JP2018000013A - 水耕栽培用プランター、およびそれを用いた野菜の生産方法 - Google Patents

水耕栽培用プランター、およびそれを用いた野菜の生産方法 Download PDF

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祐史久 池
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Abstract

【課題】ベビーリーフや小型野菜に最適な水耕栽培用プランターを提供する【解決手段】本発明に係る水耕栽培用プランターは、養液槽と、当該養液槽内に設置する吸水性を有する培地と、当該培地上に設置する硬質材の上板と、を備え、上記培地は播種のための複数の窪みを有し、上記上板は、上記培地の複数の窪みに対応する位置に開口を有することを特徴とする。また、このプランターを用い、収穫時においては、上記上板を下方に押し付けながら、切削具にて栽培物を切断して収穫を行う。さらに、このプランターを用い、 養液を切り替える際には、上記上板を下方に押し付けて上記培地に吸収されている養液を押し出した後に排水し、当該排水後に、新たな養液を注入する。【選択図】図1

Description

本発明は、水耕栽培用プランターに関するものであり、特に、スポンジ等の吸水素材を培地とする水耕栽培用プランターに関するものである。また、それを用いた野菜の生産方法である。
水耕栽培は、養液を用いて栽培するため、養液等の栽培条件を管理しやすいという長所を有している。
野菜には、通常、硝酸イオンが含まれ、人の健康を害したり、味覚に悪影響を与えたりする。水耕栽培においては、上記の問題を解決するため、養液や光の照射条件を適正化する等の試みがなされている。
例えば、栽培前の数日間、養液を水に置き換えることで、硝酸イオン含有量が低減し、且つ糖、アスコルビン酸、ポリフェノール等が増加する水耕栽培の方法が提言されている。この栽培方法においては、種子をウレタン培地に播種し、5日後に、根が養液により湿るように定植し、生育栽培を行っている。そして、収穫前に養液を水に入れ替えている(例えば、特許文献1、特に0011段落、0026段落、0027段落等)。
特開2015−192682
特許文献1に示された水耕栽培の方法においては、ウレタン培地で播種、初期成長後に、定植を行っている。水耕栽培における定植とは、例えば、養液槽上に設置された栽培用プレートに開けられた開口に植物を挿入し、根のみが養液に浸るようにするのが一般的である。この場合、収穫前に養液を排水し、養液の代わりに水を入れることで、養液成分は概ね除去され、水だけで収穫前の栽培を行うことができる。このように、養液成分は概ね除去できるため、硝酸態窒素をほとんど含まない水で収穫前の栽培を行い、野菜に含まれる硝酸イオンを低減することができる。
しかし、水耕栽培は、ウレタン培地で播種、初期成長後に、定植を行わないで、ウレタン培地を収穫まで使用して野菜を栽培する場合もある。例えば、ベビーリーフを栽培する場合である。ベビーリーフとは、葉丈が10から15cm程度に成長すると、葉柄部分から収穫し、サラダなどに使用される若い葉菜の総称である。
ベビーリーフは、栽培期間が短く、多毛作が可能であるといった特長があるが、大型の野菜に比べて値段が安く、したがって、手間をかけて栽培することは栽培コスト的に困難である。したがって、植替えを行うことなく、ウレタン培地で播種から収穫まで栽培を行うのが普通である。また、葉丈が10から15cm程度で収穫するため、植替えを行わなくても、生育可能である。
一方、ベビーリーフの水耕栽培には数多くの課題が存在する。
第一は、硝酸イオンが多く含まれ、健康上の問題がある。また、渋みがあり、糖度が低く、味覚に問題がある。これは、上述したような養液を水に入れ替えて、収穫前の数日間栽培を行うことが困難であるためである。なぜなら、吸水性の高いウレタン培地が養液を吸っているため、養液を水に置き換えることが困難なためである。また、同様の理由で、アスコルビン酸やポリフェノール等も有用成分の含有率が低いという課題がある。
第二に、葉柄から切って収穫するため、収穫後に日持ちしないという、流通上の問題がある。これは水耕栽培だけではなく、土耕栽培でも同様である。葉丈が短いときに収穫するので、茎の部分から切ることが難しいためである。葉柄から切ると、水分が蒸散しやすい。また、ビニール等で密閉包装すると、包装内の湿度が高くなり、雑菌等が繁殖しやすくなる。これらが、収穫後に日持ちしない理由である。
