JP2981943B2 - 作業機械の警報システム - Google Patents

作業機械の警報システム

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JP2981943B2
JP2981943B2 JP3353233A JP35323391A JP2981943B2 JP 2981943 B2 JP2981943 B2 JP 2981943B2 JP 3353233 A JP3353233 A JP 3353233A JP 35323391 A JP35323391 A JP 35323391A JP 2981943 B2 JP2981943 B2 JP 2981943B2
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康雄 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油圧ショベル、クレ
ーン等のように上部旋回体を持つ土木・建設機械等の作
業機械に使用される警報システムに関し、詳しくは、音
波または電波を用い、接近対象物に対して作業機械の形
態、動作状態に応じて警報を発生し、ダイナミックに安
全管理をすることができる警報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】建設現場や道路舗装現場、土木作業現場
などでは、建設機械と作業員とが交錯する作業形態が多
くある。また、場所によっては一般の人も訪れ、あるい
は作業に付随して使用される各種機械の搬入や搬出、さ
らには障害物などもある。そして、これら作業員や一般
人、障害物などが作業車両等の運転者の視覚を遮る後方
や対角方向にいたりすると、事故になる危険性が非常に
高い。そこで、従来から各種の安全システムが提案され
ている。その1つに超音波エコー方式がある。超音波エ
コー方式は、超音波を反射する対象物からのエコーを捉
えて、警報エリアにある物に対して警報を発生するシス
テムである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】超音波エコー方式を利
用する従来の警報システムは、作業員以外のもの、例え
ば、草や木といった障害物、警報を発生してはいけない
作業設備や機器などにも反応して警報を発生してしまう
欠点があって、警報過敏なために実用的なものではな
い。このような欠点を解決するために超音波を用いる警
報システムとしてトランスポンダ方式が提案されてい
る。トランスポンダ方式は、運転者と作業員とを主局と
従局とに分けて情報交換を行う。従局となる作業員は、
主局となる車両側から発信される超音波を受信する機器
を装着していて車両からの超音波を受信することで従局
の警報を鳴らし、送受信の切換を行って受信周波数と異
なる周波数で主局に発信する。一方、主局となる車両
は、従局からの信号を検知エリア内で受信し、従局から
の信号が受信されたときに作業員に対して車両側から警
報を発するシステムである。このように主局の周波数と
異なる周波数で従局からの応答を受けることにより無関
係な障害物からの反射(周波数が主局の発信と同じも
の)と従局(作業員等からの異なる周波数応答)からの
ものと区別することができる。
【0004】しかし、このようなトランスポンダ方式を
用いても、より高い安全性を確保するために検知エリア
を拡大するとそれだけ超音波の反射波受信領域が拡大し
て周囲にある無関係な障害物でも警報を発生する危険性
が増加し、また、検知エリアを限定すると安全性が低下
する問題がある。そこで、このような問題を解決するた
めに、この発明者等は、複数の仮想危険度ポテンシャル
ゾーンを作業機械の周囲に設定して危険度を判定する作
業機械の警報システムを提案し、この出願人は、これに
ついて特願平3−205366号として出願済みであ
る。この方式は、設定したどの仮想危険度ポテンシャル
ゾーンに検出対象物(人を含む)が入っているかを判定
することを基本とする。この判定の処理は速ければそれ
