JP2972614B2 - 低結晶性エチレン系共重合体の製法 - Google Patents

低結晶性エチレン系共重合体の製法

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JP2972614B2 JP8343036A JP34303696A JP2972614B2 JP 2972614 B2 JP2972614 B2 JP 2972614B2 JP 8343036 A JP8343036 A JP 8343036A JP 34303696 A JP34303696 A JP 34303696A JP 2972614 B2 JP2972614 B2 JP 2972614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、低結晶性エチレン
系共重合体の製法に関する。さらに詳細には、分子量分
布及び組成分布が狭い低結晶性エチレン系共重合体の製
法に関し、さらには該低結晶性エチレン系共重合体を高
活性触媒を用いて効率的に製造する方法に関する。 【0002】 【発明の技術的背景】従来、低結晶性エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン
・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1-ブ
テン・非共役ジエン共重合体などの低結晶性エチレン系
共重合体の製造法としては、チタン化合物と有機アルミ
ニウム化合物からなるチタン系触媒、あるいはバナジウ
ム化合物と有機アルミニウム化合物からなるバナジウム
系触媒の存在下に共重合を行う方法が工業的に広く採用
されている。これらの方法のうちで、チタン系触媒を使
用する方法では重合活性は大きいが、一般に得られた共
重合体は分子量分布及び組成分布が広く、共重合体中に
α−オレフィン含量の高い低分子量体を多く含有し、ゴ
ム状重合体の用途に利用してもそれら低分子量体がベタ
つきやブロッキングの原因となり、充分な性能を示さな
いという欠点があり、他方バナジウム系触媒を使用する
方法では得られた共重合体の分子量分布及び組成分布は
狭いが、一般に重合活性が小さいという欠点があり、残
留する触媒成分を生成共重合体から除去するなどの工程
を必要としていた。 【0003】また、オレフィンの重合法において新しい
高活性重合触媒として遷移金属化合物及びアルミノオキ
サンからなる触媒が特開昭58−19309号公報、特
開昭59−95292号公報、特開昭60−35005
号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−
35007号公報、特開昭60−35008号公報など
に提案されている。これらの先行技術のなかで、特開昭
58−19309号公報、特開昭60−35005号公
報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35
007号公報、特開昭60−35008号公報には、前
記触媒系がエチレンとα−オレフィンの共重合に適用で
きることが記載されているが、いずれの方法でもエチレ
ンとα−オレフィンの共重合に適用した場合には、単位
触媒量あたりの重合活性が低いという欠点があり、さら
にこれらにはいずれにも分子量分布及び組成分布の狭い
低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体を製造する
方法に関しては何も示されていない。 【0004】従って、低結晶性エチレン系共重合体の製
造に関する分野においては、重合活性に優れ、分子量分
布及び組成分布の狭い低結晶性エチレン系共重合体を効
率的に製造することのできる方法が強く要望されてい
る。本発明者らは、低結晶性エチレン系共重合体の製造
分野における先行技術が前述の状況にあることを認識
し、重合活性に優れしかも分子量分布及び組成分布の狭
い低結晶性エチレン系共重合体を製造することのできる
方法を検討した結果、特定のジルコニウム化合物と特定
のアルミノオキサンからなる触媒の存在下に、エチレン
及びα−オレフィンを特定の条件下で共重合することに
より前記目的が達成できることを見出し、本発明に到達
したものである。 【0005】 【発明の目的】本発明は、上記のような状況に鑑みなさ
れたものであって、分子量分布及び組成分布が狭い低結
晶性エチレン系共重合体が得られるようなエチレン系共
重合体の製造方法を提供することを目的としている。 【0006】 【発明の概要】本発明に係る低結晶性エチレン系共重合
体は、 (A)シクロアルカジエニル基を有するジルコニウムの
化合物、及び (B)アルミノオキサン、 からなる触媒の存在下に、エチレン及びα−オレフィン
を流通させながらエチレン及びα−オレフィンを−50
ないし200℃で共重合させることにより、エチレン成