第三に、養液槽内にアオコといった微細藻類が繁殖しやすい。ウレタン培地は透光性が高く、そのため、養液に光が当たり、容易に微細藻類が繁殖してしまう。微細藻類が一旦繁殖してしまうと駆除することは困難であり、栽培歩留まりの低下や、衛生上の問題が生じる。
第四に、夏季においては養液槽から養液蒸発しやすく、頻繁に養液を注入することが必要となる。また、養液を急速に注入すると、軽いウレタン培地は浮き上がってしまい、十分に養液がウレタン培地に吸収されない状態になってしまう。そのため、養液の注入を頻繁に、且つ一回当たりの注入を時間をかけて行う必要があり、栽培コストが増大する。
本発明は、上記のような種々の問題点を解決するためになされたものであり、ベビーリーフといった定植を行わずない野菜の栽培に適した水耕栽培用プランターを提供するものである。
本発明に係る水耕栽培用プランターは、
養液槽と、
当該養液槽内に設置する吸水性を有する培地と、
当該培地上に設置する硬質材の上板と、
を備え、
上記培地は播種のための複数の窪みを有し、
上記上板は、上記培地の複数の窪みに対応する位置に開口を有する
ことを特徴とする。
本発明に係る水耕栽培用プランターは、
上記上板を抑えるための押さえ機構をさらに有する
ことを特徴とする
本発明に係る野菜の生産方法は、
上記水耕栽培用プランターを用い、
収穫時においては、上記上板を下方に押し付けながら、切削具にて栽培物を切断して収穫を行う
ことを特徴とする。
本発明に係る野菜の生産方法は、
上記水耕栽培用プランターを用い、
養液を切り替える際には、上記上板を下方に押し付けて上記培地に吸収されている養液を押し出した後に排水し、
当該排水後に、新たな養液を注入する
ことを特徴とする。
本発明に係る野菜の生産方法は、
上記水耕栽培用プランターを用い、
給水管を上部より挿入して養液を注水する
ことを特徴とする。
本発明に係る野菜の生産方法は、
平面形状が略長方形状であり、且つ長手方向に垂直な断面形状の上方部分が上に開いた形状である養液槽と、
当該養液槽内の上方部分に設置され、当該養液槽の長手方向に並べられた複数の植物を挿入できる開口を有する栽培用プレートと、
上記複数の栽培用プレートを、上記養液槽の長手方向の一端に順次引寄せるためのある紐状体とを有する。
本発明に係る野菜の生産方法は、
上記野菜はベビーリーフである
ことを特徴とする。
本発明に係る野菜の生産方法は、
播種から発芽に至る期間に、請求項1または2に記載の水耕栽培用プランターの上下に貯水箱を設けた
ことを特徴とする。
本発明に係る水耕栽培用プランターは上記のように構成されているので、栽培用プレート引寄せる方法を用いて収穫作業を行う従来からの特長に加えて、以下に示す多くの特長を有している。
第一に、硝酸含有量を大幅に低減できる。これにより健康による影響を軽減し、また、渋みを抑え、糖度を向上させることで、味覚を著しく向上できる。さらに、アスコルビン酸等の含有量を向上させることができる。
第二に、茎の部分から切りとって収穫できるので、日持ちが大幅に改善する。これにより、流通の自由度が増し、また消費者の家庭における保管も容易になる。また、茎は栄養価が高く、美味であり、重量感があり、食べごたえもある。このように、茎は本来商品価値が高い部位であり、この部位を捨てずに提供できる。
第三に、養液槽内にはアオコといった微細藻類が繁殖しやすいが、塩ビ等の遮光性の材質の上板を用いることで、養液槽への光に入射を防止し、微細藻類の繁殖を抑制できる。微細藻類が一旦繁殖してしまうと駆除することは困難であり、栽培歩留まりの低下や、衛生上の問題が生じるが、このような大きな問題を解決できる。
第四に、夏季においては養液槽から養液蒸発しやすく、頻繁に養液を注入することが必要となるが、塩ビ等の遮光性の材質の上板を用いることで、養液槽への光に入射を防止し、養液の蒸発を抑制できる。また、養液を急速に注入すると、軽いウレタン培地は浮き上がってしまい、十分に養液がウレタン培地に吸収されない状態になってしまうが、上板を置くことで浮き上がりを防止できる。したがって、養液の注水頻度を減少し、且つ一回当たりの注水時間を短縮できる。
本発明に係る水耕栽培用プランターの構成部品を示す部品斜視図である。 本発明に係る水耕栽培用プランターの構成を示す(a)断面図と(b)上部斜視図である。 本発明に係る水耕栽培用プランターの養液注入方法を示す斜視図である。 本発明に係る水耕栽培用プランターの収穫方法を示す斜視図である。 本発明に係る水耕栽培用プランターの収穫方法の効果を説明するための部分斜視図である。 本発明に係る水耕栽培用プランターの収穫方法の効果を説明するための部分斜視図である。 本発明に係る水耕栽培用プランターの収穫方法の効果を説明するための部分斜視図である。 (a)葉柄から切って収穫したベビーリーフと、(b)茎から切って収穫したベビーリーフの収穫5日後の状態を示す図である。 本発明に係る水耕栽培用プランターの温度防止方法を説明するための断面図である。