だけ警報発生までの時間が短くでき、より高い安全性が
確保できる。しかし、作業機械は、作業中アームやブー
ム、アタッチメントの他、旋回体もその姿勢を変えるの
で、それに応じてポテンシャルゾーンを設定するとなる
と、前記の判定処理に時間がかかる。一方、この判定時
間をできるだけ短縮して瞬間的に判定ができるような要
請が強くある。この発明は、このような要請に応え、か
つ、前記の従来技術の問題点を解決するものであって、
接近対象物に対して作業機械の動作状態(静止状態を含
めて)に応じてダイナミックに安全管理をすることが可
能であり、ポテンシャルゾーンの設定が容易でゾーンと
検出対象物との関係についての判定を高速に行うことが
できる作業機械の警報システムを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るこの発明の作業機械の警報システムは、アームを有す
る作業機械の前記アームの先端部の周囲に平面上半径の
異なる多重円により形成される内側に向かって危険度が
高くなる複数の仮想危険度ポテンシャルゾーンを設定す
るポテンシャルゾーン設定手段と、作業機械に対する検
出対象物の位置を検出する位置検出手段と、この位置検
出手段により検出された位置が複数の仮想危険度ポテン
シャルゾーンのいずれかのゾーンに入っているかを判定
する判定手段と、警報を発生する警報手段とを備えてい
て、判定手段の判定結果に応じて検出対象物が複数の前
記仮想危険度ポテンシャルゾーンのうち低い危険度から
高い危険度のゾーンへ移動したことを検出して前記警報
手段を駆動し、警報を発生するものである。
【0006】
【作用】このように、作業機械のアームの先端の周囲に
多重の円よりなる複数の仮想危険度ポテンシャルゾーン
を設定して円の1つに監視対象が入った場合に危険度の
低い円から危険度の高い円に対象が移動したことをもっ
て監視対象を検出し、警報を鳴らすようにしているの
で、アットランダムに発生するノイズ等により影響され
難く、より安全に警報を発することができる。しかも、
円形のポテンシャルゾーンであるので、中心からの距離
だけで設定でき、作業中においてアームが回転していて
もその先端の現在位置から対象物までの距離を得るだけ
でどのポテンシャルゾーンにあるか判定でき、作業状態
での危険度判定を高速に行うことができる。
【0007】
【実施例】図1は、この発明の作業機械の警報システム
を油圧ショベルに適用した場合の一実施例の説明図であ
り、図2は、油圧ショベルの全体的な構成の説明図、図
3は、その受信センサと超音波発生ホーンの取付関係の
説明図、図4は、その仮想危険度ポテンシャルゾーンの
説明図、図5は、ポテンシャルデータテーブルの説明
図、図6は、油圧ショベルの動作に応じて設定される仮
想危険度ポテンシャルゾーンの説明図、図7は、作業状
態にあるときに移動先を予測して設定される仮想危険度
ポテンシャルゾーンの説明図、図8は、仮想危険度ポテ
ンシャルゾーンの危険度設定関数の説明図である。
【0008】図2において、20は、バックホウフロン
トアタッチメントを有する油圧ショベルであり、その上
部旋回体1には、ブーム2,アーム3及びバケット4か
らなる作業用のフロントアタッチメントが取付けられて
いる。5は、旋回体1の下部に設けられている走行体で
ある。6は、油圧ショベル20に搭載されている演算制
御部であり、マイクロプロセッサ(MPU)とメモリ等
を有していて旋回体1の旋回角θに対応してブーム2な
どの作業範囲やフロントアタッチメントにおける各作業
部材の姿勢(角度α1,α2 ,α3 )等の制御を行う。
また、駆動制御部8を制御して各作業部材の駆動と停止
等の制御を行う。7は、警報部であって、ブザーや音声
合成装置を備えていて作業の状態をブザーで知らせると
とも、近接物や近接者に対して種々の警報を発する。な
お、図中、d1 は、ブーム2の角度α1 (図示せず)を
設定する制御量であり、d2 は、アーム3の角度α2
(図示せず)を設定する制御量であり、d3 は、バケッ
ト4(あるいはフロントアタッチメント)の角度α3