分の含有率が20ないし85重量%の範囲にあり、分子
量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、結晶化度が
30%以下であり、極限粘度〔η〕が1.21ないし1
0dl/gの範囲にあり、かつ下記式 【0007】 【数2】 【0008】(式中、PE は共重合体中のエチレン成分
の含有モル分率を示し、PP は共重合体中のα−オレフ
ィン成分の含有モル分率を示し、PEPは全dyad連鎖
に対するエチレン・α−オレフィン連鎖の割合を示す)
で表されるB値が、共重合体中のエチレン成分の含有率
が50モル%以下においては 1.0+0.3×PE ≦B≦1/(1−PE ) を満足する範囲にあり、共重合体中のエチレン成分の含
有率が50モル%以上においては 1.3−0.3×PE ≦B≦1/PE を満足する範囲にあるエチレン系共重合体を製造するこ
とを特徴としている。 【0009】本発明では、前記シクロアルカジエニル基
は、シクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジ
エニル基であることが好ましい。 【0010】 【発明の具体的説明】以下、本発明に係る低結晶性エチ
レン系共重合体の製法を具体的に説明する。本発明で
は、特定の(A)遷移金属化合物及び(B)アルミノオ
キサンからなる触媒の存在下に、エチレン及びα−オレ
フィンを特定の条件で共重合させることにより、低結晶
性エチレン系共重合体を製造している。 【0011】本発明の方法において使用される触媒構成
成分の遷移金属化合物(A)は、ジルコニウム、ハフニ
ウム、バナジウムよりなる群より選ばれた遷移金属の化
合物であり、とくにジルコニウム化合物が高活性であ
る。該遷移金属化合物の好適な形態としては、炭化水素
基を有する化合物又は炭化水素基とハロゲン原子を有す
る化合物が好ましく、とりわけ、好ましくは少なくとも
1個、とくに好ましくは2個の炭化水素基を有しかつ好
ましくは少なくとも1個、とくに好ましくは2個のハロ
ゲン原子を有する遷移金属化合物である。炭化水素基と
して、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、
イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert- ブ
チル基、イソブチル基、ネオペンチル基などのアルキル
基、イソプロペニル基、1-ブテニル基などのアルケニル
基、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエ
ニル基などのシクロアルカジエニル基、ベンジル基、ネ
オフィル基などのアラルキル基などを例示することがで
きるが、シクロアルカジエニル基が好ましく、シクロペ
ンタジエニル基がとくに好ましい。ハロゲン原子として
具体的には弗素、塩素、臭素、沃素原子を例示すること
ができる。 【0012】遷移金属化合物として具体的には、ビス
(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニウム、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジイソプロピルジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチ
ルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)メチルジルコニウムモノブロミド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)エチルジルコニウムモノブロミド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノイ
オデイド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジフルオリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジイオデイドなどのジル
コニウム化合物、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチ
ルハフニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルハ
フニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)
ハフニウムジクロリドなどのハフニウム化合物、ビス
(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)メチルバナジウムモノクロリ
ドなどのバナジウム化合物を例示することができる。 【0013】本発明の方法において使用される触媒構成
