JP2980274B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP2980274B2
JP2980274B2 JP5037783A JP3778393A JP2980274B2 JP 2980274 B2 JP2980274 B2 JP 2980274B2 JP 5037783 A JP5037783 A JP 5037783A JP 3778393 A JP3778393 A JP 3778393A JP 2980274 B2 JP2980274 B2 JP 2980274B2
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満寿治 大嶋
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D11/00Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated
    • F02D11/06Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance
    • F02D11/10Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type
    • F02D2011/101Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type characterised by the means for actuating the throttles
    • F02D2011/102Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type characterised by the means for actuating the throttles at least one throttle being moved only by an electric actuator

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の加速度が運転
者の要求する加速度となるように駆動力を制御するよう
にした車両の駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両に対しては、様々な環境条
件の下での走行が要求されると共に、個々の運転者によ
る種々の運転操作がなされる。そして、車両の挙動につ
いては、運転者の意図する応答性と円滑性が要求され
る。従来より、車両の駆動力に関わる挙動については、
例えば内燃機関を搭載した車両において、運転者による
アクセルペダルの踏込量に応じて制御が行われることが
知られている。
【0003】例えば、先に本願出願人により提案された
特願平3−80103号では、内燃機関を搭載した車両
において、リンクレスタイプのスロットルバルブの開度
(スロットル開度)が、運転者によるアクセルペダルの
踏込量(アクセルストローク)に応じて制御されるよう
になっている。ここで、アクセルストロークに対応した
目標加速度を決定するためのデータは、マップとして予
めバックアップRAMに記憶されている。そして、車両
の実際の加速度がマップより決定される目標加速度とな
るように、スロットル開度が制御され、もって車両の駆
動力が制御される。又、この提案技術では、アクセルス
トロークの変化と実際の加速度とが運転者の加速度要求
度合いの変化として検知され、その検知された加速度要
求度合いと、上記のマップより決定される目標加速度と
の偏差が最小となるように、そのマップのデータが修正
されてバックアップRAMに記憶し直されるようになっ
ている。数学的には、目標加速度に関する補正(修正)
が上記の偏差に応じてなされることにより、マップの書
き替えが行われる。つまり、アクセルストロークに対応
する目標加速度のデータが学習されるのである。
【0004】従って、上記のように目標加速度のデータ
が、運転者の加速度要求度合いに合致するように学習さ
れることから、常に運転者の特性に合った目標加速度が
決定されることになった。その結果、運転者の意識状態
や運転環境に関係なく、常に運転者の特性に適した駆動
力が得られ、良好な運転性能が得られることになった。
【0005】しかしながら、上記の提案技術では、目標
加速度のデータの学習としては、単にデータが補正(修
正)されてマップの書き替えが行われているだけであっ
た。そして、マップの書き替えについては、その時々で
アクセルストロークのある点、或いはある範囲について
のみ、目標加速度のデータが学習されるだけであった。
従って、特定の運転領域についてのみ目標加速度が補正
(修正)されるだけとなり、書き替えられたマップに領
域的な偏りが生じることになった。その結果、書き替え
られたマップで、アクセルストロークに対する目標加速
度の関係が部分的に不連続となり、車両の駆動力の制御
がアクセルストロークの変化に対して部分的に不連続な
ものとなるおそれがあった。
【0006】そこで、上記の不具合に対処することを狙
って、新たな技術が本願出願人により特願平4−336
323号に提案された。この提案技術では、ニューラル
ネットワーク技術を利用してマップの学習制御が行われ
るようになっている。ここでは、車両の走りに対する運
転者の要求が、その時々の実際の加速度から「要求加速
度モデル」として推定され、その「要求加速度モデル」
に基づき「スロットル感度モデル」が変更されてスロッ
トル感度が決定されている。又、その決定されたスロッ
トル感度とアクセルストロークとの積から求められる目
標スロットル開度と、実際のスロットル開度とが一致す
るように、エンジンのスロットルバルブが開閉制御され
るようになっている。
【0007】従って、上記のようにニューラルネットワ
ーク技術を利用してマップの学習制御が行われることか
ら、アクセルストロークの全範囲に対する加速度及びス
ロットル開度の関係の全体が不連続とならず、エンジン
駆動力の制御を運転者によるアクセルストロークの全範
囲に渡って連続的なものとすることができることになっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、車両の走り
に対する運転者の要求(加速要求)は、実際には先ずア
クセルペダル等の出力操作手段に反映されるのに対し、
上記後者の新たな提案技術では、走りに対する運転者の
要求が、その時々の実際の加速度に基づいて推定されて
