JP2966242B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP2966242B2 JP5190562A JP19056293A JP2966242B2 JP 2966242 B2 JP2966242 B2 JP 2966242B2 JP 5190562 A JP5190562 A JP 5190562A JP 19056293 A JP19056293 A JP 19056293A JP 2966242 B2 JP2966242 B2 JP 2966242B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の加速度が運転
者の要求する加速度となるように駆動力を制御する車両
の駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両に対しては、様々な環境条
件の下での走行が要求されると共に、個々の運転者によ
る種々の運転操作がなされる。そして、車両の挙動につ
いては、運転者の意図する応答性と円滑性が要求され
る。従来より、車両の駆動力に関わる挙動については、
例えば内燃機関を搭載した車両において、運転者による
アクセルペダルの踏込量に応じて制御が行われることが
知られている。
【0003】例えば、特開平1−294925号公報に
開示された技術では、運転者によるアクセルペダルの踏
込量(アクセル開度)とそのときの車速から、運転者の
意図する目標加速度が推定される。そして、その推定さ
れた目標加速度と実際の加速度との偏差が求められ、そ
の求められた偏差の大きさに基づいてスロットルバルブ
の開度が補正されることにより、実際の加速度が目標加
速度と一致するように制御される。
【0004】しかしながら、上記の従来技術では、推定
されるべき目標加速度がアクセル開度と車速との関係か
ら、予めマップにより一律に定められているだけであ
る。従って、そのマップにおける目標加速度の設定が運
転者の特性に合ったものとは限らず、車両の駆動力を個
々の運転者の特性に合致させて好適に制御することは困
難であった。しかも、運転者が同一の場合でも、目標加
速度を推定するためのマップが常に同一なものであるこ
とから、運転者の意識状態や運転環境等が変わった場合
には、運転者の満足する目標加速度が得られなくなり、
車両の運転性能が悪化するおそれがあった。
【0005】そこで、上記の不具合に対処すると共に、
制御装置におけるメモリの効率的利用や、目標加速度の
算出遅れ防止等を狙った技術が、本願出願人により特開
平4−314940号に開示されている。この開示技術
では、内燃機関を搭載した車両において、リンクレスタ
イプのスロットルバルブの開度が、運転者によるアクセ
ルペダルの踏込量(アクセルストローク)に応じて制御
される。ここで、アクセルストロークに対応した目標加
速度を決定するためのデータがマップとして予めバック
アップRAMに記憶されている。そして、実際の加速度
がマップより決定される目標加速度となるように、スロ
ットルバルブの開度が制御され、もって車両の駆動力が
制御されるようになっている。又、この開示技術では、
アクセルストロークの変化と実際の加速度が運転者の加
速度要求度合いの変化として検知され、その検知された
加速度要求度合いと、上記のマップより決定される目標
加速度との偏差が最小となるように、マップのデータが
修正されてバックアップRAMに記憶し直される。数学
的には、目標加速度に関する補正(修正)が上記の偏差
に応じてなされることにより、マップの書き替えが行わ
れている。つまり、アクセルストロークに対応する目標
加速度のデータが学習されるのである。
【0006】従って、上記のように目標加速度のデータ
が、運転者の加速度要求度合いに合致するように学習さ
れることから、常に運転者の特性に合った目標加速度が
決定される。その結果、運転者の意識状態や運転環境に
関係なく常に運転者の特性に合った駆動力が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記後者の
開示技術では、目標加速度のデータの学習としては、単
にデータが補正(修正)されてマップの書き替えが行わ
れるだけであった。そして、マップの書き替えについて
は、その時々でアクセルストロークのある点、或いはあ
る範囲についてのみ、目標加速度のデータが学習される
だけであった。例えば、定常走行の運転領域では、それ
に対応したアクセルストロークの範囲についてのみ目標
加速度のデータが学習されるだけであった。或いは、急
加速走行の運転領域では、それに対応したアクセルスト
ロークの範囲についてのみ目標加速度のデータが学習さ
れるだけであった。従って、特定の運転領域についての
み目標加速度が補正(修正)されるだけとなり、書き替
えられたマップに領域的な偏りが生じることになる。つ
まり、アクセルストロークの特定範囲に関して目標加速
度に関する補正(修正)が行われても、その補正(修
正)がアクセルストロークの他の範囲に反映されること
がない。その結果、書き替えられたマップで、アクセル
ストロークに対する目標加速度の関係が部分的に不連続
となり、車両の駆動力の制御がアクセルストロークの変
化に対して部分的に不連続なものとなるおそれがあっ
た。
【0008】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、運転者の意識状態や運転環
境にかかわりなく常に運転者の特性に合った駆動力の制
御を行うことが可能で、しかもその駆動力の制御を運転
者によるアクセルペダル等の操作量の全範囲に渡って連
続的なものとすることの可能な車両の駆動力制御装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、図1に示すように、車両M
1に搭載された駆動源M2の制御量を変更するための制
御量変更手段M3と、駆動源M2の出力を任意に制御す
るために運転者により操作される出力操作手段M4と、
その出力操作手段M4の操作量を検出するための操作量
検出手段M5とを備え、操作量検出手段M5の検出結果
に応じて制御量変更手段M3を駆動させることにより駆
動源M2の出力を制御して車両M1の駆動力を制御する
ようにした車両の駆動力制御装置において、車両M1の
加速度を検出するための加速度検出手段M6と、車両M
1の速度を検出するための速度検出手段M7と、加速度
検出手段M6の検出により得られる加速度を比較すべき
教師データとして、その教師データと当該手段M8の出
力との偏差を誤差信号とし、その誤差分が小さくなるよ
うに、出力操作手段M4の操作量及び速度検出手段M7
の検出により得られる速度に対する車両M1の加速度の
関係を、運転者の要求する加速度モデルとして学習する
ための要求加速度モデル学習手段M8と、加速度検出手
段M6の検出により得られる加速度と要求加速度モデル
学習手段M8により学習される加速度モデルの出力との
偏差を誤差信号として、その誤差分が小さくなるよう
に、出力操作手段M4の操作量及び速度検出手段M7の
検出により得られる速度に対する駆動源M2の制御量の
関係を、制御量感度モデルとして学習するための制御量
感度モデル学習手段M9と、その制御量感度モデル学習
手段M9により学習される制御量感度モデルの出力を参
照データとして、その参照データに基づき操作量検出手
段M5により検出される操作量に応じて制御量変更手段
M3の駆動を制御する駆動制御手段M10とを備えたこ
