JP2982473B2 - 塗装面性状検査装置 - Google Patents

塗装面性状検査装置

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JP2982473B2 JP5291592A JP5291592A JP2982473B2 JP 2982473 B2 JP2982473 B2 JP 2982473B2 JP 5291592 A JP5291592 A JP 5291592A JP 5291592 A JP5291592 A JP 5291592A JP 2982473 B2 JP2982473 B2 JP 2982473B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車の塗装
性状の一つである肉持ち感を容易に測定するための塗
装面性状検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車の生産工程においては塗
装面の状態を厳重に検査している。例えば、その塗装面
の検査の一例として鮮映性の検査が挙げられる。この鮮
映性の検査は塗装表面がどの程度平坦化されているかを
調べる試験であり、従来は次の2つのいずれかの手法に
よって行なっている。
【0003】まず、従来から行われている1つの手法
は、図14に示すように、塗装面に対して斜方向から塗
装面を透かしてみるようにして蛍光灯などを見る手法で
ある。この手法によれば、蛍光灯などを適当な場所に配
置しさえすれば塗装面の平坦度等の塗装面性状を容易に
検査できる。また、他の手法は、図15に示すフローチ
ャートに基づいて行われる。まず、被検査画像としてス
トライプを塗装面に投射し、このストライプの塗装面か
らの図16に示してあるような反射画像をカメラ等で入
力し(S1)、入力したストライプの画像に2次元のF
FT処理を施し(S2)、この処理後の情報を空間周波
数領域毎に定量化して(S3)、塗装面性状を検査する
(S4)手法である。この手法では、個人差による検査
バラツキをなくすことができるから検査信頼性が良好で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の検査手法において、第1の検査手法では検査
者の感に頼る要素が非常に多いことから熟練を要し、第
2の手法においては2次元処理を行なう必要があること
から処理すべき情報量が多く、検査に時間がかかりすぎ
るという欠点がある。本発明は、このような従来の問題
点に鑑みて成されたものであり、特に塗装面性状のう
ち、その肉持ち感を、測定信頼性が良好でしかも迅速
測定することができる塗装面性状検査装置の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、塗装面に被検査画像を投射し、当該塗装面
で反射した当該被検査画像に基づいて当該塗装面の肉持
ち感を検査する塗装面性状検査装置において、前記塗装
面からの前記被検査画像を入力する入力手段と、当該入
力手段に入力された画像から当該画像の輪郭線を抽出す
る輪郭線抽出手段と、当該輪郭線抽出手段によって抽出
された輪郭線を形成する波形から、一定値以上の段差を
削除した後、各周波数ごとの波高値として表わされた周
波数データを生成する周波数分離手段と、当該周波数分
離手段によって生成された周波数データの所定の周波数
領域の面積から塗装面の肉持ち感の評価を演算する評価
演算手段とを有することを特徴とする。
【0006】
【作用】このように構成した本発明は次のように作用す
る。入力手段は塗装面から反射された被検査画像を入力
し、この入力した画像の輪郭線は輪郭線抽出手段によっ
て抽出される。そして、抽出された輪郭線は、周波数分
離手段によって、輪郭線の波形から一定値以上の段差を
削除した後、各周波数ごとの大きさに定量化されて周波
数データに変換されることになる。評価演算手段は、こ
の周波数データの所定の周波数領域の面積を演算し、そ
の面積から塗装面の肉持ち感を評価する。このように塗
装面性状の検査は装置が所定の順序で画一的に行なうこ
とになるから検査の信頼性は個人差によらずに一律に良
好なものが得られるようになる。また、評価を行なうた
めの画像処理は、入力画像の輪郭線に基づいて2次元的
にではなく1次元的に行なえば良いから、処理に要する
速度は格段に速くなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明にかかる塗装面性状検査装置を構
成する測定ヘッドの構造図で、同図(A)は主にその内
