JP2974575B2 - 流体粘度測定方法および装置 - Google Patents

流体粘度測定方法および装置

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JP2974575B2
JP2974575B2 JP6132082A JP13208294A JP2974575B2 JP 2974575 B2 JP2974575 B2 JP 2974575B2 JP 6132082 A JP6132082 A JP 6132082A JP 13208294 A JP13208294 A JP 13208294A JP 2974575 B2 JP2974575 B2 JP 2974575B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体粘度測定方法およ
び装置に関し、石油精製プラントや化学プラント等にお
いて、プロセスに流通する流体の粘度を連続的あるいは
間欠的に測定する際などに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、石油精製プラントや化学プラン
ト等においては、材料および製品となる油脂類や化学物
質流体の物性を適宜監視している必要があり、その物性
の代表的なものに粘度がある。
【0003】プラント中を流通する流体の粘度の測定に
は各種の測定方式が利用されているが、JISの規定に
基づき、プラントから取り出したサンプル流体(測定対
象流体)をピストン式粘度計等で測定することが行われ
ている。ここで、粘度測定の制度は温度条件に大きく影
響されるため、サンプル流体および粘度計を恒温槽内に
収容し、一定温度下で測定を行うことがなされている。
【0004】一方、プラントにおいては、流通する流体
の物性をなるべく常時監視できることが望ましく、適宜
取り出しによる測定に代えて、プラントに測定装置を付
設し、各種測定を連続的または一定時間毎等の間欠的に
行うこと(プロセス内測定、インライン測定等)が行わ
れている。このようなプロセス内測定を行うにあたって
は、プラントの一部にサンプル流路を接続し、このサン
プル流路内にプラント内流体の一部を導き出し、このサ
ンプル流路の流体に対して所定の測定処理を行うことが
なされている。
【0005】このようなプロセス内測定により前述した
粘度測定を行う場合、測定時の温度安定化のため、プラ
ントから流体が導かれるサンプル流路の全体を恒温槽に
収容することが行われている。一方、サンプル流体の種
類毎に予め粘度と温度との対応関係を調べておき、粘度
を測定する際に温度も測定し、この温度に基づいて測定
した粘度の値を補正することにより、温度誤差のない粘
度を測定することもなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
恒温槽を用いて温度安定化を図ろうとする場合、設備の
大型化や複雑化といった問題が生じる。また、恒温槽を
用いた粘度測定において、基準温度などの測定条件等の
変更に伴って内部温度を変化させる場合、あるいはプロ
セスの運転条件の変更に伴ってサンプル流体の温度が変
化した場合、内部が新たな設定温度に達しかつ安定する
までに所定の時間が必要であり、その間は温度に起因す
る測定誤差が生じるという問題がある。
【0007】一方、前述のような温度補正係数を用いて
温度誤差を補正する場合、サンプル流体の種類毎に温度
と粘度との関係を測定し、補正係数を算出しておく必要
があり、取り扱うサンプル流体の種類が場合には管理等
が困難になるという問題がある。また、サンプル流体が
変更された場合には、その都度演算部分等に新たなサン
プル流体に対応した補正係数を再設定する必要があり、
操作の煩雑化が避けられないという問題がある。さら
に、予め補正係数を準備していないサンプル流体につい
ては、補正対応することができないという問題がある。
【0008】本発明の目的は、装置構成および操作や管
理を簡略化できるとともに、任意の流体の任意温度にお
ける粘度をリアルタイムで正確に測定できる流体粘度測
定方法および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、サンプル流体
の温度を積極的に変化させ、その前後での温度および粘
