JP2979403B1 - リライトプリンタ型カード発行機 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 自動販売機などの店先に設置し貨幣等の投入
で、感熱記録式リライトカードに印字して需要者に供与
するリライトプリンタ型カード発行機で、小形、軽量低
廉化と、各部を移送される印字カードの速度と稼動周期
の整合性を向上する。 【解決手段】 カード繰り出し部１１の下積み印字カー
ドＰＣが、隣設のリライトプリンタ部１２のカード搬送
路ＰＬに送出されて、印字処理後に取り出し口１２ｃか
ら排出される。唯一の駆動源１３に双方向へ回転軸１３
ａを突出した位置制御用モータ１３Ａを用い、その一軸
端１３ｂからカード繰り出し用動力伝導部１４を介して
カード繰り出し駆動機構１５へ回転を伝達し、他軸端１
３ｃからはカード搬送用動力伝導部１６を介してカード
搬送駆動機構１２Ａへ回転を伝達する。これでカード繰
り出し部１１とリライトプリンタ部１２における印字カ
ードＰＣの各移送速度と稼動周期との整合性が高精度に
保持し易くなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動販売機などの
店先に設置して用いられ、重積貯蔵の感熱記録式リライ
トカードに対して、所要の印字が施された後、これが貨
幣等を投入した需要者側へ一枚宛排出供与されるリライ
トプリンタ型カード発行機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種のリライトプリンタ型カード
発行機としては、図４に示す如き横長式のものと、図５
のように縦長式のものとが知られている。図４の第１従
来例によるときは、従前から用いられているカード繰り
出し装置１と、これまた既知のリライトプリンタユニッ
ト２とを直列状態にて横向きに連設する際、当該両者
１、２の間に、カード送り込み装置３を介設するように
している。

【０００３】そこで上記のものを稼動させれば、カード
繰り出し装置１におけるカード収納部１ａには、印字カ
ード４が多数枚重積されているが、カード繰り出し用モ
ータ１ｂによって回動されるカード繰り出し用ローラ１
ｃの回転により、下積み印字カード４を前記のカード送
り込み装置３へ送り出すことになる。このカード送り込
み装置３にあっては、カード送り込み用モータ３ａによ
り駆動される一対の中間搬送ローラ３ｂ間に導入された
上記の印字カード４が、挟持状態で繰り出され、これに
よりリライトプリンタユニット２のカード搬送路２ａへ
送り込まれる。

【０００４】リライトプリンタユニット２に送入されて
来た印字カード４は、既知の如く、カード搬送用モータ
２ｂを駆動源として稼動している当該リライトプリンタ
ユニット２の後側搬送ローラ２ｃにより、次段の加熱処
理機構２ｄに送致され、ここで印字カード４は印字消去
処理を受け、さらに、その前側に設けられたサマーヘッ
ド２ｅにより印字処理が施される。さらにこの印字カー
ド４は次段の前側搬送ローラ２ｆによって、最前方の取
り出し口２ｇから排出され、これにより需要者側へ提供
されることになる。

【０００５】上記のリライトプリンタ型カード発行機に
対し、図５に例示の第２従来例では、カード繰り出し装
置１が上位に配設され、その側傍にカード送り込み装置
３を付設すると共に、これら両者１、３の下位にあって
リライトプリンタユニット２を配設し、さらに上記のカ
ード送り込み装置３とリライトプリンタユニット２と
を、縦長に形成した縦装連結ユニット５によって連設す
るようにしている。

【０００６】このリライトプリンタ型カード発行機によ
るときは、カード送り込み装置３におけるカード送り込
み用モータ３ａの稼動により、カード繰り出し装置１に
おけるカード繰り出し機構１ｄを駆動して、カード収納
部１ａの下積みである印字カード４を、カード送り込み
装置３へ送出し、当該印字カード４をカード繰り出し用
ローラ１ｃによって次段の縦装連結ユニット５に導入す
るのである。この縦装連結ユニット５には、コ字状に曲
成の縦装カード搬送路５ａが形成され、これには駆動ロ
ーラ５ｂと従動ローラ５ｃとに巻装された搬送ベルト５
ｄ、そして駆動ローラ５ｂに転接された上位第１ローラ
５ｅと上位第２ローラ５ｆ、さらに従動ローラ５ｃに転
接された下位第１ローラ５ｇと下位第２ローラ５ｈが臨
装配設され、上記駆動ローラ５ｂが、カード変向搬送用
モータ５ｉによって駆動されるようになっている。

