JP2980566B2 - 記録媒体収納用ファイルシート - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本発明は、ハードケースに収容
されたフロッピーディスクのような薄い方形の記録媒体
を収納する記録媒体収納用ファイルシートに関する。

【０００２】

【従来技術】 従来、ハードケースに収容されたフロッ
ピーディスクのような薄い方形の記録媒体を平面的に並
べて収納できるようにした記録媒体収納用ファイルシー
トとして、図１に示す構造のものがある。このファイル
シートは、薄いプラスチックのシート材を型押し成型す
ることにより得られるもので、一方の面に突出する格子
状の縦桟１と横桟２を備え、一対の縦桟１と一対の横桟
２とにより４角形の媒体収納区画３が形成される。各縦
桟１には、各収納区画３の縦方向中央部に対応する位置
に、横向きに、各収納区画３の内方に突出するように、
記録媒体保持用耳部４が形成される。この耳部４は、各
収納区画３の底部を構成するシート材部分を打ち抜いて
形成されるもので、型押し成型時に同時に形成すること
ができる。したがって、耳部４の下方では、収納区画３
の底部に開口５が残される。

【０００３】フロッピーディスク６は、矢印Ａで示す方
向に耳部４の下方に滑り込ませることにより、収納区画
３に挿入される。収納状態では、フロッピーディスク６
は保持用耳部４により収納区画３内に保持される。取り
出しに際しては、フロッピーディスク６を矢印Ａと反対
の方向に押すことにより、収納区画３の外側に押し出す
ことができる。この収納用ファイルシートは、バインダ
ー等に綴じ込むことができるように、縁部に沿ってバイ
ンダー孔７が形成される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】 上述した記録媒体収
納用ファイルシートは、薄い形状であり、複数のフロッ
ピーディスクを平面状に一覧できるように収納可能であ
る、という便利さを有するが、記録媒体の収納が一方の
面に限られるので、必要なファイルシートの数が多くな
る、という問題がある。そこで、２枚のファイルシート
の裏面を接合して一枚のファイルシートとすることも考
えられるが、製造工程が増し、ファイルシートの厚みも
大きくなる、という問題が残る。本発明は、上記した問
題を解決するもので、１枚のプラスチックシート材から
型押しで成型でき、しかも表裏両面に収納区画を有する
記録媒体収納用ファイルシートを提供することを解決す
べき課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
め、本発明による記録媒体収納用ファイルシートは、ほ
ぼ４角形状を有する薄いプラスチックシート材の型押し
成型により形成され、下記の構成を備える。すなわち、
シート材の第１の側の面には、該面から突出し該シート
材の側縁にほぼ平行に延びる一対の第１の縦桟と、シー
ト材の第１の側の面に突出し第１の縦桟に対してほぼ直
角に延びる一対の第１の横桟とによって、シート材の該
第１の側の面に４角形の第１の記録媒体収納区画が形成
される。また、該一対の第１の縦桟又は第１の横桟の少
なくとも一方、たとえば縦桟に、第１の記録媒体収納区
画の底部を構成するシート材部分を打ち抜くことによ
り、該収納区画の内方に突出する対の第１の記録媒体保
持用耳部が形成される。

【０００６】さらに、シート材の第１の面とは反対側の
第２の面には、該シート材の第２の面に突出する一対の
第２の縦桟を形成する。この第２の縦桟は、該シート材
の側縁に対しほぼ平行に延びる。さらに、シート材の第
２の側の面に突出し第２の縦桟に対しほぼ直角に延びる
一対の第２の横桟が形成される。これら第２の縦桟と第
２の横桟は、シート材の第２の面に４角形の第２の記録
媒体収納区画を形成する。該一対の第２の縦桟又は第２
の横桟の少なくとも一方、たとえば縦桟には、第１の記
録媒体保持用耳部から変位した位置で、第２の記録媒体
収納区画の底部を構成するシート材部分を打ち抜くこと
により該収納区画の内方に突出するように対の第２の記
録媒体保持用耳部が形成される。第１の縦桟と第２の縦
桟は同一線上に交互に形成される。同様に、第１の横桟
と第２の横桟は同一線上に交互に形成される。この縦桟
及び横桟の配置により、シート材の表裏の同一の位置
に、２つの記録媒体収納区画を背中合わせに形成するこ
とができる。また、このファイルシートは、薄いプラス
チックのシート材の形押し成型により一工程で製造可能
である。

【０００７】本発明の一態様においては、複数の第１の
記録媒体収納区画を形成するため、複数の第１の縦桟と
複数の第１の横桟が格子形状に沿って形成され、複数の
第２の記録媒体収納区画を形成するため、複数の第２の
縦桟と第２の横桟が格子形状に沿って形成される。

