JP2978352B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP2978352B2
JP2978352B2 JP5037784A JP3778493A JP2978352B2 JP 2978352 B2 JP2978352 B2 JP 2978352B2 JP 5037784 A JP5037784 A JP 5037784A JP 3778493 A JP3778493 A JP 3778493A JP 2978352 B2 JP2978352 B2 JP 2978352B2
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満寿治 大嶋
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Toyota Motor Corp
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D11/00Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated
    • F02D11/06Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance
    • F02D11/10Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type
    • F02D2011/101Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type characterised by the means for actuating the throttles
    • F02D2011/102Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type characterised by the means for actuating the throttles at least one throttle being moved only by an electric actuator

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の加速度が運転
者の要求する加速度となるように駆動力を制御する車両
の駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両に対しては、様々な環境条
件の下での走行が要求されると共に、個々の運転者によ
る種々の運転操作がなされる。そして、車両の挙動につ
いては、運転者の意図する応答性と円滑性が要求され
る。従来より、車両の駆動力に関わる挙動については、
例えば内燃機関を搭載した車両において、運転者による
アクセルペダルの踏込量に応じて制御が行われることが
知られている。
【0003】例えば、特開平1−294925号公報に
開示された技術では、運転者によるアクセルペダルの踏
込量(アクセル開度)とそのときの車速から、運転者の
意図する目標加速度が推定される。そして、その推定さ
れた目標加速度と実際の加速度との偏差が求められ、そ
の求められた偏差の大きさに基づいてスロットルバルブ
の開度が補正されることにより、実際の加速度が目標加
速度と一致するように制御される。
【0004】しかしながら、上記の従来技術では、推定
されるべき目標加速度がアクセル開度と車速との関係か
ら、予めマップにより一律に定められているだけであ
る。従って、そのマップにおける目標加速度の設定が運
転者の特性に合ったものとは限らず、車両の駆動力を個
々の運転者の特性に合致させて好適に制御することは困
難であった。しかも、運転者が同一の場合でも、目標加
速度を推定するためのマップが常に同一なものであるこ
とから、運転者の意識状態や運転環境等が変わった場合
には、運転者の満足する目標加速度が得られなくなり、
車両の運転性能が悪化する傾向があった。
【0005】そこで、上記の不具合に対処すると共に、
制御装置におけるメモリの効率的利用や、目標加速度の
算出遅れ防止等を狙った技術が、本願出願人により特願
平3−80103号に提案されている。この提案技術で
は、内燃機関を搭載した車両において、リンクレスタイ
プのスロットルバルブの開度が、運転者によるアクセル
ペダルの踏込量(アクセルストローク)に応じて制御さ
れる。ここで、アクセルストロークに対応した目標加速
度を決定するためのデータがマップとして予めバックア
ップRAMに記憶されている。そして、実際の加速度が
マップより決定される目標加速度となるように、スロッ
トルバルブの開度が制御され、もって車両の駆動力が制
御されるようになっている。又、この提案技術では、ア
クセルストロークの変化と実際の加速度が運転者の加速
度要求度合いの変化として検知される。そして、その検
知された加速度要求度合いと、上記のマップより決定さ
れる目標加速度との偏差が最小となるように、マップの
データが修正されてバックアップRAMに記憶し直され
る。数学的には、目標加速度に関する補正(修正)が上
記の偏差に応じてなされることにより、マップの書き替
えが行われている。つまり、アクセルストロークに対応
する目標加速度のデータが学習されるのである。
【0006】従って、上記のように目標加速度のデータ
が、運転者の加速度要求度合いに合致するように学習さ
れることから、常に運転者の特性に合った目標加速度が
決定される。その結果、運転者の意識状態や運転環境に
関係なく常に運転者の特性に合った駆動力が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記後者の
提案技術では、目標加速度のデータの学習としては、単
にデータが補正(修正)されてマップの書き替えが行わ
れるだけであった。そして、マップの書き替えについて