【０００７】従って、上記の如く縦装連結ユニット５に
対し横向状態にて縦装カード搬送路５ａへ送出されて来
た印字カード４は、駆動ローラ５ｂと上位第１、第２ロ
ーラ５ｅ、５ｆにより挟送されて、湾曲しながら縦装カ
ード搬送路５ａ内を、搬送ベルト５ｄにより下降搬送さ
れ、さらに従動ローラ５ｃと下位第１、第２ローラ５
ｇ、５ｈにより湾曲しながら横向きに進行し、リライト
プリンタユニット２内に送り込まれる。さらに当該印字
カード４は、カード搬送用モータ２ｂの稼動により、図
４により説示したと同様にして印字処理を完了した後、
取り出し口２ｇから排出されるに至る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記の図４による横長
な第１従来例によるときは、駆動源としてカード繰り出
し用モータ１ｂとカード送り込み用モータ３ａ、さらに
カード搬送用モータ２ｂを設置しなければならないの
で、可成り重くなるばかりか、特にカード送り込み装置
３がカード繰り出し装置１とリライトプリンタユニット
２との間に介設されることになるため、機器全体として
の奥行きが、どうしても３５ｃｍ程度となってしまう。
この結果、自動販売機等の店先に設置する場合には、実
際上２５ｃｍ内に収めなければならないことから、この
ような需要を充足し得ないこととなる。また前記の如く
複数のモータを用いることから、高価につくだけでなく
カード収納部１ａから送り出される印字カード４の繰り
出し速度と、カード送り込み装置３における印字カード
４の送り出し速度、そしてリライトプリンタユニット２
における当該印字カード４の搬送速度との整合精度を上
げることが難事となる欠陥を有することとなる。

【０００９】これに対し、前記図５による縦長とした第
２従来例によるときは、これまた駆動源としてカード送
り込み用モータ３ａとカード変向搬送用モータ５ｉ、さ
らにカード搬送用モータ２ｂを用いていることから、第
１従来例と同じく重量、価格、各部における印字カード
４の移送速度に不整合が生じ易くなり、また縦装連結ユ
ニット５の縦装付設によりコスト高となるだけでなく、
印字カード４が湾曲状態で移送されるため、その耐久性
が低下する等の欠陥がある。さらに重要なことは、上記
の構成から理解される通り、カード繰り出し装置１とリ
ライトプリンタユニット２とが縦装されていることか
ら、その奥行きが第１従来例に比し短縮されるものの、
その高さが可成り大となり、この点から需要を充足し得
なくなるということである。

【００１０】そこで本願に係る請求項１にあっては、上
記従来の諸欠陥につき検討した結果、機本体にあってカ
ード繰り出し部とリライトプリンタユニット部とを横隣
りに連設して、２５ｃｍ程度の奥行寸法での製作を可能
とし、機本体の下位側にあって複数のモータを設置する
ことなく、一機のステッピングモータ（ステップモータ
・パルスモータ）またはエンコーダ付ＤＣモータのみを
配設し、しかも、その回転軸を双方から突設するように
して、その高さも前記の第２従来例に比し大幅に低くす
ることを可能にしようとしている。

【００１１】しかも当該請求項１では、上記回転軸の一
軸端の回転を、カード繰り出し用動力伝導部を介してカ
ード繰り出し駆動機構に伝動させ、当該回転軸の他軸端
の回転を、カード搬送用動力伝導部を介してカード搬送
駆動機構に伝動させることにより、印字カードの繰り出
し速度とリライトプリンタ部における搬送速度を高精度
にして容易に整合可能とし、かつ、カード繰り出し駆動
機構とカード搬送駆動機構の各稼動周期を、容易にして
高い信頼性をもって整合し得るようにするのが、その目
的である。

【００１２】請求項２では、上記請求項１における上記
したカード繰り出し用動力伝導部を歯車により構成し、
かつカード繰り出し搬送駆動機構については、スライド
クランク機構を採択すると共に、カード収納部の下積み
印字カードを係止爪部によって押動し、かつゲートを介
して送出することで、誤って複数枚の印字カードが繰り
出されないようにして前記請求項１の目的を、より高い
信頼性をもって達成しようとしている。

