JP2975709B2 - ピッキング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、段ボール箱製品その他
種々の直方体形状物品（以下、段ボール箱製品と総称す
る）を取扱う流通システム等に利用されるピッキング装
置に係わり、特にパレット上に多層積みされた同一品種
の段ボール箱製品を取り下ろして自動的に複数の異品種
多層積みのパレットを実現するピッキング装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、流通業界においては、同一品種
の物品ごとに段ボール箱に積めた後、他の品種の段ボー
ル箱製品とともに混載して所定の店舗その他の場所に運
搬することが行われている。

【０００３】従来、かかる同一品種の多層積みされた段
ボール箱製品から所望とする異品種多層積みのパレット
を完成するピッキング作業としては図６および図７に示
すようなピッキング装置が用いられている。なお、図６
は平面図、図７は正面図である。すなわち、このピッキ
ング装置は、具体的には同一品種の多層積み製品を複数
の品種について順次供給する供給コンベア１と、ターン
テーブル２上に９０度ごとにパレットリフタ３，…が設
けられ、ターンテーブル２を９０度毎に間欠駆動させな
がら前記供給コンベア１から供給される同一品種多層積
み製品のパレット４をパレットリフタ３に積載する回転
テーブル機構と、前記供給コンベア１とは反対側相当位
置に設けられ、パレット４上の多層積み製品を層単位で
必要な層数だけ取り下ろしてレイヤーコンベア５に供給
するデパレタイザー６と、このデパレタイザー６から取
り下ろしされた各品種の層単位の段ボール箱製品を、空
パレット供給コンベア７から供給される空パレット８に
順次層単位で積み付けして異品種多層積みパレット９を
完成するパレタイザー１０とによって構成されている。
なお、デパレタイザー６を構成するパレットリフタ３は
最上層から層単位で取り下ろすごとに所定高さとなるよ
うに図示イ方向に上昇動作し、一方、パレタイザー１０
は層単位の積み付け完了ごとに所定高さ位置となるよう
に図示ロ方向に下降動作する。１１は完成パレット搬送
コンベアである。

【０００４】従って、以上のような構成によれば、ター
ンテーブル２が９０度毎に間欠回転すると、デパレタイ
ザー６にはａ品種、ｂ品種、ｃ品種の順序で段ボール箱
製品が供給されるので、当該順序に従って作業計画に基
づく層数例えばａ品種２層、ｂ品種１層、ｃ品種１層を
取り下ろしし、かつ、パレタイザー１０ではそれら品種
ごとに層単位で空パレット８に積み付けすれば、ａ，
ｂ，ｃ品種４層積みのパレット９を完成することができ
る。

【０００５】この異品種多層積みパレット９の完成後、
引き続き、空パレット供給コンベア７から次の作業計画
用の空パレット８が供給される。この際、次の作業計画
に基づいてデパレタイザー６による取り下ろし後の残り
製品のパレットは供給コンベア１を介して返送され、そ
の後、次の作業計画に必要な品種の多層積みパレットが
ターンテーブル２上に供給される。

【０００６】なお、前積み付け作業計画の最後の層の品
種と次の積み付け作業計画による最下層の品種とが同一
品種である場合、ターンテーブル２を９０度回転させず
にそのままの状態を維持して必要な層数だけ取り下ろし
するものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
ピッキング装置では、次のような問題点が指摘されてい
る。 イ．ターンテーブル２上の４つのパレットリフタ３と供
給コンベア１との間の同一品種多層積みパレットの供給
・排出制御が非常に複雑であること。

【０００８】ロ．ターンテーブル２から供給コンベア１
を経由して前積み付け作業計画のパレットを排出した
後、当該供給コンベア１から次の作業計画に基づく同一
品種多層積みパレットを複数品種について順次ターンテ
ーブル２に移してデパレタイザー６による取り下ろしお
よびパレタイザー１０による層単位の段ボール箱製品の
積み付けを行うので、多数の異品種多層積みパレット９
を完成するのに相当長い作業時間を必要とすること。

