とする。
【0008】また、この発明は、包装された食品をべと
つかせることがなくて包装された食品本来の見栄え、食
感、風味、品質を保持でき、しかも冷凍状態での剥離性
にも優れた食品包装用シート材を提供することを第2の
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】ところで、食品との剥離
性に優れた食品包装用シートとしては、これまでにも様
々な種類のものが上市されているが、この剥離性に加え
て上記のような抗菌性を十分に兼ね備えたものはない。
即ち、従来、食品包装用シート材として、優れた剥離性
と優れた抗菌性を兼備させることは極めて困難であっ
た。上記両特性の両立を困難にしている原因は、剥離剤
と抗菌剤の両方を含有せしめた組成物を紙等のシートに
塗工してコート層をその表面に形成させた場合、コート
層の最表面にいずれか一方の薬剤が濃縮露出し、もう一
方の薬剤がその最表面に殆ど露出できないためであると
推定される。
【0010】本発明者は、上記目的を達成するために鋭
意研究の結果、剥離剤としてシリコーン樹脂またはフッ
素樹脂を選択し、かつ抗菌剤として有機酸類または有機
酸エステル類を選択することにより、即ちこのような化
合物同士の組み合わせにより、これまで困難であった食
品包装用シート材における優れた剥離性と優れた抗菌性
の両立が可能となることをことを見出すに至り、この発
明を完成した。
【0011】即ち、この発明に係る優れた剥離性を有す
る抗菌性食品包装用シート材は、紙、フィルム、不織
布、アルミ箔等からなる基材シートの少なくとも一方の
面の表面に、有機酸及び有機酸エステルからなる群より
選ばれる1種または2種以上の抗菌剤と、シリコーン樹
脂及びフッ素樹脂からなる群より選ばれる1種または2
種以上の剥離剤とを含有してなるコート層が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0012】特定成分からなる抗菌剤と、特定成分から
なる剥離剤がコート層に含有されているから、一方の薬
剤の含有によって他方の薬剤の作用が阻害されることが
ない、即ち食品包装用シート材として優れた剥離性と優
れた抗菌性を兼備せしめ得る。
【0013】上記において、剥離剤100重量部に対し
て、抗菌剤が0.1〜3.0重量部含有されているのが
好ましく、このような比率で両剤を含有せしめることに
より、一層優れた剥離性および抗菌性を確保し得る。
【0014】また、上記抗菌剤としては、より一層優れ
た抗菌性を確保する観点から、安息香酸エステルを用い
るのが好ましい。
【0015】上記において、JIS P8140で規定
される吸水度が10〜25g/m2である場合には、包
装された食品の表面が水分等でべとつくことがなく、包
装された食品本来の見栄え、食感、風味、品質等が十分
に保持され得る。かつ冷凍状態においても優れた剥離性
が得られる。
【0016】また、上記コート層の形成量は0.8〜
3.0g/cm2 であるのが好ましく、これにより一層
低コストで十分な剥離性及び抗菌性を確保し得る。
【0017】更に、上記コート層はフレキソ印刷等の印
刷手段により塗工形成されたものであるのが好ましい。
これにより一層均一なコート層が形成されるので、上記
諸効果がより確実に得られる。また、印刷により塗工形
成されるものであるからコート部位の設定等を自由に行
い得るという利点もある。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明に係る食品包装用シート
材(1)は、基材シート(2)の片面または両面に、抗
菌剤と剥離剤とを含有してなるコート層(3)が設けら
れたものである。
【0019】前記基材シート(2)としては、特に限定
されず、例えば紙、フィルム、不織布、アルミ箔等が挙
げられる。上記紙としては、平滑性のあるものが好適で
あり、このようなものとしてグラシン紙、模造紙などが
挙げられる。また、基材シート(2)の厚さは、特に限
定されないが、通常20〜100μmのものが用いられ
る。
【0020】一方、前記コート層(3)は、抗菌剤と剥
離剤を必須成分として含有するものであるが、抗菌剤と
しては有機酸及び有機酸エステルからなる群より選ばれ