部構造を示す正面図、同図(B)はその底面図である。
【0008】塗装面性状測定装置を構成する測定ヘッド
25は小型軽量のハンディータイプの測定ヘッドであっ
て、光の出入口となる開口12をもつケーシング11を
備えている。このケーシング11内には、投光側に光源
2、半拡散板3、ストライプ格子4、鏡10および凸レ
ンズ5が、また受光側にはCCDカメラ6を構成する受
光レンズ7、絞り8およびCCD素子9が順にそれぞれ
光軸を基準として配列収納されている。光源2はハロゲ
ン電球2aと反射鏡2bで構成され、また、ストライプ
格子4は例えばストライプパターンが印刷されたガラス
板からなっている。こうして、投光側からストライプパ
ターンが塗装面1に照射されその反射光が受光側のCC
Dカメラ6によって撮像されるようになっている。な
お、CCDカメラ6で撮像された反射ストライプパター
ンは内蔵モニター13の画面に表示されるとともに外部
コネクター14を介して鮮映性を数値化し記録する画像
処理装置30に出力されるようになっている。一方、ケ
ーシング11の開口12は透明板たる透明ガラス15で
密閉され、またケーシング11の底面にはそれぞれ伸縮
自在で先端が旋回自在の四本の自由足16が取り付けら
れている。
【0009】概略以上のような構造をもつ測定ヘッド2
5の各構成要素の詳細について以下に順に説明する。ま
ず測定ヘッド25の光学系から説明する。絞り8は光の
回折限界まで絞られた直径0.2〜0.3mm程度のピン
ホール絞りであって、同じCCDカメラ6内の受光レン
ズ7とCCD素子9の間に配置されている。この非常に
小さい絞り8によって、結像がぼける原因となる望まし
くない光束がすべて遮光されるため、焦点を合わせた被
写体面の前後どこでも結像として鮮明にとらえることが
できるようになり、被写界深度が飛躍的に大きくなる。
そして、この絞り8による被写界深度の飛躍的増大によ
って、被写体の位置がどこであろうとピントが合うよう
になり、受光レンズ7を移動させたりその焦点距離を変
えたりすることなくストライプ格子4と塗装面1の両方
にピントを合わせることができるようになる。その結果
後述するような塗装面1のうねりの大小に対応する鮮映
性の三質感(平滑感、肉持感、光沢感)を同時に精度良
く測定することができるようになる。この他、絞り8に
より被写界深度が著しく増大したことで、感度のさらな
る向上および感度の調節が可能になり、また測定ヘッド
25を塗装面1から離しての非接触の測定が可能にな
る。なお、ピンホール8の直径を回折限界以下に小さく
すると回折現象によって解像度が低下するため、好まし
くない。
【0010】次に投光側の光学系について説明する。こ
の光学系に含まれる凸レンズ5は感度を上げるためスト
ライプ格子4を疑似的にできるだけ遠くに置くようにす
るためのものであって、この凸レンズ5を入れることに
よってストライプ格子4を無限遠にあるように見せかけ
ることが可能になり、感度を上げつつ装置25を小型化
できるようになっている。さらに、前述のように絞り8
によって被写界深度が極めて大きくピントがどこにでも
合うため、凸レンズ5との関係においてストライプ格子
4を任意の適当な位置に置くことができ、ストライプ格
子4の位置を適当に調節すれば人間にはぼけて見えない
けれどもストライプ格子4を塗装面1から疑似的に無限
遠以上に離すことが可能になる。これによって感度がさ
らに一層向上する。また、本実施例では、鏡10を設け
て光路をかせぎ、より一層装置の小型化を図っている。
【0011】また光源2はハロゲン電球2aを反射鏡2
bの焦点よりも若干遠くに配置し、光がいったん集光し
た後広がる集光型の光源を構成している。これは、塗装
面1は通常曲面であるため、従来の平行光線を発するス
ポット型の光源では照射面の端が中心部に比べて暗くな
りがちであるため、照射面の端の光量を増加させて曲面
に対してより安定した明るさを確保するためである。こ
の集光型光源2の配光角はたとえば40°以上であり、
スポット型のもの(配光角0〜10°)に比べ大きくな
っている。
【0012】光むらを解消させるための半拡散板3は、
従来使用していた拡散板と違って小さな散乱角の範囲内
で入射光を拡散透過させるもので、例えばすりガラスや
ピントガラス等を使用する。この半拡散板3は、光源2
からの光の集光点Cの手前に配置する。拡散板と半拡散
板との光軸上での光透過率を比較すると、拡散板で約4
5%、半拡散板で約85%(ともに実測値)である。こ
のように、半拡散板は拡散板と異なり光を直進させる作
用をある程度有するため、ストライプ格子4に照射され