本発明に係る水耕栽培用プランターの構成およびその使用方法等に関して、以下において、図面を用いて説明する。なお、以下の説明は本発明に関する良好な一例を開示するものであり、本発明が当該実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
<水耕栽培用プランターの構成部品>
図1および図2を用いて、本実施の形態の水耕栽培用プランターの構成を説明する。
図1は、水耕栽培用プランターの構成部品を示す部品斜視図であり、図2は、水耕栽培用プランターの構成を示す(a)断面図と(b)上部斜視図である。水耕栽培用プランターは、養液槽1と、この養液槽1内に設置する吸水性を有する培地2と、この培地上に設置する硬質材の上板3とを備えている。そして、培地2は播種のための複数の窪み2aを有し、上板3は、培地2の複数の窪み2aに対応する位置に複数の開口3aを有する。
養液槽1は、上部が開いた箱状体であり、例えば樹脂等の成型により形成される。内部の大きさは70cm×140cm、深さは28mm程度である。底部に排水口1aが設けられ、養液層1内の養液を外部に排水することができる。
培地2は、ウレタン等の多孔質で吸水性を有するスポンジである軟材質からなる。大きさは養液槽1の内部にちょうど納まる大きさである。例えば、68cm×138cmである。厚みは25mmである。この培地2には複数の窪み2aが5cm間隔で設けられている。
上板3は塩ビ等の硬質材からなる板であり、大きさは培地2とほぼ同じ大きさで、厚みは3mmである。培地2の複数の窪み2aに対応する位置に、複数の開口2aを設けている。
<水耕栽培用プランターの全体構成>
図2に示すように、養液槽1内に培地2を設置し、培地2上に上板3を設置することで水耕栽培用プランターは完成する。培地2と上板3を押さえるために、養液槽1に押さえ機構1bを設けても良い。押さえ機構1bは、培地2と上板3が上方に浮き上がることを防止するものであり、この目的を満たすものでれば、どのような機構であっても良い。例えば、水耕栽培用プランターの全体をゴムで止めたり、紐で縛ったりするようなものであっても良く、必ずしも養液槽1に取り付ける必要はない。
<水耕栽培用プランターを用いた野菜の生産方法>
栽培する野菜はどのような野菜であっても良いが、特に、小型の野菜やベビーリーフの栽培に適している。ベビーリーフとは発芽後10−30日程度の若い葉菜の総称である。栽培期間は平均25日(夏15日〜冬45日)と短く、多毛作が可能であり、1年を通して栽培できる。このようなベビーリーフや小型の野菜の場合、1株当たりの価格が安いため、1株々々に手間をかけて育てることは、生産コストの観点から現実的ではない。例えば、ウレタン等の培地で発芽させ、初期成長の後に、栽培用プレートに植え替えるといった手間を掛けることは通常は不可能である。そのため、植え替えを行わず、ウレタン等の培地で播種から収穫まで行う。栽培期間が短く、大きく成長する前に収穫するため、植え替えを行わなくても、隣の苗と葉が重なり合うことがないので、植え替えを行う必要性が乏しいということもある。
具体的には、養液槽1内に設置された培地2の複数の窪み2aに一粒ずつ種子を入れ、養液槽1に養液を注水する。水かさは、種子が半分程度浸るようにする。そして、上板3を培地2上に設置する。
1週間程度で、発芽から初期成長が終了する。初期成長とは、根が培地の底部に達する程度の成長のことである。なお、種子の中に初期成長までの栄養分が蓄えられているため、養液の代わりに水を用いても良い。
養液または水は、野菜による吸収や蒸発により減少するため、減少した際には注水を行う。注水には図3に示すように、給水管4を上部より挿入して養液や水を注水する。例えば、上板3の開口3aより注水すればよい。
例えば、夏季には養液や水の蒸発は激しく、注水の手間が掛かることが大きな問題である。通常は、プランターを100、あるいは数百並べて栽培を行うため、注水の頻度を減らすことで、生産コストを低減できる。ウレタン等の多孔質の培地2は、通気性が良いという栽培上の大きなメリットがある反面、日光を通しやすく、したがって、養液や水の蒸発は顕著となる。そこで、上板3を遮光性の塩ビ等の材質とすることで、蒸発を抑制し、注水の頻度を半分、あるいは3分の1程度にすることができる。一方、大気は開口3aを通して、ウレタン等の多孔質の培地2に導入されるため、通気性を阻害することはない。