いるようになっていた。そのため、運転者の加速要求を
より直接的に推定することが困難となるおそれがあっ
た。その結果、運転者の特性に適した駆動力及び良好な
運転性能の確保の上で若干の支障が起こるおそれがあっ
た。また、上記技術では、車両の加速度を検出するため
の加速度センサ等の加速度検出手段が必要とされ、この
加速度検出手段を設ける分だけコストの上昇を招くおそ
れがあった。
【0009】さらに、上記技術では、「要求加速度モデ
ル」及び「スロットル感度モデル」は走行に際し常に学
習更新が行われうる状態にあった。そのため、その学習
に時間を要することとなり、その要した時間分だけ制御
周期が長くなり、スロットルバルブの開閉制御ひいては
駆動力の制御に遅れが生じてしまうおそれがあった。
【0010】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、運転者の意識状態や運転環
境にかかわりなく常に運転者の特性に合った駆動力の制
御を実現すると共に、駆動力の制御を運転者によるアク
セルペダル等の操作量の全範囲に渡って連続的なものと
することが可能で、併せて、運転者の加速要求をより直
接的に推定して、運転者の特性に適した駆動力及び良好
な運転性能を得ると共に、加速度検出手段分のコストの
低減及び駆動力の制御の遅れを防止することの可能な車
両の駆動力制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、図1に示すように、車両M
1に搭載された駆動源M2の制御量を変更するための制
御量変更手段M3と、駆動源M2の出力を任意に制御す
るために運転者により操作される出力操作手段M4と、
出力操作手段M4の操作量を検出するための操作量検出
手段M5とを備え、操作量検出手段M5の検出結果に応
じて制御量変更手段M3を駆動させることにより駆動源
M2の出力を制御して車両M1の駆動力を制御するよう
にした車両の駆動力制御装置において、車両M1の速度
を検出するための速度検出手段M6と、予め車両M1の
出庫前段階において、速度検出手段M6の検出により得
られる速度と、操作量検出手段M5の検出により得られ
る出力操作手段M4の操作量の所定時間での時系列デー
タとに基づいて学習された運転者の加速に関する要求を
推定する加速要求推定モデルを記憶する加速要求推定モ
デル記憶手段M7と、速度検出手段M6の検出により得
られる速度と、操作量検出手段M5の検出により得られ
る出力操作手段M4の操作量の所定時間での時系列デー
タとを入力データとして、加速要求推定モデル記憶手段
M7に基づいて運転者の加速要求を推定するための加速
要求推定手段M8と、加速要求推定手段M8の推定結果
に基づいて、制御量感度を演算する制御量感度演算手段
M9と、制御量感度演算手段M9により演算される制御
量感度を参照データとして、その参照データに基づき操
作量検出手段M5により検出される操作量に応じて制御
量変更手段M3の駆動を制御する駆動制御手段M10と
を備えたことをその要旨としている。
【0012】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、操作
量検出手段M5により出力操作手段M4の操作量が検出
される。また、速度検出手段M6により車両M1の速度
が検出される。そして、加速要求推定モデル記憶手段M
7では、予め車両M1の出庫前段階において、速度検出
手段M6の検出により得られる速度と、操作量検出手段
M5の検出により得られる出力操作手段M4の操作量の
所定時間での時系列データとに基づいて運転者の要求す
る加速要求推定モデルが学習され、記憶される。
【0013】また、加速要求推定手段M8では、速度検
出手段M6の検出により得られる速度と、操作量検出手
段M5の検出により得られる出力操作手段M4の操作量
の所定時間での時系列データとを入力データとして、加
速要求推定モデル記憶手段M7に基づいて運転者の加速
要求が推定される。さらに、制御量感度演算手段M9で
は、加速要求推定手段M8の推定結果に基づいて、制御
量感度が演算される。そして、駆動制御手段M10で
は、上記のように演算される制御量感度の出力が参照デ
ータとして用いられ、その参照データに基づき、運転者
の操作による出力操作手段M4の操作量に応じて制御量
変更手段M3の駆動が制御される。これにより、駆動源
M2の出力が制御され、もって車両M1の駆動力が制御
される。
【0014】従って、この発明によれば、常に運転者の
要求に応じた加速要求が得られ、その加速要求に対応し
て制御量感度が得られる。そして、常に運転者の要求に
直接的に適合した加速要求をもって、駆動源M2の制御
量が制御される。又、この発明によれば、予め車両M1
の出庫前段階において、運転者の要求を推定する加速要
求推定モデルが学習され、記憶されており、走行時にお
いては、速度と、出力操作手段M4の操作量の所定時間
での時系列データとを入力データとして、加速要求推定
モデル記憶手段M7に基づいて運転者の加速要求が推定
される。そのため、車両M1の速度の全範囲について、
出力操作手段M4の操作量の全範囲に対する制御量の関
係が部分的に不連続となることはない。
【0015】また、この発明によれば、速度と、出力操
作手段M4の操作量の所定時間での時系列データとを入
力データとして、加速要求が推定される。このため、車
両の加速度を検出するための加速度センサ等の加速度検
出手段が必要とされない。
【0016】さらに、この発明によれば、加速要求推定
モデルの学習は出庫前段階において完了しているので、
走行時において、学習が行われることはない。そのた
め、走行時において学習に時間を要することがなくな
り、その時間分だけ演算時間を短縮でき、制御周期を短
くできることから、制御量変更手段M3の開閉制御ひい
ては車両M1の駆動力の制御が速く行われることとな
る。
【0017】
【実施例】以下、この発明における車両の駆動力制御装
置を具体化した一実施例を図2〜図8に基づいて詳細に
説明する。
【0018】図2はこの実施例における車両の駆動力制
御装置を概略的に示す構成図である。車両1には駆動源
としてのガソリンエンジン(以下単に「エンジン」とい
う。)2が搭載されている。エンジン2は複数気筒の直
列型となっている。エンジン2の吸気通路3には外気が
取り込まれ、図示しないインジェクタから噴射される燃
料が供給される。そして、エンジン2の図示しない各燃
焼室には、吸気通路3を通じて外気と燃料との混合気が
取り込まれる。更に、各燃焼室に取り込まれた混合気
