JP2978327B2 - 板圧延のエッジドロップ制御方法 - Google Patents

板圧延のエッジドロップ制御方法

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JP2978327B2 JP4095558A JP9555892A JP2978327B2 JP 2978327 B2 JP2978327 B2 JP 2978327B2 JP 4095558 A JP4095558 A JP 4095558A JP 9555892 A JP9555892 A JP 9555892A JP 2978327 B2 JP2978327 B2 JP 2978327B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロ−ル胴端部が先細り
となったワ−クロ−ルおよび該ワ−クロ−ルを胴軸に沿
う方向に駆動するシフト機構を有する圧延機で板圧延す
るにおいて、該シフト機構を用いるエッジドロップの制
御に関する。
【0002】
【従来技術】例えば冷間連続圧延では、高速圧延および
エッジドロップ改善のため、複数個の圧延スタンドで順
次圧延し、その中の1個以上の圧延スタンドでエッジド
ロップを制御する。例えば、圧延機入側の圧延材のエッ
ジドロップ(入側エッジドロップ),圧延機のロ−ルシ
フト量および圧延機出側の圧延材のエッジドロップ(出
側エッジドロップ)の関係を表わすエッジドロップ予測
モデル式を用いて所要の出側エッジドロップ(出側エッ
ジドロップ目標値)を得るに要するロ−ルシフト量を算
出しこれを圧延機に設定する。
【0003】ところで、実際の圧延過程では、圧延条件
がたえず変化し、モデル式の、入力(入側エッジドロッ
プ,出側エッジドロップ目標値)と出力(設定すべきロ
−ルシフト量)の間の関係を規定する係数,定数(モデ
ルパラメ−タ)がオフラインで定められるものであるの
で、エッドロップ制御精度が常に保証されるとは限ら
ず、圧延条件特に圧延機の経時的な圧延特性の変化によ
りかなりの制御誤差を生ずることがある。そこで、本発
明者等は、実際に圧延したときの、入側エッジドロッ
プ,ロ−ルシフト量および出側エッジドロップ等の実績
デ−タに基づいて、この実績デ−タに整合するようにエ
ッジドロップ予測モデル式のモデルパラメ−タを更新す
ることを提案した(例えば特願平2−36210号,特
願平2−208203号)。これによれば、圧延条件の
変化に連動して、エッジドロップ予測モデル式が最新の
圧延条件に適合するものに更新され、すなわちエッジド
ロップ予測モデル式が学習により更新され、概ね高いエ
ッジドロップ制御精度が安定して確保される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エッジドロ
ップ予測モデル式は例えば、 Dx=f(HCWs,Γx)+Ex ・・・(1p) と表わされ、第1パスの圧延を行なう第1スタンド,第
2パスの圧延を行なう第1スタンドおよび第3パスの圧
延を行なう第3スタンドの、それぞれのロ−ルシフト量
HCW1,HCW2,HCW3(すなわちs=1,2およ
び3)でエッジドロップを制御する場合は、(1p)式は例
えば、 Dx=Ax1・HCW1 2+Ax2・HCW2 2+Ax3・HCW3 2+Cx・Γx+Ex ・・・(2p) と定めている。記号は次の事項を表わす。 Dx:基準点を板側端から板中央側に100mmの点とし
た、板側端からxの点(板端点)の、出側エッジドロッ
プ。 HCW1:第1スタンド1stのロ−ルシフト量。 HCW2:第2スタンド2stのロ−ルシフト量。 HCW3:第3スタンド3stのロ−ルシフト量。 Γx:鋼板1の入側エッジドロップ。 Ax1〜Ax3,Cx:影響係数。 Ex:定数。 例えば、x=15mmおよび25mmの出側エッジドロ
ップD15,D25は次の(2p15)式および(2p25)式で表わさ
れる。
【0005】 D15=A15・1・HCW1 2+A15・2・HCW2 2+A15・3・HCW3 2 +C15・Γ15+E15 ・・・(2p15) D25=A25・1・HCW1 2+A25・2・HCW2 2+A25・3・HCW3 2 +C25・Γ25+E25 ・・・(2p25) そして、圧延中の入側エッジドロップΓxt,ロ−ルシフ