また、ウレタン等の多孔質の培地2は比重が小さいため、注水を行う際に浮き上がったり、傾いたりして、養液面の高さが野菜に対して不適切になってしまうことがある。それを防止するためには、注水をゆっくりと行う必要があり、注水作業が長時間化するという問題がある。しかし、塩ビ等の重量物を上板3として使用することで、浮き上がりの問題を解決できる。
初期成長が終わり、根が培地2の底部まで達すると、養液量を根が浸かる程度にする。ここから、葉が十分に展葉するまでが成長期である。成長期に用いる養液は、アミノ酸の成分となる窒素を十分に含んだものであり、窒素は野菜の値が吸収しやすい硝酸として養液に含まれる。このため、野菜に健康上の問題となる硝酸が多量に含有され、また、苦みの原因ともなり、味覚の低下をもたらす。
そこで、収穫前処理を行い、野菜に含まれる硝酸を減少させる。収穫前処理は、養液を、成長期に使用する養液から硝酸を除いたものに交換する。水に交換しても良い。交換する際には、まず、排水溝1aを開け、成長期に用いる養液を排水する。さらに、上板3全体を下方に押し込み、培地2が吸収している養液を押し出し、排水する。十分に排水後、硝酸を除いた養液または水を注水する。
このようにして、培地2が吸収している養液を押し出すことで、押し出さない場合に比べて、硝酸の濃度を10分の1以下にできる。
収穫前処理を1日程度行う。これにより、野菜に含まれる硝酸はアミノ酸合成に使用され、大幅に減少する。収穫前処理の効果は、硝酸の大幅な減少だけではなく、糖分の増加ももたらす。野菜内で硝酸が減少するため、光合成で得られた炭素が、アミノ酸合成ではなく、糖の生成に使用されるからである。収穫前処理を経た野菜は、硝酸含有量の減少に伴う苦みの減少と、糖分の増加による甘みの増加により、味覚が大幅に改善する。
また、糖分の増加と同様の理由で、ビタミンC等も増加するという効果も生じる。
このような硝酸含有量の減少、糖分やビタミンCの増加は、収穫前処理に使用する養液の硝酸含有量に著しく依存し、培地2が吸収している養液を押し出すことなく、養液を交換した場合には、このような効果はほとんど生じない。現在、水耕栽培により生産されたベビーリーフがほとんど食されていないのは、この問題が解決されていないからである。
収穫前処理が終わると、収穫を行う。収穫は、作業効率の観点から、図4に示すようにカッター等の切削具20を用いて、プランター全体の野菜を一端から他端へ、矢印Aに示す方向に切削具20を移動し、一気に切り取ることにより行われる。
ベビーリーフは、栽培期間が短いため、図5に示すように、培地2の上に出ているのは、葉10aと葉柄10bのみであり、茎10cや根10dは、培地2内にある。そこで、切削具20を用いて収穫する際に、図5に示すように、矢印B方向に力を加える。すなわち、切削具20を下方に(矢印B方向に)10mm程度押し込みながら、前方に(矢印A方向に)押し出して野菜を切り取っていく。このように、矢印B方向に力を加えることで培地2と上板3が下方に押し込まれ、茎10cが上板3上まで出てくる。したがって、葉柄10bではなく、茎10cで野菜を切ることができる。すなわち、茎から野菜を収穫できる。
図7に示すように、これまでは点線Cで示す葉柄10bで野菜は切られていたが、本発明では、点線Bで示す茎10cで切ることができる。
図8(a)は、葉柄10bで切ったベビーリーフの収穫後5日後の状態であり、図8(b)は、茎10cで切ったベビーリーフの収穫後5日後の状態である。葉柄10bで切ったベビーリーフはとろけたような状態になってしまっているのに対して、茎10cで切ったベビーリーフは新鮮さを維持している。このように、日持ちに大きな差が生じている。
<水耕栽培用プランターを用いた発芽時の温度上昇抑制方法>
ベビーリーフや小型野菜の生産歩留まりを左右する最大の要因は、発芽率である。発芽率は温度に依存し、温度が摂氏30度を超えると発芽率は低下する。摂氏45度で発芽率はほぼゼロになる。そこで、播種から発芽までの期間、図8に示すように、水耕栽培用プランターの上下に貯水箱を設ける。これにより、水耕栽培用プランター内の温度上昇を大きく低減できる。また、厳寒期においては保温効果が生じる。
