JP2981866B2 - 植物養液栽培における生長調整装置 - Google Patents

植物養液栽培における生長調整装置

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JP2981866B2 JP9134545A JP13454597A JP2981866B2 JP 2981866 B2 JP2981866 B2 JP 2981866B2 JP 9134545 A JP9134545 A JP 9134545A JP 13454597 A JP13454597 A JP 13454597A JP 2981866 B2 JP2981866 B2 JP 2981866B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の水耕栽培、
礫栽培、砂栽培、ロックウール栽培等の各種養液栽培に
おいて開花時期の調整、収穫時期の調整等の生長の調整
を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】植物は昼間の長さ(日長)を季節のシグ
ナルとして感じとって自らの生長を調節しているといわ
れる。
【0003】植物には、キク、アサガオ、シソ、ダイ
ズ、イネ、トウモロコシ等のように日長がある長さより
短くないと花芽を形成しない短日植物、カーネーショ
ン、ホウレンソウ、ダイコン等のように日長がある長さ
より長くないと花芽を形成しない長日植物、さらに花芽
形成が日長に支配されない中性植物がある。ここで短日
植物において、花芽形成を促すものは、昼間(明期)が
短いことではなく、夜(暗期)が長いことであり、各植
物について開花に必要な暗期すなわち限界暗期が実験的
に確認されている。一方長日植物においては、暗期は花
芽形成を抑制するものとして働く。
【0004】上記のような植物の特性を利用してその生
長を人為的に調整すれば、その収穫物を季節を超えて所
望時期に所望量市場へ供給することが可能となる。
【0005】そこで、従来、例えばカーネーション(長
日植物)の温室栽培において、一部開花を始めた切り花
を母の日をみこんで大量に一斉に出荷するため、生長の
早過ぎる温室については、温室全面に遮光シートを張り
めぐらして植物に所要の暗期を与えて開花時期を計画的
に遅らせる方法が行われている。
【0006】しかし、上記従来の遮光シートの全面張設
方式では、費用と手間のかかる欠点があり、しかも暗期
処理は所要時間連続して行わなければならないのに、上
記の遮光シートによる広い面積の遮光では、暗期の途中
で一部の遮光がずれて光の入射を許し、暗期効果を打ち
消す(光中断)失敗を招くことがしばしばあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物養液栽
培において安価な費用と簡略な作業で植物の生長を調整
することのできる装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため、本
発明は、培養液を入れた上面開放の箱状栽培槽内の培養
液面に、植物を保持させた定植パネルを浮かべた植物の
養液栽培装置において、上記栽培槽の一側に貯槽を設置
し、上記栽培槽内の培養液をその液面を下げるべく上記
貯槽内に排出すると共に該貯槽から上記栽培槽内にその
液面を上げるべく供給する培養液給排装置を設け、上記
栽培槽内を所要時間暗期に保つべく該栽培槽の開放上面
覆脱自在に覆う遮光材を備えた、植物養液栽培におけ
る生長調整装置を提案する。
【0009】本発明における、上記「遮光材」には、発
砲スチロール板、合成樹脂板、木板、金属板等の遮光
板、合成樹脂シート、厚地布、ゴム引き布等の遮光シー
ト、およびそれらの複合材、その他種々の遮光材料が含
まれる。以下図面を参照して本発明の実施例について説
明する。
【0010】
【実施例】図1において、(1)は上面を開放した横長
箱形の水耕栽培槽で、これに培養液(2)を入れ、その
液面に、発砲スチロールからなる矩形板状の多数枚の定
植パネル(3)…を互に隣接状態で浮かべ、各定植パネ
ル(3)…に貫設された保持孔に植物(P)…の基部を
