JP2979706B2 - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2979706B2
JP2979706B2 JP10752391A JP10752391A JP2979706B2 JP 2979706 B2 JP2979706 B2 JP 2979706B2 JP 10752391 A JP10752391 A JP 10752391A JP 10752391 A JP10752391 A JP 10752391A JP 2979706 B2 JP2979706 B2 JP 2979706B2
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laminate
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solvent
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孝宏 名川
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/022Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates

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  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱フィルムと金属層
との積層体に関するものであり、更に詳しくは、耐熱性
の低い樹脂と芳香族ポリアミドがブレンドされた耐熱フ
ィルムを用いた金属層との積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族ポリアミドやポリイミドな
どの耐熱フィルムと金属板との積層体を得るためには、
これらのフィルムが通常融点を持たないために、接着剤
を用いて積層する方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この接着剤を
用いる積層方法では、接着層を介するために積層体全体
としては厚くなってしまったり、接着層が特性に悪影響
を及ぼす場合があるなどの欠点がある。
【0004】本発明は、かかる課題を改善し、耐熱性、
機械的特性、経済性(コスト)に優れた積層体を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリア
ミドと可溶性樹脂とのブレンド樹脂からなる耐熱フィル
ムの少なくとも片面に、接着層を介することなく金属層
が積層されてなる積層体であって、該芳香族ポリアミド
の量がブレンド樹脂の5重量%以上90重量%以下の範
囲である耐熱フィルムを用いたことを特徴とする積層体
である。
【0006】本発明の芳香族ポリアミドとは、一種以上
の、一般式
【0007】
【化1】
【0008】で示される繰り返し単位を50モル%以上
含むものが好ましく、70モル%以上から成るものがよ
り好ましい。
【0009】ここでAr1 ,Ar2 は少なくとも一個の
芳香環を含む一種以上の構造からなり、同一組成でも異
なっていてもよく、これらの代表例としては次のものが
挙げられる。
【0010】
【化2】
【0011】また、これらの芳香環の環上の水素の一部
が、ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、C1 〜C3
アルキル基(特にメチル基)、C1 〜C3 のアルコキシ
基などの置換基で置換されているものも含む。また、X
は、−O−,−CH2 −,−SO2 −,−S−,−CO
−などである。これらは単独または共重合の形で含まれ
る。
【0012】本発明の目的である耐熱性向上という観点
から、Ar1 ,Ar2 は主としてパラ配向で剛直な構造
が好ましく、また、芳香環にハロゲン基やアルキル基な
どの置換基を有するものは、溶媒に対する溶解性、可溶
性樹脂との相溶性が高くより好ましい。さらに、ハロゲ
ン基は得られるフィルムの湿度特性を向上させるので好
ましい。
【0013】また、溶媒に対する溶解性、可溶性樹脂と
の相溶性が高くなる点では、−O−,−CH2 −,−S
2 −,−S−,−CO−などを介して2個の芳香環が
結合している構造が共重合されているのも好ましいが、
多過ぎると逆に熱特性、機械特性、湿度特性を悪化させ
ることになる。