とを趣旨としている。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、加速
度検出手段M6の検出により得られる加速度は、要求加
速度モデル学習手段M8において、比較すべき教師デー
タとして用いられる。つまり、車両M1の実際の加速度
が、運転者の要求する加速度として比較に用いられる。
そして、要求加速度モデル学習手段M8では、その教師
データと当該手段M8の出力との偏差が小さくなるよう
に、即ち、運転者の要求する加速度と要求加速度モデル
の出力との偏差が小さくなるように、出力操作手段M4
の操作量及び速度検出手段M7の検出により得られる速
度に対する車両M1の加速度の関係が、運転者の要求す
る加速度モデルとして学習される。又、制御量感度モデ
ル学習手段M9では、同じく加速度検出手段M6の検出
により得られる加速度と、上記のように学習される加速
度モデルの出力との偏差が誤差信号として用いられる。
そして、制御量感度モデル学習手段M9では、上記の誤
差信号の誤差分が小さくなるように、即ち、車両M1の
加速度と加速度モデルの出力との偏差が小さくなるよう
に、出力操作手段M4の操作量及び車両M1の速度に対
する駆動源M2の制御量の関係が、制御量感度モデルと
して学習される。そして、駆動制御手段M10では、上
記のように学習される制御量感度モデルの出力が参照デ
ータとして用いられ、その参照データに基づき、運転者
の操作による出力操作手段M4の操作量に応じて制御量
変更手段M3の駆動が制御される。これにより、駆動源
M2の出力が制御され、もって車両M1の駆動力が制御
される。
【0011】従って、この発明によれば、常に運転者の
要求に応じた加速度モデルが得られ、その加速度モデル
に対応して制御量感度モデルが得られる。そして、常に
運転者の要求に合った加速度をもって、駆動源M2の制
御量が制御される。又、この発明によれば、出力操作手
段M4の操作量及び車両M1の速度に対する車両M1の
加速度の関係の全体が連続的なモデルとして学習され、
出力操作手段M4の操作量及び車両M1の速度に対する
駆動源M2の制御量の関係の全体が連続的なモデルとし
て学習される。そのため、車両M1の速度の全範囲につ
いて、出力操作手段M4の操作量の全範囲に対する加速
度及び制御量の関係が部分的に不連続となることはな
い。
【0012】
【実施例】
(第1実施例)以下、この発明における車両の駆動力制
御装置を具体化した第1実施例を図2〜図10に基づい
て詳細に説明する。
【0013】図2はこの実施例における車両の駆動力制
御装置を概略的に示す構成図である。車両1には駆動源
としてのガソリンエンジン(以下単に「エンジン」とい
う。)2が搭載されている。エンジン2は複数気筒の直
列型となっている。エンジン2の吸気通路3には外気が
取り込まれ、図示しないインジェクタから噴射される燃
料が供給される。そして、エンジン2の図示しない各燃
焼室には、吸気通路3を通じて外気と燃料との混合気が
取り込まれる。更に、各燃焼室に取り込まれた混合気
が、図示しない各点火プラグの作動により爆発・燃焼さ
れることにより、図示しないピストン及びクランクシャ
フト等が作動してエンジン2の出力が得られる。又、エ
ンジン2の各燃焼室で燃焼された後の既燃焼ガスは、排
気通路4を通じて外部へと排出される。
【0014】この実施例で、車両1はフロントエンジン
・リヤドライブ方式(FR方式)のものであり、エンジ
ン2のクランクシャフトは、図示しないトランスミッシ
ョン、プロペラシャフト、ディファンレンシャルギヤ及
びドライブシャフト等を介して、駆動輪である左右一対
の後輪5に駆動連結されている。又、従動輪である左右
一対の前輪6は、運転席に設けられた図示しないステア
リングホイールの操作に連動する操舵輪となっている。
【0015】この実施例において、吸気通路3の途中に
は、制御量変更手段を構成するリンクレスタイプのスロ
ットルバルブ7が設けられている。即ち、スロットルバ
ルブ7は、その近傍に設けられた直流モータ8に連結さ
れている。そして、直流モータ8の作動により、エンジ
ン2の制御量としてのスロットルバルブ7の開度、即ち
スロットル開度Thが制御される。これにより、吸気通
路3を通じてエンジン2の各燃焼室へ取り込まれる空気
量が調整され、この空気量の調整により、エンジン2の
出力が制御される。
【0016】スロットルバルブ7の近傍には、スロット
ルセンサ9が設けられている。このスロットルセンサ9
では、スロットル開度Thが検出され、それに応じた信
号が出力される。又、車両1の運転席には、出力操作手
段としてのアクセルペダル10が設けられている。この
アクセルベダル10は、エンジン2の出力を任意に制御
するために、運転者DRにより操作されるものである。
又、アクセルペダル10の近傍には、操作量検出手段と
してのアクセルセンサ11が設けられている。このアク
セルセンサ11では、アクセルペダル10の操作量、即
ちアクセルストロークSが検出され、それに応じた信号
が出力される。更に、車両1のほぼ中央には、加速度検
出手段を構成する周知の加速度センサ12が設けられて
いる。この加速度センサ12では、車両1の前後方向の
加速度Gが検出され、それに応じた信号が出力される。
加えて、前輪6には速度検出手段を構成する周知の車速
センサ13が設けられている。この車速センサ13で
は、前輪6の回転数に応じて車両1の速度、即ち車速V
が検出され、それに応じた信号が出力される。
【0017】そして、この実施例では、スロットルバル
ブ7を運転者DRの要求に応じて好適に開閉制御するた
めに、スロットルコンピュータ21及びニューロコンピ
ュータ22が設けられている。スロットルコンピュータ
21は駆動制御手段を構成しており、スロットルコンピ
ュータ21には、直流モータ8及びスロットルセンサ9
がそれぞれ電気的に接続されている。又、ニューロコン
ピュータ22は要求加速度モデル学習手段及び制御量感
度モデル学習手段を構成しており、ニューラルネットワ
ークの技術を適用して構成されている。このニューロコ
ンピュータ22には、アクセルセンサ11、加速度セン
サ12及び車速センサ13がそれぞれ電気的に接続され
ている。又、ニューロコンピュータ22とスロットルコ
ンピュータ21とは互いに電気的に接続されている。
【0018】図3はスロットルコンピュータ21及びニ
ューロコンピュータ22の電気的構成を示すブロック図
である。ニューロコンピュータ22は、中央処理装置
(CPU)23、所定の学習制御プログラム等を予め記
憶した読み出し専用メモリ(ROM)24、CPU23
の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)25、予め記憶されたデータを保存するバッ
クアップRAM26等を備えている。そして、ニューロ
コンピュータ22は、それら各部23〜26と外部入出
力回路27等がバス28によって接続された論理演算回
路として構成されている。外部入出力回路27には、前
述したアクセルセンサ11及び車速センサ13がそれぞ
れ接続されている。又、外部入出力回路27には、ロー
パスフィルタ29を介して加速度センサ12が接続され
ている。このローパスフィルタ29は、加速度センサ1
2の検出信号のうち、基準となる所定の遮断周波数より
低い周波数の信号は自由に通し、高い周波数には大きな
減衰を与えるようになっている。併せて、外部入出力回
路27には、前記したスロットルコンピュータ21が接
続されている。又、ROM24には、ニューラルネット