が、図示しない各点火プラグの作動により爆発・燃焼さ
れることにより、図示しないピストン及びクランクシャ
フト等が作動してエンジン2の出力が得られる。又、エ
ンジン2の各燃焼室で燃焼された後の既燃焼ガスは、排
気通路4を通じて外部へと排出される。
【0019】この実施例で、車両1はフロントエンジン
・リヤドライブ方式(FR方式)のものであり、エンジ
ン2のクランクシャフトは、図示しないトランスミッシ
ョン、プロペラシャフト、ディファレンシャルギヤ及び
ドライブシャフト等を介して、駆動輪である左右一対の
後輪5に駆動連結されている。又、従動輪である左右一
対の前輪6は、運転席に設けられた図示しないステアリ
ングホイールの操作に連動する操舵輪となっている。
【0020】この実施例において、吸気通路3の途中に
は、制御量変更手段を構成するリンクレスタイプのスロ
ットルバルブ7が設けられている。即ち、スロットルバ
ルブ7は、その近傍に設けられた直流モータ8に連結さ
れている。そして、直流モータ8の作動により、エンジ
ン2の制御量としてのスロットルバルブ7の開度、即ち
スロットル開度Thが制御される。これにより、吸気通
路3を通じてエンジン2の各燃焼室へ取り込まれる空気
量が調整され、この空気量の調整により、エンジン2の
出力が制御される。
【0021】スロットルバルブ7の近傍には、スロット
ルセンサ9が設けられている。このスロットルセンサ9
では、スロットル開度Thが検出され、それに応じた信
号が出力される。又、車両1の運転席には、出力操作手
段としてのアクセルペダル10が設けられている。この
アクセルベダル10は、エンジン2の出力を任意に制御
するために、運転者DRにより操作されるものである。
又、アクセルペダル10の近傍には、操作量検出手段と
してのアクセルセンサ11が設けられている。このアク
セルセンサ11では、アクセルペダル10の操作量、即
ちアクセルストロークSが検出され、それに応じた信号
が出力される。さらに、前輪6には速度検出手段を構成
する周知の車速センサ12が設けられている。この車速
センサ12では、前輪6の回転数に応じて車両1の速
度、即ち車速Vが検出され、それに応じた信号が出力さ
れる。
【0022】そして、この実施例では、スロットルバル
ブ7を運転者DRの要求に応じて好適に開閉制御するた
めに、スロットルコンピュータ21及びニューロコンピ
ュータ22が設けられている。スロットルコンピュータ
21は駆動制御手段を構成しており、スロットルコンピ
ュータ21には、直流モータ8及びスロットルセンサ9
がそれぞれ電気的に接続されている。又、ニューロコン
ピュータ22は加速要求推定モデル記憶手段、加速要求
推定手段、制御量感度演算手段を構成しており、ニュー
ラルネットワークの技術を適用して構成されている。こ
のニューロコンピュータ22には、アクセルセンサ11
及び車速センサ12がそれぞれ電気的に接続されてい
る。又、ニューロコンピュータ22とスロットルコンピ
ュータ21とは互いに電気的に接続されている。
【0023】図3はスロットルコンピュータ21及びニ
ューロコンピュータ22の電気的構成を示すブロック図
である。ニューロコンピュータ22は、タイマの機能を
兼ね備えた中央処理装置(CPU)23、所定の制御プ
ログラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)24、CPU23の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)25、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM26等を備えてい
る。そして、ニューロコンピュータ22は、それら各部
23〜26と外部入出力回路27等がバス28によって
接続された論理演算回路として構成されている。外部入
出力回路27には、前述したアクセルセンサ11及び車
速センサ12がそれぞれ接続されている。併せて、外部
入出力回路27には、前記したスロットルコンピュータ
21が接続されている。又、ROM24には、ニューラ
ルネットワーク技術を利用した加速要求推定プログラム
や学習を終えた加速要求推定モデル等が予め記憶されて
いる。
【0024】そして、CPU23は、外部入出力回路2
7等を介して入力される各センサ11,12からの各種
信号を入力値として読み込む。CPU23は、それら入
力値に基づき、予めROM24に記憶されている加速要
求推定プログラムに従い、運転者DRの要求する「加速
要求」を推定するとともに、それに応じた制御量感度の
演算制御を実行する。そして、CPU23はその演算結
果を外部入出力回路27を介してスロットルコンピュー
タ21へ出力する。
【0025】一方、スロットルコンピュータ21はニュ
ーロコンピュータ22と基本的に同じ構成をなしてお
り、CPU30、ROM31、RAM32、バックアッ
プRAM33、外部入出力回路34及びバス35等によ
って構成されている。外部入出力回路34には、前述し
た直流モータ8、スロットルセンサ9及びニューロコン
ピュータ22がそれぞれ接続されている。又、ROM3
1には、ニューロコンピュータ22の演算結果、或いは
別途に設定された設定値に基づきスロットルバルブ7の
開閉を制御するためのスロットル開度制御プログラムが
予め記憶されている。
【0026】そして、CPU30は、ニューロコンピュ
ータ22から外部入出力回路34を介して入力される目
標スロットル開度のデータを入力値として読み込む。
又、CPU30は、スロットルセンサ9からの信号を入
力値として読み込む。又、CPU30は、それら入力値
に基づき、ROM31に記憶されているスロットル開度
制御プログラムに従い直流モータ8を好適に制御する。
【0027】ここで、ニューロコンピュータ22に適用
されているニューラルネットワーク技術の概念的な構成
を図4に従って説明する。この実施例におけるニューラ
ルネットワークは、図4に示すように、多層型ニューラ
ルネットワークを備えている。この多層型ニューラルネ
ットワークは、(N+1)個のニューロンn1よりなる
「入力層」と、2〜10個程度のニューロンn2よりな
る「中間層」と、1個のニューロンn3よりなる「出力
層」とを備えている。又、各層の間で各ニューロンn
1,n2,n3がシナプスspにより結合されている。
この多層型ニューラルネットワークにおいて、信号は
「入力層」から「中間層」、「中間層」から「出力層」
へ向かって一方向へ流れる。各層のニューロンn1,n
2,n3では、前の層から受け取った信号に基づいて状