【０００９】ハ．３品種多層積みパレットを完成する場
合、ターンテーブル２上に３個のパレットリフタ３が必
要となり、４品種多層積みパレットの場合には４個のパ
レットリフタ３が必要となるが、それ以上の品種を多層
積みする場合にはパレットの交換を余儀なくされ、非常
に作業が煩雑になること。一般に、３０種以上の品種を
取り扱う場合が多いが、この場合には積み付けが困難に
なる問題がある。

【００１０】ニ．１つの作業計画ごとに１つの異品種多
層積みパレットの完成するので、円滑、かつ、迅速に多
数の異品種多層積みパレットを完成することが難しい等
の問題がある。

【００１１】本発明は上記実情にかんがみてなされたも
ので、１台のデパレタイザーを用いて同一品種多層積み
パレットの供給・排出を円滑に行え、また品種の数に関
係なく円滑、かつ、迅速に多数の異品種多層積みパレッ
トを完成可能とするピッキング装置を提供することを目
的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明に係わるピッキン
グ装置は上記課題を解決するために、各品種の積み順お
よび各品種ごとに行き先積載層数を定めた作業計画であ
る層ピッキング指令を送出する層ピッキング指令手段
と、同一品種の多層積みされたパレットを複数品種につ
いて順次供給する供給装置と、この供給装置から供給さ
れる各パレットの多層積み製品から前記層ピッキング指
令に基づいて所要の層数だけ層単位で取り下ろしを行
い、残りの製品についてパレットごと返送するデパレタ
イザーと、このデパレタイザーに搬送機構を介して直列
に複数のパレタイザーが連結され、前記デパレタイザー
から取り下ろしされた層単位の製品を当該デパレタイザ
ーから最も遠い位置のパレタイザーから近い位置のパレ
タイザーへと前記層ピッキング指令の行き先積載層数に
基づいて順次空パレットに層単位で製品を積み付けする
ことにより複数の異品種多層積みパレットを完成するパ
レット積み付け手段と、予め各作業計画ごとに前記デパ
レタイザーの製品積み下ろし位置、搬送スピードおよび
各パレタイザーの製品積み付け位置となどの動作条件が
記憶され、前記層ピッキング指令である作業計画に基づ
いて、前記記憶された動作条件に従って前記デパレタイ
ザーからの層製品の取り下ろし位置、前記製品積み下ろ
しおよび製品積み付けを含む搬送機構のスピードおよび
前記各パレタイザーによる層製品積み付け位置をそれぞ
れ制御する制御手段をとを備えた構成である。なお、前
記層ピッキング指令手段としては、予め各品種ごと一層
当り製品ケース数および寸法共通品種をもつ積み付けパ
ターンが記憶され、各作業計画ごとに入力される各品種
および各品種ごとの製品ケース数に基づき、前記記憶さ
れた積み付けパターンの中から各パレタイザーごとに異
品種多層積みする各品種ごとの積み付けパターンおよび
各品種ごとの積み付け層数を決定する層積み付け数決定
手段と、予め少なくとも製品積み付け時の各層面積条件
および各層重量の条件が設定され、前記層積み付け数決
定手段によって決定された各品種ごとの積み付け層数を
受けたとき、前記選択された各品種ごとの積み付けパタ
ーンが前記各条件を満たすような積み付け順を定めたト
ータル作業計画を作成する積み付け順決定手段とを備
え、この積み付け順決定手段によって作成されたトータ
ル作業計画を 層ピッキング指令として送出することによ
り、積み付け順を定めたトータル作業計画を作成でき、
また前記制御手段による各構成部分の制御に生かすこと
ができる。また、前記デパレタイザーとしては、同一品
種の多層積みされたパレットを載置するための昇降機構
が設けられ、前記制御手段の位置制御信号を受けて前記
パレット上から層単位で取り下ろすごとに最上層の製品
高さ位置を取り下ろす上昇動作を行うことにより、取り
下ろす層製品高さ位置を最適位置に設定できる。さら
に、パレタイザーとしては、空パレットを載置するため
の昇降機構が設けられ、前記制御手段の位置制御信号を
受けて前記空パレットの位置が製品積み付けに最適な位
置に設定され、かつ、層単位の製品の積み付け後層相当
距離だけ下降動作を行うことにより、積み付け高さ位置
を最適位置に設定できる。

