JP2975218B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2975218B2
JP2975218B2 JP4222119A JP22211992A JP2975218B2 JP 2975218 B2 JP2975218 B2 JP 2975218B2 JP 4222119 A JP4222119 A JP 4222119A JP 22211992 A JP22211992 A JP 22211992A JP 2975218 B2 JP2975218 B2 JP 2975218B2
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正行 田中
幹雄 梅田
徹 中澤
利男 高橋
公一 加藤
浩之 中野
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波モータに係り、
特に縦振動と捩り振動とのいわゆる複合振動を利用して
ロータを回転させるように形成されている超音波モータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ステータ部での超音波振動を利用
して、ロータを回転させるようにした超音波モータが開
発されている。
【0003】このような超音波モータは、円柱状のステ
ータ部の端面にロータ部を圧接させておき、前記ステー
タ部に、縦方向の振動を与える縦振動用圧電素子と、互
いに方向に振動して逆捩り方向の振動を与える一対の捩
り振動用圧電素子とを備え、縦振動と捩り振動とを組合
わせることによってステータ部の端面にリサージュ図形
を描くように運動させて、前記端面に圧接されているロ
ータ部を右方向又は左方向へ回転させるように形成され
ている。
【0004】これを図9に示す超音波モータの概略構造
を示す半断面正面図を用いてさらに説明する。
【0005】図示超音波モータ10は、円柱状のステー
タ20と、該ステータ20に圧接されているロータ30
とを2本の保持軸40,50によって一体化構造とされ
たものである。前記ステータ20は、ステータヘッド6
0と、リング状に積層された縦振動用圧電素子70と、
ホールドブロック80と、リング状に積層された捩り振
動用圧電素子90と、ボトムナット100とが一本の保
持軸40によって締結固定された構造となっている。な
お、捩り振動用圧電素子90は、複数個、例えば6個の
扇状の圧電素子片95a…95fを接着剤(不図示)に
よって、接着し、リング状に形成される。そして、リン
グ状の捩り振動用圧電素子90をそれぞれ捩り方向が時
計回り方向と反時計回り方向とに互い違いとなるよう重
ね合されている。このとき、時計回り方向のリング状の
捩り振動用圧電素子90の接着部96a,96b…と、
その上に載置された反時計回り方向のリング状の捩り振
動用圧電素子90の接着部96a’,96b’,…とが
一直線状に配置されている。
【0006】そして、各圧電素子70,90の各層の両
端面には、各層の圧電素子70,90に電圧を印加する
ための電極板71,91が密着して配置され、この電極
板71,91には、不図示の電源が接続されている。こ
のような超音波モータ10では、縦振動用圧電素子70
による縦振動と、捩り振動用圧電素子90による捩り振
動とによって、ステータヘッド60の上端面がリサージ
ュ運動を生じるため、ステータ20に圧接されているロ
ータ30が回動させられ超音波モータ10が構成されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この超
音波モータ10を駆動すると、前記一直線状に配置され
た圧電素子の接着部96a’,96b’,…は弾力性の
ある物質であるため、捩り振動用圧電素子によって生じ
た振動がこの接着部96a’,96b’,…によって吸
収され、振動エネルギーが損失することとなり、効率よ
くロータに回転エネルギーを伝達することができず、
動電力の割に回転トルクが小さいという欠点があった。
【0008】そこで、本発明は、少ない駆動電力でも、
回転トルクの大きな、高効率な超音波モータを提供す
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波モータ
は、ステータと、ステータの一端に圧接されて、該
テータによって回転駆動されるロータとを備え、ステー
タが軸線方向の振動を与えるリング状の縦振動用圧電素
子部と、軸線周りに正逆方向の捩り振動を与える少なく