ワーク技術を利用した学習制御プログラム等が予め記憶
されている。
【0019】そして、CPU23は、外部入出力回路2
7等を介して入力される各センサ11〜13からの各種
信号を入力値として読み込む。CPU23は、それら入
力値に基づき、ROM24に記憶されている学習制御プ
ログラムに従い、運転者DRの要求する「要求加速度モ
デル」と、それに応じた制御量感度モデルとしての「ス
ロットル感度モデル」の学習制御を実行する。そして、
CPU23はその学習結果を外部入出力回路27を介し
てスロットルコンピュータ21へ出力する。
【0020】一方、スロットルコンピュータ21はニュ
ーロコンピュータ22と基本的に同じ構成をなしてお
り、CPU30、ROM31、RAM32、バックアッ
プRAM33、外部入出力回路34及びバス35等によ
って構成されている。外部入出力回路34には、前述し
た直流モータ8、スロットルセンサ9及びニューロコン
ピュータ22がそれぞれ接続されている。又、ROM3
1には、ニューロコンピュータ22の学習結果に基づい
てスロットルバルブ7の開閉を制御するためのスロット
ル開度制御プログラムが予め記憶されている。
【0021】そして、CPU30は、ニューロコンピュ
ータ22から外部入出力回路34を介して入力される学
習結果のデータを入力値として読み込む。又、CPU3
0は、スロットルセンサ9からの信号を入力値として読
み込む。又、CPU30は、それら入力値に基づき、R
OM31に記憶されているスロットル開度制御プログラ
ムに従い直流モータ8を好適に制御する。
【0022】ここで、ニューロコンピュータ22に適用
されているニューラルネットワーク技術の概念的な構成
を図4(a),(b)に従って説明する。この実施例に
おけるニューラルネットワークは、図4(a),(b)
に示すように、二つの多層型ニューラルネットワークを
備えている。各多層型ニューラルネットワークは、基本
的には同じ構成をなしており、2個のニューロンn1よ
りなる「入力層」と、2〜10個のニューロンn2より
なる「中間層」と、1個のニューロンn3よりなる「出
力層」とを備えている。又、各層の間で各ニューロンn
1,n2,n3がシナプスspにより結合されている。
各多層型ニューラルネットワークにおいて、信号は「入
力層」から「中間層」、「中間層」から「出力層」へ向
かって一方向へ流れる。各層のニューロンn1,n2,
n3では、前の層から受け取った信号に基づいて状態が
決定され、次の層へと信号が伝えられる。そして、各多
層型ニューラルネットワークの出力結果は、「出力層」
のニューロンn3の状態値として得られる。
【0023】ここで、図4(a)に示す多層型ニューラ
ルネットワークは、「入力層」の各ニューロンn1に、
アクセルセンサ11により検出されるアクセルストロー
クS、車速センサ13により検出される車速Vがそれぞ
れ入力される。又、「出力層」のニューロンn3から得
られる出力、即ち要求加速度モデル出力Gxは、加速度
センサ12の検出により得られる車両1の加速度Gを
「教師データ」として、その「教師データ」と比較され
る。そして、その比較による加速度偏差ΔG(=G−G
x)を「誤差信号」とし、その誤差分が小さくなる方向
へ全てのニューロンn1,n2,n3のシナプスspの
「重み係数」が修正される。つまり、車両1の加速度G
を運転者DRの要求する加速度とし、その加速度Gを比
較すべき「教師データ」としている。そして、その「教
師データ」との偏差が小さくなるように、アクセルスト
ロークS及び車速Vに対する加速度Gの関係が、運転者
DRの要求する「要求加速度モデル」として学習され
る。そして、この多層型ニューラルネットワークの出力
結果は、要求加速度モデル出力Gxとして得られる。即
ち、「要求加速度モデル」は図5に示すような特性とし
て、要求加速度モデル出力Gxが加速度Gに近づく方向
に学習される。
【0024】一方、図4(b)に示す多層型ニューラル
ネットワークは、「入力層」の各ニューロンn1に、上
記と同じくアクセルストロークS、車速Vがそれぞれ入
力される。又、「出力層」のニューロンn3から得られ
る出力結果、即ちスロットル感度モデル出力Thxは、
加速度Gと上記の要求加速度モデル出力Gxとの間の加
速度偏差ΔGを「誤差信号」として学習が行われ、全て
のニューロンn1,n2,n3のシナプスspの「重み
係数」が修正される。つまり、加速度偏差ΔGを「誤差
信号」とし、その誤差分が小さくなるように、アクセル
ストロークS及び車速Vに対するスロットル開度Thの
関係が、運転者DRの要求する「スロットル感度モデ
ル」として学習される。そして、この多層型ニューラル
ネットワークの出力結果は、スロットル感度モデル出力
Thxとして得られる。即ち、「スロットル感度モデ
ル」は図6に示すような特性として学習される。
【0025】上記のようなニューラルネットワークの概
念的な構成は、あくまでも便宜的に説明されたものであ
り、ニューラルネットワークの実体は、ニューロコンピ
ュータ22のROM24に予め記憶されている学習制御
プログラムにある。そして、ニューラルネットワーク
は、その学習制御プログラムにおける数学的な演算の上
に成り立っており、学習方法としては一般に知られてい
る「誤差逆伝搬学習アルゴリズム」が適用されている。
この実施例では、最終的には図7に示すような、アクセ
ルストロークSに対するスロットル感度Thgの関係の
特性を求めるために、学習制御プログラムが作成されて
いる。
【0026】次に、ニューロコンピュータ22におい
て、上記のようなニューラルネットワーク技術を用いて
実行される「要求加速度モデル」及び「スロットル感度
モデル」等の学習のための処理動作について説明する。
図8はニューロコンピュータ22により実行される学習
制御プログラムの「学習制御ルーチン」を示すフローチ
ャートである。このルーチンの処理は開始された後、一
定の周期、例えば「0.1秒」の時間間隔をもって周期
的に実行される。
【0027】このルーチンの処理が開始されると、ステ
ップ101において、アクセルセンサ11、加速度セン
サ12及び車速センサ13からの各種信号に基づきアク
セルストロークS、加速度G及び車速Vをそれぞれ読み
込む。
【0028】続いて、ステップ102において、「スロ
ットル感度モデル」を実行し、スロットル感度モデルT
hxを求めてスロットル感度Thgを決定する。即ち、
今回読み込まれたアクセルストロークSと車速Vとを入
力値として、既に学習済の「スロットル感度モデル」の
特性(図6を参照)からスロットル感度モデル出力Th
xを求め、以下の計算式(1)に従ってスロットル感度
Thgを決定する。
【0029】Thg=α+Thx*K …(1) ここで、「α」は基準値であり、この実施例では「α=
1.0」となっている。又、「K」は正の定数である。
【0030】そして、ステップ103において、今回決
定されたスロットル感度ThgとアクセルストロークS
とをスロットルコンピュータ21へ出力する。或いは、
スロットル感度ThgとアクセルストロークSとの積、
即ち目標スロットル開度Thg・Sを求め、その目標ス
ロットル開度Thg・Sをスロットルコンピュータ21
へ出力する。
【0031】次に、ステップ104において、車両1の
加速度Gを「教師データ」として、運転者DRの要求す
る「要求加速度モデル」の学習を実行する。つまり、加
速度センサ12により検出される車両1の加速度Gを比
較すべき「教師データ」として、その「教師データ」と
の偏差が小さくなるように、アクセルストロークS及び
