JP2982455B2 - 中子引き抜き装置 - Google Patents

中子引き抜き装置

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JP2982455B2
JP2982455B2 JP3351854A JP35185491A JP2982455B2 JP 2982455 B2 JP2982455 B2 JP 2982455B2 JP 3351854 A JP3351854 A JP 3351854A JP 35185491 A JP35185491 A JP 35185491A JP 2982455 B2 JP2982455 B2 JP 2982455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧鋳造工程における
中子の引き抜きに用いられる装置に関し、とくに中子の
引き抜き距離(移動ストローク)を可変することが可能
な中子引き抜き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】中子を用いたダイカスト鋳造装置におい
ては、鋳造品をキャビティから取出す際には、中子を引
き抜く作業が行なわれる。中子を引き抜くのは、中子と
鋳造品とが干渉し鋳造品を取り出すことができないから
である。
【0003】中子の引き抜き装置には、油圧シリンダの
往復動作を利用するものや、金型の開閉動作を利用する
ものなど種々のものが存在するが、基本的には中子の移
動ストロークは一定となっている。実開昭62−101
655号公報には、中子の引き抜き力を可変させるた
め、2段式の油圧シリンダを用いた装置が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、引き抜
き中子の移動ストロークを一定とした場合は、鋳造時に
中子と金型との間の隙間に溶湯が進入してバリが形成さ
れると、バリの除去が難しく、修復に多くの時間を必要
とする。また、バリの除去を考慮して中子の移動ストロ
ークを長く設定すると、中子の移動時間が長くなり、鋳
造サイクルタイムが長くなって生産性が低下する。
【0005】上述の実開昭62−101655号公報で
は、大径ピストンの動きに連動して小径ピストンが作動
するので、中子の移動ストロークは一定となる。したが
って、この場合もバリの除去を考慮した場合は、中子の
移動ストロークが長くなり、鋳造サイクルタイムが長く
なる。なお、シリンダを多段式にして移動ストロークを
可変することが考えられるが、単に移動ストロークを可
変させる装置では油圧系統が複雑になり、コストおよび
保守の面で問題となる。
【0006】本発明は、上記の問題に着目し、鋳造が正
常に行なわれる場合は中子の移動ストロークを短くで
き、鋳造条件の変動によってバリが発生した場合には中
子の移動ストロークを長くすることができ、しかも油圧
系統の構成を簡素化することが可能な中子引き抜き装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明に
係る中子引き抜き装置は、金型に対して移動可能に設け
られる中子と連結されるロッドと、該ロッドと連結され
るピストンが摺動可能に嵌装される第1のシリンダ部
と、前記ピストンにより区画される第1の伸長用液室と
第1の収縮用液室を有する第1の油圧シリンダと、前記
第1のシリンダ部が摺動可能に嵌装される第2のシリン
ダ部と、前記第1のシリンダ部に形成された連通ポート
を介して前記第1の収縮用液室と連通する第2の収縮用
液室と、前記第1のシリンダ部の鍔部によって第2の収
縮用液室と区画される第2の伸長用液室を有する第2の
油圧シリンダと、前記第1の油圧シリンダと第2の油圧
シリンダの各液室に作動油を供給する油圧供給源と、前
記第1の伸長用液室と第2の収縮用液室に供給される油
圧供給源からの作動油の流れを切替える方向切替弁と、
一方が前記方向切替弁と第1の伸長用液室との間の通路
に接続され、他方が第2の伸長用液室に接続される開閉
弁と、を具備したものから成る。
【0008】
【作用】このように構成された中子引き抜き装置におい
ては、中子は第1の油圧シリンダと第2の油圧シリンダ
との組合せによって移動される。鋳造が正常に行なわれ
た場合は、バリを除去する必要がないので、中子の移動
ストロークは短くされる。鋳造が正常に行なわれた場合
には、開閉弁が閉弁して第2の伸長用液室に存在してい
る作動油の流出が阻止され、第1のシリンダ部は動くこ
とができなくなる。この状態では、第2の収縮用液室お
よび連通ポートを介して第1の収縮用液室に流入する作
動油によってピストンのみが移動される。ピストンが移
動するとロッドを介して連結されている中子が引き抜き
方向に移動される。このように、バリが生じない場合
は、中子の移動はピストンの移動のみによって行なわれ
ることになり、中子の移動時間の短縮化がはかれる。こ