【００１３】そして請求項３では、同じく請求項１にお
いて、上記のカード繰り出し搬送駆動機構を、ソレノイ
ドと、これにより昇降動自在としたカード繰り出し用ロ
ーラとによって構成することにより、簡潔な構成によっ
て同じく請求項１の目的を安価にして軽量に誤作動なく
達成できるようにしている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本願の請求項１にあって
は、上記の目的を達成するため機本体にはカード繰り出
し部と、これに横向隣設のリライトプリンタ部と、これ
ら各部を稼動させる一つの駆動源とが具備され、カード
繰り出し部におけるカード収納部に重積状態にて収納さ
れた印字カードを、下積みのものから順次カード繰り出
し部の稼動により、上記横向隣設のリライトプリンタ部
におけるカード搬送路へ送り出し、当該リライトプリン
タ部の稼動により上記印字カードを搬送することによ
り、当該カード搬送路に臨設の加熱処理機構による印字
消去処理と、サーマルヘッドによる印字処理との双方ま
たは当該印字処理のみを、この印字カードに施し、当該
印字処理完了の印字カードが、リライトプリンタ部の取
り出し口から排出される稼動行程を具有し、前記機本体
の下位側には、前記駆動源として回転軸が双方向へ突出
されたステッステッピングモータまたはエンコーダ付Ｄ
Ｃモータを、その回転軸線が前記のカード搬送路と直交
状となるよう固設し、当該ステッピングモータまたはエ
ンコーダ付ＤＣモータにおける一軸端の回転が、カード
繰り出し用動力伝導部を介して前記カード繰り出し部を
稼動するカード繰り出し駆動機構に伝動され、同上ステ
ッピングモータまたはエンコーダ付ＤＣモータにおける
他軸端の回転が、カード搬送用動力伝導部を介して前記
リライトプリンタ部を稼動するカード搬送駆動機構に伝
動され、上記カード繰り出し用動力伝導部とカード搬送
用動力伝導部の各出力側回転速度の選定より、印字カー
ドの繰り出し速度と搬送速度、そしてカード繰り出し駆
動機構とカード搬送駆動機構との稼動周期が夫々整合さ
れるようにしたことを特徴とするリライトプリンタ型カ
ード発行機を提供しようとしている。

【００１５】そして請求項２では、請求項１においてカ
ード繰り出し用動力伝導部は歯車の噛合による歯車群に
より構成され、カード繰り出し駆動機構は、カード繰り
出し用動力伝導部の出力側回転部の腕杆と、機本体に固
設の直杆軸に被嵌された滑子体とを連枢した連枢杆とか
らなり、上記出力側回転部の回転により直杆軸を往復運
動する滑子体には、当該滑子体の往動に際しカード収納
部の下積みである印字カードを、その外側端縁に係当す
ることで、リライトプリンタ部のカード搬送路へ送り込
み可能とした係止爪部を設けると共に、カード収納部の
リライトプリンタ部側における送出用壁には、ゲート部
材を設けて、カード搬送路におけるカード受承板との間
に、印字カードの複数枚通過を阻止するゲートが形成さ
れていることを、その内容としている。

【００１６】さらに請求項３の場合には、これまた請求
項１においてカード繰り出し駆動機構は、ステッピング
モータまたはエンコーダ付ＤＣモータの稼働時に所定長
だけ上下動するソレノイドと、当該ソレノイドに、カー
ド繰り出し用動力伝導部により回転自在なるよう連設さ
れたカード繰り出し用ローラとを具備し、ステッピング
モータまたはエンコーダ付ＤＣモータの始動とソレノイ
ドの上動により、回転稼動のカード繰り出し用ローラを
カード収納部の下積みである印字カードに当接して、当
該印字カードをリライトプリンタ部のカード搬送路へ送
出自在となし、当該送り込み完了時には、ソレノイドを
下動して復動させるようにしたことを、その内容として
いる。