度の変化から補正係数を演算することにより、事前の準
備なしに正確な温度補正を行えるようにして前記目的を
達成しようとするものである。
【0010】具体的に、本発明の方法は、粘度を測定す
べき対象流体をサンプル流路内に流通させ、このサンプ
ル配管の途中で加熱または冷却を行って対象流体の温度
を変化させるとともに、前記温度を変化させる位置より
上流側および下流側の二位置で前記サンプル配管内を流
通する対象流体の温度および粘度をそれぞれ測定し、前
記二位置での温度の差と粘度の差とから前記対象流体の
温度に応じた粘度の変化状態を示す補正係数を演算し、
この補正係数から所定温度における粘度を演算すること
を特徴とする。また、運転中のプロセスから取り出され
た対象流体を前記サンプル配管に連続的に導入すること
を特徴とする流体粘度測定方法。
【0011】一方、本発明の装置は、内部に粘度を測定
すべき対象流体を流通させるサンプル配管と、このサン
プル配管の途中に設置されて内部を流通する前記対象流
体を加熱または冷却して対象流体の温度を変化させる温
度変化手段と、前記温度変化手段より上流側に設置され
た上流側温度計および上流側粘度計と、前記温度変化手
段より下流側に設置された下流側温度計および下流側粘
度計と、前記各温度計で計測された温度の差と前記各粘
度計で計測された粘度の差とから前記対象流体の温度に
応じた粘度の変化状態を示す補正係数を演算する補正係
数演算手段と、この補正係数から所定温度における粘度
を演算する粘度演算手段とを備えていることを特徴とす
る。また、前記サンプル配管は上流側端がプロセス配管
の粘度を測定すべき流体が流通する所定部位に接続され
ていることを特徴とする。
【0012】
【作用】このような本発明においては、サンプル配管を
通過する途中で対象流体の温度が変化され、その前後の
温度の差および各温度における粘度の差を測定ないし演
算することで補正係数が得られ、この補正係数に基づい
て所望温度における正確な粘度が得られることになる。
従って、事前に対象流体に応じた補正係数を準備してお
く必要がなく、従来の温度補正方式に比べて操作等も簡
略化できるとともに、如何なる流体であっても即座に対
応が可能であり、かつ恒温槽を用いないため設備が簡略
化できるとともに、温度変更に伴う時間遅れに起因する
誤差等も解消でき、これらにより前記目的が達成され
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、プロセス内流体粘度測定装置1
0は、図示省略したプラントの一部を構成するプロセス
配管1を流通する所定の流体を一部取り出して連続的に
粘度測定を行うものである。このために、プロセス内流
体粘度測定装置10は、取り出したサンプル流体(粘度
測定対象流体)を流通させるサンプル配管11を備えて
いる。
【0014】サンプル配管11は、一端の試料入口11
1がプロセス配管1の所定位置に接続され、かつ他端の
試料出口112がプロセス配管1の前記所定位置より下
流側の所定位置に接続されている。サンプル配管11の
途中にはエア駆動式のポンプ12が設置され、試料入口
111から導入されたサンプル流体を駆動し、所定流量
で試料出口112へと流通させるようになっている。
【0015】サンプル配管11の中間には、温度変化手
段である熱交換器13が設置されている。熱交換器13
は、送り側の冷却水配管131の冷却水入口132に図
示しない冷却水供給手段等からの冷却水を供給され、供
給された冷却水によりサンプル配管11内を流れるサン
プル流体を冷却するとともに、使用済み冷却水を戻り側
の冷却水配管133の冷却水出口134へと排出する。
【0016】これらにより、サンプル配管11内を流通
するサンプル流体は、熱交換器13の上流側(試料入口
111側)よりも熱交換器13を通過した下流側(試料
出口112側)の温度が下がる(温度差が発生する)よ
うになっている。なお、送り側の冷却水配管131の途
中には冷却水調整バルブ135が設置され、その開閉に
より冷却水流量を調整可能であり、この調整により熱交
換器13におけるサンプル流体の温度差発生状態を調整
できるようになっている。
【0017】サンプル配管11の熱交換器13よりも上
流側には、上流側粘度計および上流側温度計を含む第一