態が決定され、次の層へと信号が伝えられる。そして、
多層型ニューラルネットワークの出力結果は、「出力
層」のニューロンn3の状態値として得られる。
【0028】ここで、上記多層型ニューラルネットワー
クは、「入力層」の各ニューロンn1に、車速センサ1
2により検出される車速V及び発進から所定時間T(例
えば2秒〜7秒程度)までの時系列毎のアクセルセンサ
11により検出されるアクセルストロークS(時系列デ
ータ)がそれぞれ入力される。但し、この時系列データ
というのは、上記所定時間TをN(例えばN=「5
0」)等分した値をサンプリング時間Δtとして、発進
から所定時間Tが経過するまでの各サンプリング時間Δ
t毎のアクセルストロークSのことをいう。又、「出力
層」のニューロンn3から得られる出力値Gxは、上記
の各入力値に基づいて、「1」:〔より速く〕、
「0」:〔ちょうどよい〕、「−1」:〔より遅く〕の
うち、いずれか1つが採択される。
【0029】但し、その採択は、各シナプスspの「重
み係数」によって異なってくるのであるが、この実施例
では、上記「重み係数」は車両1の出庫前段階において
既に設定されており、出庫後の段階では不変となる。よ
り詳細に説明するならば、各シナプスspの「重み係
数」は車両1の出庫前段階において、多数回の実験が繰
り返される。そして、その実験のデータと運転者の官能
評価値(「1」:より速く、「0」:ちょうど良い、
「−1」:より遅く)を用いて修正がなされて、その出
荷先のユーザー(例えば出荷先の相手国)に適した「重
み係数」とされている。この修正には、一般に知られて
いる「誤差逆伝搬学習アルゴリズム」が適用されてい
る。つまり、車両1の出庫後においては、車速V及びア
クセルストロークSの時系列データの入力により、予め
設定された各シナプスspの「重み係数」に基づいて、
「加速要求推定モデル」としての上記3段階の出力値G
xが出力されるようになっているのである。
【0030】上記のようなニューラルネットワークの概
念的な構成は、あくまでも便宜的に説明されたものであ
り、ニューラルネットワークの実体は、ニューロコンピ
ュータ22のROM24に予め記憶されている制御プロ
グラムにある。そして、ニューラルネットワークは、そ
の推定制御プログラムにおける数学的な演算の上に成り
立っている。この実施例では、最終的には後述するスロ
ットル感度Thgを求めるために、推定制御プログラム
が作成されている。
【0031】次に、ニューロコンピュータ22におい
て、上記のようなニューラルネットワーク技術を用いて
実行される「加速要求推定モデル」による加速要求の推
定及びスロットル感度の演算のための処理動作について
説明する。図5,6はニューロコンピュータ22により
実行される推定制御プログラム及び演算プログラムの
「加速要求推定及びスロットル感度演算ルーチン」を示
すフローチャートである。このルーチンの処理は開始さ
れた後、一定の周期、例えば「0.1秒」の時間間隔を
もって周期的に実行される。
【0032】このルーチンの処理が開始されると、ステ
ップ101においては、現段階において、スロットル感
度Thg及び前回出力したスロットル感度Thgφのデ
ータがあるか否かを判断する。そして、スロットル感度
Thg及びThgφのデータがない場合には、ステップ
102において、予め定められた基準値Thgstd
(例えばThgstd=「1.0」)をスロットル感度
Thg及び前回出力したスロットル感度Thgφとして
設定し、ステップ103に移行する。
【0033】また、既にスロットル感度Thg及びTh
gφのデータがある場合には、ステップ103にジャン
プする。ステップ103においては、アクセルセンサ1
1及び車速センサ12からの各種信号に基づきアクセル
ストロークS及び車速Vをそれぞれ読み込む。
【0034】続いて、スロットル感度Thgが急激に変
化することを防ぐため、ステップ104において今回設
定されているスロットル感度Thgと前回出力したスロ
ットル感度Thgφとを比較する。すなわち、今回設定
されているスロットル感度Thgと前回出力したスロッ
トル感度Thgφとの差の絶対値が所定の感度変化量γ
(この実施例では「0.1」)以下のとき、ステップ1
05へ移行し、今回出力するスロットル感度Thg1を
スロットル感度Thgとする。
【0035】続いて、ステップ106では、今回出力す
るステップ感度Thg1を前回出力したスロットル感度
Thgφとして記憶する。また、ステップ104におい
て、今回設定されているスロットル感度Thgと前回出
力したスロットル感度Thgφとの差の絶対値が所定の
感度変化量γよりも大きいとき、ステップ107へ移行
する。そして、今回設定されているスロットル感度Th
gと前回出力したスロットル感度Thgφとの差の正負
を判定する。その差が正のときはステップ108へ移行
し、今回出力するステップ感度Thg1を、前回出力し
たスロットル感度Thgφに感度変化量γを加算した値
とし、ステップ106へジャンプする。また、差が負又
はゼロのときはステップ109へ移行し、今回出力する
ステップ感度Thg1を、前回出力したスロットル感度
Thgφから感度変化量γを減算した値とし、ステップ
106へジャンプする。
【0036】ステップ106から移行し、ステップ11
0においては、今回出力するスロットル感度Thg1と
上記のアクセルストロークSとをスロットルコンピュー
タ21へ出力する。或いは、スロットル感度Thg1と
アクセルストロークSとの積、即ち目標スロットル開度
Thg1・Sを求め、その目標スロットル開度Thg1
・Sをスロットルコンピュータ21へ出力する。
【0037】次に、ステップ111において、今回のル
ーチンで読み込まれたアクセルストロークS及び車速V
に基づいて、現在が発進あるいはアクセルの踏み増しの
開始されたときであるか否かを判断する。なお、この実
施例では、前回のルーチンにおけるアクセルストローク
Sに対する今回のルーチンにおけるアクセルストローク
Sの増加率が「3%」以上で、かつ、車速Vが「5km
/h」以下であることが、発進開始時であることの判断
条件とされる。また、アクセルストロークSの増加率が
「5%」以上であることが、アクセルの踏み増しの開始
時であることの判断条件とされる。そして、現在が発進
開始時あるいはアクセルの踏み増しの開始時である場合
には、ステップ113へ移行し、タイマによるカウント
値Cを「1」ずつインクリメントさせる。
【0038】また、現在が発進開始時あるいはアクセル
の踏み増し時でない場合には、ステップ112へ移行す
