JP2977654B2 - 結晶ラクチュロース無水物の製造方法 - Google Patents

結晶ラクチュロース無水物の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、結晶ラクチュロース
無水物の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は新規な化合物である結晶ラクチュロース
三水和物(以下三水和物と記載することがある)から結
晶ラクチュロース無水物(以下無水物と記載することが
ある)を製造する方法に関するものである。
【0002】なお、この明細書において、百分率は特に
断りのない限り重量によるものであり、結晶ラクチュロ
ース三水和物の融点は、融解開始点を意味する
【0003】
【従来の技術】ラクチュロース(4−O−β−D−ガラ
クトピラノシル−D−フラクトース)は、ビフィズス菌
増殖因子として公知の物質であり、1930年にハドソ
ンによって乳糖にロブリー・ドブリュイン転位を行って
製造された二糖類である。ラクチュロースは、水に対す
る溶解度が高いので、通常その製品はシロップ状で流通
している。しかし、携帯または取扱いに便利であること
から粉末状の結晶ラクチュロースが一部で市販されてい
る。これらの市販されている結晶状の製品、試薬、また
は文献に記載されている物質は、いずれもラクチュロー
ス無水物である。
【0004】最も一般的なラクチュロース無水物の製造
法としては、アルコール溶液から析出する方法が知られ
ている[ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル
・ソサエティー(Journal of the American Chemical S
ociety)、第52巻、第2101ページ、1930
年]。しかしながら、三水和物の存在については、文献
未記載であり、従ってこの三水和物から無水物を製造す
る方法は、これまで全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題】この発明の発明者等は
先に、新規な化合物である結晶ラクチュロ−ス三水和物
とその製造法を発明して特許出願した(特願平3−20
0928号。以下先願発明と記載することがある)。こ
の三水和物は、高湿度に保存しても安定であり、飲食時
冷感を有し、融点が58〜60℃と低い。これに対して
結晶ラクチュロース無水物は、融点が約169℃と高
く、耐熱性を有し、飲食時冷感を伴わない等の三水和物
とは異なった特性を有している。従って、用途に応じて
三水和物と無水物とを使い分けられるよう、三水和物を
無水物に変換する方法が望まれる。
【0006】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、先願発明で得られた新規な物質であ
る結晶ラクチュロース三水和物から簡単、かつ容易にそ
の無水物を製造する方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、室温で乾燥した結晶ラクチュロ
ース三水和物を45℃以上融点以下の温度で乾燥し、次
いで80℃以下の温度で乾燥することを特徴とする結晶
ラクチュロース無水物の製造方法を提供する。また、こ
の発明は、上記乾燥を流動乾燥法により行うことを好ま
しい態様としてもいる。
【0008】以下、この発明についてさらに詳しく説明
する。この発明の出発物質である未乾燥の三水和物は、
先願発明の方法により次のようにして製造することがで
きる。ラクチュロース・シロップは、公知の方法(例え
ば、日本特許第874,954号等)により製造された