車速Vに対する加速度Gの関係を、運転者DRの要求す
る「要求加速度モデル」として学習するのである。
【0032】例えば、図5に実線で示す曲線が現在の
「要求加速度モデル」の特性であるとする。そして、運
転者DRが現在より速く走るためにアクセルペダル10
を操作して、車両1の加速度Gが現在の要求加速度モデ
ル出力Gxよりも大きくなったとする。このときの加速
度Gが新しい要求加速度であり、「要求加速度モデル」
は図5に実線で示す曲線が破線で示す曲線のような特性
へと更新される。即ち、アクセルストロークS及び車速
Vに対する要求加速度モデル出力Gxの関係の全体が連
続的なモデルとして学習される。そして、この特性は部
分的に不連続となることはない。
【0033】尚、図5には車速Vが「0」のときの特性
が示されているが、「要求加速度モデル」では、アクセ
ルストロークSの全範囲及び車速Vの全範囲と車両1の
加速度Gとの関係が学習されている。
【0034】そして、ステップ105においては、加速
度Gと上記の要求加速度モデル出力Gxとの間の加速度
偏差ΔGを求め、その加速度偏差ΔGを「誤差信号」と
して、「スロットル感度モデル」の学習を実行する。つ
まり、加速度偏差ΔGを「誤差信号」として、その誤差
分が小さくなるように、アクセルストロークS及び車速
Vに対するスロットル開度Thの関係を、「スロットル
感度モデル」として学習するのである。
【0035】例えば、図6に実線で示す直線を「スロッ
トル感度モデル」の初期値であるとする。そして、運転
者DRが現在より速く走るためにアクセルペダル10を
操作すると、車両1の加速度Gが大きくなり、要求加速
度モデル出力Gxとの間で差が発生し、そのときの加速
度偏差ΔGが求められる。そして、その加速度偏差ΔG
を「誤差信号」とし、その誤差分が小さくなるように学
習が行われると、そのときのスロットル感度モデル出力
Thxが新しいスロットル感度モデル出力Thxであ
り、「スロットル感度モデル」は図6に実線で示す初期
値から破線で示す曲線のような特性へと更新される。即
ち、アクセルストロークS及び車速Vに対するスロット
ル感度モデル出力Thxの関係の全体が連続的なモデル
として学習される。そして、この特性は部分的に不連続
となることはない。
【0036】その後、ステップ105の処理を実行した
後、その後の処理を一旦終了し、処理開始から「0.1
秒」を経過すると、処理は再びステップ101から開始
される。
【0037】このようにして、ニューラルネットワーク
の技術を用いた学習制御の処理が実行され、運転者DR
の要求する「要求加速度モデル」及び「スロットル感度
モデル」の特性がそれぞれ学習される。ここでは、その
時々に学習される「要求加速度モデル」及び「スロット
ル感度モデル」の特性としてのシナプスspの「重み係
数」が、バックアップRAM26に書き替えられて記憶
される。
【0038】尚、車両1の工場出荷時における上記の
「重み係数」の初期値は、次のように決定される。先
ず、要求加速度モデルは、車両1が複数の運転者DRに
より運転されたときの加速度Gが「教師データ」として
学習され、その学習結果の平均的な特性が初期値とされ
る。そして、スロットル感度モデルの「重み係数」は、
そのスロットル感度モデル出力Thxが「0」になるよ
うに学習される。
【0039】次に、上記のような処理動作によって決定
されたスロットル感度Thgとそのときのアクセルスト
ロークSとに基づき、スロットルコンピュータ21によ
り実行されるスロットル開度制御の処理動作について説
明する。図9はスロットルコンピュータ21により実行
されるスロットル開度制御プログラムの「スロットル開
度制御ルーチン」を示すフローチャートである。このル
ーチンの処理は開始された後、所定の時間間隔をもって
周期的に実行される。
【0040】このルーチンの処理が開始されると、先ず
ステップ201において、スロットルセンサ9からの信
号に基づきスロットル開度Thを読み込むと共に、ニュ
ーロコンピュータ22から出力される最新のスロットル
感度ThgとアクセルストロークS、或いは目標スロッ
トル開度Thg・Sを読み込む。ここで、スロットル感
度ThgとアクセルストロークSとの読み込みが前提で
ある場合には、同ステップ201において、両者Th
g,Sの積が目標スロットル開度Thg・Sとして求め
られる。
【0041】続いて、ステップ202において、現在の
スロットル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよ
りも小さいか否かを判断する。ここで、スロットル開度
Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも小さい場合
には、ステップ203において、スロットルバルブ7を
開方向へ駆動させるように直流モータ8を正転させる。
又、ステップ204において、スロットルセンサ9から
の信号に基づきスロットル開度Thを読み込む。
【0042】その後、ステップ205において、スロッ
トル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも小
さいか否かを判断する。ここで、スロットル開度Thが
目標スロットル開度Thg・Sよりも小さい場合には、
ステップ203へジャンプし、スロットルバルブ7を更
に開方向へ駆動させるために、ステップ203,20
4,205の処理を繰り返す。これに対し、スロットル
開度Thが目標スロットル開度Thg・Sと等しいかそ
れよりも大きい場合には、スロットルバルブ7をそれ以
上開方向へ駆動させないものとして、その後の処理を一
旦終了する。
【0043】一方、ステップ202において、現在のス
ロットル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sより
も小さくない場合には、ステップ206へ移行して、ス
ロットル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sより
も大きいか否かを判断する。ここで、スロットル開度T
hが目標スロットル開度Thg・Sよりも大きくない場
合、即ち「Th≦Thg・S」の場合には、そのままそ
の後の処理を一旦終了する。
【0044】又、ステップ206において、スロットル
開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも大きい
場合には、ステップ207において、スロットルバルブ
7を閉方向へ駆動させるように直流モータ8を逆転させ
る。又、ステップ208において、スロットルセンサ9
からの信号に基づきスロットル開度Thを読み込む。
【0045】その後、ステップ209において、スロッ
トル開度Thが目標スロットル開度Thg・Sよりも大
きいか否かを判断する。ここで、スロットル開度Thが
目標スロットル開度Thg・Sよりも大きい場合には、
ステップ207へジャンプし、スロットルバルブ7を更
に閉方向へ駆動させるために、ステップ207,20
8,209の処理を繰り返す。これに対し、スロットル
開度Thがスロットル感度Thgと等しいかそれよりも
小さい場合には、スロットルバルブ7をそれ以上閉方向
へ駆動させないものとして、その後の処理を一旦終了す
る。
【0046】このように、スロットル開度Thが目標ス
ロットル開度Thg・Sに一致するように直流モータ8
の回転が制御され、それによって、スロットルバルブ7
が開閉制御される。これにより、エンジン2の出力が制
