JP2982898B1 - フィルター - Google Patents

フィルター

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JP2982898B1
JP2982898B1 JP10250367A JP25036798A JP2982898B1 JP 2982898 B1 JP2982898 B1 JP 2982898B1 JP 10250367 A JP10250367 A JP 10250367A JP 25036798 A JP25036798 A JP 25036798A JP 2982898 B1 JP2982898 B1 JP 2982898B1
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 使用後のフィルター類を産業廃棄物としての
廃棄を最小限にして、主要な構成部品を廃棄することな
く何回もリサイクル化を図り、もって環境汚染、環境破
壊を防止すること。また、フィルターでの異物の捕捉量
を従来より増大させて、ランニングコストを低くし、さ
らにフィルター類のリサイクル化を図ることでコストダ
ウンを図り、もって消費者に多大の利益を与えること。 【解決手段】 フィルター1を、金属製の支持体2と、
このボディ2の外周面に着脱自在に装着する濾過材4と
で構成する。支持体2及び濾過材4はジグザグ状に折曲
して全体を略円筒状に形成する。濾過材4の周面にジグ
ザグ状の空間の部分を異物を捕捉する捕捉部14として
いる。また、濾過材4は油分を吸収しない不織布で構成
している。フィルター1を交換する場合には、濾過材4
のみを交換し、金属製の支持体2は再使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライクリーニン
グ機に使用されるフィルターや、自動車、建設,土木車
両のエンジンの回りに使用されるオイルフィルター、エ
アーフィルターなどのフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図23は全自動式のドライクリーニング
機51の正面図を示しており、このドライクリーニング
機51の正面の上部には操作パネル52が設けられてい
る。そして、この操作パネル52の下方の扉を介して洗
濯物を洗浄する回転式のドラム53が配設されており、
ドライクリーニング機51の下部には両開きの扉54、
55が開閉自在に設けてある。この扉54、55の奥方
には、上記ドラム53から流出される繊維屑などのゴミ
を取り除くフィルターを収納しているフィルターケース
56と、洗浄用の溶剤の臭いを取るための活性炭を収納
している活性炭ケース57と、溶剤を入れておく溶剤タ
ンク58等が配設されている。
【0003】図24はドライクリーニング機51の溶剤
の流れを示す概略ブロック図を示し、ドラム53、フィ
ルターケース56、活性炭ケース57、溶剤タンク58
を環状に結ぶ配管の途中にポンプ59を介設し、このポ
ンプ59を駆動することで、溶剤タンク58内の溶剤を
図中の矢印に示す方向に還流させている。これにより所
定の時間ドラム53を回転させることで、ドラム53内
の衣服などを洗濯し、フィルターケース56内のフィル
ターにて繊維屑等のゴミを取って溶剤のみを濾過し、次
の活性炭ケース57内の活性炭にて溶剤の臭いを取って
いる。
【0004】図25は、円筒状の上記フィルターケース
56内にフィルター61を2個納装している状態の分解
斜視図を示している。フィルターケース56の中心部に
は軸方向に沿って軸棒62が配設されており、この軸棒
62に円筒状のフィルター61をフェルトパッキン6
3、押さえ板64を介して装着され、外側から蓋65を
ボルト止めすることで、フィルター61がフィルターケ
ース56内に納装されることになる。なお、66はゴム
パッキンで、上記蓋65とフィルターケース56の前端
面との間に介装されて内部を密封するものである。
【0005】図26は上記フィルター61の斜視図を示
し、このフィルター61は図27及び図28に示すよう
に、ブリキ等の金属製で円筒状のボディ69と、このボ
ディ69の外周面に装着される紙製の濾過紙73とで構
成されている。上記ボディ69の両側にはフランジ部7
0が一体的に形成されていて、またボディ69の胴部7
1には多数の通流孔72が所定の間隔毎に穿設されてい
る。紙製の濾過紙73は、ジグザグ状に折曲形成されて
おり、この濾過紙73をボディ69の外周面に装着して
いる。ここで、濾過紙73の折り畳み具合であるが、周
知のようにかなり密に折曲されており、折曲した濾過紙
73の厚みと隙間の寸法が同じぐらいである。なお、こ
の種のドライクリーニング機51に使用されるフィルタ
ー61の大きさは、外径が34cm、軸方向の長さが4
5cmぐらいである。
【0006】次にこのドライクリーニング機51の作用
について簡単に説明する。ポンプ59が駆動されるとフ
ィルター61の胴部71の内側は負圧になり、溶剤等の
流体はドラム53からフィルター61の紙製の濾過紙7
3、通流孔72を介して流れる。ドラム53から流出さ
れる繊維屑等のゴミは濾過紙73の表面に付着し、大き
なゴミは濾過紙73の外周面や折曲している空間の部分
に付着する。そして、細かいゴミは紙製の濾過紙73自
体で阻止され、液体の溶剤は濾過紙73で濾過されて浄
化し、フィルター61の通流孔72から胴部71の内部
へと流れ、次の工程の活性炭ケース57へと流れる。
【0007】洗濯の回数が増加していくにしたがい、フ
ィルター61に多くのゴミが付着することで、配管内の
気圧が所定値になり、それによりフィルター61を交換
することになる。そして、図25に示すように蓋65を
外してフィルターケース56内のフィルター61を取り
出し、新しいフィルター61と交換する。
【0008】図29は車両のエンジン部分の概略ブロッ
ク図を示し、この部分にもオイルフィルター86が用い
られている。これらの構成は周知な事項なので詳細な説
明は省略するが、ガソリンエンジンやディーゼルエンジ
ンでは、オイルパン80に溜まったオイルがオイルポン
プ81によりオイルフィルター86を介して、ピストン
76が往復運動しているシリンダー75、カムシャフト
77、ロッカーアーム78、クランクシャフト79など
に送られ、潤滑油(オイル)が循環することで、各部を