成分のアルミノオキサン(B)として具体的には、一般
式(I)又は一般式(II) 【0014】 【化1】 【0015】(式中、Rは炭化水素基を示し、mは2以
上の整数を示す)で表わされる有機アルミニウム化合物
を例示することができる。該アルミノオキサンにおい
て、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル
基、とくに好ましくはメチル基であり、mは2以上の整
数、好ましくは5以上の整数、とくに好ましくは10な
いし100、とりわけ好ましくは25ないし100の整
数である。 【0016】該アルミノオキサンの製造法として、たと
えば次の方法を例示することができる。 (1)吸着水を含有する化合物、結晶水を含有する塩
類、例えば硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物など
の炭化水素媒体懸濁液にトリアルキルアルミニウムを添
加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムに
直接水を作用させる方法。 これらの方法のうちでは(1)の方法を採用するのが好
ましい。なお、該アルミノオキサンには少量の有機金属
成分を含有していても差しつかえない。 【0017】図1に本発明の方法において用いられる触
媒の調製工程を示す。本発明の方法において、重合反応
系に供給される原料はエチレンとエチレン以外のα−オ
レフィンからなる混合物であり、必要に応じて鎖状非共
役ポリエンを共重合することもできる。重合原料オレフ
ィン中のエチレンの含有率は通常は10ないし80モル
%、好ましくは20ないし70モル%、該α−オレフィ
ンの含有率は通常は20ないし90モル%、好ましくは
30ないし80モル%の範囲であり、さらに鎖状非共役
ポリエンを共重合する場合の重合原料オレフィン中の含
有率は通常0ないし50モル%、好ましくは0ないし3
0モル%の範囲である。従って、重合原料オレフィンは
エチレン及びα−オレフィンからなる混合物である場合
もあるし、エチレン、α−オレフィン及び鎖状非共役ポ
リエンからなる混合物である場合もある。 【0018】本発明の方法において重合原料として使用
されるエチレン以外のα−オレフィンとして具体的に
は、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
センなどの炭素原子数が3ないし20のα−オレフィン
が例示できる。 【0019】また必要に応じて反応系に供給される鎖状
非共役ポリエンとして具体的には、1,4-ヘキサジエン、
1,5-ヘキサジエン、1,4-ペンタジエン、1,7-オクタジエ
ン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、4-メチル-1,4-
ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエンなどを例示
することができる。 【0020】本発明の方法において、オレフィンの重合
反応は通常は炭化水素媒体中で実施される。炭化水素媒
体として具体的には、ブタン、イソブタン、ペンタン、
ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカ
ン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水素、シクロペン
タン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
オクタンなどの脂環族系炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、ガソリン、灯
油、軽油などの石油留分などの他に、原料のオレフィン
も炭化水素媒体となる。これらの炭化水素媒体の中で
は、芳香族炭化水素が好ましい。 【0021】本発明の方法においては、懸濁重合法、溶
解重合法などのような液相重合法が通常採用され、とく
に好適には溶解重合法が採用される。重合反応の際の温
度は−50ないし200℃、好ましくは−30ないし1
00℃、とくに好ましくは−20ないし80℃の範囲で
ある。 【0022】本発明の方法を液相重合法で実施する際の
該遷移金属化合物の使用割合は、重合反応系内の遷移金
属原子の濃度として通常は10-8ないし10-2グラム原
子/リットル、好ましくは10-7ないし10-3グラム原
子/リットルの範囲である。また、アルミノオキサンの
使用割合は、重合反応系内のアルミニウム原子の濃度と
して通常は10-4ないし10-1グラム原子/リットル、
好ましくは10-3ないし5×10-2グラム原子/リット
ルの範囲であり、また重合反応系内の遷移金属原子に対
するアルミニウム金属原子の比として通常は4ないし1
7 、好ましくは10ないし106 の範囲である。共重