の粘度センサ21が設置されるとともに、その近傍には
第一の密度計23が設置されている。サンプル配管11
の熱交換器13よりも下流側には、下流側粘度計および
下流側温度計を含む第二の粘度センサ22が設置される
とともに、その近傍には第二の密度計24が設置されて
いる。
【0018】第一および第二の粘度センサ21、22
は、それぞれ温度計およびピストン式等の粘度計を含ん
で構成され、各々にはそれぞれ第一および第二の変換器
211、221が接続されている。そして、各センサ2
1、22からの信号出力は各変換器211、221で処
理され、上流側の粘度信号V1および温度信号T1と、
下流側の粘度信号V2および温度信号T2として出力さ
れる。第一および第二の密度計23、24からは、上流
側の密度信号D1および温度信号T11と、下流側の密
度信号D2および温度信号T22とが出力される。これ
らの各信号出力は、それぞれ図2の制御装置30に接続
されている。
【0019】制御装置30は、専用のハードウェアある
いは所定のソフトウェアで動作するコンピュータシステ
ムにより構成されたものであり、測定系として粘度差演
算部31、温度差演算部32、補正係数演算部33、粘
度演算部34、基準温度設定部35を有し、制御系とし
て温度差制御部36、流通制御部37等を有する。そし
て、外部に接続された操作盤38からの操作入力により
動作し、測定結果等の表示出力等を行えるようになって
いる。
【0020】粘度差演算部31は、第一の粘度センサ2
1および変換器211からの粘度信号V1、および第二
の粘度センサ22および変換器221からの粘度信号V
2を受け、粘度差ΔV=V1−V2を演算する。温度差
演算部32は、第一の粘度センサ21および変換器21
1からの温度信号T1、および第二の粘度センサ22お
よび変換器221からの温度信号T2を受け、温度差Δ
T=T1−T2を演算する。
【0021】補正係数演算部33は、各演算部31、3
2から得られる粘度差ΔVおよび温度差ΔTから、サン
プル流体の温度に応じた粘度の変化を示す温度−粘度の
補正係数C=ΔV/ΔTを演算する。粘度演算部34
は、補正係数演算部33による補正係数Cと基準温度設
定部35に設定された基準温度TRとから、基準温度に
おける粘度VRを演算し、操作盤38などに出力する。
【0022】粘度VRは、例えばV1+(T1−TR)
×C、あるいはV2+(T2−TR)×Cによって演算
できる。図3に示すように、縦軸に動粘度(対数目盛)
をとり、横軸に温度をとると、流体L1の温度と粘度の
関係は右下がり直線となる。従って、温度T1、T2お
よび粘度V1、V2から補正係数Cを計算すれば、任意
の基準温度TR1、TR2における粘度VR1、VR2
を計算することができる。また、種類の異なる流体であ
っても、温度T1、T2に対応する粘度V1’、V2’
から補正係数C’を計算することで、任意の基準温度T
R3に対する粘度VR3を計算することができる。
【0023】基準温度設定部35は、操作盤38からの
入力操作により基準温度TRを設定され、この値TRを
粘度演算部TRに出力するものである。従って、所定温
度における粘度を測定したい場合、操作盤38からその
温度を基準温度TRとして設定すれば、粘度演算部34
からその温度TRに補正された粘度VRが得られるよう
になっている。
【0024】温度差制御部36は、図1の中継器41お
よびエア配管系40を介して冷却水調整バルブ135の
開度調整を行い、サンプル流体に所定の温度差が生じる
ように熱交換器13による冷却状態を調整するものであ
る。流通制御部37は、サンプル配管11の洗浄用配管
類(後述)の切り替え制御を行うものであり、図1の中
継器41およびエア配管系40を介して洗浄用バルブ類
(後述)を制御するものである。
【0025】サンプル配管11には、内部を洗浄するた
めの配管類およびバルブ類が接続されている。サンプル
配管11の試料入口111近傍には洗浄油導入管14が
接続され、その他端の洗浄油入口141には図示しない
洗浄油供給手段等からの洗浄油が供給されるようになっ
ている。サンプル配管11の試料出口112近傍には洗
浄油排出管15が接続され、その他端の洗浄油出口15
1からは図示しないドレンへと洗浄油が排出されるよう
になっている。
【0026】洗浄油導入管14の中間部分と洗浄油排出