る光軸方向の光量の減少は比較的小さくてすむ。そのた
め、半拡散板3を用いることによって従来より小さな容
量の光源2で測定に必要な明るさを確保することができ
る。また、図示するように三枚の半拡散板3を使用して
むらを十分になくすようにしている。このように適当な
枚数の半拡散板3を使用することにより、光量を確保し
つつむらのない光をストライプ格子4に照射することが
できる。
【0013】次にこの測定ヘッド25の構造について説
明すると、まず、光の出入口としてのケーシング11の
開口12に透明ガラス15が取り付けられ、測定ヘッド
25自体が密閉構造になっている。これにより、塵等が
測定ヘッド25内部に侵入して光学系を汚染し装置の性
能低下をきたすことが防止される。なお、このとき、測
定ヘッド25は自由足16により塗装面1から離れた位
置に支持されるため、図4に示すようにガラス面からの
反射光はCCDカメラ6に入射しない。そのため、開口
12を透明ガラス15で塞いでも測定は可能である。こ
の他、直接塗装面1に接触させて測定するタイプの装置
の場合には、図示しないが、ガラス面が光軸に対して直
角になるようガラスを逆V字形に配置して密閉すれば、
結像に望ましくないガラス面での反射はなくなるため、
ガラスで密閉しても測定することができる。
【0014】また、測定ヘッド25の底面には四本の自
由足16が取り付けられている。この自由足16の一例
を図5に示す。この自由足16は、先端がボールジョイ
ント17の旋回自在のスイベル式の足先で、しかも脚部
がばね18内蔵の伸縮調整可能の構造をもっている。先
端部17にはフェルト19が取り付けられており、測定
時に塗装面1を傷つけないように配慮している。自由足
16は足先が旋回自在のスイベル式でしかも脚部が伸縮
調整可能なものであるため、塗装面1がどんな曲面であ
っても足先の向きと脚部の長さを適当に調節することに
より塗装面1からの反射光を常にCCDカメラ6でとら
えることができる。なお、このように足16を設けるこ
とで測定に際しヘッド25を塗装面1から離すことがで
きるが、前述のようにCCDカメラ6内の絞り8は回折
限界程度と非常に小さいので、開口12からの外乱光は
絞り8によりほとんど遮断され、外乱光による影響はな
くなり、したがって測定ヘッド25を塗装面1から離し
て測定することが可能になる。
【0015】さらに、本実施例では、操作スイッチ取付
基板20にタイマー回路が組み込まれており、一定時間
操作スイッチが操作されないと自動的に光源2やCCD
カメラ6、モニター13等の内部機器への電源供給が切
れ、操作スイッチが操作されると直ちに電源が入るよう
になっている。以上のように構成されている測定ヘッド
25のCCDカメラ6によって入力された画像は、前述
の画像処理装置30によって次のようにして処理される
ことになる。以下、ここでの処理を図2に示すフローチ
ャートに基づき図3以降の図を参照しながら説明する。
【0016】まず、CCDカメラ6から入力された多値
化画像は、画像処理装置30に入力されてその装置30
内に設けられているメモリに記憶される。記憶される画
像の一例としては図3(A)に示されるようなものであ
る。つまり、塗装面で反射されたストライプの反射光に
応じた画像が入力される(S10)。次に、このメモリ
に記憶されている多値化画像を呼び出してこれを2値化
する。この2値化処理は任意の閾値で行われる。この2
値化処理によって多値化画像に含まれているノイズを除
去することができることになり、図3(B)に示すよう
なストライプ部分のみが残された画像になる(S1
1)。次に、2値化画像からストライプ端点の位置を抽
出する。つまり、図3(B)に示したような画像のスト
ライプとバックグラウンドとの境界線を求める。この求
められた境界線は、1つの波形として表現され、例えば
図3(C)のように表わされることになる(S12)。
次に、上記のように表わされた波形の始点位置と終点位
置とを修正する処理を行なう。この処理は、図3(D)
に示すように波形の始点位置と終点位置とのX座標の位
置を一致させる処理である。この始点位置と終点位置と
を合わせる処理は、図4(A)に示すような特性を有す
るハニングフィルタというフィルタを求められた波形に
重ねることによって行われる。例えば、図4(B)に示
すような始点位置と終点位置とがズレている波形に同図
(A)のフィルタをかけると、同図(C)に示すように
始点位置と終点位置とが一致した波形が得られる。この
ような処理を行なわなければならない理由は、例えば図
5(A)に示すような始点位置と終点位置とが不一致の