(図示せず)を設定する制御量である。
【0009】油圧ショベル20の運転席の上部の車体部
分と右側車体部分には、図3の部分拡大平面図に示すよ
うに、3つの受信センサ17a,17b,17cと90
度配置された4つの超音波発生ホーン18a,18b,
18d,18eとが設けられている。これら受信センサ
17a,17b,17cは、旋回体1の回転中心Oを中
心とする円周上に120度の間隔で設置されている。な
お、それぞれの受信センサの受信指向性は、前後180
度の切換えが可能な2個のセンサが内蔵されていて切換
により360度の指向性を有する。そして、受信センサ
17a,17bは、油圧ショベル20の前後に対して指
向性切換えができるようにその指向性が前後に向くよう
に取付けられ、受信センサ17cは、油圧ショベル20
の左右に対して指向性切換えができるように取付けられ
ている。一方、超音波発生ホーン18a,18b,18
d,18eは、送信回路18により同時に駆動されて3
60度、全周に亙って超音波を発射する。
【0010】このようなことから、旋回体1の回転状態
に応じて旋回体1に対してその前後の受信対象について
はその指向性切換えにより受信センサ17a,17bに
より受信した信号を位置計測信号として受け、旋回体1
に対して右側の位置では後側に指向性を切換えた受信セ
ンサ17aと右側に指向性を切換えた受信センサ17c
により受信した信号を位置計測信号として受け、逆に左
側については後側に指向性を切換えた受信センサ17b
と左側に指向性を切換えた受信センサ17cにより受信
した信号を位置計測信号として受ける。これらセンサ
は、演算制御部6により受信検出回路16,セレクタ1
5を介して接続されていて、時分割でセンサの選択と受
信検出回路16の検出記の選択とが制御され、セレクタ
15を介して演算制御部6に選択に対応する信号が受信
検出割込み信号として入力される。
【0011】ところで、超音波発生ホーン18a,18
b,18d,18eにより発生する超音波は、例えば、
30kHzであり、受信センサ17a,17b,17c
が受信する周波数は、例えば、20kHzであって、送
信信号と受信信号との周波数が相違している。この相違
は、検出対象物となる作業員等の側で携帯する警報装置
(検出対象物19)が30kHzの超音波を受信した場
合に受信応答信号として20kHzの超音波を送信する
ようになっているからである。したがって、ここでは、
いわゆる油圧ショベル20側が主局となり、作業員等の
側が従局となるトランスポンダ方式を採用している。そ
こで、演算制御部6により送信回路18の制御により超
音波発生ホーン18a,18b,18d,18eは、3
0kHzの超音波を、例えば、0.1sec 〜0.3sec
で周期的に発生し、20kHzの超音波を受信検出回路
16を介して受信するまでの時間を受信信号を受けた演
算制御部6が計測する。これによりそれぞれのセンサか
ら作業員側携帯警報装置(従局)までの距離が算出でき
る。
【0012】図1は、このような処理を行う演算制御部
6の内部構成であり、特に、この発明に関係する部分を
主体とした主要部分を示している。図2の旋回体1の旋
回に応じて回転位置検出センサから得られる回転位置信
号とフロントアタッチメントの各種作業部材のロータリ
エンコーダ等からの信号、駆動制御部8、受信センサ1
7a,17b,17cからの信号は、それぞれA/D変
換回路を含むインタフェース14を介して演算制御部6
のMPU10に取込まれる。また、警報部7は、このイ
ンタフェース14を介してMPU10により制御され、
駆動される。MPU10は、先に説明した油圧ショベル
20の作業についての全体の制御を行うとともに、次に
説明する構成によりこの発明特有の制御と判定、警報部
の駆動等の処理を行う。
【0013】さて、バス13には、インタフェース14
やMPU10のほかに、各種プログラムやデータを記憶
したメモリ9、操作パネル11、ディスプレイ12等が
接続されている。そして、メモリ9には仮想的な危険度
を設定するポテンシャルゾーンのグループの中心位置を