ト量HCWsおよび出側エッジドロップDxtを記憶し、
記憶した値の内の、入側エッジドロップΓxtとロ−ルシ
フト量HCWsをエッジドロップ予測モデル式(2p)に代
入して得られる出側エッジドロップ値と、上記記憶した
出側エッジドロップDxtとの偏差が実質上最小となる、
エッジドロップ予測モデル式(2p)のAx1〜Ax3,Cxお
よびExを算出し、エッジドロップ予測モデル式(2p)の
Ax1〜Ax3,CxおよびExを算出値に更新するが、Ax1
〜Ax3,CxおよびExの算出に例えば遂次最小二乗法を
用いると、対角ゲイン行列の定数設定が難かしく、しか
も算出すべきパラメ−タがAx1〜Ax3,CxおよびExと
多いので、多くの実績デ−タ数と多くの演算処理が必要
であり、比較的に短周期でエッジドロップ予測モデル式
(2p)を学習更新しにくいという問題がある。
【0006】一方、出側エッジドロップの、目標値に対
する偏差(出側エッジドロップ偏差)を極力小さくする
ため、モデルパラメ−タの更新を頻繁にすると、この更
新によりエッジドロップ予測モデル式が特殊化して行
く。すなわち、圧延条件のある特定の小範囲において最
適の解を得る形に変化する。その結果、該小範囲を外れ
る圧延条件の変化があると、そこで制御誤差が一時的に
大きくなりそして次第に小さく収束する。つまり、圧延
条件の変化が小範囲で長期に安定する場合には、非常に
高精度なエッジドロップ制御が実現するが、圧延条件が
比較的に大きく速く変化するときに、例えば入側エッジ
ドロップが比較的に大きく変化したときに、エッジドロ
ップ制御精度が低下するなど、制御精度が不安定にな
る。モデルパラメ−タAx1〜Ax3,CxおよびExの更新
頻度を比較的に低くし出側エッジドロップ偏差をある程
度許すことにより、エッジドロップ制御精度は安定する
が、比較的に低い。このように、制御精度の向上と安定
性とが両立しにくいという問題がある。
【0007】本発明は、エッジドロップ制御精度を高く
しかつ安定したものとすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、ロ−ル胴端
部が先細りとなったワ−クロ−ルおよび該ワ−クロ−ル
を胴軸に沿う方向に駆動するシフト機構を有する圧延機
で板圧延するにおいて、(A) 圧延機入側の圧延材の
エッジドロップΓx,圧延機のロ−ルシフト量HCWsお
よび圧延機出側の圧延材のエッジドロップDxの関係を
表わすエッジドロップ予測モデル式 Dx=f(HCWs,Γx)+f1+f2 ・・・(1i) Dx:基準点から板中央側にxの距離の板端点の出側エ
ッジドロップ、 Γx:入側エッジドロップ、 Ex:モデルパラメ−タ、 HCWs:第sパスのロ−ルシフト量、 f1:学習項、 f2:学習項、 を用いて所要の出側エッジドロップDxoを得るに要する
ロ−ルシフト量HCWsoを算出しこれを圧延機に設定
し、(B) 圧延中の圧延条件に基づいて算出した値D
x’=f(HCWs,Γx)+f2と実測出側エッジドロッ
プDxtに基づいて、第1指数平滑処理により学習項f1
の学習値f1i+1を算出して学習項f1の値をこの算出値
1i+1に更新し、(C) 圧延中の実測出側エッジドロ
ップDxtと、このエッジドロップを得た圧延条件に基づ
いて算出した値Dx”=f(HCWs,Γx)+f1に基づ
いて、第2指数平滑処理により学習項f2の学習値f
2t+1を算出して学習項f2の値をこの算出値f2t+1に更
新し、(D) 第1指数平滑処理による学習項f1の更
新よりも、第2指数平滑処理による学習項f2の更新
を、高頻度にして同一コイル内で繰返し実行する。
【0009】上記(B)の第1指数平滑処理では、例え
ば、 f1i+1=α(Dxt−Dx’)+(1−α)・f1 ・・・(4i) f1i+1:今回算出の学習値、 f1 :学習項f1の前回値、 α :指数平滑係数、0<α<1、 Dxt:圧延中の実測出側エッジドロップ、 Dx'=f(HCWs,Γx)+f2:圧延中の圧延条件に
基づいて算出した値、 で、学習値f1i+1を算出し、学習項f1をこの算出値f
1i+1に更新する。
【0010】また、上記(C)の第2指数平滑処理で