管15の中間部分とは、洗浄油バイパス配管16で接続
され、その途中には洗浄油バイパス開閉バルブ161が
設置されている。洗浄油導入管14の洗浄油入口141
から洗浄油バイパス配管16接続部分までの間には洗浄
油遮断バルブ142が設置され、洗浄油バイパス配管1
6接続部分からサンプル配管11接続側端までの間には
洗浄油導入バルブ143が設置されている。
【0027】洗浄油排出管15のサンプル配管11接続
側端から洗浄油バイパス配管16接続部分までの間には
洗浄油排出バルブ152が設置されている。サンプル配
管11の試料入口111から洗浄油導入管14接続部分
までの間と洗浄油排出管15から試料出口112までの
間とは、試料バイパス配管17で接続され、その途中に
は試料バイパス開閉バルブ171が設置されている。サ
ンプル配管11の試料バイパス配管17接続部分から洗
浄油導入管14接続部分までの間には導入側遮断バルブ
113が設置されている。サンプル配管11の洗浄油排
出管15接続部分から試料バイパス配管17接続部分ま
での間には排出側遮断バルブ114が設置されている。
【0028】このような配管類およびバルブ類は、エア
配管系40により操作され、測定状態および洗浄状態に
切り替えられる。エア配管系40は、エア入口401に
図示しないエア供給源からの圧縮エアを供給されてい
る。エア入口401にはポンプ駆動用配管42、冷却水
調整用配管43、流通経路切り替え用配管44が接続さ
れている。
【0029】ポンプ駆動用配管42は、その途中に駆動
エア量調整バルブ421が設置され、その先端はポンプ
12に接続されている。このポンプ駆動配管42を通し
て供給されるエアによりポンプ12が駆動され、サンプ
ル配管11内の流体が流通駆動されるようになってい
る。駆動エア量調整バルブ421は、中継器41を介し
て制御装置30に接続され、その指令に基づいて開度を
調整され、サンプル配管11内の流体の流通速度等を調
整可能である。
【0030】冷却水調整用配管43は、その途中に開度
調整バルブ431が設置され、その先端は冷却水調整バ
ルブ135に接続されている。この冷却水調整用配管4
3を通して供給されるエアにより冷却水調整バルブ13
5が開度調整される。開度調整バルブ431は中継器4
1を介して制御装置30に接続され、その指令に基づい
て開度を調整され、熱交換器13に通される冷却水の流
量(サンプル流体に対する冷却状態)を調整可能であ
る。
【0031】流通経路切り替え用配管44は、その途中
に開閉バルブ431が設置され、その先端は導入側遮断
バルブ113、排出側遮断バルブ114、洗浄油遮断バ
ルブ142、洗浄油導入バルブ143、洗浄油排出バル
ブ152、洗浄油バイパス開閉バルブ161、試料バイ
パス開閉バルブ171の各々に分岐接続され、各々の開
閉状態を切り替え可能である。
【0032】各バルブのうち、導入側遮断バルブ11
3、排出側遮断バルブ114、洗浄油バイパス開閉バル
ブ161は通常開状態であり、開閉バルブ431の切り
替えにより一斉に閉状態となる。一方、他の洗浄油遮断
バルブ142、洗浄油導入バルブ143、洗浄油排出バ
ルブ152、試料バイパス開閉バルブ171は通常閉状
態であり、開閉バルブ431の切り替えにより一斉に開
状態となる。
【0033】これにより、通常は、図4(A)に示すよ
うに、試料入口111からサンプル配管11を経て試料
出口112に至る経路が開通され、プロセス配管1から
のサンプル流体が流通され、前述したサンプル流体の粘
度測定が連続的に行われることになる。この際、洗浄油
入口141からの洗浄油は導入されることはない。
【0034】一方、洗浄を行う場合、制御装置30から
の指令により開閉バルブ431が切り替えられる。すな
わち、図4(B)に示すように、試料入口111に供給
されるサンプル流体は試料バイパス17から直ぐに試料
出口112へと排出され、サンプル配管11へと流通さ
れることはない。替わりに、サンプル配管11には、洗
浄油入口141からの洗浄油が洗浄油導入管14から導
入され、洗浄油排出管15から排出される。これによ
り、サンプル配管11の内部、およびポンプ12や熱交
換器13、各センサ21、22等の内部の洗浄が行われ
る。
【0035】この後、開閉バルブ431を戻すことによ