潤滑している。上記オイルフィルター86によりエンジ
ン内を循環する潤滑油を綺麗にしている。
【0009】図30は上記オイルフィルター86の斜視
図を示し、このオイルフィルター86の構成は基本的に
図26〜図28に示すフィルター61の場合と同じであ
る。ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいは
建設車両、普通乗用車等によりオイルフィルター86の
大きさや形状が異なるものの、ブリキ等の金属製で円筒
状のボディ87と、このボディ87の外周面にジグザグ
状に折曲した紙製の濾過紙88とで構成されている点は
同じである(図27及び図28参照)。なお、89は濾
過紙88を濾過した潤滑油を通過させるための通流孔で
ある。
【0010】このオイルフィルター86では、エンジン
内、特にシリンダー内で発生する金属粉や燃焼によって
生じるススなどを吸着させてエンジン内を循環する潤滑
油を浄化するものであり、また、ディーゼルエンジン等
では軽油に含まれている硫黄分の塊などを付着させて潤
滑油を濾過するものである。そして、車両の一定期間の
使用月数、走行距離毎に使用したオイルフィルター86
を新しいオイルフィルター86と交換するようになって
いる。
【0011】図31は、エアーフィルター101が用い
られている部分のエアーの流れを示す図であり、エアー
がエアーダクト94を介してエアーフィルター101に
吸い込まれる。エアーフィルター101を介してエアー
は、キャブレター95で気化したガソリンと共にエンジ
ン96のシリンダー内に噴射される。そして、エンジン
96内で燃焼した後の排気ガスは触媒97、マフラー9
8を介して外部に排出されることになる。このエアーフ
ィルター101によりエアーを濾過してゴミや虫などを
除去し、綺麗なエアーをキャブレター95に送ってい
る。
【0012】図32は上記エアーフィルター101の斜
視図を示しており、車両のエンジンの前段側に配設され
るものである。このエアーフィルター101は上記のフ
ィルター61やオイルフィルター86と同様に胴部10
3の全面にわたって多数の通流孔102を穿孔したブリ
キ等の金属製のボディ104と、この偏平円筒形状のボ
ディ104の胴部103の外周面に装着されている紙製
の濾過紙105とで構成されている。
【0013】このエアーフィルター101の作用は空気
を濾過するものであり、ホコリ、ゴミ、虫等を濾過紙1
05によって付着し、綺麗な空気を濾過紙105、通流
孔102を介してエンジン側のキャブレターに供給する
ようになっている。そして、例えば、2〜3年毎、ある
いは一定の距離を走行した場合などに使用したエアーフ
ィルター101を新しいエアーフィルター101と交換
するものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図26、図30及び図
32に示す各フィルター61、86、101の基本的な
構成としては、円筒状で金属製のボディ69、87、1
04と、このボディ69、87、104の外周面に装着
した濾過紙73、88、105とで構成されているもの
である。また、濾過紙73、88、105をジグザグ状
にかなり密に折曲形成してこの部分の谷間で大きなゴミ
を付着させて、細かいゴミ等は濾過紙73、88、10
5自体で付着して溶剤、潤滑油、空気等を浄化してい
る。そして、濾過紙73、88、105を紙製としてい
ることで、フィルター61、86、101の価格の上昇
を抑えるようにしている。
【0015】ところが、かかるフィルター61、86、
101は以下に示すような問題点を有するものである。
特に、ドライクリーニング機51に使用されるフィルタ
ー61は大きさも外径が34cm、軸方向の長さが45
cmであり、このフィルター61に使用される濾過紙7
3の長さは20m位である。そして、一定の洗濯回数、
あるいは所定の気圧になる場合まで使用した場合には、
濾過紙73は油性の溶剤を吸収しているため、フィルタ
ー61自体の重さが非常に重くなっている。そのため、
フィルター61の交換作業が非常にやりにくいという問
題がある。特に、使用したフィルター61の再生という
ことが行なわれておらず、すべて産業廃棄物として廃棄
(埋立など)されているのが現状である。この産業廃棄
物の廃棄料金として約3,000円もかかり、事業者は
高負担に苦しんでいる。このことは、クリーニング料金
として消費者に跳ね返るものであり、消費者にも不利益
を与えている。
【0016】また、濾過紙73、88、105はかなり
密にジグザグ状に折曲されているので、異物を捕捉する
量が限られている。特に、ドライクリーニング機51に
使用されるフィルター61においては、異物が衣服等の
繊維屑であるため、フィルター61の異物の捕捉量の限
界に直ぐに達してしまい、フィルター61の交換を早く
しなければならないという問題がある。そのため、フィ
ルター61のランニングコストが高くつき、この理由に
よってもクリーニング料金に跳ね返ってクリーニング費
用が高くなることになる。もちろん、これらの問題は車
両のオイルフィルター86やエアーフィルター101の
場合にも同様に言える。
【0017】ここで、フィルター61の廃棄費用より問
題となっているのは、産業廃棄物として廃棄するという
ことである。特に油を吸収しているフィルター61を地
中に埋め立てる場合には、環境汚染の問題が発生し、ま
た、産業廃棄物の埋立場所も限られているというより
は、埋立場所はほとんど無くなって来ているのが現実で
ある。そのため、悪質な産業廃棄物業者の不法投棄が後
を立たないということも現実に生じている。また、これ
らの環境汚染、環境破壊という観点から製品のリサイク
ルを行なうようになってきており、製品の廃棄として埋
立等の投棄を行なうことは、このリサイクル化という運
動にも反することになる。
【0018】図30及び図32に示す車両用のオイルフ
ィルター86、エアーフィルター101も上述と同様で
あり、新品と交換した後の使用済みのオイルフィルター
86及びエアーフィルター101はすべて埋立などの廃
棄処理されており、全くリサイクル化されていない。そ
のため、環境汚染、環境破壊が地球全体にわたって急速
に進んでいる。
【0019】本発明は上述の点に鑑みて提供したもので
あって、使用後のフィルター類を産業廃棄物としての廃