は、例えば、 f2t+1=β(Dxt−Dx”)+(1−β)・f2 ・・・(3i) f2t+1:今回算出の学習値、 f2 :学習項f2の前回値、 β :指数平滑係数、0<β<1、 Dxt:圧延中の実測出側エッジドロップ、 Dx"=f(HCWs,Γx)+f1:圧延中の圧延条件に
基づいて算出した値、 で、学習値f2t+1を算出し、学習項f2をこの算出値f
2t+1に更新する。
【0011】
【作用】本発明によれば、上記(C)の第2指数平滑処
理による学習項f2の更新は、学習項f2の算出が簡単で
あるので、その更新を高頻度で行なうことができ、エッ
ジドロップ予測モデル式の追従性が速い。したがって該
モデル式を用いる所要ロ−ルシフト量の算出と圧延機へ
の設定を高頻度にして、比較的に速い圧延条件の変動例
えば入側エッジドロップの変動に追従することができ、
制御精度が向上する。
【0012】更に、上記(B)の第1指数平滑処理によ
り学習項f2が低頻度で更新され、例えば上記(C)は
コイル内学習処理であるが上記(B)をコイル間学習処
理とすることにより、予測モデル式の追従性は遅いが、
安定性が高く、比較的に遅い圧延条件の変動例えば圧延
機の圧延特性の変化に追従する。
【0013】かくして、高頻度で実行され高速応答性で
ある第2指数平滑処理による学習項f2の更新すなわち
第1学習制御と、低頻度で実行され低速応答性である第
1指数平滑処理による学習項f1の更新すなわち第2学
習制御とが、一方の制御誤差を他方が補正する形で相補
し合い、したがって制御精度が高くしかも安定したエッ
ジドロップ制御が実現する。
【0014】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0015】
【実施例】図1に本発明を一態様で実施する、複数パス
多重冷間圧延機の概要を示す。圧延材である鋼板1は、
圧延機の第1スタンド1st〜第5スタンド5stで順
次に所要圧に圧延される。鋼板1の板幅および板厚(幅
方向所要部:複数点)が入側のS点でそれぞれ幅検出器
4および板厚検出器5で検出される。圧延を終えた鋼板
1の板厚(幅方向所要部:複数点)が出側のO点で板厚
検出器6で検出される。
【0016】この例では、エッジドロップは第1〜3ス
タンド1st〜3stで調整する。少なくとも第1〜3
スタンド1st〜3stには、ワ−クロ−ル2を軸方向
(紙面と垂直な方向)に駆動するシフト機構が備わって
おり、ワ−クロ−ル2の胴端部は先細りすなわちテ−パ
面になっているので、シフト機構がワ−クロ−ル2を駆
動すると鋼板1のエッジドロップが変化する。すなわち
ワ−クロ−ル2の軸方向位置(ロ−ルシフト量)により
鋼板1のエッジドロップが定まる。
【0017】なお、エッジドロップは、鋼板1の板幅方
向の基準点と板端点の板厚の差をいう。基準点は例えば
板側端から板中央側に100mmの点に定められる。板
端点は例えば板側端から15mmの点および25mmの
点と、一点又は数点定められる。
【0018】ロ−ルシフトコントロ−ラ10が、幅検出
器4,板厚検出器5,6の検出値を所定のタイミングお
よび所定のサンプリング周期で読込んで、出力レジスタ
に最新のものを保持しており、これら検出値をロ−ルシ
フト計算機20に、それが要求して来たときに、転送す
る。ロ−ルシフト計算機20がコントロ−ラ10に各ス
タンド(1st〜3st)のロ−ルシフト量を指定し、
これに答えてコントロ−ラ10が、第1,第2および第
3スタンド1st〜3stのワ−クロ−ル2のロ−ルシ
フト量を、指定されたものに定める。
【0019】ロ−ルシフト計算機20には、後述する各
種演算および制御処理を実行するロ−ルシフト演算計算
機21,ロ−ルシフトコントロ−ラ10とデ−タを交換
しかつ検出器4〜6の検出値を読込むための入/出力装
置52,読込んだデ−タを所定期間保存するための入力
デ−タメモリ23,出力したデ−タを所定期間保存する
ための出力デ−タメモリ24,演算したデ−タを保存す
るための演算値デ−タメモリ25、および、圧延制御計
算機30とデ−タを交換するための入/出力装置26が
備わっている。
【0020】図2〜図4に、ロ−ルシフト演算計算機2
1の、エッジドロップ制御の内容を示す。以下これらの
図面を参照して、ロ−ルシフト演算計算機21の処理内
容を説明する。
【0021】本実施例では、エッジドロップ予測モデル
