JP2979067B2 - クラック注入工法 - Google Patents

クラック注入工法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、地下コンクリート構造物等に発生したクラ
ックからの漏水の補修のために注入剤を前記クラック部
分に注入して止水を計る工法に関する。
〔従来の技術〕
たとえば道路トンネル、地下鉄、地下商店街、地下通
路等の地下コンクリート構造物は地下空間の開発ととも
に年々増加している。
また、近年都市等においては、地上利用の過密化に伴
い、大深度地下開発構想が提唱されている。
一般に、地下構造物は地下水位以下に構築される場合
が普通であるため、古い地下構造物の維持管理上の問題
として地下水による漏水の問題がある。
この漏水は、地下構造物のコンクリート部材に発生し
たクラック等によるものであり、クラックの発生原因と
しては過大応力の他、コンクリートの中性化、アルカリ
骨材反応、地下水中の酸の影響による劣化または地震等
による異常発生外力等が挙げられる。
クラックの発生は、コンクリート構造物設計・施工時
において、発生応力の低減、あるいはコンクリート配合
等に対する配慮により、ある程度は防止することはでき
るが、完全にその発生を防止することはできない。その
ため、有効なクラック補修工法の開発が望まれている。
従来、地下構造物のコンクリート部材におけるクラッ
ク補修方法としては、主に裏込め注入工法およびクラッ
ク注入工法がある。
前者の裏込め注入工法は、第6図のように、コンクリ
ート部材50に発生したクラック51部分に、コンクリート
部材50を貫通して形成した注入孔52内に配設した注入管
53により通常は薬液系の裏込め部材54をかなり広い範囲
にわたって注入し、この裏込め材54により、そのコンク
リート部材50の補強とともに、クラック51の背面(コン
クリート部材の背面)を裏込め材54により覆うことで止
水を図る工法である。
一方、後者のクラック注入工法は、第7図および第8
図に示されるように、漏水クラック51に沿って、Vカッ
ト55を施し、水に漏水クラック51部分に注入がなされる
ように注入管56を所定の間隔を置いて取付けて、Vカッ
ト55部分を急結セメントなどからなる止水セメント57等
によりシールした後、注入管56より止水剤を注入する工
法である。
また、止水セメント57は、注入管56により注入される
止水剤がクラック部分より逆流出しないよう閉止すると
ともに、施工完了後においては充填止水剤として機能す
る。
他方、クラック注入工法における止水剤としては、エ
ポキシ系やウレタン系などの有機系の他、無機系など多
種のものがあるが、たとえばエポキシ系タイプの2液型
を使用した場合には、図示されているように主剤と硬化
剤とをY字型注入管路を用い、中間で合流させて注入を
行う1.5ショット方式が用いられる。この方式では、ク
ラックの奥深くまで浸透させるために注入時間として3
〜5hr程度が必要とされ、このために硬化時間が同程度
に長い止水剤が採用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記従来のクラック補修方法によって
は、完全に地下水の漏水を遮断することはできないかま
たはきわめて困難であった。
具体的には、前者の裏込め注入工法の場合には、特に
地下水Wの流れがあると裏込め注入剤が、地下水Wの流
れに押し流されて地盤中に逸走していまい、第6図のよ
うに、クラック51発生部分の背面全体を確実に覆うこと
は困難であり、裏込め材で被覆されない部分が生じ、そ
こから漏水を生じることがある。さらに、かかる事態を
可能な限り避けるために、従来の方式では、裏込め材を
多量に用いるため、材料費が嵩むばかりでなく、地下水
の流れを乱す原因となることが多く、もって他の箇所に
悪影響を及ぼすという問題点を有する。
また、後者のクラック注入工法の場合には、クラック
51を可能な限り拡げないとの考えの下で、 前面側から注入剤を注入するものであって、低圧で長
時間かけて注入することが必要である。このため、施工
完了まで長時間要し、クラック51の奥深い部分にまで充
分に止水剤を注入することが困難であり、特に細いクラ
ックの場合には、完全に止水を図ることはできなかっ
た。
また、浸透性を重視する場合には、注入する止水剤と
してセメント系のものを用いることはできず、樹脂系の
ものを用いる必要がある。樹脂系の止水剤は、価格が高
く、コンクリート部材との馴染みが悪く、長期的には再
度の補修が必要となるなどの難点もある。
したがって、本発明の課題は、地下構造物に発生した
クラック等を止水剤により直接的に確実に塞ぎ、地下水
