JP2983180B2 - コンクリート構造物の施工法と植生可能なコンクリートパネル - Google Patents
コンクリート構造物の施工法と植生可能なコンクリートパネルInfo
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- JP2983180B2 JP2983180B2 JP9050950A JP5095097A JP2983180B2 JP 2983180 B2 JP2983180 B2 JP 2983180B2 JP 9050950 A JP9050950 A JP 9050950A JP 5095097 A JP5095097 A JP 5095097A JP 2983180 B2 JP2983180 B2 JP 2983180B2
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- concrete
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダム、護岸、砂防
ダム、擁壁などのコンクリート構造物または建築物の表
面に植物を生育させ、コンクリート構造物の外観を自然
環境に溶けこませるようにした構築方法と、この構築方
法に使用する型枠や化粧用外装材として利用できる植生
可能なコンクリートパネルに関する。
ダム、擁壁などのコンクリート構造物または建築物の表
面に植物を生育させ、コンクリート構造物の外観を自然
環境に溶けこませるようにした構築方法と、この構築方
法に使用する型枠や化粧用外装材として利用できる植生
可能なコンクリートパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6−257162号、特開平5−
98654号に示されるようにコンクリートの基板上に
多孔質コンクリートを設け、その空隙部に土壌、保水
材、肥料等の混合物からなる植生基盤を充填してコンク
リート構造物の表面に植物を生育させる工法や、特開平
4−34125号に示されるように空隙部に吸水ポリマ
ーを含む植生基盤を充填した多孔質コンクリートとモル
タル製のベースからなる捨て型枠を用い植生可能な擁壁
を構築する工法がコンクリート構造物の表面を植生する
方法として提案されている。
98654号に示されるようにコンクリートの基板上に
多孔質コンクリートを設け、その空隙部に土壌、保水
材、肥料等の混合物からなる植生基盤を充填してコンク
リート構造物の表面に植物を生育させる工法や、特開平
4−34125号に示されるように空隙部に吸水ポリマ
ーを含む植生基盤を充填した多孔質コンクリートとモル
タル製のベースからなる捨て型枠を用い植生可能な擁壁
を構築する工法がコンクリート構造物の表面を植生する
方法として提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、限定された植
生基盤であるため植物に必須の水分が不足し、植物の生
育が不十分であり、発芽及び初期生育はしても、根系が
発達して水分吸収量が増加すると、空隙部の水分だけで
は不足して枯死、或いは衰弱して十分に生育しないので
短期間は緑化されても長期にわたりコンクリート構造物
を緑化することはできなかった。
生基盤であるため植物に必須の水分が不足し、植物の生
育が不十分であり、発芽及び初期生育はしても、根系が
発達して水分吸収量が増加すると、空隙部の水分だけで
は不足して枯死、或いは衰弱して十分に生育しないので
短期間は緑化されても長期にわたりコンクリート構造物
を緑化することはできなかった。
【0004】本発明は、植物が長期にわたり生育できる
とともに、十分な強度を有し、さらに、打設コンクリー
トやアルカリ成分が浸出して植栽に悪影響を与えないコ
ンクリート構造物の施工法とそれに使用するパネルの提
供を目的とする。
とともに、十分な強度を有し、さらに、打設コンクリー
トやアルカリ成分が浸出して植栽に悪影響を与えないコ
ンクリート構造物の施工法とそれに使用するパネルの提
供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、連続した空隙部を有するコンクリート
層即ち多孔質コンクリートを上層とし、セメントペース
トを通さない基板を下層として構成される2層構造にし
た。空隙部は体積比率で15%以上45%未満、好まし
くは20%〜35%の範囲であり、空隙部に充填した植
生基盤に、種子或いは苗を埋設することによって、植栽
した植物が長期にわたって繁茂し、コンクリート構造物
を緑化することを可能にしたものである。
解決するために、連続した空隙部を有するコンクリート
層即ち多孔質コンクリートを上層とし、セメントペース
トを通さない基板を下層として構成される2層構造にし
た。空隙部は体積比率で15%以上45%未満、好まし
くは20%〜35%の範囲であり、空隙部に充填した植
生基盤に、種子或いは苗を埋設することによって、植栽
した植物が長期にわたって繁茂し、コンクリート構造物
を緑化することを可能にしたものである。
【0006】さらに、植え付ける植物としてSedum属植
物、或いは分類学上Sedum属植物として扱われる場合の
あるHylotelephium属植物、 Rhodiola属植物、Orostach
ys属植物を用いることで前記問題を解決したのである。
物、或いは分類学上Sedum属植物として扱われる場合の