は、その時々でアクセルストロークのある点、或いはあ
る範囲についてのみ、目標加速度のデータが学習される
だけであった。例えば、定常走行の運転領域では、それ
に対応したアクセルストロークの範囲についてのみ目標
加速度のデータが学習されるだけであった。或いは、急
加速走行の運転領域では、それに対応したアクセルスト
ロークの範囲についてのみ目標加速度のデータが学習さ
れるだけであった。従って、特定の運転領域についての
み目標加速度が補正(修正)されるだけとなり、書き替
えられたマップに領域的な偏りが生じることになる。つ
まり、アクセルストロークの特定範囲に関して目標加速
度に関する補正(修正)が行われても、その補正(修
正)がアクセルストロークの他の範囲に反映されること
がない。その結果、書き替えられたマップで、アクセル
ストロークに対する目標加速度の関係が部分的に不連続
となり、車両の駆動力の制御がアクセルストロークの変
化に対して部分的に不連続なものとなるおそれがあっ
た。
【0008】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、運転者の意識状態や運転環
境にかかわりなく常に運転者の特性に合った駆動力の制
御を行うことが可能で、しかもその駆動力の制御を運転
者によるアクセルペダル等の操作量の全範囲に渡って連
続的なものとすることの可能な車両の駆動力制御装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、図1に示すように、車両M
1に搭載された駆動源M2の制御量を変更するための制
御量変更手段M3と、駆動源M2の出力を任意に制御す
るために運転者により操作される出力操作手段M4と、
その出力操作手段M4の操作量を検出するための操作量
検出手段M5とを備え、操作量検出手段M5の検出結果
に応じて制御量変更手段M3を駆動させることにより駆
動源M2の出力を制御して車両M1の駆動力を制御する
ようにした車両の駆動力制御装置において、車両M1の
加速度を検出するための加速度検出手段M6と、車両M
1の速度を検出するための速度検出手段M7と、出力操
作手段M4の操作量及び車両M1の速度に対する車両M
1の加速度の関係について予め学習された基準の加速度
モデルを記憶する基準加速度モデル記憶手段M8と、加
速度検出手段M6の検出により得られる加速度を比較す
べき教師データとして、その教師データと当該手段M9
の出力との偏差を誤差信号とし、その誤差分が小さくな
るように、出力操作手段M4の操作量及び速度検出手段
M7の検出により得られる速度に対する車両M1の加速
度の関係を、運転者の要求する加速度モデルとして学習
するための要求加速度モデル学習手段M9と、その要求
加速度モデル学習手段M9により学習される加速度モデ
ルの出力と基準加速度モデル記憶手段M8に記憶されて
いる基準の加速度モデルとの偏差を演算し、その偏差に
基づき出力操作手段M4の操作量及び速度検出手段M7
の検出により得られる速度に対する駆動源M2の制御量
の関係を制御量感度として演算するための制御量感度演
算手段M10と、その制御量感度演算手段M10により
演算される制御量感度に基づき、操作量検出手段M5に
より検出される操作量に応じて制御量変更手段M3の駆
動を制御する駆動制御手段M11とを備えたことを趣旨
としている。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、基準
加速度モデル記憶手段M8には、出力操作手段M4の操
作量及び車両M1の速度に対する車両M1の加速度の関
係について予め学習された基準の加速度モデルが記憶さ
れている。又、加速度検出手段M6の検出により得られ
る加速度は、要求加速度モデル学習手段M9において、
比較すべき教師データとして用いられる。つまり、車両
M1の実際の加速度が、運転者の要求する加速度として
比較に用いられる。そして、要求加速度モデル学習手段
M9では、その教師データと当該手段M9の出力との偏
差が小さくなるように、即ち、運転者の要求する加速度
と要求加速度モデルの出力との偏差が小さくなるよう
に、出力操作手段M4の操作量及び速度検出手段M7の
検出により得られる速度に対する車両M1の加速度の関
係が、運転者の要求する加速度モデルとして学習され
る。更に、制御量感度演算手段M10では、要求加速度
モデル学習手段M9により学習される加速度モデルの出
力と、基準加速度モデル記憶手段M8に記憶されている
基準の加速度モデルとの偏差が演算される。又、制御量
感度演算手段M10では、その偏差に基づき出力操作手
段M4の操作量及び速度検出手段M7の検出により得ら
れる速度に対する駆動源M2の制御量の関係が制御量感
度として演算される。そして、駆動制御手段M11で
は、上記のように演算される制御量感度に基づき、運転
者の操作による出力操作手段M4の操作量に応じて制御
量変更手段M3の駆動が制御される。これにより、駆動
源M2の出力が制御され、もって車両M1の駆動力が制
御される。
【0011】従って、この発明によれば、常に運転者の
要求に応じた加速度モデルが推定され、その加速度モデ
ルの出力と基準の加速度モデルとの偏差に応じて制御量
感度が求められる。そして、その制御量感度に基づき、
常に運転者の要求に合った加速度をもって、駆動源M2
の制御量が制御される。又、車両M1の加速度は、制御
量感度の変化に応じて、延いては学習された加速度モデ
ルの出力と基準の加速度モデルとの偏差の変化に応じて
変動することになる。よって、学習された加速度モデル
の出力と基準の加速度モデルとの偏差の変化が小さい場
合には、制御量感度の変化も小さくなり、車両M1の加
速度の変化も小さくなる。一方、学習された加速度モデ
ルの出力と基準の加速度モデルとの偏差の変化が大きい
場合には、制御量感度の変化も大きくなり、車両M1の
加速度の変化も大きくなる。
【0012】更に、この発明によれば、出力操作手段M