とも2層のリング状の捩り振動用圧電素子部と、これら
圧電素子部の端面に当接して圧電素子部を挟む複数個の
ホールド部材とを軸線方向に締結固定され、ロータが保
持軸に回転可能に保持されている超音波モータにおい
て、前記少なくとも2層以上のリング状の捩り振動用圧
電素子は、前記リング状の捩り振動用圧電素子部の接
線方向に分極された複数個の扇状の圧電素子片が接着さ
れて形成されており、且つ互いに隣接する相の前記各
電素子片の接着部が、周方向にずれて配置されているこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成の超音波モータにおいては、リング状
の捩り振動用圧電素子を2層以上積層する際に、前記捩
り振動用圧電素子を構成する複数個の圧電素子片の各接
着部をそれぞれの捩り振動用圧電素子の各層において周
方向にずらして配置することによって、各接着層が上ま
たは下層の捩り振動用圧電素子を構成する圧電素子片に
よって、強固に支持されることとなり、捩り振動用圧電
素子によって生じた振動を各接着部により吸収されるこ
とを防止することができる。これにより、捩り振動用圧
電素子によって生じた振動は、その振動のエネルギーが
損失することなく、ロータに伝わるため、高回転トルク
で高効率なモータとなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1から図8を
用いて詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明に係わる超音波モータの一
実施例を示す半断面正面図、図2は、図1に示す超音波
モータのステータ部の一実施例を示す要部分解斜視図、
図3は、捩り振動用圧電素子を示す要部分解斜視図、図
4は、ステータヘッドを示す図で(a)は平面図、
(b)は(a)のA−A´断面図、図5は、ホールドブ
ロックを示す図で(a)は平面図、(b)は(a)のA
−A´断面図、図6は、ボトムナットを示す図で(a)
は底面図、(b)は(a)のA−A´断面図、図7は、
ロータを示す図で(a)は平面図、(b)は(a)のA
−A´断面図、図8は、上バネ受けを示す図で(a)は
平面図、(b)は(a)のA−A´断面図である。
【0013】図示超音波モータ10は、円柱状のステー
タ部20と、該ステータ部20の一端面に、例えば10
個から成る摩擦板110が所定間隔で配置され、該摩擦
板110に圧接されているロータ部30とから構成され
ている。そして前記ステータ部20とロータ部30と
は、それぞれ外周面に雄ねじ43が形成された第1の保
持軸40と、雄ねじ51が形成された第2の保持軸50
とによって、一体化構造とされている。前記ステータ部
20は、ステータヘッド60と、縦方向(軸線方向)の
超音波振動を生じさせる10層から成る縦振動用圧電素
子70と、ホールドブロック80と、例えば4個の扇状
の圧電素子片90a…90dで構成され、捩り方向(軸
線周り方向)の超音波振動を生じさせる4層から成る捩
り振動用圧電素子90と、ボトムナット100とによっ
て構成されている。そして、前記ステータヘッド60,
ホールドブロック80,ボトムナット100及び各圧電
素子70,90は、第1の保持軸40で、軸線方向に2
00〜300Kg・cmの強い力で締結固定され、ステ
ータ部20が構成される。
【0014】また、ステータヘッド60,ホールドブロ
ック80及びボトムナット100は、前述の如く円柱状
に形成されており、且つ、そのそれぞれの外周面61,
81,101であって第1の保持軸40に対して対称の
位置にトルクレンチ(図示せず)によって締め付けると
きの係止部となる一対の凹部62,82,102が形成
されている。なお、ボトムナット100の中央に段部1
04内に形成された第1の保持軸40を螺合するネジ部
103は、本実施例では、貫通して形成されているが、
ステータ部20の振動によって、第1の保持軸40の軸
方向への移動するのを防止するためにネジ部103の一
端部が封止されるように形成してもよい。また、前記ス
テータヘッド60に形成された一対の凹部62は、円柱
の外周面のほぼ中央に、そして、ホールドブロック80
に形成された一対の凹部82は、鍔部83に一端を接
し、他端はトルクレンチ(図示せず)の締付け部の幅に
対応する寸法まで切削され、そして、さらに、ボトムナ
ット100に形成された一対の凹部102は、下端部が
切落されて形成されている。
【0015】ホールドブロック80の外周面81に形成
されている鍔部83は、ステータ部20の超音波複合振