れによって、鋳造サイクルタイムを短くすることが可能
となる。
【0009】鋳造時に中子と金型との間の隙間に溶湯が
進入しバリが発生した場合は、中子の移動ストロークが
大になるように開閉弁の流路が切替えられる。開閉弁の
流路が切替えられた状態では、油圧供給源からの作動油
が方向切替弁を介して第2の収縮用液室に供給されると
ともに、第2の伸長用液室に存在する作動液が開閉弁を
介して流出される。
【0010】この状態では第1の収縮用液室には、連通
ポートを介して既に作動油が満たされているので、第2
の収縮用液室に供給される作動油の圧力は、第1のシリ
ンダ部を移動させるように作用する。このように、バリ
の発生時にはピストンとこのピストンが嵌装される第1
のシリンダ部とを共に中子の引き抜き方向に移動させる
ことができ、中子の移動ストロークを正常時に比べて大
にすることが可能となる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明に係る中子引き抜き装置の望
ましい実施例を、図面を参照して説明する。
【0012】第1実施例 図1ないし図4は、本発明の第1実施例を示している。
図1ないし図4において、1はダイカスト鋳造装置の金
型を示している。金型1は、固定型2と可動型3から構
成されている。可動型3は、図示されない駆動手段と連
結されており、固定型2に対して進退可能に構成されて
いる。
【0013】固定型2と可動型3との間には、中子4が
配置されている。固定型2と可動型3とが結合した状態
では、固定型2と可動型3と中子4によってキャビティ
5が形成されるようになっている。固定型2には、溶湯
7をキャビティ5内に充填するためのスリーブ6が設け
られている。中子4は、鋳物の内面中空部を造るために
用いられる鋳型であり、キャビティ5に対して移動可能
に配置されている。
【0014】可動型3の上面には、中子引き抜き装置1
1が設けられている。中子引き抜き装置11は、第1の
油圧シリンダ21、第2の油圧シリンダ31、油圧供給
源41、方向切替弁51、開閉弁61、制御手段71を
有している。
【0015】第1の油圧シリンダ21は、ピストン2
2、ロッド23、第1のシリンダ部24から構成されて
いる。ロッド23の先端部には、中子4が連結されてい
る。ロッド23の後端部は、ピストン22と連結されて
いる。ピストン22は、第1のシリンダ部24の内側に
摺動可能に嵌装されている。第1のシリンダ部24の内
側には、ピストン22によって区画される第1の伸長用
液室25と第1の収縮用液室26がそれぞれ形成されて
いる。第1の伸長用液室25は、図1に示すように、ピ
ストン22と連結されるロッド23を伸長させる際に作
動油が流入する室である。第1の収縮用液室26は、図
2に示すように、ロッド23を収縮させる際に作動油が
流入する室である。
【0016】第2の油圧シリンダ31は、可動型3に固
定される第2のシリンダ部32を有している。第2のシ
リンダ部32の内側には、上述した第1のシリンダ部2
4が摺動可能に嵌装されている。第1のシリンダ部24
の一端には、半径方向外方に膨出する鍔部24aが形成
されている。第2のシリンダ部32の内側には、第1の
シリンダ部24の鍔部24aによって区画される第2の
伸長用液室33と第2の収縮用液室34が形成されてい
る。
【0017】第1の収縮用液室26と第2の収縮用液室
34は、第1のシリンダ部24に設けられた連通ポート
27を介して連通している。第2の伸長用液室33は、
ロッド23を伸長させる際に作動油が流入する室であ
り、第2の収縮用液室34は、ロッド23を収縮させる
際に作動油が流入する室である。
【0018】第1の伸長用液室25、第1の収縮用液室
26、第2の伸長用液室33、第2の収縮用液室34に
は、方向切替弁51を介して油圧供給源41からの作動
油が供給されるようになっている。油圧供給源41は、
図示されないモータによって回転駆動される油圧ポンプ
と、作動油を貯溜するタンク42を有している。油圧ポ
ンプから吐出される作動油の圧力は、図示されない圧力
調整弁によって所定の圧力に設定されている。
【0019】方向切替弁51は、油圧供給源41から供
給される作動油の流れ方向を切替えるものであり、本実
施例では電磁切替弁から構成されている。方向切替弁5
1は、ソレノイド52、53を有しており、各ソレノイ
ド52、53に印加される電圧の有無によって流路の切
替制御が行なわれるようになっている。
【0020】方向切替弁51は、ポート51a、51
b、51c、51dを有している。方向切替弁51は、
ソレノイド52が励磁された場合は、ポート51aとポ
ート51bが連通し、かつポート51cとポート51d
が連通するようになっている。逆にソレノイド53が励
磁された場合は、ポート51aとポート51dが連通
し、かつポート51bとポート51cが連通するように
