JP2976081B2 - 複合繊維を使用した成形材料及びその成形方法 - Google Patents

複合繊維を使用した成形材料及びその成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合繊維が使用された
成形性(加熱成形性)を有する成形材料及びその成形方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、形状が凹凸で、曲線部を有
し、部分的に厚さの異なる成形体を製造するための成形
材料としては、ゴム系、ウレタン、エチレン酢酸ビニル
共重合体(EVA)等の発泡体、あるいはニードルパン
不織布、フェルト状のもの等が多く使用されてきてい
る。又、最近では、融点の異なる2種のポリエステル繊
維や芯鞘型熱融着繊維を使用した成形材料も製造されて
おり、これらの成形材料を製品化する際の成型加工法と
しては、スライス法、モールド法、冷熱加圧法等が用い
られている。
【0003】一般的な成形材料であるウレタン発泡体
は、スライス法やモールド法等で比較的簡単に成型する
ことが可能なものであるが、湿熱時に劣化が起こった
り、光によって黄変したりする等の欠点を有する他に、
通気性がなく、耐溶剤性が劣る等の多くの問題点があ
る。又、不織布の場合には、均一な密度で50mm以上
の厚物が得られないためにスライス加工ができず、通常
は熱プレス成型、又は冷却プレス等の方法が行われてい
る。しかし、このようなプレス成型では、厚さが一定の
ものをプレスするために密度のバラツキが大きくなり、
クッション性が損なわれ、品質の良い製品を得ることが
できなかった。
【0004】そこで、これまでに厚手の成形体を成形す
る方法として、一旦、薄手の成形体を作製し、その後、
これを互いに積層し、再度加熱する方法が行われてきて
おり、密度のバラツキが小さい成形体としては、例え
ば、特開平2−154050号に、ポリエステル繊維
と、鞘部に芯部よりも融点の低い成分を使用した芯鞘型
複合繊維とを所定の割合で混綿してなるクッション体が
開示されている。ここに開示されるクッション体は、圧
縮荷重による歪みの少なく、均一な密度を有するもので
あるという点においては優れたものである。しかしなが
ら、このようなクッション体は、単一の低融点熱融着繊
維が配合されたものであるために、成型時あるいは成型
後に融点以上の温度が加えられると硬化したり、形状が
変化したりする等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術における問題点を解決し、加熱成形が可能であ
って、均一な密度を有し、しかもスライス加工が可能な
繊維性の成形材料、及びその成形方法を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、鞘部の融点
差が一定の範囲内である、少なくとも2種の異なる芯鞘
型複合繊維を、特定の割合で高融点のポリエステル繊維
と混綿し、鞘部の融点が低い方の芯鞘型複合繊維の少な
くとも一部を溶融させ、鞘部の融点が高い方の芯鞘型複
合繊維の少なくとも一部を溶融させずに残存させた交絡
構造とすることによって、上記の課題を解決した。即
ち、本発明の、複合繊維を使用した成形材料は、繊度が
4〜30デニールであるポリエステル短繊維Aと、繊度
が2〜20デニールで、鞘部に上記ポリエステル短繊維
Aよりも低い融点の成分を使用した低融点短繊維Bを、
90〜60:10〜40の混綿比で混綿して成り、上記
ポリエステル短繊維Aと低融点短繊維Bとが立体的に連
続して交絡した構造を有するものであって、上記低融点
短繊維Bが少なくとも2種の異なる、芯鞘型の複合繊維
1 、B2 から成り、上記複合繊維B1 、B2 の鞘部成
分の融点の差が15〜115℃で、しかも鞘部成分の融
点が低い方の複合繊維B1 と、鞘部成分の融点が高い方
の複合繊維B2 との混綿比が70〜30:30〜70で
あること、及び上記ポリエステル短繊維Aと低融点短繊
維Bとは、複合繊維B1 の少なくとも一部が溶融するこ
とによって融着されており、かつ複合繊維B2 の少なく
とも一部が溶融されずに残存していることを特徴とす
る。
