JP2982585B2 - 灰分離装置 - Google Patents

灰分離装置

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JP2982585B2
JP2982585B2 JP5279274A JP27927493A JP2982585B2 JP 2982585 B2 JP2982585 B2 JP 2982585B2 JP 5279274 A JP5279274 A JP 5279274A JP 27927493 A JP27927493 A JP 27927493A JP 2982585 B2 JP2982585 B2 JP 2982585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭の燃焼プラントに利
用されるもので、特に燃焼ガス中に含まれる溶融灰又は
固体状高温灰の除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃焼効率向上や燃料多様化を狙って、石
炭を灰の溶融温度付近で燃焼するサイクロンファーネス
の技術が広く用いられようとしている。また、石炭を高
温の加圧化で燃焼し、生成する高温の燃焼ガスでガスタ
ービンを回す、いわゆる石炭加圧燃焼複合発電システム
は次世代の石炭利用発電方式として開発が進んでいる。
これらのシステムでは燃焼ガス中には溶融灰又は固体状
高温灰が含まれる。燃焼排ガスをそのまま流通させると
これらの灰がシステム構成機器,配管やガスタービン等
に付着し、プラントの機能を著しく阻害する。また付着
物が時間と共に堆積すればガスの流路は閉塞してゆき、
はなはだしくはプラントを停止に至らしめる。
【0003】このため、溶融灰をガスと分離する必要が
あり、従来次の方法が知られている。
【0004】 溶融温度付近で作動する分離機器を備
える。例えば、実開平4−43691号公報には衝突板が、ま
た文献1(Pressurized Pulverized Coal Combustion wi
thMolten Ash Removal,1989 Conference on Technologi
es for ProducingElectricity in the Twenty-First Ce
ntry,Oct.,1989)にはサイクロン,セラミックフィルタ
ー,衝突板及びこれらの組み合わせた技術。
【0005】 溶融灰又は高温灰と冷媒を直接接触さ
せ、灰を固化させる。この場合冷媒として(i)水を使う
ものとして、例えば特開昭60−38439 号公報があり、(i
i)燃焼排ガスを使うものとして例えば特願昭58−151525
号公報、(iii)空気を使うものとして例えば特開昭56−
168027号公報,特開昭51−138579号公報等がある。
【0006】しかしながら上記の方法では、分離機器
自体の温度を灰溶融温度付近に保つ必要があるが、機器
構成材料の耐高温性,耐腐食性が充分でなかったり、構
造との関係やガスの流れの偏りで機器の温度が一様でな
く部分的に低温部が生じそこに灰が固化する危険性があ
る。また上記の方法では生成した高温のガスを直接冷
すことによりその顕熱が奪われるため、プラントの熱効
率が低下したり、また冷媒を供給するための動力が必要
で、プラントのエネルギ効率が低下しやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
灰付着・堆積の問題や熱効率の損失を招かないような溶
融灰分離機器を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、燃焼ガス中の
溶融灰分離機器の燃焼ガスに触れる面を、溶融灰又は高
温固体灰に濡れにくい材料で構成し、かつ、その材料の
一部を冷却するようにした。濡れない材料の一例として
は黒鉛である。冷却して得られた熱は蒸気の発生又はそ
の他の動力源として用いる。
【0009】