【００１３】

【作用】従って、本発明は以上のような手段を講じたこ
とにより、供給装置から同一品種ごとに多層積みされた
複数品種のパレットがデパレタイザーに供給されると、
当該デパレタイザーでは層ピッキング指令の積み順に相
当する品種であれば、層ピッキング指令の行き先積載層
数に基づいてデパレタイザーから最も遠いパレタイザー
から順次近いパレタイザーにパレットに順に層単位で送
出し、残った製品はパレットごと返送する。このとき、
各パレタイザーでは、デパレタイザーから送られてくる
層単位の製品をトータル作業計画に基づいて所要とする
層数だけ空パレットに積み付けし、これを各品種ごとに
積み付けを行うことにより、殆んど同時に複数の異品種
多層積みパレットを完成するものである。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は本発明装置の一実施例を示す構成図
である。同図において２１は図示ハ方向から供給されて
くる同一品種の多層積みパレット２２の段ボール箱製品
を最上層から順次層単位で取り下ろしするデパレタイザ
ーであって、このデパレタイザー２１の入り側には供給
コンベア２３、出側には排出コンベア２４がそれぞれ設
置されている。これら供給コンベア２３および排出コン
ベア２４の端部はそれぞれ図示しない自動倉庫に接続さ
れている。この供給コンベア２３は自動倉庫によって搭
載される同一品種のフル多層（例えば１０層）積みまた
は作業計画に基づく同一品種の任意層数多層積みパレッ
ト２２が複数品種について順次搬送してデパレタイザー
２１に供給され、また排出コンベア２４ではデパレタイ
ザー２１にてパレット２２から所要とする層数分だけ段
ボール箱製品を取り下ろした残りの層数の段ボール箱製
品を積んだパレット２２を図示ニ方向に返送し、再び前
記自動倉庫に戻して再度供給コンベア２３に導入する構
成となっている。

【００１５】前記デパレタイザー２１の製品取り下ろし
側にはそれぞれレイヤーコンベア２５を介して例えば３
台のパレタイザー２６−１、２６−２、２６−３が直列
に連結され、デパレタイザー２１から図示ホ方向に取り
下ろしされた層単位の段ボール箱製品をデパレタイザー
２１から最も遠い方のパレタイザー、つまり２６−３→
２６−２→２６−１の順序で供給する。これらパレタイ
ザー２６−１、２６−２、２６−３の入り側には図示矢
印方向にそって空パレット２７を供給する空パレット供
給コンベア２８が設置され、出側には各パレタイザー２
６−１、２６−２、２６−３からトータル作業計画に基
づいて搭載された異品種多層積みパレット２９を図示矢
印方向に搬送する搬送コンベア３０が設置されている。

【００１６】前記デパレタイザー２１は、例えば図２に
示すように供給コンベア２３から同一品種多層積みパレ
ット２２を受け取るパレットリフタ２１ａを備え、また
パレットリフタ２１ａに載置される段ボール箱製品のう
ち最上層の段ボール箱製品を受け止めるように図示ヘ方
向に進退動作するストッパ２１ｂが設けられ、さらに図
示ト方向の回転を維持しつつ図示左方向に移動する先端
の高摩擦ピックアップローラ２１ｃを段ボール箱製品の
比較的下部面に当接させて最上層の段ボール箱製品を取
り下ろす取り下ろし機構２１ｄが設けられている。な
お、このパレットリフタ２１ａは、例えば２層の段ボー
ル箱製品を取り下ろしする場合、最上層の段ボール箱製
品を取り下ろしした後、再度最上層の段ボール箱製品の
取り下ろしに最適な高さ位置となるように所要とする高
さ位置まで上昇動作する。