【0007】まず、本発明の成形材料を構成する、高融
点のポリエステル短繊維Aとしては、通常のポリエチレ
ンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ1,4−
ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロラ
クトンまたはこれらの共重合エステルやコンジュゲート
スピニングによる複合繊維等がいずれも使用できる。特
に、熱収縮率の異なる2種のポリマーから成るサイドバ
イサイド型複合繊維は、スパイラル状捲縮を発現し、立
体構造をとるので好ましく、特に中空率5〜30%の中
空糸を使用することがが好ましい。尚、このような中空
型のポリエステル繊維を製造する際には、相対粘度の異
なる2種以上のポリエステルを組み合わせて複合するの
が一般的である。
【0008】一方、低融点短繊維Bとしては、芯鞘型の
構造を有し、しかも芯部成分と鞘部成分の融点が異なる
複合繊維がいずれも使用でき、例えば、鞘部に上記ポリ
エステル短繊維Aよりも低い融点の成分である低融点ポ
リエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等が使用さ
れ、芯部に通常のポリエステル繊維成分が使用された芯
鞘型複合繊維が挙げられる。本発明における低融点短繊
維Bは、その鞘部が熱により溶融して各繊維間を融着さ
せる働きをするものであって、一般的には鞘部の融点が
110〜220℃の範囲のものが使用される。又、ポリ
エステル短繊維Aと低融点短繊維Bとの融点差は30℃
以上であることが好ましい。
【0009】本発明の成形材料には、このような鞘部成
分の融点の異なる複数の低融点短繊維B(芯鞘型の複合
繊維B1 、B2 )が含有され、この複合繊維B1 の鞘部
成分の融点と、複合繊維B2 の鞘部成分の融点とには、
約15〜115℃の差が設けられている。これにより、
ポリエステル短繊維Aと低融点短繊維Bとの混綿物に熱
が加えられた際、鞘部成分の融点が低い方の複合繊維B
1 の鞘部が、鞘部成分の融点が高い方の複合繊維B2
鞘部よりも低温度で溶融して繊維間が融着し、複合繊維
2 の少なくとも一部が溶融されていない状態で、その
まま残存した構造となる。従って、このようにして得ら
れた成形材料は、溶融せずに残存した複合繊維B2 の鞘
部成分を有し、その後、より高い温度で処理された際に
優れた熱成形性を示す。又、ポリエステル短繊維Aと低
融点短繊維Bとが連続して交絡した状態で融着接合され
た構造を有するために、優れたスライス性を示す。この
際、複合繊維B1 とB2 の融点の差が15℃以下である
と、複合繊維B1 のみを融着させて、複合繊維B2 の少
なくとも一部を溶融させずに残存させることが困難とな
り、逆に融点の差が115℃以上であると、複合繊維B
1 の融点が極めて低くなるか、あるいは複合繊維B2
ポリエステル短繊維Aとの融点差が小さくなるという問
題が生じる。
【0010】本発明の成形材料では、複合繊維B1 とB
2 の混綿比が、物性(スライス性、熱成形性、保形性、
耐洗濯性)に大きく影響を与えるので適宜選定する必要
があり、上述の物性が全て良好な成形材料が得られる混
綿比は、70〜30:30〜70である。又、本発明で
は、前述のポリエステル短繊維Aと低融点短繊維Bの混
綿比は、成形材料として適した物性を有するものが得ら
れるように選定する必要があり、好ましい範囲は90〜
60:10〜40である。
【0011】本発明では、複合繊維B1 及びB2 の鞘部
として、特に低融点ポリエステルを使用することが好ま
しいが、この種のポリエステルは、アジピン酸、セバチ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル
酸、ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類
および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒド
ロイソフタル酸等の脂環族ジカルボン酸類と、ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレング
リコール、パラキシリレングリコール等の脂肪族や脂環
族ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒド
ロキシ安息香酸等のオキシ酸類を添加した共重合エステ
ルであり、例えばテレフタル酸とエチレングリコール
に、イソフタル酸及び1,6−ヘキサンジオールを添加
共重合させたポリエステル等が例示される。
【0012】本発明の成形材料では、それを構成する繊
維主体であるポリエステル短繊維Aとして、前述の如
く、中空複合繊維を使用するのが好ましいが、これは、
ウエブの繊維方向が不規則に絡み合い、芯鞘型の複合繊
維B1 の鞘部と、交絡部において融着接合されて立体的
な構造となるため、繰り返し圧縮荷重による歪みが非常
に小さい製品を得ることができるからである。
【0013】このようなポリエステル短繊維Aと低融点
短繊維Bとが混綿されて成る、本発明の成形材料は、熱
成形性が良好であり、成型時や成型後に融点以上の熱が
加えられても、成形材料が変形したりすることがない。
しかも、均一な密度を有し、スライス加工適性に優れ、
肩パッドのような薄手の製品に加工することができる。
この他、本発明の成形材料は、洗濯性やドライクリーニ
ング性にも優れ、肩パッドのように衣類に取り付けられ
て洗濯される製品の材料としても適したものである。
【0014】更に、本発明は、上記の、複合繊維を使用
した成形材料を用いて成形を行う際の成形方法に関する
ものでもあり、この成形方法においては、繊度が4〜3
0デニールであるポリエステル短繊維Aと、繊度が2〜
20デニールで、鞘部に上記ポリエステル短繊維Aより
も低い融点の成分を使用した低融点短繊維B〔ただし、
上記低融点短繊維Bは少なくとも2種の異なる、芯鞘型
の複合繊維B1 、B2 から成り、上記複合繊維B1 、B
2 の鞘部成分の融点の差が15〜115℃で、しかも鞘
部成分の融点が低い方の複合繊維B1 と、鞘部成分の融
点が高い方の複合繊維B2 との混綿比が70〜30:3
0〜70である〕を、90〜60:10〜40の混綿比
で混綿してカードウエブを作製し、これに加熱処理を施
して、複合繊維B1 の少なくとも一部を溶融させ、かつ
複合繊維B2 の少なくとも一部を溶融させずに残存させ
て、成形体となし、次いで、該成形体を加熱下で成形し
て複合繊維B2 を溶融せしめることを特徴とする。
【0015】本発明の成形方法において使用される、複
合繊維を使用した成形材料を製造する際には、まず、前
記のポリエステル短繊維Aと低融点短繊維Bを前記の混
綿比で混綿することによりカードウエブが作製される
が、この際、市販の開繊機が使用できる。そして、得ら
れたカードウエブを積層して加熱処理を行なう際、低密
度の成形材料の場合には、遠赤外線だけを用いても可能
である。この加熱処理において蒸気釜を使用すると、特
に密度の均一な成形材料を製造することができるので好
ましい。尚、この蒸気釜を用いた方法では、蒸気釜の内
部を750mmHg以上に減圧して、1kg/cm2
上の蒸気を導入し、積層体の各層間を融着するが、加熱
処理条件(温度、時間)としては、複合繊維B1 の少な
くとも一部が溶融し、しかも複合繊維B2 の少なくとも
一部が溶融しないように選定する必要があり、一般的に
は複合繊維B2 の鞘部成分の融点以下の温度により処理
を行う。
【0016】そして、このような加熱処理により得られ
た成形体を、次いで、加熱下で成形し、複合繊維B2
溶融させる。本発明の成形方法の一例としては、加熱処
理により得られた成形体を、所望の成形品に近似した形
状にスライスし、その後、プレス成形機等を用いて加熱
成形する方法が挙げられるが、この際、比較的融点の高
い複合繊維B2 を融着させなければならないので、乾熱
法を用いることが好ましい。尚、本発明の成形方法にお
いて使用される、熱成形性の良い成形材料は、内層部ま
で均一に融着され、全体に風合いが良く、外観的にも優
れたものであって、上述の加熱処理方法を用いることに
より、厚さ10mm以上、特に30mm以上のような厚
い成形材料であっても、密度のバラツキの少ない均一な