【作用】溶融灰に濡れない材料を用いると、燃焼ガス中
に含まれる灰がその面に触れても接触面が点又は微小面
積となるので、材料との付着力は極めて小さく、付着物
自身の重量又は何らかの外力で容易に剥離する。従っ
て、機器表面に堆積することがない。外力としてはガス
の抵抗あるいは、微小の振動、あるいは接触面の熱的な
変形等である。材料の一部を冷却するのは材料のガスの
触れる面の温度を低くするためである。低くすることに
より、そこに触れた溶融灰自身の温度を低下させ固化さ
せる。これにより、固化灰を分離機器から回収する際に
付着が防止できたり、また固化灰が壁から剥れて再び燃
焼ガス気流中に含まれても、再度機器等への付着がな
く、第2の分離手段で容易に燃焼ガスと分離できる。同
時に冷却により黒鉛材料を、酸素ガスを含む高温の燃焼
ガスによる損耗から防ぐことができる。黒鉛は特定の温
度以下では酸化されにくく、その温度は空気雰囲気中で
は450〜500℃以下である。圧力が増すと酸化速度
は早まるがその場合でも温度を低くすれば良く、例えば
20気圧の空気雰囲気中では300℃以下であった。ま
た理論空気比より小さい条件で(燃料過剰)で燃焼した
場合には燃焼ガス中に酸素は含まれないが水素,一酸化
炭素,二酸化炭素,水蒸気を含んだ還元性ガスが生ず
る。一般的にはこれらのガスと黒鉛(炭素)は反応する
が、酸化雰囲気の場合と同様に、特定の温度以下では損
耗量は極めて少ない。
【0010】黒鉛の冷却は黒鉛のガスと触れる反対側の
面に冷媒を流すことにより可能である。冷媒と黒鉛を直
接接触させられない場合は例えば金属の板に黒鉛を張付
けたり、金属管の周りに円筒状の黒鉛管を填め込み、そ
れぞれ金属面に例えば、水,蒸気,他の冷媒を流通させ
間接的に黒鉛を冷却する。この場合、黒鉛の熱伝導率は
大きいので、黒鉛のガスと触れる面の温度はほぼ金属の
冷媒と接する面の温度と等しく出来る。例えば、ガスの
温度が1200℃の場合、冷却金属面の温度が250℃
であれば黒鉛の温度はそれより3〜10℃程度高くなる
に過ぎない。
【0011】この時、高温のガスは黒鉛を通して熱が奪
われ、温度が低下する。伝熱された熱は、水,蒸気,他
の冷媒の温度上昇をもたらし、この熱は回収しプラント
のエネルギー源として用いれば、全体として熱損失量は
わずかとなる。
【0012】ところで、黒鉛が溶融灰に濡れないことは
公知である。例えば、特公平4−3437号公報には石炭ガ
ス化炉から溶融スラグを排出させる孔に用いている。こ
の場合、排出孔の雰囲気は1400〜1600℃の高温
でかつ酸化雰囲気である。一方、溶融スラグを排出させ
る場合には黒鉛と溶融スラグが排出孔を通過する(両者
が触れている)間は灰を固化させない必要条件があり、
このため特公平4−3437号公報では冷却した黒鉛は溶融
灰排出孔には使用出来ない。従って特公平4−3437 号公
報では黒鉛性の排出孔周囲を不活性ガス等で覆い、高温
下での損耗を押さえるようにしている。本対象の灰分離
器については機器が大きく又複雑な構成をしているの
で、機器全体を漏れなく不活性ガス雰囲気にすることは
困難であり、特公平4−3437 号公報の技術ではなしえな
い。
【0013】なお特開昭59−126713号公報には電炉に、
特開昭55−131086号公報にはコークス炉の内張り材にそ
れぞれ黒鉛を含んだ材料を用いていることが示されてい
るが、対象物が溶鋼やコーギング物で溶融灰とはまった
く異なる物質である。
【0014】
【実施例】本発明を実施例に基づき詳細に説明する。図
1は本発明を遠心式分離器に適用したものである。遠心
分離器120は金属の冷却筒128,黒鉛ブロック12
7,燃焼ガス入口123,灰分離室124,燃焼ガス出口
125,断熱材126より構成される。冷却筒128と
黒鉛ブロック127が灰の分離室124を構成する。分
離室124の下部から灰117が排出される。金属冷却
筒128は二重構造で、冷媒入口121と冷媒出口12
2が設置されており、例えば水118が二重構造の間を