る。ステップ112においては、CPU23に内蔵され
たタイマによるカウント値Cが「0」であるか否かを判
断する。そして、カウント値Cが「0」の場合には、ス
ロットル感度Thgの変更設定条件が成立していないも
のとして、その後の処理を一旦終了する。
【0039】一方、カウント値Cが「0」でない場合に
は、スロットル感度Thgの変更設定条件が成立してお
り、現在時間計測中であるものとして、ステップ113
へ移行し、タイマによるカウント値Cを「1」ずつイン
クリメントさせる。
【0040】続くステップ114においては、アクセル
ストロークSの時系列データ、すなわち、サンプリング
時間Δt毎のアクセルストロークSをRAM25に一旦
記憶させる。
【0041】そして、ステップ115においては、前記
カウント値Cに基づく時間が所定時間Tよりも大きいか
否か、すなわち、発進あるいはアクセルの踏み増しが開
始されてから所定時間Tが経過したか否かを判断する。
そして、未だ所定時間Tが経過していない場合には、そ
の後の処理を一旦終了する。つまり、所定時間Tが経過
するまでアクセルストロークSの時系列データをRAM
25に一旦記憶させる動作を繰り返す。
【0042】また、発進あるいはアクセルの踏み増しが
開始されてから所定時間Tが経過した場合には、ステッ
プ116へ移行し、タイマによるカウントを終了させ、
そのカウント値Cをリセットする。
【0043】更に、次のステップ117においては、発
進あるいはアクセルの踏み増し開始から所定時間Tが経
過した時点における車速VをRAM25に一旦記憶させ
る。続いて、ステップ118においては、今回のルーチ
ンでRAM25に一旦記憶されたアクセルストロークS
の時系列データのうちの最大の値(最大アクセルストロ
ークSmax)が、予め定められた第1の所定値S1
(この実施例では例えば「80%」)よりも大きいか否
かを判断する。そして、最大アクセルストロークSma
xが第1の所定値S1よりも大きい場合には、運転者D
Rによる加速要求が極めて大きいものとして、ステップ
119へ移行する。ステップ119においては、スロッ
トル感度Thgを最大スロットル感度Thgmax(こ
の実施例では例えば「1.5」)に設定し、その後の処
理を一旦終了する。
【0044】また、最大アクセルストロークSmaxが
第1の所定値S1よりも大きくない場合には、ステップ
120に移行する。ステップ120においては、最大ア
クセルストロークSmaxが、予め定められた第2の所
定値S2(この実施例では例えば「10%」)よりも小
さいか否かを判断する。そして、最大アクセルストロー
クSmaxが第2の所定値S2よりも小さい場合には、
運転者DRによる加速要求が極めて小さいものとして、
ステップ121に移行する。ステップ121において
は、スロットル感度Thgを最小スロットル感度Thg
min(この実施例では例えば「0.5」)に設定し、
その後の処理を一旦終了する。
【0045】このように、車両1の発進から所定時間T
経過までの間の最大アクセルストロークSmaxが第1
の所定値S1よりも大きい場合には、加速要求が極めて
大きいものとされる。そして、スロットル感度Thgが
無条件に最大スロットル感度Thgmaxに設定され
る。また、車両1の発進から所定時間T経過までの間の
最大アクセルストロークSmaxが第2の所定値S2よ
りも小さい場合には、加速要求が極めて小さいものとさ
れる。そして、スロットル感度Thgは無条件に最小ス
ロットル感度Thgminに設定されるのである。
【0046】また、ステップ120において、最大アク
セルストロークSmaxが第2の所定値S2よりも小さ
くない場合には、より厳密に加速要求を推定する必要が
あるものとして、続くステップ122に移行する。
【0047】ステップ122においては、ステップ11
7で一旦記憶された車速V及び前記アクセルストローク
Sの時系列データを、上述したニューラルネットワーク
の「入力層」に入力させる。
【0048】続いてステップ123においては、「入力
層」への入力に基づいて「出力層」から出力される出力
値Gxを演算して読み込む。ここで、予め車両1の出庫
前段階において設定された各シナプスspの「重み係
数」によって、出力値Gxは「1」、「0」又は「−
1」のうちいずれか近い値の1つが採択される。つま
り、車速V及び前記アクセルストロークSの時系列デー
タがニューラルネットワークへの入力値とされる。そし
て、ニューラルネットワークにより運転者DRの加速要
求が出力値Gxという1つの数値として推定されるので
ある。
【0049】次に、ステップ124においては、今回の
ルーチンで演算された出力値Gxに基づいて、下記の式
(1)によりスロットル感度Thgを演算し、その値を
新たなスロットル感度Thgとして設定する。
【0050】 Thg=(現在の)Thg+Gx*k1 ……(1) (但し、k1は正の定数であって、例えば「0.1」)
例えば、現在のスロットル感度Thgが「1.0」であ
ったとする。そして、前記ニューラルネットワークの出
力値Gxが「1」の場合には、現状よりもより速く走り
たいと推定される。この場合、上記の式(1)により、
新たなスロットル感度Thgは「1.0+1×0.1=
1.1」に設定されることとなる。また、出力値Gxが
「0」の場合には、現状のままでちょうどよいと推定さ
れる。この場合、上記の式(1)により、新たなスロッ
トル感度Thgは「1.0+0×0.1=1.0」に設
定される、つまり現状値に保持されることとなる。更
に、出力値Gxが「−1」の場合には、現状よりもより
遅く走りたいと推定される。この場合、上記の式(1)
により、新たなスロットル感度Thgは「1.0+(−
1)×0.1=0.9」に設定されることとなる。
【0051】このようにして、ニューラルネットワーク
の技術を用いた推定及び演算制御の処理が実行され、運
転者DRの加速要求が推定されるとともに、スロットル
感度Thgが演算され設定される。
【0052】次に、上記のような処理動作により決定さ
れるスロットル感度Thg1と、そのときのアクセルス
トロークSとに基づいてスロットルコンピュータ21に
より実行されるスロットル開度制御の処理動作について
説明する。図7はスロットルコンピュータ21により実
行されるスロットル開度制御プログラムの「スロットル
開度制御ルーチン」を示すフローチャートである。この
ルーチンの処理は開始された後、所定の時間間隔をもっ
て周期的に実行される。
【0053】このルーチンの処理が開始されると、先ず
ステップ201において、スロットルセンサ9からの信
