JP2972388B2 - 坐剤用基剤 - Google Patents

坐剤用基剤

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JP2972388B2
JP2972388B2 JP3148189A JP14818991A JP2972388B2 JP 2972388 B2 JP2972388 B2 JP 2972388B2 JP 3148189 A JP3148189 A JP 3148189A JP 14818991 A JP14818991 A JP 14818991A JP 2972388 B2 JP2972388 B2 JP 2972388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は坐剤用基剤、特に徐放性
坐剤用の基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】直腸投与剤形は肝初回通過効果を受ける
ことが少ない、胃酸や消化液の影響および胃腸の運動性
や食事成分との相互作用など生理的変動を受け難い、胃
腸粘膜に直接接触することがないことから胃腸粘膜刺激
を避けることができるなど多くの利点を有している。さ
らに、高齢者や小児、嚥下困難な患者においても適用し
やすい剤形である。
【0003】近年、薬物投与直後の急激な血中濃度の上
昇による副作用を防止し、生物薬剤学的半減期の短い薬
物の投与回数を減らすことにより、服薬遵守の向上を目
的とした放出制御製剤が開発されている。坐剤徐放化の
試みとしては、水溶性基剤に高分子化合物を配合したも
の、2層型あるいは基剤中にペレットを埋設させた有核
型のものがある。前者においては通常の坐剤製造設備で
調製可能であるが、充分な徐放性を得るのに必要な量の
高分子化合物を配合すると基剤の粘度が上昇し、また坐
剤の柔軟性あるいは表面の平滑性が失われることが多
い。後者においては、前者における欠点は少なく、多様
な放出特性が得られる特徴を有するものの、製造工程が
繁雑であり、坐剤中の薬物分布の均一性が得られないな
どの欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、坐剤の特
性をいかしつつ、血中濃度の立ち上がりが良く、望まし
い血中濃度を長時間持続し得る徐放性坐剤用の基剤を提
供することを目的とする。更には、薬物の生体内半減期
に応じて薬物の放出速度を自由に制御しうる基剤を提供
することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、水溶性
基剤を用いた坐剤中に、難水溶性の高級脂肪族アルコー
ルあるいは高級直鎖脂肪酸を5重量%以上配合したとき
に堅固なマトリックス様構造を形成することを認め、安
全性が高く、再現性に優れ、広範囲において放出速度の
制御が可能であり、しかもその製造時の操作が簡易で製
造コストも安価であることを見出して、本発明を完成さ
せた。
【0006】本発明は、特定の水溶性基剤と難水溶性基
剤と膨潤剤とからなる坐剤用基剤である。
【0007】本発明における水溶性基剤は、室温で固体
のポリアルキレングリコールあるいはこれを主成分とす
る基剤(例えばマクロゴール1500やマクロゴール4
000)である。また、難水溶性基剤は炭素数14〜2
2の脂肪族アルコール(例えばステアリルアルコールや
セチルアルコール)または炭素数16〜20の直鎖脂肪
酸(例えばステアリン酸)から選ばれる1種もしくは2
種以上の混合物あるいはこれらを主成分とする基剤であ
り室温で固体の基剤である。
【0008】本発明の基剤における水溶性基剤および難
水溶性基剤の重量百分率はそれぞれ60〜95%および
5〜40%、より好ましくはそれぞれ80〜92.5%
および7.5〜20%である。
【0009】本発明の基剤に添加される薬物には特に制
限はなく、直腸から吸収可能な薬物であれば使用するこ
とができる。また、本発明の基剤には、前記水溶性基剤
および難水溶性基剤の他に、水溶性が低いことにより充
分な放出性が得られない酸性薬物(例えばインドメタシ
ンやケトプロフェン)の場合には塩基性のpH緩衝剤
を、塩基性薬物(例えば塩酸ニカルジピン)の場合には
酸性のpH緩衝剤を配合することにより放出速度を促進
することができる。ここでいう塩基性のpH緩衝剤と
は、坐剤を投与した際、坐剤中マトリックス間の微小環
境を弱塩基性に保てるものであれば特に限定されない
が、例えばリン酸2ナトリウムやクエン酸3ナトリウム
である。酸性のpH緩衝剤とは、坐剤を投与した際、坐
剤中マトリックス間の微小環境を酸性に保てるものであ
れば特に限定されないが、例えばフマル酸、コハク酸、
リンゴ酸、リン酸1ナトリウムである。通常、本発明に
おける坐剤のようなマトリックス型坐剤の場合、坐剤中
に含有される薬物が放出されるに従って拡散層が厚くな
ることによる放出速度の遅延が観察される。したがっ
て、かかる放出速度の遅延が血中濃度を維持する上で障
害となる場合においては、膨潤剤を配合し、拡散層が厚
くなるに従ってマトリックス間の間隔を広げることによ
って安定した放出速度を維持することができる。ここで
いう膨潤剤とは、水分を吸収した際に膨潤するものであ
れば特に限定されないが、例えばアルギン酸ナトリウ
ム、アルギン酸プロピレングリコール、溶性デンプンで
ある。膨潤剤およびpH緩衝剤を使用する場合の基剤に
おける重量百分率はそれぞれ1〜25%および1〜25
%である。
【0010】本発明の基剤を用いた徐放性坐剤の製造法
を説明する。脂肪族アルコールあるいは直鎖脂肪酸の難
水溶性基剤と水溶性基剤を70〜90℃で混合熔融後、
薬効成分および必要に応じて膨潤剤やpH緩衝剤などの
成分を添加する。各成分が分離しないように充分に撹拌
を加え、コンテナへ充填し急速に冷却して製造される。
本発明の基剤を用いた坐剤は、直腸のみならず膣にも適
用できる。
【0011】[作用および効果]本発明の坐剤用基剤を
用いた坐剤は、通常の坐剤製造設備を用いて容易に調製
でき、しかも投与後速やかに血中濃度が上昇し、以後長
時間にわたって有効な血中濃度を持続することができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0013】実施例1 坐剤1個当たりの処方を以下に示す。ステアリルアルコ