波形に後述するFFT処理を施すとすれば、これは、塗
装面性状の評価に、ストライプとCCDカメラ6との相
対的な角度ズレまでをも含めることを意味するからであ
る。したがって、この処理を行なうことによって、この
角度ズレを自動的に修正して正しい評価を得ることがで
きることになる。因みに、始点,終点位置を修正しない
ままの図5(A)に示すような波形をFFT処理して得
られる波形は同図(B)に示すようなものとなり、一
方、この両位置を修正した同図(C)に示すような波形
をFFT処理して得られる波形は同図(D)に示すよう
なものとなる。これらのFFT処理後の波形を比較すれ
ば、始点位置の修正を行なうのと行なわないのとでは評
価に違いが出てきてしまうのは明らかである(S1
3)。
【0017】そして、このようにして始点位置、終点位
置の両位置に修正が加えられた後には、各周波数成分ご
との大きさを定量的に表わすためのFFT処理が行われ
る。この処理は、例えば図3(D)のような波形はどの
ような周波数成分の波形がどの程度含まれて構成されて
いるかを解析する処理であると言える。この処理をその
波形に対して行なった結果得られる波形は、図3(E)
に示すようなものとなる。この図によれば、図3(D)
に示されている波形は、低周波領域の成分が非常に多い
ことが判る(S14)。次に、この波形の塗装面性状の
評価の1つを成す平滑感に対応した周波数領域が占める
面積を求める。平滑感は、比較的低い周波数領域の面積
に関連しているので、図3(E)に示すように、斜線部
分の面積を求める。これによって塗装面性状を表わす3
質感の1つである平滑感の評価を得ることができる(S
15,S16)。
【0018】また、図2に示すフローチャートにおいて
は、この平滑感の評価算出に加えて肉持ち感の評価算出
も同時に行なうようにしている。この肉持ち感とは、塗
装面の非常に細かい凹凸の存在の程度を示すものであ
り、これは、入力したストライプの画像中に中空の部分
がどの程度存在するかによって評価することができる。
この肉持ち感に関する処理は次のようにして行われるこ
とになる。S12のステップの処理が行われた結果得ら
れた例えば図3(C)に示すような波形に対して一定値
以上の段差を削除する処理が行われる。この段差の削除
は段差削除用のフィルタを得られた波形に重ねることに
よって行なう。例えば、図3(C)のように段差を有す
る波形にこのフィルタを重ねることによって、図6
(A)に示すような段差のない波形を得ることができ
る。このような処理を行なわなければならない理由は、
この段差を取り除く処理を行わないと、例えば図7
(A)に示すような平滑感のみが損なわれる段差のある
波形であっても、肉持ち感が損なわれているような評価
がされてしまうからである。つまり、この波形に対して
FFT処理を施すと、図7(B)に示すような波形が得
られることとなって、肉持ち感の評価の対象となる中周
波数領域にまで分布が及んでしまうからである。このよ
うな誤差発生を防止するためにこの段差修正を行なって
いる。入力した画像が図7(C)に示すようなものであ
る場合には、塗装面には周期的な歪みと非常に細かい凹
凸が存在していると思われる。このような波形に対して
段差修正を行なわないまま非常に細かい凹凸がどの程度
あるかの肉持ち感の評価を行なった場合には、段差部分
のFFT処理による高周波域への影響からその正確な評
価を行なうことができなくなる。したがって、この波形
にFFT処理を施すと同図(D)に示すような波形が得
られ得ることになり、この波形の高周波域には段差部の
FFT処理の影響がそのまま加算されてしまう。ところ
が、図7(E)のようにフィルターを重ねて段差修正を
した後にFFT処理を施すと、段差の影響は全く受けな
いことから、同図(F)に示すような波形が得られるこ
とになり非常に正確な肉持ち感の評価をすることが可能
となる。以上のような段差修正の処理を図3(C)の波
形に施すと、図6(A)に示すような段差のないきれい
な波形になる(S17)。
【0019】そしてこの波形に対し、平滑感の評価を算
出する場合と同様にして、その始点位置と終点位置とを
一致させる修正が加えられる。この修正が終了すると図
6(B)に示すような波形になる(S18)。次に、こ
の波形に対して、各周波数成分ごとの大きさを定量的に
表わすためのFFT処理が行われる。この処理をその波
形に対して行なった結果得られる波形は、図6(C)に
示すようなものとなる。この図によれば、図6(C)に
示されている波形には、中周波領域のにピークが存在し
ていることが判る(S19)。次に、この波形の塗装面