なっている。
【0021】方向切替弁51のポート51dは、通路8
1を介して油圧供給源41に接続されており、ポート5
1bは通路82を介して油圧供給源41のタンク42に
接続されている。方向切替弁51のポート51cは、通
路83を介して第1の伸長用液室25のポート25aに
接続されている。方向切替弁51のポート51aは、通
路84を介して第2の収縮用液室34のポート34aに
接続されている。
【0022】方向切替弁51のポート51cと第1の伸
長用液室25とを連通する通路83には、電磁弁からな
る開閉弁61が接続されている。開閉弁61は、通路8
5を介して第2の伸長用液室33へ作動油を流入させ、
または第2の伸長用液室33へ流入した作動油を方向切
替弁51を介してタンク42に排出させる機能を有して
いる。
【0023】開閉弁61は、ソレノイド62、63およ
びポート61a、61bを有している。開閉弁61は、
ソレノイド62が励磁された場合は、ポート61aとポ
ート61bが連通し、逆にソレノイド63が励磁された
場合は、ポート61aとポート61bとは非連通状態と
される。ポート61aとポート61bが非連通状態の場
合は、第2の伸長用液室33のポート33aがブロック
され、第2の伸長用液室33に存在する作動油により、
第1のシリンダ部24は移動不可能となっている。
【0024】方向切替弁51のソレノイド52、53
は、制御手段71と電気的に接続されている。開閉弁5
1のソレノイド62、63も同様に制御手段71と電気
的に接続されている。方向切替弁51および開閉弁61
は、制御手段71から出力される電気信号によって作動
するようになっている。制御手段71は、上述の制御の
他に可動型3の移動制御および鋳造時の各部の動きを制
御する機能を有する。
【0025】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。図1は、中子4が正規の位置に位置決めさ
れ、かつ固定型2と可動型3との型合せが完了した状態
を示している。この状態では、スリーブ6を介してキャ
ビティ5内に溶湯7の充填が行なわれる。キャビティ5
内に溶湯7が充填される場合は、溶湯7に圧力が付与さ
れる。したがって、溶湯7にかかる圧力が高すぎると、
溶湯7が中子4と可動型3の間の隙間に進入し、バリが
発生する場合がある。
【0026】溶湯7の充填が行なわれる際には、油圧供
給源41からの油圧は、方向切替弁51のポート51
c、51dを介して第1の伸長用液室25に作用し、か
つ第1の収縮用液室26内の作動油は、連通ポート27
および第2の収縮用液室34を介して、タンク42に戻
されている。また、開閉弁61は閉弁状態になっている
ので、ポート33aはブロックされた状態となり、第1
のシリンダ部24の動きはロックされる。
【0027】溶湯7が所定時間冷却され、所定の形状の
鋳物8ができると、図2に示すように、可動型3が図示
されない駆動手段によって移動され、可動型3と固定型
2が分離される。この状態では、鋳物8は可動型3に残
される。つぎに、中子4が中子引き抜き装置11によっ
て引き抜かれる。
【0028】図2に示すように、中子4を引き抜く場合
には、方向切替弁51のソレノイド53が励磁され、作
動油の流路が切替えられる。この状態では油圧発生源4
1からの作動油は方向切替弁51によって第2の収縮用
液室34に導かれる。この状態では、開閉弁61の開弁
によって第2の伸長用液室33のポート33aがブロッ
クされているので、第1のシリンダ部24の動きはロッ
クされたままとなり、第2の収縮用液室34に流入した
作動油は、連通ポート27を介して第1の収縮用液室2
6に流入する。
【0029】第1の収縮用液室26に作動油が流入する
と、作動油の圧力によってピストン22が引き抜き方向
に移動される。これにより、ピストン22とロッド23
を介して連結された中子4の引き抜きが行なわれる。こ
こで、中子4と可動型3との間の隙間にバリが生じてい
ない場合は、中子4の引き抜き作業は完了する。この状
態では、中子4が鋳物8よりも距離S1 だけ逃がされる
ので、鋳物8を矢印A方向に取出すことができる。
【0030】中子4と可動型3との間の隙間にバリが差
し込んでいる場合は、さらに中子4の引き抜き量が大と
される。図3は、バリ8aが生じている場合の中子4の
動きを示している。バリ8aが生じている場合は、開閉
弁51のソレノイド62が励磁され、第2の伸長用液室
33のポート33aが開閉弁51および方向切替弁51
を介してタンク42内と連通される。そのため、第2の
伸長用液室33内の作動油は、開閉弁61および方向切
替弁51を介してタンク42に戻される。
【0031】第2の伸長用液室33内の作動油がタンク
42に戻される場合は、第2の収縮用液室34に方向切
替弁51を介して油圧駆動源41からの作動油が流入さ
れる。第2の収縮用液室34に流入した作動油の圧力