【００１７】一方、パレタイザー２６−１、２６−２、
２６−３（なお、２６−３は図１に図示）は、同じく図
２に示すように段ボール製品を１層ずつ積み付ける積み
付け機構２６ａ、この積み付け機構２６ａによる積み付
け後、再度最適な積み付け高さ位置となるように下降動
作するパレットリフタ２６ｂの他、必要なときに下降し
て段ボール箱製品を受け止めるストッパ２６ｃおよび紙
面奥行方向に段ボール箱製品の横ずれを防止するサイド
ガイド（図示せず）が設置されている。

【００１８】３１はマイクロコンピュータまたは上位制
御装置等の層ピッキング指令装置であって、ここでは例
えば図３に示すような処理を実行して複数の作業計画を
合体したトータル作業計画を作成した後、層ピッキング
指令として機械制御装置３２に送出する。この機械制御
装置３２には、デパレタイザー２１およびパレタイザー
２６−１、２６−２、２６−３等の運転に必要な各作業
計画ごとの条件データ（図４参照）を記憶する記憶装置
３３と、プログラムデータに基づいて前記層ピッキング
指令（トータル作業計画）および記憶装置３３の条件デ
ータを用いてデパレタイザー２１およびパレタイザー２
６−１，２６−２，２６−３等を制御する制御装置３４
とによって構成されている。

【００１９】次に、以上のように構成された装置の動作
を説明するに先立ち、層ピッキング指令装置３１による
トータル作業計画の作成例について述べる。先ず、例え
ば３個のパレットにそれぞれ混載すべき３つの作業計画
について各作業計画ごとに例えばａ，ｂ，ｃ品種および
各品種ごとの段ボール箱製品ケース数をインプットして
混載パレット要求４１を行うと、層積み付け数決定手段
４２では例えば品種毎１層当りのケース数データ、寸法
共通品種を１つにまとめたパターン番号データその他必
要なデータが記憶されている積み付けパータンデータベ
ース４３から品種ごとの品種毎パターン番号データを取
り出し、さらに品種毎１層当りのケース数データとイン
プットされた各品種ごとの段ボール箱製品ケース数とか
ら層数を決定し、図示右側に示すような作業計画４４
ａ、４４ｂ、４４ｃを作成し記憶する。このとき、当
然、残りのケース数が出てくるが、これも品種ごとに対
応させて該当記憶部のエリアに記憶しておく。

【００２０】以上のようにして作業計画４４ａ，４４
ｂ，４４ｃを作成した後、積み付け順決定手段４５にて
積み付け順を決定する。この積み付け順の決定にあって
は、積み付け順制約データベース４６に記憶されている
制約条件,例えば最下層から上層になるにしたがって層
面積を小さくするオーバーハング防止条件、多層積みさ
れた段ボール箱製品が荷崩れしないように隣接する上下
の層を構成する各段ボール箱製品の組合せを考慮する棒
積み防止条件および下層ほど重量的に大とするトップヘ
ビー防止条件等に基づいて積み付け順を決定し、図示右
側に示すようなトータル作業計画４７を作成する。勿
論、オーバーハング条件として例えば下層側面積と上層
側面積とを同じにする通常の定常積みも有効であること
は言うまでもない。

【００２１】因みに、このトータル作業計画４７では、
積み順がａ，ｂ，ｃ品種の順番であること、かつ、当該
トータル作業計画４７を実行するにはａ品種が４層、ｂ
品種が４層、ｃ品種が４層必要であること、さらに品種
ごとの行き先例えばａ品種がパレタイザー２６−３に１
層、２６−２に１層、２６−１に２層、ｂ品種が２６−
３に１層、２６−２に２層、２６−１に１層、ｃ品種が
２６−３に２層、２６−２に１層、２６−１に１層を積
み付ける計画であり、このトータル作業計画４７が層ピ
ッキング指令４８として機械制御装置３２の他、必要に
応じて前述した自動倉庫に送出される。