る1種または2種以上の抗菌剤を用い、かつ剥離剤とし
てシリコーン樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選ばれ
る1種または2種以上の剥離剤を用いる必要がある。こ
のような特定成分同士の組み合わせにより、抗菌剤とし
ての作用と、剥離剤としての作用が相互に阻害しあうこ
とが回避されて、優れた抗菌性と優れた剥離性の両方を
兼ね備えた材料の提供が可能となったものである。この
ような優れた抗菌性により、包装された食品において菌
やかびが生育するのを効果的に抑制することができる。
また、優れた剥離性により、包装後の食品の取り出しを
支障なくスムーズに行うことができる。
【0021】上記有機酸としては、例えば安息香酸、ソ
ルビン酸等が挙げられ、また有機酸エステルとしては、
例えば安息香酸エステル、ソルビン酸エステル等が挙げ
られる。これらの中でも、抗菌剤としては、本発明で使
用される剥離剤との併用(組み合わせ)において一層優
れた抗菌性が発揮され得る安息香酸エステルを用いるの
が好ましい。
【0022】また、剥離剤としては、この発明で使用さ
れる抗菌剤との併用(組み合わせ)において一層優れた
剥離性が発揮され得るシリコーン樹脂を用いるのが好ま
しい。
【0023】前記コート層(3)における抗菌剤と剥離
剤の含有比率は、剥離剤100重量部に対して抗菌剤を
0.1〜3.0重量部とするのが望ましい。上記範囲よ
りも抗菌剤の含有率が小さくなると十分な抗菌性が得ら
れなくなるので好ましくないし、一方上記範囲よりも抗
菌剤の含有率が大きくなると十分な剥離性が得られなく
なるので好ましくない。中でも、剥離剤100重量部に
対して抗菌剤を0.3〜2.5重量部とするのがより望
ましく、更に、剥離剤100重量部に対して抗菌剤0.
5〜2.0重量部とするのが最も望ましい。
【0024】前記コート層(3)は、通常は塗工により
形成されるが、中でも印刷手段によって塗工形成される
のが好ましい。このような印刷手段によれば、一層均一
なコート層が形成されて、より優れた品質を確保するこ
とができるからである。上記印刷手段としては、例えば
フレキソ印刷、グラビア印刷などが挙げられる。
【0025】また、コート層(3)の塗工量(固形分)
は、特に限定されるものではないが、0.8〜3.0g
/cm2 とするのが好ましい。塗工量が0.8g/cm
2 未満では十分な効果(抗菌性、剥離性)が得られなく
なるので好ましくない。また、塗工量が3.0g/cm
2 を超えるとコストが増大する上に、吸水性が低下し
て、包装された食品本来の見栄え、食感、風味、品質を
保持することが困難となるので好ましくない。中でも塗
工量は1.0〜2.0g/cm2 とするのがより好まし
い。
【0026】上記のような塗工を行う場合には、コート
層を形成させるための塗工液としては、上記剥離剤と抗
菌剤を含有する水性エマルジョンを用いるのが望まし
い。有機溶剤を含有するエマルジョンを用いると有機溶
剤がシート中に微量残留してしまうことは避けられず、
安全衛生上好ましくないし、異臭の原因ともなり得るか
らである。なお、このような塗工液には、この発明の効
果を阻害しない範囲で添加剤を適宜含有させることがで
きる。
【0027】上記のような構成に係る本発明の食品包装
用シート材(1)において、その吸水度は、10〜25
g/m2 の範囲にあるのが好ましい。このような範囲で
あれば、包装された食品の表面が水分等でべとつくこと
がなく、食品本来の見栄え、食感、風味、品質等を十分
に保持できるとともに、冷凍状態においても優れた剥離
性を得ることができる。即ち、吸水度が10g/m2
満では、包装された食品のべとつきを十分に防止するこ
とができないし、冷凍状態での剥離性も不十分となるの
で好ましくないし、一方吸水度が25g/m2 を超える
と包装された食品から必要以上に水分が除去されて食品
本来の見栄え、食感、風味、品質等が損なわれやすくな
るので好ましくない。中でも、吸水度は、11〜22g
/m2 の範囲にあるのがより好ましい。なお、上記吸水
度とは、JIS P8140−1998(コッブ法)で規定
される吸水度であり、コート層(3)表面を測定面とし
て測定したものである。