【００１７】

【発明の実施の形態】本願請求項１の発明につき図１な
いし図３を参照して以下詳記すると、前記従来例として
説示した内容から理解される通り基本的構成には相通ず
るところを有している。すなわち、機本体１０には、カ
ード繰り出し部１１とリライトプリンタ部１２とが、介
在物なしに直接横向隣設されていると共に、これらの各
部１１、１２を稼動させるため一つの駆動源１３が具備
されている。そして上記カード繰り出し部１１における
カード収納部１１ａには、何百枚といった多数の感熱記
録式リライトカードである印字カードＰＣを重積状態で
収納するが、当該印字カードＰＣは、下積みのものから
順次カード繰り出し部１１によって、上記した横向隣設
のリライトプリンタ部１２におけるカード搬送路ＰＬへ
送り出される。そしてこの印字カードＰＣは、当該カー
ド搬送路ＰＬにあって臨設された後述するカード搬送駆
動機構１２Ａにおいて、その加熱処理機構１２ａによる
印字消去処理と、サーマルヘッド１２ｂによる印字処理
との双方または、後者である印字処理のみを受け、当該
印字処理完了の印字カードＰＣが、リライトプリンタ部
１２の取り出し口１２ｃから排出されることとなる稼動
行程を有しており、このことは従来例として説示のもの
と実質的に同様である。

【００１８】本発明にあっては、前記した一つの駆動源
１３として既知の如く駆動パルスに応じて正確に回転さ
せ、これにより位置制御ができるステッピングモータま
たはモータに直結されたエンコーダからの信号をフィー
ドバックすることで、位置制御が可能となるようにした
エンコーダ付ＤＣモータ１３Ａを用いるようにし、しか
もその回転軸１３ａが双方向へ突出しており、当該回転
軸１３ａの回転軸線Ｘ−Ｘが、前記のカード搬送路ＰＬ
と直交状となるように、前記の如く機本体１０にあっ
て、その下位側に固設してある。さらに、上記ステッピ
ングモータまたはエンコーダ付ＤＣモータ（以下位置制
御用モータと仮称）１３Ａにおける回転軸１３ａの一軸
端１３ｂの回転が、カード繰り出し用動力伝導部１４を
介して、前記したカード繰り出し部１１を稼動すること
となるカード繰り出し駆動機構１５に伝動されるよう構
成されている。

【００１９】そして位置制御用モータ１３Ａの回転軸１
３ａにあって、反対側である他軸端１２ｃの回転は、カ
ード搬送用動力伝導部１６を介して、前記したリライト
プリンタ部１２を稼動することとなるカード搬送駆動機
構１２Ａに伝動されるよう構成されている。ここで、さ
らに詳記すると図１と図２によって理解される通り、上
記したカード繰り出し用動力伝導部１４は、請求項２に
よって明示の如く歯車の噛合による歯車群１４Ａにより
構成するのが望ましい。図示例ではカード繰り出し駆動
機構１５として、スライドクランク機構を活用するよう
にし、カード繰り出し用動力伝導部１４の回転を、カー
ド繰り出し駆動機構１５としてのスライドクランク機構
によって直線往復運動に変換し、当該運動により前記の
下積みである印字カードＰＣを、リライトプリンタ部１
２のカード搬送路ＰＬへ繰り出し得るようにしている。

【００２０】すなわち、上記の一軸端１３ｂに軸着した
第１歯車１４ａは、順次第２歯車１４ｂ、第３歯車１４
ｃ、第４歯車１４ｄに噛合されて前記の歯車群１４Ａを
構成しており、当該第４歯車１４ｄが、カード繰り出し
用動力伝導部１４の出力側回転部Ｒを構成しており、こ
れとスライドクランク機構によるカード繰り出し駆動機
構１５とが以下のようにして連結されている。上記の第
４歯車１４ｄには、その外側面における外周側にあっ
て、カード繰り出し駆動機構１５としての腕杆１５ａ
が、外側に向けて突設され、一方機本体１０にあってカ
ード収納部１１ａの下位には、カード搬送方向Ｄに併行
して直杆軸１５ｂが設けられており、この直杆軸１５ｂ
に被嵌された滑子体１５ｃと、上記の腕杆１５ａとに
は、連枢杆１５ｄの各端が連枢されることにより、前記
の如くスライドクランク機構が構成されている。

