JP2972388B2 - 坐剤用基剤 - Google Patents
坐剤用基剤Info
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Description
坐剤用の基剤に関する。
ことが少ない、胃酸や消化液の影響および胃腸の運動性
や食事成分との相互作用など生理的変動を受け難い、胃
腸粘膜に直接接触することがないことから胃腸粘膜刺激
を避けることができるなど多くの利点を有している。さ
らに、高齢者や小児、嚥下困難な患者においても適用し
やすい剤形である。
昇による副作用を防止し、生物薬剤学的半減期の短い薬
物の投与回数を減らすことにより、服薬遵守の向上を目
的とした放出制御製剤が開発されている。坐剤徐放化の
試みとしては、水溶性基剤に高分子化合物を配合したも
の、2層型あるいは基剤中にペレットを埋設させた有核
型のものがある。前者においては通常の坐剤製造設備で
調製可能であるが、充分な徐放性を得るのに必要な量の
高分子化合物を配合すると基剤の粘度が上昇し、また坐
剤の柔軟性あるいは表面の平滑性が失われることが多
い。後者においては、前者における欠点は少なく、多様
な放出特性が得られる特徴を有するものの、製造工程が
繁雑であり、坐剤中の薬物分布の均一性が得られないな
どの欠点を有する。
性をいかしつつ、血中濃度の立ち上がりが良く、望まし
い血中濃度を長時間持続し得る徐放性坐剤用の基剤を提
供することを目的とする。更には、薬物の生体内半減期
に応じて薬物の放出速度を自由に制御しうる基剤を提供
することを目的とする。
基剤を用いた坐剤中に、難水溶性の高級脂肪族アルコー
ルあるいは高級直鎖脂肪酸を5重量%以上配合したとき
に堅固なマトリックス様構造を形成することを認め、安
全性が高く、再現性に優れ、広範囲において放出速度の
制御が可能であり、しかもその製造時の操作が簡易で製
造コストも安価であることを見出して、本発明を完成さ
せた。
剤と膨潤剤とからなる坐剤用基剤である。
のポリアルキレングリコールあるいはこれを主成分とす
る基剤(例えばマクロゴール1500やマクロゴール4
000)である。また、難水溶性基剤は炭素数14〜2
2の脂肪族アルコール(例えばステアリルアルコールや
セチルアルコール)または炭素数16〜20の直鎖脂肪
酸(例えばステアリン酸)から選ばれる1種もしくは2
種以上の混合物あるいはこれらを主成分とする基剤であ
り室温で固体の基剤である。
水溶性基剤の重量百分率はそれぞれ60〜95%および
5〜40%、より好ましくはそれぞれ80〜92.5%
および7.5〜20%である。
限はなく、直腸から吸収可能な薬物であれば使用するこ
とができる。また、本発明の基剤には、前記水溶性基剤
および難水溶性基剤の他に、水溶性が低いことにより充
分な放出性が得られない酸性薬物(例えばインドメタシ
ンやケトプロフェン)の場合には塩基性のpH緩衝剤
を、塩基性薬物(例えば塩酸ニカルジピン)の場合には
酸性のpH緩衝剤を配合することにより放出速度を促進
することができる。ここでいう塩基性のpH緩衝剤と
は、坐剤を投与した際、坐剤中マトリックス間の微小環
境を弱塩基性に保てるものであれば特に限定されない
が、例えばリン酸2ナトリウムやクエン酸3ナトリウム
である。酸性のpH緩衝剤とは、坐剤を投与した際、坐
剤中マトリックス間の微小環境を酸性に保てるものであ
れば特に限定されないが、例えばフマル酸、コハク酸、
リンゴ酸、リン酸1ナトリウムである。通常、本発明に
おける坐剤のようなマトリックス型坐剤の場合、坐剤中
に含有される薬物が放出されるに従って拡散層が厚くな
ることによる放出速度の遅延が観察される。したがっ
て、かかる放出速度の遅延が血中濃度を維持する上で障
害となる場合においては、膨潤剤を配合し、拡散層が厚
くなるに従ってマトリックス間の間隔を広げることによ
って安定した放出速度を維持することができる。ここで
いう膨潤剤とは、水分を吸収した際に膨潤するものであ
れば特に限定されないが、例えばアルギン酸ナトリウ
ム、アルギン酸プロピレングリコール、溶性デンプンで
ある。膨潤剤およびpH緩衝剤を使用する場合の基剤に
おける重量百分率はそれぞれ1〜25%および1〜25
%である。
を説明する。脂肪族アルコールあるいは直鎖脂肪酸の難
水溶性基剤と水溶性基剤を70〜90℃で混合熔融後、
薬効成分および必要に応じて膨潤剤やpH緩衝剤などの
成分を添加する。各成分が分離しないように充分に撹拌
を加え、コンテナへ充填し急速に冷却して製造される。
本発明の基剤を用いた坐剤は、直腸のみならず膣にも適
用できる。
用いた坐剤は、通常の坐剤製造設備を用いて容易に調製
でき、しかも投与後速やかに血中濃度が上昇し、以後長
時間にわたって有効な血中濃度を持続することができ
る。
れらの実施例に限定されるものではない。
ールおよびマクロゴール4000を70℃で熔融したあ