は、第1のシリンダ部42の端面に作用するので、第1
のシリンダ部42が引き抜き方向に移動する。これによ
り、ピストン22はさらに引き抜き方向に移動すること
になり、中子4の移動ストロークはさらに大きくなり、
鋳物8と中子4との間の距離はS2 に拡大される。
【0032】第1のシリンダ部24およびピストン22
の移動により、中子4が図3の位置まで引き抜かれた状
態では、バリ8aが完全に露出することになる。したが
って、バリ8aの除去作業が可能となり、鋳物8の取外
し作業は著しく容易となる。また、この状態ではバリ8
aが差し込みやすい摺動部3aが目視できるので、中子
4の引き抜き時に生じる可動型3の傷を補修することが
容易となり、かつ摺動部3aにバリ8aが発生するのを
予防のための潤滑剤を塗布することも可能になる。
【0033】第1のシリンダ部24の第2の収縮用液室
34側の面積は、ピストン22の第1の収縮用液室26
側の面積よりも著しく大となるので、バリ8aの差し込
みにより中子4の引き抜き抵抗が大きくなった場合で
も、確実に中子4を引き抜くことが可能となる。
【0034】鋳物8の取外しが終了すると、図4に示す
ように、方向切替弁51の流路が切替えられ、第1の伸
長用液室25と第2の伸長用液室33に油圧供給源41
からの作動油が供給される。これと同時に、第1の収縮
用液室26と第2の収縮用液室34に存在する作動油が
通路84を介してタンク42に戻される。これにより、
ピストン22および第1のシリンダ部24は、引き抜き
方向と逆方向に移動され、中子4は鋳造可能な位置に戻
される。
【0035】中子4の位置決めが完了すると、可動型3
が固定型2の方向へ移動し、可動型3と固定型2との結
合が行なわれる。その後、開閉弁61の流路が切替えら
れ、第2の伸長用液室23のポート33aがブロックさ
れる。この状態では、固定型2と可動型3と中子4によ
ってキャビティ5が形成され、キャビティ5内への溶湯
の充填が可能となる。
【0036】このように、バリが発生しない正常な鋳造
が行なわれた際には、ピストン22のみの移動ストロー
クによって中子4を引き抜くので、中子4の移動距離を
短くすることができ、鋳造サイクルタイムの短縮化がは
かれる。バリ8aが発生した場合は、ピストン22と第
1のシリンダ部24の双方の移動により中子4の移動ス
トロークをさらに大にすることが可能となり、バリ8a
の除去が著しく容易となる。
【0037】第2実施例 図5は、本発明の第2実施例を示している。第2実施例
が第1実施例と異なるところは、カウンタ弁の有無のみ
であり、その他の部分は第1実施例に準じるので、準じ
る部分に第1実施例と同一の符号を付すことにより準じ
る部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明す
る。
【0038】本実施例では、開閉弁61と並列にカウン
タ弁91が設けられている。カウンタ弁91は、圧力調
整弁91aとチェック弁91bとから構成されている。
圧力調整弁91aには、第2の収縮用液室34のポート
34aからの圧力がパイロット通路92を介して伝達さ
れるようになっている。圧力調整弁91aは、パイロッ
ト通路92を介して伝達された圧力が所定の圧力に達し
たときに、第2の伸長用液室33を作動油をタンク42
に戻す機能を有している。
【0039】このように構成された第2実施例において
は、鋳造が正常に行なわれた場合は、油圧供給源41か
らの圧力が方向切替弁51を介して第2の収縮用液室3
4に伝達される。この状態では、第2の伸長用液室33
のポート33aが開閉弁61およびカウンタ弁91によ
ってブロックされているので、第1のシリンダ部24は
動きがロックされた状態となる。そのため、第2の収縮
用液室34から連通ポート27を介して第1の収縮用液
室26に流入する作動油の圧力によって、ピストン22
のみが引き抜き方向に移動する。ピストン22の移動に
よって中子4が正常時の引き抜き限界位置に到達する
と、図示されない位置検出センサによって中子4の位置
が検出され、他の電磁弁(図示略)によって油圧供給源
41からの作動油の圧送が停止される。
【0040】バリの発生または鋳物の食い付などによ
り、中子4の引き抜き抵抗が大きくなった場合は、第2
の収縮用液室34に供給される作動油の圧力が高くな
り、パイロット回路92を介して導かれる圧力によりカ
ウンタ弁91が開弁される。これにより、第2の伸長用
液室33内の作動油がカウンタ弁91を介して油圧タン
ク42に戻される。その結果、第2の収縮用液室34に
作用する作動油の圧力により、第1のシリンダ部24が
引き抜き方向に移動し、中子4の引き抜きストロークが
大とされる。
【0041】中子4の引き抜きにより、バリの除去や補
修が終了すると、方向切替弁51によって作動油の流路
が切替えられる。流路が切替えられると、油圧発生源4
1からの作動油は、第1の伸長用液室25に供給される