号に基づきスロットル開度Thを読み込む。又、ニュー
ロコンピュータ22から出力される最新のスロットル感
度Thg1とアクセルストロークS、或いは目標スロッ
トル開度Thg1・Sを読み込む。ここで、スロットル
感度Thg1とアクセルストロークSとの読み込みが前
提である場合には、同ステップ201において、両者T
hg1,Sの積が目標スロットル開度Thg1・Sとし
て求められる。
【0054】続いて、ステップ202において、現在の
スロットル開度Thが目標スロットル開度Thg1・S
よりも小さいか否かを判断する。ここで、スロットル開
度Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも小さい場
合には、ステップ203において、スロットルバルブ7
を開方向へ駆動させるように直流モータ8を正転させ
る。又、ステップ204において、スロットルセンサ9
からの信号に基づきスロットル開度Thを読み込む。
【0055】そして、ステップ205において、スロッ
トル開度Thが目標スロットル開度Thg1・Sよりも
小さいか否かを再び判断する。ここで、スロットル開度
Thが目標スロットル開度Thg1・Sよりも小さい場
合には、ステップ203へジャンプし、スロットルバル
ブ7を更に開方向へ駆動させるために、ステップ20
3,204,205の処理を繰り返す。これに対し、ス
ロットル開度Thが目標スロットル開度Thg1・Sと
等しいかそれよりも大きい場合には、スロットルバルブ
7をそれ以上開方向へ駆動させないものとして、その後
の処理を一旦終了する。
【0056】一方、ステップ202において、現在のス
ロットル開度Thが目標スロットル開度Thg1・Sよ
りも小さくない場合には、ステップ206へ移行する。
そして、同ステップ206において、現在のスロットル
開度Thが目標スロットル開度Thg1・Sよりも大き
いか否かを判断する。ここで、スロットル開度Thが目
標スロットル開度Thg1・Sよりも大きくない場合に
は、そのままその後の処理を一旦終了する。
【0057】又、ステップ206において、スロットル
開度Thが目標スロットル開度Thg1・Sよりも大き
い場合には、ステップ207において、スロットルバル
ブ7を閉方向へ駆動させるように直流モータ8を逆転さ
せる。又、ステップ208において、スロットルセンサ
9からの信号に基づきスロットル開度Thを読み込む。
【0058】そして、ステップ209において、スロッ
トル開度Thが目標スロットル開度Thg1・Sよりも
大きいか否かを再び判断する。ここで、スロットル開度
Thが目標スロットル開度Thg1・Sよりも大きい場
合には、ステップ207へジャンプし、スロットルバル
ブ7を更に閉方向へ駆動させるためにステップ207,
208,209の処理を繰り返す。これに対し、スロッ
トル開度Thが目標スロットル開度Thg1・Sと等し
いかそれよりも小さい場合には、スロットルバルブ7を
それ以上閉方向へ駆動させないものとして、その後の処
理を一旦終了する。
【0059】このように、スロットル開度Thが目標ス
ロットル開度Thg1・Sに一致するように直流モータ
8の回転が制御され、それによってスロットルバルブ7
が開閉制御される。これにより、エンジン2の出力が制
御され、その結果として車両1の駆動力が制御される。
【0060】以上説明したように、この実施例では、ス
ロットル感度Thgを設定するための演算時には、車両
1の走りに対する運転者DRの要求が、その時々の車速
V及びアクセルストロークSの時系列データから「加速
要求推定モデル」としてニューラルネットワーク等によ
り推定される。又、その推定された「加速要求」に基づ
きスロットル感度Thgが設定される。又、その設定さ
れたスロットル感度Thgから演算したスロットル感度
Thg1とアクセルストロークSとの積から求められる
目標スロットル開度Thg1・Sと、スロットル開度T
hとが一致するように、スロットルバルブ7が開閉制御
される。しかも、常に運転者DRの要求に応じた「加速
要求」が得られ、その「加速要求」に対応して、スロッ
トル感度Thg1が得られる。そして、常に運転者DR
の加速要求に合った加速度をもって、エンジン2のスロ
ットル開度Thが制御される。
【0061】すなわち、図8に示すように、アクセルス
トロークSの時系列データのうちの最大アクセルストロ
ークSmaxが第1の所定値S1よりも大きい場合に
は、車両1に対する運転者DRの加速要求が極めて大き
いと判断される。そして、スロットル感度Thgが最大
スロットル感度Thgmaxに設定される。そのため、
同一の加速度を得るためのアクセルストロークSの変化
範囲が狭くなり、アクセルペダル10の少ない操作によ
って大きな加速度を得ることができるようになり、車両
1の加速性能が向上したように運転者DRに感じさせる
ことができる。例えば、運転者DRの意識が急いだ状態
であったり、車両1の運転環境が渋滞のない高速道路で
あったりして、車両1を速く走行させたいときには、ア
クセルペダル10の少ない操作によって大きな加速度を
得ることができ、加速感を向上させることができる。
【0062】一方、最大アクセルストロークSmaxが
第2の所定値S2よりも小さい場合には、車両1に対す
る運転者DRの加速要求が極めて小さいと判断される。
そして、スロットル感度Thgが最小スロットル感度T
hgminに設定される。そのため、同一の加速度を得
るためのアクセルストロークSの変化範囲が広くなり、
アクセルペダル10の多い操作によって加速度を微妙に
変化させることができるようになり、運転者DRにとっ
てアクセルペダル10の操作性能を向上させることがで
きる。例えば、運転者DRの意識がのんびりした状態で
あったり、車両1の運転環境が渋滞路や雪道等であった
りして、車両1をゆっくりと走行させたいときには、ア
クセルペダル10の多い操作によって加速度を微妙に変
えることができ、車両1の操作感を向上させることがで
きる。
【0063】また、最大アクセルストロークSmaxが
第2の所定値S2以上で、かつ、第1の所定値S1以下
の場合には、車両1に対する運転者DRの加速要求をよ
り厳密に推定する必要があるものとして、上述したニュ
ーラルネットワークを用いて推定するようにしている。
すなわち、車速V及び前記アクセルストロークSの時系
列データが入力され、ニューラルネットワークにより運
転者DRの加速要求が出力値Gxという1つの数値とし
て推定されるのである。そして、上記3種類の出力値G
xにより、現状よりもより速く走りたいのか、ちょうど
よいのか、より遅く走りたいのかが推定される。そし