棄を最小限にして、主要な構成部品を廃棄することなく
何回もリサイクル化を図り、もって環境汚染、環境破壊
を防止することを第1の目的とし、また、フィルターで
の異物の捕捉量を従来より増大させて、ランニングコス
トを低くし、さらにフィルター類のリサイクル化を図る
ことでコストダウンを図り、もって消費者に多大の利益
を与えることを第2の目的としたフィルターを提供する
ものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1記載のフィルターでは、多数の穴6を穿孔して略ジグ
ザグ状に折曲し全体を略円筒状に形成した金属製の支持
体2と、材料が不織布で構成され、略ジグザグ状に折曲
して上記支持体2の表面、あるいは内面に沿って着脱自
在に装着したシート状の濾過材4とで構成し、上記濾過
材4の略ジグザグ状に折曲している両側の片で囲まれる
内側の断面が略三角形状の空間部分を異物26を捕捉す
る捕捉部14とし、この捕捉部14の角度を20度〜6
0度の範囲内としていることを特徴としている。
【0021】かかる構成とすることにより、比較的大き
なゴミや不純物等の異物26はジグザグ状に折曲した谷
間の部分で捕捉し、細かい異物26は濾過材4自体で捕
捉される。そして、フィルターを交換する場合には、フ
ィルター自体を廃棄するのではなく、支持体2に着脱自
在に装着している濾過材4だけを取り外して新しい濾過
材4交換する。また、流体が油や油性の溶剤などの場
合には、濾過材4は油を吸収していないので、重量も重
くなっておらず、フィルター自体の交換作業や、濾過材
4の交換作業も容易となる。さらに、上記濾過材4の略
ジグザグ状に折曲している両側の片で囲まれる内側の断
面が略三角形状の空間部分を異物26を捕捉する捕捉部
14とし、この捕捉部14の角度を20度〜60度の範
囲内としていることで、例えば、捕捉部14の角度を上
記範囲内まで広げることで、異物26は捕捉部14が一
杯になるまで捕捉が可能となり、そのため、捕捉部14
による異物26の捕捉量が多くなって濾過材4の交換時
期を遅くでき、濾過材4のランニングコストを低減させ
ることができる。 また、濾過材4の折曲角度を従来のよ
うに二つ折りのように折曲せずに折曲角度を拡げて折曲
片数を少なくすることで、濾過材4の周方向の長さを短
くでき、これにより濾過材4の面積を小さくできて濾過
材4自体のコストを低減させている。また、濾過材4を
支持する支持体2の面積も小さくでき、更には支持体2
の折曲数が増加しないので、金属製の支持体2の材料コ
ストや製造コストを低減させることができる。
【0022】請求項2記載のフィルターでは、上記捕捉
部14にて捕捉した異物26の滑落防止用のネット5を
濾過材4の外周面側、あるいは内周面側に設けている
とを特徴としている。
【0023】このネット5により、捕捉部14の開口面
積が大きくても、捕捉部14で捕捉した異物26の滑落
を防止することができる。
【0024】請求項3記載のフィルターでは、上記ネッ
ト5に代えて不織布を設けていることを特徴としてい
る。
【0025】
【0026】
【0027】請求項4記載のフィルターでは、上記ネッ
ト5は濾過材4に着脱自在に装着されていることを特徴
としている。 請求項5記載のフィルターでは、上記ネッ
ト5に代えた不織布は濾過材4に着脱自在に装着されて
いることを特徴としている。これにより、フィルターの
交換作業が容易となる。
【0028】請求項6記載のフィルターでは、上記濾過
材4には活性炭12を混入していることを特徴としてい
る。これにより、油性の流体内に含まれている油性の臭
いを脱臭することができる。
【0029】請求項7記載のフィルターでは、上記濾過
材4にはシリカゲルを混入していることを特徴としてい
る。かかる構成とすることにより、油性の流体内に混入
している水分をシリカゲルにより吸収でき、油性の流体
からゴミ、繊維屑、金属粉と共に、水分をも除去するこ
とができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。先ず、図23に示すドライクリー
ニング機51に使用されるフィルター1の構成について
説明する。このフィルター1は図1〜図3に示すよう
に、ステンレス、アルミ等の金属製でジグザグ状に折曲
形成した支持体2と、この支持体2の両端を支持するリ
ング円板状の一対のエンドキャップ3、3と、上記支持
体2の表面に沿って配される不織布からなり支持体2と
同様にジグザグ状に折曲形成した濾過材4と、この濾過
材4の表面を覆う不織布からなる偏平なネット5とで構
成されている。上記エンドキャップ3も支持体2と同様
にステンレス、アルミ等の金属製で形成されている。こ
れら支持体2及びエンドキャップ3の材料として、ステ
ンレス、アルミ等を用いているのは、リサイクルとして
何回も使用するためからである。したがって、従来のよ
うにブリキ等は使用していない。
【0031】次に、枠体7の支持体2の表面側に着脱自
在に装着される濾過材4について説明する。濾過材4自
体は油や水分を吸収しない材料からなる不織布で構成さ
れており、全体をジグザグ状に緩く折曲形成されてい
る。そして、支持体2の外周面に着脱自在に装着される
ものである。濾過材4の一部を拡大した断面図を示す図
6に示すように、濾過材4は、不織布からなる上下のシ
ート11で活性炭層12をサンドイッチ構造とした構成
としてある。ここで、濾過材4の上下のシート11は、
材料として例えばポリエステルを用いており、坪量とし
ては30g/m2のものを使用している。また、活性炭
層12の活性炭は20〜100g/m2 程度であり、接
着樹脂にて40〜50g/m2 程度にてシート11と活
性炭とを一体的に接着固定している。この活性炭層12
を含んだ濾過材4により溶剤の臭いを取ると共に、シー
ト11及び活性炭層12によりゴミを付着するようにし
ている。
【0032】なお、上記濾過材4は3層構造としている
が、1層のシート状の不織布に活性炭を混入して濾過材
4を構成するようにしても良い。また、図7に示すよう
に、活性炭を混入しないで1層の不織布で濾過材4を構
成するようにしても良い。ここで、図7に示す濾過材4
も材料は、例えば油や水分を吸収しないポリエチレン、
ポリエステル、ナイロンなどが用いられる。
【0033】ここで、濾過材4の各部の折曲角度である