物性を有するものが容易に安定して製造することが可能
である。以下に、本発明の成形材料における一実施例を
示す。
【0017】
【実施例】
実施例1 相対粘度1.37のポリエチレンテレフタレートと相対
粘度1.22のポリエチレンテレフタレートを、1:1
の比率でサイドバイサイド型に複合して得た、中空率1
6.1%、繊度13デニール、カット長51mmの中空
複合ポリエステル短繊維A:80重量%と、ポリエチレ
ンテレフタレートを芯部とし、鞘部は融点が110℃の
共重合ポリエステルからなる芯鞘型の複合繊維B1 (繊
度3デニール、カット長51mm)と、芯部は上記複合
繊維B1 と同様で、鞘部は融点が130℃の共重合ポリ
エステルからなる芯鞘型の複合繊維B2 (繊度4デニー
ル、カット長51mm)が、表1の試験 No.1〜7に示
される比率(B1 :B2 =0〜100:100〜0)で
含まれた低融点短繊維B:20重量%を開繊機にて混綿
し、カーディングをした後、目付400g/m2 のウエ
ブとし、得られたウエブをそれぞれ連続的に、温度が1
30℃の遠赤外線熱処理機を通過させ、融着させた。
【0018】次に、得られたウエブをそれぞれ積層し
て、減圧下で130℃、10分間蒸熱処理し、均一な密
度で一体成形された棒状のクッション性を有する成形体
(厚さ15cm、幅13cm、長さ1m、密度0.04
g/cm3 )とした後、この成形体を適当な幅、長さに
切断し、肩パッドのスライサーを用いてスライスカット
した。そして、更に、このようにして薄く切断したもの
を、乾熱160℃で30秒間処理して、肩パッドに成形
した。上記の如くB1 :B2 の比率を変化させた7種類
の成形材料について、それぞれ熱成形前の圧縮硬さ及び
スライス性、熱成形時の成形性、熱成形後の耐洗濯性及
び保形性を評価した。得られた評価結果を以下の表1に
示す。尚、この表において、試験 No.3〜5は本発明の
実施例を示し、試験 No.1、2、6及び7は比較例を示
す。
【0019】
【表1】
【0020】尚、本実施例において使用した測定方法
は、以下の通りである。 1.圧縮硬さ(JIS K6401に準ずる) 150×150mmの試料を上下平行圧縮板の間に挟
み、10mm/sec 以下の速さで、0.36kgfまで
圧縮し、この時の厚さを測定し、これを初めの厚さとし
た。次に、初めの厚さの25%まで圧縮して静止させ、
20秒後の荷重を読み取り、その値を示す。
【0021】2.スライス性 厚さ150×幅130×長さ1000mmの棒状の成形
材料を厚さ方向に平行になるようにして一定の曲線のカ
ッターで連続スライスし、その形状を目視により判定し
た。
【0022】3.熱成形性 上記の成形条件(乾熱160℃、30秒間)にて得られ
た肩パッドの表面を、ホットメルトバインダーが付着さ
れた目付50g/m2 の不織布で被覆して、蒸熱140
℃で15秒間加圧接着し、その時の内部の成形材料の厚
さの変化の有無(熱成形後の安定性)を判定した。
【0023】4.耐洗濯性 ランドリー試験JIS L−0217.103法及び、
ドライクリーニングJIS L−021.401法に準
じて5回洗濯を繰り返した後の形状及び風合いを判定し
た。
【0024】5.保形性 上記洗濯テスト後の試料をスチームアイロン130℃、
30秒かけた後の形状変化を判定した。
【0025】先の表に示される測定値より、圧縮硬さと
スライス性の関係は、複合繊維B1 の比率が30未満の
場合では硬さが不足して繊維の逃げがあり、スライス加
工を行うことができない(試験 No.1及び2参照)。
又、複合繊維B2 の比率が30未満の場合にはスライス
加工は可能であるが、熱成形後に再度熱がかかった際の
保形性及び耐洗濯性(ドライクリーニング性)が劣る
(試験 No.6及び7参照)。これに対して、本発明の成
形材料、即ち複合繊維B1 とB2 との比率が30:70
〜70:30の範囲内である成形材料(試験 No.3、4
及び5)は、適度な硬さのクッション性を有し、スライ
ス性が良好であった。しかも、熱成形性、保形性、耐洗
濯性が優れ、肩パッドとして通気性のある適度なハリと
腰を持った風合いでフィット性に優れたものであった。
【0026】実施例2 実施例1の試験 No.4と同様の方法により、遠赤外線処