て、その推定された出力値Gxに応じてスロットル感度
Thgが変更、設定されるのである。
【0064】つまり、この実施例では、運転者DRの加
速度に対する要求度合い(加速要求)に合致するように
車速V及び前記アクセルストロークSの時系列データが
考慮されることから、常に運転者DRの特性に合ったス
ロットル感度Thgが決定される。その結果、運転者D
Rの意識状態(急いでいる、のんびりしている等)や運
転環境(路面状態、昼間・夜間、トンネル内、雨中路、
雪道、山間路、渋滞路等)にかかわりなく、車両1につ
いて、常に運転者DRの特性に合った駆動力の制御を行
うことができるのである。又、この実施例では、ニュー
ロコンピュータ22における加速要求の推定制御に、ニ
ューラルネットワーク技術を用いており、しかも、この
ニューラルネットワークのシナプスspは予め学習設定
されている。このため、スロットル感度Thgの設定に
際し、その特性自体が部分的に不連続となることはな
い。これは、出庫前の段階で多数の実験データを用いて
既に学習が完了しており、走行時に改めて学習されるこ
とがないからである。その結果、車速Vの全範囲につい
て、車両1の駆動力の制御が運転者DRによるアクセル
ペダル10の操作量、即ちアクセルストロークSの全操
作範囲に渡って連続的なものとすることができる。よっ
て、運転者DRによりアクセルペダル10が連続的に踏
み込まれたときには、車両1の加速度が唐突に変化する
ようなことがなく、車速Vの上昇を常に滑らかなものに
することができる。
【0065】更に、この実施例では、加速要求を推定す
るための手段として加速度センサ等の加速度検出手段を
用いることなく、車速VとアクセルストロークSの時系
列データとを入力データとしている。このため、加速度
センサ等の加速度検出手段が必要とされない分だけ、コ
ストの低減を図ることができる。
【0066】さらに、この実施例では、加速要求を推定
するための学習は車両1の出庫前段階において完了して
いるので、走行時において、その推定のための学習が行
われることはない。そのため、走行時において学習に時
間を要することがなくなり、その時間分だけ制御周期を
短縮でき、スロットルバルブ7の開閉制御を速く行うこ
とができる。その結果、車両1の駆動力の制御の遅れを
防止して、該制御を速く行うことができる。
【0067】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、最大アクセルストロークSma
xが第1の所定値S1よりも大きいときには、スロット
ル感度Thgを最大スロットル感度Thgmaxに設定
するようにした。また、最大アクセルストロークSma
xが第2の所定値S2よりも小さいときには、スロット
ル感度Thgを最小スロットル感度Thgminに設定
するようにした。しかし、必ずしもこれら第1の所定値
S1や第2の所定値S2のような「しきい値」を設定す
る必要はない。すなわち、最大アクセルストロークSm
axの値に関わりなく、全範囲に渡って、車速Vとアク
セルストロークSの時系列データとをニューラルネット
ワークに入力し、加速要求を推定するようにしてもよ
い。
【0068】(2)前記実施例では、ニューラルネット
ワークを用いた加速要求を推定するための出力値Gxと
して、「1」:〔より速く〕、「0」:〔ちょうどよ
い〕、「−1」:〔より遅く〕の3段階を設定し、これ
らの値のうちのいずれか1つが採択されるようにした
が、4段階以上に設定してより細かな推定を行うように
してもよいし、また、2段階に設定してもよい。また、
出力値Gxとして、「−1」〜「0」〜「1」のアナロ
グ値を採用してもよい。
【0069】(3)前記実施例では、ニューラルネット
ワークを用いて加速要求を推定して、スロットル感度T
hgを演算する場合に、上記式(1)に従って演算する
ようにしたが、それ以外にも例えば下記の式(2)に従
って演算するようにしてもよい。また、このときの出力
値Gxとして、上記したように「−1」〜「0」〜
「1」のアナログ値を採用してもよい。
【0070】 Thg=Thgstd+Gx*k2 ……(2) (但し、k2は正の定数であって、例えば「0.5」) 上記のように演算した値をスロットル感度Thgとして
設定しても前記実施例とほぼ同等の作用・効果を奏す
る。
【0071】(4)前記実施例では、最大アクセルスト
ロークSmaxと、第1の所定値S1又は第2の所定値
S2との大小関係を比較するようにしたが、アクセルス
トロークSの時系列データのうちの平均ストロークと第
1の所定値S1又は第2の所定値S2との大小関係を比
較するようにしてもよい。但し、この場合、第1の所定
値S1は前記実施例の場合に比べて小さく設定されるの
が望ましい(例えば「60%」)。また、第2の所定値
S2も前記実施例の場合に比べて小さく設定されるのが
望ましい(例えば「5%」)。
【0072】(5)前記実施例では、ガソリンエンジン
2を駆動源とし、リンクレスタイプのスロットルバルブ
7をその制御量変更手段としたが、それ以外の駆動源及
び制御量変更手段に具体化することもできる。例えば、
電気自動車において直流モータ等の電動機を駆動源と
し、電動機への電流を制御する電流制御回路等を制御量
変更手段とすることもできる。
【0073】(6)前記実施例では、運転者DRにより
操作される出力操作手段としてアクセルペダル10を用
いたが、出力操作手段としてアクセルレバーやそれ以外
の操作部材を用いることもできる。
【0074】(7)前記実施例では、アクセルセンサ1
1を操作量検出手段としてアクセルストロークSを検出
するようにしたが、次のようにすることもできる。即
ち、アクセルストロークSの代わりにアクセル踏力を検
出するセンサを用いたり、アクセルストロークSを検出
するアクセルセンサとアクセル踏力を検出するセンサと
を併用したりすることもできる。
【0075】(8)前記実施例では、ニューロコンピュ
ータ22におけるニューラルネットワーク技術として、
多層型ニューラルネットワークを採用したが、相互結合
型ニューラルネットワークを採用することもできる。
【0076】(9)前記実施例では、加速要求推定モデ
ルの入力として、アクセルストロークSの時系列データ
を用いたが、アクセルストロークSの変化分の時系列デ
ータを用いてもよい。また、両者を共に用いてもよい。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、予め車両の出庫前段階において、速度検出手段の検
出により得られる速度と、操作量検出手段の検出により