【0014】すなわち、 Ar1 :(Ar3 a (Ar4 b (Ar5 c Ar2 :(Ar6 d (Ar7 e ただし、a+b+d+e>0.5 b+e>0.5 c<0.4 a+b+c+d+e≦1 Ar3 、Ar6
【0015】
【化3】
【0016】Ar4 、Ar7 :Ar3 、Ar6 が核置換
(ハロゲンなど)された基 Ar5
【0017】
【化4】
【0018】を満たす芳香族ポリアミドが好ましい。な
お、Ar1 、Ar2 を構成する、Ar3 、Ar4 、Ar
5 、Ar6 、Ar7 以外の基は、上式を満足していれば
特に制限はない。
【0019】例えば、
【0020】
【化5】
【0021】(ここでp,q は1〜4の整数、p+q ≧1)
【0022】
【化6】
【0023】(ここでq =0〜4の整数)などで表わさ
れる一種以上の芳香族ポリアミドと、可溶性樹脂との溶
液は、長時間保存してもポットライフは極めて安定であ
り、得られるフィルムも強靭で耐熱性、湿度特性の良好
なものとなる。
【0024】また、本発明の可溶性樹脂とは、前述した
芳香族ポリアミドを溶解する溶媒に、1重量%以上溶解
する樹脂一種以上を意味し、特に限定されるものではな
い。芳香族ポリアミドと可溶性樹脂の両者を溶解する溶
媒としては、取り扱いやすさなどを考慮すると有機系の
溶媒が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチレンホスホルアミド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノンなどのア
ミド系極性溶媒やジメチルスルホンなどが挙げられる
が、特にN−メチル−2−ピロリドンおよびN−メチル
−2−ピロリドンと他のアミド系極性溶媒の混合物が好
ましい。これらの溶媒を用いた場合特に、ポリカーボネ
ート、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタアクリレ
ート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリス
ルフィドスルホン、ポリエーテルイミドなどが好まし
く、高温での機械特性の改良が顕著で湿度特性の優れて
いる非晶性樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリス
ルフィドスルホンがより好ましい。特に、
【0025】
【化7】
【0026】の基本骨格Aと
【0027】
【化8】
【0028】の構造を両方有する樹脂は、該芳香族ポリ
アミドとの相溶性が非常によいために、芳香族ポリアミ
ドと可溶性樹脂を上記溶媒に溶解して得られるブレンド
溶液は長期保存安定性に優れ、また機械特性や透明性に
優れたフィルムが得られるなどの理由で、より好まし
い。例えばポリカーボネート、ポリアリレートなどが挙
げられ、経済性の点からポリカーボネートがさらに好ま
しい。上記基本骨格Aには置換基があってもよく、例え
ばハロゲン基などが挙げられる。また、上記芳香族ポリ
アミドと可溶性樹脂とのブレンド樹脂にさらに、第3成
分として別の樹脂が該可溶性樹脂の好ましくは40重量
%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好まし
くは20重量%以下添加されていてもよく、例えば、可
溶性樹脂としてポリカーボネートを用いた場合、これに
ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなどを添加する
と、機械特性が向上する。また、上記溶媒の他に、可溶
性樹脂の良溶媒、例えばジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,2-トリクロロエ
タン、トリクレン、アセトン、トルエンなどを、可溶性
樹脂と芳香族ポリアミドが相溶するのを妨げない範囲内
で、好ましくは全溶媒量の20重量%以内、より好まし
くは15重量%以内でなら含まれてもさし支えない。
【0029】上述したブレンド溶液を、溶液製膜するこ
とでブレンド樹脂からなる耐熱フィルムがまず得られ
る。
【0030】本発明のフィルム中の芳香族ポリアミドの
量は、ブレンド樹脂の5重量%以上90重量%以下の範
囲であることが必要である。芳香族ポリアミドの量がこ
の範囲より少ない場合、もはや耐熱性向上の効果は見ら
れず、高温での機械特性が極端に悪化する。好ましくは