【００２１】従って、位置制御用モータ１３Ａが稼動し
て第４歯車１４ｄが回転すれば、この回転運動が連枢杆
１５ｄを介して直杆軸１５ｂに被嵌された滑子体１５ｃ
の直線的な往復運動に変換され、これにより、図２によ
って理解されるように、第４歯車の一回転によって滑子
体１５ｃが、カード搬送方向Ｄに添って一往復すること
になる。そして、この際請求項２に記載の通り滑子体１
５ｃには、係止爪部１５ｅが立設されており、図示例で
は係止爪部１５ｅの上端にあって、リライトプリンタ部
１２側を低く形成した係当テーパ面１５ｆが傾設されて
いる。そして滑子体１５ｃの往復に際して、カード収納
部１１ａにおける下積の印字カードＰＣを、その外側端
縁ＰＣ１が上記の係当テーパ面１５ｆにより押動される
ことにより、リライトプリンタ部１２のカード搬送路Ｐ
Ｌへ送り込むことができるようにしてある。さらに、上
記の如き押動に際して印字カードが一度に２枚以上送出
されてしまうことを防止するため、カード収納部１１ａ
における上端開口の収納ケース１１ｂにあって、そのリ
ライトプリンタ部１２側における送出用壁１１ｃには、
ゲート部材１１ｄを設けることで、カード搬送路ＰＬを
形成しているカード受承板Ｐと、ゲート部材１１ｄとの
間に、印字カードＰＣの複数枚通過を阻止するゲート１
１ｅが離間形成されている。

【００２２】そして、上記のカード受承板Ｐは、図１に
より明示の如くカード繰り出し部１１から、リライトプ
リンタ部１２にわたって敷き設されており、従って当然
のことながら、当該カード受承板Ｐには、その幅方向中
央箇所にあって図１に明示の切除通口１１ｆが開成さ
れ、前記の滑子体１５ｃに立設された係止爪部１５ｅ
が、切除通口１１ｆから上方へ突出した状態にて、同図
にあって左右動自在なるよう構成されている。

【００２３】ここで、位置制御用モータ１３Ａの回転軸
１３ａにおける他軸端１３ｃの回転が伝達される前記の
カード搬送用動力伝導部１６について説示すると、図示
例では第１〜第４プーリ１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６
ｄと第１、第２回装タイミングベルト１６ｅ、１６ｆや
歯車群１６ｇにより構成したものが開示されているが、
その他適宜のものを採択することができる。さらにこの
カード搬送用動力伝導部１６を介して回転駆動される前
記カード搬送駆動機構１２Ａも、前記従来例と同様であ
り、図中１２ｄは前記の加熱処理機構１２ａの受熱用ロ
ーラ、１２ｅは隣設の前記サマーヘッド１２ｂに対する
印字用プラテンローラを示している。さらに１２ｆと１
２ｇは夫々後側搬送ローラと前側搬送ローラで、これら
の各後側受承ローラ１２ｈと前側受承ローラ１２ｉそし
て上記した受熱用ローラ１２ｄと印字用プラテンローラ
１２ｅは、何れもカード搬送用動力伝導部１６により回
転駆動されると共に、前記のカード受承板Ｐからカード
搬送路ＰＬ内へ回転自在なるよう突出されている。ここ
で図示の１２ｊ、１２ｋ、１２ｍは既知の通りカード搬
送路Ｐを搬送されて来た印字カードＰＣの位置を検知し
て、図示されていない電気制御部により、当該印字カー
ドＰＣを停止そして発進させ、適時前記の印字消去処理
や印字処理等を行い得るようにした位置検知センサを示
している。

【００２４】本発明では、上記のように位置制御用モー
タ１３Ａの一軸端１３ｂに連結のカード繰り出し用動力
伝導部１４と、他軸端１３ｃに連結したカード搬送用動
力伝導部１６を適切に構成して、夫々の各出力側回転速
度を所定値に設定し、これにより印字カードＰＣの繰り
出し速度搬送速度とを整合させるようにしてあるので、
当該整合が容易にして、かつ高精度になし得ることにな
り、この結果、不整合による支障の生じないものを提供
できることになる。しかもカード繰り出し駆動機構１５
の稼動周期と、カード搬送駆動機構１２Ａの稼動周期と
を、これまた夫々整合させるよう構成するが、当該整合
もカード繰り出し用動力伝導部１４とカード搬送用動力
伝導部１６の出力側回転速度が、高精度に整合し得るこ
とを前提として行い得ることとなることから、印字カー
ドＰＣがリライトプリンタ部１２の取り出し口１２ｃか
ら排出されるのと同期して、カード搬送駆動機構１２Ａ
を始動待機状態に復動させ得ることになり、円滑な発行
機の稼動が保証される。