あるHylotelephium属植物、 Rhodiola属植物、Orostach
ys属植物を用いることで前記問題を解決したのである。
【0007】
【発明の実施の形態】 パネルの製造方法 2層構造のパネルの製造方法を以下に概説する。図1に
示すようにパネル1は、基板となる下層11と連続した
空隙を有する上層12とから構成されている。このパネ
ル1の空隙部2に植生基盤を設け、種または苗を埋設
し、植栽3とする。
示すようにパネル1は、基板となる下層11と連続した
空隙を有する上層12とから構成されている。このパネ
ル1の空隙部2に植生基盤を設け、種または苗を埋設
し、植栽3とする。
【0008】1回打設型 コンクリートの粗骨材/ペースト比率を調整して、粗骨
材を多くして上層に空隙が多くできるようにする作成方
法で、粗骨材に対して細骨材はほとんど含ませず、これ
に水とセメント及び添加剤等からなるセメントペースト
を適量配合して粗骨材表面をコーティングし、粗骨材同
士がペースト分によって固化接合させる。ペースト量を
調節することにより、粗骨材の下層はペーストが空隙を
満たし、上層はペーストが不足して空隙が生じるように
する。
材を多くして上層に空隙が多くできるようにする作成方
法で、粗骨材に対して細骨材はほとんど含ませず、これ
に水とセメント及び添加剤等からなるセメントペースト
を適量配合して粗骨材表面をコーティングし、粗骨材同
士がペースト分によって固化接合させる。ペースト量を
調節することにより、粗骨材の下層はペーストが空隙を
満たし、上層はペーストが不足して空隙が生じるように
する。
【0009】2回打設型 下層基板のコンクリート板を作成した後、十分に固化す
る前に上層の多孔質コンクリートを重層して作成する方
法であり、下層は通常のコンクリートを打設し、これが
十分に固化する前に上層の多孔質コンクリートを打設す
る。
る前に上層の多孔質コンクリートを重層して作成する方
法であり、下層は通常のコンクリートを打設し、これが
十分に固化する前に上層の多孔質コンクリートを打設す
る。
【0010】接着型 下層の基板と多孔質コンクリートの上層を別々に製作
し、グラウトや接着剤等で両者を接合して作成する。
し、グラウトや接着剤等で両者を接合して作成する。
【0011】充填材 黒土、赤土等を初めとした一般的な植栽用の土壌を篩い
分けして粒度調整し、これにピートモス、ココピート等
の植物繊維質の土壌改良剤を同様に粒度調整してから体
積比にして0〜40%程度混合したものを基本とする。
この基本配合に対して必要に応じて肥料成分や保水機能
性を有する成分を適量配合する。
分けして粒度調整し、これにピートモス、ココピート等
の植物繊維質の土壌改良剤を同様に粒度調整してから体
積比にして0〜40%程度混合したものを基本とする。
この基本配合に対して必要に応じて肥料成分や保水機能
性を有する成分を適量配合する。
【0012】植栽植物種 耐乾燥性の特に優れた種類が必要であり、具体的には植
物分類学上Sedum属植物、或いは分類学上Sedum属植物と
して扱われる場合のあるHylotelephium属植物、Rhodiol
a属植物、Orostachys属植物(改訂増補 牧野新日本植
物図鑑:1989による)が好ましく、特にSedum属植物は
野外において放置状態でも極めて強健で安定な成育状態
を保つ。
物分類学上Sedum属植物、或いは分類学上Sedum属植物と
して扱われる場合のあるHylotelephium属植物、Rhodiol
a属植物、Orostachys属植物(改訂増補 牧野新日本植
物図鑑:1989による)が好ましく、特にSedum属植物は
野外において放置状態でも極めて強健で安定な成育状態
を保つ。
【0013】これらの属の植物の例としては次のような
ものがあるが、本発明に用いることができる種は、ここ
に挙げた種のみに限られるものではなく、これらの属に
属するその他の種、亜種、変種、品種等も含むことは言
うまでもない。
ものがあるが、本発明に用いることができる種は、ここ
に挙げた種のみに限られるものではなく、これらの属に
属するその他の種、亜種、変種、品種等も含むことは言
うまでもない。
【0014】Sedum属植物の例 Sedum japonicum (メノマンネングサ) Sedum salmentosum (ツルマンネングサ) Sedum mexicanum (メキシコマンネングサ) Sedum lineare (オノマンネングサ) Sedum oryzifolium (タイトゴメ) Sedum uniflurum (コゴメマンネングサ) Sedum boninense (ムニンタイトゴメ) Sedum polytrichoides (ウンゼンマンネングサ) Sedum makinoi (マルバマンネングサ) Sedum formosanum (ハママンネングサ) Sedum bulbiferum (コモチマンネングサ) Sedum hakonense (マツノハマンネングサ) Sedum kantschaticum (エゾノキリンソウ) Sedum aizoon (キリンソウ)
【0015】Hylotelephium属植物の例 Hylotelephium sieboldii (ミセバヤ) Hylotelephium cauticolum (ヒダカミセバヤ) Hylotelephium erythrostictum(ベンケイソウ) Hylotelephium spectabile (オオベンケイソウ) Hylotelephium telephium (ムラサキベンケイソ