作業状態に応じて算出する中心位置算出プログラム9a
と対象検出・距離算出プログラム9b、危険度判定プロ
グラム9c、警報処理プログラム9d等が格納されてい
る。さらに、メモリ9にはポテンシャル等のデータテー
ブル9e,監視対象テーブル9f等が設けられている。
ここで、図4に示すような同心円状に設定される同心円
で形成される隣接円との間の各ゾーンは、仮想的なポテ
ンシャルゾーンに対応していて、ポテンシャルデータテ
ーブル9eは、中心からの距離(半径)により各ゾーン
を管理する。そして、監視対象テーブル9fには検出対
象物19に関するデータが記憶される。
【0014】図5は、ポテンシャルデータテーブル9e
の内容を示している。これには、図4のそれぞれの円の
半径データがそれぞれゾーン設定中心PA,PB,P
C,PDに対応してテーブル化されている。すなわち、
ポテンシャルデータテーブ9eは、ゾーン設定中心P
A,PB,PC,PDについて旋回体1の回転中心O
(原点)に対する座標値を発生する関数が各作業部材の
姿勢を設定する作業制御量(θを設定する制御量d,ブ
ーム2の角度α1 を設定する制御量d1 ,アーム3の角
度α2 を設定する制御量d2 ,バケット4の角度α3
設定する制御量d3 ,図2参照)との関係において、f
pa(d,d1 ,d2 ,d3 ),fpb(d,d1),fpd
(d)として設けられている。なお、ゾーン設定中心の
うちPCについては、原点Oにあるので座標算出の必要
はない。したがって、関数は不要である。ポテンシャル
データテーブル9eは、前記関数により作業状態に応じ
て算出される同心円の中心について原点Oに対する現在
座標Xo ,Yo が設けられ、各円についてその半径(r
i )とその半径の円に内側の危険度(レベルPi (後
述))とのペアの配列rn /Pn ,dn-1 /Pn-1 ,・
・・,r1 /P1 ,r0 /P0 のデータが危険度高い内
側の円の半径から順に設けられている。なお、nは、各
ゾーンに応じて選択される任意の整数である。
【0015】中心位置算出プログラム9aは、定期的な
割り込み処理でこのポテンシャルデータテーブル9eを
参照してfpa(d,d1 ,d2 ,d3 ),fpb(d,d
1 ),fpd(d)に従ってそれぞれのポテンシャルゾー
ンPA,PB,PDの中心の現在位置を算出して現在座
標Xo ,Yo の値をポテンシャルデータテーブル9eに
所定の周期で定期的に書込む。
【0016】図4においては、中心位置算出プログラム
9aにより生成された各ポテンシャルゾーン中心位置に
対応して設定される同心円状の仮想危険度ポテンシャル
ゾーンの図形が示されている。これら円のうちゾーン設
定中心に対して最内周の円は、ブーム2,アーム3及び
バケット4のそれぞれが一番小さな姿勢あるいは基本姿
勢を採ったときにそれぞれがカバーされるように、その
ときの姿勢を囲むような半径で設けられている。また、
各同心円のポテンシャルゾーンは、前記関数によりこれ
らゾーンの中心が定期的に算出されることで、ブーム
2,アーム3及びバケット4からなる作業用のフロント
アタッチメントの姿勢、そして旋回体1の回転に応じて
移動し、あるいは、回転する。ここでは、特に、ポテン
シャルゾーンがドーナッツ状(円)であるので、危険度
の低いポテンシャルゾーンから高いポテンシャルゾーン
へ対象物が移動したときには、移動中、あるいは移動方
向にある対象物は、同心円の中心に向かって相対移動す
ることになる。そこで、たとえ、対象物が移動していな
くてもブーム2,アーム3及びバケット4からなる作業
用のフロントアタッチメントの姿勢が対象物に接近した
ことを捉えることができ、危険度の判定をより確実に行
うことができる。
【0017】このようなことから、ここでは、危険度の
低いポテンシャルゾーンから高いポテンシャルゾーンへ
移動した対象物を捉える。そして、移動した高いポテン
シャルゾーンがあらかじめ定められた危険度以上のポテ
ンシャルゾーンであるときに警報を発生する。なお、図
において、同心円の形状が旋回体1とブーム2,アーム