動の節となる部位にあるような位置に配置されている。
【0016】縦振動用圧電素子70は、圧電材の1枚の
厚さが約0.5mmであってこれを例えば、10枚積層す
ることによって形成され、各層の間には、電極板(図示
せず)が挟まれて配置されており、該電極板には、これ
も不図示の外部電源から約300v位の駆動電圧が印加
される。そして、10層から成る縦振動用圧電素子70
と電極板とは、所定の接着剤によって相互に固着されて
いる。
【0017】捩り振動用圧電素子90は、圧電材の1枚
の厚さが約2mmであって、これを例えば、4層とするこ
とにより、そしてそれぞれ各層は、例えば、約90度の
扇状であって、4枚の圧電素子片90a,90b,90
c,90dをリング状に固着して形成されている。そし
て、リング状に接着剤等によって固着された圧電素子片
90a…90dを4層に積層する際に、素子片の接着部
91,91´が所定角度ずれていわゆる互い違いに配置
されており、一直線状に成るように積層はされていな
い。また、圧電素子片90a,…90dは各々接線方向
に分極されており、リング状に接着することによって各
分極軸92が閉ループを描くように組立て、さらに積層
する際は、閉ループの向きが反時計方向(図中矢印A)
と、時計方向(図中矢印B)とに逆になるように順次組
立てるものとする。
【0018】ステータヘッド60(図4参照)は、円柱
状のアルミニュウム合金材から成り、外周面61には、
トルクレンチ(図示せず)の係止部となる一対の凹部6
2が切削によって形成されている。さらに、上端面63
の中央には段部64が、そして、下端面65にも段部6
6が形成されており、中心部には雌ネジ67が切られて
いる。また、上端面63の外方であって、一対の凹部6
2の形成位置からずれた部位に、例えば、10片の摩擦
板110が、雌ネジ67を中心で円周上に接着剤(図示
せず)によって固着されている。この摩擦板110は、
耐摩耗性に優れた材質から選定される。そして摩擦板1
10の摩擦面111は、平坦であるように研磨されてい
る。
【0019】ホールドブロック80(図5参照)は、円
柱状のアルミニュウム合金材から成り、外周面81に
は、トルクレンチ(図示せず)の係止部となる一対の凹
部82と鍔部83とが形成され、上端面84と下端面8
5とには段部86,87が形成されている。
【0020】ボトムナット100(図6参照)は、円柱
状のステンレス鋼材(SUS材)から成り、外周面10
1には、トルクレンチ(図示せず)の係止部となる一対
の凹部102が切削によって形成され、上端面103に
は、段部104が形成されている。
【0021】上述の如く、形成されたステータヘッド6
0,縦振動用圧電素子70,ホールドブロック80,捩
り振動用圧電素子90及びボトムナット100とは、順
次第1の保持軸40の軸線方向に積層する。このとき、
トルクレンチによって、それぞれ一対の凹部62,8
2,102を係止部として所定の力で締結固定する。こ
のとき、捩り振動用圧電素子90の内周部93と対向す
る第1の保持軸40の位置には、絶縁部材120が巻き
付け等の手段によって保持されている。この絶縁部材1
20によって、捩り振動用圧電素子90へ電圧を印加す
る為の電極(図示せず)と第1の保持軸40との絶縁が
保たれることになる。このようにして、一体化され、複
合振動を生じるステータ部20が形成される。
【0022】次にロータ部30について説明する。ま
ず、ロータ130(図7参照)は、円柱状であって、ス
テンレス鋼材(SUS材)から成り、その上端面131
には、スラストベアリング140が係止される段部13
2と、該段部132の中央部に第2の保持軸50が挿通
される貫通穴133が形成されている。さらに円柱状の
外周面134には、例えば、90度づつ対称の位置にロ
ータ130の回転力を外部の駆動部材(図示せず)に伝
達係合するための4個のノック穴135が形成されてい
る。
【0023】次にロータ部30のステータ部20への組
込みについて説明する。第1の保持軸40にトルクレン
チによって締結固定され、一体化されたステータ部20
であって、第1の保持軸40の先端部41の中心部に形
成されたネジ部42に第2の保持軸50の雄ネジ51を
螺合させる。そして、第2の保持軸50を貫通させて、
スラストベアリング140が係止されたロータ130を
ステータヘッド60の上端面63に接着された摩擦板1
10上に載置する。次に下バネ受150,圧縮バネ16
0,上バネ受170及び六角ナット180を順次スラス