り、再び図4(A)の状態に戻り、測定が行える流通状
態となる。この際に、洗浄油遮断バルブ142から洗浄
油導入バルブ143までの間の部分に残留した洗浄油は
洗浄油バイパス16から排出される。
【0036】なお、洗浄油バイパス開閉バルブ161を
独立して開閉できるようにすれば、図4(A)の状態か
ら図4(B)の洗浄油導入状態を経て、図(C)のよう
な循環状態とすることができ、循環による洗浄油の有効
利用を計ることができる。測定に戻る場合、図4(B)
の状態で洗浄油を排出してから図4(A)の状態に復帰
するようにすればよい。
【0037】このような本実施例によれば、熱交換器1
3によりサンプル配管11を通過する途中でサンプル流
体の温度を変化させ、その前後の温度T1、T2および
各温度における粘度V1、V2を測定し、各温度の差Δ
Tおよび各粘度の差ΔVからサンプル流体の補正係数C
を演算し、この補正係数Cに基づいて所望の基準温度T
Rにおける正確な粘度VRを得ることができる。そし
て、各温度や粘度の測定、および補正係数ないし粘度に
至る演算は、各センサ21、22および制御装置30に
より自動的に処理することができ、簡単な操作で正確な
測定処理を行うことができる。
【0038】つまり、本実施例の測定方式においては、
サンプル流体の温度が粘度VRを測定すべき基準温度T
Rでなくてもよいため、従来の恒温槽を用いた実際の温
度調整を行う必要がなく、恒温槽の使用に伴う装置構成
の複雑化、温度調整などの操作の煩雑化、温度変化の際
の待ち時間やその間の測定誤差等といった問題を一挙に
解決することができる。
【0039】また、粘度VRを演算で求めるため、任意
の基準温度TRに自由に対応することができる。そし
て、複数の基準温度における粘度測定を行う場合でも、
元になる補正係数の算出ができれば後は演算のみでよ
く、殆ど瞬時に対応することができる。
【0040】さらに、補正係数Cは、現在流れているサ
ンプル流体から直接測定演算して求めるようにしたた
め、従来の温度補正方式のように事前にサンプル流体に
応じた補正係数を準備しておく必要性を解消することが
できる。このため、サンプル流体に対応した補正係数を
セットする等の操作なども解消でき、別の補正係数をセ
ットする等の操作ミスによる測定誤差などを回避するこ
とができる。
【0041】また、その都度サンプル流体の補正係数を
算出するため、如何なる流体であっても即座に対応する
ことができる。このため、従来の温度補正方式のよう
に、サンプル流体に対応した補正係数が準備されていな
いために測定できない等といった不都合も完全に解消す
ることができる。そして、別種の流体の粘度を測定する
場合でも、補正係数Cは自動的に演算されるため、従来
の温度補正方式のような補正係数の設定入れ換え操作な
ども不要であり、この点でも操作の簡略化、ミスの防止
を図ることができる。
【0042】一方、本実施例では、洗浄油導入管14、
洗浄油排出管15、試料バイパス配管17等を設け、サ
ンプル配管11内および各センサ21、22等の内部の
洗浄を行えるようにしたため、常時閉塞等のない適切な
流通状態が確保でき、保守性を向上できるとともに、測
定精度を常時高く維持することができる。
【0043】また、洗浄の際には試料バイパス配管17
によりサンプル流体をバイパスさせるため、プロセス配
管1からの分岐取り出し状態を変化させることもなく、
プロセスの安定性をも確保できる。さらに、洗浄動作
は、エア配管系40を介して制御装置30により制御さ
れるため、操作を簡単に行うことができ、定期的に自動
実行させること等も可能である。
【0044】なお、本発明は前記実施例の態様に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内で
の変形などは本発明に含まれるものである。すなわち、
前記実施例では熱交換器13に冷却水を供給し、サンプ
ル配管11を通るサンプル流体を冷却することで温度変
化を生じさせたが、サンプル流体より高温のスチーム等
を通して加熱することで温度変化を生じさせるようにし
てもよい。
【0045】また、サンプル配管11の洗浄にあたって
は、洗浄油などの油脂類に限らず、他の洗浄用薬品ある
いは水等でもよく、サンプル流体に対する洗浄性がよ
く、かつ残留した場合でもサンプル流体に悪影響を及ぼ