と、ジクロフェナクナトリウムおよびアルギン酸ナトリ
ウムを加えて均一に撹拌した。この0.8gを坐剤プラ
スチックモールド内に分注して固化せしめた。 処方 ジクロフェナクナトリウム 50mg アルギン酸ナトリウム 50mg ステアリルアルコール 52.5mg マクロゴール4000 647.5mg
し、基剤の熔融温度は45℃で行った。 処方 ケトプロフェン 50mg フォーマゾルB115 750mg (日本油脂社製品)
比較例1−2の坐剤を投与し、経時的に耳静脈より採血
して、血漿中ジクロフェナク量またはケトプロフェン量
を定量した。また、pH7.0リン酸緩衝液を用いて溶
出試験も行った。(定量法)血漿0.1mlに0.05N
塩酸1mlおよびクロロホルム7mlを加えて、10分間振
盪し、5分間遠心分離する。クロロホルム層を減圧下乾
固し、HPLC用移動相に溶解してその一定量をHPL
Cに注入した。測定はジクロフェナクは275nmで、ケ
トプロフェンは260nmで行った。結果を図1および図
2に示す。
の坐剤を投与した場合、および定速静脈内投与を行った
場合の結果を示し、図2は実施例1〜3および比較例1
の坐剤の放出試験の結果を示す。
する本発明の徐放性坐剤と従来の坐剤、および定速静脈
内投与の結果を表わしたグラフであり、本発明の徐放性
坐剤は定速静脈内投与に匹敵する血漿中濃度時間推移を
示した。また図2は放出試験の結果を示し、処方によっ
て放出速度を制御することが可能であることを示すもの
である。
した場合、および定速静脈内投与を行った場合の結果を
示し、図4は実施例4〜6および比較例2の坐剤の放出
試験の結果を示す。
の徐放性坐剤と従来の坐剤、および定速静脈内投与の結
果を表わしたグラフであり、本発明の徐放性坐剤は定速
静脈内投与に匹敵する血漿中濃度時間推移を示した。ま
た図4は放出試験の結果を示し、処方によって放出速度
を制御することが可能であることを示すものである。
関係を示す。
関係を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 室温で固体のポリアルキレングリコール
からなる水溶性基剤と、炭素数14〜22の脂肪族アル
コールまたは炭素数16〜20の直鎖脂肪酸から選ばれ
る1種もしくは2種以上の混合物であり室温で固体の難
水溶性基剤と膨潤剤とからなり、坐剤用基剤における水
溶性基剤および難水溶性基剤の重量は百分率がそれぞれ
60〜95%および5〜40%であることを特徴とする
坐剤用基剤。 - 【請求項2】 請求項1の坐剤用基剤にpH緩衝剤を添
加した坐剤用基剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3148189A JP2972388B2 (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 坐剤用基剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3148189A JP2972388B2 (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 坐剤用基剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04346915A JPH04346915A (ja) | 1992-12-02 |
JP2972388B2 true JP2972388B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=15447240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3148189A Expired - Lifetime JP2972388B2 (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 坐剤用基剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2972388B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110302139B (zh) * | 2019-07-29 | 2022-12-09 | 河南官渡生物工程有限公司 | 一种对乙酰氨基酚栓剂及其制备方法 |
-
1991
- 1991-05-24 JP JP3148189A patent/JP2972388B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04346915A (ja) | 1992-12-02 |
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