合体の分子量は、水素及び/又は重合温度によって調節
することができる。 【0023】本発明の方法において、重合反応が終了し
た重合反応混合物を常法によって処理することにより低
結晶性エチレン系共重合体が得られる。該低結晶性エチ
レン系共重合体の組成はエチレン成分の含有率が20な
いし85重量%、好ましくは30ないし80重量%、該
α−オレフィン成分の含有率が15ないし80重量%、
好ましくは20ないし70重量%及び該非共役ポリエン
成分の含有率が0ないし30重量%、好ましくは0ない
し20重量%の範囲にある。また、該低結晶性エチレン
系共重合体は低結晶性ないしは非晶性であり、X線回折
より求めたその結晶化度は30%以下、好ましくは20
%以下、とくに好ましくは0ないし15%の範囲であ
る。 【0024】また、該低結晶性エチレン系共重合体のゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によ
って測定した分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下、
好ましくは2.2以下、とくに好ましくは2.0以下の
範囲である。該低結晶性エチレン系共重合体の分子量分
布が2.5より大きくなると、該共重合体あるいは該共
重合体を改質剤として配合した組成物のベタつきが大き
くなったり、ブロッキングするようになるので前記範囲
にあることが必要である。 【0025】該低結晶性エチレン系共重合体の後記方法
によって定義した組成分布を表わすパラメーターである
B値は共重合体のエチレン成分の含有率が50モル%以
下において通常は一般式 1.0+0.3×PE ≦B≦1/(1−PE )、 好ましくは一般式 1.0+0.4×PE ≦B≦1/(1−PE )、 とくに好ましくは一般式 1.0+0.5×PE ≦B≦1/(1−PE )、 で表わされる範囲にあり、共重合体のエチレン成分の含
有率が50モル%以上においては、通常は一般式 1.3−0.3×PE ≦B≦1/PE 、 好ましくは一般式 1.4−0.4×PE ≦B≦1/PE 、 とくに好ましくは一般式 1.5−0.5×PE ≦B≦1/PE 、 (式中、PE は、共重合体中のエチレン成分の含有モル
分率である)によって表わされる範囲にある。 【0026】該低結晶性エチレン系共重合体の135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]は通常0.01
ないし20dl/g、好ましくは0.5ないし10dl
/g、より好ましくは1.21ないし10dl/gの範
囲にある。 【0027】なお、本発明の方法で得られる低結晶性エ
チレン系共重合体の組成分布は、G.J.Ray らの報告( m
acromolecules 10、773(1977) )に準じ、ポリマー中の
エチレン単位量(E)、α−オレフィン単位量(P)及
びdyad連鎖量(EE、EP、PP)を求め、共重合
体連鎖の各モノマーの分布状態を表わすパラメーターと
して以下に示す値を定義した。 【0028】 【数3】 【0029】PE は共重合体中のエチレン成分の含有モ
ル分率を示し、PE =E/(E+P)であり、PP は共
重合体中のα−オレフィン成分の含有モル分率を示し、
P =P/(E+P)であり、PE +PP =1 であ
る。 【0030】PEPは全dyad連鎖に対するEP連鎖の
割合を示し、PEP=EP/(EE+EP+PP)であ
る。なお、エチレン成分の含有率(%)はPE ×100
であり、α−オレフィン成分の含有率(%)はPP ×1
00である。 【0031】上記B値が大きい程、ブロック的な連鎖が
少なく、エチレン及びα−オレフィンの分布が一様であ
り組成分布の狭い共重合体であることを示す。なお、組
成分布B値は、10mmφの試料管中で約200mgの
共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶
解させた試料の13C−NMRのスペクトルより求めた。
以下に測定条件を示す。測定温度120℃、測定周波数
25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、フィル
ター幅1500Hz、パルス繰り返し時間4.2sec 、
パルス幅7μsec 、積算時間1000回。 【0032】 【発明の効果】本発明の方法によれば、重合活性に優
れ、分子量分布及び組成分布が狭い低結晶性エチレン系
共重合体を効率的に製造することができるという特徴が
あり、さらには得られた低結晶性エチレン系共重合体は
ゴム状重合体として優れた性能を有している。また、本
発明の方法で得られた低結晶性エチレン系共重合体をポ
リオレフィンなどの熱可塑性樹脂に改質剤として配合し
た組成物は、従来の低結晶性エチレン系共重合体を配合
した組成物にくらべて表面のベタつきが少なく、ブロッ