理(130℃)のみを行ったウエブ(目付400g/m
2 )を作製した後、このウエブを肩パッドの大きさに切
り取り、肩パッド形状を有する成形型の中に入れて、1
60℃で30秒間処理し、肩パッドを成形した。そし
て、実施例1と同様にして熱成形時の成形性、熱成形後
の耐洗濯性及び保形性を評価した。その結果、遠赤外線
だけを用いて融着した場合でも、実施例1の場合と同様
の良好な成形性、耐洗濯性及び保形性を有した肩パッド
が得られ、この肩パッドは、非常に風合いの良いもので
もあった。
【0027】
【発明の効果】このように、本発明の、複合繊維を使用
した成形材料は、スライス加工適性に優れ、熱成形性が
良く、容易に成形ができる上、元のクッション性が損な
われないという利点を有し、成形後に再加熱されてもほ
とんど変形が起こらない。又、本発明の成形材料は、通
気性を有するので蒸れることがなく、従来のウレタン発
泡体のような湿熱時での変色が起こらない。更に、成形
材料自体が軽量であって、燃やしても毒性ガスを発生せ
ず、耐洗濯性に優れ、ドライクリーニング溶剤に耐える
ものなので、特に薄くスライスしたものは、肩パッドと
しての使用に特に適している。尚、本発明の成形方法を
用いることによって、上記の成形材料から品質の良い成
形品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 105:06 (56)参考文献 特開 平2−154050(JP,A) 特開 昭52−37875(JP,A) 特開 昭52−53980(JP,A) 特開 昭51−40478(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D04H 1/00 - 5/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度が4〜30デニールであるポリエス
    テル短繊維Aと、繊度が2〜20デニールで、鞘部に上
    記ポリエステル短繊維Aよりも低い融点の成分を使用し
    た低融点短繊維Bを、90〜60:10〜40の混綿比
    で混綿して成り、上記ポリエステル短繊維Aと低融点短
    繊維Bとが立体的に連続して交絡した構造を有するもの
    であって、 上記低融点短繊維Bが少なくとも2種の異なる、芯鞘型
    の複合繊維B1 、B2 から成り、上記複合繊維B1 、B
    2 の鞘部成分の融点の差が15〜115℃で、しかも鞘
    部成分の融点が低い方の複合繊維B1 と、鞘部成分の融
    点が高い方の複合繊維B2 との混綿比が70〜30:3
    0〜70であること、及び上記ポリエステル短繊維Aと
    低融点短繊維Bとは、複合繊維B1 の少なくとも一部が
    溶融することによって融着されており、かつ複合繊維B
    2 の少なくとも一部が溶融されずに残存していることを
    特徴とする、複合繊維を使用した成形材料。
  2. 【請求項2】 繊度が4〜30デニールであるポリエス
    テル短繊維Aと、繊度が2〜20デニールで、鞘部に上
    記ポリエステル短繊維Aよりも低い融点の成分を使用し
    た低融点短繊維B〔ただし、上記低融点短繊維Bは少な
    くとも2種の異なる、芯鞘型の複合繊維B1 、B2 から
    成り、上記複合繊維B1 、B2 の鞘部成分の融点の差が
    15〜115℃で、しかも、鞘部成分の融点が低い方の
    複合繊維B1 と、鞘部成分の融点が高い方の複合繊維B
    2 との混綿比が70〜30:30〜70である〕を、 90〜60:10〜40の混綿比で混綿してカードウエ
    ブを作製し、これに加熱処理を施して、複合繊維B1
    少なくとも一部を溶融させ、かつ複合繊維B2 の少なく
    とも一部を溶融させずに残存させて、成形体となし、次
    いで、該成形体を加熱下で成形して複合繊維B2 を溶融
    せしめることを特徴とする、複合繊維を使用した成形材
    料の成形方法。
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