式を、 Dx=Ax1・HCW1 2+Ax2・HCW2 2+Ax3・HCW3 2+Cx・Γx+Ex+f1+f2 ・・・(2i) と定めている。記号は次の事項を表わす。 Dx:基準点を板側端から板中央側に100mmの点とし
た、板側端からxの点(板端点)の、出側エッジドロッ
プ。 HCW1:第1スタンド1stのロ−ルシフト量。 HCW2:第2スタンド2stのロ−ルシフト量。 HCW3:第3スタンド3stのロ−ルシフト量。 Γx:鋼板1の入側エッジドロップ。 Ax1〜Ax3,Cx:係数。 Ex:定数。 f1:第1学習項。 f2:第2学習項。 例えば、x=15mmおよび25mmの出側エッジドロ
ップD15,D25は次の(2i15)式および(2i25)式で表わさ
れる。
【0022】 D15=A15・1・HCW1 2+A15・2・HCW2 2+A15・3・HCW3 2 +C15・Γ15+E15+f15・1+f15・2 ・・・(2i15) D25=A25・1・HCW1 2+A25・2・HCW2 2+A25・3・HCW3 2 +C25・Γ25+E25+f25・1+f25・2 ・・・(2i25) この実施例では、(2i)式で表わされる所要のエッジドロ
ップ予測モデル式が、圧延条件(ロット)対応で演算値
デ−タメモリ25に予め格納されており、使用実績があ
るモデル式は、後述の学習処理により最適式に更新され
ている。すなわちモデル式の学習項f1,f2が更新され
ている。
【0023】(I) ロ−ルシフト初期値の設定(図2の1〜
3):図2を参照する。図1に示す圧延機で、前回の圧延
条件(ロット)と異なる圧延を開始するときに、計算機
21はオペレ−タの指示に対応して、変更する圧延条件
(ロット)に割り当てられているエッジドロップ予測モ
デル式をメモリ25から読み出し、計算機21内部のメ
モリ(以下レジスタと称す)に書込む(図2のサブル−
チン1:以下、カッコ内では、サブル−チンとかステッ
プという語を省略しその番号数字のみを記す)。
【0024】次に計算機21は、第1〜第3スタンド1
st〜3stに設定すべきロ−ルシフト量HCWso(初
期設定値)を、レジスタに書込んだエッジドロップ予測
モデル式を用いて算出する(2)。s=1〜3である。
すなわち、HCW1o,HCW2oおよびHCW3oを算出す
る。
【0025】これにおいては、まず、エッジドロップ予
測モデル式、 Dx=Ax1・HCW1 2+Ax2・HCW2 2+Ax3・HCW3 2+Cx・Γx+Ex+f1+f2 ・・・(2i) のΓxに入側エッジドロップ予期値Γxoを与え、HCW2
およびHCW3に適当な値(例えば変更範囲の中央値)を
与えておいて、HCW1をある値にしたときのDxの値D
xa1を算出してその偏差ΔDxa1=Dxa1−Dxo(Dxoは出
側エッジドロップ目標値)を算出し次にHCW1を所定値
大きい数に変更して同様に偏差ΔDxa2=Dxa2−Dxoを
算出し、偏差ΔDxa2がΔDxa1より大きいとHCW1
変更方向を小さくする方向に、小さいと変更方向を大き
くする方向に定めて、HCW1を順次に所定値づつ変更
して同様に偏差を算出し、偏差が次第に小さくなって設
定値以下になったときのHCW1の値を第1圧延スタン
ド1stのロ−ルシフト量HCW1o(算出値)とし、あ
るいは低下から上昇に転じたときには上昇に転ずる直前
のHCW1の値を第1圧延スタンド1stのロ−ルシフ
ト量HCW1o(算出値)とする。
【0026】そして次は、エッジドロップ予測モデル式
のHCW1にこの算出値HCW1oを与え、HCW3は前回
与えた値と同じ値としておいて、上述のHCW1oの算出
と同様にしてHCW2を変更して、出側エッジドロップ
Dx=Dxo(目標値)に最も近い出側エッジドロップを与
えるHCW2の値HCW2oを算出する。
【0027】最後に、エッジドロップ予測モデル式のD
xに出側エッジドロップ目標値Dxoを、Γxに入側エッジ
ドロップ予期値Γxoを、HCW1およびHCW2にそれぞ
れHCW1oおよびHCW2oを与えて、該モデル式を満す
HCW3の値HCW3oを算出する。
【0028】このように出側エッジドロップ目標値Dxo
をもたらすロ−ルシフト量HCW1o,HCW2oおよびH
CW3oを算出すると、これらをスタンド1st〜3st