通して流される。図2は図1のA−A断面図で、燃焼ガ
ス入口123は冷却筒128に対して接線方向に設置さ
れている。溶融灰を含んだ燃焼ガス115が燃焼ガス入
口123から入ると、溶融灰は直ちに黒鉛ブロック12
7に接し、旋回しながら図の下方に移動する。黒鉛ブロ
ック127表面は冷却されているので溶融灰は接触して
いる間に冷える。また黒鉛表面と溶融スラグの濡れ性の
関係で、溶融灰は接触することにより球状またはそれに
近い形状になる。つまり、固化した球状灰が分離室下部
を通り灰ホッパ(図示せず)に入る。
【0015】図3は本発明を衝突式分離器に適用したも
のである。衝突式分離器は冷却容器141,衝突管14
8,燃焼ガス入口143,灰分離部144,燃焼ガス出
口145,灰落下部142より構成される。衝突管14
8は黒鉛の円筒で中心に冷媒が通る金属円筒146
が貫通している。図4は図3のB−B断面図、図5は図
3のC−C断面図である。冷却容器141には冷媒入口
121を持つ冷媒分散室149と冷媒出口122を持つ
冷媒集合室147が設けられており、衝突管群に冷媒を
一様に流すようになっている。冷媒には例えば水118
が用いられる。
【0016】燃焼ガス115はまず燃焼ガス入口部14
3に導入される。ガス中の溶融灰116は慣性,熱泳動
等の作用で衝突管群に衝突する。この時、衝突管は冷却
されているので溶融灰は衝突し、付着している間に冷却
する。また黒鉛表面と溶融スラグの濡れ性の関係で、溶
融灰は接触することにより球状またはそれに近い形状に
なる。従って付着力は弱く、直ちに落下又は飛散す
る。続いて灰分離部144においては、燃焼ガス入口部
143で落下または飛散した固化灰が再び、衝突管群
に衝突して管に付着する。また、燃焼ガス入口部で衝突
を免れた溶融灰がここで衝突,付着,固化する。これら
の付着灰は管上で堆積するが、わずかの力で剥離し、灰
落下部142に落下する。灰分離部144ではこのよう
な衝突・剥離・落下が繰り返されるが、剥離した固化灰
ができるだけ飛散しないようにガスの流速が選ばれ
る。このよにして大部分の溶融灰が除かれた燃焼ガス
116は燃焼ガス出口145から排出する。
【0017】次に本発明なる分離器を石炭加圧燃焼複合
発電システムに適用した例について説明する。図6はそ
のブロックフローダイアグラムである。本システムは石
炭供給器100,石炭燃焼器110,第1灰分離器12
0,第2灰分離器130,灰回収器135,空気圧縮機
150,ガスタービン160,排熱回収ボイラ170,
蒸気タービン190,発電機200、及び脱硝装置18
0より構成される。微粉砕された石炭1は石炭供給器1
00に送られる。ここでは微粉炭は加圧ホッパに一旦入
り、空気3またはその他の気体により石炭燃焼器110
へ搬送される。石炭燃焼器110では、空気圧縮器15
0から導かれた空気4が導入され、微粉炭が燃焼する。
燃焼は灰の溶融温度以上で行われ、大部分の灰114は
石炭燃焼器110の壁に捕捉される。石炭燃焼器110
には石炭と同時に脱硫剤10が供給される。脱硫剤は燃
焼で発生する酸化硫黄と反応してこれを固定する役割を
持つ。例えば脱硫剤が石灰石の場合はCaCO3+SO2
→CaSO4+CO2。脱硫済の材料(CaSO4)は溶融
灰114と一緒に排出させられる。燃焼器110からの
排ガス115は第1灰分離器120に入る。第1灰分離
器は前述した遠心式であり、または衝突式である。黒鉛
を冷却するため後述するコンデンサ175から水118
が導入され、温度が上昇した水119は後述する排熱回
収ボイラ170へ導く。ここで分離された灰117は灰回
収器135に入り、ここで冷媒、例えば空気圧縮器15
0から導かれた空気5によって冷却させられる。灰11
7は冷却後系外に排出される。続いて燃焼ガス129は
第2灰分離器130へ入る。ここでは第1灰分離器12
0で分離されなかった粒子が除かれる。第2灰分離器1
30に入る粒子は第1灰分離器で冷却されているので溶