それぞれ保持させると共にそれらの根を保持孔を経てパ
ネル下の培養液(2)に浸してある。
【0011】本例における上記栽培槽(1)の遮光方式
は、該栽培槽(1)内の培養液(2)液面を上下させる
培養液給排装置と、遮光材とからなる。まず、培養液給
排装置は、上記栽培槽(1)の一側に、貯槽(4)を適
宜低い位置で設置し、該貯槽(4)の上板上に設置され
たポンプ(5)の吸入口に、該貯槽(4)内の底板近く
まで垂下する吸入管(6)を接続すると共に、ポンプ
(5)の吐出口に、上記栽培槽(1)内の上部に延長す
る吐出管(7)を接続し、また貯槽(4)の側壁上部に
設けた給入口(8)と、栽培槽(1)の側壁下部に設け
た排出口(9)とを排出弁(10)を介して排出管(1
1)により接続してある。(12)は上記貯槽(4)の
上板に設けた蓋つき注入口、(13)は弁つきドレーン
口である。
【0012】上記栽培槽(1)の開口上面を覆う遮光材
として、本例では、栽培槽(1)の短辺がわ開口上端に
載置可能の幅を有する発砲スチロール製矩形遮光板(1
7)を、該栽培槽(1)の開口上面全面を覆うのに必要
な枚数用意しておく。
【0013】上記栽培槽(1)には、さらに温度調整装
置が装備されており、これは栽培槽(1)の他側に図1
に示すようにヒートポンプ型冷暖両用機(14)を設置
し、一方上記栽培槽(1)内の上部一隅に、多数の放射
口を管壁に有する放射管(15)を栽培槽長手方向全長
にわたって延長配管し、該放射管(15)の一端を上記
冷暖両用機(14)の放出口に給気管(16)を介して
接続してある。
【0014】上例の生長調整装置を使用した生長調整の
例について次に説明する。 〔例1〕一般に葉菜類は花芽を形成せずに葉だけを大き
く生長した形態で市場に出荷したいものである。そこで
本例は、ホウレンソウ(長日植物)をそのような形態に
生長を調整する一例である。
【0015】ホウレンソウの生育温度は約15〜20℃
であるが、低温短日下で生育したものは品質がよいとい
われる。花芽形成は、積算日長が約450〜500時間
になると行われる。これらの経験則に基づいて、その生
長調整を次のように行なった。
【0016】4〜5月の涼しい季節において、室温18
℃の建屋内に設置された本発明の水耕栽培における生長
調整装置において、まず図2(イ)に示すように液面の
上昇した培養液(2)に浮く各定植パネル(3)…にホ
ウレンソウの苗を植えつける。この状態で明期(昼間)
10時間を経過し、次に排出弁(10)を開いて栽培槽
(1)内の、培養液(2)を排出口(9)から排出管
(11)、給入口(8)を経て貯槽(4)内に排出し、
栽培槽(1)内の液面が約2分の1に降下したとき上記
弁(10)を閉じ、それにより各定植パネル(3)…お
よび植物(P)…を栽培槽(1)内に没入させる。その
状態で同図(ロ)に示すように遮光板(17)…を栽培
槽(1)の開口上端上に互に密接させた状態で載置し、
栽培槽の開口全面を完全遮光状態に覆う。ついで冷暖両
用機(14)を冷気がわに駆動して15℃の冷気を給気
管(16)を経て放射管(15)の各ノズルから遮光板
(17)…で覆蓋された栽培槽(1)内に放出し、それ
により槽(1)内を15℃に冷房する。この遮光冷房の
状態で暗期14時間を経過する。
【0017】上記の明期処理と暗期処理を繰り返すこと
により花芽形成を抑制しつつ葉の生長を促し、所要期間
経過後花芽が形成されず、葉が十分に生長したホウレン
ソウが収穫される。
【0018】〔例2〕本例は、大豆を発芽後できるだけ
早く枝豆として収穫し、多毛作で市場に供給する場合の
生長調整の例である。
【0019】大豆(短日植物)における発芽時期と開花
までの日数との関係について気温を一定に保って実験し
た結果によると、日長の長い4月下旬に発芽したものは
開花までに4ヶ月以上もかかるが、日長の短い10月〜
2月に発芽したものは1ヶ月たらずで開花することが知
られており、そのうちBiloni種の大豆は暗期の長
さが10時間15分以上あれば開花する。
【0020】3月、室温13℃の建屋内の生長調整装置
において、液面の上昇した培養液(2)に浮く各定植パ