3及びバケット4のそれぞれに異なっている。これは、
それぞれの危険度管理が異なるからである。特に、バケ
ット4については他よりも多数の円が設定されるべきで
ある。その理由は、旋回体1が旋回しているとき、ブー
ム2を移動しているとき、あるいはアーム3が移動して
いるとき、これら複数のものが動作しているときには、
単独の動作状態のときより危険度が高くなるので、より
細かな管理が必要になるからである。
【0018】危険度は、それぞれを独立に移動したとき
のそれぞれのゾーンにおける危険度をレベルPで管理
し、その一番外側の枠を危険度が一番低い、レベルP=
0、中心に一番近い円を一番高いレベルnとしてn段階
に区分けして管理する。また、旋回体1が旋回している
ときとブーム2を移動しているときと、アーム3が移動
しているとき、そしてこれら複数のものが移動している
ときとでは、前記レベルPの危険度は、その動作に応じ
て危険度が高くなる。そこで、最初の単独のレベルに対
してレベルPに対して補正する。この補正としては、最
初のレベルPの値に対してある数値Q(ただし、1以上
の数)が乗算されて判定対象となる危険度(レベルP)
が算出され、あるいはある加算値Qが特別に付加されて
算出されることによる。
【0019】対象検出・距離算出プログラム9bは、受
信検出回路16が受信信号を検出して割込み信号をMP
U10に送出したときにMPU10により起動される。
このプログラム9bは、受信センサ17a,17b,1
7cの指向性を時分割で切換えて前後、左右の位置デー
タ信号を順次これら受信センサから得て、各受信センサ
間の距離と受信対象までの距離とに基づき、いわゆる三
角法による演算処理により油圧ショベル20の中心(回
転中心)を原点Oとした検出対象物19(従業員側警報
装置)の位置を算出する。その後、MPU10は危険度
判定プログラム9cを起動し、実行する。
【0020】三角法による距離算出の一例を図3により
説明すると、例えば、検出対象物19が油圧ショベル2
0の前方にある場合を例に採れば、受信センサ17aと
17bとの距離L1 が既知であり、受信センサ17aと
検出対象物19との距離L2と受信センサ17bと検出
対象物19との距離L3 とが計測され、各受信センサ1
7a,17bと検出対象物19で形成される三角形にお
ける三辺が既知である場合に、検出対象物19と受信セ
ンサ17a−17bとのなす角である∠αが算出され
る。また、センサが作る三角形の内角のうち受信センサ
17aの内角である∠β=30度で既知であるので、検
出対象物19と油圧ショベル20の回転中心(原点O)
との距離Lと角度γとを算出し、これにより回転中心に
座標の原点Oを持つ場合の検出対象物19の座標(X,
Y)が算出されるものである。対象検出・距離算出プロ
グラム9bは、算出した座標(X,Y)をメモリ9に記
憶する。
【0021】危険度判定プログラム9cが起動され、M
PU10により実行されると、MPU10は、ポテンシ
ャルデータテーブル9eを参照して中心位置算出プログ
ラム9aにより定期的に算出された各ポテンシャルゾー
ン中心の現在座標Xo ,Yoを得る。そして、これと先
の対象検出・距離算出プログラム9bにより算出された
座標(X,Y)とに基づき各ポテンシャルゾーンPA,
PB,PDの中心位置と検出対象物19との距離Loを
算出する。次に、中心側からみてこの距離Loがどの円
の範囲に入ったかを、ポテンシャルデータテーブル9e
の配列rn /Pn ,dn-1 /Pn-1 ,・・・,r1 /P
1 ,r0 /P0 を参照して大小比較して得て、その円に
対応する危険度(レベルPi )をそれぞれのゾーンP
A,PB,PC,PDについて得る。そして、いずれか
の円の範囲内に入ったときのその対象物を監視対象とし
てその座標と危険度(レベルPの値)とを監視対象テー
ブル9fに登録する。なお、ポテンシャルゾーンPDに
ついては、検出対象物19までの検出距離Lがそのまま
用いられる。
【0022】前記の登録後に、危険度判定プログラム9
cは、監視対象テーブル9fを参照して監視対象として