4の操作量及び車両M1の速度に対する車両M1の加速
度の関係の全体が連続的なモデルとして学習され、出力
操作手段M4の操作量及び車両M1の速度に対する駆動
源M2の制御量の関係の全体が連続的なモデルとして学
習される。そのため、車両M1の速度の全範囲につい
て、出力操作手段M4の操作量の全範囲に対する加速度
及び制御量の関係が部分的に不連続となることはない。
【0013】
【実施例】以下、この発明における車両の駆動力制御装
置を具体化した一実施例を図2〜図10に基づいて詳細
に説明する。
【0014】図2はこの実施例における車両の駆動力制
御装置を概略的に示す構成図である。車両1には駆動源
としてのガソリンエンジン(以下単に「エンジン」とい
う。)2が搭載されている。エンジン2は複数気筒の直
列型となっている。エンジン2の吸気通路3には外気が
取り込まれ、図示しないインジェクタから噴射される燃
料が供給される。そして、エンジン2の図示しない各燃
焼室には、吸気通路3を通じて外気と燃料との混合気が
取り込まれる。更に、各燃焼室に取り込まれた混合気
が、図示しない各点火プラグの作動により爆発・燃焼さ
れることにより、図示しないピストン及びクランクシャ
フト等が作動してエンジン2の出力が得られる。又、エ
ンジン2の各燃焼室で燃焼された後の既燃焼ガスは、排
気通路4を通じて外部へと排出される。
【0015】この実施例で、車両1はフロントエンジン
・リヤドライブ方式(FR方式)のものであり、エンジ
ン2のクランクシャフトは、図示しないトランスミッシ
ョン、プロペラシャフト、ディファレンシャルギヤ及び
ドライブシャフト等を介して、駆動輪である左右一対の
後輪5に駆動連結されている。又、従動輪である左右一
対の前輪6は、運転席に設けられた図示しないステアリ
ングホイールの操作に連動する操舵輪となっている。
【0016】この実施例において、吸気通路3の途中に
は、制御量変更手段を構成するリンクレスタイプのスロ
ットルバルブ7が設けられている。即ち、スロットルバ
ルブ7は、その近傍に設けられた直流モータ8に連結さ
れている。そして、直流モータ8の作動により、エンジ
ン2の制御量としてのスロットルバルブ7の開度、即ち
スロットル開度Thが制御される。これにより、吸気通
路3を通じてエンジン2の各燃焼室へ取り込まれる空気
量が調整され、この空気量の調整により、エンジン2の
出力が制御される。
【0017】スロットルバルブ7の近傍には、スロット
ルセンサ9が設けられている。このスロットルセンサ9
では、スロットル開度Thが検出され、それに応じた信
号が出力される。又、車両1の運転席には、出力操作手
段としてのアクセルペダル10が設けられている。この
アクセルベダル10は、エンジン2の出力を任意に制御
するために、運転者DRにより操作されるものである。
又、アクセルペダル10の近傍には、操作量検出手段と
してのアクセルセンサ11が設けられている。このアク
セルセンサ11では、アクセルペダル10の操作量、即
ちアクセルストロークSが検出され、それに応じた信号
が出力される。更に、車両1のほぼ中央には、加速度検
出手段を構成する周知の加速度センサ12が設けられて
いる。この加速度センサ12では、車両1の前後方向の
加速度Gが検出され、それに応じた信号が出力される。
加えて、前輪6には速度検出手段を構成する周知の車速
センサ13が設けられている。この車速センサ13で
は、前輪6の回転数に応じて車両1の速度、即ち車速V
が検出され、それに応じた信号が出力される。
【0018】そして、この実施例では、スロットルバル
ブ7を運転者DRの要求に応じて好適に開閉制御するた
めに、スロットルコンピュータ21及びニューロコンピ
ュータ22が設けられている。スロットルコンピュータ
21は駆動制御手段を構成しており、スロットルコンピ
ュータ21には、直流モータ8及びスロットルセンサ9
がそれぞれ電気的に接続されている。又、ニューロコン
ピュータ22は基準加速度モデル記憶手段、要求加速度
モデル学習手段及び制御量感度演算手段を構成してお
り、ニューラルネットワークの技術を適用して構成され
ている。このニューロコンピュータ22には、アクセル
センサ11、加速度センサ12及び車速センサ13がそ
れぞれ電気的に接続されている。又、ニューロコンピュ
ータ22とスロットルコンピュータ21とは互いに電気
的に接続されている。
【0019】図3はスロットルコンピュータ21及びニ
ューロコンピュータ22の電気的構成を示すブロック図
である。ニューロコンピュータ22は、中央処理装置
(CPU)23、所定の学習制御プログラム等を予め記
憶した読み出し専用メモリ(ROM)24、CPU23
の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)25、予め記憶されたデータを保存するバッ
クアップRAM26等を備えている。そして、ニューロ
コンピュータ22は、それら各部23〜26と外部入出
力回路27等がバス28によって接続された論理演算回
路として構成されている。外部入出力回路27には、前
述したアクセルセンサ11及び車速センサ13がそれぞ
れ接続されている。又、外部入出力回路27には、ロー
パスフィルタ29を介して加速度センサ12が接続され
ている。このローパスフィルタ29は、加速度センサ1
2の検出信号のうち、基準となる所定の遮断周波数より
低い周波数の信号は自由に通し、高い周波数には大きな
減衰を与えるようになっている。併せて、外部入出力回
路27には、前記したスロットルコンピュータ21が接
続されている。又、ROM24には、ニューラルネット
ワーク技術を利用した学習制御プログラム等が予め記憶
されている。
【0020】そして、CPU23は、外部入出力回路2
7等を介して入力される各センサ11〜13からの各種
信号を入力値として読み込む。CPU23は、それら入
力値に基づき、ROM24に記憶されている学習制御プ