御され、その結果として車両1の駆動力が制御される。
【0047】以上説明したように、この実施例では、車
両1の走りに対する運転者DRの要求が、その時々の加
速度Gから「要求加速度モデル」として推定され、その
「要求加速度モデル」に基づき「スロットル感度モデ
ル」が変更されてスロットル感度Thgが決定されてい
る。又、その決定されたスロットル感度Thgとアクセ
ルストロークSとの積から求められる目標スロットル開
度Thg・Sと、スロットル開度Thとが一致するよう
に、スロットルバルブ7が開閉制御されている。しか
も、常に運転者DRの要求に応じた「要求加速度モデ
ル」が得られ、その「要求加速度モデル」に対応して、
「スロットル感度モデル」が得られる。そして、常に運
転者DRの要求に合った加速度Gをもって、エンジン2
のスロットル開度Thが制御される。
【0048】従って、車両1に対する運転者DRの要求
加速度が大きいときには、スロットル感度Thgが大き
くなる。そのため、同一の加速度Gを得るためのアクセ
ルストロークSの変化範囲が狭くなり、アクセルペダル
10の少ない操作によって大きな加速度Gを得ることが
できるようになり、車両1の加速性能が向上したように
運転者DRに感じさせることができる。例えば、運転者
DRの意識が急いだ状態であったり、車両1の運転環境
が渋滞のない高速道路であったりして、車両1を速く走
行させたいときには、アクセルペダル10の少ない操作
によって大きな加速度Gを得ることができ、加速感を向
上させることができる。
【0049】一方、車両1に対する運転者DRの要求加
速度が小さいときには、スロットル感度Thgが小さく
なる。そのため、同一の加速度Gを得るためのアクセル
ストロークSの変化範囲が広くなり、アクセルペダル1
0の多い操作によって加速度Gを微妙に変化させること
ができるようになり、運転者DRにとってアクセルペダ
ル10の操作性能を向上させることができる。例えば、
運転者DRの意識がのんびりした状態であったり、車両
1の運転環境が渋滞路や雪道等であったりして、車両1
をゆっくりと走行させたいときには、アクセルペダル1
0の多い操作によって加速度Gを微妙に変えることがで
き、車両1の操作感を向上させることができる。
【0050】つまり、この実施例では、運転者DRの加
速度に対する要求度合いに合致するように学習が行われ
ることから、常に運転者DRの特性に合ったスロットル
感度Thgが決定される。その結果、運転者DRの意識
状態(急いでいる、のんびりしている等)や運転環境
(路面状態、昼間・夜間、トンネル内、雨中路、雪道、
山間路、渋滞路等)にかかわりなく、車両1について、
常に運転者DRの特性に合った駆動力の制御を行うこと
ができるのである。
【0051】又、この実施例では、ニューロコンピュー
タ22における学習制御に、ニューラルネットワーク技
術を用いたことから、アクセルストロークS及び車速V
に対する要求加速度モデル出力Gxの関係の全体が連続
的なモデルとして学習され、その特性が部分的に不連続
となることはない。同じく、アクセルストロークS及び
車速Vに対するスロットル感度モデル出力Thxの関係
の全体が連続的なモデルとして学習され、その特性が部
分的に不連続となることはない。これは、ニューラルネ
ットワークの技術を用いたことにより、アクセルストロ
ークS及び車速Vの不連続点の間で学習される「要求加
速度モデル」が補間されるためである。つまり、アクセ
ルストロークS及び車速Vのある特定な範囲について行
われる要求加速度モデル出力Gxの修正が、アクセルス
トロークS及び車速Vの他の範囲に対応する要求加速度
モデル出力Gxの修正にも反映される。又、アクセルス
トロークS及び車速Vのある特定な範囲について行われ
るスロットル感度モデル出力Thxの修正が、アクセル
ストロークS及び車速Vの他の範囲に対応するスロット
ル感度モデル出力Thxにも反映される。
【0052】その結果、車速Vの全範囲について、車両
1の駆動力の制御が運転者DRによるアクセルペダル1
0の操作量、即ちアクセルストロークSの全操作範囲に
渡って連続的なものとすることができる。よって、運転
者DRによりアクセルペダル10が連続的に踏み込まれ
たときには、車両1の加速度Gが唐突に変化するような
ことがなく、車速Vの上昇を常に滑らかなものにするこ
とができる。
【0053】更に、この実施例では、加速度Gから「要
求加速度モデル」を推定し、その「要求加速度モデル」
から「スロットル感度モデル」を変更するように学習が
行われることから、従来技術のような補正(修正)によ
ってマップの書き替えを行う場合と較べて、マップの補
完演算が不必要となり、演算時間を更に短くすることが
できる。
【0054】加えて、この実施例では、ニューロコンピ
ュータ22において、加速度センサ12がローパスフィ
ルタ29を介して外部入出力回路27に接続されてい
る。そのため、車両1が凸凹路を走行しているときのハ
ーシュネスに起因して、加速度センサ12での検出信号
にノイズが発生した場合には、そのノイズに相関する高
周波成分がローパスフィルタ29で減衰される。即ち、
加速度センサ12からの加速度Gの信号に、図10
(a)に示すようにハーシュネスに起因する大きなノイ
ズが含まれていた場合でも、その信号がローパスフィル
タ29を通過することにより、図10(b)に示すよう
なノイズの少ない加速度Gの信号に調整されることにな
る。
【0055】その結果、ニューロコンピュータ22で
は、学習のために用いられる加速度Gの信号を、ハーシ
ュネスに起因したノイズが除去されたものとすることが
できる。よって、「要求加速度モデル」及び「スロット
ル感度モデル」についての誤学習を未然に防止すること
ができ、延いてはスロットル感度Thgが誤った方向へ
調整されることを未然に防止することができる。
【0056】(第2実施例)次に、この発明における車
両の駆動力制御装置を具体化した第2実施例を図11〜
図13に従って説明する。尚、この実施例では、前記第
1実施例の構成と基本的に同じ部材については同一の符
号を付して説明を省略し、特に異なった点を中心に説明
する。
【0057】図11は車両の駆動力制御装置を概略的に
示す構成図である。この実施例では、前記第1実施例の
ニューロコンピュータ22に代わってモデル学習コンピ
ュータ41が設けられている。そして、そのモデル学習
コンピュータ41により、要求加速度モデル学習手段及
び制御量感度モデル学習手段が構成されている。このモ
デル学習コンピュータ41では、第1実施例におけるニ
ューラルネットワークの技術に代わって、マップを用い
た学習(更新)及び実行(読み出し)の新たな方法が採
用されている。
【0058】この実施例において、スロットルコンピュ
ータ21及びモデル学習コンピュータ41の電気的構成
は、第1実施例において図3に示すものと基本的に同じ
であり、図3におけるニューロコンピュータ22の構成
がモデル学習コンピュータ41のそれに相当している。
そして、モデル学習コンピュータ41のROM24には
マップを用いた学習(更新)及び実行(読み出し)の新
たな方法に係る学習制御プログラム等が予め記憶されて
いる。又、バックアップRAM26には、後述する二つ
のマップが予め記憶されている。そして、モデル学習コ
ンピュータ41のCPU23は各センサ11〜13から
の入力値に基づき、ROM24に記憶されている学習制
御プログラムに従い、運転者DRの要求する「要求加速
度モデル」と、それに応じた制御量感度モデルとしての