融灰ではなく固化灰である。従って、付着・堆積の作用
が少ないので分離方式としては従来方式の例えばサイク
ロン,衝突板等である。もちろん本発明の分離器を用い
ても構わない。ここで分離された灰137は灰回収器1
35に蓄えられそこから系外に抜き出される。大部分の
粒子が除かれた燃焼ガス139はガスタービン160に
導かれる。ガスタービン160は発電機200を回すと
同時に空気圧縮機150を作動させ空気2を圧縮する。
この圧縮空気は燃焼用の空気4等、先に記述した用途に
用いられる。ガスタービンを通過したガスは排熱回収ボ
イラ170に入る。ここで発生する高温高圧蒸気172
が蒸気タービン190に導かれ、電力が発生する。コン
デンサ175で復水された水の一部は前記第1灰分離装
置の黒鉛冷却用に使われる。排熱回収ボイラ190を出
た燃焼ガスは脱硝設備180に入る。
【0018】図7に石炭燃焼器及び第1灰分離器の詳細
を示す。石炭燃焼器110の燃焼室112は耐火物11
1で構成された円筒で、上部にガス出口113,下部に
溶融灰排出孔90を持つ。輻射による熱の損失を少なく
するため、ガス出口の径は円筒径より小さい。微粉炭1
及び燃焼用空気4がバーナ20から供給される。微粉炭
バーナは燃焼室内で旋回流を形成させるため、図8に示
したように円筒燃焼室112の接線方向に取り付けてあ
る。旋回流は溶融した灰が壁に着きやすくし、ガスと共
に飛散する溶融灰の量を少なくするのに著しい効果があ
る。図では微粉炭バーナは1本であるが、石炭の処理量
に応じて複数本でも構わない。燃焼圧力は発電プラント
としての必要圧力で決められ、9〜20気圧である。燃
焼温度は石炭灰の溶融温度が基準で決められ、1200
〜1700℃である。このような旋回型燃焼器では投入
石炭灰の80〜90%が溶融灰として壁に付着し、壁を
伝わって燃焼室の底に集まり溶融灰排出孔90から落下
する。溶融灰排出孔90の下部には水が張ってあり、水
槽80に落下した溶融灰は急速に冷却して固化する。こ
こに溜った固化灰は間歇的に排出ホッパ(図示していな
い)に移され系外に排出される。なお燃焼室112の耐
火物111は使用温度が高い場合には耐火物の外側を冷
却する、いわゆる冷却耐火壁構造でもかまわない。
【0019】燃焼ガス115は燃焼室ガス出口113か
ら排出されるが、この時燃焼室壁に捕捉されなかった溶
融灰または(及び)高温固化灰はガスに同伴される。こ
れらは概して微粒である。燃焼室ガス出口113は断熱
材で構成され、熱の損失を防ぐ。またここのガス流速を
適宜に選定することにより、ここでの灰の付着・堆積を
防ぐことができる。燃焼室ガス出口113と第1分離器
入り口123は直結しており、燃焼ガスは特別の煙道を
経過すること無く直ちに第1分離器120に入る。図7
の例では第1分離器に遠心式を用いている。構造は図1
と同様である。第1分離器に入った飛散溶融灰は図1で
説明した作用でガスと分離される。この間壁との接触で
灰の温度が低下し固化する。黒鉛を図1のように間接的
に水で冷却した場合、黒鉛の表面温度は70〜200℃
程度になる。第1分離器に入る燃焼ガス温度、従って溶
融灰温度は1200〜1700℃であるが、溶融灰が第
1分離器壁に触れることにより灰自身は、灰が固化する
のに充分な温度例えば900〜1400℃になる。固化に
必要な灰自身の温度は例えば灰の軟化温度を基準とし与
えれば良い。例えば灰の軟化温度,溶融温度がそれぞれ
1250℃,1380℃であれば燃焼ガス温度は1380℃
以上、例えば1500℃程度であり、第1分離器での灰
の冷却温度は1250℃以下例えば1100℃とする。
つまり、灰は1500℃から1100℃まで冷却させら
れる。所定の温度に冷却するには第1分離器で溶融灰が
灰に接触する時間、すなわち、入り口123から灰回収
器135までの滞留時間を選定すれば良い。これは第1分
離器の外筒,出口径,高さの寸法を適宜選ぶことにより
可能である。例えば1500℃から1100℃に低下さ