ログラムに従い、運転者DRの要求する「要求加速度モ
デル」の学習制御を実行する。又、CPU23は、その
学習結果と、予め学習されている基準となる「基準加速
度モデル」との偏差から制御量感度としてのスロットル
感度を演算する。そして、CPU23はその学習結果等
を外部入出力回路27を介してスロットルコンピュータ
21へ出力する。
【0021】一方、スロットルコンピュータ21はニュ
ーロコンピュータ22と基本的に同じ構成をなしてお
り、CPU30、ROM31、RAM32、バックアッ
プRAM33、外部入出力回路34及びバス35等によ
って構成されている。外部入出力回路34には、前述し
た直流モータ8、スロットルセンサ9及びニューロコン
ピュータ22がそれぞれ接続されている。又、ROM3
1には、ニューロコンピュータ22の学習結果等に基づ
いてスロットルバルブ7の開閉を制御するためのスロッ
トル開度制御プログラムが予め記憶されている。
【0022】そして、CPU30は、ニューロコンピュ
ータ22から外部入出力回路34を介して入力される学
習結果等のデータを入力値として読み込む。又、CPU
30は、スロットルセンサ9からの信号を入力値として
読み込む。又、CPU30は、それら入力値に基づき、
ROM31に記憶されているスロットル開度制御プログ
ラムに従い直流モータ8を好適に制御する。
【0023】ここで、ニューロコンピュータ22に適用
されているニューラルネットワーク技術の概念的な構成
を図4(a),(b)に従って説明する。この実施例に
おけるニューラルネットワークは、図4(a),(b)
に示すように、二つの多層型ニューラルネットワークを
備えている。各多層型ニューラルネットワークは、基本
的には同じ構成をなしており、2個のニューロンn1よ
りなる「入力層」と、2〜10個のニューロンn2より
なる「中間層」と、1個のニューロンn3よりなる「出
力層」とを備えている。又、各層の間で各ニューロンn
1,n2,n3がシナプスspにより結合されている。
各多層型ニューラルネットワークにおいて、信号は「入
力層」から「中間層」、「中間層」から「出力層」へ向
かって一方向へ流れる。各層のニューロンn1,n2,
n3では、前の層から受け取った信号に基づいて状態が
決定され、次の層へと信号が伝えられる。そして、各多
層型ニューラルネットワークの出力結果は、「出力層」
のニューロンn3の状態値として得られる。
【0024】ここで、図4(a)に示す多層型ニューラ
ルネットワークは、その時々に学習更新されるものであ
り、その「入力層」の各ニューロンn1に、アクセルセ
ンサ11により検出されるアクセルストロークS、車速
センサ13により検出される車速Vがそれぞれ入力され
る。又、「出力層」のニューロンn3から得られる出
力、即ち要求加速度モデル出力Gxは、加速度センサ1
2の検出により得られる車両1の加速度Gを「教師デー
タ」として、その「教師データ」と比較される。そし
て、その比較による加速度偏差ΔG(=G−Gx)を
「誤差信号」とし、その誤差分が小さくなる方向へ全て
のニューロンn1,n2,n3のシナプスspの「重み
係数」が修正される。つまり、車両1の加速度Gを運転
者DRの要求する加速度とし、その加速度Gを比較すべ
き「教師データ」としている。そして、その「教師デー
タ」との偏差が小さくなるように、アクセルストローク
S及び車速Vに対する加速度Gの関係が、運転者DRの
要求する「要求加速度モデル」として学習される。そし
て、この多層型ニューラルネットワークの出力結果は、
要求加速度モデル出力Gxとして得られる。即ち、「要
求加速度モデル」は図5に示すような特性として、要求
加速度モデル出力Gxが加速度Gに近づく方向に学習さ
れる。
【0025】一方、図4(b)に示す多層型ニューラル
ネットワークは、複数の運転者DRによる走行データか
ら、アクセルストロークS及び車速Vと加速度Gとの標
準的(或いは「平均的」)な関係が「基準加速度モデ
ル」として予め学習された修正不能のデータである。こ
の多層型ニューラルネットワークでは、「入力層」の各
ニューロンn1に、上記と同じくアクセルストローク
S、車速Vがそれぞれ入力される。そして、「出力層」
のニューロンn3からは、出力結果として、アクセルス
トロークS、車速Vに応じた基準加速度モデル出力Gs
が得られる。即ち、「基準加速度モデル」は図6に示す
ような特性として学習されている。
【0026】上記のようなニューラルネットワークの概
念的な構成は、あくまでも便宜的に説明されたものであ
り、ニューラルネットワークの実体は、ニューロコンピ
ュータ22のROM24に予め記憶されている学習制御
プログラムにある。そして、ニューラルネットワーク
は、その学習制御プログラムにおける数学的な演算の上
に成り立っており、学習方法としては一般に知られてい
る「誤差逆伝搬学習アルゴリズム」が適用されている。
この実施例では、最終的には図7に示すような、アクセ
ルストロークSに対するスロットル感度Thgの関係の
特性を求めるために、学習制御プログラムが作成されて
いる。
【0027】次に、ニューロコンピュータ22におい
て、上記のようなニューラルネットワーク技術を用いて
実行される「要求加速度モデル」等の学習のための処理
動作について説明する。図8はニューロコンピュータ2
2により実行される学習制御プログラムの「学習制御ル
ーチン」を示すフローチャートである。このルーチンの
処理は開始された後、一定の周期、例えば「0.1秒」
の時間間隔をもって周期的に実行される。
【0028】このルーチンの処理が開始されると、ステ
ップ101において、アクセルセンサ11、加速度セン
サ12及び車速センサ13からの各種信号に基づきアク
セルストロークS、加速度G及び車速Vをそれぞれ読み
込む。
【0029】続いて、ステップ102において、今回読
み込まれたアクセルストロークS及び車速Vより要求加
速度モデル出力Gxを決定する。即ち、アクセルストロ