ウ) Hylotelephium viride (アオベンケイ)
ウ) Hylotelephium viride (アオベンケイ)
【0016】Orostachys属植物の例 Orostachys iwarenge (イワレンゲ) Orostachys malacophyllus (アオノイワレンゲ) Orostachys japonicus (ツメレンゲ)
【0017】Rhodiola属植物の例 Rhodiola rosea (イワベンケイ) Rhodiola ishidae (ホソバイワベンケイ)
【0018】
【実施例、比較例】以下、構造物の型枠として使用した
実施例により、本発明をより具体的に説明する。コンク
リートの配合については表1に充填植生基盤の配合は表
2に示す。
実施例により、本発明をより具体的に説明する。コンク
リートの配合については表1に充填植生基盤の配合は表
2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】実施例1 表1の配合で上層10cm、下層5cmに2層構造のコ
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率25%のパネ
ルを得た。植物生育基盤は表2の配合で作成して空隙
部分に充填した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設した。
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率25%のパネ
ルを得た。植物生育基盤は表2の配合で作成して空隙
部分に充填した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設した。
【0022】このパネルを傾斜度65度、傾斜面方位南
向きで施工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の
80%以上を植物が被覆し、良好に生育していた。ま
た、1年以上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽
くし、コンクリートが全く見えない状態であった。
向きで施工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の
80%以上を植物が被覆し、良好に生育していた。ま
た、1年以上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽
くし、コンクリートが全く見えない状態であった。
【0023】実施例2 表1の配合で上層10cm、下層5cmに2層構造のコ
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率30%のパネ
ルを得た。植物生育基盤は表2の配合で作成して空隙
部分に充填した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設した。
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率30%のパネ
ルを得た。植物生育基盤は表2の配合で作成して空隙
部分に充填した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設した。
【0024】このパネルを傾斜度65度、傾斜面方位南
向きで施工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の
80%以上を植物が被覆し、良好に生育していた。ま
た、1年以上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽
くし、コンクリートが全く見えない状態であった。
向きで施工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の
80%以上を植物が被覆し、良好に生育していた。ま
た、1年以上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽
くし、コンクリートが全く見えない状態であった。
【0025】実施例3 表1の配合で上層10cm、下層5cmに2層構造のコ
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率30%のパネ
ルを得た。さらに、空隙を有するコンクリートの表面に
幅2cm深さ2cmの溝が4cm間隔で配置されるよう
に成型した。溝と空隙部分に充填する土壌は表2の配合
で作成して空隙部分に充填した。植物はHylotelephiu
m sieboldii、Hylotelephium erythrostictum、Orostac
hys japonicus、Rhodiola roseaの苗を各々単独で植物
生育基盤に埋設して植栽し、傾斜度65度、傾斜面方位
南向きで施工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面
の80%以上を植物が被覆し、良好に生育していた。ま
た、1年以上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽
くし、コンクリートが全く見えない状態であった。
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率30%のパネ
ルを得た。さらに、空隙を有するコンクリートの表面に
幅2cm深さ2cmの溝が4cm間隔で配置されるよう
に成型した。溝と空隙部分に充填する土壌は表2の配合
で作成して空隙部分に充填した。植物はHylotelephiu
m sieboldii、Hylotelephium erythrostictum、Orostac
hys japonicus、Rhodiola roseaの苗を各々単独で植物
生育基盤に埋設して植栽し、傾斜度65度、傾斜面方位
南向きで施工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面
の80%以上を植物が被覆し、良好に生育していた。ま
た、1年以上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽
くし、コンクリートが全く見えない状態であった。
【0026】実施例4 表1の配合で上層10cm、下層5cmに2層構造のコ
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率30%のパネ
ルを得た。さらに、空隙部を有するコンクリートの表面
に縦2cm、横2cm、深さ2cmのくぼみが出来るよ
うに成型した。くぼみと空隙部分に充填する植物育成基
盤は表2の配合である。植物はHylotelephium siebol
dii、Hylotelephium erythrostictum、Orostachys japo
nicus、Rhodiola roseaの苗を各々単独で植物生育基盤
に埋設して植栽し、傾斜度65度、傾斜面方位南向きで施
工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の80%以
上を植物が被覆し、良好に生育していた。また、1年以
上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽くし、コン
クリートが全く見えない状態であった。
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率30%のパネ
ルを得た。さらに、空隙部を有するコンクリートの表面
に縦2cm、横2cm、深さ2cmのくぼみが出来るよ
うに成型した。くぼみと空隙部分に充填する植物育成基
盤は表2の配合である。植物はHylotelephium siebol
dii、Hylotelephium erythrostictum、Orostachys japo
nicus、Rhodiola roseaの苗を各々単独で植物生育基盤
に埋設して植栽し、傾斜度65度、傾斜面方位南向きで施
工し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の80%以
上を植物が被覆し、良好に生育していた。また、1年以
上経過したものは完全に表面を植物が覆い尽くし、コン
クリートが全く見えない状態であった。
【0027】比較例1 表1の配合で上層10cm、下層5cmに2層構造のコ
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率10%のパネ
ルを得た。空隙部分に充填する植物育成基盤は表2の配
合で作成した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設して植栽し、傾斜度65
度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を観察した。夏期
に3ヶ月で表面の10%程度を植物が被覆している状態
で、十分な生育とはいえなかった。また、1年以上経過
したものでも10%程度であり、発展する様子が見られ
なかった。
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率10%のパネ
ルを得た。空隙部分に充填する植物育成基盤は表2の配
合で作成した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設して植栽し、傾斜度65
度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を観察した。夏期
に3ヶ月で表面の10%程度を植物が被覆している状態
で、十分な生育とはいえなかった。また、1年以上経過
したものでも10%程度であり、発展する様子が見られ
なかった。
【0028】比較例2 表1の配合で上層10cm、下層5cmに2層構造のコ
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率45%のパネ
ルを得た。植物育成基盤は表2の配合で作成して空隙
部分に充填した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設して植栽し、傾斜度65
度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を観察した。夏期
に3ヶ月で表面の80%以上を植物が被覆し、良好に生
育していた。しかし、1年以上経過したものは空隙を有
するコンクリート部分が劣化して剥がれ落ち、充填した