「スロットル感度モデル」の学習制御を実行する。そし
て、CPU23はその学習結果をスロットルコンピュー
タ21へ出力する。
【0059】一方、スロットルコンピュータ21のRO
M31には、モデル学習コンピュータ41の学習結果に
基づいてスロットルバルブ7の開閉を制御するためのス
ロットル開度制御プログラムが予め記憶されている。そ
して、そのCPU30はモデル学習コンピュータ41か
ら入力される学習結果のデータと、スロットルセンサ9
から入力される信号とに基づき、ROM31に記憶され
ているスロットル開度制御プログラムに従い直流モータ
8を好適に制御する。
【0060】次に、モデル学習コンピュータ41に適用
されているマップを用いた学習(更新)及び実行(読み
出し)の新たな方法について説明する。この実施例にお
いて、モデル学習コンピュータ41のバックアップRA
M26には、図12(a),(b)に示すような「要求
加速度モデル学習用」のマップと「スロットル感度モデ
ル学習用」のマップとが記憶されている。各々のマップ
は、アクセルストロークSと車速Vをパラメータとして
作成されている。
【0061】ここで、図12(a)に示す「要求加速度
モデル学習用」のマップでは、アクセルストロークSと
車速Vとに対する要求加速度モデル出力Gxの学習結果
が記憶される。即ち、モデル学習コンピュータ41で
は、同マップを参照して得られる要求加速度モデル出力
Gxが、加速度センサ12から入力される「教師デー
タ」としての加速度Gと比較される。そして、その比較
による加速度偏差ΔG(=G−Gx)を「誤差信号」と
し、その誤差分が小さくなる方向へマップのデータが学
習(更新)される。つまり、モデル学習コンピュータ4
1は、運転者DRの要求する加速度Gを比較すべき「教
師データ」とし、その「教師データ」との偏差が小さく
なるように、アクセルストロークS及び車速Vに対する
加速度Gの関係を、運転者DRの要求する「要求加速度
モデル」として、マップにより学習するのである。そし
て、このマップによる学習結果が要求加速度モデル出力
Gxとして得られる。即ち、この実施例でも、「要求加
速度モデル」は図5に示すような特性として、要求加速
度モデル出力Gxが加速度Gに近づく方向に学習され
る。尚、上記のマップには、「要求加速度モデル」の初
期値として、複数の運転者による走行データの学習結果
が記憶されている。
【0062】一方、図12(b)に示す「スロットル感
度モデル学習用」のマップでは、上記と同じくアクセル
ストロークSと車速Vとに対するスロットル感度モデル
Thxの学習結果が記憶される。即ち、モデル学習コン
ピュータ41では、同マップを参照して得られるスロッ
トル感度モデル出力Thxが、加速度Gと要求加速度モ
デル出力Gxとの間の加速度偏差ΔGを「誤差信号」と
してマップのデータが学習(更新)される。つまり、モ
デル学習コンピュータ41は、加速度偏差ΔGを「誤差
信号」とし、その誤差分が小さくなるように、アクセル
ストロークS及び車速Vに対するスロットル開度Thの
関係を、運転者DRの要求する「スロットル感度モデ
ル」として、マップにより学習するのである。そして、
このマップによる学習結果が、スロットル感度モデル出
力Thxとして得られる。即ち、この実施例でも、「ス
ロットル感度モデル」は図6に示すような特性として学
習される。尚、上記のマップには、「スロットル感度モ
デル」の初期値として、基準スロットル感度(この実施
例では「1.0」)が記憶されている。
【0063】ここで、「要求加速度モデル」と「スロッ
トル感度モデル」の学習方法について説明する。上記の
ようなモデルの学習のために一般的なマップを用いた場
合、一定時間毎にアクセルストロークS、車速V及び加
速度Gが入力されることから、アクセルストロークSと
車速Vとが不等間隔なデータとなり、マップの全域で均
等に学習(更新)することができず、その結果、マップ
の出力が不連続となる。そこで、この実施例では、マッ
プの出力を連続的にすべく、マップの学習(更新)及び
実行(読み出し)を以下のような方法で行っている。
【0064】図13はその方法を説明するために使用さ
れる便宜的なマップである。このマップは、「X」と
「Y」を変数とする2変数のマップであり、変数XがM
分割され、変数YがN分割された「M*N」の2次元配
列Z(M,N)で表されている(M,Nはそれぞれ整
数。)。このマップで扱われる変数Xの範囲は「X0」
を最小値とし、「X1」を最大値としている。又、この
マップで扱われる変数Yの範囲は、「Y0」を最小値と
し、「Y1」を最大値としている。又、マップの変数X
の方向におけるアドレスAxの範囲は「0〜(M−
1)」であり、変数Yの方向におけるアドレスAy範囲
は「0〜(N−1)」の整数である。
【0065】ここで、任意の(X,Y)のマップアドレ
ス(Ax,Ay)は、以下の計算式(11)及び計算式
(12)により表される。 Ax=(X−X0)/Rx …(11) Ay=(Y−Y0)/Ry …(12) そして、上記計算式(11)(12)の(Rx,Ry)
は、マップ上の1点で代表する(X,Y)の範囲であ
り、以下の計算式(13)及び計算式(14)により表
される。
【0066】 Rx=(X1−X0)/M …(13) Ry=(Y1−Y0)/N …(14) 任意の(X,Y)は計算式(11)(12)のマップア
ドレス(Ax,Ay)で代表される。ここで、任意のマ
ップアドレス(Ax,Ay)と任意の(X,Y)との距
離Dxyは、変数Xの方向の距離を「Dx」、変数Yの
方向の距離を「Dy」とすると、以下の計算式(1
5)、計算式(16)及び計算式(17)により表され
る。
【0067】 Dx=(X−X0)−Ax*Rx …(15) Dy=(Y−Y0)−Ay*Ry …(16) Dxy=(Dx2 +Dy2)1/2 …(17) そして、計算式(7)の距離Dxyが、任意の正の小さ
な距離Dminより小さいとき、距離Dxyは以下の計
算式(18)により表される。
【0068】Dxy=Dmin …(18) 又、任意の(X,Y)とマップ上の全ての点との距離D
xyの逆数を「Wxy」とし、その逆数Wxyの和を
「W」とすると、それらは以下の計算式(19)及び計
算式(20)により表される。
【0069】
【数1】
【0070】ここで、マップの学習(更新)は、以下に
表される計算式(21)を使用してマップ上の全ての点
について行われる。但し、計算式(21)において、
「ε」(正の小さな定数)は学習率であり、「σ」は任
意の(X,Y)についての学習信号である。
【0071】 Z(Ax,Ay)=Z(Ax,Ay)+ε*σ*Wxy/W …(21) 又、マップの実行(読み出し)は、以下に表される計算
式(22)を使用してマップ上の全ての点について行わ
れる。ここでは、マップの値と距離の逆数Wxyに比例
した重みとの積和が求められる。
【0072】
【数2】
【0073】以上のような方法によってマップの学習
(更新)及び実行(読み出し)が行われる。そして、こ
の実施例では、前述したマップの値Zとして、「要求加
速度モデル」には要求加速度モデル出力Gxが、「スロ
ットル感度モデル」にはスロットル感度モデル出力Th
xがそれぞれ割り当てられている。又、この実施例で
は、前述したマップの変数X,Yの分割が「M=N=
4」とされ、変数XにはアクセルストロークSが、変数
Yには車速Vがそれぞれ割り当てられている。
【0074】上記のようなマップの学習(更新)及び実
行(読み出し)の方法は、モデル学習コンピュータ41
のROM24に予め記憶されている学習制御プログラム