に設定する(3)。
【0029】(II) 入側エッジドロップの算出(図2の4-6
〜9):そして第1番のコイル(鋼板1)の先端が第1ス
タンド1stに到来するのを待ち(4)、到来すると鋼
板1のその長手方向どの位置が1stにあるかを追跡す
る位置Ptカウントを開始する(6)。この例では、位
置Ptを表わすレジスタRPtの内容をクリアし、図示
しないメジャリングロ−ラ又は圧延スタンド1stのワ
−クロ−ルの所定小角度の回転毎に1パルスを発生する
位置同期パルス発生器の発生パルスのカウント(1パル
ス発生毎にレジスタRPtの内容Ptを1大きい値に更
新)を開始する(6)。そして検出器4,5の検出値す
なわち入側板幅および板厚(少くとも、側端から100
mmの基準点の板厚と、側端からxの板端点の板厚)を
読込み(7)、入側エッジドロップΓxtを算出して
(8)、算出したΓxtを、位置Pt対応でレジスタにメ
モリする(9)。なお、Γxtのtは鋼板1上の、その先
端から長手方向で位置Ptにおける値を意味する。
【0030】(III) 入側エッジドロップ対応のロ−ルシ
フト量の算出(図2の10,11):計算機21は次に、入側エ
ッジドロップΓxtに対応するロ−ルシフト量HCW1t,
HCW2tおよびHCW3tを、モデル式(2i)に基づいて算
出する(10)。この算出は、上記(I)と同様に行な
う。ただし、上記(I)での入側エッジドロップ予期値Γx
oにかえて、ステップ8で算出した実測入側エッジドロ
ップΓxtを用いる。算出したロ−ルシフト量HCW1t,
HCW2tおよびHCW3tは、位置Pt(レジスタRPt
の内容)対応でレジスタ(メモリ)に格納する(11)。
そして入側の鋼板1が所定量ΔPt進行するのを待って
(12)、所定量ΔPt進行する毎に、検出器4,5の
検出値を読込み(7)、入側エッジドロップΓxtを算出
して(8)、Γxtをレジスタにメモリし(9)、そし
て、エッジドロップモデル式(2i)に基づいて入側エッジ
ドロップに対応して、第1〜3スタンド1st〜3st
のロ−ルシフト量HCW1t〜HCW3tを算出し(1
0)、これを位置Pt(レジスタRPtの内容)対応で
レジスタにメモリする(11)。
【0031】以上に説明した、図2に示すステップ7〜
12−16−7〜12−・・・の繰返し、すなわち上記
(II)および(III)の繰返しにより、入側S点で、鋼板1
の移動方向所定長ΔPt毎に、検出器4,5の検出値が
読込まれて入側エッジドロップΓxtが算出されて検出位
置Pt対応でレジスタにメモリされると共に、Γxt対応
のロ−ルシフト量(所要値)HCW1t〜HCW3tが算出
されてレジスタにメモリされる。
【0032】上記(II),(III)のようにデ−タ処理がされ
た鋼板1上の位置Ptを以下サンプリング点という。
【0033】(IV) 入側エッジドロップ対応のロ−ルシ
フト量の設定(図2の14,22):次に図3を参照する。上述
の(II),(III)の処理を繰返している間に計算機21は、
第1圧延スタンド1stにサンプリング点(各点)が到
達する直前のタイミングで、該サンプリング点のロ−ル
シフト量HCW1tをレジスタより読出してロ−ルシフト
コントロ−ラ10に与える。コントロ−ラ10は、上記
(I)で第1圧延スタンド1stに設定したロ−ルシフト
量を、今回与えられた値〔上記(III)で算出した値〕に
変更する。この変更が実質上終了した時点に該サンプリ
ング点が1stのワ−クロ−ル間に到達する。これによ
り、モデル式に基づいた、入側エッジドロップΓxtに対
応するフィ−ドフォワ−ド制御が実現する。
【0034】(V) モデル式の学習更新2(図3の13-17〜2
0):上述の(II),(III),(IV)の処理を繰返している間に
計算機21は、図1に示す出側O点の板厚検出器6にサ
ンプリング点(各点)が到達したときの板幅検出器6の
検出値を読込んで(17)、出側エッジドロップDxtを
算出して(18)、位置Pt(サンプリング点)対応で
レジスタにメモリする(19)。そして第2指数平滑処
理で、使用中のモデル式(2i)の学習項f2を更新する