すでに記憶されているものがあるか否かを前記の登録座
標を中心に所定の範囲(この範囲は、同一対象の判定範
囲であり、作業機械の移動速度等に応じて適宜決定す
る。)に既登録の検出対象物19があるか否かの判定を
行う。それがあるときには、既登録対象と新規登録対象
とは同じ対象物であるとして既登録の検出対象物19の
危険度を読出してレベルPを比較判定する。これによ
り、危険度(P=ポテンシャル値)が過去のものに対し
て増加しているか否かを判定する。危険度が同じか増加
しているときには、その監視対象について新規に登録し
た座標値のデータとともにそれにフラグ“1”の情報が
付加されて記憶される。このフラグ“1”が立てられた
ものものについては、以後危険度の判定が優先して行わ
れる。また、危険度が所定以上、例えば、3ランク以上
に低下したものについては、新規に登録した座標値のデ
ータとともにそれにフラグ“0”の情報が付加される。
そして既登録の検出対象物の座標と危険度は削除され
る。このとき、先の同一対象判定範囲内に既登録検出対
象が存在しない場合には、新規に登録した座標値のデー
タとともにそれにフラグ“0”の情報が付加されて登録
される。このようにフラグ“0”が立てられている座標
データは、適当たタイミングあるいは次の監視時におい
て新規の対象物を登録する前に削除されて監視対象から
除外される。
【0023】このことでノイズ等は排除される。すなわ
ち、危険度が同じか増加したデータのみが監視対象とな
り、監視対象テーブル9fに残され、それ以外が削除さ
れる。なお、監視対象テーブル9fを参照して監視対象
が存在したときの危険度判定においては、作業機械の旋
回体1、ブーム2,アーム3及びバケット4のいずれか
を制御中のときには、制御中のものについてのポテンシ
ャルゾーンを優先し、それぞれが制御中のときには、バ
ケット4,アーム3及びブーム2、旋回体1の順に優先
する。
【0024】この判定により危険度ポテンシャル値が増
加した場合には、監視対象としてメモリ9の監視対象テ
ーブル9fに残留するとともに、現在の仮想危険度ポテ
ンシャルゾーンを示すパラメータとして警報処理プログ
ラム9dに渡すレベルPの値をメモリ9の所定領域に記
憶する。そしてその後にMPU10により警報処理プロ
グラム9dが起動される。MPU10が警報処理プログ
ラム9dを起動すると、メモリ8の所定領域に記憶され
たパラメータを受けてMPU1は、先に得られた各ゾー
ンPA,PB,PC,PDについての危険度を示すレベ
ルPの値を得る。
【0025】警報内容としては、例えば、ゾーンPA,
PB,PC,PDについてPレベルをそれぞれ7段階に
採ったとすると、旋回体1、ブーム2,アーム3及びバ
ケット4とのいずれかのみが単独で動作しているときに
はそれぞれについて“0”から“7”のうちのどれかに
監視対象物が侵入した場合にはポテンシャル値の監視状
態にあるときに、ポテンシャルゾーン“0”から“1”
では警報ブザーのみの発生、ポテンシャルゾーン“1”
から“2”では“危険です。”の音声の発生、ポテンシ
ャルゾーン“2”から“3”では、“作業員さん危険で
すので近づかないで下さい。”、ポテンシャルゾーン
“3”から“4”では“危険!,危険!”、ポテンシャ
ルゾーン“4”から“5”では“あぶない!,待避せよ
!”、ポテンシャルゾーン“5”から“6”では作業機
械の動作の低速化、ポテンシャルゾーン“6”から
“7”では作業機械の動作の停止などである。旋回体
1、ブーム2,アーム3及びバケット4とが複合で動作
しているときには、その動作とゾーンPA,PB,P
C,PDについてPレベルとの関係において、例えば、
ある1つのポテンシャルゾーン“0”から“1”が“危
険!,危険!”であり、そのポテンシャルゾーン“1”
から“2”が“あぶない!,待避せよ!”、そのポテン
シャルゾーン“2”から“3”では作業機械の動作の低
速化、そのポテンシャルゾーン“3”から“4”では作
業機械の動作の停止であり、単独の動作の場合より警報
が厳しいものが選択される。