7重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。
また、芳香族ポリアミドの量がこの範囲より多い場合は
経済的メリットがなくなり、湿度特性が悪化するばかり
でなく、積層した際フィルム同士の接着力が落ち剥離し
てしまうことがある。。好ましくは70重量%以下、よ
り好ましくは50重量%以下である。
【0031】また本発明のフィルムの表面のRa(中心
線平均粗さ)は10〜500nmが好ましく、より好ま
しくは30〜300nmである。この範囲より小さい
と、フィルムの取り扱い性が悪化しフィルムに傷がつき
絶縁欠陥が増大したり、機械特性なども悪化する。大き
過ぎると、フィルムの表面が凸凹になり過ぎて接着性が
悪くなる。
【0032】なお、以上の表面粗さを達成するには、無
機、有機の微粒子を添加し、添加量(0.05〜10重
量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい)や
粒径(平均粒径が0.005〜1.0μmが好ましく、
0.01〜0.8μmがより好ましい)、あるいは延伸
温度、延伸倍率を調節したりすることが有効である。
【0033】本発明のフィルムの少なくとも一方向の荷
重下(0.5kg/mm2 )の250℃の熱寸法変化率は5
0%以下が好ましい。50%より大きいと、積層シート
にした後、高温で張力がかかるような用途の場合使用に
耐えない。より好ましくは40%以下、さらに好ましく
は20%以下である。
【0034】本発明において得られるフィルムの少なく
とも一方向の250℃の熱収縮率は20%以下が好まし
い。より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%
以下である。20%より大きくなると、寸法安定性が悪
く実用に耐えない。また、少なくとも一方向の200℃
での熱収縮率は10%以下が好ましく、5%以下がより
好ましい。さらに、少なくとも一方向の300℃の熱収
縮率は30%以下が好ましく、20%以下がより好まし
い。また、少なくとも一方向の熱膨張係数は、5×10
-5/℃以下が好ましく、4×10-5/℃以下がより好ま
しい。5×10-5/℃を超えると、フレキシブル回路基
板用途での使用に耐えない。
【0035】フィルムの吸湿率は5%以下が好ましく、
より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下で
ある。5%より大きいと吸湿による寸法変化が大きくな
り実用に耐えない。また、少なくとも一方向の湿度膨張
係数は、5×10-5/%RH以下が好ましい。4×10
-5/%RH以下がより好ましい。
【0036】本発明のフィルムは少なくとも一方向の破
断伸度が10%以上が好ましい。より好ましくは15%
以上、さらに好ましくは20%以上である。10%未満
ではフィルムのハンドリング時や加工時にフィルム破れ
を起こし実用に耐えない。また、少なくとも一方向の強
度は5kg/mm2 以上が好ましく、より好ましくは7kg/
mm2 以上、さらに好ましくは9kg/mm2 以上である。少
なくとも一方向のヤング率は150kg/mm2 以上が好ま
しく、さらに好ましくは200kg/mm2 以上である。
【0037】本発明のフィルムの厚みは0.2〜200
μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。また、
本フィルムの密度は1.0〜1.5g/cm3 が好まし
く、1.1〜1.4g/cm3 がより好ましい。
【0038】また、本発明のフィルムの少なくとも一方
向の端裂抵抗は、0.05kg/μm以上が好ましい。
これ未満であるとフィルムのハンドリング時や加工時に
フィルム破れを起こし実用に耐えない。より好ましく
は、0.1kg/μm以上、さらに好ましくは、0.3
kg/μm以上である。
【0039】次に、本発明の耐熱フィルム製造方法につ
いて説明するが、これに限定されるものではない。
【0040】本発明の芳香族ポリアミドはジイソシアネ
ートとジカルボン酸、あるいはジ酸クロリドとジアミン
との反応で得られる。ジ酸クロリドとジアミンとからの
場合は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセト
アミドなどのアミド系極性溶媒中で、溶液重合したり、
水系媒体を使用する界面重合などで合成される。ジ酸ク
ロリドとジアミンを低水分のアミド系極性溶媒中で低温