ークSと車速Vとを入力値として、既に学習されている
「要求加速度モデル」の特性(図5を参照)から要求加
速度モデル出力Gxを求めるのである。
【0030】次に、ステップ103において、今回読み
込まれたアクセルストロークS及び車速Vより基準加速
度モデル出力Gsを決定する。即ち、アクセルストロー
クSと車速Vとを入力値として、予め学習済みの「基準
加速度モデル」の特性(図6を参照)から基準加速度モ
デル出力Gsを求めるのである。
【0031】又、ステップ104において、今回求めら
れた要求加速度モデル出力Gx及び基準加速度モデル出
力Gsよりスロットル感度Thgを決定する。即ち、以
下の計算式(1)に従ってスロットル感度Thgを決定
する。
【0032】 Thg=α+(Gx−Gs)*K …(1) ここで、「α」は基準値であり、この実施例では「α=
1.0」となっている。又、「K」は正の定数である。
【0033】例えば、図6に実線で示す「基準加速度モ
デル」の特性に対して、現在の「要求加速度モデル」の
特性が破線で示すようであったとする。このとき、ある
アクセルストロークSに対する要求加速度モデル出力G
xと基準加速度モデル出力Gsとの偏差(Gx−Gs)
が、スロットル感度Thgに反映されることになる。そ
して、要求加速度モデル出力Gxと基準加速度モデル出
力Gsとの偏差がプラス側に大きいほど、スロットル感
度Thgは大きくなる。即ち、そのときの運転者DRの
要求する加速度Gが複数運転者の要求する標準的な加速
度より大きいほど、スロットル感度Thgは大きくなる
のである。
【0034】そして、ステップ105において、今回決
定されたスロットル感度ThgとアクセルストロークS
とをスロットルコンピュータ21へ出力する。或いは、
スロットル感度ThgとアクセルストロークSとの積、
即ち目標スロットル開度Thg・Sを求め、その目標ス
ロットル開度Thg・Sをスロットルコンピュータ21
へ出力する。
【0035】その後、ステップ106において、車両1
の加速度Gを「教師データ」として、運転者DRの要求
する「要求加速度モデル」の学習を実行する。つまり、
加速度センサ12により検出される車両1の加速度Gを
比較すべき「教師データ」として、その「教師データ」
との偏差が小さくなるように、アクセルストロークS及
び車速Vに対する加速度Gの関係を、運転者DRの要求
する「要求加速度モデル」として学習するのである。
【0036】例えば、図5に実線で示す曲線が現在の
「要求加速度モデル」の特性であるとする。そして、運
転者DRが現在より速く走るためにアクセルペダル10
を操作して、車両1の加速度Gが現在の要求加速度モデ
ル出力Gxよりも大きくなったとする。このときの加速
度Gが新しい要求加速度であり、「要求加速度モデル」
は図5に実線で示す曲線が破線で示す曲線のような特性
へと更新される。即ち、アクセルストロークS及び車速
Vに対する要求加速度モデル出力Gxの関係の全体が連
続的なモデルとして学習される。そして、この特性は部
分的に不連続となることはない。
【0037】尚、図5には車速Vが「0」のときの特性
が示されているが、「要求加速度モデル」では、アクセ
ルストロークSの全範囲及び車速Vの全範囲と車両1の
加速度Gとの関係が学習されている。
【0038】そして、ステップ106の処理を実行した
後、その後の処理を一旦終了し、処理開始から「0.1
秒」を経過すると、処理は再びステップ101から開始
される。
【0039】このようにして、ニューラルネットワーク
の技術を用いた学習制御の処理が実行され、運転者DR
の要求する「要求加速度モデル」の特性が学習される。
ここでは、その時々に学習される「要求加速度モデル」
の特性としてのシナプスspの「重み係数」が、バック
アップRAM26に書き替えられて記憶される。
【0040】尚、車両1の工場出荷時における「要求加
速度モデル」の「重み係数」の初期値は、「基準加速度
モデル」のそれとなっている。次に、上記のような処理
動作によって決定されたスロットル感度Thgとそのと
きのアクセルストロークSとに基づき、スロットルコン
ピュータ21により実行されるスロットル開度制御の処
理動作について説明する。図9はスロットルコンピュー
タ21により実行されるスロットル開度制御プログラム
の「スロットル開度制御ルーチン」を示すフローチャー
トである。このルーチンの処理は開始された後、所定の
時間間隔をもって周期的に実行される。
【0041】このルーチンの処理が開始されると、先ず
ステップ201において、スロットルセンサ9からの信
号に基づきスロットル開度Thを読み込むと共に、ニュ
ーロコンピュータ22から出力される最新のスロットル
感度ThgとアクセルストロークS、或いは目標スロッ
トル開度Thg・Sを読み込む。ここで、スロットル感
度ThgとアクセルストロークSとの読み込みが前提で
ある場合には、同ステップ201において、両者Th
g,Sの積が目標スロットル開度Thg・Sとして求め
られる。
【0042】続いて、ステップ202において、現在の
スロットル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよ
りも小さいか否かを判断する。ここで、スロットル開度
Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも小さい場合
には、ステップ203において、スロットルバルブ7を
開方向へ駆動させるように直流モータ8を正転させる。
又、ステップ204において、スロットルセンサ9から
の信号に基づきスロットル開度Thを読み込む。
【0043】その後、ステップ205において、スロッ
トル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも小
さいか否かを判断する。ここで、スロットル開度Thが
目標スロットル開度Thg・Sよりも小さい場合には、
ステップ203へジャンプし、スロットルバルブ7を更