が、従来の濾過紙73のように折り畳むように折曲して
いるのではなく、フィルター1の断面図を示す図9に示
すように、30度〜45度くらいとして、折曲部分の両
側で囲まれる断面略三角形状の空間部分を異物を捕捉す
る捕捉部14としている。かかる形状の捕捉部14によ
り、後述するように多くの異物を捕捉し、フィルター1
の交換時期を遅らせるようにしている。これにより、フ
ィルター1のランニングコストを低減させている。
【0034】また、濾過材4の折曲角度を従来のように
二つ折りのように折曲せずに折曲角度を拡げて折曲片数
を少なくすることで、濾過材4の周方向の長さを短くで
き、これにより濾過材4の面積を小さくできて濾過材4
自体のコストを低減させている。また、濾過材4を支持
する支持体2の面積も小さくでき、更には支持体2の折
曲数が増加しないので、金属製の支持体2の材料コスト
や製造コストを低減させることができる。なお、濾過材
4の捕捉部14の角度を30度〜45度くらいとして説
明したが、20度〜60度くらいにしても良いが、角度
をあまり小さくすると、濾過材4や支持体2の面積が大
きくなり、また、支持体2等の折曲数が増加するので、
角度はあまり小さくしない方が良い。また、捕捉部14
の角度を大きくした場合には、ネット5を用いること
で、異物26の滑落は防止することができる。
【0035】次に、支持体2の構成について説明する。
図4は折曲前の支持体2の平面図を示し、パンチングメ
タル状の多数の穴6が支持体2のほぼ全体にわたって横
方向、縦方向に連続して穿孔してある。この多数の穴6
により溶剤等の流体を通過させるものであり、不織布か
らなる濾過材4と多数の穴6により低圧力にて流体を流
し易くしている。この平板状の支持体2を図5に示すよ
うに、ジグザグ状に折曲し、支持体2の両側を合わせて
図1及び図2に示すように略円筒状の支持体2を形成し
ている。そして、支持体2の両端にエンドキャップ3を
配し、エンドキャップ3の内面と支持体2の両端の部分
でスポット溶接等を行ない、支持体2とエンドキャップ
3とを組み合わせて略円筒状の枠体7が構成されること
になる。
【0036】本発明のフィルター1は、支持体2とエン
ドキャップ3からなる枠体7と、不織布からなる濾過材
4とで構成することができるが、濾過材4の表面側の空
間部分からなる捕捉部14にて捕捉した異物が滑落する
おそれがある。そこで、濾過材4の外周面側に異物が滑
落するのを防止するために不織布からなるネット5を覆
設するようにしている。なお、ネット5は上述したよう
に本発明の必須構成要件ではない。しかし、ネット5を
用いる方が異物の滑落を防止するのに役立つものであ
る。
【0037】図11は上記ネット5の平面図を示し、濾
過材4と同様に油や水分を吸収しない不織布にてネット
5を構成している。このネット5は、図12〜図14に
示すように、上下の上ベース地18と下ベース地19は
略六角形状を連続した形(所謂蜂の巣の形状)で形成さ
れており、この太めの上ベース地18と下ベース地19
との間を細い縦糸20を無数に編んで構成されている。
そして、ネット5の1つの六角形状の空間部分を溶剤等
の流体が通過する通過部21としている。この通過部2
1の縦方向の寸法は例えば、6〜8mmであり、横方向
の寸法は4〜6mmくらいであるが、流体内に混入する
異物が楽に通過する大きさであれば、特に限定されるも
のではない。しかし、あまり大きくすると捕捉した異物
が通過部21を介して外側に滑落するおそれがあるの
で、異物の大きさを考慮して適宜設定することができ
る。
【0038】ここで、ネット5の材料は、例えば油や水
分を吸収しないポリエチレン、ポリエステル、ナイロン
などの不織布にて構成している。また、このネット5の
編組織はダブルラッセルと呼ばれるものであるが、これ
らに限られるものではなく、溶剤等の流体を容易に通過
させることができて、濾過材4で捕捉した異物を滑落さ
せないものであれば、網状のものであれば良い。
【0039】図11に示すようにネット5の両側の端部
には縦方向の略全長にわたって一対の面状ファスナー2
3、24が装着されていて、支持体2の表面に濾過材4
を装着した後に両側の面状ファスナー23、24にて着
脱自在に容易に装着するようにしている。なお、ネット
5の両側の保持は、上記の面状ファスナー23、24に
限られるものではない。例えば、合成樹脂製の糸でネッ
ト5の両端部分を1回、あるいは複数回縫うことで、ネ
ット5を支持体2に着脱自在に装着するようにしても良
い。
【0040】図9はフィルター1の横方向の断面図を、
図10はフィルター1の縦方向の断面図をそれぞれ示し
ている。図10において図中の矢印は流体(ドライクリ
ーニング機51の溶剤)が流れる方向を示している。
【0041】ここで、濾過材4を図6に示す構成とした
場合には、具体的には以下のものを使用している。すな
わち、濾過材4は、旭化成工業株式会社製で生地の商品
名がセミアと呼ばれているものであり、素材はエステル
と活性炭からなり、活性炭をサンドイッチ構造とした不
織布である。また、目付は、120g/m2 S−3
である。
【0042】なお、濾過材4を構成している部材は、上
記のものが好適例であるが、これらに限られるものでは
なく、繊維屑やゴミの種類や大きさに応じて適宜且つ任
意に変更し得ることは言うまでもない。
【0043】次に、フィルター1の作用について説明す
る。フィルター1は図25に示すようにフィルターケー
ス56内に納装され、図24に示すようにポンプ59が
駆動されることで油性の溶剤が溶剤タンク58、ドラム
53、フィルター1、活性炭ケース57へと循環する。
ドラム53から排出される繊維状の屑や繊維屑の塊はフ
ィルター1で捕捉され、溶剤は浄化されて活性炭ケース
57へと流れる。
【0044】ここで、フィルター1の内部は図10に示
すように、負圧になっており、ネット5の通過部21、
濾過材4及び支持体2の多数の穴6を介して溶剤が流れ
るようになっている。また、フィルター1の内部が負圧
になっていることからネット5や濾過材4はボディ2か
ら容易には外れない。
【0045】次に、図15〜図18により本発明の特徴
的な作用について説明する。なお、図15〜図18に示
す矢印は流体(溶剤)が流れている方向を示している。
図15はフィルター1を交換した直後であり、流体はネ