せるためには2〜3秒の時間があれば良い。灰の分離効
率は飛散灰の粒子径分布,分離器の寸法に影響されるが
本遠心分離型では80〜90%となる。
【0020】分離された固化灰117は灰回収器135
に流れるが、その灰の温度は900〜1400℃である
ので、系外に排出するには少なくとも数百℃程度に冷却
する必要がある。このため、灰回収器135には冷却用
の空気5を導入し、固化灰117と接触させる。この空
気は灰回収器135の灰出口に近い位置134から入
り、燃焼ガスと共に本流へ流れる。冷却用の空気量は灰
の量及び必要冷却温度によって異なるが、燃焼ガス量に
比べれば僅かであり、多い場合でも燃焼ガス量の8%程
度である。燃焼ガスは第1分離室を通過中に冷却壁と接
するため熱が奪われるので、入り口温度に対して80〜
150℃温度が低下する。従って、第1分離室をでた燃
焼ガスの温度は1100〜1350℃である。また冷却
水の温度も10〜20℃程度上昇する。
【0021】第1分離器120を通過した燃焼ガス中に
は第1分離器で分離しきれなかった灰(固化)が残って
いるので、第2分離器130に通して更に脱塵を行う。
第1分離器120と第2分離器130は特別な煙道を設
けず直結させる。第2分離器に入る灰は固化しているの
で、機器等への付着・堆積性は極めて少ない。従って分
離装置は通常の方式で良く、図6では遠心式を示してい
る。第2分離器は耐火物で形が構成されている。分離さ
れた灰は灰回収器136に移され、第1分離器での回収
灰と一緒に系外へ排出される。設備上、灰回収器136
は灰回収器135と共用しても良い。
【0022】かくして灰分を除去された燃焼ガス139
がガスタービンへ供給される。なお、ガスタービンへ導
入されるガス中には微量の灰分が含まれている。この量
がガスタービンの摩耗の点で許容ができない場合には、
必要に応じて第3,第4の分離器を設けても良く、それ
らは通常の分離手段がつかえる。
【0023】図9は第1分離器に図2の衝突型を用いた
例である。燃焼器120の構造,作用及び第1分離器を
出た後の作用は、図7と同様である。衝突型分離器では
溶融灰117は黒鉛筒に衝突すると球状になり下方へ落
下する。第1列の伝熱管に衝突しなかったものは第2
列,第3列の伝熱管で衝突し、ガスと分離される。また
第1列に衝突して、伝熱管から容易に剥離するのでガス
と一緒に再び飛散する物がある。このような粒子は第2
列,第3列と衝突を繰り返す毎に確率的に分離される。
また同時に衝突ごとに冷却される。回収された灰は灰回
収器135に入り、図7と同様の方法で冷却・排出され
る。衝突を繰り返しても分離されないものは燃焼ガスと
共に第1分離器を出て、図6と同様の方法で第2分離器
で回収される。
【0024】以上本発明の実施例を説明したが、図1お
よび図2いずれの場合でも、黒鉛を良く冷却するには、
冷却した金属との密着性が重要である。黒鉛と金属との
密着のさせかたは、接着剤で張付ける、金属板に所
々に金属棒(スタッド)を溶接しておき、その表面に粉
末黒鉛を塗布し全体を焼結する、金属と黒鉛の熱的な
延び差を考慮して、いわゆる焼嵌をおこなう、等があ
る。本発明では冷却された黒鉛の温度は最大でも200
℃程度なので、接着剤の使用が可能である。また図2
の場合には円筒の黒鉛と金属冷却管とで構成するので、
焼嵌が容易である。
【0025】なお、黒鉛は温度、ガス雰囲気によりわず
かずつ損耗するが、工業的に使用しうる条件としては、
損耗量=0である必要は無く、実質例えば1年間の使用
に耐えうるような初期厚み与えておけば良い。
【0026】以上は石炭加圧燃焼の実施例であるが、こ
れ以外にも溶融灰又は付着性大の高温灰の分離が必要な
システム、例えば一般の石炭燃焼器,ボイラー,スラッ
ジの焼却,灰の溶融炉,石炭ガス化炉及び熱回収装置等
へ、上記説明を基本とし分離方法を適用できる。
【0027】
【発明の効果】本発明により、機器へ付着・堆積するこ
となく飛散溶融灰を回収できるので、プラントが安定し