【００２２】従って、自動倉庫では、トータル作業計画
４７に基づいて例えばａ品種、ｂ品種、ｃ品種の順序で
もって同一品種をフル多層（例えば１０層）積みまたは
少なくとも４層積みされたパレット２２を所定の時間間
隔で供給コンベア２３に導入する。

【００２３】一方、機械制御装置３２における制御装置
３４では、層ピッキング指令４８であるトータル作業計
画４７を受け取ると一旦図示しない記憶装置に格納した
後、次のような動作制御を実行する。すなわち、制御装
置３４は、トータル作業計画４７に基づいて記憶装置３
３（図４）から必要な設定位置データおよび搬送スピー
ドデータを読み出してストッパー２１ｂ、パレタイザー
２６−３のストッパ２６ｃおよびサイドガイドの位置決
めを行い、また空パレット供給コンベア２８、完成パレ
ット搬送コンベア３０、レイヤーコンベア２５を所定の
スピードで駆動制御し、その他必要な動作制御を行う。

【００２４】しかる後、制御装置３４では、ａ品種のパ
レット２２がデパレタイザー２１に到着したことを検知
すると、記憶装置３３に記憶されているデパレ側リフタ
−上昇位置データを読み出してパレットリフタ２１ａを
上昇させてパレット１２上の最上層が所定高さとなるよ
うに設定する。その後、取り下ろし機構２１ｄを図示左
側方向に所定条件スピードで移動させて最上層の１層分
を取り下ろし、引き続き、パレットリフタ２１ａを所定
の高さ位置間で上昇させて同様の動作を繰り返し、ａ品
種について層単位で４層分の段ボール箱製品を取り下ろ
し、順次レイヤーコンベア２５を経由してパレタイザー
側に供給する。

【００２５】パレタイザー側では、パレタイザー２６−
３側のストッパ２６ｃが下降し、当該パレタイザー２６
−３にてａ品種１層分の段ボール箱製品を空パレット２
７に積み付けし、その後、パレタイザー２６−２側のス
トッパ２６ｃが下降し、同様にパレタイザー２６−２に
てａ品種１層分の段ボール箱製品を空パレット２７に積
み付けする。さらに、パレタイザー２６−１側のストッ
パ２６ｃが下降し、当該パレタイザー２６−１にてａ品
種２層分の段ボール箱製品を空パレット２７に積み付け
する。なお、パレタイザー２６−１による２層分積み付
け時、その１層目の積み付け後にパレットリフタ２６ｂ
が所定高さ位置まで降下し、２層目の段ボール箱製品を
積み付ける。なお、デパレタイザー２１においてａ品種
の残り製品があればそれを積載した状態でパレット２２
とともに排出コンベア２４から自動倉庫に返送し、再度
ａ品種について必要な層数分積載されて供給コンベア２
３に導入される。

【００２６】次に、ｂ品種のパレット２２がデパレタイ
ザー２１に供給されると、当該デパレタイザー２１では
前述と同様な動作を行ってパレット２２の最上層からト
ータル作業計画に基づいて層単位で順次段ボール箱製品
の取り下ろしを行い、順次レイヤーコンベア２５を経由
してパレタイザー側に供給する。そこで、このパレタイ
ザー側では、パレタイザー２６−３側のストッパ２６ｃ
が下降し、当該パレタイザー２６−３にてｂ品種１層分
の段ボール箱製品をパレット２７に積み付けし、その
後、パレタイザー２６−２側のストッパ２６ｃが下降
し、同様にパレタイザー２６−２にてｂ品種２層分の段
ボール箱製品をパレット２７に積み付けする。さらに、
パレタイザー２６−１側のストッパ２６ｃが下降し、当
該パレタイザー２６−１にてｂ品種１層分の段ボール箱
製品を空パレット２７に積み付けする。デパレタイザー
２１では、必要な層数分だけ段ボール箱製品を取り下ろ
しした後、パレット２２とともに排出コンベア２４を経
由して自動倉庫へ返送する。