【００２５】以上は、請求項１と、そのカード繰り出し
用動力伝導部１４とカード繰り出し駆動機構１５を、図
１、図２に開示されたスライドクランク機構により構成
するようにした請求項２について説示した。ここで、さ
らに上記請求項１において、そのカード繰り出し駆動機
構１５を別構成のものとした請求項３について以下説示
する。図３に開示のカード繰り出し駆動機構１５は、前
記の位置制御用モータ１３Ａの稼動時に通電されて、所
定長だけ上下動自在としたソレノイド１５ｇを具備し、
当該ソレノイド１５ｇには、その上位にあってカード繰
り出し用ローラ１５ｈが回転自在なるよう連設され、図
中１５ｉはカード繰り出し用ローラ１５ｈの回転軸心を
示している。

【００２６】上記カード繰り出し用ローラ１５ｈは、前
記した位置制御用モータ１３Ａの稼動により、カード繰
り出し用動力伝導部１４を介して動力の伝達を受け、矢
印Ａ方向へ回転するよう構成されており、ここに開示の
カード繰り出し用動力伝導部１４は、位置制御用モータ
１３Ａの回転軸１３ａにあって、その一軸端１３ｂに設
けた駆動プーリ１４ｅと、上記カード繰り出し用ローラ
１５ｈの従動プーリ１４ｆとの間に、カード繰り出し用
回装タイミングベルト１４ｇを係回することで構成され
ている。

【００２７】上記構成のカード繰り出し駆動機構１５に
よるときは、位置制御用モータ１３Ａの始動により回転
されるカード繰り出し用ローラ１５ｈが、ソレノイド１
５ｇによる上動により、カード収納部１１ａにおける下
積みの印字カードＰＣに当接する。このことにより当該
印字カードＰＣは、リライトプリンタ部１２のカード搬
送路ＰＬへ送り込まれて、後側搬送ローラ１２ｆにより
搬送されて行く。そして、この印字カードＰＣが前記の
通り取り出し口１２ｃから排出されたときには、ソレノ
イド１５ｇは、既に下動して原位置に復帰していると共
に、カード繰り出し用ローラ１５ｈの回転も停止するこ
ととなる。

【００２８】

【発明の効果】本願請求項１に係るリライトプリンタ型
カード発行機によるときは、カード繰り出し部とリライ
トプリンタ部との間に介在物なく隣設されているので、
その奥行きを２５ｃｍ程度に納め得ると共に、これら各
部の下位に駆動源が一機だけ取着されているので、全体
の高さも比較的低いものとなり、各種の要請に対応可能
な発行機を提供でき、しかも一機の駆動源となるので軽
量化とコスト削減とが可能となる。さらに本発明では上
記の駆動源として双方向へ回転軸を突出した位置制御用
モータを採択するようにし、しかも回転軸の一軸端か
ら、カード繰り出し用動力伝導部を介してカード繰り出
し駆動機構へ回転を伝達し、他軸端からは、カード搬送
用動力伝導部を介してカード搬送駆動機構へ回転を伝達
するよう構成されているから、カード繰り出し部の印字
カード繰り出し速度とリライトプリンタ部における印字
カードの搬送速度が、容易に高い精度で整合させ得ると
共に、カード繰り出し駆動機構とカード搬送駆動機構と
の各稼動周期も、容易にしかも高精度に整合可能とな
り、その信頼性を向上することができる。

【００２９】さらに、請求項２にあっては上記請求項１
において、そのカード繰り出し駆動機構をスライドフラ
ンク機構により構成すると共に、これには係止爪部を設
け、カード収納部にゲートを形成することで、請求項１
の効果を確実なものとしている。また請求項３では、同
じく請求項１におけるカード繰り出し駆動機構をソレノ
イドとカード繰り出し用ローラにより構成することで、
請求項１の前記効果につき、その信頼性を向上すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るリライトプリンタ型カード発行機
の横断して示した略示平面図である。