【0026】以上の説明は、仮想危険度ポテンシャルゾ
ーンの関係が固定された形態のものであるが、油圧ショ
ベル20が前進や後退、そしてフロントアタッチメント
が作業中には、図6に示すように各円の中心位置を作業
方向にシフトさせてポテンシャルゾーンが作業方向に広
くなる単なる多重円にしてもよい。また、各ポテンシャ
ルゾーンの同心円の中心を移動方向にシフトさせて到達
する予測位置にあらかじめ中心を設定して演算を行って
もよい。その状態を示すのが図7の点線に対して実線の
円である。
【0027】以上の仮想危険度ポテンシャルゾーンの説
明は一例であって、ポテンシャルゾーンとして設定する
円の大きさと数は、作業機械の複合動作に対応させるこ
とができる。特に、アタッチメントが交換されるような
場合には交換される作業部材に合わせて基本図形パター
ンを用意するとよい。各仮想危険度ポテンシャルゾーン
の危険度の設定の仕方は、図8に示すよな対数的に増加
する、いわゆるエックスポネンシャルカーブに従って決
定することができ、そのゾーン密度も作業機械に応じて
設定すればよい。ところで、以上の場合は、仮想危険度
ポテンシャルゾーンを検出対象物が移動する場合を例に
しているが、仮想危険度ポテンシャルゾーンを高密度に
採って検出対象物が危険度を増す速度により危険度を判
定してもよい。これは、危険度の増加率を時間の関数で
採取すればよい。
【0028】以上説明してきたが、実施例では、超音波
を用いたトランスポンダ方式を採用しているが、電波を
用いて対象認識する場合であってもこの発明を適用する
ことができる。電波を用いる場合は、レーダ等で使用さ
れる方向探知技術を用いて検出対象物と作業機械との位
置関係を検出することが容易にできる。また、実施例に
おける仮想危険度ポテンシャルゾーンは、一例であって
作業機械に応じて各種の仮想危険度ポテンシャルゾーン
を形成できることはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、この
発明にあっては、作業機械のアームの先端の周囲に多重
の円よりなる複数の仮想危険度ポテンシャルゾーンを設
定して円の1つに監視対象が入った場合に危険度の低い
円から危険度の高い円に対象が移動したことをもって監
視対象を検出し、警報を鳴らすようにしているので、ア
ットランダムに発生するノイズ等により影響され難く、
より安全に警報を発することができる。しかも、円形の
ポテンシャルゾーンであるので、中心からの距離だけで
設定でき、作業中においてアームが回転していてもその
先端の現在位置から対象物までの距離を得るだけでどの
ポテンシャルゾーンにあるか判定でき、作業状態での危
険度判定を高速に行うことができる。さらに、ゾーンの
設定段階を細かく採ればより正確な対象管理ができ、さ
らにゾーンの設定を作業機械の形態や動作、運動に応じ
て円形のポテンシャルゾーンの大きさを変化させるよう
にすれば、ダイナミックにより高い安全性が確保でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、この発明の作業機械の警報システム
を油圧ショベルに適用した場合の一実施例の説明図であ
る。
【図2】 図2は、油圧ショベルの全体的な構成の説明
図図である。
【図3】 図3は、その受信センサと超音波発生ホーン
の取付関係の説明図である。
【図4】 図4は、その仮想危険度ポテンシャルゾーン
の説明図である。
【図5】 図5は、ポテンシャルデータテーブルの説明
図である。
【図6】 図6は、油圧ショベルの動作に応じて設定さ
れる仮想危険度ポテンシャルゾーンの説明図である。
【図7】 図7は、作業状態にあるときに移動先を予測
して設定される仮想危険度ポテンシャルゾーンの説明図
である。
【図8】 図8は、仮想危険度ポテンシャルゾーンの危
険度設定関数の説明図である。
【符号の説明】
1…上部旋回体、2…ブーム、3…アーム、4…バケッ
ト、5…走行体、6…演算制御部、7…警報部、8…駆
動制御部、9…メモリ、9a…中心位置算出プログラ
ム、9b…対象検出・距離算出プログラム、9c…危険