植物生育基盤や植物自体も脱落して、表面に植物が覆わ
れている場所が少なかった。
ンクリートを2回打設型で成型し、空隙率45%のパネ
ルを得た。植物育成基盤は表2の配合で作成して空隙
部分に充填した。植物はSedum japonicum、Sedum salme
ntosum、Sedumoryzifolium、Sedum mexicanumの苗を各
々単独で植物生育基盤に埋設して植栽し、傾斜度65
度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を観察した。夏期
に3ヶ月で表面の80%以上を植物が被覆し、良好に生
育していた。しかし、1年以上経過したものは空隙を有
するコンクリート部分が劣化して剥がれ落ち、充填した
植物生育基盤や植物自体も脱落して、表面に植物が覆わ
れている場所が少なかった。
【0029】比較例3 表1の配合で上層10cm、下層5cmに2層構造のコ
ンクリートを成型し、空隙率30%のパネルを得た。植
物育成基盤は表2の配合で作成して空隙部分に充填し
た。植物はバミューダグラス、ケンタッキーブルーグラ
ス、レッドトップ、トールフェスクの各々を用いて植栽
し、傾斜度65度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を
観察した。夏期に3ヶ月で植物の生育は見られなかっ
た。また、1年以上経過したものでも植物の生育が見ら
れなかった。
ンクリートを成型し、空隙率30%のパネルを得た。植
物育成基盤は表2の配合で作成して空隙部分に充填し
た。植物はバミューダグラス、ケンタッキーブルーグラ
ス、レッドトップ、トールフェスクの各々を用いて植栽
し、傾斜度65度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を
観察した。夏期に3ヶ月で植物の生育は見られなかっ
た。また、1年以上経過したものでも植物の生育が見ら
れなかった。
【0030】比較例4 表1の配合で厚さ15cmにコンクリートは一層で成型
し、空隙率30%のパネルを得た。植物育成基盤は表2
の配合で作成して空隙部分に充填した。植物は Sedu
m japonicum、Sedum salmentosum、 Sedum oryzifoliu
m、Sedum mexicanumの苗を各々単独で植物生育基盤に埋
設して植栽し、傾斜度65度、傾斜面方位南向きで施工
し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の50%程度
を植物が被覆し、やや良好に生育していた。しかし、1
年以上経過したものは植物の生育が衰え、10%程度の
被覆状況であった。
し、空隙率30%のパネルを得た。植物育成基盤は表2
の配合で作成して空隙部分に充填した。植物は Sedu
m japonicum、Sedum salmentosum、 Sedum oryzifoliu
m、Sedum mexicanumの苗を各々単独で植物生育基盤に埋
設して植栽し、傾斜度65度、傾斜面方位南向きで施工
し、経過を観察した。夏期に3ヶ月で表面の50%程度
を植物が被覆し、やや良好に生育していた。しかし、1
年以上経過したものは植物の生育が衰え、10%程度の
被覆状況であった。
【0031】比較例5 2層構造のコンクリートは、表1の配合で上層10c
m、下層5cmに2回打設型で成型した。空隙部分に植
物生育基盤を充填せずに直接植物を植え付けた。植物
は、Sedum japonicum、Sedum salmentosum、Sedum oryz
ifolium、Sedum mexicanumの苗を各々単独で植栽し、傾
斜度65度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を観察し
た。夏期に3ヶ月で植物は全く生育せずに枯死した。
m、下層5cmに2回打設型で成型した。空隙部分に植
物生育基盤を充填せずに直接植物を植え付けた。植物
は、Sedum japonicum、Sedum salmentosum、Sedum oryz
ifolium、Sedum mexicanumの苗を各々単独で植栽し、傾
斜度65度、傾斜面方位南向きで施工し、経過を観察し
た。夏期に3ヶ月で植物は全く生育せずに枯死した。
【0032】以上のことから、連続した空隙部は、体積
比率で15%以上45%未満とすることが植物の育成に
必要であり、植え付ける植物としては、耐乾燥性植物で
あること、好ましくは、Sedum属植物、Hylotelephium属
植物、Rhodiola属植物、Orostachys属植物とすることが
コンクリート構造物の緑化に必要であることが理解でき
る。
比率で15%以上45%未満とすることが植物の育成に
必要であり、植え付ける植物としては、耐乾燥性植物で
あること、好ましくは、Sedum属植物、Hylotelephium属
植物、Rhodiola属植物、Orostachys属植物とすることが
コンクリート構造物の緑化に必要であることが理解でき
る。
【0033】
【発明の効果】本発明は、体積比率で15%以上45%
未満の連続した空隙部を有する多孔質コンクリートを上
層とし、セメントペーストを通さない基板を下層として
構成した2層構造であり、下層の基板によって、型枠や
外装材として必要な強度を持たせてあるので、コンクリ
ート構造物の外装材や型枠として使用できる。
未満の連続した空隙部を有する多孔質コンクリートを上
