JP2983419B2 - 回転体のシール - Google Patents

回転体のシール

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JP2983419B2
JP2983419B2 JP5240326A JP24032693A JP2983419B2 JP 2983419 B2 JP2983419 B2 JP 2983419B2 JP 5240326 A JP5240326 A JP 5240326A JP 24032693 A JP24032693 A JP 24032693A JP 2983419 B2 JP2983419 B2 JP 2983419B2
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sealing
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誠一 岩坂
祐一 伊谷
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  • Sealing Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体を構成する回転
軸と固定子との間を密封するシールに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】水、油等が飛散する悪環境下でモータ等
の回転機を使用する際には、回転機内部に水、油等が浸
入しないように防水構造にする必要がある。この際、回
転機の固定子と回転軸との間のシーリングには、一般
に、オイルシールが用いられている。図6はオイルシー
ルを用いた回転体のシールの一例を示す断面平面図であ
る。回転軸3は回転機1の固定子2に軸受け4を介して
回転自在に支持されている。オイルシール5は一般にゴ
ム材から成るリング状の形状をしており、固定子2の回
転軸3が貫装する穴に嵌入されている。オイルシール5
の外周は固定子2に圧接し、その内周は回転軸3に接触
しているので、回転軸3が回転するとオイルシール5は
固定子2側に保持され、オイルシール5と回転軸3との
間に相対速度差が発生する。この構造によれば、回転軸
3と固定子2とがオイルシール5によって密に接触して
いるため、十分なシーリングがなされる。
【0003】図7はラビリンスシールを用いた回転体の
シールの一例を図6に対応させて示す断面平面図であ
り、同一構成箇所は同符号を付して説明を省略する。固
定子2はケース2aとカバー2bとに分離されており、
ケース2aには回転軸3と同心円のリング状の凹凸部6
aが形成されている。回転軸3には回転軸3と同心円の
リング状の凹凸部6bを有する円盤6が嵌入されてお
り、ケース2aの凹凸部6aと円盤6の凹凸部6bとは
互いに凹凸が非接触で交互に噛み合い、ラビリンス構造
を形成している。そして、ラビリンスシール部はカバー
2bにより覆われている。ラビリンスシールは非接触構
造であり、高速回転時にはその回転によって、隙間から
わずかに侵入した水、油等をはじき飛ばし、十分なシー
ル効果がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したオイルシール
を用いた回転体のシールでは、回転体が高速で回転する
場合、オイルシールの回転軸接触部が回転摩擦により、
摩耗、発熱し、オイルシールの寿命を著しく低下させ
る。このため、オイルシールは比較的低速回転で用いら
れる回転体のシーリングとして用いられている。また、
ラビリンスを用いた回転体のシールでは、回転体の停止
時あるいは低速回転時にはその効果は減少し、十分な効
果を発揮できない。このため、ラビリンスシールは常時
高速回転で用いられる回転体のシーリングとして用いら
れている。しかし、工作機械等に用いられるモータ等は
低速回転から高速回転まで幅広い回転速度で使用される
ことが要求され、停止中、回転中にかかわらず、切削液
等が飛散している環境下にある。このため、オイルシー
ル構造では高速回転時のオイルシールの劣化が問題とな
り、ラビリンスシール構造では低速回転時、停止時のシ
ール効果が不十分であるという問題があった。
【0005】本発明は、上述のような事情から成された
ものであり、本発明の目的は、回転体の停止時、およ
び、低速回転から高速回転までの広範な使用条件におい
ても十分なシール効果を発揮し、高速回転においてもシ
ール材の摩耗が起きない回転体のシールを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転体を構成
する回転軸と固定子との間を密封するシールに関するも
のであり、本発明の上記目的は、前記回転軸の回転に従
って径方向に移動する可動手段を有し、前記回転軸に嵌
入されている第1のカラーと、前記回転軸と同心円のリ
ング状の凹凸部および接触型シールを有し、前記可動手
段の移動に従って軸方向に移動するシール手段と、前記