て操業できるとともに、飛散溶融灰を固化させるのに燃
焼ガス自身の温度を溶融灰固化温度まで冷却する必要が
ないので、プラント熱効率の低下が抑制出来る。また燃
焼ガス中のアルカリ成分や塩素成分等の微量成分による
集塵装置や伝熱管等の腐食劣化が低減出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】遠心分離型集塵器の平面図である。
【図2】遠心分離型集塵器の燃焼ガス導入部断面図であ
る。
【図3】衝突型集塵器の平面図である。
【図4】衝突型集塵器の燃焼ガス導入部断面図である。
【図5】衝突型集塵器の灰分離部断面図である。
【図6】石炭加圧燃焼複合発電システムブロックダイア
グラムである。
【図7】石炭加圧燃焼装置・遠心分離型脱塵装置の構造
図である。
【図8】石炭加圧燃焼装置の断面図である。
【図9】石炭加圧燃焼装置・衝突分離型脱塵装置の構造
図である。
【符号の説明】
1…微粉炭、10…脱硫剤、20…石炭バーナ、90…
溶融灰排出孔、100…石炭供給器、110…石炭燃焼
器、115…燃焼ガス、120…遠心分離器(第1灰分
離器)、124…分離室、130…第2灰分離器、13
5,136…灰回収器、150…空気圧縮機、160…
ガスタービン、170…排熱回収ボイラ、175…復水
器、180…脱硝装置、190…蒸気タービン、200
…発電機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−150984(JP,A) 特開 昭47−36263(JP,A) 実開 昭56−80403(JP,U) 実開 平2−36731(JP,U) 実開 昭62−118929(JP,U) 実開 昭50−28963(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23J 3/04 B01D 46/00 B04C 5/00 B01D 51/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭燃焼ガス中に含まれる溶融灰又は付着
    性大の高温灰を燃焼ガスと分離する装置において、
    焼ガスと接触する分離機器の構成要素を黒鉛で形成し、
    該黒鉛の燃焼ガスと触れる面の反対側を冷却して、黒鉛
    に接触、付着した溶融灰が固化するようにしたことを特
    徴とする灰分離装置。
  2. 【請求項2】石炭燃焼ガス中に含まれる溶融灰又は付着
    性大の高温灰を燃焼ガスと分離する装置において、該燃
    焼ガスと接触する分離機器の構成要素を黒鉛で形成し、
    該黒鉛の燃焼ガスと触れる面の反対側を金属と接触さ
    せ、該金属を冷媒により冷却して黒鉛に接触、付着した
    溶融灰が固化するようにしたことを特徴とする灰分離装
    置。
  3. 【請求項3】石炭燃焼ガス中に含まれる溶融灰又は付着
    性大の高温灰を燃焼ガスと分離する遠心式分離器よりな
    る灰分離装置において、該分離器の燃焼ガスと触れる面
    を黒鉛ブロックで形成し、該黒鉛ブロックの燃焼ガスと
    触れる面の反対側を金属製の冷却筒と接触させて、黒鉛
    に接触、付着した溶融灰が固化するようにしたことを特
    徴とする灰分離装置。
  4. 【請求項4】石炭燃焼ガス中に含まれる溶融灰又は付着
    性大の高温灰を燃焼ガスと分離する装置であり、燃焼ガ
    スの入口と出口を有する冷却容器の内部に灰の衝突管を
    設けた衝突式分離器よりなる灰分離装置において、該衝
    突管の燃焼ガスと触れる面を黒鉛製の円筒で形成し、該
    黒鉛製の円筒内に金属製円筒を貫通させ、該金属製円筒
    の内部を冷媒で冷却して、黒鉛に接触、付着した溶融灰
    が固化するようにしたことを特徴とする灰分離装置。
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