層とし、セメントペーストを通さない基板を下層として
構成した2層構造であり、下層の基板によって、型枠や
外装材として必要な強度を持たせてあるので、コンクリ
ート構造物の外装材や型枠として使用できる。
【0034】上層の空隙部には植物育成基盤を充填し、
植栽を乾燥に強いSedum属植物としたので、植物がコン
クリート表面に長期間継続的に生育し、無機質なコンク
リート表面を植物で覆うことが可能となった。
植栽を乾燥に強いSedum属植物としたので、植物がコン
クリート表面に長期間継続的に生育し、無機質なコンク
リート表面を植物で覆うことが可能となった。
【図1】この発明のパネルの斜視図である。
1 パネル 11 下層 12 上層 2 空隙部 3 植栽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E02D 29/02 311 E02D 29/02 311 E04F 13/14 102 E04F 13/14 102A E04B 2/86 601V (56)参考文献 特開 昭63−164818(JP,A) 特開 平4−34125(JP,A) 特開 平8−128061(JP,A) 特開 平8−144286(JP,A) 特開 平8−184048(JP,A) 特開 平8−205671(JP,A) 特開 平9−195290(JP,A) 特開 平10−136773(JP,A) 特開 平10−280362(JP,A) 特公 昭53−23121(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 17/20 102 E02D 17/20 103 E02D 29/02 311 E04F 13/14 102 E04B 2/86 601
Claims (6)
- 【請求項1】 体積比率で15%以上45%未満である
連続した空隙部を有する多孔質コンクリートの上層と、
セメントペーストを通さない下層とからなり、上層の空
隙部に耐乾燥性植物の種子または苗を有する植生基盤を
充填した植生可能なコンクリートパネルを永久型枠とし
てコンクリート構造物を構築するコンクリート構造物の
施工法。 - 【請求項2】 体積比率で15%以上45%未満である
連続した空隙部を有する多孔質コンクリートの上層と、
セメントペーストを通さない下層とからなり、上層の空
隙部に耐乾燥性植物の種子または苗を有する植生基盤を
充填した植生可能なコンクリートパネルをコンクリート
構造物の外装材として貼り付けるコンクリート構造物の
施工法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、上層の表面
に、植物植え付け用の窪みまたは溝を有するコンクリー
ト構造物の施工法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、耐乾
燥性植物は、Sedum属植物、Hylotelephium属植物、Rhod
iola属植物、Orostachys属植物の1もしくは複数を組み
合わせたものであるコンクリート構造物の施工法。 - 【請求項5】 体積比率で15%以上45%未満である
連続した空隙部を有する多孔質コンクリートの上層と、
セメントペーストを通さない下層とからなり、上層の空
隙部に耐乾燥性植物として、Sedum属植物、Hylotelephi
um属植物、Rhodiola属植物、Orostachys属植物の1もし
くは複数を組み合わせた種子または苗を植え付けた植生
基盤を充填した植生可能なコンクリートパネル。 - 【請求項6】 請求項5において、上層の表面に、植物
植え付け用の窪みまたは溝を有する植生可能なコンクリ
ートパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9050950A JP2983180B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | コンクリート構造物の施工法と植生可能なコンクリートパネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9050950A JP2983180B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | コンクリート構造物の施工法と植生可能なコンクリートパネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10231576A JPH10231576A (ja) | 1998-09-02 |
JP2983180B2 true JP2983180B2 (ja) | 1999-11-29 |
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ID=12873114
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-
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- 1997-02-19 JP JP9050950A patent/JP2983180B2/ja not_active Expired - Fee Related
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