に開方向へ駆動させるために、ステップ203,20
4,205の処理を繰り返す。これに対し、スロットル
開度Thが目標スロットル開度Thg・Sと等しいかそ
れよりも大きい場合には、スロットルバルブ7をそれ以
上開方向へ駆動させないものとして、その後の処理を一
旦終了する。
【0044】一方、ステップ202において、現在のス
ロットル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sより
も小さくない場合には、ステップ206へ移行して、ス
ロットル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sより
も大きいか否かを判断する。ここで、スロットル開度T
hが目標スロットル開度Thg・Sよりも大きくない場
合、即ち「Th≦Thg・S」の場合には、そのままそ
の後の処理を一旦終了する。
【0045】又、ステップ206において、スロットル
開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも大きい
場合には、ステップ207において、スロットルバルブ
7を閉方向へ駆動させるように直流モータ8を逆転させ
る。又、ステップ208において、スロットルセンサ9
からの信号に基づきスロットル開度Thを読み込む。
【0046】その後、ステップ209において、スロッ
トル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも大
きいか否かを判断する。ここで、スロットル開度Thが
目標スロットル開度Thg・Sよりも大きい場合には、
ステップ207へジャンプし、スロットルバルブ7を更
に閉方向へ駆動させるために、ステップ207,20
8,209の処理を繰り返す。これに対し、スロットル
開度Thがスロットル感度Thgと等しいかそれよりも
小さい場合には、スロットルバルブ7をそれ以上閉方向
へ駆動させないものとして、その後の処理を一旦終了す
る。
【0047】このように、スロットル開度Thが目標ス
ロットル開度Thg・Sに一致するように直流モータ8
の回転が制御され、それによって、スロットルバルブ7
が開閉制御される。これにより、エンジン2の出力が制
御され、その結果として車両1の駆動力が制御される。
【0048】以上説明したように、この実施例では、車
両1の走りに対する運転者DRの要求が、その時々の加
速度Gから「要求加速度モデル」として推定される。
又、その「要求加速度モデル」から得られる要求加速度
モデル出力Gxと「基準加速度モデル」から得られる標
準的な基準加速度モデル出力Gsとの偏差(Gx−G
s)に応じて、スロットル感度Thgが決定されてい
る。そして、その決定されたスロットル感度Thgとア
クセルストロークSとの積から求められる目標スロット
ル開度Thg・Sと、スロットル開度Thとが一致する
ように、スロットルバルブ7が開閉制御される。しか
も、常に運転者DRの要求に応じた「要求加速度モデ
ル」が得られ、その「要求加速度モデル」のレベルに対
応して、スロットル感度Thgが得られる。そして、そ
のスロットル感度Thgに応じて、常に運転者DRの要
求に合った加速度Gをもって、エンジン2のスロットル
開度Thが制御される。
【0049】従って、車両1に対する運転者DRの要求
加速度が大きいときには、スロットル感度Thgが大き
くなる。そのため、同一の加速度Gを得るためのアクセ
ルストロークSの変化範囲が狭くなり、アクセルペダル
10の少ない操作によって大きな加速度Gを得ることが
できるようになり、車両1の加速性能が向上したように
運転者DRに感じさせることができる。例えば、運転者
DRの意識が急いだ状態であったり、車両1の運転環境
が渋滞のない高速道路であったりして、車両1を速く走
行させたいときには、アクセルペダル10の少ない操作
によって大きな加速度Gを得ることができ、加速感を向
上させることができる。
【0050】一方、車両1に対する運転者DRの要求加
速度が小さいときには、スロットル感度Thgが小さく
なる。そのため、同一の加速度Gを得るためのアクセル
ストロークSの変化範囲が広くなり、アクセルペダル1
0の多い操作によって加速度Gを微妙に変化させること
ができるようになり、運転者DRにとってアクセルペダ
ル10の操作性能を向上させることができる。例えば、
運転者DRの意識がのんびりした状態であったり、車両
1の運転環境が渋滞路や雪道等であったりして、車両1
をゆっくりと走行させたいときには、アクセルペダル1
0の多い操作によって加速度Gを微妙に変えることがで
き、車両1の操作感を向上させることができる。
【0051】つまり、この実施例では、運転者DRの加
速度に対する要求度合いに合致するように学習が行われ
ることから、常に運転者DRの特性に合ったスロットル
感度Thgが決定される。その結果、運転者DRの意識
状態(急いでいる、のんびりしている等)や運転環境
(路面状態、昼間・夜間、トンネル内、雨中路、雪道、
山間路、渋滞路等)にかかわりなく、車両1について、
常に運転者DRの特性に合った駆動力の制御を行うこと
ができるのである。
【0052】又、この実施例において、車両1の加速度
Gは、スロットル感度Thgの変化に応じて、即ち学習
により推定された要求加速度モデル出力Gxと予め設定
された基準加速度モデル出力Gsとの偏差(Gx−G
s)の変化に応じて、変化することになる。つまり、こ
の実施例で、あるアクセルストロークSに対する車両1
の加速度Gが大きく変化するのは、車両1の過去の走り
方と、車両1の現在の走り方との比較によってではな
く、車両1の基準となる標準的な走り方と、車両1の現
在の走り方との比較による。そのため、上記の偏差(G
x−Gs)の変化が小さい場合には、スロットル感度T
hgの変化も小さくなり、車両1の実際の加速度Gの変
化も小さくなる。一方、上記の偏差(Gx−Gs)の変