によって行われる。そして、この実施例でも、最終的に
は図7に示すような、アクセルストロークSに対するス
ロットル感度Thgの関係の特性を求めるために、学習
制御プログラムが作成されている。
【0075】尚、この実施例で、上記のような方法を用
いて実行される学習のための基本的な処理の流れは、前
記第1実施例における図8の「学習制御ルーチン」のそ
れと同じである。そして、その「学習制御ルーチン」の
処理が実行され、運転者DRの要求する「要求加速度モ
デル」及び「スロットル感度モデル」の特性がそれぞれ
学習される。ここでは、その時々に学習される「要求加
速度モデル」及び「スロットル感度モデル」の特性がバ
ックアップRAM26における各マップに書き替えられ
て記憶される。
【0076】又、この実施例で、上記の「学習制御ルー
チン」の処理の流れに基づいて決定されるスロットル感
度Thgと、そのときのアクセルストロークSとに基づ
き、スロットルコンピュータ21によりスロットル開度
制御が実行される。ここで、実行されるスロットル開度
制御のための基本的な処理の流れは、前記第1実施例に
おける図9の「スロットル開度制御ルーチン」のそれと
同じである。そして、その「スロットル開度制御ルーチ
ン」の処理が実行され、スロットル開度Thが目標スロ
ットル開度Thg・Sに一致するように直流モータ8の
回転が制御され、それによって、スロットルバルブ7が
開閉制御される。これにより、エンジン2の出力が制御
され、その結果として車両1の駆動力が制御される。
【0077】以上説明したように、この実施例では前記
第1実施例と同じく、車両1の走りに対する運転者DR
の要求が、その時々の加速度Gから「要求加速度モデ
ル」として推定され、その「要求加速度モデル」に基づ
き「スロットル感度モデル」が変更されてスロットル感
度Thgが決定される。又、その決定されたスロットル
感度ThgとアクセルストロークSとの積から求められ
る目標スロットル開度Thg・Sと、スロットル開度T
hとが一致するように、スロットルバルブ7が開閉制御
される。しかも、常に運転者DRの要求に応じた「要求
加速度モデル」が得られ、その「要求加速度モデル」に
対応して、「スロットル感度モデル」が得られる。そし
て、常に運転者DRの要求に合った加速度Gをもって、
エンジン2のスロットル開度Thが制御される。
【0078】そして、この実施例では第1実施例と同じ
く、運転者DRの加速度に対する要求度合いに合致する
ように学習が行われることから、常に運転者DRの特性
に合ったスロットル感度Thgが決定される。その結
果、運転者DRの意識状態や運転環境にかかわりなく、
車両1について、常に運転者DRの特性に合った駆動力
の制御を行うことができる。
【0079】又、この実施例では、モデル学習コンピュ
ータ41における学習制御に、前述したマップの学習
(更新)及び実行(読み出し)の新たな方法を採用して
いる。そのため、アクセルストロークS及び車速Vに対
する要求加速度モデル出力Gxの関係の全体が連続的な
モデルとして学習され、その特性が部分的に不連続とな
ることはない。同じく、アクセルストロークS及び車速
Vに対するスロットル感度モデル出力Thxの関係の全
体が連続的なモデルとして学習され、その特性が部分的
に不連続となることはない。これは、前述したマップの
学習のための方法を採用したことにより、図12(a)
(b)の各マップにおいて、アクセルストロークS及び
車速Vの任意の点で「要求加速度モデル」及び「スロッ
トル感度モデル」が学習される際に、その学習結果に基
づきマップ上の他の全ての点の値が更新されるからであ
る。つまり、アクセルストロークS及び車速Vのある特
定な範囲について行われる要求加速度モデル出力Gxの
修正が、アクセルストロークS及び車速Vの他の範囲に
対応する要求加速度モデル出力Gxの修正にも反映され
る。又、アクセルストロークS及び車速Vのある特定な
範囲について行われるスロットル感度モデル出力Thx
の修正が、アクセルストロークS及び車速Vの他の範囲
に対応するスロットル感度モデル出力Thxにも反映さ
れる。
【0080】その結果、車速Vの全範囲について、車両
1の駆動力の制御をアクセルストロークSの全操作範囲
に渡って連続的なものとすることができる。よって、運
転者DRによりアクセルペダル10が連続的に踏み込ま
れたときに、車両1の加速度Gが唐突に変化するような
ことがなく、車速Vの上昇を常に滑らかなものにするこ
とができる。このことは、前記第1実施例でニューラル
ネットワークの技術を採用したことにより得られる効果
と同等である。
【0081】又、この実施例では、第1実施例の場合と
は異なり、ニューラルネットワークの技術の代わりに、
マップの学習のための方法を採用していることから、次
のような利点が得られる。即ち、この実施例では、ニュ
ーラルネットワークの実行と学習のために要する演算量
よりも演算量が少なくなり、ニューラルネットワークの
演算プログラムの内容量よりもプログラムの内容量が少
なくなる。そのため、この実施例では、その演算量とプ
ログラム内容量とが少ない分だけ、学習時の演算時間を
短縮化することができ、使用すべきメモリ容量を削減す
ることができる。その結果、モデル学習コンピュータ4
1におけるROM24、RAM25及びバックアップR
AM26等を高速で大容量のメモリとする必要がなくな
り、装置の製作コストを低減することができる。
【0082】以上説明した作用及び効果は、この実施例
で前記第1実施例のそれと対比すべき点であるが、それ
以外については前記第1実施例と基本的に同等の作用及
び効果を得ることができる。
【0083】尚、この発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記各実施例では、ガソリンエンジン2を駆動源
とし、リンクレスタイプのスロットルバルブ7をその制
御量変更手段としたが、それ以外の駆動源及び制御量変
更手段に具体化することもできる。例えば、電気自動車
において直流モータ等の電動機を駆動源とし、電動機へ
の電流を制御する電流制御回路等を制御量変更手段とす
ることもできる。
【0084】(2)前記各実施例では、運転者DRによ
り操作される出力操作手段としてアクセルペダル10を
用いたが、出力操作手段としてアクセルレバーやそれ以
外の操作部材を用いることもできる。
【0085】(3)前記各実施例では、アクセルセンサ
11を操作量検出手段としてアクセルストロークSを検
出するようにしたが、次のようにすることもできる。即
ち、アクセルストロークSの代わりにアクセル踏力を検
出するセンサを用いたり、アクセルストロークSを検出
するアクセルセンサとアクセル踏力を検出するセンサと
を併用したりすること。
【0086】(4)前記各実施例では、加速度検出手段
として加速度センサ12を用いたが、車速センサ13を
加速度検出手段として、車速センサ13により検出され
る車速Vを時間微分することにより加速度Gを得るよう
にしてもよい。
【0087】(5)前記各実施例では、スロットル感度
モデル出力Thxをスロットル感度の補正量とし、計算
式(1)によってスロットル感度Thgを求めたが、ス
ロットル感度Thgを直接出力することもできる。この
場合、車両1の工場出荷時における初期値は、基準値α
を出力するように学習することになる。
【0088】(6)前記第1実施例では、ニューロコン
ピュータ22におけるニューラルネットワーク技術とし
て、多層型ニューラルネットワークを採用したが、相互