下(通常50℃以下、好ましくは30℃以下)で1〜2
時間撹拌し重合される。モノマの添加順序は特に限定さ
れるものではない。重合後発生した塩酸を無機アルカリ
あるいは有機系の中和剤で中和する。また、ジイソシア
ネートとジカルボン酸との反応は、アミド系極性溶媒
中、触媒の存在下、通常は高温下(50〜200℃)で
行なわれる。これらのポリマ溶液はそのままブレンド用
原液にしてもよく、またポリマーを一度単離してから溶
媒に再溶解してブレンド用原液を調製してもよい。ブレ
ンド用原液には、溶解助剤として無機塩、例えば塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウムなどを添加する場合もあ
る。
【0041】耐熱性フィルムの機械的特性を向上させる
ためにはポリマの分子量を一定以上にしておく必要があ
り、この尺度としては固有粘度(ηinh )をもって表わ
すのが便利である。すなわち、固有粘度が、N−メチル
−2−ピロリドンに溶解する場合は、好ましくは1.0
〜10.0、より好ましくは1.5〜7.0である。
【0042】上記芳香族ポリアミドと可溶性樹脂とのブ
レンドの方法としては、芳香族ポリアミドと可溶性樹脂
のそれぞれのブレンド原液を別個に調製しその原液同士
をブレンドする方法、可溶性樹脂を溶解したアミド系極
性溶媒溶液を調整し、その中で前述した芳香族ポリアミ
ドの重合を行ない、重合とブレンドを同時に行なう方法
などが挙げられる。特に、芳香族ポリアミドと可溶性樹
脂のそれぞれのブレンド原液を別個に調製しその原液同
士をブレンドする場合、溶液の温度が25〜100℃、
好ましくは30〜80℃で、30分以上撹拌するのが好
ましい。これより低い温度や撹拌時間が十分でないとフ
ィルムにした時表面が荒れてしまう場合がある。そし
て、前述のように、フィルムの表面の粗さをコントロー
ルするために、無機、有機の微粒子を添加する。こうし
て得られた製膜原液から得られる見かけの固有粘度は
0.1〜8.0が好ましく、より好ましくは0.2〜
5.0である。溶液粘度は、自由に選べるが流延性の点
から5〜50000ポイズ/30℃が望ましく、10〜
20000ポイズが更に望ましい。樹脂濃度は1〜50
%が望ましく、5〜30%が更に望ましい。
【0043】この製膜原液は以下の方法でフィルムにす
る。まず、乾湿式法だが、ドクターナイフ、口金などに
よりフィルム状に支持体上に流延され、通常50〜25
0℃の範囲、より好ましくは60〜200℃で一定時間
乾燥される。50℃未満では溶媒の蒸発速度が遅く、2
50℃を越えると溶媒の突沸が起こりフィルムの品質の
低下をきたす。乾燥されたフィルムは支持体より剥離さ
れ、水系の媒体中へ浸漬または媒体を噴霧せられて無機
塩および溶媒が抽出される。水系の媒体とは、水を主成
分とする液体であり、ポリマに対しては貧溶媒である
が、無機塩やアミド系極性溶媒には親和性のある液体の
ことである。例えば、水単独、水と原液を構成している
アミド系極性溶媒との混合物、水とエチレングリコー
ル、アセトン、低級アルコールとの混合物が挙げられる
が、水の比率として少なくとも50%以上が脱塩・脱溶
媒速度や溶媒回収を考慮すると望ましい。また、湿式浴
の温度は通常5〜90℃が適当である。該湿式工程では
溶解助剤となる無機塩とアミド系極性溶媒が抽出される
訳であるが、該湿式工程終了直後のフィルム中で無機塩
残存量はポリマ当り3%以下、より好ましくは1%以下
がよい。アミド系極性溶媒の残存率は特に規定されない
が溶媒回収を考慮すれば出来るだけ抽出した方が有利で
ある。該湿式工程中のフィルムは水系媒体で膨潤した状
態にあるため湿式温度範囲での延伸が行いやすく最終フ
ィルムの機械特性向上のため、一般的に工程中で1.0
1〜5.0倍に縦方向に延伸される。湿式工程を終了し
たフィルムは、水系媒体の蒸発、アミド系極性溶媒の蒸
発のため加熱が行われる。この加熱工程では最終的に1
00℃以上、好ましくは200℃以上500℃以下の処
理が行なわれるが、50〜100℃で一旦水分を乾燥し
た後(水分量がフィルム重量に対して20重量%以下ま
で)、上記温度での加熱を行なうと、本発明の熱、機械
特性を有するフィルムが得られやすく好ましい。また、
該加熱工程では、横方向に1.01〜5.0倍延伸され
るが、100〜200℃で一旦1.05〜1.2倍延伸
した後、200〜500℃で延伸するという2段の延伸
を行なうと、本発明の表面特性を有するフィルムが得ら
れ易い。また必要に応じてリラックスなども行なわれて