図8は一例であり、養液槽1の上下に貯水箱30と50を設けている。貯水箱30と50には、それぞれ水31と51が入っている。空隙箱40は、貯水箱50の熱が培地2に伝わりにくいように設けている。この例では、貯水箱30と50、および空隙箱40は、養液槽1と同一物である。なお、養液槽1の裏面に凹凸や強度向上のためのフレーム等が設けられている場合には、貯水箱50貯水する代わりに、空隙箱40の上部(裏面の凹凸等)に貯水しても良い。水量は少なくとも十分な効果がある。この場合は、貯水箱50は不要である。
<本実施の形態のまとめ>
以上のように、本発明に係る水耕栽培用プランターは、特にベビーリーフや小型野菜に適したものであり、従来の多くの課題を解決するものである。
第一に、硝酸含有量を大幅に低減できる。これにより健康による影響を軽減し、また、渋みを抑え、糖度を向上させることで、味覚を著しく向上できる。さらに、アスコルビン酸等の含有量を向上させることができる。
第二に、茎の部分から切りとって収穫できるので、日持ちが大幅に改善する。これにより、流通の自由度が増し、また消費者の家庭における保管も容易になる。また、茎は栄養価が高く、美味であり、重量感があり、食べごたえもある。このように、茎は本来商品価値が高い部位であり、この部位を捨てずに提供できる。
第三に、養液槽内にはアオコといった微細藻類が繁殖しやすいが、塩ビ等の遮光性の材質の上板を用いることで、養液槽への光に入射を防止し、微細藻類の繁殖を抑制できる。微細藻類が一旦繁殖してしまうと駆除することは困難であり、栽培歩留まりの低下や、衛生上の問題が生じるが、このような大きな問題を解決できる。
第四に、夏季においては養液槽から養液蒸発しやすく、頻繁に養液を注入することが必要となるが、塩ビ等の遮光性の材質の上板を用いることで、養液槽への光に入射を防止し、養液の蒸発を抑制できる。また、養液を急速に注入すると、軽いウレタン培地は浮き上がってしまい、十分に養液がウレタン培地に吸収されない状態になってしまうが、上板を置くことで浮き上がりを防止できる。したがって、養液の注水頻度を減少し、且つ一回当たりの注水時間を短縮できる。
1 養液槽
1a 排水口
1b 押さえ機構
2 培地
2a 窪み
3 上板
3a 開口
4 注水管
10 野菜
10a 葉
10b 葉柄
10c 茎
10d 根
20 切削具

Claims (8)

  1. 養液槽と、
    当該養液槽内に設置する吸水性を有する培地と、
    当該培地上に設置する硬質材の上板と、
    を備え、
    上記培地は播種のための複数の窪みを有し、
    上記上板は、上記培地の複数の窪みに対応する位置に開口を有する
    ことを特徴とする水耕栽培用プランター。
  2. 上記上板は遮光性を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培用プランター
  3. 上記上板を抑えるための押さえ機構を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の水耕栽培用プランター。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の水耕栽培用プランターを用い、
    収穫時においては、上記上板を下方に押し付けながら、切削具にて栽培物を切断して収穫を行う
    ことを特徴とする野菜の生産方法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の水耕栽培用プランターを用い、
    養液を切り替える際には、上記上板を下方に押し付けて上記培地に吸収されている養液を押し出した後に排水し、
    当該排水後に、新たな養液を注入する
    ことを特徴とする野菜の生産方法。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の水耕栽培用プランターを用い、
    給水管を上部より挿入して養液を注水する
    ことを特徴とする野菜の生産方法。
  7. 上記野菜はベビーリーフである
    ことを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の野菜の生産方法。
  8. 播種から発芽に至る期間に、請求項1から3のいずれかに記載の水耕栽培用プランターの上下に貯水箱を設けた
    ことを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の水耕栽培用プランター。

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