(20)。すなわち、 f2t+1=β(Dxt−Dx”)+(1−β)・f2 ・・・(3i) f2t+1:学習値f2の今回算出値、 f2 :学習項f2の前回値(現在値)、 β :指数平滑係数、0<β<1、 Dxt:圧延中の実測出側エッジドロップ、 Dx"=Ax1・HCW1 2+Ax2・HCW2 2+Ax3・HCW3 2+Cx・Γx+Ex+f1 このDx"式の右辺第1〜6項は、使用中のモデル式(2i)
のものであり、HCW1〜HCW3は、上記Dxtを得た位置が、
スタンド1st〜3stに到来するときに図3の22A〜22cで
設定されたロ−ルシフト量(図2の11でメモリされた
値)、で、学習値f2t+1を算出し、学習項f2をこの算
出値f2t+1に更新する。
【0035】このように更新したモデル式(2i)が、上述
の(III)の、入側エッジドロップ対応のロ−ルシフト量
の算出(図2の10,11)において用いられる。これにより、
モデル式(2i)の第2学習処理を介した、フィ−ドバック
制御が実現する。
【0036】(VI) 1コイルの圧延終了(図3の15-23〜2
5):1コイルの尾端が出側板厚検出器6を抜けると計算
機21は、「Dxの更新1」(25)で後述するエッジ
ドロップ予測モデル式の更新1を実行する。そして次コ
イルの到来があるか、設定変え入力があるかを待つ(2
4,25)。次コイルが到来すると、図2のステップ6
に進み、上述の(I)〜(V)ならびに本項(VI)および後述の
(VII)を同様に実行する。設定変え(圧延条件の変更=ロ
ットの変更)入力があると、図示は省略したが、計算機
21に保持している最新(使用中)のエッジドロップ予
測モデル式を、演算値デ−タメモリ25に更新メモリ
し、そして図1のステップ1に進む。
【0037】(VII) エッジドロップ予測モデル式の更新
1(図3の23):計算機21は、設定されているロジッ
クで、この直前に圧延を終了したコイルのエッジドロッ
プ実績値の中からの代表値を選択し代表値を得たサンプ
リング点を特定する。換言すると、圧延条件に対して、
1コイル内で代表的な結果となったサンプリング点を摘
出する。代表値の項目は、出側エッジドロップDxt,入
側エッジドロップΓxtおよび第1〜第3スタンド1st
〜3stのロ−ルシフト量HCW1〜HCW3である。そして、 f1i+1=α(Dxt−Dx’)+(1−α)・f1 ・・・(4i) f1i+1:学習値f1の今回算出値、 f1 :学習項f1の前回値(現在値)、 α :指数平滑係数、0<α<1、 Dxt:圧延中の実測出側エッジドロップ、 Dx'=Ax1・HCW1 2+Ax2・HCW2 2+Ax3・HCW3 2+Cx・Γx+Ex+f2 このDx’式の右辺第1〜6項は、使用中のモデル式(2
i)のものであり、HCW1〜HCW3は、上記Dxtを得た位置
が、スタンド1st〜3stに到来するときに図3の22A〜2
2cで設定されたロ−ルシフト量(図2の11でメモリさ
れた値)で、学習値f1i+1を算出し、学習項f1をこの
算出値f1i+1に更新する。
【0038】このように更新したエッジドロップ予測モ
デル式(2i)が、上述の(I)の、入側エッジドロップ予期
値Γxoおよび出側エッジドロップ目標値Dxoに対応した
ロ−ルシフト量の設定、および上述の(III)〜(V)の入側
エッジドロップ実測値Γxtおよび出側エッジドロップ
目標値Dxoに対応したロ−ルシフト量の設定、において
用いられる。これにより、エッジドロップ予測モデル式
に基づいた、比較的に長期的な(コイル間の)、フィ−ド
バック制御が実現する。
【0039】この実施例では、前述の、入側エッジドロ
ップΓxt対応のロ−ルシフト量の設定(7〜12:エッ
ジドロップ予測モデル式に基づいたフィ−ドフォワ−ド
制御)および「Dx式の更新2」(20)による第2学習
制御(f2の学習更新によるフィ−ドバック制御)が、同
一コイル内で所定のサンプリングピッチ(ΔPt)で行
なわれるので、エッジドロップ予測モデル式(特に
2)の学習更新によるフィ−ドバック制御の応答速度
が速い。
【0040】これに対して、第1学習項f1の学習更新
による第1学習制御は、コイル単位で行なわれるのでエ
ッジドロップ予測モデル式(特にf1)の学習更新によ
るフィ−ドバック制御の応答性は遅い。
【0041】したがって、第2学習制御が、比較的に速
い圧延条件変化(例えば入側エッジドロップの変動)に
よる出側エッジドロップ偏差を抑制する。そして第1学