凹凸部と非接触で交互に噛み合うリング状の凹凸部を有
し、前記回転軸に嵌入されている第2のカラーと、前記
接触型シールを前記第2のカラーに接触させるように前
記シール手段を軸方向に押圧する押圧手段とを具備する
ことにより達成される。
【0007】
【作用】本発明にあっては、停止時および低速回転時に
は接触型シールが回転体のシーリングとして作用し、高
速回転時には接触型シールが非接触となり、ラビリンス
シールが回転体のシーリングとして作用するので、広範
な回転速度で使用可能であって長寿命とすることができ
る。
【0008】
【実施例】図1は本発明の回転体のシールの一例を図6
及び図7に対応させて示す断面平面図、図2は図1の一
部断面部分斜視図であり、同一構成箇所は同符号を付し
て説明を省略する。回転軸3には図3に示すような放射
状の案内溝を有したカラー9が嵌入されており、カラー
9の各案内溝にはそれに挿入可能な案内突起を有した可
動おもり10がそれぞれ配置されている。可動おもり1
0の外周面はテーパ状になっており、その外周面に平行
な図4に示すようなテーパ状内周を有するリング状の可
動カラー11が可動おもり10の外周上に配置されてい
る。
【0009】円盤状のシール部材8は軸受け12を介し
て可動カラー11に支持されており、また、案内15で
カバー2cにガイドされているため、可動カラー11が
回転してもシール部材8は回転しない。シール部材8に
は回転軸3と同心円のリング状の凹凸部6bとリング状
のゴム等からなる接触型シール7とが備えられている。
回転軸3が停止中あるいは低速で回転している時に
は、図1に示すようにシール部材8はカラー16を介し
てバネ13で円盤6の方向に押されている。このとき、
接触型シール7は円盤6に接触し、回転体は密閉され
る。
【0010】回転軸3が高速で回転しているときには、
図5に示すように、可動おもり10は遠心力でラジアル
方向に動き、可動カラー11を矢印Aの方向に動かす。
このとき、可動カラー11に軸受け12を介して支持さ
れているシール部材8も矢印Aの方向に移動し、接触型
シール7は円盤6と非接触となる。なお、カバー2dに
はドレン穴17があり、凹凸部6a、6bあるいは接触
型シール7で遮断された水、油等は円周上を流れ、ドレ
ン穴17から排水される。カバー2dとシール部材8と
の間には隙間18があり、ここからの回転体内部への
水、油等の侵入はダイヤフラム14によって遮断され
る。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明の回転体のシールに
よれば、停止時および低速回転時には接触型シールが回
転体のシーリングとして作用し、高速回転時には接触型
シールが非接触となり、ラビリンスシールが回転体のシ
ーリングとして作用するので、広範な回転速度で使用可
能な長寿命の回転体のシールが得られ、工作機械等への
適用が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転体のシールの一例を示す断面平面
図である。
【図2】図1の一部断面部分斜視図である。
【図3】図1の主要部の一例を示す斜視図である。
【図4】図1の別の主要部の一例を示す斜視図である。
【図5】図1に示すシールの動作時の一例を示す断面平
面図である。
【図6】従来の回転体のシールの一例を示す断面平面図
である。
【図7】従来の回転体のシールの別の一例を示す断面平
面図である。
【符号の説明】
1 回転機 2 固定子 3 回転軸 4 軸受け 5 オイルシール 6 円盤 7 接触型シール 8 シール部材 9 カラー 10 可動おもり 11 可動カラー 12 軸受け 13 バネ 14 ダイヤフラム 15 案内 16 カラー 17 ドレン穴 18 隙間 2a ケース 2b カバー 2c ケース 2d カバー 6a 凹凸部 6b 凹凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 15/54 F16J 15/16 F16J 15/447

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体を構成する回転軸と固定子との間
    を密封するシールにおいて、前記回転軸の回転に従って
    径方向に移動する可動手段を有し、前記回転軸に嵌入さ
    れている第1のカラーと、前記回転軸と同心円のリング
    状の凹凸部および接触型シールを有し、前記可動手段の
    移動に従って軸方向に移動するシール手段と、前記凹凸
    部と非接触で交互に噛み合うリング状の凹凸部を有し、
    前記回転軸に嵌入されている第2のカラーと、前記接触
    型シールを前記第2のカラーに接触させるように前記シ
    ール手段を軸方向に押圧する押圧手段とを備えたことを
    特徴とする回転体のシール。
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