物であってもよく、市販品であってもよい。通常、ラク
チュロース・シロップは、水分の他、45〜55%のラ
クチュロース、2〜8%のガラクトース、2〜5%の乳
糖、および2〜8%のその他糖類を含んでおり、固形分
中のラクチュロースの純度は70〜90%である。この
通常のラクチュロース・シロップを何ら精製することな
く、そのまま使用することができる。固形分中のラクチ
ュロース濃度が70%未満の場合、ラクチュロース以外
の物質が結晶し易くなり、三水和物の分離が困難とな
り、望ましくない。
【0009】ラクチュロース・シロップには溶解度の低
い乳糖が含まれているので、三水和物を得るのには、乳
糖の結晶を可及的に排除するのが望ましい。そのために
ラクチュロース・シロップに含まれている乳糖の水中糖
比[乳糖含量/(乳糖含量+水分含量)]を10%以
下、全固形分濃度65〜75%に濃縮する。全固形分濃
度が65%未満の場合、ラクチュロースが過飽和となら
ないため三水和物の析出がないか、または析出しても収
量が低い。逆に全固形分濃度が75%を超える場合、ラ
クチュロース・シロップの粘度が高くなり、取扱いが困
難となる。
【0010】次いで濃縮ラクチュロース・シロップを2
〜20℃の温度に冷却し、ラクチュロースを種晶添加
(シーディング)し、攪拌して結晶を析出させる。結晶
を析出させる温度は、可及的に低いのが望ましく、しか
も徐冷して大きな結晶を析出させるのが望ましい。種晶
添加するラクチュロースとしては、三水和物が望まし
い。充分結晶を生成させ、のち三水和物を公知の方法
(例えば、遠心瀘過法、デカンテーション法等)で分離
する。分離した三水和物を水洗し、不純物を除去する
が、三水和物は溶解度が高いので、可及的少量の冷水で
行うのが望ましい。このようにして得られた三水和物は
水で湿った状態なので、無水物に変換するためには、そ
の表面の水分を除去する必要がある。通常、このような
結晶物の乾燥には加温空気が用いられるが、三水和物の
乾燥には加温空気は使用できない。その理由は、次のと
おりである。 三水和物は、5℃の温度で水に対して約70% の溶解度
を有し、温度の上昇により溶解度が増加すること。 三水和物が水に溶解するとき吸熱するので、加温空気
の使用は三水和物の溶解を促進すること。 三水和物は約60℃の融点を有するので、高い温度では
溶融すること。
【0011】加温空気で乾燥した場合、三水和物が溶解
して結合し、塊となり、溶解した表面は乾燥とともに飴
状の高粘性を呈し、乾燥が困難となるか、または更に温
度が上昇すれば、液状あるいは飴状となり、無水物を得
ることができない。従って、三水和物の乾燥は、室温で
行う必要があり、乾燥後必要に応じて粉砕することもで
きる。
【0012】三水和物の室温乾燥物から無水物を製造す
るためには、結晶表面に残存付着している遊離水および
ラクチュロースと結合している結晶水を除去し、三水和
物の結晶形を変化させて安定な無水物とする必要があ
る。三水和物からのこれらの水分の除去は、任意の温度
で任意の時間加熱する方法では達成が不可能であり、特
定の温度と特定の時間で行う必要があることが判明し
た。従って、この発明の方法においては、第1段階を三
水和物の融点より低い60℃以下、望ましくは45〜5
5℃の温度で1〜3時間、望ましくは1〜2時間加温
し、先ず表面に付着している遊離水を除去する。次いで
第2段階を80℃以下、望ましくは55〜70℃の温度
で1〜3時間、望ましくは1〜2時間加温し、結晶水を
除去する。第2段階の乾燥は、例えば55℃で1時間、
60℃で30分間のように、温度を何段階かに変更して
実施することもできる。このような三水和物の乾燥に
は、公知の乾燥方法を使用することができ、例えば恒温