ット5、断面を略三角形状とした空間部分からなる捕捉
部14、濾過材4、支持体2の多数の穴6を介して流れ
るものであり、図15では捕捉部14には未だ異物が捕
捉されていない状態を示している。
【0046】ドライクリーニング機51を運転し始める
と、図16に示すように捕捉部14の底部にはゴミ、繊
維屑等の異物26が捕捉されだす。捕捉部14にて捕捉
された異物26により流体は異物26を通過しにくくな
って異物26より外側に位置する濾過材4及び穴6を介
して流れることになる。これを繰り返していき、図17
に示すように異物26が捕捉部14にて徐々に堆積され
ていく。図18は捕捉部14の全体にわたって異物26
を捕捉した状態を示し、配管内で所定の圧力値になるま
でフィルター1を使用することができる。なお、比較的
大きな異物26は捕捉部14で捕捉し、小さな異物26
は濾過材4自体で捕捉される。
【0047】ここで、濾過材4の捕捉部14にて異物2
6を捕捉していき、途中で運転を停止しても、濾過材4
の周囲にはネット5が覆設してあるので、異物26を捕
捉部14から滑落することはない。そのため、この異物
26の脱落による配管の詰まりを防止できて、フィルタ
ーケース56内の圧力上昇に伴う誤動作による運転停止
ということもない。また、濾過材4を不織布で構成して
いるので、通気性ないし流通性が従来の紙製の濾過紙の
場合よりも良い。そのため、ドライクリーニング機51
による洗濯回数が従来より2〜4倍程度延ばすことがで
きる。
【0048】ところで、本発明では支持体2の表面に濾
過材4を配設しているが、濾過材4のみでは濾過材4
体が可撓性を有しているので自立が不可能からであり、
そのため、支持体2の表面に濾過材4を配している。ま
た、不織布からなる濾過材4を使用せずに、支持体2自
体を濾過材として使用する場合、支持体2の穴6の径を
小さくして異物を捕捉するようになるが、かかる場合、
穴6が異物により塞がれてしまうと、その部分では異物
の捕捉が不可能となり、全部の穴6が異物にてつまって
しまうと、その時点でフィルターとしての機能がなくな
ってしまうことになる。すなわち、支持体2のみでは、
直ぐに穴6がつまってしまうために、異物の捕捉量が少
なくなり、フィルターの交換時期が早くなり、また、支
持体2から異物を取り除く作業が必要となる。したがっ
て、支持体2と濾過材4からなるフィルターが最も望ま
しいものである。
【0049】なお、ドライクリーニング機51における
フィルター1の交換は、フィルターケース56内の圧力
を常時監視しておき、この圧力が一定以上になった時に
自動的に運転を停止するようになっている。したがっ
て、従来の紙製の濾過紙の場合には、本発明の不織布の
場合と異なって通気性がないので、フィルターケース5
6内の圧力上昇が早くなって自動的に運転が停止される
時期が早くなる。しかし、従来の紙製の濾過紙より不織
布で構成した本発明の濾過材4の方が通気性が良いの
で、フィルターケース56内の圧力上昇は遅くなり、捕
捉部14内に異物26が一杯になるまで捕捉され続け
て、自動的に運転が停止される時期も遅くなり、結果と
して洗濯回数が従来より多くなる。
【0050】上記のようにしてドライクリーニング機5
1を運転していき、フィルター1が目詰まりを起こして
交換を行なう場合には、従来と同様に蓋65を取り外し
て行なう。ここで、従来では、フィルター1の紙製の濾
過紙は油を吸収しているので非常に重くなっていたが、
本発明では、フィルター1の濾過材4をナイロン、ポリ
エステル、ポリエチレン等の不織布で構成しているた
め、油は吸収されておらず、濾過材4が吸着した異物2
6の重量分だけ重くなっているだけである。したがっ
て、本発明のフィルター1は軽量であり、フィルターケ
ース56から一抱えもあるような大きいフィルター1を
取り外す場合にも非常に楽であり、交換作業性が飛躍的
に向上する。
【0051】フィルターケース56からフィルター1を
取り出した後、先ず、ネット5を外した後に、濾過材4
の面状ファスナー23、24を外すことで、支持体2か
ら濾過材4を容易に外すことができる。この時、上述し
たように濾過材4は油を吸収していないので、重量も軽
く濾過材4自体の取り外し作業も容易である。濾過材4
を外した支持体2を水洗いなどを行なって、支持体2の
表面に付着しているゴミ等を取り除いて綺麗にする。そ
して、新しい濾過材4を支持体2に面状ファスナー2
3、24により装着し、ネット5及び濾過材4を装着し
て新しくなったフィルター1をフィルターケース56内
に納装する。そしてドライクリーニング機51の運転が
再度開始可能となる。
【0052】使用してゴミが多く付着している濾過材4
はそのまま廃棄しても良く、また、事業所等で洗ってゴ
ミを取り除いて再度使用するようにしても良い。ここ
で、使用後の濾過材4を廃棄する場合、従来では金属製
のボディと濾過紙とのフィルターごと廃棄して産業廃棄
物として埋め立てていたが、本発明の場合には濾過材4
の焼却が可能である。特に、フィルター1の金属製の支
持体2は廃棄せずに再度の使用を図り(リサイクル
化)、濾過材4のみの廃棄であって、焼却処理を行なう
ので、廃棄コストが従来の埋立とは異なって非常に安価
となる。そのため、クリーニング費用に上乗せされる廃
棄コスト分も少なくて済み、結果としてクリーニング費
用を安くでき、最終的には消費者に多大の利益を与える
ことができるものである。
【0053】また、異物26の捕捉は捕捉部14が完全
に埋まるまで可能であり、そのため、フィルター1つま
り濾過材4の交換時期が遅くなり、ランニングコストを
低減させることができる。つまり、従来の異物26の捕
捉部分は二つ折りに折り畳んだ濾過紙の空間部分であっ
たので、異物26が直ぐに一杯になり、フィルターの交
換時期が早くなっていたのである。更に、フィルター1
を構成している主要部品の金属製の支持体2のリサイク
ル化を図ることで、省資源化を図ることができると共
に、コストダウンをも図ることができるものである。
【0054】また、従来とは異なり、不織布からなる濾
過材4の廃棄は焼却するので、埋立場所も必要ではな
く、環境汚染、環境破壊を伴うこともない。さらに、濾
過材4を不織布で構成しているので、従来とは違って油
を吸収していない。そのため、濾過材4は軽く、運搬費