キング性が小さいという特徴がある。 【0033】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。 【0034】 【実施例1】充分にアルゴンで置換した200mlフラ
スコにAl2(SO4)3・14H2O7.4gとトルエン2
5mlを装入し、0℃で冷却後トルエン25mlで希釈
したトリメチルアルミニウム100mmolを滴下し
た。滴下終了後、40℃に昇温しその温度で30時間反
応させた。反応後、濾過により固液分離を行い分離液を
アルミノオキサン溶液として重合に用いた。一部分離液
よりトルエンを除き分子量測定用の試料とした。ベンゼ
ン中での凝固点降下により求められた分子量は1650
であり、該アルミノオキサンのm値は26であった。 【0035】重 合 内容積500mlのガラス製オートクレーブに精製トル
エン250mlを装入後、エチレンとプロピレンの混合
ガス(それぞれ50リットル/hr、50リットル/h
r)を流通させ、20℃で10分間保持した。その後、
アルミニウム原子換算で0.5ミリグラム原子に相当す
るアルミノオキサン、ジルコニウム原子換算で、1.2
5×10-3ミリグラム原子に相当するトルエンに溶解し
た(π-C55)2 ZrCl2 を装入し、重合を開始し
た。重合は20℃で1時間流通系で行った。1時間後イ
ソプロピルアルコールを添加し重合を停止させた。ポリ
マー溶液を多量のメタノール−アセトン混合液中に移
し、析出したポリマーを130℃で12時間減圧乾燥し
た。エチレン成分の含有率68重量%、[η]1.22
dl/g、結晶化度0%、Mw/Mn1.83、B値
1.22のゴム状ポリマーが12.5g得られた。単位
ジルコニウム当たりの活性は10000gポリマー/ミ
リグラム原子−Zrであった。 【0036】 【実施例2】実施例1において、エチレンを60リット
ル/hr、プロピレンを40リットル/hrで供給した
以外は実施例1と同様に重合を行った。結果を表1に示
す。 【0037】 【実施例3】実施例1において、エチレンを70リット
ル/hr、プロピレンを30リットル/hrで供給した
以外は実施例1と同様に重合を行った。結果を表1に示
す。 【0038】 【実施例4】アルミノオキサンの合成において反応時間
を4日間とし、分離液より更にアルミノオキサン成分
(白色固体)だけを分離し、それをトルエンで再溶解し
たものを重合に用いた。ベンゼン中での凝固点降下によ
り求められた分子量は2700であり、該アルミノオキ
サンのm値は45であった。 【0039】重 合 内容積500mlのガラス製オートクレーブに精製トル
エン250mlを装入後、エチレンとプロピレンの混合
ガス(それぞれ60リットル/hr、40リットル/h
r)を流通させ、20℃で10分間保持した。その後、
アルミニウム原子換算で1.25ミリグラム原子に相当
するアルミノオキサン、ジルコニウム原子換算で、1.
25×10-3ミリグラム原子に相当するトルエンに溶解
した(π-C55)2 ZrCl2 を装入し、重合を開始し
た。重合は20℃で30分間流通系で行った。 【0040】その後の操作は実施例1と同様に行った。
なお、重合30分後においてもエチレンとプロピレンの
吸収量は重合初期とほとんど変わっていなかった。結果
を表1に示す。 【0041】 【実施例5】実施例4において、0℃で重合を行った以
外は実施例4と同様に重合を行った。結果を表1に示
す。 【0042】 【実施例6】実施例4において、プロピレンの代わりに
1-ブテンを40リットル/hrで供給し、0℃で重合を
行った以外は実施例4と同様に重合を行った。結果を表
1に示す。 【0043】 【実施例7】実施例4において、エチレンを70リット
ル/hr、1-ブテンを30リットル/hrで供給し、0
℃で重合を行った以外は、実施例4と同様に重合を行っ
た。結果を表1に示す。 【0044】 【実施例8】実施例4において、(π-C55)2 ZrC
2 の代わりに(π-C55)2 ZrClHを用い、1時
間重合した以外は、実施例4と同様に重合を行った。結
果を表1に示す。 【0045】 【実施例9】実施例1においてトリメチルアルミニウム
100mmolの代わりにトリメチルアルミニウム90
mmolとトリノルマルオクチルアルミニウム10mm
olの混合アルミニウムを用いた以外は実施例1と同様
にしてアルミノオキサンを合成し、重合反応をも実施例
1と同様に行った。結果を表1に示す。 【0046】 【実施例10】実施例4において、エチレンを60リッ
トル/hr、1-ヘキセンを100g/リットル供給した
以外は、実施例4と同様に重合を行った。結果を表1に
示す。 【0047】 【表1】【0048】 【実施例11】重 合 内容積500mlのガラス製のオートクレーブに精製ト
ルエン250mlを装入後、エチレンとプロピレンと1-