習制御が、比較的に緩やかな圧延条件変化(例えば圧延
スタンドの圧延特性の変化)による出側エッジドロップ
偏差を抑制する。つまり、第2学習制御と第1学習制御
が、一方の誤差を他方が吸収する形で相補し合い、した
がって制御精度が高くしかも安定している。
【0042】
【効果】第2指数平滑処理を用いたエッジドロップ予測
モデル式の第2学習項f2の更新による第2学習制御
と、第1指数平滑処理を用いたエッジドロップ予測モデ
ル式の第1学習項f1の更新による第1学習制御のいず
れも、指数平滑処理により学習項を更新するので、更新
演算処理が簡単かつ高速であり、コイル内およびコイル
間に容易かつ十分に適用でき、第2学習制御が、比較的
に速い圧延特性変化による出側エッジドロップ偏差を抑
制し、これによっても生ずる、比較的に緩やかな圧延特
性変化による出側エッジドロップ偏差を、第1学習制御
が抑制する。したがって、第2学習制御と第1学習制御
が、一方の誤差を他方が吸収する形で相補し合い、長期
的視点および短期的視点のいずれにおいても制御精度が
高くしかも安定したエッジドロップ制御が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する圧延機の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】 図1に示す計算機21の、エッジドロップ制
御の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図3】 図1に示す計算機21の、エッジドロップ制
御の内容を示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
1:鋼板 2:ワ−クロ
−ル 3:バックアップロ−ル 4:板幅検出
器 5:板厚検出器 6:板厚検出
器 1st〜5st:圧延スタンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 檜 室 善 彦 北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本 製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 37/28 B21B 37/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロ−ル胴端部が先細りとなったワ−クロ−
    ルおよび該ワ−クロ−ルを胴軸に沿う方向に駆動するシ
    フト機構を有する圧延機で板圧延するにおいて、 圧延機入側の圧延材のエッジドロップΓx,圧延機のロ
    −ルシフト量HCWsおよび圧延機出側の圧延材のエッ
    ジドロップDxの関係を表わすエッジドロップ予測モデ
    ル式 Dx=f(HCWs,Γx)+f1+f2 ・・・(1i) Dx:基準点から板中央側にxの距離の板端点の出側エ
    ッジドロップ、 Γx:入側エッジドロップ、 Ex:モデルパラメ−タ、 HCWs:第sパスのロ−ルシフト量、 f1:学習項、 f2:学習項、 を用いて所要の出側エッジドロップDxoを得るに要する
    ロ−ルシフト量HCWsoを算出しこれを圧延機に設定
    し、 圧延中の、圧延条件に基づいて算出した値Dx’=f
    (HCWs,Γx)+f2と実測出側エッジドロップDxt
    に基づいて、第1指数平滑処理により学習項f1の学習
    値f1i+1を算出して学習項f1の値をこの算出値f1i+1
    に更新し、 圧延中の実測出側エッジドロップDxtと、このエッジド
    ロップを得た圧延条件に基づいて算出した値Dx”=f
    (HCWs,Γx)+f1に基づいて、第2指数平滑処理
    により学習項f2の学習値f2t+1を算出して学習項f2
    値をこの算出値f2t+1に更新し、 第1指数平滑処理による学習項f1の更新よりも、第2
    指数平滑処理による学習項f2の更新を、高頻度にして
    同一コイル内で繰返し実行する、ことを特徴とする板圧
    延のエッジドロップ制御方法。
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