乾燥法、流動乾燥法等を例示できるが、均一に加温でき
ることから流動乾燥法が望ましい。
【0013】以上のようにして製造された三水和物から
の無水物の理化学的性状は、従来法で製造された無水物
とほぼ同等であり、従来法で製造された無水物と同様の
用途を有しており、たとえば便秘改善剤、肝性脳症治療
剤、肝性昏睡治療剤、高アンモニア血症等の医薬品に、
ビフィズス菌増殖因子として食品、医薬品に、ノンカロ
リー甘味剤、虫歯予防甘味剤、低甘味剤等として食品
に、そのまま単独で、あるいは他の成分と混合して粉
状、錠剤等として使用することができる。
【0014】次に、この発明に関する試験例を示すが、
以下の試験例において水分の定量、ラクチュロースの定
量、および融点の測定は次の方法により行った。 (1)水分 カールフィッシャー法、または五酸化リン法(試料を室
温で五酸化リン上に置いて脱水する)による。 (2)ラクチュロース 第22改正アメリカ薬局方[ザ・ユナイテッド・ステー
ツ・ファーマコピア(The United States Pharmacopei
a; twenty-second revision)、571ページ、ユナイ
テッド・ステーツ・ファーマコピア・コンベンション社
(United States Pharmacopeia Convention, Inc.)、1
990年]記載の液体クロマトグラフ法による。 (3)融点 キャピラリー法による。 (試験例1)この試験は、結晶水の除去条件を調べるた
めに行った。
【0015】参考例1と同一の方法で製造した三水和物
(粉砕乾燥物)1gを直径74mmのアルミニウム製ディッシ
ュに精秤し、表1に示した乾燥温度で1〜36時間棚式乾
燥機(ヤマト科学社製)で乾燥し、乾燥減量率(水分の
除去による試料重量の減少率)を経時的に測定し、結晶
水の除去状態を試験した。その後、乾燥した各試料を大
気中に放置し、各試料の乾燥減量率の変化を測定した。
なお、表1に示した各温度について5検体を用意し、乾
燥減量率の平均値を示した。
【0016】この試験の結果は、表1に示したとおりで
ある。この試験に用いた三水和物は13.8% の水分を含有
しているが、45℃未満の温度で乾燥した場合、結晶水が
除去され難い(乾燥減量率が低い)ことが認められ、乾
燥方法としては効率が悪い。60℃以上の温度で乾燥した
場合、結晶水は除去されるが、結晶が融解し、飴状の塊
を形成し、かつ得られた無水物は強い吸湿性を呈するの
が認められた。45〜55℃の温度で乾燥した場合、36時間
後に乾燥減量率が約12% に達しており、乾燥後大気中に
7時間放置しても吸湿性がほとんどなく、かつ白色結晶
の状態を維持していた。しかしながら、36時間の乾燥時
間は、工業規模での製造にはあまりにも時間がかかり過
ぎるので、効率的な乾燥が必要である。なお、三水和物
の試料を変更して試験した場合にも、ほぼ同様の結果が
得られた。
【0017】
【表1】
【0018】(試験例2)この試験は、結晶水の除去条
件を調べるために試験例1とは異なった方法で乾燥を行
った。参考例1と同一の方法により製造した三水和物
(粉砕乾燥物)1gを直径74mmのアルミニウム製ディッシ
ュに精秤し、55℃の温度で真空乾燥機(ヤマト科学社
製)をもちいて39時間乾燥を行い、無水物を得た。得ら
れた無水物は、水分含量(カールフィッシャー法)0.5
%、粉状、吸湿性が高く、大気中に放置した場合直ちに
固化し、次第に潮解した。すなわち、この試験に用いた
乾燥方法の場合には、乾燥物の水分含量が少なくなり、
三水和物が無水物に変換されたとしても、得られた無水
物は吸湿性が非常に高く、不安定であることが判明し
た。
【0019】三水和物から水分を除去するとき、真空乾