度判定プログラム、9d…警報処理プログラム、9え…
監視対象テーブル、9f…ポテンシャルパターン記憶領
域、10…マイクロプロセッサ(MPU)、11…ビデ
オRAM(V−RAM)、12…ディスプレイ、13…
バス、14…インタフェース、15…セレクタ、16…
受信検出回路、20…油圧ショベル、17a,17b,
17c…受信センサ、18a,18b,18d,18e
…超音波発生ホーン、20…油圧ショベル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G08B 19/00 - 21/00 B66C 23/88 B66F 9/24 E02F 9/24 - 9/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アームを有する作業機械の前記アームの
    先端部の周囲に平面上半径の異なる多重円により形成さ
    れる内側に向かって危険度が高くなる複数の仮想危険度
    ポテンシャルゾーンを設定するポテンシャルゾーン設定
    手段と、前記作業機械に対する検出対象物の位置を検出
    する位置検出手段と、この位置検出手段により検出され
    た位置が複数の前記仮想危険度ポテンシャルゾーンのい
    ずれかのゾーンに入っているかを判定する判定手段と、
    警報を発生する警報手段とを備え、前記判定手段の判定
    結果に応じて前記検出対象物が複数の前記仮想危険度ポ
    テンシャルゾーンのうち低い危険度から高い危険度のゾ
    ーンへ移動したことを検出して前記警報手段を駆動し、
    警報を発生することを特徴とする作業機械の警報システ
    ム。
  2. 【請求項2】 各円は同心円であり、アームはブームに
    結合され、ポテンシャルゾーン設定手段は、前記アーム
    の先端部と、前記ブームと前記アームとの結合部分とを
    中心にそれぞれの周囲に仮想危険度ポテンシャルゾーン
    を設定するものである請求項1記載の作業機械の警報シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 作業機械は、ブームを支持する旋回体
    と、この旋回体の下側に設けられた走行体とを有し、各
    円は同心円であり、アームは前記ブームに結合され、ポ
    テンシャルゾーン設定手段は、前記アームの先端部と、
    前記ブームと前記アームとの結合部分、そして前記ブー
    ムと旋回体との結合点とを中心にそれぞれの周囲に仮想
    危険度ポテンシャルゾーンを設定するものである請求項
    1記載の作業機械の警報システム。
  4. 【請求項4】 それぞれの円の中心は、作業機械の運動
    方向あるいは動作に応じて設定されることを特徴とする
    請求項1記載の作業機械の警報システム。
  5. 【請求項5】 設定される複数の仮想危険度ポテンシャ
    ルゾーンは、作業機械に装着されるアタッチメントに応
    じて選択されることを特徴とする請求項1記載の作業機
    械の警報システム。
  6. 【請求項6】 アームを有する作業機械の前記アームの
    先端部の周囲に平面上半径の異なる多重円により形成さ
    れる内側に向かって危険度が高くなる複数の仮想危険度
    ポテンシャルゾーンを設定するポテンシャルゾーン設定
    手段と、前記作業機械に対する検出対象物の位置を検出
    する位置検出手段と、この位置検出手段により検出され
    た位置が前記複数の仮想危険度ポテンシャルゾーンのい
    ずれかのゾーンに入っているかを判定する判定手段と、
    この判定手段の判定結果に応じて前記検出対象物が入っ
    た仮想危険度ポテンシャルゾーンの危険度の時間増加率
    を算出する手段と、時間増加率が所定値を越えたときに
    警報を発生する警報手段とを備える作業機械の警報シス
    テム。
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