【００２７】さらに、ｃ品種のパレット２２について
は、同様にデパレタイザー２１にてパレット２２の最上
層からトータル作業計画に基づいて層単位で順次段ボー
ル箱製品の取り下ろしし、パレタイザー２６−３に２層
分、パレタイザー２６−２に１層分、パレタイザー２６
−１に１層分積み付けを行う。

【００２８】ゆえに、以上のようにして各パレタイザー
２６−３、２６−２、２６−１の空パレット２７には作
業計画にそって図５に示すような３つの異品種多層積み
パレット２９を完成することができる。

【００２９】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、１台のデパレタイザー２１を用いてある品種のパレ
ット２２が到来するごとにトータル作業計画に基づいて
必要な層数分だけ段ボール箱製品を取り下ろしし、残り
の製品をパレット２２とともに返送するので、同一品種
多層積みパレットの供給・排出制御が非常に簡単に実現
できる。また、デパレタイザー２１から送られてくる各
品種ごと・層単位ごとの段ボール箱製品を各パレタイザ
ー２６−３、２６−２、２６−１にてトータル作業計画
に基づいて必要な層数分だけ順次空パレット２７に積み
付けするので、従来よりも非常に短い作業時間で多数の
異品種多層積みパレット２９を完成できる。しかも、品
種の数が多くなっても、同一品種多層積みパレットを複
数品種について順次供給コンベア２３から供給すればよ
く、このため従来のようなパレットの交換作業等がなく
なり、多数の多品種多層積みパレットの積み付けが容易
となる。さらに、１回の作業計画に基づいて円滑、か
つ、迅速に異品種多層積みパレットを実現できる。ま
た、層ピッキング指令手段は、積み付け順制約条件を考
慮しつつ積み付け順序を決定するので、パレット上に段
ボール箱製品を安定に積み付けできる。

【００３０】なお、上記実施例では、デパレタイザー２
１の入り側と出側にそれぞれコンベア２３，２４を設置
したが、これら２つのコンベア２３，２４を連続した１
つのコンベアとし、その側方にデパレタイザー２１を設
置してもよい。空パレット供給コンベア２８、完成パレ
ット搬送コンベア３０とパレタイザー２６−１、２６−
２，２６−３との関係も同様である。また、デパレタイ
ザー２１から段ボール箱製品を層単位ごとにローラ等で
構成された取り下ろし機構２１ｄで取り下ろすような構
成としたが、例えばパレットの上層の段ボール箱製品を
層単位または個別に把持してレイヤーコンベア２５に移
す構成でもよい。さらに、パレット２２上の段ボール箱
製品を層単位で取り下ろした後、パレットリフタ２１ａ
を上昇動作する制御を行ったが、この層単位の取り下ろ
し状態の検知手段には光学素子または機械的なスイッチ
を用いて行ってもよく、これはパレタイザー２６側にお
ける層単位の積み付け完了の検知手段でも同様である。
さらに、昇降手段としてパレットリフタ２１ａ，２６ｂ
を用いたが、同様の機能を持つものであれば特にその構
成を限定するものでない。その他、本発明はその要旨を
逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、１
台のデパレタイザーを用いて多数の同一品種多層積みパ
レットの供給・排出を円滑に行うことができ、また品種
の数に関係なく円滑、かつ、迅速に多数の異品種多層積
みパレットを完成できるピッキング装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係わるピッキング装置の一実施例を
示す構成図。

【図２】 図１に示すデパレタイザーと複数のパレタイ
ザーとの関係を模式的に表した図。

【図３】 図１に示す層ピッキング指令装置のトータル
作業計画を作成するための機能構成図。

【図４】 図１の記憶装置に格納されている記憶データ
を示す図。

【図５】 本発明装置を用いて完成した複数の異品種多
層積みパレットを示す図。

【図６】 従来装置の構成を示す上面図。

【図７】 従来装置の構成を示す正面図。

【符号の説明】

２１…デパレタイザー、２１ａ…パレットリフタ、２２
…同一品種多層積みパレット、２３、２４、２８、３０
…コンベア、２６−１，２６−２，２６−３…パレタイ
ザー、２６ｂ…パレットリフタ、２７…空パレット、２
９…異品種多層積みパレット、３１…層ピッキング指令
装置、３２…機械制御装置、３３…記憶装置、３４…制
御装置。