燥のような強力な乾燥手段を採用した場合、三水和物の
表面から水分が急速に除去されて見掛け上無水物のよう
になるが、結晶構造が完全には無水物となっていないた
め、不安定な化合物が形成されたものと思われる。な
お、三水和物の試料、および真空乾燥条件を変更して試
験した場合にも、ほぼ同様の結果が得られた。 (試験例3)この試験は、三水和物の効率的な乾燥方法
を探るために行った。
【0020】参考例1と同一の方法により製造した三水
和物(水分含量13.8% )500gを流動乾燥機(大川原製作
所製)を用いて表2に示した各温度で4〜5時間乾燥
し、経時的に水分含量をカールフィッシャー法で測定し
た。その後、乾燥した各試料を大気中に放置し、各試料
の水分含量をカールフィッシャー法で測定した。この試
験の結果は表2に示したとおりである。この表2から明
らかなように、45〜60℃の温度で流動乾燥した場合に
は、約4時間で三水和物の水分含量が約1%まで減少し、
試験例1の棚式乾燥法、および試験例2の真空乾燥法よ
りも効率良く乾燥することが可能であり、得られた無水
物も安定であることが認められた。一方、45℃未満の乾
燥温度で乾燥した場合は、水分の減少が少なく、70℃の
乾燥温度で乾燥した場合は、団塊(いわゆるダマ)を形
成し、得られた無水物は高い吸湿性を示した。65℃の乾
燥温度で乾燥した場合は、最初団塊を形成したが、乾燥
の進行とともに団塊は崩壊し、最終的には安定な無水物
が得られた。
【0021】乾燥開始1時間後または2時間後の水分含
量は、表2からも明らかなように、65℃までの範囲で
は、温度が高い程少なく、効率的に乾燥が実施できるこ
とを示している。60℃の乾燥温度は、流動乾燥法では特
別の問題はなく、三水和物から水分を除去できるが、棚
式乾燥法では付着、凝集等が発生し、望ましい無水物が
得られない。従って、60℃の乾燥温度は、乾燥方法に依
存する三水和物乾燥の境界温度域であるものと思われ
る。なお、三水和物の試料を変更して試験した場合に
も、ほぼ同様の結果が得られた。
【0022】
【表2】
【0023】(試験例4)この試験は、試験例3の結果
からより効率的な乾燥を実施するための条件を探るため
に行った。第1段階の乾燥を55℃で2時間行い、のち表
3に示した温度で第2段階の乾燥を行ったことを除き、
試験例3と同一の方法により試験した。
【0024】この試験の結果は表3に示したとおりであ
る。この表3から明らかなように、三水和物を融点未満
の温度で予備的に第1段階の乾燥を行い、のち50℃以上
の温度で第2段階の乾燥を行うことにより、融点以上の
温度で乾燥を行っても団塊の形成等の異常は認められ
ず、1時間後(最初の乾燥からは3時間後)に水分含量
約1%に達することが認められた。前記試験例3の結果で
は、55℃の温度で乾燥を継続した場合、約1%の水分含量
に達するのに4時間を要するので、乾燥を2段階で行う
方法は、約4分の3の時間で同等の効果がえられること
が判明した。
【0025】第2段階の乾燥を50℃未満の温度で行った
場合は、約1%の水分含量に達するまでに50℃以上の温度
で行った場合の約2倍の時間を要するので、望ましくな
い。また、第2段階の乾燥を80℃を超える温度で行った
場合には、乾燥物が褐変するので望ましくない。なお、
いずれの場合も乾燥中に団塊(いわゆるダマ)の形成は
認められなかった。
【0026】従って、第2段階の乾燥は、50〜80℃の範
囲で行うのが望ましい。なお、三水和物の試料を変更し
て試験した場合にも、ほぼ同様の結果が得られた。
【0027】
【表3】
【0028】(参考例1)市販のラクチュロース・シロ
ップ(森永乳業社製。固形分中のラクチュロース73.