ネル(3)…に大豆の苗を植え、その状態で明期13時
間を経過し、次に栽培槽(1)の培養液(2)液面を約
2分の1に降下させた後遮光板(17)…で栽培槽
(1)の開口上面を完全遮光し、その状態で暗期11時
間を経過する。
【0021】上記明期と暗期を繰り返すことにより約1
ヶ月で開花し、その後約10日で収穫が可能となった。
【0022】上記のような1回目の収穫後、ポンプ
(5)の駆動により貯槽(4)の培養液を吸入管
(6)、吐出管(7)を経て栽培(1)に戻して液面
を上昇させ、ついで新たな大豆苗を定植パネル(3)…
に植えつけて上記と同様の明期と暗期を繰り返して約1
ヶ月で開花させ、収穫をうる。以下上記の栽培を繰り返
して多毛作を行う。
【0023】上記多毛作栽培において、夏期または冬期
に建屋内の室温が許容限度をこえて高温または低温にな
ったときは、上記暗期処理にあっては、上記冷暖両用機
(14)の駆動により所要温度の冷気または暖気を遮光
栽培槽(1)内に送って槽内の温度調整を行うのは勿論
であるが、上記明期処理にあっては、ガラス板、合成樹
脂板等の透明板、合成樹脂シート等の透明シート、その
他種々の透明材により栽培槽(1)の開口上面を覆い、
冷暖両用機(14)により冷気または暖気を覆蓋栽培槽
(1)内に供給して槽内の温度調整を行う。
【0024】一例として、図2(ハ)は、枠つき透明ガ
ラス板からなる透明板(18)…多数枚を栽培槽(1)
の開口上端上に互に隣接した状態で載置して該槽(1)
を光入射可能に覆蓋し、その際植物(P)…が該槽
(1)の開口上面から上へ出る程に生長しているときは
培養液(2)の液面を適宜降下させ、その状態で冷気ま
たは暖気を槽内に供給する。
【0025】
【発明の効果】本発明の植物養液栽培における生長調整
装置によれば、培養液給排装置により栽培槽内の培養液
を貯槽内に排出して液面を下げた後該栽培槽の開口上面
を遮光材で遮へいし、また貯槽内の培養液を栽培槽に戻
して液面を上げると共に遮光材を取り除く操作を行うこ
とにより、従来方式に比べ暗期および明期処理を能率的
に行うことができると共に、一部の遮光がずれて光の入
射を許す失敗をほとんど解消することができ、それによ
り植物の養液栽培を行いつつ植物の有効な生長調整を能
率よく実施できるのである。
【0026】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、栽培槽内の培養液を貯
槽内に排出し、その液面を下げて定植パネルの植物を栽
培槽内に没入させると、遮光材を栽培槽開放上面に載置
して確実な暗期処理を行うことができ、また貯槽から栽
培槽へ培養液を戻し、その液面を上げて定植パネルの植
物を栽培槽内から露出させると、十分な明期処理を行う
ことができ、それにより植物の養液栽培を行いつつ、安
価な費用と簡略な作業で植物の生長調整を行うことがで
きるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】水耕栽培における生長調整装置の縦断側面図で
ある。
【図2】 (イ)図1のII−II線拡大断面図である。 (ロ)暗期処理状態の同上断面図である。 (ハ)透明板覆蓋による明期処理状態の同上断面図であ
る。
【符号の説明】
1 栽培槽 2 培養液 3 定植パネル P 植物 4 貯槽 5 ポンプ 7 吐出管 11 排出管 17 遮光板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養液を入れた上面開放の箱状栽培槽内
    の培養液面に、植物を保持させた定植パネルを浮かべた
    植物の養液栽培装置において、上記栽培槽の一側に貯槽を設置し、上記栽培槽内の培養
    液をその液面を下げるべく上記貯槽内に排出すると共に
    該貯槽から上記栽培槽内にその液面を上げるべく供給す
    る培養液給排装置を設け、 上記栽培槽内を所要時間暗期に保つべく該栽培槽の開放
    上面を覆脱自在に覆う遮光材を備えた、 植物養液栽培における生長調整装置。
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