【０００８】

【実施例】 以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図２は本発明を実施した記録媒体収納用ファイルシ
ート１０を示す平面図で、薄いプラスチックのシート材
からなるシート本体１１には、表面に突出する縦桟１２
が３個所、互いに横方向に間隔をもってシート本体１１
の側縁１１ａに平行に形成されている。同様に、シート
本体１１の表面に突出するように、縦桟１２に直角方向
に延びる横桟１３が３個所、互いに縦方向に間隔を持っ
て形成されている。縦桟１２と横桟１３は、４角形の記
録媒体収納区画１４をシート本体１１の表面に形成す
る。図示した実施例では、４個の収納区画１４が格子配
列で形成される。図２において、両側縁部の縦桟１２
は、収納区画１４の隅角部に位置する縦桟部分１２ａ
と、収納区画１４の縦方向中間部に位置する縦桟部分１
２ｂと、縦方向に並んだ２個の収納区画１４の隅角部が
接する部分に位置する縦桟部分１２ｃとからなる。中央
の縦桟１２は、４個の収納区画１４の隅角部が集まる中
央部に位置する縦桟部分１２ｄと、各収納区画１４の縦
方向中間部に位置する縦桟部分１２ｅとからなる。上下
両端部の横桟１３は、収納区画１４の隅角部に位置して
縦桟部分１２ａに連なる横桟部分１３ａからなり、この
横桟部分１３ａは各収納区画１４の横方向中央部まで延
びている。中央の横桟１３は、縦方向に並んだ２個の収
納区画１４の隅角部が接する部分において縦桟部分１２
ｃにＴ字形に連なる横桟部分１３ｂと、４個の収納区画
１４の隅角部が集まる中央部において縦桟部分１２ｄに
十字形に連なる横桟部分１３ｃとからなる。横桟部分１
３ｂは各収納区画１４の横方向中央部まで延びる。横桟
部分１３ｃは僅かな長さに形成される。

【０００９】図３に示すように、縦桟１２は薄いプラス
チックのシート材を型押し成型の際に裏面から押し出す
ことにより形成されるもので、縦桟１２は裏面では凹溝
として現れる。図３には断面で示していないが、横桟１
３も同様な構成である。両側部の縦桟１２には、各収納
区画１４の縦方向中間部に相当する位置にある縦桟部分
１２ｂに、該収納区画１４の内方に突出する記録媒体保
持用耳部１５が形成される。中央の縦桟１２には、縦桟
部分１２ｅの両側側面に各収納区画１４の内方に突出す
るように対の記録媒体保持用耳部１５が形成される。す
なわち、各収納区画１４についてみると、該収納区画１
４の両側に２つの記録媒体保持用耳部１５が対をなすよ
うに形成される。耳部１５の各々は、各収納区画１４の
底部と縦桟１２の側壁面をシート材から打ち抜いて形成
されるもので、図４に示すように、耳部１５に対応する
位置においては、収納区画１４の底面に開口１６が形成
される。本実施例においては、収納される記録媒体は、
矢印Ｂで示すように、収納区画１４に対し一方向にのみ
挿入される構成であり、挿入方向奥側の横桟部分１３
ａ、１３ｂにも同様な媒体保持用耳部１５ａが形成され
る。

【００１０】シート本体１１の裏面には、表面の縦桟１
２及び横桟１３と同一の線上に、縦桟２２と横桟２３が
該裏面に突出するように形成されている。図１に示す表
面では、縦桟２２及び横桟２３は凹溝として現れる。こ
れら縦桟２２と横桟２３は、シート材１１の裏面に４つ
の記録媒体収納区画１４ａを形成する。両側の縦桟２２
は、表面の縦桟１２の縦桟部分１２ａと縦桟部分１２ｂ
の間に位置する縦桟部分２２ａと、縦桟部分１２ｂと縦
桟部分１２ｃの間に位置する縦桟部分２２ｂからなる。
中央の縦桟２２は各収納区画１４ａの中間部に位置する
縦桟部分２２ｃと上下両端部に位置する縦桟部分２２ｄ
からなる。このように、裏面の縦桟２２は、表面の縦桟
１２に対し同一線上で交互に形成される。上下両端部の
横桟２３は、表面の２つの横方向に並ぶ収納区画１４の
横桟部分１３ａ間にわたって延びるように形成された横
桟部分２３ａからなる。この横桟部分２３ａは、中央の
縦桟２２の縦桟部分２２ｄとＴ字形に連なる。中央の横
桟２３は表面の横桟１３の横桟部分１３ｂ、１３ｃ間に
位置する横桟部分２３ｂからなる。このように、裏面の
横桟２３は、表面の横桟１３に対し同一線上で交互に形
成される。