5%、乳糖4.4%、ガラクトース10.7%、および
その他の糖類11.4%)を、乳糖の水中糖比9.9
%、および全固形分71.5%に濃縮し、濃縮液10kg
を20℃に冷却し、三水和物30gを種晶添加し、攪拌
しながら7日間を要して5℃まで徐々に冷却し、三水和
物の結晶を生成させた。10日後、上澄液の固形分含量
が68.9%に低下した結晶を含む液から、濾布式遠心
分離機(国産遠心器社製)で結晶を分離し、5℃の冷水
で結晶を水洗し、三水和物約1.4kgを得た。この三
水和物を真空乾燥機(ヤマト科学社製)を用いて25℃
で16時間乾燥し、粉末状の三水和物約1.34kgを
得た。 (参考例2)ラクチュロース・シロップ(森永乳業社
製。固形分中のラクチュロース85.6%、乳糖3.1
%、ガラクトース5.2%、およびその他の糖類6.1
%)を、乳糖の水中糖比6.9%、および全固形分7
0.6%に濃縮し、濃縮液10kgを15℃に冷却し、
三水和物30g を種晶添加し、攪拌しながら7日間を要
して5℃まで徐々に冷却し、三水和物の結晶を生成させ
た。10日後、上澄液の固形分含量が67.5%に低下
した結晶を含む液から、濾布式遠心分離機(国産遠心器
社製)で結晶を分離し、5℃の冷水で結晶を水洗し、三
水和物約1.55kgを得た。この三水和物を流動造粒
乾燥機(大川原製作所製)を用いて30℃で4時間流動
乾燥し、粉末状の三水和物約1.59kgを得た。
【0029】次に実施例を示してこの発明をさらに詳細
かつ具体的に説明するが、この発明は以下の実施例に限
定されるものではない。
【0030】
【実施例】
実施例1 参考例1と同一の方法により製造した粉末状の三水和物
5kgを流動造粒乾燥機(大川原製作所製)に入れ、温
度45℃で乾燥を開始し、30分間に徐々に昇温し、温
度50℃で1.5時間乾燥し、のち60℃で1時間乾燥
し、粉末状の無水物約4kgを得た。
【0031】得られた粉末状の無水物は、カールフィッ
シャー法により測定した水分が0.4%、五酸化リン法
による水分が0.2%、ラクチュロース含量98.5
%、融点168〜171℃であり、流動性がよく、吸湿
性は認められなかった。なお、この実施例に用いた三水
和物と、得られた無水物との理化学的特性値を対比して
表4に示した。
【0032】
【表4】
【0033】実施例2 参考例1と同一の方法により製造した粉末状の三水和物
5kgを流動造粒乾燥機(大川原製作所製)に入れ、温
度45℃で乾燥を開始し、20分間に徐々に昇温し、温
度50℃で1.5時間乾燥し、のち60℃で30分間、
70℃で30分間乾燥し、粉末状の無水物約4kgを得
た。
【0034】得られた粉末状の無水物は、カールフィッ
シャー法により測定した水分が0.4%、五酸化リン法
による水分が0.2%、ラクチュロース含量98.4
%、融点168〜171℃であり、流動性がよく、吸湿
性は認められなかった。 実施例3 参考例2と同一の方法により製造した粉末状の三水和物
5kgを流動造粒乾燥機(大川原製作所製)に入れ、温
度45℃で乾燥を開始し、20分間に徐々に昇温し、温
度50℃で1時間乾燥し、のち60℃で20分間、70
℃で20分間、75℃で20分間乾燥し、粉末状の無水
物約4kgを得た。
【0035】得られた粉末状の無水物は、カールフィッ
シャー法により測定した水分が0.5%、五酸化リン法
による水分が0.2%、ラクチュロース含量99.1
%、融点168〜171℃であり、流動性がよく、吸湿
性は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって以下の効果が得られる。 (1)三水和物を簡単、かつ容易に無水物に変換するこ
とができる。 (2)有機溶媒を使用しないので、安全な無水物が得ら
れる。 (3)三水和物から吸湿性のない安定な無水物が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 聡 神奈川県横浜市旭区希望ケ丘118 森永 希望ケ丘寮 (56)参考文献 特許2848721(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C13F 1/02 C07H 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で乾燥した結晶ラクチュロース三水
    和物を45℃以上融解開始点以下の温度で乾燥し、次い
    で80℃以下の温度で乾燥することを特徴とする結晶ラ
    クチュロース無水物の製造方法。
  2. 【請求項2】 乾燥を、流動乾燥法により行うことを特
    徴とする請求項1の結晶ラクチュロース無水物の製造方
    法。
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