ブテンの混合ガス(それぞれ60リットル/hr、30
リットル/hr、10リットル/hr)を流通させ、2
0℃で10分間保持した。その後、アルミニウム原子換
算で1.25ミリグラム原子に相当する実施例4で合成
したアルミノオキサン、ジルコニウム原子換算で1.2
5×10 -3ミリグラム原子に相当する(π-C55)2
rCl2 を装入し重合を開始した。重合は、20℃で3
0分間流通系で行った。その後の操作は、実施例1と同
様に行った。エチレン成分の含有率70重量%、プロピ
レン含量25重量%、[η]1.63dl/g、結晶化
度0%、Mw/Mn1.90、B値1.18のゴム状共
重合体が14.1g得られた。単位ジルコニウム当りの
活性は11300gポリマー/ミリグラム原子−Zrで
あった。 【0049】 【実施例12】重 合 1リットルの連続重合反応器を用いて、精製トルエンを
500ml/hr、実施例4で合成したアルミノオキサ
ンをアルミニウム原子換算で2.5ミリグラム原子/h
r、(π-C55)2 ZrCl2 をジルコニウム原子換算
で5×10-3ミリグラム原子/hrの割合で連続的に供
給し、重合器内において同時にエチレン120リットル
/hr、プロピレン80リットル/hr及び1,4-ヘキサ
ジエン1g/hrの割合で連続的に供給し、重合温度2
0℃、常圧、滞留1時間、ポリマー濃度21g/リット
ルとなる条件下に重合を行った。生成したポリマー溶液
は、実施例1と同様に処理した。エチレン成分の含有率
73重量%、[η]1.60dl/g、結晶化度1.2
%、Mw/Mn1.98、B値1.15、ヨウ素価9の
ゴム状ポリマーが得られた。単位ジルコニウム当りの活
性は2100gポリマー/ミリグラム原子−Zrであっ
た。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の方法において用いられる触媒の調製
工程を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 平8−26100(JP,B2) K.H.Reishert et a l,”Polymer Reactio n Engineering”(Han ser Publishers,1983) p.208−220 Makromolekulare C hemie.Rapid Commun ications 4(1983),p417 −421 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/642,4/68

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.(A)シクロアルカジエニル基を有するジルコニウ
    ムの化合物、及び (B)アルミノオキサン、 からなる触媒の存在下に、エチレン及びα−オレフィン
    を流通させながらエチレン及びα−オレフィンを−50
    ないし200℃で共重合させることにより、エチレン成
    分の含有率が20ないし85重量%の範囲にあり、分子
    量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、結晶化度が
    30%以下であり、極限粘度[η]が1.21ないし1
    0dl/gの範囲にあり、かつ下記式 【数1】 (式中、PE は共重合体中のエチレン成分の含有モル分
    率を示し、PP は共重合体中のα−オレフィン成分の含
    有モル分率を示し、PEPは全dyad連鎖に対するエチ
    レン・α−オレフィン連鎖の割合を示す) で表されるB値が、共重合体中のエチレン成分の含有率
    が50モル%以下においては 1.0+0.3×PE ≦B≦1/(1−PE ) を満足する範囲にあり、共重合体中のエチレン成分の含
    有率が50モル%以上においては 1.3−0.3×PE ≦B≦1/PE を満足する範囲にあるエチレン系共重合体を製造するこ
    とを特徴とする低結晶性エチレン系共重合体の製法。 2.前記シクロアルカジエニル基は、シクロペンタジエ
    ニル基または置換シクロペンタジエニル基である請求項
    1に記載の低結晶性エチレン系共重合体の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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K.H.Reishert et al,"Polymer Reaction Engineering"(Hanser Publishers,1983)p.208−220
Makromolekulare Chemie.Rapid Communications 4(1983),p417−421

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