用も安価であり、また焼却の際にも油を燃やさないの
で、空気を汚染することも非常に少ない。
【0055】濾過材4を構成するものとして、特に目の
粗さは限定されるものでもなく、捕捉する異物26の種
類に応じて適宜決定されるのは言うまでもない。
【0056】(第2の実施の形態)図19は本発明の第
2の実施の形態であるオイルフィルター30の斜視図を
示し、また図20はオイルフィルター30の断面図を示
している。このオイルフィルター30は車両等のエンジ
ンの内部に循環する潤滑油を浄化するものであり、この
オイルフィルター30は容器(図示せず)内に装着され
るものである。
【0057】このオイルフィルター30の構成は、濾過
する流体が異なるものの先の実施の形態のフィルター1
の構成と基本的に同じであり、同じ機能を発揮する要素
には同じ番号を付して詳細な説明は省略する。ただし、
車両のエンジンの容量等の大きさによりこのオイルフィ
ルター30の大きさも当然に異なる。オイルフィルター
30は、先の実施の形態と同様にステンレス、アルミ等
の金属製の支持体2と、この支持体2の外周面に着脱自
在に装着される不織布からなる濾過材4とで構成されて
いる。この濾過材4は、先の実施の形態と同じ構成及び
材料となっている。ただし、エンジンの容量等の大きさ
により濾過材4の目の粗さも異なる。なお、このオイル
フィルター30は、ガソリンエンジンやディーゼルエン
ジンの場合にも使用することができるものである。
【0058】ここで、この実施の形態におけるオイルフ
ィルター30の役目は、潤滑油(エンジンオイル)内の
カーボン粒子を除去することと、潤滑油の劣化物を除去
することである。そして、エンジンオイルによる生成す
るカーボンの大きさとしては、CCクラス、CDクラス
の潤滑油では、1μm前後〜10μmであり、CFクラ
スでは、0.1μm以下(70〜80%)である。な
お、上記CCクラスの潤滑油とは、やや過酷な条件で使
用されるディーゼルエンジンに使用される潤滑油であ
り、デポジット防止性、さび・腐食防止性、スラッジ防
止性を持っている。また、CDクラスの潤滑油とは、過
酷な条件で使用されるディーゼルエンジンに使用される
潤滑油であり、ディーゼルエンジンの潤滑油に求められ
る性能を強化したものである。CFクラスの潤滑油と
は、高硫黄分(0.2%)軽油の使用を対象としたオフ
ロード用ディーゼルエンジンオイルである。なお、上記
のCCクラス、CDクラス、CFクラスといった分類
は、アメリカ石油協会(API)が定めた自動車用潤滑
油の品質規格の分類の一部である。
【0059】また、現在、各メーカーのオイルフィルタ
ーの孔径(濾過紙の目の細かさ)は変わらないが、油量
(エンジンの大小)によってオイルフィルターの大小に
て対応している。また、メインフィルターの孔径は20
μm、バイパスフィルターの孔径は5μmのものが一般
的に使用されている。したがって、オイルフィルター
(メインフィルター、バイパスフィルター)30に使用
する濾過材4の目の細かさもこれに応じて使用する。
【0060】エンジン内の潤滑油は図20の矢印に示す
ように、オイルフィルター30のネット5及び濾過材4
を介して開口部31から流れ出る。濾過材4により潤滑
油は綺麗に浄化されることになる。
【0061】オイルフィルター30を一定期間、あるい
は所定の走行距離に達した場合には交換するが、この場
合にもオイルフィルター30の濾過材4のみを新しい濾
過材4と交換するだけである。使用した濾過材4は不織
布で構成しているので、油は吸収しておらず、不純物や
ゴミだけを付着した濾過材4を廃棄する。また、濾過材
4を交換する場合にも、先の実施の形態と同様に面状フ
ァスナー23、24により着脱が容易に行なえる。この
第2の実施の形態においても、先の実施の形態(ドライ
クリーニング機51のフィルター1)と同様に、オイル
フィルター30全体を廃棄することなく濾過材4のみを
廃棄焼却することになる。これにより先の実施の形態と
同じ効果を発揮するものである。
【0062】(第3の実施の形態)図21及び図22は
本発明の第3の実施の形態を示し、車両のエアーフィル
ター40に適用した場合である。このエアーフィルター
40においても、従来の紙製の濾過紙に代えて不織布か
らなる濾過材4を用いたものである。したがって、この
実施の形態においても第1の実施の形態と同じ機能を発
揮する要素には同じ番号を付して詳細な説明は省略す
る。この実施の形態では、エアーフィルター40に適用
した場合なので、形状は図1や図19に示す場合と異な
り、また流体としては空気である点で異なっているが、
濾過材4の機能ないし作用は同じである。
【0063】このエアーフィルター40では、濾過材4
の構成として、先の実施形態のように活性炭は必要とし
ないので、活性炭を使用していない不織布を使用してい
る。また、エアーフィルター40の支持体2も先の実施
形態と同様に、材質も経年変化に耐えるために、ステン
レスあるいはアルミ等の堅固な金属製の物を使用してい
る。さらに、濾過材4の目の粗さも先の実施の形態の場
合と比べて異なるのも当然である。
【0064】ここで、現在、使用されているエアーフィ
ルターの孔径(目の細かさ)は、以下のようになってい
る。エアーフィルター(表面)は45μm、エアーフィ
ルター(内部)は80μmが一般的である。そこで、こ
のエアーフィルター40に使用する濾過材4のの目の細
かさもこれに応じて使用する。
【0065】そして、エアーフィルター40を一定期
間、あるいは所定の走行距離に達した場合には交換する
が、この場合にもエアーフィルター40の支持体2は再
利用を図り、濾過材4のみを新しい濾過材4と交換する
だけである。使用した濾過材4は虫やゴミやホコリが付
着しており、この濾過材4を廃棄する。また、濾過材4
を交換する場合にも、先の実施の形態と同様に面状ファ
スナー23、24により着脱が容易に行なえる。この第
3の実施の形態においても、先の実施の形態(ドライク
リーニング機51のフィルター1やオイルフィルター3
0)と同様に、エアーフィルター40全体を廃棄するこ
となく支持体2はリサイクル化を図り、濾過材4のみを
廃棄焼却することになる。これにより先の第1、第2の
実施の形態と同じ効果を発揮するものである。
【0066】ここで、上記第1〜第3の実施の形態にお
いては、溶剤、潤滑油、エアー等の流体が外側から内側