【図２】図１に係る同上発行機の縦断して示した略示側
面図である。

【図３】本発明の請求項３に係るリライトプリンタ型カ
ード発行機の横断して示した略示側面図である。

【図４】リライトプリンタ型カード発行機に係る第１従
来例を示した略示側面説明図である。

【図５】同上発行機に係る第２従来例を示した略示側面
説明図である。

【符号の説明】

１０ 機本体 １１ カード繰り出し部 １１ａ カード収納部 １１ｃ 送出用壁 １１ｄ ゲート部材 １１ｅ ゲート １２ リライトプリンタ部 １２Ａ カード搬送駆動機構 １２ａ 加熱処理機構 １２ｂ サーマルヘッド １２ｃ 取り出し口 １３ 駆動源 １３Ａ ステッピングモータまたはエンコーダ付ＤＣモ
ータ １３ａ 回転軸 １３ｂ 一軸端 １３ｃ 他軸端 １４ カード繰り出し用動力伝導部 １４Ａ 歯車群 １５ カード繰り出し駆動機構 １５ａ 腕杆 １５ｂ 直杆軸 １５ｃ 滑子体 １５ｄ 連枢杆 １５ｅ 係止爪部 １５ｇ ソレノイド １５ｈ カード繰り出し用ローラ １６ カード搬送用動力伝導部 Ｐ カード受承板 ＰＣ 印字カード ＰＣ１ 外側端縁 ＰＬ カード搬送路 Ｒ 出力側回路部 Ｘ−Ｘ 回転軸線

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機本体にはカード繰り出し部と、これに
   横向隣設のリライトプリンタ部と、これら各部を稼動さ
   せる一つの駆動源とが具備され、カード繰り出し部にお
   けるカード収納部に重積状態にて収納された印字カード
   を、下積みのものから順次カード繰り出し部の稼動によ
   り、上記横向隣設のリライトプリンタ部におけるカード
   搬送路へ送り出し、当該リライトプリンタ部の稼動によ
   り上記印字カードを搬送することにより、当該カード搬
   送路に臨設の加熱処理機構による印字消去処理と、サー
   マルヘッドによる印字処理との双方または当該印字処理
   のみを、この印字カードに施し、当該印字処理完了の印
   字カードが、リライトプリンタ部の取り出し口から排出
   される稼動行程を具有し、前記機本体の下位側には、前
   記駆動源として回転軸が双方向へ突出されたステッピン
   グモータまたはエンコーダ付ＤＣモータを、その回転軸
   線が前記のカード搬送路と直交状となるよう固設し、当
   該ステッピングモータまたはエンコーダ付ＤＣモータに
   おける一軸端の回転が、カード繰り出し用動力伝導部を
   介して前記カード繰り出し部を稼動するカード繰り出し
   駆動機構に伝動され、同上ステッピングモータまたはエ
   ンコーダ付ＤＣモータにおける他軸端の回転が、カード
   搬送用動力伝導部を介して前記リライトプリンタ部を稼
   動するカード搬送駆動機構に伝動され、上記カード繰り
   出し用動力伝導部とカード搬送用動力伝導部の各出力側
   回転速度の選定より、印字カードの繰り出し速度と搬送
   速度、そしてカード繰り出し駆動機構とカード搬送駆動
   機構との稼動周期が夫々整合されるようにしたことを特
   徴とするリライトプリンタ型カード発行機。
2. 【請求項２】 カード繰り出し用動力伝導部は歯車の噛
   合による歯車群により構成され、カード繰り出し駆動機
   構は、カード繰り出し用動力伝導部の出力側回転部の腕
   杆と、機本体に固設の直杆軸に被嵌された滑子体とを連
   枢した連枢杆とからなり、上記出力側回転部の回転によ
   り直杆軸を往復運動する滑子体には、当該滑子体の往動
   に際しカード収納部の下積みである印字カードを、その
   外側端縁に係当することで、リライトプリンタ部のカー
   ド搬送路へ送り込み可能とした係止爪部を設けると共
   に、カード収納部のリライトプリンタ部側における送出
   用壁には、ゲート部材を設けて、カード搬送路における
   カード受承板との間に、印字カードの複数枚通過を阻止
   するゲートが形成されている請求項１記載のリライトプ
   リンタ型カード発行機。
3. 【請求項３】 カード繰り出し駆動機構は、ステッピン
   グモータまたはエンコーダ付ＤＣモータの稼働時に所定
   長だけ上下動するソレノイドと、当該ソレノイドに、カ
   ード繰り出し用動力伝導部により回転自在なるよう連設
   されたカード繰り出し用ローラとを具備し、ステッピン
   グモータまたはエンコーダ付ＤＣモータの始動とソレノ
   イドの上動により、回転稼動のカード繰り出し用ローラ
   をカード収納部の下積みである印字カードに当接して、
   当該印字カードをリライトプリンタ部のカード搬送路へ
   送出自在となし、当該送り込み完了時には、ソレノイド
   を下動して復動させるようにした請求項１記載のリライ
   トプリンタ型カード発行機。