フロントページの続き (72)発明者 本田 和男 東京都港区元赤坂一丁目２番３号 サン トリー株式会社東京支社内 (72)発明者 有方 清 兵庫県加古川市野口町古大内900 オー クラ輸送機株式会社内 (72)発明者 佐藤 彰一 東京都府中市東芝町１番地 株式会社東 芝府中工場内 (56)参考文献 実公 平８−9072（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65G 61/00 B65G 57/03 B65G 59/02

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各品種の積み順および各品種ごとに行き
   先積載層数を定めた作業計画である層ピッキング指令を
   送出する層ピッキング指令手段と、同一品種の多層積み
   されたパレットを複数品種について順次供給する供給装
   置と、この供給装置から供給される各パレットの多層積
   み製品から前記層ピッキング指令に基づいて所要の層数
   だけ層単位で取り下ろしを行い、残りの製品についてパ
   レットごと返送するデパレタイザーと、このデパレタイ
   ザーに搬送機構を介して直列に複数のパレタイザーが連
   結され、前記デパレタイザーから取り下ろしされた層単
   位の製品を当該デパレタイザーから最も遠い位置のパレ
   タイザーから近い位置のパレタイザーへと前記層ピッキ
   ング指令の行き先積載層数に基づいて順次空パレットに
   層単位で製品を積み付けすることにより複数の異品種多
   層積みパレットを完成するパレット積み付け手段と、予
   め各作業計画に応じた層ピッキング運転に必要な動作条
   件が記憶され、前記層ピッキング指令である各作業計画
   に基づいて、前記記憶された動作条件に従って前記デパ
   レタイザーからの層製品の取り下ろし位置、前記製品積
   み下ろしおよび製品積み付けを含む搬送機構のスピード
   および前記各パレタイザーによる層製品積み付け位置を
   それぞれ制御する制御手段とを備えたことを特徴とする
   ピッキング装置。
2. 【請求項２】 層ピッキング指令手段は、予め各品種ご
   と一層当りの製品ケース数および寸法共通品種をもつ積
   み付けパターンが記憶され、各作業計画ごとに入力され
   る各品種および各品種ごとの製品ケース数に基づき、前
   記記憶された積み付けパターンの中から各パレタイザー
   ごとに異品種多層積みする各品種ごとの積み付けパター
   ンおよび各品種ごとの積み付け層数を決定する層積み付
   け数決定手段と、予め少なくとも製品積み付け時の各層
   面積および各層重量の制約条件が設定され、前記層積み
   付け数決定手段によって決定された各品種ごとの積み付
   け層数を受けたとき、前記選択された各品種ごとの積み
   付けパターンが前記各条件を満たすような積み付け順を
   定めたトータル作業計画を作成する積み付け順決定手段
   とを備え、この積み付け順決定手段によって作成された
   トータル作業計画を層ピッキング指令として送出する請
   求項１記載のピッキング装置。
3. 【請求項３】 デパレタイザーは、同一品種の多層積み
   されたパレットを載置するための昇降機構が設けられ、
   前記制御手段の位置制御信号を受けて前記パレット上か
   ら層単位で取り下ろすごとに最上層の製品高さ位置を取
   り下ろし最適位置となるように上昇動作する請求項１記
   載のピッキング装置。
4. 【請求項４】 パレタイザーは、空パレットを載置する
   ための昇降機構が設けられ、前記制御手段の位置制御信
   号を受けて前記空パレットの位置が製品積み付けに最適
   な位置に設定され、かつ、層単位の製品の積み付け後層
   相当距離だけ下降動作する請求項１記載のピッキング装
   置。