に流れる構造のために、濾過材4を支持体2の表面(外
側の面)に着脱自在に配した場合について説明していた
が、これとは逆に流体の流れの方向がフィルターの内側
から外側に流れる場合には、濾過材4を支持体2の裏面
(内側の面)に配するようにしている。すなわち、濾過
材4は異物を捕捉するものであるため、流体の流れの方
向に対して濾過材4を支持体2の前に配置するものであ
る。かかる構成は図示しないが、先の各実施の形態にお
いて濾過材4を支持体2の内側に配置するものである。
この場合において、流体の流れの方向が逆であるだけ
で、異物を捕捉する作用は先の各実施の形態と同じなの
で、説明は省略する。
【0067】また、ネット5を配しない場合でも、本発
明を構成することができるが、上記と同様の理由で、つ
まり捕捉した異物の滑落を防止する目的でネット5を濾
過材4の内側に配するようにしても良い。この場合、円
筒状としたネット5の径は先の実施の形態の場合よりも
小さくできる。
【0068】ところで、上記フィルター1、オイルフィ
ルター30、エアーフィルター40に使用している濾過
材4の材料として、油や水分を吸収させないために不織
布を用いており、不織布の材料としてはナイロン、ポリ
エステル、ポリプロピレン等のいずれを用いても良い
【0069】また、上記各実施の形態において、活性炭
(活性炭層12)を使用している濾過材4においては、
活性炭の代わりにシリカゲル(図示せず)を混入するよ
うにしても良い。さらに、濾過材4を1層の濾過層で構
成した場合に、該濾過層にシリカゲルを混入するように
しても良い。もちろん活性炭と共にシリカゲルを濾過材
4に混入するようにしても良い。これにより流体が油性
としている場合には、シリカゲルにより、ドライクリー
ニング用の溶剤、車両のエンジンオイルに含まれている
水分を吸収するようにしても良い。したがって、濾過材
4にシリカゲルを混入させることで、流体内に含まれて
いるゴミ、屑、不純物、金属粉等を濾過すると同時に、
流体に含まれている水分をも除去することができるもの
である。
【0070】また、濾過材4は上述のように、ドライク
リーニング機51のフィルター1、車両等のエンジン回
りのオイルフィルター30、エアーフィルター40に適
用した場合について説明したが、不純物やゴミ等の流通
を阻止して流体を浄化する他のフィルターにも濾過材4
を適用することができるものである。つまり、上述した
形状及び材料からなる支持体2及び濾過材4とで構成さ
れる本発明のフィルターは、どのような種類の流体(油
の流体、油分を含んだ流体、水の流体等)を浄化する分
野に用いられるフィルターにも適用することができるも
のである。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、例えばドライクリーニ
ング機においては、フィルターの濾過材は油性の溶剤を
吸収しないので、従来のように重くならず、一抱えもあ
る大きさのフィルターの交換作業が非常に楽となり、フ
ィルターの交換作業性が飛躍的に向上するものである。
また、従来の紙製の濾過紙より不織布の濾過材の方が通
気性が良いので、フィルターケース内の圧力上昇は遅く
なり、自動的に運転が停止される時期も遅くなり、結果
として洗濯回数が従来より2〜4倍程度多くなる。
【0072】また、上記濾過材の略ジグザグ状に折曲し
ている両側の片で囲まれる内側の断面が略三角形状の空
間部分を異物を捕捉する捕捉部とし、この捕捉部の角度
を20度〜60度の範囲内としていることで、例えば、
捕捉部の角度を上記範囲内まで広げることで、異物は捕
捉部が一杯になるまで捕捉が可能となり、そのため、捕
捉部による異物の捕捉量が多くなって濾過材の交換時期
を遅くでき、濾過材のランニングコストを低減させるこ
とができる。 また、濾過材の折曲角度を従来のように二
つ折りのように折曲せずに折曲角度を拡げて折曲片数を
少なくすることで、濾過材の周方向の長さを短くでき、
これにより濾過材の面積を小さくできて濾過材自体のコ
ストを低減させている。また、濾過材を支持する支持体
の面積も小さくでき、更には支持体の折曲数が増加しな
いので、金属製の支持体の材料コストや製造コストを低
減させることができる。
【0073】さらに、使用後の濾過材を廃棄する場合、
従来では金属製のボディと濾過紙とのフィルターごと廃
棄して産業廃棄物として埋め立てていたが、本発明の場
合には濾過材の焼却が可能である。特に、フィルターの
金属製の支持体は廃棄せずに再度の使用を図り(リサイ
クル化)、濾過材のみの廃棄であって、焼却処理を行な
うので、廃棄コストが従来の埋立とは異なって非常に安
価となる。そのため、例えば、クリーニング機に使用さ
れるフィルターの場合では、クリーニング費用に上乗せ
される廃棄コスト分も少なくて済み、結果としてクリー
ニング費用を安くでき、最終的には消費者に多大の利益
を与えることができるものである。
【0074】また、従来とは異なり、不織布からなる濾
過材の廃棄として、濾過材の焼却が可能なので、埋立場
所も必要ではなく、環境汚染、環境破壊を伴うこともな
い。さらに、濾過材を不織布で構成しているので、従来
とは違って油を吸収していない。そのため、濾過材は軽
く、運搬費用も安価であり、また焼却の際にも油を燃や
さないので、空気を汚染することも非常に少ない。特
に、フィルターを構成している主要部品の金属製の支持
体のリサイクル化を図ることで、省資源化を図ることが
できると共に、コストダウンをも図ることができるもの
である。
【0075】また、不織布で構成した濾過材を車両等の
オイルフィルターやエアーフィルターに適用した場合に
おいても、オイルフィルター、エアーフィルターそのも
のを廃棄処分とするのではなく、支持体はそのまま再度
の利用を図り、濾過材を交換するだけなので、コストを
安価にでき、また、濾過材の焼却もできて埋立の場合と
は異なり、環境汚染、環境破壊を伴うこともない。特
に、フィルターを構成している主要部品の金属製の支持
体のリサイクル化を図ることで、省資源化を図ることが
できると共に、コストダウンをも図ることができるもの
である。このように、どのような分野においても流体を
浄化するフィルターにおいて、本発明の支持体と濾過材
とを用いている限り、支持体のリサイクル化が可能とな