性状の評価の1つを成す肉持ち感に対応した周波数領域
が占める面積を求める。肉持ち感は、中周波数領域の面
積に関連しているので、図6(C)に示すように、斜線
部分の面積を求める。これによって塗装面性状を表わす
3質感の1つである肉持ち感の評価を得ることができる
(S20,S21)。
【0020】次に、上述した段差を取り除く処理を具体
的に説明する。この処理は図8に示されているようなフ
ローチャートに基づいて行われる。このフローチャート
の動作説明は、図9に示す図を参照しながら進めること
にする。まず、カウンタnの値を0に設定し、このカウ
ンタnの値が設定値Nになるまで隣接点との差bn を求
めて記憶する。求められた輪郭線の波形が例えば図9
(A)に示すようなものであった場合には、その波形を
形成する隣接する点相互間の大きさの差を、L1 −L0
=b1 ,L2 −L1 =b2 ,…,LN −LN-1 =bN を
順次演算することによって求め、その結果得られた図9
(B)に示すような差b1 ,b2 ,…,bN を記憶する
(S30〜S34)。この処理が終了したら、再度カウ
ンタnの値を0に設定すると共に、カウンタS0 の値は
L0 に設定する(S35)。次に段差をなくす処理を以
下のようにして行なう。上記の処理において記憶されて
いる値bn を順次取り出して、その値の絶対値が所定の
値Aよりも多きいか小さいかの判断がされる(S36〜
S38)。この比較においてbn の値が所定の値Aより
も小さければ、段差がないものとみなして前の輪郭線デ
ータをSn として記憶する。すなわち、図9の場合にお
いては、b1 の値はA以上ではないので、S1 の値とし
てL0 が採用されることになる(S39,S40)。一
方、bn の値が所定の値A以上であれば、段差があるも
のとみなして、前の輪郭線データにbn の値を加算す
る。すなわち、例えば、図9に示されているb4 は所定
の値A以上であるので、S4 の値は、S3 の値にこのb
4 の値が加算されたものとされる。これによって、図9
(A)に示したような波形が同図(C)に示したような
波形に変換されて、段差部分が取り除かれることになる
(S41)。
【0021】さらに、具体的な例を挙げながら本発明装
置による平滑感と肉持ち感との評価算出過程を説明す
る。図10(A)及び図11(A)に示してある画像
は、塗装面に映っているストライプ画像であり、CCD
カメラ6が撮像した多値化画像である。両図を比較すれ
ば明らかなように、図11に示したもののほうが図10
のものよりも平滑感が劣っているのが判る。したがっ
て、図10の画像が撮られた塗装面の方が非常に歪みが
少ないということになる。上記のように極端に平滑感の
相違するものを比較した場合には相対的にいずれの平滑
感が良好であるかが判別可能であるが、両者に微差しか
認められない場合には、これを数値化してその数値を比
較して評価するのが便利である。本発明の装置ではこの
数値化を正確に行なえるようにしている。図10(A)
及び図11(A)の画像からストライプ部とバックグラ
ウンドとの境を形成する輪郭線を抽出すると、図10
(B)及び図11(B)のような波形が得られる。この
得られた波形にFFT処理を施すと、図10(C)及び
図11(C)に示したような波形が得られる。これらの
波形に対して平滑感を表わすのに必要な周波数領域の部
分の面積を求めると、両図の斜線部で示されるものとな
る。この面積は少ないほど平滑感が良好であると言える
から、図10の画像が得られた塗装面の方が平滑感が良
いと言うことになる。両者の比較はこのようにして簡単
に行なうことができるが、この手法によれば平滑感を定
量的に表現することができるようになるので、絶対評価
を行なうことも可能である。
【0022】図12(A)に示す画像は、平滑感の悪い
塗装面を撮像した場合に得られる多値化画像であり、図
13(A)は、肉持ち感の悪い塗装面を撮像した場合に
得られる多値化画像である。これらの画像において輪郭
線の抽出処理が行われた後にはそれぞれ両図(B)に示
すような波形が得られる。これらの波形に基づいてFF
T処理が行われると、それぞれ両図(C)に示すような
波形が生成される。そして、この波形図の所定の周波数
領域の面積を求めることによって平滑感の評価を行な
う。一方、肉持ち感の評価を行なう場合には、段差によ
る高周波領域への影響を除外するために、この(C)図
で得られた波形の中周波数領域の面積を単に求めるので
はなく、両図(B)の波形に対して前述のような段差処
理を行なって、両図(D)に示すような波形を一端生成