【0028】この発明の食品包装用シート材(1)は、
例えば食品包装用シート、中華蒸し食品等の食品の底面
シート等として、シート形態のままで製品として供され
るのみならず、これを用いて箱や袋状に構成して食品包
装用容器等として、あるいはカップ状に成形して食品仕
切カップ等として用いることができる。以下、具体的な
適用例ごとに詳述する。
【0029】(食品包装用シート)本発明のシート材で
おにぎり等の食品を包装すれば、食品の形状のくずれ等
を防止できるのみならず、食品における菌やかびの増殖
を抑制することができて食品を衛生に保つことができる
し、食品の取り出しの際に食品がシート材に貼り付くこ
とがなく容易に包装を解くことができる。
【0030】(食品の底面シート)中華蒸し食品等の食
品の底面シートとして用いれば、蒸し調理等を行っても
食品がシートに貼り付くことなくシートを容易に剥がす
ことができると共に、保存中において食品における菌や
かびの増殖を抑制することができる。
【0031】(食品包装用容器)本発明のシート材を用
いて箱状あるいは袋状に構成すれば、それぞれ食品包装
用箱(例えば弁当箱)、食品包装用袋体として用いるこ
とができ、内容食品における菌やかびの増殖を抑制する
ことができて食品を衛生に保つことができると共に、取
り出しの際に食品が容器内壁に貼り付いて残ってしまう
ことを防止できる。
【0032】(食品仕切カップ)本発明のシート材をカ
ップ状に成形すれば食品仕切カップとして利用できる。
これを例えば弁当箱内において使用すれば食品同士が混
ざってしまうのを防止できるのはもちろんのこと、その
食品における菌やかびの増殖を抑制でき、かつ取り出し
の際に食品がカップ内壁に貼り付いて残ってしまうこと
を防止できる。また、特にシート基材が紙であれば電子
レンジでの再加熱を行った場合にも同様に食品のカップ
内壁への貼り付きを防止できる。
【0033】なお、この発明の食品包装用シート材は、
必要に応じて紙、フィルム、アルミ箔等と貼り合わせて
用いることもできる。
【0034】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0035】<実施例1>東レ・ダウコーニング・シリ
コーン株式会社製Syl−off7900(剥離剤とし
てシリコーン樹脂を40重量%含有する水性エマルジョ
ンタイプのもの)に、抗菌剤である安息香酸エステル
(パラオキシ安息香酸ブチル)を混合して表1に示す割
合で混合されたコート液を得た。
【0036】このコート液をフレキソ印刷により厚さ2
5μmのグラシン紙に塗工量が1.0g/cm2 となる
ようにコーティングして食品包装用シートを得た。
【0037】<実施例2>コート液として、東芝シリコ
ーン株式会社製SM3000(剥離剤としてシリコーン
樹脂を40重量%含有する水性エマルジョンタイプのも
の)に、安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸ブチ
ル)を混合して表1に示す割合で混合されたコート液を
使用した以外は、実施例1と同様にして食品包装用シー
トを得た。
【0038】<実施例3>コート液として、旭硝子株式
会社製アサヒガードAG−550(剥離剤としてフッ素
樹脂を30重量%含有する水性エマルジョンタイプのも
の)に、安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸ブチ
ル)を混合して表1に示す割合で混合されたコート液を
使用した以外は、実施例1と同様にして食品包装用シー
トを得た。
【0039】<実施例4>抗菌剤として、安息香酸エス
テルに代えてソルビン酸を使用した以外は、実施例1と
同様にして食品包装用シートを得た。
【0040】<実施例5〜10>剥離剤と抗菌剤が表2
に示す割合で混合されたコート液を使用した以外は、実
施例1と同様にして食品包装用シートを得た。
【0041】<比較例1、2>抗菌剤として、安息香酸
エステルに代えて銀ゼオライトを使用した以外は、実施
例1と同様にして食品包装用シートを得た。
【0042】<比較例3>剥離剤として、パラフィンワ
ックスを使用した以外は、実施例1と同様にして食品包
装用シートを得た。