り、環境破壊を防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のドライクリーニング機に
使用されるフィルターの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態のドライクリーニング機に
使用されるフィルターの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態のドライクリーニング機に
使用されるフィルターの斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の支持体の折曲前の平面図
である。
【図5】本発明の実施の形態の支持体の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態の濾過材の要部拡大断面図
である。
【図7】本発明の実施の形態の濾過材の他の例の要部拡
大断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の濾過材の側面図である。
【図9】本発明の実施の形態のフィルターの横断面図で
ある。
【図10】本発明の実施の形態のフィルターの縦断面図
である。
【図11】本発明の実施の形態のネットの平面図であ
る。
【図12】本発明の実施の形態のドライクリーニング機
に使用されるフィルターのネットの要部拡大平面図であ
る。
【図13】本発明の実施の形態のドライクリーニング機
に使用されるフィルターのネットの要部拡大斜視図であ
る。
【図14】本発明の実施の形態のドライクリーニング機
に使用されるフィルターのネットの拡大側面図である。
【図15】本発明の実施の形態のドライクリーニング機
に使用されるフィルターで異物を捕捉する状態を示す説
明図である。
【図16】本発明の実施の形態のドライクリーニング機
に使用されるフィルターで異物を捕捉している状態を示
す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態のドライクリーニング機
に使用されるフィルターで異物を捕捉している状態を示
す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態のドライクリーニング機
に使用されるフィルターで異物を捕捉している状態を示
す説明図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態のエンジン内で使
用されるオイルフィルターの斜視図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態のエンジン内で使
用されるオイルフィルターの断面図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態のエンジン回りで
使用されるエアーフィルターの斜視図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態のエンジン回りで
使用されるエアーフィルターの断面図である。
【図23】ドライクリーニング機の正面図である。
【図24】ドライクリーニング機の溶剤の流れを示す概
略ブロック図である。
【図25】ドライクリーニング機のフィルターの収納状
態を示す分解斜視図である。
【図26】従来例のドライクリーニング機に使用される
フィルターの斜視図である。
【図27】従来例のドライクリーニング機に使用される
フィルターのボディの側面図である。
【図28】従来例のドライクリーニング機に使用される
フィルターの断面図である。
【図29】オイルフィルターが使用されているエンジン
内の概略ブロック図である。
【図30】従来例の車両等のエンジン内に使用されるオ
イルフィルターの斜視図である。
【図31】エアーフィルターを使用している状態のエア
ーの流れを示す概略ブロック図である。
【図32】従来例の車両等に使用されるエアーフィルタ
ーの斜視図である。
【符号の説明】
1 フィルター 2 支持体 4 濾過材 5 ネット 12 活性炭層 14 捕捉部 26 異物 30 オイルフィルター 40 エアーフィルター 51 ドライクリーニング機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 29/07 B01D 29/21 B01D 39/00 B01D 46/52

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の穴(6)を穿孔して略ジグザグ状に
    折曲し全体を略円筒状に形成した金属製の支持体(2)
    と、材料が不織布で構成され、略ジグザグ状に折曲して
    上記支持体(2)の表面、あるいは内面に沿って着脱自
    在に装着したシート状の濾過材(4)とで構成し、上記
    濾過材(4)の略ジグザグ状に折曲している両側の片で
    囲まれる内側の断面が略三角形状の空間部分を異物(2
    6)を捕捉する捕捉部(14)とし、この捕捉部(1
    4)の角度を20度〜60度の範囲内としていることを
    特徴とするフィルター。
  2. 【請求項2】上記捕捉部(14)にて捕捉した異物(2
    6)の滑落防止用のネット(5)を濾過材(4)の外周
    面側、あるいは内周面側に設けていることを特徴とする
    請求項1記載のフィルター。
  3. 【請求項3】上記ネット(5)に代えて不織布を設けて
    いることを特徴とする請求項2記載のフィルター。
  4. 【請求項4】上記ネット(5)は濾過材(4)に着脱自
    在に装着されていることを特徴とする請求項2に記載の
    フィルター。
  5. 【請求項5】上記ネット(5)に代えた不織布は濾過材
    (4)に着脱自在に装着されていることを特徴とする請
    求項3に記載のフィルター。
  6. 【請求項6】上記濾過材(4)には活性炭(12)を混
    入していることを特徴とする請求項1〜請求項5にいず
    れか記載のフィルター。
  7. 【請求項7】上記濾過材(4)にはシリカゲルを混入し
    ていることを特徴とする請求項1〜請求項6にいずれか
    記載のフィルター
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