【００１１】裏面の縦桟２２の各々において、４個の収
納区画のうち、上方の２個の収納区画においては、両側
の縦桟の縦桟部分２２ａと、中央の縦桟の縦桟部分２２
ｃに媒体保持用耳部１５と同様な保持用耳部２５が形成
される。下方の２個の収納区画においては、両側の縦桟
の縦桟部分２２ｂと中央の縦桟の縦桟部分２２ｃに媒体
保持用耳部１５と同様な保持用耳部２５が形成される。
これら耳部２５は、表面の耳部１５と同様に打ち抜きで
形成され、収納区画１４ａの底面には、それに対応する
開口２６が残される。図４から最もよく理解できるよう
に、耳部１５ａの下側には、縦桟１２ａの側壁面から横
方向に突出するように、案内部１９ａが形成されてい
る。この案内部１９ａは、収納区画１４ａに向けて内方
に突出し、該区画１４ａに挿入される記録媒体が横方向
にずれないように案内する。表面の縦桟１２にも案内部
１９が形成される。図２では、この案内部１９は凹部と
して現れる。なお、図示した実施例では、シート本体１
１の一方の縁部に沿って該シート本体をバインダー綴じ
するためのバインダー孔２０が形成されている。

【００１２】この実施例におけるファイルシートは、薄
いプラスチックのシート材を型押し成型することにより
一工程で成型可能である。そして、一枚のシート材から
表裏両面に媒体収納区画を有するファイルシートを得る
ことができる。本発明のファイルシートは、複数の記録
媒体を一面に並べて収納でき、薄い構成であるので綴じ
た状態でもコンパクトに収納できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来のハードケース入りフロッピーディスク
収納用ファイルシートの一例を示す平面図である。

【図２】 本発明のファイルシートの一実施例を示す図
１と同様な平面図である。

【図３】 図２に示すファイルシートの部分断面図で、
(a) は図２のＡ−Ａ線における断面を、(b) は図２のＢ
−Ｂ線における断面を、(c) は図２のＣ−Ｃ線における
断面を、それぞれ示す。

【図４】 図２に示すファイルシートの一部の拡大斜視
図である。

【符合の説明】

１１・・・シート本体、１２、２２・・・縦桟、１３、
２３・・・横桟、１４、１４ａ・・・媒体収納区画、１
５、２５・・・媒体保持用耳部、

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ４角形状を有する薄いプラスチック
   シート材の型押し成型により形成された記録媒体収納用
   ファイルシートであって、 前記シート材の第１の側の面に突出し該シート材の側縁
   にほぼ平行に延びる一対の第１の縦桟と、前記シート材
   の前記第１の側の面に突出し前記第１の縦桟に対してほ
   ぼ直角に延びる一対の第１の横桟とによって前記シート
   材の前記第１の側の面に形成される４角形の第１の記録
   媒体収納区画と、 前記一対の第１の縦桟又は第１の横桟の少なくとも一方
   に、前記第１の記録媒体収納区画の底部を構成するシー
   ト材部分を打ち抜くことにより該収納区画の内方に突出
   するように形成された対の第１の記録媒体保持用耳部
   と、 前記第１の面とは反対側の第２の面に突出し該シート材
   の側縁に対しほぼ平行に延びる一対の第２の縦桟と、前
   記シート材の前記第２の側の面に突出し前記第２の縦桟
   に対しほぼ直角に延びる一対の第２の横桟とによって前
   記シート材の前記第２の面に形成される４角形の第２の
   記録媒体収納区画と、 前記一対の第２の縦桟又は第２の横桟の少なくとも一方
   に、前記第１の記録媒体保持用耳部から変位した位置
   で、前記第２の記録媒体収納区画の底部を構成するシー
   ト材部分を打ち抜くことにより該収納区画の内方に突出
   するように形成された対の第２の記録媒体保持用耳部
   と、を備え、 前記第１の縦桟と前記第２の縦桟は同一線上に交互に形
   成され、前記第１の横桟と前記第２の横桟は同一線上に
   交互に形成された、ことを特徴とする記録媒体収納用フ
   ァイルシート。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の記録媒体収納用ファイ
   ルシートであって、複数の前記第１の記録媒体収納区画
   を形成するように、複数の前記第１の縦桟と前記第１の
   横桟が格子形状に沿って形成され、複数の前記第２の記
   録媒体収納区画を形成するように、複数の前記第２の縦
   桟と前記第２の横桟が格子形状に沿って形成されたこと
   を特徴とする記録媒体収納用ファイルシート。