も何ら問題はない。
【0044】次に、湿式法は、口金から直接、あるいは
一旦支持体上にフィルム上に成形して、水系(メタノー
ル、エタノールなどのアルコールを含んでいてもアルコ
ールだけでもよい)の媒体中に導入する方法である。多
量のアミド系極性溶媒などを含むため、水系の媒体中で
急激な無機塩やアミド系極性溶媒の置換が行われ最終フ
ィルムにボイドの発生あるいはフィルムの面荒れが起こ
りやすくなるために、前述の水系の媒体中に必要に応じ
て置換速度を制御するため無機塩、例えば、塩化カルシ
ウム、塩化リチウム、臭化リチウムなどが含有された
り、水槽を多段にして、水とアミド系極性溶媒・無機塩
の混合物などに濃度勾配を持たせたりする。乾湿式法同
様に本工程で縦方向に1.01〜5倍延伸してもよい。
湿式工程を終了したフィルムは乾湿式法と同様に加熱
(200〜500℃)と横方向の2段階の延伸(1.0
1〜5.0倍)が行われる。この加熱前に一旦50〜1
00℃で水分を乾燥するのが好ましく、熱ロールや熱風
によって行なわれ、場合により1.01〜5倍の縦延伸
も行なわれる。
【0045】次に、乾式法である。この方法は湿式法と
は逆に抽出工程を省いたプロセスであり、有機系溶媒を
使用し製膜原液中に溶解助剤である無機塩を含まないも
のに限って可能となる方法である。ドクターナイフや口
金より支持体上へ流延された原液は乾湿式法同様に乾燥
されて支持体から剥離され、支持体と加熱工程の間で縦
方向に1.01〜5.0倍延伸される。乾式工程を終了
したフィルムは乾湿式法と同様な加熱と延伸が行われ
る。以上のようにして本発明のフィルムを得ることがで
きる。
【0046】また、本発明の金属層とは、銅、アルミニ
ウム、鉄、亜鉛などの金属およびこれらの金属の合金か
らなり、厚さが1.2mm以下、好ましくは1mm以下
のものである。この金属層を構成するものとしては、金
属板や蒸着、スパッタ、メッキなどによる金属薄膜が挙
げられる。特に本発明の効果を最も発揮させるものとし
て金属板との張り合わせが好ましい。さらに上記の金属
板の表面に蒸着、メッキなどによって別の金属または合
金が積層加工されていたり、種々の表面処理加工がなさ
れているものを含む。
【0047】次に金属層の形成の方法であるが、上記の
ような蒸着、スパッタ、メッキなどは、公知の方法によ
り行なわれる。
【0048】また、フィルムと金属板との積層方法は以
下のようにして行なわれる。
【0049】上記のようにして得られた耐熱フィルムと
金属板とは、通常用いられている接着剤を用いるドライ
ラミネーションでも積層することができるが、本発明の
耐熱フィルムの場合、ただ単にフィルムと金属板とを積
層し熱圧着するだけで本発明の積層体を作製することが
できるという特徴がある。たとえば、温度150〜35
0℃、圧力1〜20kg/cm2 の条件でロールプレ
ス、熱板プレスなどによって行なう。耐熱フィルムの表
裏両方に金属板を、また逆に金属板の表裏両方に耐熱フ
ィルムを、あるいはフィルムと金属板を交互に4層以上
積層する場合は、1層ずつでも同時に積層してもよい。
この4層以上積層する場合の耐熱フィルムは、同じ組成
のフィルムでも異なるフィルムを積層してもよいし、フ
ィルムの積層する方向は、同じでも直交させてもあるい
はそれらの中間でもよく、用途によって選択できる。
【0050】以上のようにして得られた積層体の厚み
は、使用するフィルムの厚み、積層数により異なるが、
5μm〜5mmが好ましく、10μm〜2mmがより好
ましい。
【0051】[特性の評価法]なお、実施例中の特性の
測定法は以下の通りである。
【0052】(1)固有粘度(ηinh) 下式により、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として
0.5g/100ml、30℃の条件下にウベローデ型
粘度計を用いて測定した。
【0053】
【式1】
【0054】
【0055】(2)溶液粘度(ポイズ) 回転式B型粘度計(東京計器)を用い、温度30℃で測
定した。
【0056】(3)破断伸度、強度、ヤング率、F−5
値 TRS型引張り試験器で幅10mm、長さ50mm、引張り
速度300mm/分の条件で測定した。
【0057】(4)熱収縮率(%) 無荷重で所定の温度に設定したオーブン中で10分間加
熱後、室温にもどして寸法を測り、下式の計算式より算
出した。
【0058】
【式2】
【0059】
【0060】(5)吸湿率(%) 150℃、60分絶乾後と、75%RH中に48時間放