化が大きい場合には、スロットル感度Thgの変化も大
きくなり、車両1の実際の加速度Gの変化も大きくな
る。従って、「基準加速度モデル」の特性から離れて、
常に車両1を速く走らせようとする運転者DR、或い
は、常に車両1をゆっくりと走らせようとする運転者D
Rにとっては、スロットル感度Thgが大きく変化する
ことが少なく、車両1の加速度Gが大きく変化すること
も少ない。又、「基準加速度モデル」の特性に近く、常
に車両1を標準的に走らせる運転者DRにとっても、ス
ロットル感度Thgが大きく変化することは少なく、車
両1の加速度Gが大きく変化することも少ない。
【0053】更に、この実施例では、ニューロコンピュ
ータ22における学習制御に、ニューラルネットワーク
技術を用いたことから、アクセルストロークS及び車速
Vに対する要求加速度モデル出力Gxの関係の全体が連
続的なモデルとして学習され、その特性が部分的に不連
続となることはない。これは、ニューラルネットワーク
の技術を用いたことにより、アクセルストロークS及び
車速Vの不連続点の間で学習される「要求加速度モデ
ル」が補間されるためである。つまり、アクセルストロ
ークS及び車速Vのある特定な範囲について行われる要
求加速度モデル出力Gxの修正が、アクセルストローク
S及び車速Vの他の範囲に対応する要求加速度モデル出
力Gxの修正にも反映されるのである。
【0054】その結果、車速Vの全範囲について、車両
1の駆動力の制御が運転者DRによるアクセルペダル1
0の操作量、即ちアクセルストロークSの全操作範囲に
渡って連続的なものとすることができる。よって、運転
者DRによりアクセルペダル10が連続的に踏み込まれ
たときには、車両1の加速度Gが唐突に変化するような
ことがなく、車速Vの上昇を常に滑らかなものにするこ
とができる。
【0055】又、この実施例では、実際の加速度Gから
推定される要求加速度モデル出力Gxと基準加速度モデ
ル出力Gsとの偏差から、スロットル感度Thgを決定
するようにしている。そのため、従来技術のような補正
(修正)によってマップの書き替えを行う場合と較べ
て、マップの補間演算が不必要となり、演算時間を更に
短くすることができる。
【0056】加えて、この実施例では、ニューロコンピ
ュータ22において、加速度センサ12がローパスフィ
ルタ29を介して外部入出力回路27に接続されてい
る。そのため、車両1が凸凹路を走行しているときのハ
ーシュネスに起因して、加速度センサ12での検出信号
にノイズが発生した場合には、そのノイズに相関する高
周波成分がローパスフィルタ29で減衰される。即ち、
加速度センサ12からの加速度Gの信号に、図10
(a)に示すようにハーシュネスに起因する大きなノイ
ズが含まれていた場合でも、その信号がローパスフィル
タ29を通過することにより、図10(b)に示すよう
なノイズの少ない加速度Gの信号に調整されることにな
る。
【0057】その結果、ニューロコンピュータ22で
は、学習のために用いられる加速度Gの信号を、ハーシ
ュネスに起因したノイズが除去されたものとすることが
できる。よって、「要求加速度モデル」についての誤学
習を未然に防止することができ、延いてはスロットル感
度Thgが誤った方向へ調整されることを未然に防止す
ることができる。
【0058】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、ガソリンエンジン2を駆動源と
し、リンクレスタイプのスロットルバルブ7をその制御
量変更手段としたが、それ以外の駆動源及び制御量変更
手段に具体化することもできる。例えば、電気自動車に
おいて直流モータ等の電動機を駆動源とし、電動機への
電流を制御する電流制御回路等を制御量変更手段とする
こともできる。
【0059】(2)前記実施例では、運転者DRにより
操作される出力操作手段としてアクセルペダル10を用
いたが、出力操作手段としてアクセルレバーやそれ以外
の操作部材を用いることもできる。
【0060】(3)前記実施例では、アクセルセンサ1
1を操作量検出手段としてアクセルストロークSを検出
するようにしたが、次のようにすることもできる。即
ち、アクセルストロークSの代わりにアクセル踏力を検
出するセンサを用いたり、アクセルストロークSを検出
するアクセルセンサとアクセル踏力を検出するセンサと
を併用したりすること。
【0061】(4)前記実施例では、加速度検出手段と
して加速度センサ12を用いたが、車速センサ13を加
速度検出手段として、車速センサ13により検出される
車速Vを時間微分することにより加速度Gを得るように
してもよい。 (5)前記実施例では、ニューロコンピュータ22にお
けるニューラルネットワーク技術として、多層型ニュー
ラルネットワークを採用したが、相互結合型ニューラル
ネットワークを採用することもできる。
【0062】(6)前記実施例では、計算式(1)に従
ってスロットル感度Thgを求めたが、次のような計算
式(2)に従ってスロットル感度Thgを求めることも
できる。
【0063】 Thg=α+{(Gx/Gs)−1.0}*K …(2) (7)前記実施例では、予め学習された「基準加速度モ
デル」を多層型ニューラルネットワークの形でニューロ
コンピュータ22のROM24に記憶するようにした
が、予め学習された「基準加速度モデル」をマップの形
でニューロコンピュータ22のROM24に記憶するよ
うにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、車両の加速度を比較すべき教師データとして用い、
出力操作手段の操作量に対する車両の加速度の関係を、
運転者の要求する加速度モデルとして学習している。
又、その学習された加速度モデルの出力と予め学習され
た基準の加速度モデルとの偏差を用い、出力操作手段の
操作量及び車両の速度に対する駆動源の制御量の関係を
制御量感度として演算している。そして、その演算され
た制御量感度に基づき、出力操作手段の操作量に応じて