トベアリング140上に載置する。なお、上バネ受17
0(図8参照)には、中心部に形成された、第2の保持
軸50と螺合されるネジ部171と、トルクレンチ(図
示せず)の係止部となる切欠き部172と、圧縮バネ1
60を保持するための凹部173とが形成されている。
そして、上バネ受170のネジ部171と六角ナット1
80とによって、いわゆるダブルナット構成となる。そ
して、このダブルナット構成にてステータ部20の複合
振動による圧縮バネ160の緩みがなくなり、安定した
締付け圧力が保持される。
【0024】このようにしてロータ部30を保持する第
2の保持軸50は、ステータ部20を保持する第1の保
持軸40の先端部41に形成されたネジ部42に螺合さ
れて、あたかも一本の保持軸であるかのように構成され
る。
【0025】
【発明の効果】上述の如く、本発明の超音波モータは、
扇状の圧電素子片を接着してリング状に形成した捩り振
動用の圧電素子を積層する際に、隣接する各層の圧電素
子片の接着部が周方向にずれて、互い違いになるように
配置したため各接着層が上層または下層の捩り振動用
圧電素子を構成する圧電素子片によって、強固に支持さ
れることとなり、捩り振動用圧電素子によって生じた振
動を各接着層により吸収されることを防止することがで
きる。これにより、捩り振動用圧電素子によって生じた
振動は、その振動のエネルギーが損失することなく、ロ
ータに伝わるため、各層の接着部を直線上に配した従来
の超音波モータと比較して、高回転トルクで、駆動電力
が少ない高効率な超音波モータを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波モータの一実施例を示す半
断面正面図。
【図2】図1に示す超音波モータのステータ部の一実施
例を示す要部分解斜視図。
【図3】捩り振動用圧電素子を示す要部分解斜視図。
【図4】ステータヘッドを示す図で、(a)は平面図、
(b)は(a)のA−A´断面図。
【図5】ホールドブロックを示す図で、(a)は平面
図、(b)は(a)のA−A´断面図。
【図6】ボトムナットを示す図で、(a)は底面図、
(b)は(a)のA−A´断面図。
【図7】ロータを示す図で、(a)は平面図、(b)は
(a)のA−A´断面図。
【図8】上バネ受を示す図で、(a)は平面図、(b)
は(a)のA−A´断面図。
【図9】従来の超音波モータを示す半断面正面図。
【符号の説明】
10 超音波モータ 20 ステータ部 30 ロータ部 40 第1の保持軸 50 第2の保持軸 70 縦振動用圧電素子 90 捩り振動用圧電素子 91a,…90d 圧電素子片 91,91´ 接着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 公一 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アル プス電気株式会社内 (72)発明者 中野 浩之 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アル プス電気株式会社内 審査官 山下 喜代治 (56)参考文献 特開 昭63−124784(JP,A) 特開 平3−124277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/10 - 2/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータと、該ステータの一端に圧接さ
    れて、該ステータによって回転駆動されるロータとを備
    え、ステータが軸線方向の振動を与えるリング状の縦振
    動用圧電素子部と、軸線周りに正逆方向の捩り振動を与
    える少なくとも2層のリング状の捩り振動用圧電素子部
    と、これら圧電素子部の端面に当接して圧電素子部を挟
    む複数個のホールド部材とを軸線方向に締結固定され、
    ロータが保持軸に回転可能に保持されている超音波モー
    タにおいて、前記少なくとも2層以上のリング状の捩り
    振動用圧電素子部は、前記リング状の捩り振動用圧電素
    子部の接線方向に分極された複数個の扇状の圧電素子片
    が接着されて形成されており、且つ互いに隣接する層の
    前記各圧電素子片の接着部が、周方向にずれて配置され
    ていることを特徴とする超音波モータ。
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