する。この得られた波形にFFT処理を施すと、両図
(E)に示したような波形が得られる。そして、この波
形に対して肉持ち感を表わすのに必要な周波数領域の部
分の面積を求めて肉持ち感の評価を行なう。
【0023】以上のように、本発明の塗装面性状検査装
置によれば、平滑感を求める場合には輪郭線を示す波形
に基づいてFFT処理をし、また、肉持ち感を求める場
合には輪郭線を示す波形の段差処理を行なった後にFF
T処理をし、それぞれ求められた波形の所定の領域の面
積を求めることによって平滑感と肉持ち感との評価値を
算出している。このように、定量的な測定を行なうこと
が容易にできるようになるために、測定の信頼性が向上
することになる。つまり、たとえ素人がこの装置によっ
て測定を行なった場合であっても、信頼性の非常に高い
評価を行なうことができるようになる。さらに、この評
価を得るための画像処理は、輪郭線に基づいて行なって
いるので、一次元の処理を行なうのみで良く、その処理
の高速化をも図ることができるようになる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、だれ
が測定した場合でも定量的な肉持ち感の測定が行なえる
ようになっているので、非常に信頼性の高い測定を行な
うことができる。また、この測定を行なうための演算は
一次元となることから、測定速度が向上することにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる塗装面性状検査装置の測定ヘッ
ド部の構成を示す図である。
【図2】図1に示した装置の処理フローチャートであ
る。
【図3】図2に示したフローチャートにおいて平滑感の
評価を算出する処理の動作説明に供する図である。
【図4】始点位置と終点位置とを合わせる処理の説明に
供する図である。
【図5】始点位置と終点位置とを合わせる処理を行なっ
た場合と行なわない場合とのFFT処理後の相違を示し
た図である。
【図6】図2に示したフローチャートにおいて肉持ち感
の評価を算出する処理の動作説明に供する図である。
【図7】段差補正を行なう処理の説明に供する図であ
る。
【図8】段差補正処理を示すフローチャートである。
【図9】図9に示した段差補正フローチャートの処理の
説明に供する図である。
【図10】平滑感の比較的良好な画像を処理した場合に
得られる波形の一例を示した図である。
【図11】平滑感の比較的悪い画像を処理した場合に得
られる波形の一例を示した図である。
【図12】平滑感の悪い画像を処理して、平滑感と肉持
ち感とを求める場合に得られる波形の一例を示す図であ
る。
【図13】肉持ち感の悪い画像を処理して、平滑感と肉
持ち感とを求める場合に得られる波形の一例を示す図で
ある。
【図14】従来の塗装面性状検査の1つの手法を示す図
である。
【図15】従来の塗装面性状検査の他の手法の説明に供
する図である。
【図16】図15に示した画像を処理する場合のフロー
チャートである。
【符号の説明】
6…CCDカメラ(入力手段) 25…測定ヘッド 30…画像処理装置換(輪郭線抽出手段,周波数分離手
段,評価演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−285208(JP,A) 特開 平2−271211(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 11/00 - 11/30 102 G01N 21/55 - 21/57 G01N 21/84 - 21/91 G06T 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装面に被検査画像を投射し、当該塗装面
    で反射した当該被検査画像に基づいて当該塗装面の肉持
    ち感を検査する塗装面性状検査装置において、 前記塗装面からの前記被検査画像を入力する入力手段
    と、 当該入力手段に入力された画像から当該画像の輪郭線を
    抽出する輪郭線抽出手段と、 当該輪郭線抽出手段によって抽出された輪郭線を形成す
    る波形から、一定値以上の段差を削除した後、各周波数
    ごとの波高値として表わされた周波数データを生成する
    周波数分離手段と、 当該周波数分離手段によって生成された周波数データの
    所定の周波数領域の面積から塗装面の肉持ち感の評価を
    演算する評価演算手段とを有することを特徴とする塗装
    面性状検査装置。
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