結合型ニューラルネットワークを採用することもでき
る。
【0089】(7)前記第2実施例では、各マップの各
変数X,YとしてアクセルストロークS及び車速Vの分
割数M,Nをそれぞれ「4」としたが、その分割数M,
Nを適宜に増減してもよい。但し、分割数M,Nを多く
した場合に、マップによる推定誤差は少なくなるが、学
習及び実行のための演算時間は長くなる。
【0090】(8)前記第2実施例では、マップの学習
(更新)及び実行(読み出し)において、周囲の影響を
距離の逆数Wxyに比例させるようにしたが、距離の関
数の逆数であればよい。例えば、周囲の影響を距離の二
乗の逆数に比例させてもよい。
【0091】(9)前記第2実施例では、各マップの各
変数X,YとしてアクセルストロークS及び車速Vを等
間隔に分割したが、それらを不等間隔に分割してもよ
い。例えば、アクセルストロークSの小さい範囲を細か
く分割してもよい。
【0092】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、車両の加速度を比較すべき教師データとして用い、
出力操作手段の操作量に対する車両の加速度の関係を、
運転者の要求する加速度モデルとして学習している。
又、その学習された加速度モデルの出力と車両の加速度
との偏差を誤差信号として用い、出力操作手段の操作量
に対する駆動源の制御量の関係を、制御量感度モデルと
して学習している。そして、その学習された制御量感度
モデルの出力を参照データとして用い、出力操作手段の
操作量に応じて駆動源の制御量を制御するようにしてい
る。
【0093】従って、運転者の要求に応じた加速度モデ
ルが得られ、その加速度モデルに対応して、制御量感度
モデルが得られ、常に運転者の要求に合った加速度をも
って制御量が制御される。又、操作量に対する加速度の
関係や、操作量に対する制御量の関係の全体が連続的な
モデルとして学習され、出力操作手段の全操作範囲に対
する加速度及び制御量の関係の全体が不連続となること
はない。
【0094】その結果、運転者の意識状態や運転環境に
かかわりなく常に運転者の特性に合った駆動力の制御を
行うことができる。しかも、その駆動力の制御を運転者
によるアクセルペダル等の操作量の全範囲に渡って連続
的なものとすることができるという優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を示す概念構成図
である。
【図2】この発明を具体化した第1実施例における車両
の駆動力制御装置の概略的な構成を示す概略構成図であ
る。
【図3】第1実施例において、スロットルコンピュータ
及びニューロコンピュータの電気的構成を示すブロック
図である。
【図4】第1実施例において、ニューロコンピュータに
適用されている多層型ニューラルネットワークの概念的
な構成を示す構成図である。
【図5】第1実施例において「要求加速度モデル」の特
性を示す特性図である。
【図6】第1実施例において「スロットル感度モデル」
の特性を示す特性図である。
【図7】第1実施例において「スロットル感度」の特性
を示す特性図である。
【図8】第1実施例において、ニューロコンピュータに
より実行される「学習制御ルーチン」を示すフローチャ
ートである。
【図9】第1実施例において、スロットルコンピュータ
により実行される「スロットル開度制御ルーチン」を示
すフローチャートである。
【図10】第1実施例において、ローパスフィルタの作
用に関する加速度信号の変化を示すタイムチャートであ
る。
【図11】この発明を具体化した第2実施例における車
両の駆動力制御装置の概略的な構成を示す概略構成図で
ある。
【図12】第2実施例において、モデル学習コンピュー
タで用いられている各マップの概念構成図である。
【図13】第2実施例において、モデル学習コンピュー
タで用いられる各マップの概念構成を説明するための便
宜的なマップである
【符号の説明】
1…車両、2…駆動源としてのエンジン、7…スロット
ルバルブ、8…直流モータ(7,8は制御量変更手段を
構成している)、10…出力操作手段としてのアクセル
ペダル、11…操作量検出手段としてのアクセルセン
サ、12…加速度検出手段としての加速度センサ、13
…速度検出手段としての車速センサ、21…駆動制御手
段を構成するスロットルコンピュータ、22…要求加速
度モデル学習手段及び制御量感度モデル学習手段を構成
するニューロコンピュータ。41…要求加速度モデル学
習手段及び制御量感度モデル学習手段を構成するモデル
学習コンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 340 F02D 45/00 340H 370 370B (72)発明者 ▲吉▼田 浩之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社 豊田中央研究所 内 (56)参考文献 特開 平4−71933(JP,A) 特開 平3−96636(JP,A) 特開 平3−156601(JP,A) 特開 平5−92731(JP,A) 特開 平3−117652(JP,A) 特開 平2−199256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 301 F02D 45/00 340 F02D 45/00 370

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された駆動源の制御量を変更
    するための制御量変更手段と、 前記駆動源の出力を任意に制御するために運転者により
    操作される出力操作手段と、 前記出力操作手段の操作量を検出するための操作量検出
    手段とを備え、前記操作量検出手段の検出結果に応じて
    前記制御量変更手段を駆動させることにより前記駆動源
    の出力を制御して前記車両の駆動力を制御するようにし
    た車両の駆動力制御装置において、 前記車両の加速度を検出するための加速度検出手段と、 前記車両の速度を検出するための速度検出手段と、 前記加速度検出手段の検出により得られる加速度を比較
    すべき教師データとして、その教師データと当該手段の
    出力との偏差を誤差信号とし、その誤差分が小さくなる
    ように、前記出力操作手段の操作量及び前記速度検出手
    段の検出により得られる速度に対する前記車両の加速度
    の関係を、前記運転者の要求する加速度モデルとして学
    習するための要求加速度モデル学習手段と、 前記加速度検出手段の検出により得られる加速度と前記
    要求加速度モデル学習手段により学習される加速度モデ
    ルの出力との偏差を誤差信号として、その誤差分が小さ
    くなるように、前記出力操作手段の操作量及び前記速度
    検出手段の検出により得られる速度に対する前記駆動源
    の制御量の関係を、制御量感度モデルとして学習するた
    めの制御量感度モデル学習手段と、 前記制御量感度モデル学習手段により学習される制御量
    感度モデルの出力を参照データとして、その参照データ
    に基づき前記操作量検出手段により検出される操作量に
    応じて前記制御量変更手段の駆動を制御する駆動制御手
    段とを備えたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
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