さないものを適宜選択することが望ましい。
【0046】さらに、サンプル流体としては、石油精製
プラントや化学プラントのプロセスで生じる油脂類、プ
ラスチック材料、各種薬品、製品あるいは中間生成物と
いった各種流体を適用することができる。そして、本発
明はプラントに接続されてプロセス内粘度測定を連続的
に行う形態に限らず、実験装置に接続されて試料の連続
測定などに利用されてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
サンプル配管を通過する途中で対象流体の温度を変化さ
せ、その前後の温度の差および各温度における粘度の差
を測定ないし演算することで補正係数を求め、この補正
係数に基づいて所望の基準温度における粘度を得るよう
にしたため、事前に補正係数等を準備する必要がなく、
かつ恒温槽も不要にできるため、装置構成および操作や
管理を簡略化できるとともに、任意の流体の任意温度に
おける粘度をリアルタイムで正確に測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図。
【図2】前記実施例の制御装置を示すブロック図。
【図3】前記実施例の演算原理を示すグラフ。
【図4】前記実施例の流路の切り替え状態を示す模式配
管図。
【符号の説明】
1 プロセス配管 10 プロセス内粘度測定装置 11 サンプル流路 13 熱交換器 14 洗浄液導入管 15 洗浄液排出管 16 洗浄液バイパス配管 17 試料バイパス配管 21 上流側温度計および上流側粘度計である第一の粘
度センサ 22 下流側温度計および下流側粘度計である第二の粘
度センサ 30 制御装置 31 粘度差演算部 32 温度差演算部 33 補正係数演算部 34 粘度演算部 35 基準温度設定部 40 エア配管系 C 補正係数 T1 上流側の温度信号 T2 下流側の温度信号 ΔT 温度差 TR 基準温度 V1 上流側の粘度信号 V2 下流側の粘度信号 ΔV 粘度差 VR 粘度

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度を測定すべき対象流体をサンプル流
    路内に流通させ、このサンプル流路の途中で加熱または
    冷却を行って対象流体の温度を変化させるとともに、前
    記温度を変化させる位置より上流側および下流側の二位
    置で前記サンプル流路内を流通する対象流体の温度およ
    び粘度をそれぞれ測定し、前記二位置での温度の差と粘
    度の差とから前記対象流体の温度に応じた粘度の変化状
    態を示す補正係数を演算し、この補正係数から所定温度
    における粘度を演算することを特徴とする流体粘度測定
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した流体粘度測定方法に
    おいて、運転中のプロセスから取り出された対象流体を
    前記サンプル流路に連続的に導入することを特徴とする
    流体粘度測定方法。
  3. 【請求項3】 内部に粘度を測定すべき対象流体を流通
    させるサンプル流路と、このサンプル流路の途中に設置
    されて内部を流通する前記対象流体を加熱または冷却し
    て対象流体の温度を変化させる温度変化手段と、前記温
    度変化手段より上流側に設置された上流側温度計および
    上流側粘度計と、前記温度変化手段より下流側に設置さ
    れた下流側温度計および下流側粘度計と、前記各温度計
    で計測された温度の差と前記各粘度計で計測された粘度
    の差とから前記対象流体の温度に応じた粘度の変化状態
    を示す補正係数を演算する補正係数演算手段と、この補
    正係数から所定温度における粘度を演算する粘度演算手
    段とを備えていることを特徴とする流体粘度測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した流体粘度測定装置に
    おいて、前記サンプル流路は上流側端がプロセス配管の
    粘度を測定すべき流体が流通する所定部位に接続されて
    いることを特徴とする流体粘度測定装置。
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