置後のフィルム重量を測定し、下記の計算式により算出
した。
【0061】
【式3】
【0062】
【0063】(6)熱膨張係数(α) 熱収縮や吸脱湿の影響を除くためフィルムを一旦150
℃まで加熱し、徐々に冷却していった時の80〜150
℃の領域における寸法変化から計算した。寸法変化量
は、熱機械分析計(TMA)によって測定した。
【0064】(7)湿度膨張係数(β) 恒温恒湿槽中で、脱湿時(約30%RH)と加湿時(約
80%RH)でそれぞれ平衡になった時のフィルム長を
読み取りその差(伸び量)を使い下式より求めた。
【0065】
【式4】
【0066】
【0067】ΔH:加湿時と脱湿時の湿度差(%RH) (8)荷重下の熱寸法変化率 荷重0.5kg/mm2 を掛けて温度250℃で10分間、
オーブン中に入れ、室温にもどして寸法を測り、下式の
計算式より算出した。
【0068】
【式5】
【0069】
【0070】(9)中心線平均粗さRa 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記の通りであり、20回の平均値
をもって値とした。
【0071】・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、中心線平均粗さRaの定義は、例えば、奈良治郎
著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、1
983)に示されているものである。
【0072】(10)端裂抵抗(kg/μm) JIS−C−2318 に準拠して測定し、厚み1μm
あたりに換算した。
【0073】(11)耐はんだ性 20mm角に切り出した試料を260℃±2℃のはんだ
浴に10秒間浮かべた後、取り出して全く変形が見られ
ないものを良好と判断した。
【0074】(12)接着性 耐はんだ性のテスト後のサンプルでフィルム同士の剥離
が全く見られないものを良好と判断した。
【0075】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明の実施態様を説
明するが、これに限定されるものではない。なお、以下
の実施例で用いた部は全て重量部を表わし、特性値で縦
方向と横方向で異なるものは平均した値を示した。
【0076】実施例1 (1)フィルムの製造 60mol%の2−クロロパラフェニレンジアミン(以
下CPAと略す)と40mol%の4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル(以下4,4'- DAEと略す)を、1
00mol%の2−クロロテレフタル酸クロリド(以下
CTPCと略す)とN−メチル−2−ピロリドン(以下
NMPと略す)中で20℃以下で反応させ、芳香族ポリ
アミドのNMP溶液を得た。この溶液を多量の水に投入
し、再沈・乾燥して粉体状のポリマを得た。このポリマ
25部をNMP200部に溶解させ、この中に別に調整
しておいたポリカーボネート25部を含むNMP溶液2
00部を加えて、40℃で4時間撹拌し、さらにサイロ
イド150(富士ディヴィソン化学)を0.2重量%
(トータルポリマ量に対して)添加してブレンド溶液を
得た。固有粘度は1.3であり溶液粘度は600ポイズ
であった。
【0077】この製膜用原液を、ステンレス製エンドレ
スベルト上に流延し、160℃の熱風によって自己支持
性を持つまで乾燥した。自己支持性を得たゲルフィルム
を連続的にベルトから剥離し、次にこれを水槽中へ導入
して溶媒の抽出と同時に縦方向に1.1倍延伸を行な
い、ステンターへ導いた。ステンターで定長下で、80
℃で水分を乾燥し、150℃で1.2倍横方向に延伸し
た後、さらに280℃で1.5倍(トータルで1.8
倍)横方向に延伸し、厚み14μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの破断伸度:25%、引張り強度:1
0kg/mm2 、ヤング率:450kg/mm2 、端裂抵抗:
0.52kg/μmであり、250℃、10分間の熱収
縮率:0.5%、250℃の荷重下(0.5kg/mm2
の熱寸法変化率:15%、熱膨張係数(α):2.1×
10-5/℃、吸湿率:1.0%、Ra:110nm、と
強靭で湿度特性、耐熱性、作業性に優れたフィルムであ
った。
【0078】(2)積層体の製造 以上のようにして得られたフィルムを15cm角に切り