ールおよびマクロゴール4000を70℃で熔融したあ
と、ジクロフェナクナトリウムおよびアルギン酸ナトリ
ウムを加えて均一に撹拌した。この0.8gを坐剤プラ
スチックモールド内に分注して固化せしめた。 処方 ジクロフェナクナトリウム 50mg アルギン酸ナトリウム 50mg ステアリルアルコール 52.5mg マクロゴール4000 647.5mg
【0014】実施例2 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。 処方 ジクロフェナクナトリウム 50mg アルギン酸ナトリウム 75mg セチルアルコール 67.5mg マクロゴール4000 607.5mg
【0015】実施例3 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。 処方 ジクロフェナクナトリウム 50mg 溶性デンプン 50mg ステアリルアルコール 70mg マクロゴール4000 630mg
【0016】実施例4 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。 処方 ケトプロフェン 50mg アルギン酸ナトリウム 50mg リン酸2ナトリウム 50mg ステアリルアルコール 65mg マクロゴール4000 585mg
【0017】実施例5 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。 処方 ケトプロフェン 50mg アルギン酸ナトリウム 50mg リン酸2ナトリウム 50mg セチルアルコール 130mg マクロゴール4000 520mg
【0018】実施例6 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。 処方 ケトプロフェン 50mg アルギン酸ナトリウム 75mg ステアリルアルコール 67.5mg マクロゴール4000 607.5mg
【0019】実施例7 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。 処方 塩酸ニカルジピン 40mg フマル酸 100mg ステアリルアルコール 66mg マクロゴール1540 178.2mg マクロゴール4000 415.8mg
【0020】比較例1 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。 処方 ジクロフェナクナトリム 50mg マクロゴール4000 750mg
【0021】比較例2 以下の処方にて、実施例1と同様にして調製した。ただ
し、基剤の熔融温度は45℃で行った。 処方 ケトプロフェン 50mg フォーマゾルB115 750mg (日本油脂社製品)
【0022】試験例1 一群5匹の雄性家兎(3−3.5kg)に実施例1−6、
比較例1−2の坐剤を投与し、経時的に耳静脈より採血
して、血漿中ジクロフェナク量またはケトプロフェン量
を定量した。また、pH7.0リン酸緩衝液を用いて溶
出試験も行った。(定量法)血漿0.1mlに0.05N
塩酸1mlおよびクロロホルム7mlを加えて、10分間振
盪し、5分間遠心分離する。クロロホルム層を減圧下乾
固し、HPLC用移動相に溶解してその一定量をHPL
Cに注入した。測定はジクロフェナクは275nmで、ケ
トプロフェンは260nmで行った。結果を図1および図
2に示す。
【0023】図1は実施例1および2、および比較例1
の坐剤を投与した場合、および定速静脈内投与を行った
場合の結果を示し、図2は実施例1〜3および比較例1
の坐剤の放出試験の結果を示す。
【0024】図1は、ジクロフェナクナトリウムを含有
する本発明の徐放性坐剤と従来の坐剤、および定速静脈
内投与の結果を表わしたグラフであり、本発明の徐放性
坐剤は定速静脈内投与に匹敵する血漿中濃度時間推移を
示した。また図2は放出試験の結果を示し、処方によっ
て放出速度を制御することが可能であることを示すもの
である。
【0025】試験例2 図3は実施例4および5、および比較例2の坐剤を投与
した場合、および定速静脈内投与を行った場合の結果を
示し、図4は実施例4〜6および比較例2の坐剤の放出
試験の結果を示す。
【0026】図3は、ケトプロフェンを含有する本発明
の徐放性坐剤と従来の坐剤、および定速静脈内投与の結
果を表わしたグラフであり、本発明の徐放性坐剤は定速
静脈内投与に匹敵する血漿中濃度時間推移を示した。ま
た図4は放出試験の結果を示し、処方によって放出速度
を制御することが可能であることを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】坐剤投与後の経過時間と薬物の血漿中濃度との
関係を示す。
【図2】坐剤からの薬物の放出曲線を示す。
【図3】坐剤投与後の経過時間と薬物の血漿中濃度との
関係を示す。
【図4】坐剤からの薬物の放出曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 47/34 A61K 47/34 C

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で固体のポリアルキレングリコール
    からなる水溶性基剤と、炭素数14〜22の脂肪族アル
    コールまたは炭素数16〜20の直鎖脂肪酸から選ばれ
    る1種もしくは2種以上の混合物であり室温で固体の難
    水溶性基剤と膨潤剤とからなり、坐剤用基剤における水
    溶性基剤および難水溶性基剤の重量は百分率がそれぞれ
    60〜95%および5〜40%であることを特徴とする
    坐剤用基剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の坐剤用基剤にpH緩衝剤を添
    加した坐剤用基剤。
JP3148189A 1991-05-24 1991-05-24 坐剤用基剤 Expired - Lifetime JP2972388B2 (ja)

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