による漏水を完全に遮断しうる止水工法を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、地下コンクリート構造物のコンクリート
部材に発生したクラックまたはその近傍に、そのクラッ
クと少なくとも一部が連通する注入孔を削孔し、この注
入孔に、 内管と外管とからなる2重管構造であって、外管の先
端部とその先端部より基端側の位置とに、内管と外管と
の間の間隙流路を通る流体圧によって膨縮するスリーブ
状パッカーをそれぞれ有し、かつこれらのパッカーの間
にあって内管と連通し、前記間隙流路とは連通しない注
入口を外管に有する注入管を、 両パッカー注入孔内に位置するよう挿入し、 前記間隙流路に流体を圧送して前記パッカーを膨出さ
せて注入孔壁に密着させ、注入管と注入孔壁との間を液
密にした状態で、 内管に注入剤を圧送してして注入口から吐出して、注
入孔内に開口するクラック開口部からクラック注に注入
材を注入することで解決できる。
〔作用〕
本発明においては、地下コンクリート構造物に発生し
たクラック部分に表層部分より深くまで注入孔を形成し
て注入剤を注入する。これによって、クラックの深い部
分にまで注入剤を注入できるから、従来の表面からの施
工による浅い部分のみのクラック注入に比較して注入の
確実性が高い。
また、注入時において、注入管の先端部とその先端部
より基端側の位置とを注入孔に対して液密にしておき、
その間において注入剤を吐出するのでクラックに対して
直接的に注入できる。このようにして、クラックの内部
の深くまで注入剤を注入できる。
また、注入孔をコンクリート部材を貫通して形成した
とき、単に基端部のみを止水セメントなどにより液密と
しておいても、注入口から吐出した注入剤は先端から地
盤中に逃げてしまうが、先端部とその先端部より基端側
の位置とを液密とし、その間において注入剤を吐出すれ
ば目的のクラック個所に対して止水剤を確実に注入でき
る。
〔発明の具体的な構成〕
以下、本発明を図面を参照しながら具体例に基づき詳
説する。
第1図および第2図は第1実施例を示したもので、第
1図はクラックに沿った縦断面図、第2図はコンクリー
ト構造物の前面側からの視図である。
コンクリート部材1にクラック2が発生していると
き、クラック2中に注入孔3がハンマードリル等により
削孔される。次いで、先端部およびその先端部より基端
側の位置に基端部にパッカー4A、4Bを備え、かつそれら
の間に注入口4Cを有する注入管4が注入孔3内に口元よ
り深く挿入される。
注入管4内に注入剤Mが圧送され、注入口4Cから吐出
される。このとき、パッカー4A、4Bは予め注入孔3内面
に対して膨出または密着され、液密状態とされる。
注入口4Cからの注入剤Mは、先端側および基端側がパ
ッカー4A、4Bにより遮られているので、吐出圧力に応じ
てクラック2中に浸透注入される。
注入を続行し、コンクリート部材1の前面から注入剤
Mの流出がみられたとき、クラック2中が注入剤で満た
されたと判断することができる。
本発明においては、上記例のように、注入孔3をコン
クリート部材1を貫通して形成することを必須とするも
のでない。第3図のように、コンクリート部材1を貫通
させなくてもよい。この場合はできるだけ深く注入孔を
削孔し、注入管を挿入することが好ましい。具体的に
は、コンクリート部材1の厚みの1/4以上、より好まし
くは1/2以上まで深く削孔するのが良い。
また、第1実施例では、注入孔3をクラック2に沿っ
て削孔したが、第3図のように、注入孔3をクラック2
と交差するように形成することもできる。
注入管4としては、たとえば第4図および第5図に示
すものを用いることができる。この注入管4は外管40と
内管41との2重管からなり、先端はプラグ42により閉塞
され、また先端部およびその先端部より基端側の位置の
段部には強化ゴム製のスリーブ状パッカー4A、4Bが包被
されている。これらパッカー4A、4Bの両端部は外管49の
外壁面に対して固定され、中間部が第4図仮想線のよう
に膨出するようになっている。
さらに、パッカー4A、4B部分の外管40の壁には、連通
孔40a、40bが形成され、外管40の内側と内管41の外側と
の間隙流路に連通している。注入管4の途中には、継手
43が設けられ、この継手43および対応する内管41の壁面
に注入口4Cが内管41内流路と連通して形成されている。
また、継手43の注入口4Cの形成位置とは90度異なる位置
に、注入管4の長手方向に沿って連通孔43a、43aが形成
されている。
注入管4において、外管40と内管41との間の間隙流路
にパッカー作動用流体Pたとえば水を供給する。水圧は
連通孔43aを通って先端側パッカー4Aに対しても作用す