得られる出力操作手段の操作量の所定時間での時系列デ
ータとに基づいて学習された運転者の加速に関する要求
を推定する加速要求推定モデルを記憶するようにしてい
る。そして、その速度と、出力操作手段の操作量の所定
時間での時系列データとを入力データとして、上記の記
憶に基づいて運転者の加速要求を推定するとともに、そ
の推定結果に基づいて、制御量感度を演算するようにし
ている。
【0078】従って、運転者の意識状態や運転環境にか
かわりなく常に運転者の特性に合った駆動力の制御を実
現すると共に、駆動力の制御を運転者によるアクセルペ
ダル等の操作量の全範囲に渡って連続的なものとするこ
とができる。また、出力操作手段の操作量に基づき、運
転者の加速要求をより直接的に推定して、運転者の特性
に適した駆動力及び良好な運転性能を得ることができる
という優れた効果を発揮する。
【0079】さらに、この発明によれば、加速度検出手
段を必要とせずとも、加速要求を推定することができ、
加速度検出手段分のコストの低減を図ることができる。
併せて、この発明によれば、走行時において学習が行わ
れないようにしたので、駆動力の制御に際し、学習のた
めの時間をなくすことができる。その結果、同一の制御
装置(CPU等)を用いた場合であれば、従来よりも制
御周期を短縮でき、制御量変更手段及び駆動力の制御の
遅れを防止することができる。また、従来と同等の制御
周期とした場合であれば、演算能力のさほど高くない安
価な制御装置(CPU等)を使用でき、さらなるコスト
の低減を図ることができるという優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を示す概念構成図
である。
【図2】この発明を具体化した一実施例における車両の
駆動力制御装置の概略的な構成を示す概略構成図であ
る。
【図3】一実施例において、スロットルコンピュータ及
びニューロコンピュータの電気的構成を示すブロック図
である。
【図4】一実施例において、ニューロコンピュータに適
用されている多層型ニューラルネットワークの概念的な
構成を示す構成図である。
【図5】一実施例において、ニューロコンピュータによ
り実行される「加速要求推定及びスロットル感度演算ル
ーチン」を示すフローチャートである。
【図6】一実施例において、ニューロコンピュータによ
り実行される「加速要求推定及びスロットル感度演算ル
ーチン」を示すフローチャートである。
【図7】一実施例において、スロットルコンピュータに
より実行される「スロットル開度制御ルーチン」を示す
フローチャートである。
【図8】一実施例において、時刻に対するアクセルスト
ロークの種々のパターンを示すグラフである。
【符号の説明】
1…車両、2…駆動源としてのエンジン、7…スロット
ルバルブ、8…直流モータ(7,8は制御量変更手段を
構成している)、10…出力操作手段としてのアクセル
ペダル、11…操作量検出手段としてのアクセルセン
サ、12…速度検出手段としての車速センサ、21…駆
動制御手段を構成するスロットルコンピュータ、22…
加速要求推定モデル記憶手段、加速要求推定手段、制御
量感度演算手段を構成するニューロコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 340 F02D 45/00 340H 370 370B 372 372F G05B 13/02 G05B 13/02 L 13/04 13/04 (72)発明者 ▲吉▼田 浩之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社 豊田中央研究所 内 (56)参考文献 特開 平4−314940(JP,A) 特開 平6−235336(JP,A) 特開 平4−71933(JP,A) 特開 平4−96636(JP,A) 特開 平3−156601(JP,A) 特開 平5−92731(JP,A) 特開 平3−117652(JP,A) 特開 平2−199256(JP,A) 特開 平1−255746(JP,A) 特開 平1−294925(JP,A) 特開 平1−219337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 301 F02D 9/02 351 F02D 11/10 F02D 41/04 310 F02D 45/00 340 F02D 45/00 370 F02D 45/00 372

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された駆動源の制御量を変更
    するための制御量変更手段と、 前記駆動源の出力を任意に制御するために運転者により
    操作される出力操作手段と、 前記出力操作手段の操作量を検出するための操作量検出
    手段とを備え、前記操作量検出手段の検出結果に応じて
    前記制御量変更手段を駆動させることにより前記駆動源
    の出力を制御して前記車両の駆動力を制御するようにし
    た車両の駆動力制御装置において、 前記車両の速度を検出するための速度検出手段と、 予め前記車両の出庫前段階において、前記速度検出手段
    の検出により得られる速度と、前記操作量検出手段の検
    出により得られる前記出力操作手段の操作量の所定時間
    での時系列データとに基づいて学習された前記運転者の
    加速に関する要求を推定する加速要求推定モデルを記憶
    する加速要求推定モデル記憶手段と、 前記速度検出手段の検出により得られる速度と、前記操
    作量検出手段の検出により得られる前記出力操作手段の
    操作量の所定時間での時系列データとを入力データとし
    て、前記加速要求推定モデル記憶手段に基づいて前記運
    転者の加速要求を推定するための加速要求推定手段と、 前記加速要求推定手段の推定結果に基づいて、制御量感
    度を演算する制御量感度演算手段と、 前記制御量感度演算手段により演算される制御量感度を
    参照データとして、その参照データに基づき前記操作量
    検出手段により検出される操作量に応じて前記制御量変
    更手段の駆動を制御する駆動制御手段と、を備えたこと
    を特徴とする車両の駆動力制御装置。
JP5037783A 1993-02-26 1993-02-26 車両の駆動力制御装置 Expired - Fee Related JP2980274B2 (ja)

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