【0043】上記のようにして得られた各シートに対し
て、下記試験法に従い、評価を行った。その結果を表
1、2に示す。なお、各シートの吸水度は下記測定法に
より求めた。
【0044】A.抗菌性試験法 Escherichia coli IFO3972(大腸菌)につい
て、普通ブイヨン培地で37℃で16〜20時間培養し
た菌の培養液を滅菌水溶液で500倍に希釈し、試験菌
液を調製した。この試験菌液1mLを試験片(25cm
2 )表面に滴下した後、フィルムを被せて蓋をし、35
℃で保温した。24時間経過後に、試験片とフィルムに
付着している菌をSCDLP培地を用いてシャーレ中に
十分洗い出し、この洗い出し液1mL中の生菌数を、S
A培地を使用した寒天平板培養法(温度35℃、48時
間)により算出した。次いで、下記計算式に従い、滅菌
率を求めた。下記判定基準に基づき評価を行い、滅菌率
が95%以上であるものを合格とした。
【0045】滅菌率(%)={(試験開始前の生菌数)
−(24時間後の生菌数)}/(試験開始前の生菌数)
×100 (判定基準) 「◎」…滅菌率が99.9%以上 「○」…滅菌率が97%以上99.9%未満 「□」…滅菌率が95%以上97%未満 「△」…滅菌率が60%以上95%未満 「×」…滅菌率が60%未満
【0046】B.剥離性試験法 セロテープ(15mm幅)を貼りつけて20g/cm2
の荷重をかけた状態で24時間放置(温度25℃、湿度
50%)した後、300mm/分の引張速度で180度
剥離試験を行ってセロテープの剥離強度を測定し、下記
判定基準に基づき評価を行い、剥離強度が40(g/1
5mm)未満のものを合格とした。
【0047】(判定基準) 「◎」…剥離強度(g/15mm)が20未満 「○」…剥離強度(g/15mm)が20以上30未満 「□」…剥離強度(g/15mm)が30以上40未満 「△」…剥離強度(g/15mm)が40以上60未満 「×」…剥離強度(g/15mm)が60以上
【0048】C.食品のべとつき防止性評価法 各シートを用いて常温のおにぎりを包み込み、この状態
で常温にて3時間放置した後、おにぎりを取り出し、そ
の表面のべとつき感を下記判定基準に基づき評価した。
【0049】(判定基準) 「◎」…表面のべとつきがない 「○」…表面のべとつきがほとんどない 「△」…表面がべとついている 「×」…表面が顕著にべとついている
【0050】D.冷凍時の剥離性 各シートを用いて常温のおにぎりを包み込んだ後、この
状態で冷凍庫に入れ24時間後に取り出し、直ちにシー
トを剥がし取り、その時の剥離性を下記基準に基づき評
価した。
【0051】(判定基準) 「◎」…何ら支障なく食品を取り出すことができ、剥離
性に優れていた 「○」…殆ど支障なく食品を取り出すことができ、十分
な剥離性を示した 「△」…シートの一部が食品に付着残存した 「×」…食品への付着が強く食品の取り出しが困難であ
った
【0052】E.吸水度測定法 JIS P8140−1998(コッブ法)に準拠して吸水
度を測定した。即ち、試験片面積を100cm2 とし、
接触時間30秒(水を捨てるまでの時間:20秒)の試
験条件で試験を行い、吸水度を求めた。吸水度の計算は
次式による。
【0053】吸水度(g/m2 )=(試験片の湿潤重量
−試験片の乾燥重量)×100
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】表から明らかなように、この発明の実施例
1〜10の食品包装用シートは、優れた剥離性と優れた
抗菌性を兼ね備えていた。更に、吸水度が特定範囲にあ
る実施例1〜8のシートでは、包装された食品のべとつ
きを防止できると共に、冷凍時の剥離性にも優れてい
た。
【0057】これに対し、比較例1、2のシートは、抗
菌性に劣っていた。また、比較例3のシートは剥離性に
劣っていた。
【0058】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る優れた剥
離性を有する抗菌性食品包装用シート材は、表面のコー
ト層中に特定の抗菌剤と特定の剥離剤を含有するもので
あり、このような特定の薬剤同士の組み合わせに係るも
のであるから、食品包装用シート材として優れた抗菌性
と優れた剥離性を兼備させることができる。即ち、食品