駆動源の制御量を制御するようにしている。
【0065】従って、運転者の要求に応じた加速度モデ
ルが得られ、その加速度モデルの出力と基準の加速度モ
デルとの偏差に応じた制御量感度が得られ、常に運転者
の要求に合った加速度をもって駆動源の制御量が制御さ
れる。又、操作量に対する加速度の関係や、操作量に対
する制御量の関係の全体が連続的なモデルとして学習さ
れ、出力操作手段の全操作範囲に対する加速度及び制御
量の関係の全体が不連続となることはない。
【0066】その結果、運転者の意識状態や運転環境に
かかわりなく常に運転者の特性に合った駆動力の制御を
行うことができる。しかも、その駆動力の制御を運転者
によるアクセルペダル等の操作量の全範囲に渡って連続
的なものとすることができるという優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を示す概念構成図
である。
【図2】この発明を具体化した一実施例における車両の
駆動力制御装置の概略的な構成を示す概略構成図であ
る。
【図3】一実施例において、スロットルコンピュータ及
びニューロコンピュータの電気的構成を示すブロック図
である。
【図4】一実施例において、ニューロコンピュータに適
用されている多層型ニューラルネットワークの概念的な
構成を示す構成図である。
【図5】一実施例において、「要求加速度モデル」の特
性を示す特性図である。
【図6】一実施例において、「基準加速度モデル」の特
性を示す特性図である。
【図7】一実施例において、「スロットル感度」の特性
を示す特性図である。
【図8】一実施例において、ニューロコンピュータによ
り実行される「学習制御ルーチン」を示すフローチャー
トである。
【図9】一実施例において、スロットルコンピュータに
より実行される「スロットル開度制御ルーチン」を示す
フローチャートである。
【図10】一実施例において、ローパスフィルタの作用
に関する加速度信号の変化を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1…車両、2…駆動源としてのエンジン、7…スロット
ルバルブ、8…直流モータ(7,8は制御量変更手段を
構成している)、10…出力操作手段としてのアクセル
ペダル、11…操作量検出手段としてのアクセルセン
サ、12…加速度検出手段としての加速度センサ、13
…速度検出手段としての車速センサ、21…駆動制御手
段を構成するスロットルコンピュータ、22…基準加速
度モデル記憶手段、要求加速度モデル学習手段及び制御
量感度演算手段を構成するニューロコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 340 F02D 45/00 340H 370 370B G05B 13/02 G05B 13/02 L 13/04 13/04 (72)発明者 ▲吉▼田 浩之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社 豊田中央研究所 内 (56)参考文献 特開 平4−314940(JP,A) 特開 平4−71933(JP,A) 特開 平3−96636(JP,A) 特開 平3−156601(JP,A) 特開 平5−92731(JP,A) 特開 平3−117652(JP,A) 特開 平2−199256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 301 F02D 9/02 351 F02D 11/10 F02D 41/04 310 F02D 45/00 340 F02D 45/00 370

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された駆動源の制御量を変更
    するための制御量変更手段と、 前記駆動源の出力を任意に制御するために運転者により
    操作される出力操作手段と、 前記出力操作手段の操作量を検出するための操作量検出
    手段とを備え、前記操作量検出手段の検出結果に応じて
    前記制御量変更手段を駆動させることにより前記駆動源
    の出力を制御して前記車両の駆動力を制御するようにし
    た車両の駆動力制御装置において、 前記車両の加速度を検出するための加速度検出手段と、 前記車両の速度を検出するための速度検出手段と、 前記出力操作手段の操作量及び前記車両の速度に対する
    前記車両の加速度の関係について予め学習された基準の
    加速度モデルを記憶するための基準加速度モデル記憶手
    段と、 前記加速度検出手段の検出により得られる加速度を比較
    すべき教師データとして、その教師データと当該手段の
    出力との偏差を誤差信号とし、その誤差分が小さくなる
    ように、前記出力操作手段の操作量及び前記速度検出手
    段の検出により得られる速度に対する前記車両の加速度
    の関係を、前記運転者の要求する加速度モデルとして学
    習するための要求加速度モデル学習手段と、 前記要求加速度モデル学習手段により学習される加速度
    モデルの出力と前記基準加速度モデル記憶手段に記憶さ
    れている基準の加速度モデルとの偏差を演算し、その偏
    差に基づき前記出力操作手段の操作量及び前記速度検出
    手段の検出により得られる速度に対する前記駆動源の制
    御量の関係を制御量感度として演算するための制御量感
    度演算手段と、 前記制御量感度演算手段により演算される制御量感度に
    基づき、前記操作量検出手段により検出される操作量に
    応じて前記制御量変更手段の駆動を制御する駆動制御手
    段とを備えたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
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