とともに、カウンタ弁91のチェック弁91bを介して
第2の伸長用液室33に供給される。これによって、中
子4は引き抜き方向と逆方向に移動され、鋳造可能な位
置に戻される。
【0042】このように、本実施例では引き抜き力が最
も必要とされる離型時に、大きな流路断面を有する第2
の収縮用液室34に高い油圧を作用させることができる
ので、中子4の引き抜き開始時の引き抜き力を十分に確
保することが可能となる。そして、その後の中子4の進
退はピストン22の移動により行なうことが可能とな
り、油圧シリンダの小型化がはかれる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、つぎのような効果が得
られる。 (1) 鋳造が正常に行なわれる場合は、ピストンの移
動のみによって中子を引き抜くようにしたので、中子の
引き抜き時の移動ストロークを小にすることができ、引
き抜き時の中子の移動時間を短縮することができる。し
たがって、鋳造サイクルタイムの短縮かがはかれ、鋳造
作業の生産性を高めることができる。
【0044】(2) 鋳造条件の変動等によりバリの差
し込みが生じた場合は、ピストンとこのピストンが嵌装
される第1のシリンダ部の移動によって中子を引き抜く
ことが可能となり、中子の引き抜き時の移動ストローク
を正常時よりも大きくすることが可能となる。これによ
り、バリの除去を確実かつ容易に行なうことができる。
また、中子の逃げ量が多くなるので、バリ発生時の中子
の引き抜きによって生じる金型の傷の補修作業や、バリ
の発生を防止する潤滑油の塗布作業が容易となり、鋳造
装置の稼働率を高めることができる。
【0045】(3) 第1のシリンダ部に第1の収縮用
液室と第2の収縮用液室とを連通する連通ポートを設け
るようにしたので、油圧系統の流路の切替を方向切替弁
と開閉弁のみによって行なうことが可能となり、油圧系
統の構成を簡素化することができる。
【0046】(4) また、第1の油圧シリンダと第2
の油圧シリンダとを組合わせた多段式油圧シリンダとし
ているので、各油圧シリンダの収縮によって引き抜き装
置の外形を小とすることができる。したがって、金型の
保管時あるいは金型の交換時の取扱いが容易となり、保
管スペースの点で有利になるとともに、鋳造作業におけ
る金型の交換時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る中子引き抜き装置を
用いたダイカスト鋳造装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置におけるバリが発生していない場合
の中子の動きを示す断面図である。
【図3】図1の装置におけるバリが発生している場合の
中子の動きを示す断面図である。
【図4】図3の状態から中子の位置を鋳造可能な位置ま
で戻した場合の状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る中子引き抜き装置を
用いたダイカスト鋳造装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2 固定型 3 可動型 4 中子 8 鋳物 8a バリ 21 第1の油圧シリンダ 22 ピストン 24 第1のシリンダ部 24a 鍔部 25 第1の伸長用液室 26 第1の収縮用液室 27 連通ポート 31 第2の油圧シリンダ 33 第2の伸長用液室 34 第2の収縮用液室 41 油圧供給源 51 方向切替弁 71 制御手段 91 カウンタ弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型に対して移動可能に設けられる中子
    と連結されるロッドと、該ロッドと連結されるピストン
    が摺動可能に嵌装される第1のシリンダ部と、前記ピス
    トンにより区画される第1の伸長用液室と第1の収縮用
    液室を有する第1の油圧シリンダと、 前記第1のシリンダ部が摺動可能に嵌装される第2のシ
    リンダ部と、前記第1のシリンダ部に形成された連通ポ
    ートを介して前記第1の収縮用液室と連通する第2の収
    縮用液室と、前記第1のシリンダ部の鍔部によって第2
    の収縮用液室と区画される第2の伸長用液室を有する第
    2の油圧シリンダと、 前記第1の油圧シリンダと第2の油圧シリンダの各液室
    に作動油を供給する油圧供給源と、 前記第1の伸長用液室と第2の収縮用液室に供給される
    油圧供給源からの作動油の流れを切替える方向切替弁
    と、 一方が前記方向切替弁と第1の伸長用液室との間の通路
    に接続され、他方が第2の伸長用液室に接続される開閉
    弁と、を具備したことを特徴とする中子引き抜き装置。
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