に菌やかびが生育するのを効果的に抑制することができ
ると共に、包装後の食品の取り出しをスムーズに行うこ
とができる。
【0059】剥離剤100重量部に対して抗菌剤が0.
1〜3.0重量部含有されてなる場合には、一層優れた
剥離性及び抗菌性を確保することができる。
【0060】抗菌剤が安息香酸エステルである場合に
は、より一層優れた抗菌性を得ることができる。
【0061】また、JIS P8140で規定される吸
水度が10〜25g/m2 である場合には、包装された
食品の表面のべとつきを防止できて、その食品本来の見
栄え、食感、風味、品質等を十分に保持することができ
るとともに、冷凍状態においても優れた剥離性を確保す
ることができる。
【0062】また、コート層の形成量が0.8〜3.0
g/cm2 である場合には、より低コストで十分な剥離
性及び抗菌性を確保することができる。
【0063】更に、コート層がフレキソ印刷等の印刷手
段により塗工形成されたものである場合には、一層均一
なコート層を形成させることができるので、剥離性、抗
菌性等の特性の部位によるばらつきを抑制することがで
き、一層高品質のものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る食品包装用シート
材を示す断面図である。
【符号の説明】
1…食品包装用シート材 2…基材シート 3…コート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 81/00 - 81/28 A61L 2/00 - 2/16 B32B 7/00 - 7/06 B65D 65/00 - 65/42 B65D 85/00 - 85/50 B65D 1/00 - 1/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙、フィルム、不織布、アルミ箔等から
    なる基材シートの少なくとも一方の面の表面に、 有機酸及び有機酸エステルからなる群より選ばれる1種
    または2種以上の抗菌剤と、シリコーン樹脂及びフッ素
    樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上の剥離
    剤とを含有してなるコート層が設けられていることを特
    徴とする優れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シート
    材。
  2. 【請求項2】 前記剥離剤100重量部に対して、前記
    抗菌剤が0.1〜3.0重量部含有されてなる請求項1
    に記載の優れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シート
    材。
  3. 【請求項3】 前記抗菌剤が安息香酸エステルである請
    求項1または2に記載の優れた剥離性を有する抗菌性食
    品包装用シート材。
  4. 【請求項4】 JIS P8140で規定される吸水度
    が10〜25g/m2 である請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の優れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シー
    ト材。
  5. 【請求項5】 前記コート層の形成量が0.8〜3.0
    g/cm2 である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    優れた剥離性を有する抗菌性食品包装用シート材。
  6. 【請求項6】 前記コート層がフレキソ印刷等の印刷手
    段により塗工形成されたものである請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の優れた剥離性を有する抗菌性食品包装
    用シート材。
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Cited By (3)

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