出し、1オンス(35μm厚)の圧延銅箔と重ねて、2
80℃、10kg/cm2 、5分間熱プレスした。得ら
れた積層体の耐はんだ性は良好であり、フィルムと銅箔
との接着性も非常に優れたものであった。
【0079】実施例2 CPA70mol%、4、4’−ジアミノジフェニルス
ルホン(以下DASと略す)30mol%とCTPC5
0mol%,テレフタル酸クロリド(以下TPCと略
す)50mol%との反応後単離して得られた芳香族ポ
リアミドを35部を300部のNMPに溶かした溶液
と、ポリエーテルスルホン15部を含むNMP溶液10
0部をブレンドした。このブレンド溶液から、実施例1
と同様な方法でフィルムを作製した。得られたフィルム
は、厚み:22μm、引張り伸度:20%、引張り強
度:12kg/mm2 、ヤング率:440kg/mm2 、端裂抵
抗:0.40kg/μmであり、250℃、10分間の
熱収縮率:0.4%、250℃の荷重下(0.5kg/mm
2 )の熱寸法変化率:9%、吸湿率:1.2%、Ra:
115nm、と強靭で湿度特性、耐熱性、作業性に優れ
たフィルムであった。さらに、このフィルムと150μ
mのアルミ箔とを、300℃、15kg/cm2 のプレ
スロールで2層の積層体を作製したところ、耐はんだ
性、接着性とも良好であった。
【0080】実施例3 実施例1と同様な方法で、CPA90mol%、4,4'-
DAE10mol%とCTPC100mol%の反応か
ら得られる芳香族ポリアミド5部と、ポリカーボネート
45部を含むNMP溶液350部を調製した。溶液粘度
は、30℃で100ポイズであった。このブレンド原液
を、幅100mm、スリット0.1mmの口金から連続
的に水中に押し出し、水中で縦方向に1.05倍延伸
し、90℃で水分を乾燥した後、150℃で横方向に
1.2倍、さらに290℃で横方向に1.3倍延伸しな
がら加熱を行ない長尺のフィルムを得た。得られたフィ
ルムは、厚み:8μm、引張り伸度:29%、引張り強
度:14kg/mm2 、ヤング率:500kg/mm2 、端裂抵
抗:0.55kg/μmであり、250℃、10分間の
熱収縮率:0.3%、250℃の荷重下(0.5kg/mm
2 )の熱寸法変化率:8.8%、吸湿率:0.4%、R
a:90nm、と強靭で湿度特性、耐熱性、作業性に優
れたフィルムであった。さらに、このフィルムを用いて
実施例1と同様な方法で圧延銅箔と積層体を作製したと
ころ、耐はんだ性、接着性とも良好であった。
【0081】比較例1 ポリカーボネートのクロロホルム溶液に、サイロイド1
50を0.2重量%(ポリマ量に対して)添加して40
μmのフィルムを作製し、プレス温度を200℃に変え
た以外は実施例1と同様にして35μmの圧延銅箔と2
層積層したところ、作業性は問題無かったが、耐熱性に
乏しく耐はんだ性が著しく悪かった。
【0082】比較例2 CPA75mol%、DAE25mol%とCTPC1
00mol%とから得られた芳香族ポリアミドのNMP
溶液にアエロジルR972(日本アエロジル)を0.1
8重量%添加して作製した8μmのフィルムを、実施例
1と同様な方法で圧延銅箔と積層しようと試みたがフィ
ルムと銅箔とは接着せず、積層体を得られなかった。
【0083】
【発明の効果】本発明で得られる積層体は、接着層を介
在させていないため、その接着剤を塗布する工程などが
省略でき製造方法が容易であるため安価である。さら
に、接着層の劣化が積層体の特性を低下させることもな
い。
【0084】本発明の積層体フレキシブルプリント配線
基板、多層回路基板、金属ベース基板などの回路材料は
もとより、特に高周波に対する誘電特性の安定性を要求
される回路基板(例えば、デジタル記号の回路基板な
ど)に最適である。また、箔巻型のガストランスのコイ
ルや一般の工業材料に用いることができる。
【0085】また、アルミニウムなどの積層体は、耐熱
食品包装材または耐熱食器にも適している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドと可溶性樹脂とのブレ
    ンド樹脂からなる耐熱フィルムの少なくとも片面に、接
    着層を介することなく金属層が積層されてなる積層体で
    あって、該芳香族ポリアミドの量がブレンド樹脂の5重
    量%以上90重量%以下の範囲である耐熱フィルムを用
    いたことを特徴とする積層体。
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