るので、パッカー4A、4Bが膨出する。この状態で、注入
剤Mを内管41内流路に供給し、注入口4Cからクラック2
に対して吐出させる。
注入剤としては、従来のクラック注入剤をそのまま用
いることができる。その例としては、セメント系材料、
水ガラス系材料などを挙げることができる。
他に用いることができる注入剤としては、天然ゴムラ
テックス:スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリ
ル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレン、メタクリ
ル酸メチル−ブタンジエンゴムなどの合成ゴムラテック
ス:アクリル酸エステル系、酢酸ビニル系、エチレン−
酢酸ビニル共重合系、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重
合系などの合成樹脂エマルジョンなどの各種の水性ポリ
マーディスパージョン類:不飽和ポリエステル系、エポ
キシ系、ポリウレタン系、タールエポキシ系、タールウ
レタン系、エポキシアスファルト系、ゴムアスファルト
系、フッ素樹脂系などの各種の液またはペーストレジン
類:スチレン、アクリロニトリル、スチレン−アクリロ
ニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、メタクリル酸エス
テル、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、エポキシスチレン、アクリルアミ
ド、N−メリロールアクリルアミド、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、メチルシリコネート、変成ア
ルキルシリコネートなどのシリコネート類、シラン化合
物系、メチルシリコン、変成アルキルシリコンなどのシ
リコン系などの各種のコンクリート含浸用モノマーまた
はポリマー類;鉄筋用防錆剤、界面活性剤などを挙げる
とができ、これらは一種または二種以上を用いることが
できる。
なお、クラック2の長さが長い場合、注入孔をそのク
ラック2に沿って複数形成しながら、前述の施工を複数
個所で行うことができる。
〔発明の効果〕
以上詳説したように、本発明によれば、地下コンクリ
ート構造物に発生するクラックに対してその奥深くまで
直接かつ確実に注入剤を注入できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の縦断面図、第2図はその
コンクリート構造物の前面からの視図、第3図は第2実
施例の縦断面図、第4図は用いる注入管の例の半断面正
面図、第5図はV−V線矢視図、第6図は従来の裏込め
注入工法の縦断面図、第7図は従来のクラック注入工法
の縦断面図、第8図はそのコンクリート構造物の前面か
らの視図である。 1……コンクリート部材、2……クラック、3……注入
孔、4……注入管、M……注入剤、P……パッカー作動
用流体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−37756(JP,U) 実開 昭63−3759(JP,U) 特公 昭63−39749(JP,B2) 特公 昭56−31429(JP,B2) 特公 昭33−10751(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 23/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地下コンクリート構造物のコンクリート部
    材に発生したクラックまたはその近傍に、そのクラック
    と少なくとも一部が連通する注入孔を削孔し、この注入
    孔に、 内管と外管とからなる2重管構造であって、外管の先端
    部とその先端部より基端側の位置とに、内管と外管との
    間の間隙流路を通る流体圧によって膨縮するスリーブ状
    パッカーをそれぞれ有し、かつこれらのパッカーの間に
    あって内管と連通し、前記間隙流路とは連通しない注入
    口を外管に有する注入管を、 両パッカー注入孔内に位置するよう挿入し、 前記間隙流路に流体を圧送して前記パッカーを膨出させ
    て注入孔壁に密着させ、注入管と注入孔壁との間を液密
    にした状態で、 内管に注入剤を圧送してして注入口から吐出して、注入
    孔内に開口するクラック開口部からクラック注に注入材
    を注入することを特徴とするクラック注入孔工法。
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